JP2007275557A - クリップ部材及びクッション部材の表皮材吊込構造 - Google Patents

クリップ部材及びクッション部材の表皮材吊込構造 Download PDF

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Abstract

【課題】表皮材をクッション部材に吊り込んで止着させる際に、被係止体を係止させることが簡易であり、また、表皮材の縫合部のラインが湾曲線状であっても被係止体を確実に係止して、その係止状態を安定して維持することが可能なクリップ部材を提供する。
【解決手段】本発明のクリップ部材は、表皮材(11)をクッション部材(13)に吊り込んで止着するクリップ部材(1)であって、一方の部材に装着される被装着部(2)と、被係止体(15)を係止する係止空間部(5)と、被係止体(15)を係止空間部(5)に導入する導入路(6)とを備え、前記導入路(6)は、前記係止空間部(5)に連通する連通部(6a)と、端面に開口する開口部(6b)と、前記連通部(6a)と前記開口部(6b)を接続する導入空間部(6c)とを有してなり、前記導入路(6)は、前記係止空間部(5)の長さ方向に対してねじれた位置関係に配されていることに特徴を有するクリップ部材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などに設けられる車両用シートや家具用シート等において、クッション部材に表皮材を吊り込んで止着するクッション部材の表皮材吊込構造、及び、その吊込構造において用いられるクリップ部材に関する。
一般に、自動車などに設けられる車両用シートは、シートクッション(座部)とシートバック(背当て部)とにより構成されている。これらのシートクッションやシートバックは、発泡性合成樹脂を所定形状に成形したクッション部材と、クッション部材の表面を被覆する表皮材とを備えており、表皮材は、以下のようにクッション部材に吊込んで止着することによって、クッション部材表面に取り付けられている。
例えばシートクッションを作製する場合は、先ず、発泡性合成樹脂を射出成形して、着座部表面に凹溝を有する所定形状のクッション部材を成形し、その得られたクッション部材の凹溝に吊込用の金属製ワイヤーを取り付ける。このとき、例えば合成樹脂の射出成形時に、予め金型の所定位置に金属製ワイヤーを装填しておき、同金型内に合成樹脂を射出して発泡成形することによって、着座部表面の凹溝内にワイヤーが一体的に取り付けられたクッション部材を得ることが可能である。
また、表皮材は、所定のサイズに裁断された複数枚の表皮片を縫製することにより、前記クッション部材を被覆可能なように所定形状に作製される。このとき、各表皮片同士の縫合部は、上記クッション部材の凹溝に対応する位置に形成される。そして、この縫製した表皮材の縫合部にクリップ部材を縫製や接着等によって装着した後、このクリップ部材を装着した縫合部を前記クッション部材の凹溝内に引き込み、同凹溝内のワイヤーの一部に表皮材のクリップ部材を引っ掛けて係止する。これにより、表皮材の縫合部がクッション部材の凹溝に吊り込まれて止着する。
更に、表皮材の端部にも例えばフック部材を装着し、同表皮材の端部をクッション部材の側面を包み込むようにして背面へ引き回し、クッション部材の背面に予め設けておいた引掛け部に表皮材のフック部材を引っ掛ける。これによって、クッション部材の表面に表皮材が吊込構造により取り付けられたシートクッションが得られる。
上記のようなクッション部材に表皮材を取り付ける吊込構造の例が、例えば実開平5−31699号公報(特許文献1)、実開平7−16659号公報(特許文献2)、及び特開2004−8488号公報(特許文献3)に記載されている。
例えば前記特許文献1に記載されている吊込構造は、表皮材同士の縫合部に取り付けるクリップ部材(特許文献1では、トリムセット片と記載)の形状に特徴を有している。このクリップ部材は、その上部に平板状の支持小片が設けられている。また、支持小片の下部で分岐した一側には断面形状釣針状の係止片が形成されており、この係止片の背部には係止溝が形成されている。更に、支持小片の下部で分岐した他側には、前記係止片の釣針状の先端部に当接し、この当接部より下部において係止片の先端部との間で下開きの溝が形成される小側板が設けられている。
このような構成を有するクリップ部材を用いてクッション部材の表面に表皮材を被覆固定する場合、前記クリップ部材の支持小片を縫製により表皮材の縫合部に取り付けておき、同クリップ部材の小側板と係止片とで形成される下開きの溝の部分を、クッション部材の凹溝内に配したワイヤーに押し当てる。次に、ドライバ等の道具を用いて、その道具の先端を係止片と背部小片との接合部分に形成する係止溝に差し込んでクリップ部材をワイヤーに向けて下方に押す。これにより、ワイヤーによって小側板と係止片とが押し広げられるため、ワイヤーが両者間を摺り抜けて、クリップ部材の小側板と係止片とにより形成されるリング内に収容されて係止される。このように表皮材に取り付けたクリップ部材にワイヤーを係止することにより、表皮材がクッション部材に止着されて、クッション部材表面が表皮材によって被覆される。
また、前記特許文献2に記載されている吊込構造では、表皮材の縫合部に取り付けられる係止部材として、本体部の左右両側部に係止爪が斜め上向きに形成されて、横断面形状が矢尻状に構成された係止部材を用いている。一方、クッション部材には、その表面に形成された凹溝内に2本のワイヤーが所定間隔で離間して平行に配されている。従って、この特許文献2において表皮材をクッション部材表面に被覆させる際には、表皮材に取り付けた係止部材の矢尻状先端部をクッション部材に配した2本のワイヤー間に挿入し、係止部材の左右係止爪をそれぞれワイヤーに引っ掛けることによって、表皮材をクッション部材に止着させている。
更に、前記特許文献3に記載されている吊込構造では、表皮材に取り付けるクリップ部材が帯状のベース部と、同ベース部に所定間隔毎に設けられたワイヤーを係止するフック部とを有しており、前記フック部は、ベース部の長手方向に開口部が形成された筒状体と、筒状体の開口部の両側に外側に向けて突設された2つのガイド片とを備えている。これにより、表皮材をクッション部材表面に被覆させる際には、クッション部材の凹溝内に配したワイヤーが、クリップ部材のガイド片間に案内され、更に、両ガイド片を押し広げながら開口部から筒状体内に嵌入される。これにより、クッション部材のワイヤーがクリップ部材のフック部に係止されて、クッション部材に表皮材を止着させている。
実開平5−31699号公報 実開平7−16659号公報 特開2004−8488号公報
一般に、自動車等では顧客の購買意欲を高めるために、その性能やデザインに様々な特徴を持たせている。その中で、近年では、自動車の車両用シート等に意匠性を持たせることや、またシートの座り心地を改善すること等が行われてきている。このため、車両用シートのシートクッションやシートバックに対しては、シート表面に表われる表皮材の縫合部のラインを直線状又は湾曲線状に設計することや、また、クッション部材の表面形状を変更すること等の様々な改良が行われている。またその一方で、例えばクッション部材への表皮材の取付作業を簡便化して、取付作業性の向上によるシートのコストダウンを図ること等も求められている。
しかし、例えば前記特許文献1に記載されている吊込構造では、表皮材のクリップ部材にクッション部材のワイヤーを係止させる際に、作業者が1つ1つのクリップ部材をドライバ等の道具を用いてワイヤーに押し込むといった作業工程が必要となる。このため、表皮材の取付作業が煩雑で面倒となることから取付作業性の低下を招き、その結果、コストダウンが図れず、また作業者への負担も大きくなるという問題があった。
