JP2007276898A - 被記録媒体送りローラ及びその製造方法、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

被記録媒体送りローラ及びその製造方法、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙送りローラ以外の要因によって生じるスキューを用紙送りローラにより防止し、良好な記録結果が得られるようにする。
【解決手段】外径が回転軸線方向で均一となるよう高精度に形成された基準ローラを用いて用紙を搬送し、このときのスキュー傾向が80桁先行スキューであった場合には、搬送駆動ローラ50の外径を、80桁側を1桁側に比べて小さくする。そのような搬送駆動ローラ50の製造方法として、軸体51単体の段階で左右外径を同じにし(DL1=DR1)、その後、塗膜層53を1桁側のみ厚くし(DL2<DR2)、次いで耐摩耗性粒子54を回転軸線方向に渡って均一に付着させる。これにより、80桁側のローラ外径が1桁側のローラ外径に比べて小さい(DL3<DR3)搬送駆動ローラ50が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被記録媒体送りローラ及びその製造方法、並びに前記被記録媒体送りローラを備えた記録装置に関する。また、本発明は液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
記録装置や液体噴射装置の一例としてのプリンタにおいては、記録ヘッドの上流側に、被記録媒体或いは被噴射媒体の一例としての記録用紙を搬送する搬送手段が設けられている。搬送手段は、主走査方向に延びる形状を成すとともに回転駆動される用紙送りローラと、当該用紙送りローラの回転軸線方向に複数設けられて、記録用紙を用紙送りローラに向けて押圧する従動ローラとを備えて構成される。
用紙送りローラは、特許文献1に示す様に、高剛性材料からなる軸体(基体)の外周面に高摩擦層を備えて成り、この高摩擦層は、耐摩耗性粒子と、当該耐摩耗性粒子を軸体の外周面に接着保持する塗膜面(接着層)とによって形成されている。また、この様な用紙送りローラの製造方法の一例が、特許文献2に記載されている。
特開2001−63862号公報 特開2001−158544号公報
用紙送りローラは、プリンタの基体を構成するフレームに設けられるが、このフレームそれ自体の精度や、組立精度等に起因して、必ずしもその回転軸線が記録ヘッドの走査方向と精密に直交するように設けられるとは限らない。即ち、用紙送りローラを精度良く製造し、回転軸線方向に渡ってローラ外径差が殆ど無い場合であっても、用紙送りローラそれ自体の精度以外の他の要因によって、記録を行った結果スキューが生じる虞がある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙送りローラ以外の要因によって生じるスキューを用紙送りローラにより防止し、良好な記録結果が得られるようにすることにある。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様は、主走査方向に往復動することによって被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置において、自由回転可能な従動ローラとの間で被記録媒体をニップし且つ回転することにより、被記録媒体を前記記録ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被記録媒体送りローラであって、被記録媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体送りローラの外径が、被記録媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、回転軸線方向に渡って非均一に形成されていることから、被記録媒体送りローラ以外の構成部材の部品精度の低下や、組立精度の低下に起因するスキューを被記録媒体送りローラによって矯正することができ、適切な記録品質を得ることができる。
