JP2007276437A - 硬化樹脂層 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂層内にマイクロ粒子及びナノ粒子を添加することにより、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hからガラスに近い8Hにまで高め、耐擦傷性を向上させる硬化樹脂層を提供する。
【解決手段】硬化樹脂層は、樹脂層220、マイクロ粒子230及びナノ粒子240を含む。先ず基材上に樹脂層220を形成する。そして、粒径が1から20μmの間であるマイクロ粒子230を樹脂層220内に分散させる。また、粒径が5から100nmの間であるナノ粒子240を樹脂層220内に分散させる。
【選択図】図2
【解決手段】硬化樹脂層は、樹脂層220、マイクロ粒子230及びナノ粒子240を含む。先ず基材上に樹脂層220を形成する。そして、粒径が1から20μmの間であるマイクロ粒子230を樹脂層220内に分散させる。また、粒径が5から100nmの間であるナノ粒子240を樹脂層220内に分散させる。
【選択図】図2
Description
本発明は硬化樹脂層に関し、特に表示装置に用いる硬化樹脂層に関する。
現在の発展趨勢から見た場合、例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、陰極線管(CRT)表示装置、屋外表示装置又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)表示装置などの表示装置は、多様化の方向に向かって発展していることが分かる。そして、表示装置のパネルを保護するため、耐擦傷性に非常に優れた高硬度のハードコートフィルムを使用する必要があった。
従来の硬化樹脂層の形成方法は、透明基材上に熱硬化型樹脂材料又は紫外線硬化型樹脂材料を塗布することが一般的であった。続いて、加熱又は紫外線照射の方式により架橋反応を行って樹脂を硬化し、硬化樹脂層(即ち前述のハードコートフィルム)を形成していた。しかし、樹脂を硬化させる工程では、樹脂層の硬化収縮に伴って硬化樹脂層にカールが発生することがあった。
一般に、形成される硬化樹脂層の厚みが約10μmになると、硬化樹脂層にカール及び層間剥離が発生することがあり、硬化樹脂層の鉛筆硬度は約3Hとなり、ガラスの9Hよりも低くなった。
また、硬化樹脂層の硬度を向上させるため、硬化樹脂層の厚みを増大させる方法があった。しかし、硬化樹脂層の厚みが約30μmにまで増大されると、硬化樹脂層に発生するカールもそれに伴って大きくなった。そのため、硬化樹脂層にカールが発生することを防ぐため、特許文献1において、ペンタエリストールアクリレート及びイソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレートの二種類の樹脂材料からなる硬化樹脂層によりカール現象を改善する方法が開示されている。しかし、この方法により形成される硬化樹脂層の鉛筆硬度は、ガラスの鉛筆硬度よりも低く1Hしかなかった。
また、硬化樹脂層にカール、割れ又は剥がれが発生しないように、特許文献2では、先ず基材上に厚みが3から50μmの緩衝層を塗布してから、その緩衝層上に厚みが3から15μmの硬化樹脂層を塗布する方法が開示されている。これにより、カールが発生することを防ぎ、硬度を高める効果を達成していた。しかし、多層塗布方式を採用すると、厚みが増大し、工程の複雑度が高まるとともに工程の収率が下がるため、コストが無駄となった。
そのため、カールが発生することを防ぐとともに、硬化樹脂層の硬度を高めることができる硬化樹脂層が求められていた。さらに、複雑な硬化樹脂層の工程を簡略化することも求められていた。
台湾特許公告第200517260号公報
台湾特許公告第574106号公報
本発明の主な目的は、樹脂層内にマイクロ粒子を添加することにより、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hから6Hに高め、カールが発生することを防ぐ硬化樹脂層を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、樹脂層内にマイクロ粒子及びナノ粒子を添加することにより、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hからガラスに近い8Hに高め、耐擦傷性を向上させる硬化樹脂層を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の硬化樹脂層は、樹脂層及びマイクロ粒子を含む。先ず基材上に樹脂層を形成する。そして、その樹脂層内に粒径が1から20μmの間であるマイクロ粒子を分散する。