前記特許文献2に記載されている吊込構造では、前述のように、断面が矢尻状を呈するクリップ部材をクッション部材の凹溝内に配した2本のワイヤー間に挿入して係止させている。このため、クリップ部材を2本のワイヤー間に押し込む際にクリップ部材の係止爪を大きく弾性変形させることが必要となる。
このとき、クリップ部材の係止爪が太い場合は、作業者がクリップ部材を弾性変形させるために相当の力を要するため、取付作業性の低下を招いてしまう。一方、係止爪が細い場合は、係止爪が折損し易く、表皮材の安定した取り付けを確保できないという問題があった。更に、例えば表皮材の縫合部のラインを湾曲線状にした場合、クッション部材に配した2本のワイヤー間の間隔が開いて、クリップ部材の係止が外れ易いという欠点もあった。
一方、前記特許文献3に記載されている吊込構造では、表皮材のクリップ部材にクッション部材のワイヤーを係止させる作業が比較的容易であるため、作業性の向上を図ることが可能である。しかし、例えば表皮材の縫合部のラインを湾曲線状に設計した場合、クリップ部材のフック部の筒状体にクッション部材のワイヤーを嵌入しても、縫合部に沿って配されるワイヤーが湾曲しているために、フック部が弾性変形して筒状体の開口部が若干開いた状態となる。
このため、例えば、クリップ部材を1つずつワイヤーに止着させるときや、また、表皮材の縫合部をクッション部材のワイヤーに止着した後、表皮材をクッション部材の側面を包み込むようにして背面へ引き回すときに、表皮材に引張り応力がかかってクリップ部材が上方に引張られるため、筒状体によるワイヤーの係止が外れ易いという不具合があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、表皮材をクッション部材に吊り込んで止着させる際に、ワイヤー等の被係止体を係止させることが簡易であり、また、表皮材の縫合部のラインが直線状又は湾曲線状であっても被係止体を確実に係止して、その係止状態を安定して維持することが可能なクリップ部材を提供すること、更に、同クリップ部材が装着されて構成されたクッション部材の表皮材吊込構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるクリップ部材は、基本的な構成として、クッション部材及びその表面を被覆する表皮材のうちの一方の部材に装着され、他方の部材に取り付けられた被係止体の一部を係止することによって、前記表皮材を前記クッション部材に吊り込んで止着するクリップ部材であって、同クリップ部材は、前記一方の部材に装着される被装着部と、前記被係止体を係止する係止空間部と、前記被係止体を前記係止空間部に導入する導入路とを備え、前記導入路は、前記係止空間部に連通する連通部と、前記被装着部とは反対側の端面に開口する開口部と、前記連通部と前記開口部を接続する導入空間部とを有してなり、前記導入路は、前記係止空間部の長さ方向に対してねじれた位置関係に配されていることを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るクリップ部材においては、前記導入路の導入空間部が、前記係止空間部の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度、又は、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で直線状にねじれて形成されていることが好ましい。
本発明において、前記クリップ部材は、前記係止空間部と導入路とにより二股に分割された1対の脚部が、前記係止空間部の長さ方向の全体に渡って形成されていることが好ましい。
この場合、1対の前記脚部は、同脚部の拡幅方向への弾性変形を促すとともに、同脚部の前記弾性変形を前記係止空間部の長さ方向において略均等に生じさせる弾性変形促進構造を有していることが好ましく、更に、前記弾性変形促進構造は、前記脚部の拡幅方向における肉厚を、前記脚部が前記係止空間部の長さ方向において略均等に拡幅方向に弾性変形可能なように設定することにより形成されていることが好ましい。
また、本発明のクリップ部材は、前記係止空間部と導入路とにより二股に分割された1対の脚部が、前記係止空間部の長さ方向に直交する幅方向の肉厚が薄い方の端部側にそれぞれ切欠を有していても良い。
本発明に係るクリップ部材においては、前記導入路の前記導入空間部が、前記係止空間部の長さ方向に1つ以上の屈曲部を有しており、且つ、前記係止空間部の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度で傾斜する直線状の部分と、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で傾斜する直線状の部分とが前記屈曲部を介して直列的に配されてジグザグ状に形成されていることが好ましい。
更に、前記導入路の前記導入空間部の間隔が、前記被係止体を導入する方向に漸減していることが好ましい。更にまた、前記導入路の前記連通部における間隔が、前記係止空間部におけるその長さ方向に直交する幅方向の最大の長さよりも小さいことが好ましい。
本発明により提供されるクッション部材の表皮材吊込構造は、基本的な構成として、前記構成を有するクリップ部材がクッション部材、及びその表面を被覆する表皮材のうちの一方の部材に装着され、前記被係止体が他方の部材に装着されてなり、前記クリップ部材の前記係止空間部に前記被係止体を係止することにより、前記表皮材の一部を前記クッション部材に吊り込んで止着するように構成されていることを主要な特徴とするものである。
また、本発明の吊込構造では、前記係止空間部に対してねじれている前記導入路の向きが平行である2つ以上の前記クリップ部材が、1つずつ間隔を開けて装着されていても良く、又は、前記係止空間部に対してねじれている前記導入路の向きが互いに交差する方向となる2種類の前記クリップ部材が、交互に2つ以上連接して装着されていても良い。
本発明に係るクリップ部材は、被装着部と、係止空間部と、導入路とを備えており、前記導入路は、係止空間部に連通する連通部と、被装着部とは反対側の端面に開口する開口部と、連通部と開口部を接続する導入空間部とを有している。また、この導入路(導入空間部)は、係止空間部の長さ方向に対してねじれた位置関係に配されている。
このため、表皮材をクッション部材に吊り込んで止着させる際には、クリップ部材の導入路の向きを被係止体に対して平行にした状態で、同クリップ部材を被係止体に向けて案内することにより、被係止体をクリップ部材の導入路に挿し込むことができる。
その後、クリップ部材を被係止体に向けて押し込むことにより、導入空間部と係止空間部がねじれて配されているので、クリップ部材の係止空間部と被係止体とが平行となるようにクリップ部材を回動させながら、被係止体を導入路から係止空間部へ円滑に導入する。これにより、被係止体を係止空間部で容易に係止することができる。従って、本発明のクリップ部材は、例えば前記特許文献1のようにドライバ等の道具を必要とせずに、被係止体の一部を簡易に係止することができ、表皮材のクッション部材への取付作業性が非常に優れている。
また、本発明のクリップ部材は、係止空間部に被係止体を係止させたときに、被係止体が導入路に対してねじれた状態となり、被係止体を確実に係止することができる。またこの場合、表皮材の縫合部のラインが直線状又は湾曲線状であっても、導入路が係止空間部の長さ方向に対してねじれているため、係止空間部に導入した被係止体が係止空間部から外れ難く、その係止状態を安定して維持することができる。