尚、被記録媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、回転軸線方向に渡ってローラ外径を非均一に形成するとは、例えばローラ外径が回転軸線方向に渡って精密に均一となる様形成された基準ローラを取り付けて被記録媒体を搬送し、記録を行った結果、記録結果にスキューの影響が生じた場合に、先行して搬送された側のローラ外径が小さくなる(周長が短くなる)様に、ローラ外径を調整することを意味する。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記高摩擦層は、塗膜層に耐摩耗性粒子が付着されることによって形成され、前記塗膜層の厚みが回転軸線方向に渡って非均一に形成されることにより、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されている、ことを特徴とする。本態様によれば、塗膜層の厚みを調整することによってローラ外径を調整するので、ローラ外径が管理し易く、ローラ外径を容易に調整することができる。
本発明の第3の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置であって、前記記録ヘッドの上流側に上記第1のまたは第2の態様に記載の前記被記録媒体送りローラを備えていることを特徴とする。本態様によれば、記録装置において、上記第1のまたは第2の態様と同様な作用効果を得ることができる。
本発明の第4の態様は、主走査方向に往復動することによって被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置の基体を構成するフレームに設けられ、自由回転可能な従動ローラとの間で被記録媒体をニップし且つ回転することにより、被記録媒体を前記記録ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被記録媒体送りローラの製造方法であって、回転軸線方向に渡ってローラ外径が均一に形成された基準ローラを前記フレームに設け、前記基準ローラと前記従動ローラとによって被記録媒体を搬送し、このとき被記録媒体が先行して搬送される側のローラ外径が小さくなる様に、前記高摩擦層を構成する塗膜層の厚みを薄く形成した上で、当該塗膜層に耐摩耗性粒子を付着させることを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、先行して搬送される側のローラ外径が小さく形成されるので、被記録媒体送りローラ以外の構成部材の部品精度の低下や、組立精度の低下に起因するスキューを被記録媒体送りローラによって矯正することができ、適切な記録品質を得ることができる。また、塗膜層の厚みを調整することによってローラ外径を調整するので、ローラ外径が管理し易く、ローラ外径を容易に調整することができる。
本発明の第5の態様は、主走査方向に往復動することによって被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、自由回転可能な従動ローラとの間で被噴射媒体をニップし且つ回転することにより、被噴射媒体を前記液体噴射ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被噴射媒体送りローラを備え、前記被噴射媒体送りローラが、被噴射媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されていることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について図1乃至図9を参照しながら説明する。ここで、図1はプリンタ1の装置本体(外装カバーを外した状態)の斜視図、図2は同側断面図(用紙搬送経路の側面図)、図3は図1の装置本体の更に内部の状態を示す斜視図、図4は本発明に係る搬送駆動ローラ50についてその回転軸線と直交する面で切断した断面図、図5は図4の要部拡大図、図6(A)〜(C)は従来の搬送駆動ローラの製造方法を示す、同ローラを回転軸線と平行な面で切断した断面図、図7、図8は本発明に係る搬送駆動ローラの製造方法を示す図、図9は搬送駆動ローラの製造方法の一例を示す図である。
以下では先ず、図1乃至図3を参照しながら、本発明に係る記録装置或いは液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概要について説明する。尚、以下では、図2の左方向(プリンタ前方側)を用紙搬送経路の「下流側」と言い、図2の右方向を「上流側」と言うこととする。
プリンタ1は後部に「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)を傾斜姿勢でセット可能な給送装置2を備え、当該給送装置2から、用紙Pを下流側の搬送手段4へ向けて給送する。給送された用紙Pは搬送手段4によって下流側の記録ヘッド36(記録手段3)へ搬送(副走査送り)され、記録が実行される。そして記録ヘッド36によって記録の行われた用紙Pは、下流側の排出手段5によって装置前方へ排出される。