また、本発明の硬化樹脂層は、樹脂層、マイクロ粒子及びナノ粒子を含む。先ず基材上に樹脂層を形成する。そして、その樹脂層内に粒径が1から20μmの間であるマイクロ粒子を分散する。また、その樹脂層内には粒径が5から100nmの間であるナノ粒子を分散する。
本発明の硬化樹脂層は、簡素化された構造及び簡略化された工程により製造コストを節減することができる。さらに、樹脂層にマイクロ粒子及びナノ粒子を添加することにより、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hから8Hに高めて耐擦傷性を向上させることができる。そして、同時に硬化樹脂層にカールが発生することを防ぐ。そのため、この硬化樹脂層は、例えば表示装置の偏光板、拡散板、表面機能膜又は光学保護フィルムなどにも応用することができる。
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例による硬化樹脂層を示す断面図である。図1に示すように、基材110上には樹脂層120が形成され、樹脂層120の硬度を高めるため、樹脂層120内に高硬度のマイクロ粒子130を添加する。
図1は、本発明の第1実施例による硬化樹脂層を示す断面図である。図1に示すように、基材110上には樹脂層120が形成され、樹脂層120の硬度を高めるため、樹脂層120内に高硬度のマイクロ粒子130を添加する。
先ず樹脂層120へ紫外線を照射して内部に架橋硬化反応を発生させる。この樹脂架橋硬化の反応工程は、迅速(約1から2秒間の間)に行われるため、樹脂層120が瞬間的に収縮して応力が集中し、カールが発生することがある。しかし、樹脂層120内にマイクロ粒子130を添加した場合、マイクロ粒子130は、樹脂層120の架橋硬化反応で発生する収縮レベルを補償低減し、樹脂層120に発生するカールを減少させ、さらには樹脂層120を平坦な状態に維持することができる。
マイクロ粒子130は、重力作用を受けて硬化樹脂層120内を下向きに沈降する。そのため、樹脂層120内でマイクロ粒子130を均一に分布させるため、マイクロ粒子130は、適切な粒子沈降速度を有する材料から選択することが好ましい。このマイクロ粒子130は、例えばポリメチルメタクリレート(Poly Methyl Methacrylate:PMMA)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)又はポリカーボネート(Polycarbonate:PC)など、粒径が約1から20μmである有機材料からなることが好ましい。
上述の基材110は、例えばトリアセテートセルロース(Triacetate Cellulose:TAC)、ポリエチレンテレフタレート(Poly Ethylene Terephthalate:PET)、ポリエチレン(Polyethylene:PE)又はポリカーボネート(Polycarbonate:PC)などからなる。
上述の樹脂材料は、少なくとも一種類の光硬化性樹脂モノマー又は光硬化性樹脂オリゴマーを主に含み、光硬化性樹脂モノマーは、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(Trimethylolpropane Triacrylate:TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(Pentaerythritol Triacrylate:PETIA)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(1,6-Hexanediol Diacrylate:HDDA)又はトリプロピレングリコールジアクリレート(Tripropylene Glycol Diacrylate:TPGDA)などである。上述の光硬化性樹脂オリゴマーは、例えば脂肪族ポリエステル系ウレタンヘキサアクリレート(Aliphatic Polyester based Urethane Hexaacrylate)、変性エポキシアクリレート(Modified Epoxy Acrylate)、ポリエステルジアクリレート(Polyester Diacrylate)又は有機シリコンポリエーテルアクリレート(Silicone Polyether Acrylate)などである。また、樹脂層の塗布厚みは約10から35μmの間である。
このほか、樹脂層120へ照射する紫外線の強度及び照射量を調整することにより、紫外線の照射回数を調整し、硬化樹脂層にカール現象が発生することを防ぐことができる。そのため、本発明の好適な実施例では、低強度の紫外線を二回に分けて樹脂層120に照射する場合、樹脂に発生する架橋硬化反応の時間を延ばすことができる。使用する紫外線の波長は400nmよりも短い(例えば、254nmや365nmなどである)。また、一回当りの紫外線の強度は約0.6から1.0ワット/cm2の間であり、照射量は約0.2から1.5ジュール/cm2の間である。