本発明において、前記導入路の導入空間部は、前記係止空間部の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度、又は、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で直線状にねじれて形成されている。これにより、クリップ部材の係止空間部に被係止体を導入したときに、被係止体の係止が確実となり、また、その係止状態を非常に安定させることができる。
このとき、前記クリップ部材は、係止空間部と導入路とにより二股に分割された1対の脚部が、係止空間部の長さ方向の全体に渡って形成されていることにより、係止空間部と被係止体との接触する面積が大きくなるため、被係止体をより安定して係止することができ、また、係止空間部から被係止体がより外れ難くなる。
また、本発明における1対の脚部は、その脚部の拡幅方向への弾性変形を促すとともに、その弾性変形を係止空間部の長さ方向において略均等に生じさせる弾性変形促進構造を有している。これにより、被係止体をクリップ部材の導入路から係止空間部へ導入する際に、脚部が拡幅方向へ容易に弾性変形する。このため、クリップ部材を被係止体に向けて押し込むときに求められる押込力を軽減することができ、被係止体の係止空間部への導入を簡易に、且つより円滑に行うことができる。
特にこの場合、例えば1対の脚部の外側面に凹部を設けること等によって、前記脚部の拡幅方向における肉厚を、前記脚部が前記係止空間部の長さ方向において略均等に拡幅方向に弾性変形可能なように設定することができ、これにより、クリップ部材に前記弾性変形促進構造を容易に形成することができる。
一方、前記クリップ部材は、係止空間部と導入路とにより二股に分割された1対の脚部が、係止空間部の長さ方向に直交する幅方向の肉厚が薄い方の端部側にそれぞれ切欠を有していることにより、導入路への被係止体の挿し込み、及び、導入路から係止空間部への被係止体の導入をより容易に行うことができ、表皮材のクッション部材への取付作業性を更に向上させることができる。
また、本発明においては、前記導入路の導入空間部が、係止空間部の長さ方向に1つ以上の屈曲部を有しており、且つ、係止空間部の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度で傾斜する直線状の部分と、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で傾斜する直線状の部分とが屈曲部を介して直列的に配されてジグザグ状に形成されていても良い。このように導入路の導入空間部が係止空間部に対してジグザグ状に形成されていることにより、係止空間部に被係止体を導入したときに、係止空間部での被係止体の係止がより安定するため、その係止状態を非常に安定して維持することができる。
更に、本発明のクリップ部材では、導入路の導入空間部の間隔が、前記被係止体を導入する方向に漸減している。これにより、導入路の開口部の間隔が、導入路の係止空間部に連通する連通部よりも広くなるため、被係止体をクリップ部材の導入路に挿し込みやすくなり、取付作業性が更に向上する。
更にまた、前記導入路の連通部における間隔が、前記係止空間部におけるその長さ方向に直交する幅方向の最大の長さよりも小さいことにより、係止空間部内に導入された被係止体の係止が更に確実になり、被係止体の係止空間部からの脱離を防止することができる。
次に、本発明に係るクッション部材の表皮材吊込構造は、前記構成を有する本発明のクリップ部材が装着され、同クリップ部材の係止空間部に被係止体を係止することにより、表皮材の一部をクッション部材に吊り込んで止着可能に構成されている。このような吊込構造であれば、表皮材をクッション部材に吊り込んで止着させる際に、クリップ部材に被係止体を簡易に且つ確実に係止させることができ、また、その係止状態を安定して維持することができる。従って、表皮材のクッション部材への取付作業性が向上するとともに、表皮材の位置ズレ等を防いで、シートの外観品質を安定して維持することができる。
また、本発明の吊込構造では、前記係止空間部に対してねじれている導入路の向きが平行である2つ以上のクリップ部材が、1つずつ間隔を開けて装着されている。これにより、表皮材の縫合部のラインに沿って表皮材をクッション部材に容易に止着することができる。また、表皮材をクッション部材に止着した後は、クリップ部材から被係止体が外れ難く、表皮材の取付状態が安定して維持される。
更に、本発明の吊込構造では、前記係止空間部に対してねじれている導入路の向きが互いに交差する方向となる2種類のクリップ部材が、交互に2つ以上連接して装着されていても良い。これにより、表皮材をクッション部材に止着させた後は、被係止体がクリップ部材から一層外れ難くなるため、シートの外観品質をより安定して維持することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施例に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の各実施例では、クリップ部材を表皮材側に装着し、被係止体であるワイヤーをクッション部材の凹溝内に取り付けることによって吊込構造が構成されている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えばクリップ部材をクッション部材の凹溝内に装着し、ワイヤーを表皮材側に取り付けて吊込構造を構成することも可能である。
また、各実施例におけるクリップ部材及び吊込構造は、車両用シートのシートクッションにおいて、クッション部材の表面に表皮材を被覆して止着する場合について説明している。しかし、本発明のクリップ部材及び吊込構造はこれに限定されず、車両用シートのシートバックや家具用シート等に用いられる吊込構造にも同様に適用することができる。
図1〜図4は、本発明の実施例1に係るクリップ部材を示している。ここで、図1は、実施例1のクリップ部材を斜め上方から見た斜視図であり、図2は、同クリップ部材の一方の脚部の記載を省いて、導入路及び係止空間部の内側面部分を解り易く示した模式図である。また、図3は、同クリップ部材の正面図であり、図4は、同クリップ部材の底面図である。
なお、以下の各実施例では、表皮材が取り付けられる側をクリップ部材の上方とし、被係止体の導入口側を下方として説明を行う。また、図1に示したように、クリップ部材においては、その上下方向を高さ方向とし、表皮材の縫合部に沿った方向を長さ方向とし、更に、この高さ方向と長さ方向に直交する方向を幅方向として説明を行う。
本実施例1に係るクリップ部材1は、直方体状の外形を有しており、合成樹脂を射出成形することにより作製することができる。クリップ部材1の材質としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルサルフォン等の合成樹脂を用いることができるが、その中でも、成形性、強度、リサイクル性等を考慮した場合、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールを用いることが好ましい。
前記クリップ部材1は、表皮材11に装着される被装着部2が上方に設けられている。この被装着部2は、以下で説明するリテイナー18が挿入されるリテイナー挿入部3と、クリップ部材1の上面に形成された上部開口部4とを長さ方向に沿って有している。リテイナー挿入部3は、その断面がリテイナー18の断面形状に合わせて略楕円形状に形成されている。