以下、プリンタ1の用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。給送装置2は、ホッパ11と、給送ローラ12と、リタードローラ13と、戻しレバー14と、更に図示しないその他の構成要素と、を備えて構成されている。
ホッパ11は板状体から成り、上部の揺動支点11aを中心に揺動可能に設けられ、揺動することにより、ホッパ11上に傾斜姿勢に支持された用紙Pを給送ローラ12に圧接させる圧接姿勢と、給送ローラ12から離間させる離間姿勢と、を切り換える。給送ローラ12は側面視略D形の形状を成し、その円弧部分によって圧接した最上位の用紙Pを下流側へ給送する。
リタードローラ13は給送ローラ12の円弧部分と圧接可能に設けられ、且つ、所定の回転抵抗(トルク)が与えられた状態に設けられており、用紙Pの重送が発生せずに1枚だけ給送されている場合には、給送ローラ13に対して従動回転する一方で、用紙Pが給送ローラ12とリタードローラ13との間に複数枚存在する場合には、回転せずに停止した状態となり、これにより用紙Pの重送を防止する。戻しレバー14は、用紙Pの給送経路を側視して揺動可能に設けられていて、揺動することにより、重送されようとした次位以降の用紙Pをホッパ11上に戻す。
次に、給送装置2と搬送手段4との間には、用紙Pの通過を検出する検出手段(図示せず)と、用紙Pの給送姿勢を形成するとともに用紙Pの給送ローラ12への接触を防止して搬送負荷を軽減するガイドローラ26が設けられている。
搬送手段4は、図示しないモータによって回転駆動される「被記録媒体送りローラ」「被噴射媒体送りローラ」としての搬送駆動ローラ50と、該搬送駆動ローラ50に圧接して従動回転する搬送従動ローラ60とを備えて構成されている。搬送駆動ローラ50は用紙幅方向(主走査方向)に延びる軸体(金属軸)の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層(高摩擦層)を備えて成され、左右軸端が図3に示す様にサイドフレーム7aと中間フレーム8とによって支持される。
搬送従動ローラ60は外周面がエラストマ等の弾性を有する材料によって成され、搬送駆動ローラ50の回転軸線方向に複数(本実施形態では、6個)配設されている。搬送従動ローラ60は本実施形態では紙案内上24の下流側端部に2つ自由回転可能に軸支され、当該紙案内上24は、本実施形態では用紙幅方向に3つ、図3に示すように並設される。紙案内上24は軸24aがメインフレーム7に軸支されることで、用紙搬送経路を側視して軸24aを中心に揺動可能に設けられるとともに、コイルばね25によって、搬送従動ローラ60が搬送駆動ローラ50に圧接する方向に付勢される。
尚、搬送駆動ローラ50の外周面において搬送従動ローラ60が圧接する位置が用紙幅方向でばらつくと、用紙搬送力が用紙幅方向でばらつき、これによってスキューが生じる場合がある。上記実施例では紙案内上24を用紙幅方向に複数設けているが、その配置数は、スキュー防止の観点からは極力少ない方が好ましい。特に、或るサイズの用紙に対して、紙案内上24が一つのみ存在する場合には、搬送駆動ローラ50の外周面における搬送従動ローラ60の圧接位置ばらつきを殆ど無くすことができ、スキューを生じることのない搬送手段4を得ることができる。尚、搬送手段4については、後に更に詳説する。
続いて搬送手段4に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラ50と搬送従動ローラ60とによってニップされた状態で搬送駆動ローラ50が回転することにより、下流側へと副走査送りされる。搬送手段4の下流側には、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)36と、当該記録ヘッド36と対向して配置される紙案内前37とが設けられている。
記録ヘッド36はキャリッジ33の底部に設けられ、当該キャリッジ33は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸34にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。また、キャリッジ33は、複数の色毎に独立したインクカートリッジ(図示せず)を搭載し、記録ヘッド36へとインクを供給する。
用紙Pと記録ヘッド36との距離を規定する紙案内前37には、記録ヘッド36と対向する面に第1リブ38a、第2リブ38b、第3リブ38cが形成されているとともに、インクを打ち捨てる溝39a、39bが形成されていて、これらを利用して用紙Pの端部に余白無く記録を行う所謂縁無し記録が実行される。