また、熱処理ステップを行い、樹脂層120の硬化収縮により発生する応力を緩和し、樹脂層120にカールが発生することを防ぐ。同時に、この熱処理を行うことにより、樹脂層120と基材110との間の密着性を高めることもできる。熱処理ステップの好適な温度は、約80から110℃の間であり、好適な時間は約3から10分間の間である。そして、上述の方法を行うことにより、樹脂層120の鉛筆硬度を4Hから6Hに高める。
(第2実施例)
図2は、本発明の第2実施例による硬化樹脂層を示す断面図である。図2に示すように、基材210上には樹脂層220が形成され、樹脂層220内には高硬度のマイクロ粒子230を添加する以外に、高硬度のナノ粒子240をさらに添加して樹脂層220の硬度をさらに向上させることができる。上述のナノ粒子240は、粒径が5から100nmの間であり、例えばシリカ、酸化チタン又は酸化アルミニウムなどの無機材料からなることが好ましい。基材210、樹脂層220及びマイクロ粒子230は、第1実施例と同じであるため、ここでは繰り返して述べない。
図2は、本発明の第2実施例による硬化樹脂層を示す断面図である。図2に示すように、基材210上には樹脂層220が形成され、樹脂層220内には高硬度のマイクロ粒子230を添加する以外に、高硬度のナノ粒子240をさらに添加して樹脂層220の硬度をさらに向上させることができる。上述のナノ粒子240は、粒径が5から100nmの間であり、例えばシリカ、酸化チタン又は酸化アルミニウムなどの無機材料からなることが好ましい。基材210、樹脂層220及びマイクロ粒子230は、第1実施例と同じであるため、ここでは繰り返して述べない。
本実施例において、樹脂層220内にはマイクロ粒子230及びナノ粒子240が均一に分布される。樹脂層220内にマイクロ粒子230及びナノ粒子240を添加し、紫外線を照射した後に熱処理ステップを行うため、樹脂層220に紫外線を照射したときにカールが発生することを防ぎ、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hから8Hへ高めることができる。
(測定例)
以下、上述の実施例を測定例により詳細に説明する。表1は、測定例で用いる樹脂材料を示し、表2は、測定例で用いる樹脂材料の組成物の重量%を示す。
以下、上述の実施例を測定例により詳細に説明する。表1は、測定例で用いる樹脂材料を示し、表2は、測定例で用いる樹脂材料の組成物の重量%を示す。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンは、シバ・スペシャルティ・ケミカル社(Ciba Specialty Chemicals Inc.)の製品である「イルガキュア(Irgacure)(登録商標)184」である。脂肪族ポリエステル系ウレタンヘキサアクリレートは、サートマー社(Sartomer Co. Inc.)の製品であるCN968である。ペンタエリスリトールトリアクリレートは、サートマー社(Sartomer Co. Inc.)の製品であるSR444である。ポリメチルメタクリレートは、綜研化学株式会社(Soken Chemical & Engineering Co., Ltd.)の製品であるMX−800Sである。シリカは、クラリアント化学株式会社(Clariant Chemical Taiwan Co., Ltd.)の製品であるOG−502である。
表2を参照する。第1測定例は、樹脂層内にマイクロ粒子を選択して添加する。第2測定例は、樹脂層内にマイクロ粒子及びナノ粒子を選択して添加する。第3測定例は、樹脂層内にナノ粒子を選択して添加する。比較例は、樹脂層内に粒子が全く添加されていない状態の樹脂材料である。
本発明の測定例では、トリアセテートセルロースを基材とする。また、樹脂材料の塗布厚みは約25μmである。樹脂層に対して紫外線を二回照射する場合、一回目と二回目の紫外線強度はともに0.83ワット/cm2であり、照射量は約1.0ジュール/cm2である。そして樹脂層に紫外線を照射してから、熱処理により樹脂層の硬化を行う。熱処理ステップの温度は約80から110℃の間で、時間は3から10分間の間である。
そして、上述の測定が終了した後に、硬化樹脂層の鉛筆硬度、耐擦傷性、密着性及びカールの測定を行う。表3は、硬化樹脂層の鉛筆硬度、耐擦傷性、密着性及びカールの測定結果を示す。ここで注意しなければならないことは、鉛筆硬度はJIS規格−K5400により測定され、耐擦傷性は、JIS規格−K5400により測定されるということである。密着性は、基盤目試験用カッターにより100個に分けられた面積寸法が1mm×1mmの検体を測定し、密着性が良好な検体の数を測定する。
硬化樹脂層のカール高さの測定は、硬化樹脂層をA4の寸法(29.7cm×21.0cm)に切って室温環境下へ置き、カールの四角の平均高さを測定することにより行う。表3において、「非常に良好」はカールが全く発生していない状態を示し、「不良」はカールの平均高さが10から20mmの状態を示す。