また、被装着部2の下方には、同被装着部2と平行で、且つ直線状に貫通している係止空間部5と、導入路6とが設けられている。この導入路6は、係止空間部5に連通する連通部6aと、クリップ部材1の底面に開口する開口部6bを有しており、この連通部6aと開口部6bが導入空間部6cで接続されて構成されている。更に、クリップ部材1には、係止空間部5と導入路6とによって二股に分割された1対の脚部7a,7bが、係止空間部5の長さ方向の全体に渡って形成されている。
前記係止空間部5は、後述するクッション部材13の凹溝14に取り付けた線条のワイヤー15を係止するために、その断面がワイヤー15の断面形状に合わせて形成されている。すなわち、本実施例1では、係止空間部5の断面が略円形状に形成されている。なおこの場合、導入路6から係止空間部5にワイヤー15を円滑に導入するために、係止空間部5の長さ方向の前後端部側の側方部分に、導入路6の連通部6aとしての空間が設けられている。このため、クリップ部材1の正面及び背面では、図3に示したように、脚部7a,7bの股部分が略楕円形状に形成されている。
前記導入路6は、図4に示したように、底面側から見たときに係止空間部5に対して所定の傾斜角度θで直線状にねじれた位置関係に配されている。このとき、傾斜角度θは、0°よりも大きく90°よりも小さい範囲、又は、0°よりも小さく−90°よりも大きい範囲で任意に設定することができるが、ワイヤーの取付作業性やワイヤーの係止状態の安定性等を考慮すると、傾斜角度θを、5°≦θ≦45°又は−5°≦θ≦−45°の範囲で設定することが特に好ましく、本実施例1では、傾斜角度θが10°に設定されている。このように導入路6がねじれた位置関係に配されていることにより、導入路6を形成する脚部7a,7bの一端が厚肉51に、他端が薄肉52に形成される。これにより、例えば図2に示すように、脚部7a,7bのそれぞれは、厚肉51の端縁側に近づく程、係止空間部5に係止したワイヤー15の側面との接触領域53が大きくなる。
また、1対の脚部7a,7bにおいて相対している導入空間部6c側の面8(内側面)は、導入路6の連通部6aから開口部6bに向けて、脚部7a,7bの肉厚が漸次薄くなるようなテーパ面に形成されている。すなわち、1対の脚部7a,7b間に形成される導入路6の間隔は、ワイヤー15の導入方向に向けて漸減している。
更に、本実施例1において、導入路6の連通部6aにおける間隔9は、係止空間部5の幅方向における最大の大きさ(即ち、ワイヤー15の直径)よりも若干小さく形成されている。一方、導入路6の開口部6bにおける間隔10はワイヤー15の直径よりも大きく形成されている。これにより、クリップ部材1は、ワイヤー15を導入路6の開口部6bから導入空間部6cに挿入し易く、また、ワイヤー15を導入路6の導入空間部6cから連通部6aを介して係止空間部5に導入して係止した後は、ワイヤー15が係止空間部5から外れ難くなるように構成されている。
次に、上述のようなクリップ部材1を表皮材11の縫合部12に取り付けて構成されるクッション部材の表皮材吊込構造について説明する。なお、本実施例1では、クリップ部材1が取り付けられる表皮材11の縫合部12と、同表皮材11が被覆するクッション部13の凹溝14及びその凹溝14内に配されるワイヤー15とが、同様の湾曲線状に形成されている場合(図5を参照)について説明する。
前記クリップ部材1は、例えば表皮材11の縫合部12に直接装着することもできるが、本実施例1の吊込構造では、図6に示したように、不織布テープ17の一側端縁にリテイナー18が設けられた装着テープ16に、同じ傾斜角度θを有する複数のクリップ部材1が1つずつ間隔を開けて取り付けられており、更に、このクリップ部材1付きの装着テープ16が不織布テープ17の部分で表皮材11の縫合部12と縫着、接着、又は溶着によって取り付けられている(図7及び図8を参照)。これにより、表皮材11の縫合部12が湾曲線状に形成されていても、同縫合部12に複数のクリップ部材1を安定して装着することができる。
なお、本発明において、クリップ部材1の装着数や、各クリップ部材1間の間隔等は、表皮材11及びクッション部材13の形状やサイズ等に応じて任意に設定することができる。また、前記装着テープ16の不織布テープ17としては、従来一般的に用いられている不織布テープを使用することができ、必要に応じてパンチング等の処理を施すことができる。更に、装着テープ16のリテイナー18は、例えば塩化ビニル樹脂を不織布テープ17に直接射出成形することによって形成されている。
一方、クッション部材13の材質としては、主に発泡性合成樹脂を使用することができ、具体的には、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等を使用することができる。またその他に、例えば天然繊維又は合成繊維を接着性を有するエラストマー等を用いて所定の形状に賦形することによって、クッション部材を構成することも可能である。
また、本実施例1において、各クリップ部材1の装着テープ16への取り付けは、装着テープ16の前端又は後端で、クリップ部材1のリテイナー挿入部3内にリテイナー18を挿入するとともに上部開口部4に不織布テープ17を挿入し、その後、同クリップ部材1をリテイナー18に沿って所定の位置までスライドさせることによって行われる。
なお、クリップ部材1の装着テープ16への取り付け方法はこれに限定されるものではない。例えば、不織布テープ17及びリテイナー18を挟み込むようにして、合成樹脂を装着テープ16にクリップ部材1の形状となるように直接射出成形することにより、装着テープ16にクリップ部材1を成形一体化して取り付けることも可能である。また、クリップ部材1付きの装着テープ16を表皮材11の縫合部12に取り付ける方法についても特に限定されず、種々の方法を用いて取り付けを行うことが可能である。
上述のようにして複数のクリップ部材1を表皮材11の縫合部12に装着した後、図7に示したように、クッション部材13の表面に表皮材11を被せながら、クリップ部材1を1つずつ、クッション部材13の凹溝14内に配したワイヤー15に向けて案内し、ワイヤー15の一部をクリップ部材1の導入路6に挿し入れる。
このとき、ワイヤー15とクリップ部材1とをそれぞれ保持して、クリップ部材1をワイヤー15の軸線に対して傾斜角度θ分だけ傾けた(回動させた)状態でワイヤー15に向けて案内する。これにより、ワイヤー15の軸線とクリップ部材1の導入路6とを略平行にした状態で、ワイヤー15の一部を導入路6の開口部6bから導入空間部6c内に円滑に挿し入れることができる。
その後、クリップ部材1を更にワイヤー15に向けて押し込むことにより、導入路6と係止空間部5がねじれて配されているので、この導入路6と係止空間部5とのねじれに対応させてクリップ部材1を回動させながら、ワイヤー15を導入路6の導入空間部6cから連通部6aを介して係止空間部5に導入する。これにより、係止空間部5でワイヤー15を容易に係止することができる。
なお、本実施例1では、前述のように、導入路6の連通部6aにおける間隔9がワイヤー15の直径よりも小さく形成されているが、ワイヤー15をクリップ部材1の係止空間部5へ導入する際に、クリップ部材1の両脚部7a,7bがワイヤー15に押されることにより弾性変形し、連通部6aにおける間隔9が僅かに開くため、ワイヤー15を係止空間部5に容易に導入することができる。
そして、上記のような作業を縫合部12に装着した各クリップ部材1に対して順番に行うことにより、図8及び図9に示したように、表皮材11のクリップ部材1が装着されている部位で、表皮材11をクッション部材に吊り込んで容易に止着することができる。