具体的には、例えば用紙Pの上端を溝39bの上方に位置決めした状態で用紙Pの上端から外れた領域にもインクを吐出することにより、用紙Pの上端に縁無し記録を実行する。同様に、用紙Pの下端を溝39aの上方に位置決めした状態で用紙Pの下端から外れた領域にもインクを吐出することにより、用紙Pの下端に縁無し記録を実行する。尚、溝39a、39bには、インクを吸収するインク吸収材(図示せず)が配設される。
記録ヘッド36の下流側には、補助ローラ43と、排出手段5が設けられている。補助ローラ43は、記録ヘッド36と紙案内前37との対向領域から排出手段5へ至る用紙搬送経路上に、用紙Pの記録面と接して従動回転するよう設けられることで、用紙Pの紙案内前37からの浮き上がりを防止して用紙Pと記録ヘッド36との距離を一定に保つ機能を果たす。
排出手段5は、図示しないモータによって動力が伝達されて回転する回転軸40に取り付けられた排出駆動ローラ41と、当該排出駆動ローラ41に接して従動回転する排出従動ローラ42とを備えて構成され、記録の行われた用紙Pが、排出駆動ローラ41と排出従動ローラ42とによってニップされた状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、装置前方(図示しないスタッカ)へ向けて排出される。
以上がプリンタ1の大略構成であり、以下搬送手段4(搬送駆動ローラ50及び搬送従動ローラ60)について詳説する。
先ず搬送駆動ローラ50は、図4に示すように高い剛性を有する軸体51の表面51aに高摩擦層52を備えて成る。軸体51の材質としては様々なものが適用可能であるが、本実施形態では高剛性の金属である。
高摩擦層52は、耐摩耗性粒子54と、表面に耐摩耗性粒子54が均一に分散され且つ強固に保持されるとともに軸体51に強固に付着する塗膜層53とを備えて構成されている。図5に拡大して示すように、耐摩耗性粒子54が塗膜層53の表面から突出することで、搬送駆動ローラ50の外周面に凹凸状態が形成され、これによって用紙Pとの間の摩擦力が確保される様になっている。
耐摩耗性粒子54として、比較的鋭く尖っている形状のものを用いることにより、高摩擦な凹凸表面が形成されることとなる。またその粒径がほぼ均一に揃えられることにより、耐摩耗性粒子54それ自体に起因するローラ外径の均一化が図られる。耐摩耗性粒子54の素材としては、アルミナ、炭化珪素等のセラミック、等の硬質性及び塑性変形しにくい性質を有するものが耐久性の面で好適である。
また塗膜層53の材料としては、軸体51の表面51aに強固に接着し且つ耐摩耗性粒子54を強固に保持するものが好ましく、塗料を含む意味での接着剤を用いることができる。具体的には、熱硬化型エポキシ系接着剤、室温硬化型アクリル系接着剤、UV硬化型ポリウレタン系接着剤、又は2液反応型エポキシ系接着剤などを用いることができるが、本実施形態では、有機塗料(ポリエステル系の粉末塗料)を用いている。
次に、搬送従動ローラ60は、用紙Pと接触する最外層62と、回転軸63を挿通させる最内層61とがそれぞれ樹脂材料によって一体的に形成されて成る。最外層62及び最内層61に用いる樹脂としては、双方ともにPOM(アセタール樹脂)を用いることができるが、最外層62は用紙ダメージの少ないエラストマ等の弾性を有する材料を用い、最内層61に摩擦係数の低いものを用いると回転軸63と最内層61との間の摩擦による抵抗(軸損)が軽減されて、より一層円滑に用紙Pを搬送することができる。
以下、図6を参照しながら従来の搬送駆動ローラ500の製造方法の一例を説明する。図6(A)は軸体51へ塗膜層53を形成する前の状態であり、この軸体51の外周面には、その全域にニッケルメッキが施されている。次いでこの軸体51に、図6(B)に示す様に塗膜層53を形成する。
塗膜層53の形成方法としては、軸体51単体の状態で当該軸体51をマイナス電位にしておき、そして粉末塗料を、静電塗装装置を用いて軸体51(回転状態に置かれる)に向けて噴出させながら、その噴霧粒子をプラス高電位に帯電させる。従って帯電された粉末塗料は軸体51の外周面に吸着されて、これにより塗膜層53が形成される。
塗膜層53が形成された状態では微弱な静電気が残存しており、この状態で軸体51を回転させながら耐摩耗性粒子54を塗膜層53に向けて噴出させることにより、図6(C)に示す様に耐摩耗性粒子54を塗膜層53の外周に静電吸着させる。その後、搬送駆動ローラ500を高温雰囲気中に曝して焼成し、これによって塗膜層53が硬化して、当該塗膜層53と耐摩耗性粒子54が軸体51に固着される。尚、この搬送駆動ローラ500の製造方法は、特開2001−158544号公報に記載された製造方法である。