表3に示す第1測定例及び比較例から分かるように、樹脂層内にマイクロ粒子が添加されると、硬化樹脂層の鉛筆硬度を4Hから5Hへ高め、硬化樹脂層のカールレベルを改善することができる。このほか、第2測定例及び比較例から分かるように、樹脂層へマイクロ粒子及びナノ粒子を添加すると、硬化樹脂層の鉛筆硬度が4Hから6Hへ高まり、耐擦傷性に非常に優れ、硬化樹脂層にカールが発生することを防ぎ、硬化樹脂層の密着性を高めることができる。さらに、第3測定例及び比較例から分かるように、樹脂層内にナノ粒子が添加されると、硬化樹脂層の鉛筆硬度が4Hから5Hへ高まり、耐擦傷性が大幅に向上するが、カールレベルは依然として不良であった。
要約すれば、本発明の硬化樹脂層は、構造が簡単で工程が簡略なため、製造コストを節減することができる。また、樹脂層内に微粒子を選択的に添加することにより、硬化樹脂層の鉛筆硬度を高め(4Hから8H)、耐擦傷性を向上させることもできる。同時に、マイクロ粒子及びナノ粒子を添加してカールが全く発生しない硬化樹脂層を形成することにより、硬化樹脂層の密着性を向上させることもできる。そのため、この硬化樹脂層は、例えば表示装置の偏光板、拡散板、表面機能膜又は光学保護フィルムなどにも応用することができる。
本発明では好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知するものなら誰でも、本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
110 基材
120 樹脂層
130 マイクロ粒子
210 基材
220 樹脂層
230 マイクロ粒子
240 ナノ粒子
120 樹脂層
130 マイクロ粒子
210 基材
220 樹脂層
230 マイクロ粒子
240 ナノ粒子
Claims (5)
- 基材上に形成される樹脂層と、
前記樹脂層内に均一に分散され、粒径が1から20μmの間である複数のマイクロ粒子と、
を備えることを特徴とする硬化樹脂層。
- 前記マイクロ粒子は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン又はポリカーボネートからなる請求項1に記載の硬化樹脂層。
- 前記樹脂層内へ均一に分散され、粒径が5から100nmである複数のナノ粒子をさらに備える請求項1に記載の硬化樹脂層。
- 前記ナノ粒子は、シリカ、酸化チタン又は酸化アルミニウムからなる請求項3に記載の硬化樹脂層。
- 前記樹脂層は、厚みが10から35μmの間である請求項1に記載の硬化樹脂層。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW095112723A TW200738462A (en) | 2006-04-10 | 2006-04-10 | Hard resin coating film |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006153462A Pending JP2007276437A (ja) | 2006-04-10 | 2006-06-01 | 硬化樹脂層 |
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TW (1) | TW200738462A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012215705A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Fujifilm Corp | ハードコートフィルムの製造方法、及びハードコートフィルム |
JP2015501449A (ja) * | 2011-10-25 | 2015-01-15 | ユニピクセル ディスプレイズ,インコーポレーテッド | ディスプレイデバイス用のフレキシブルな耐スクラッチ性フィルム |
-
2006
- 2006-04-10 TW TW095112723A patent/TW200738462A/zh unknown
- 2006-06-01 JP JP2006153462A patent/JP2007276437A/ja active Pending
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TW200738462A (en) | 2007-10-16 |
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A02 | Decision of refusal |
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