以上のように、本実施例1の吊込構造によれば、ドライバ等の道具を用いなくても、クリップ部材1を所定角度で傾けた状態でワイヤー15に案内して押し込むことにより、クリップ部材1の係止空間部5にワイヤー15を係止させて表皮材11をクッション部材13に簡易に取り付けることができる。従って、本実施例1の吊込構造は、表皮材11のクッション部材13への取付作業性に非常に優れており、作業者の負担軽減を図ることができる。
また、クリップ部材1の係止空間部5は、表皮材11の縫合部12に対して略平行であり、且つ、クリップ部材1の導入路6に対して傾斜して配設されている。従って、ワイヤー15をクリップ部材1の係止空間部5に導入することにより、ワイヤー15を表皮材11の縫合部12に沿わせて係止空間部5で確実に係止することができる。
更に、本実施例1では、前述のように、導入路6の連通部6aにおける間隔9がワイヤー15の直径よりも小さく形成されており、且つ、ワイヤー15の側面を支持している各脚部7a,7bの長さ方向の端縁部が厚肉に形成されている。このため、ワイヤー15がクリップ部材1の係止空間部5に一旦係止されると、例えば図3から理解できるように、クリップ部材1における脚部7aの厚肉の端縁部と脚部7bの厚肉の端縁部との幅方向における間隔が、クリップ部材1の弾性変形によって係止空間部5の直径(即ち、ワイヤー15の直径)の大きさ以上に開かなければ、ワイヤー15の係止が外れることはない。
即ち、本実施例1の吊込構造は、クリップ部材1の係止空間部5にワイヤー15を係止しているときに、例えばクッション部材13にワイヤー15が湾曲線状に配されているために、クリップ部材1が弾性変形して脚部7a,7b間の間隔が僅かに開いたとしても、このワイヤー15の湾曲によるクリップ部材1の弾性変形のみでは、係止空間部5におけるワイヤー15の係止が外れることはなく、ワイヤー15の係止状態を安定して維持することができる。
従って、例えば前記特許文献3等のような従来の吊込構造では、前述したように、クリップ部材にワイヤーを係止させても、ワイヤーが湾曲線状に配されている場合等では、クリップ部材が弾性変形してその開口部が若干開いた状態となるため、ワイヤーの係止が外れ易い等の不具合が生じていた。しかし、本実施例1の吊込構造であれば、このような不具合を解消することができる。このため、クッション部材13に表皮材11を被覆した後、例えばクリップ部材1の係止が外れて表皮材11に位置ズレ等が生じることを防ぐことができ、シートの外観品質を安定して維持することができる。
なお、本実施例1では、クリップ部材1に係止させる被係止体がワイヤー15である場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば図10に示したように、被係止体としてワイヤー15の代わりに、断面が逆T字状の合成樹脂製レール部材19をクッション部材13の凹溝14内に配することも可能である。これにより、例えばクリップ部材1にレール部材19の一部を係止したときに、レール部材19を係止した各クリップ部材1の位置が非常に安定する。このため、例えば表皮材11に引張り応力がかかっても、シートの外観品質を長期に渡って安定して維持することが可能となる。
また、本実施例1のクリップ部材1は、前述のように直方体状に形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば図11に示したクリップ部材1’を用いることも可能である。この図11に示したクリップ部材1’は、例えば外形が直方体状であり、係止空間部5と導入路6との位置関係が平行であったクリップ部材において、導入部6が形成されている部分を所定の傾斜角度θでねじることによって得られるような形状に作製されており、一対の脚部7a,7bがその長さ方向に渡って均一な肉厚で形成されている。このようなクリップ部材1’であっても、導入路6が係止空間部5の長さ方向に対してねじれた位置関係に配されているため、上記の実施例1のクリップ部材1と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例2に係るクリップ部材について、図12〜図15を参照しながら説明する。ここで、図12は、実施例2のクリップ部材を斜め上方から見た斜視図であり、図13は、同クリップ部材を斜め下方から見た斜視図である。また、図14は、同クリップ部材の正面図であり、図15は、同クリップ部材の底面図である。なお、以下に示す実施例2〜実施例5の説明、及びそれらの参照図面において、前記実施例1で説明した部材と同様の構成を有する部材については同じ符号を用いて表しており、それによって、その部材の説明を省略することとする。
本実施例2に係るクリップ部材21は、リテイナー挿入部3と上部開口部4とを長さ方向に沿って有する被装着部2が上方に設けられている。また、被装着部2の下方には、同被装着部2と平行で直線状に貫通している係止空間部5と、導入路26とが設けられている。この導入路26は、係止空間部5に連通する連通部26aと、クリップ部材の底面に開口する開口部26bを有しており、この連通部26aと開口部26bが導入空間部26cで接続されて構成されている。
本実施例2のクリップ部材21では、係止空間部5と導入路26とによって二股に分割された1対の脚部27a,27bが形成されている。更に、この1対の脚部27a,27bは、幅方向の肉厚が薄い方の端縁部側から所定の長さ範囲でそれぞれ切欠を有している。このため、脚部27a,27bが、クリップ部材21の長さ方向全体に渡って形成されているのではなく、クリップ部材21の厚肉の端縁部側から長さ方向に所定の長さで形成されている。なお、本実施例2において、上記以外の構成については、前記実施例1と実質的に同様である。
このような本実施例2のクリップ部材21を、前記実施例1と同様に、装着テープ16を介して表皮材11の縫合部12に間隔を開けて複数個装着し、各クリップ部材21にクッション部材13の凹溝14内に配したワイヤー15を係止することによって、クッション部材の表皮材吊込構造を構成することができる。
本実施例2のクリップ部材21を用いて構成された吊込構造によれば、ドライバ等の道具を用いなくても、クリップ部材21をワイヤー15に対して傾けた状態で案内して押し込むことにより、クリップ部材21にワイヤー15を係止させて、表皮材をクッション部材に容易に吊り込んで止着することができる。
特に、本実施例2のクリップ部材21は、前記実施例1のクリップ部材1に比べて、脚部27a,27bがそれぞれ切欠を有して長さ方向に短くなっており、導入路26の実質的な空間が広くなっている。このため、ワイヤー15をクリップ部材21の係止空間部5内に容易に導入することができ、ワイヤー15の係止を非常に簡易に行うことができる。従って、例えばクリップ部材21は表皮材裏面の縫合部12に装着されているために、クリップ部材21にワイヤー15を係止させる作業を目視できない状況で行う場合でも、ワイヤー15の係止を短時間で確実に行うことができ、作業者の大幅な負担軽減を図ることが可能となる。
また、本実施例2では、前記実施例1と同様に、ワイヤー15がクリップ部材21の係止空間部5に一旦係止されると、例えば図14から理解できるように、クリップ部材21における脚部27aの厚肉の端縁部と脚部27bの厚肉の端縁部との幅方向における間隔が、クリップ部材21の弾性変形によって係止空間部5の直径の大きさ以上に開かなければ、ワイヤー15の係止は外れ難い。