尚、図6(及び図7〜図9)において符号DL1〜DL3は、それぞれの状態((A)〜(C))における80桁側(図3において左側)の外径を示しており、符号DR1〜DR3は、同様にそれぞれの状態((A)〜(C))における1桁側(図3において右側)の外径を示している。
通常、最終製品においてローラ外径は回転軸線方向に均一に形成されることを目標とするので、軸体51単体の段階で直径DL1とDR1が同一となる様に(軸体51単体で回転軸線方向にローラ外径が均一となる様に)形成される。また、塗膜層53を形成した状態においても直径DL2と直径DR2とが同一となる様に(塗膜層53の厚みが回転軸線方向で均一となる様に)形成される。そして粒径の揃った耐摩耗性粒子54を軸線方向に均一に付着させることにより、最終状態で回転軸線方向におけるローラ外径が均一な搬送駆動ローラ500を得ることができる(DL3=DR3)。
ここで、仮にこの様にして形成された、軸線方向においてローラ外径の均一な搬送駆動ローラ500を、図1乃至図5に示す搬送駆動ローラ50としてサイドフレーム7aと中間フレーム8(図3)に取り付けた場合であっても、装置内の用紙に接触する部材の左右不均一が生じた場合、例えば、搬送従動ローラ60の最内層61と回転軸63との間の摩擦による抵抗が用紙幅方向で不均一であったり、紙案内前37に形成された第1リブ38a、第2リブ38b、第3リブ38cの記録ヘッド36に対する突出高さが用紙幅方向で不均一であると、用紙の左右に異なる負荷が生じ、記録結果に左右送り量差(スキュー)が発生することになる。
そこで本発明に係る搬送駆動ローラ50は、その様なスキューが矯正される様に、ローラ外径を意図的に非均一に形成する。
例えば、ローラ外径が回転軸線方向で均一となるよう高精度に形成された搬送駆動ローラ500(以下「基準ローラ」と言う)をサイドフレーム7aと中間フレーム8(図3)に取り付け、このときのスキュー傾向が仮に80桁側先行スキューであったとすると、当該80桁側のローラ外径を、1桁側のローラ外径に比べて小さくする(周長を短くする)。
こうすることにより、ローラ外径は回転軸線方向に渡って非均一となるものの、80桁側先行スキューが矯正され、結果として用紙はスキューすることなく記録ヘッドの側へと搬送される。即ち、用紙搬送方向が、精密に記録ヘッドの走査方向(主走査方向)と直交するようになり、良好な記録結果を得ることができる。
図7は、80桁側のローラ外径を1桁側のローラ外径に比べて小さくする方法の一例を示すものである。軸体51単体の段階(図7(A))においては左右の外径差は同じであるが(DL1=DR1)、塗膜層を、図7(B)に示すように1桁側(図の右側)のみ厚くする(1桁側での塗料噴出時間を長くする)ことにより、DL2<DR2とする。次いで、耐摩耗性粒子54を回転軸線方向に渡って均一に付着させ、これにより80桁側のローラ外径が1桁側のローラ外径に比べて小さい(DL3<DR3)搬送駆動ローラ50が形成される(図7(C))。
図8は、80桁側のローラ外径を1桁側のローラ外径に比べて小さくする他の方法を示すものである。軸体(符号51’で示す)単体の段階(図8(A))において、左右の外径差を異ならせるようにし(DL1<DR1)、塗膜層53を、その厚みが回転軸線方向に渡って均一になるように形成し(図8(B))、次いで、耐摩耗性粒子54を回転軸線方向に渡って均一に付着させ、これにより80桁側のローラ外径が1桁側のローラ外径に比べて小さい(DL3<DR3)搬送駆動ローラ50’が形成される(図8(C))。
尚、図7及び図8に示した搬送駆動ローラ50、50’の外径は、いずれも1桁側(図の右側)から80桁側(図の左側)に向かって外径の減少率が一定に維持される様に、即ち用紙との接触面積が確保される様に形成される。
以上のように形成された搬送駆動ローラ50、50’を用いることで、ローラ以外の構成部材の部品精度の低下や、組立精度の低下に起因するスキューを搬送駆動ローラそれ自体によって矯正することができ、適切な記録品質を得ることができる。
尚、回転軸線方向に渡ってローラ外径の均一な搬送駆動ローラを得る場合には、塗膜層53の厚みをローラの回転軸線方向に渡って非均一にする方法(図7に示す方法)を用いれば、回転軸線方向に渡ってローラ外径の均一な製品を、容易に製造することができる。即ち、軸体51単体を製造した際に、意図せず回転軸線方向に渡ってローラ外径が非均一なものが形成された際に(図9(A))、外径の小さい部分の塗膜層を厚く形成することで(図9(B))、回転軸線方向に渡ってローラ外径の均一な最終製品を容易に得ることができる(図9(C))。図6に示した基準ローラとしての搬送駆動ローラ500を製造する場合には、この様な方法によっても製造することができる。
本発明に係るプリンタ本体の斜視図。 本発明に係るプリンタの側断面図。 本発明に係るプリンタ本体の内部の斜視図。 本発明に係る搬送駆動ローラを、回転軸線と直交する面で切断した断面図。 図4の要部拡大図。 従来の搬送駆動ローラの製造方法を示す図。 本発明に係る搬送駆動ローラの製造方法を示す図。 本発明に係る搬送駆動ローラの製造方法を示す図。 搬送駆動ローラの製造方法の一例を示す図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 給送装置、3 記録手段、4 搬送手段、5 排出手段、7 メインフレーム、7a サイドフレーム、8 中間フレーム、11 ホッパ、12 給送ローラ、13 リタードローラ、14 戻しレバー、24 紙案内上、25 コイルばね、26 ガイドローラ、33 キャリッジ、34 キャリッジガイド軸、36 記録ヘッド、37 紙案内前、38a〜38c リブ、39a、39b 溝、41 排出駆動ローラ、42 排出従動ローラ、43 ガイドローラ、50 搬送駆動ローラ、51 軸体、51a 表面、52 高摩擦層、53 塗膜層、54 耐摩耗性粒子、60 搬送従動ローラ、61 最内層、62 最外層、63 回転軸、P 記録用紙

Claims (5)

  1. 主走査方向に往復動することによって被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置において、自由回転可能な従動ローラとの間で被記録媒体をニップし且つ回転することにより、被記録媒体を前記記録ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被記録媒体送りローラであって、
    被記録媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されている、
    ことを特徴とする被記録媒体送りローラ。
  2. 請求項1において、前記高摩擦層は、塗膜層に耐摩耗性粒子が付着されることによって形成され、
    前記塗膜層の厚みが回転軸線方向に渡って非均一に形成されることにより、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されている、
    ことを特徴とする被記録媒体送りローラ。
  3. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置であって、前記記録ヘッドの上流側に請求項1または2に記載の前記被記録媒体送りローラを備えている、ことを特徴とする記録装置。
  4. 主走査方向に往復動することによって被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置の基体を構成するフレームに設けられ、自由回転可能な従動ローラとの間で被記録媒体をニップし且つ回転することにより、被記録媒体を前記記録ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被記録媒体送りローラの製造方法であって、
    回転軸線方向に渡ってローラ外径が均一に形成された基準ローラを前記フレームに設け、前記基準ローラと前記従動ローラとによって被記録媒体を搬送し、
    このとき被記録媒体が先行して搬送される側のローラ外径が小さくなる様に、前記高摩擦層を構成する塗膜層の厚みを薄く形成した上で、当該塗膜層に耐摩耗性粒子を付着させる、
    ことを特徴とする被記録媒体送りローラの製造方法。
  5. 主走査方向に往復動することによって被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
    自由回転可能な従動ローラとの間で被噴射媒体をニップし且つ回転することにより、被噴射媒体を前記液体噴射ヘッドの側へと搬送する、主走査方向に延びる軸体の外周面に高摩擦層を備えて成る被噴射媒体送りローラを備え、
    前記被噴射媒体送りローラが、被噴射媒体を搬送する際のスキューが矯正される様に、ローラ外径が回転軸線方向に渡って非均一に形成されている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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