このため、本実施例2の吊込構造は、クリップ部材21の係止空間部5にワイヤー15が一旦係止されると、ワイヤー15が湾曲線状に配されていることにより、クリップ部材21が弾性変形したとしても、それのみでは係止空間部5におけるワイヤー15の係止が外れることはなく、ワイヤー15の係止状態を安定して維持することができる。
なお、クリップ部材21は、前述のように装着テープ6のリテイナー18に装着されているため、ワイヤー15を係止している状態のクリップ部材21自体は、ワイヤー15の軸線に対して傾きに難い。従って、脚部27a,27bが切欠を有していることにより、クリップ部材21の長さ方向の全体に渡って脚部27a,27bが形成されていなくても、ワイヤー15の係止状態を安定して維持することができる。
但し、本実施例2のクリップ部材21は、脚部27a,27bが長さ方向に短くなっているため、例えばクッション部材が強い衝撃等を受けてワイヤー15が緩んだ場合等では、前記実施例1のクリップ部材1に比べて、ワイヤー15が係止空間部5の位置からずれて係止空間部5によるワイヤー15の係止が外れ易くなる可能性もあることから、脚部27aと脚部27bの端縁部間の寸法、脚部27a及び脚部27bの長さ、導入路26の連通部26aにおける間隔等は、使用条件により適切に設定する必要がある。
本発明の実施例3に係るクリップ部材について、図16〜図18を参照しながら説明する。ここで、図16は、実施例3のクリップ部材を斜め上方から見た斜視図であり、図17は、同クリップ部材の底面図であり、図18は、装着テープに取り付けたクリップ部材にワイヤーを係止させた状態を模式的に示す模式図である。
本実施例3に係るクリップ部材31は、リテイナー挿入部3と上部開口部4とを長さ方向に沿って有する被装着部2が上方に設けられている。また、被装着部2の下方には、同被装着部2と平行で直線状に貫通している係止空間部5と、連通部36a、開口部36b、及び導入空間部36cを有する導入路36とが設けられている。更に、クリップ部材31には、係止空間部5と導入路36とによって二股に分割された1対の脚部37a,37bが形成されている。
本実施例3のクリップ部材31は、前記実施例1及び実施例2のクリップ部材1、21に比べて、長さ方向に長く構成されている。また、前記導入路36の導入空間部36cは、長さ方向の中間位置に屈曲部32を有している。更に、導入路36の導入空間部36cは、係止空間部5の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度で傾斜する直線状の部分と、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で傾斜する直線状の部分とが屈曲部32を介して直列的に配されてジグザグ状に形成されている。このとき、ワイヤーの取付作業性やワイヤーの係止状態の安定性等を考慮すると、傾斜角度θは5°≦θ≦45°の範囲で設定することが好ましく、また、傾斜角度θ’は−5°≦θ≦−45°の範囲で設定することが好ましい。
このような本実施例3のクリップ部材31を、前記実施例1と同様に、装着テープ16を介して表皮材11の縫合部12に間隔を開けて複数個装着し、各クリップ部材31にクッション部材13の凹溝14内に配したワイヤー15を係止することによって、本実施例3に係るクッション部材の表皮材吊込構造を構成することができる(図18を参照)。
本実施例3のクリップ部材31を用いて構成された吊込構造は、クリップ部材31の導入路36が上述のようにジグザグ状に形成されているため、クリップ部材31をワイヤー15に案内する際には、先ず、クリップ部材31を傾斜角度θ又はθ’の一方の角度に合わせるようにワイヤー15に対して傾けて(回動させて)、その一方の傾斜角度でねじれている導入路36の開口部36bから導入空間部36cにワイヤー15を挿入する。更に、クリップ部材31をワイヤー15に向けて押し込むことにより、クリップ部材31を弾性変形させながら、導入路36の導入空間部36cに挿入されたワイヤー15を、連通部36aを介して係止空間部5に導入して係止することができる。
次に、クリップ部材31を他方の傾斜角度に合わせるように傾けて、その他方の傾斜角度でねじれている導入路36の開口部36bから導入空間部36cにワイヤー15を挿入する。更に、クリップ部材31をワイヤー15に向けて押し込むことにより、ワイヤー15を係止空間部5に導入して係止することができる。このように2段階でクリップ部材31をワイヤー15に案内して押し込むことにより、ワイヤー15をクリップ部材31の係止空間部5に導入して確実に係止することができる。
このように本実施例3の吊込構造は、前記実施例1及び2に比べて、クリップ部材の取付作業性において若干劣るものの、ワイヤー15がクリップ部材31の係止空間部5に一旦係止されると、例えば図17等から理解できるように、ワイヤー15が脚部37bの2箇所の厚肉の端縁部と、脚部37aの屈曲部32付近の厚肉部で安定して支持される。このため、前記実施例1及び2に比べて、係止空間部5におけるワイヤー15の係止が強固になり、ワイヤー15の係止状態を非常に安定して維持することができる。
なお、本実施例3では、前述のように、クリップ部材31の導入路36の長さ方向に1つの屈曲部32を有する場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、導入路36の長さ方向に複数の屈曲部を設けることにより、導入路36の導入空間部36cを2箇所以上でジグザグ状に折り返すように形成することも可能である。
また、本実施例3の変形例として、例えば図19に示したクリップ部材31’がある。このクリップ部材31’は、前記実施例3のクリップ部材31のように脚部37a,37bを長さ方向全体に渡って形成するのではなく、脚部37a’,37b’,37b″における幅方向の肉厚が薄い部分に、それぞれ切欠が形成されて構成されている。このように脚部37a’,37b’,37b″の一部に切欠が形成されていることにより、ワイヤー15の係止空間部5への導入が容易となり、表皮材のクッション部材への取付作業性を大きく改善することができる。
本発明の実施例4に係るクッション部材の表皮材吊込構造について、図20〜図22を参照しながら説明する。ここで、図20は、クリップ部材を装着テープに取り付ける前の状態で、クリップ部材の順序を説明する説明図である。また、図21は、図20に示したクリップ部材を装着テープに取り付けた後、同クリップ部材にワイヤーを係止させた状態を模式的に示す模式図である。更に、図22は、図21に示したクリップ部材及びワイヤーを底面側から見た底面図である。
この本実施例4に係る吊込構造は、図20に示したように、表皮材の縫合部に第1クリップ部材41aと第2クリップ部材41bの2種類のクリップ部材が交互に3つ連接して装着されることにより構成されている。これらの第1及び第2クリップ部材41a,41bは、係止空間部45に対する導入路46のねじれている向きが互いに交差する対称的な方向となるように構成されている。
より具体的に説明すると、一方の第1クリップ部材41aとしては、例えば前記実施例1のクリップ部材1と同様のクリップ部材を用いることができる。また、他方の第2クリップ部材41bは、係止空間部45に対してねじれている導入路の向きが、前記実施例1のクリップ部材1における導入路の向きと交差する方向であり、第2クリップ部材41bの導入路の傾斜角度θ″は、第1クリップ部材41aにおける導入路の傾斜角度θに対して「θ″=(−θ)」の関係になる。
このような導入路の向きが互いに交差する2種類の第1及び第2クリップ部材41a,41bを交互に3つ連接して装着テープ16に取り付けることにより、連接された3つのクリップ部材41a,41bによって、長さ方向に連続した係止空間部45及び導入路46が形成される。このとき、連続した係止空間部45は、3つのクリップ部材41a,41bにより形成される連続した被装着部42と平行で、且つ直線状に貫通している。一方、連続した導入路46は、図22に示したように、第1クリップ部材41aと第2クリップ部材41bとの連接部位が屈曲部となり、2つの屈曲部を介してジグザグ状に形成されている。
このように連続した導入路46がジグザグ状に形成された3つのクリップ部材41a,41bにワイヤー15を係止するときには、連接している3つのクリップ部材41a,41bを1つずつ適切な角度で傾けながらワイヤー15に案内して押し込むことにより、当該クリップ部材を弾性変形させながら、連続した係止空間部45にワイヤー15を導入することができる。このとき、3つのクリップ部材41a,41bは連接しているものの、互いに固定されていないため、各クリップ部材を適切な角度で容易に傾けてワイヤー15に案内することができる。
従って、本実施例4の吊込構造によれば、特別の道具を用いなくても3つのクリップ部材41a,41bの連続した係止空間部45にワイヤー15を係止することができる。また、ワイヤー15を係止空間部45に一旦係止することにより、各クリップ部材41a,41bの厚肉部分でワイヤー15を安定して支持できるため、ワイヤー15の係止が非常に安定し、且つ外れ難い。従って、ワイヤー15の係止状態を非常に安定して維持することができる。
特に、本実施例4の吊込構造は、ワイヤー15が湾曲線状に配されている場合、図22に示したように、第1クリップ部材41aと第2クリップ部材41bとの連接部位の外径となる側にそれぞれ隙間43が形成されて、各クリップ部材41a,41b自体の向きをワイヤー15の湾曲に沿わせるようにすることができる。これにより、ワイヤー15の係止状態を更に安定させることができる。
なお、本実施例4では、上述のように、3つのクリップ部材41a,41bを連接する場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2種類のクリップ部材を交互に2つ、又は4つ以上連接することも可能である。
また、本実施例4の変形例として、前記第1及び第2クリップ部材41a,41bの各脚部に切欠を形成し、前記実施例2のクリップ部材21のように、クリップ部材の長さ方向の一部のみに脚部を形成した2種類のクリップ部材を用いて吊込構造を構成することも可能である。これにより、ワイヤーの係止空間部への導入をより簡易に行うことができ、表皮材のクッション部材への取付作業性を改善することができる。
本発明の実施例5に係るクッション部材の表皮材吊込構造について、図23〜図26を参照しながら説明する。ここで、図23は、実施例5のクリップ部材を斜め上方から見た斜視図であり、図24は、同クリップ部材を斜め下方から見た斜視図である。また、図25は、同クリップ部材の正面図であり、図26は、同クリップ部材の底面図である。
本実施例5のクリップ部材61は、被装着部2の下方に、同被装着部2と平行で直線状に貫通している係止空間部5と、連通部66a、開口部66b、及び導入空間部66cを有する導入路66とが設けられている。また、このクリップ部材61には、係止空間部5と導入路66とによって二股に分割された1対の脚部67a,67bが、係止空間部5の長さ方向の全体に渡って形成されている。
クリップ部材61の導入路66は、図26に示したように、底面側から見たときに係止空間部5に対する傾斜角度θが10°となるようなねじれた位置関係に配されている。なお、本発明において、この傾斜角度θの値は、0°よりも大きく90°よりも小さい範囲、又は、0°よりも小さく−90°よりも大きい範囲で任意に設定することができる。
また本実施例5では、導入路66が上述のようにねじれた位置関係に配されていることにより、導入路66を形成する脚部67a,67bの長さ方向の一端が幅方向にて厚肉51となり、その一端から長さ方向に沿って脚部67a,67bの幅方向における厚さが漸減している。一方、脚部67a,67bの他端側から長さ方向の所定範囲には、導入路66を形成している部位の肉厚が均等に薄い薄壁部分62が形成されている。このような薄壁部分62が形成されていることにより、脚部67a,67bを幅方向に弾性変形させ易くすることができるとともに、クリップ部材61の成形に使用する合成樹脂を少なくし、クリップ部材61の製造コストの低減を図ることができる。
更に、本実施例5の脚部67a,67bは、その外側面に凹部63を設けて脚部67a,67bの拡幅方向における肉厚を薄くすることによって、弾性変形促進構造を形成している。これにより、脚部67a,67bの拡幅方向への弾性変形を促すとともに、脚部67a,67bの幅方向の肉厚において、最も薄肉となる部分の厚さ64を長さ方向において全体的に略等しくし、脚部67a,67bの弾性変形を長さ方向において略均等に生じさせることが可能となる。
また、前記脚部67a,67bにおいて、前記薄壁部分62を除いた部分の導入空間部66c側の面8’(内側面)は、導入路66の連通部66aから開口部66bに向けて脚部67a,67bの肉厚が薄くなるような曲面に形成されており、導入空間部66cの間隔がワイヤー15の導入方向に向けて徐々に狭くなっている。このとき、クリップ部材61の長さ方向の両端における連通部66aの間隔69は、係止空間部5の幅方向における最大の大きさ(ワイヤー15の直径)よりも小さく形成されている。
このような本実施例5のクリップ部材61を用いて構成された吊込構造によれば、ドライバ等の道具を用いなくても、クリップ部材61を所定角度で傾けた状態でワイヤー15に案内して押し込むことにより、クリップ部材61の係止空間部5にワイヤー15を係止させて表皮材11をクッション部材13に簡易に取り付けることができる。
また、本実施例5において、導入路66の連通部66aにおける前記間隔69はワイヤー15の直径よりも小さく形成されているため、ワイヤー15をクリップ部材61の係止空間部5へ導入する際には、脚部67a,67bを拡幅方向に弾性変形させなければならない。このとき、本実施例5のクリップ部材61は、前述のように、67a,67bに薄壁部分62が形成されているとともに、凹部63を設けることによって弾性変形促進構造が形成されている。
これにより、脚部67a,67bは、拡幅方向への弾性変形を容易に且つ長さ方向の全体に渡って略均等に生じさせることができるため、クリップ部材61をワイヤー15に向けて押し込むときに生じる抵抗を小さくして、その取付作業時に求められるクリップ部材61の押込力を低減することができ、ワイヤー15をクリップ部材61に非常に簡易に係止させることができる。従って、本実施例5では、表皮材11のクッション部材13への取り付けを極めて簡単に且つ円滑に行うことができ、その取付作業性を大幅に向上させることができる。
本発明のクリップ部材及びクッション部材の表皮材吊込構造は、自動車などに設けられる車両用シートや家具用シートにおいて、クッション部材の表面に表皮材を被覆させて止着させるときに有効に適用される。
実施例1に係るクリップ部材を斜め上方から見た斜視図である。 同クリップ部材の一方の脚部の記載を省いて、導入路及び係止空間部の内側面を解り易く示した模式図である。 同クリップ部材の正面図である。 同クリップ部材の底面図である。 クッション部材の正面図である。 クリップ部材を装着テープに取り付ける前の状態を示した模式図である。 表皮材に装着したクリップ部材をワイヤーに案内する状態を説明する説明図である。 表皮材をクッション部材に吊り込んで止着した吊込構造を、クッション部材の一部を断面で記載して示した模式図である。 ワイヤーを係止したクリップ部材を、クッション部材の凹溝の底部側から示した模式図である。 実施例1の吊込構造の変形例として、ワイヤーの代わりに合成樹脂製レール部材を用いて構成された吊込構造を示した模式図である。 実施例1のクリップ部材の変形例を示すものであり、(a)は、変形例のクリップ部材の正面図であり、(b)は、同クリップ部材の底面図である。 実施例2に係るクリップ部材を斜め上方から見た斜視図である。 同クリップ部材を斜め下方から見た斜視図である。 同クリップ部材の正面図である。 同クリップ部材の底面図である。 実施例3に係るクリップ部材を斜め上方から見た斜視図である。 同クリップ部材の底面図である。 装着テープに取り付けたクリップ部材にワイヤーを係止させた状態を模式的に示す模式図である。 実施例3の変形例に係るクリップ部材の底面図である。 実施例4に係る吊込構造において、クリップ部材を装着テープに取り付ける前の状態で、クリップ部材の順序を説明する説明図である。 図20に示したクリップ部材を装着テープに取り付けた後、同クリップ部材にワイヤーを係止させた状態を模式的に示す模式図である。 図21に示したクリップ部材及びワイヤーを底面側から見た底面図である。 実施例5に係るクリップ部材を斜め上方から見た斜視図である。 同クリップ部材を斜め下方から見た斜視図である。 同クリップ部材の正面図である。 同クリップ部材の底面図である。
符号の説明
1 クリップ部材
2 被装着部
3 リテイナー挿入部
4 上部開口部
5 係止空間部
6 導入路
6a 連通部
6b 開口部
6c 導入空間部
7a,7b 脚部
8,8’ 導入路側の面
9 導入路の連通部における間隔
10 導入路の開口部における間隔
11 表皮材
12 縫合部
13 クッション部材
14 凹溝
15 ワイヤー
16 装着テープ
17 不織布テープ
18 リテイナー
19 レール部材
21 クリップ部材
26 導入路
26a 連通部
26b 開口部
26c 導入空間部
27a,27b 脚部
31,31’ クリップ部材
32 屈曲部
36 導入路
36a 連通部
36b 開口部
36c 導入空間部
37a,37b 脚部
41a 第1クリップ部材
41b 第2クリップ部材
42 被装着部
43 隙間
45 係止空間部
46 導入路
51 厚肉
52 薄肉
53 ワイヤーとの接触領域
61 クリップ部材
62 薄壁部分
63 凹部
64 厚さ
66 導入路
66a 連通部
66b 開口部
66c 導入空間部
67a,67b 脚部
69 間隔

Claims (12)

  1. クッション部材(13)及びその表面を被覆する表皮材(11)のうちの一方の部材に装着され、他方の部材に取り付けられた被係止体(15)の一部を係止することによって、前記表皮材(11)を前記クッション部材(13)に吊り込んで止着するクリップ部材(1,21,31,61)であって、
    同クリップ部材(1,21,31,61)は、前記一方の部材に装着される被装着部(2)と、前記被係止体(15)を係止する係止空間部(5)と、前記被係止体(15)を前記係止空間部(5)に導入する導入路(6,26,36,66)とを備え、
    前記導入路(6,26,36,66)は、前記係止空間部(5)に連通する連通部(6a,26a,36a,66a)と、前記被装着部(2)とは反対側の端面に開口する開口部(6b,26b,36b,66b)と、前記連通部(6a,26a,36a,66a)と前記開口部(6b,26b,36b,66b)を接続する導入空間部(6c,26c,36c,66c)とを有してなり、
    前記導入路(6,26,36,66)は、前記係止空間部(5)の長さ方向に対してねじれた位置関係に配されてなる、
    ことを特徴とするクリップ部材。
  2. 前記導入路(6,26,66)の導入空間部(6c,26c,66c)が、前記係止空間部(5)の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度、又は、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で直線状にねじれて形成されてなる請求項1記載のクリップ部材。
  3. 前記クリップ部材(1,61)は、前記係止空間部(5)と導入路(6,66)とにより二股に分割された1対の脚部(7a,7b,67a,67b)が、前記係止空間部(5)の長さ方向の全体に渡って形成されてなる請求項2記載のクリップ部材。
  4. 1対の前記脚部(67a,67b)は、同脚部(67a,67b)の拡幅方向への弾性変形を促すとともに、同脚部(67a,67b)の前記弾性変形を前記係止空間部(5)の長さ方向において略均等に生じさせる弾性変形促進構造を有してなる請求項3記載のクリップ部材。
  5. 前記弾性変形促進構造は、前記脚部(67a,67b)の拡幅方向における肉厚を、前記脚部(67a,67b)が前記係止空間部(5)の長さ方向において略均等に拡幅方向に弾性変形可能なように設定することにより形成されてなる請求項4記載のクリップ部材。
  6. 前記クリップ部材(21)は、前記係止空間部(5)と導入路(26)とにより二股に分割された1対の脚部(27a,27b)が、前記係止空間部(5)の長さ方向に直交する幅方向の肉厚が薄くなる方の端部側にそれぞれ切欠を有してなる請求項2記載のクリップ部材。
  7. 前記導入路(36)の前記導入空間部(36c)が、
    前記係止空間部(5)の長さ方向に1つ以上の屈曲部(32)を有しており、且つ、
    前記係止空間部(5)の長さ方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい傾斜角度で傾斜する直線状の部分と、0°よりも小さく−90°よりも大きい傾斜角度で傾斜する直線状の部分とが前記屈曲部(32)を介して直列的に配されてジグザグ状に形成されてなる請求項1記載のクリップ部材。
  8. 前記導入路(6,26,36,66)の前記導入空間部(6c,26c,36c,66c)の間隔が、前記被係止体(15)を導入する方向に漸減してなる請求項1記載のクリップ部材。
  9. 前記導入路(6,26,36,66)の前記連通部(6a,26a,36a,66a)における間隔(9,69)が、前記係止空間部(5)におけるその長さ方向に直交する幅方向の最大の長さよりも小さく形成されてなる請求項1記載のクリップ部材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のクリップ部材(1,21,31,61)がクッション部材(13)、及びその表面を被覆する表皮材(11)のうちの一方の部材に装着され、前記被係止体(15)が他方の部材に装着されてなり、前記クリップ部材(1,21,31,61)の前記係止空間部(5)に前記被係止体(15)を係止することにより、前記表皮材(11)の一部を前記クッション部材(13)に吊り込んで止着するように構成されてなることを特徴とするクッション部材の表皮材吊込構造。
  11. 前記係止空間部(5)に対してねじれている前記導入路(6,26,36,66)の向きが平行である2つ以上の前記クリップ部材(1,21,31,61)が、1つずつ間隔を開けて装着されてなる請求項10記載のクッション部材の表皮材吊込構造。
  12. 前記係止空間部(5)に対してねじれている前記導入路(6)の向きが互いに交差する方向となる2種類の前記クリップ部材(1)が、交互に2つ以上連接して装着されてなる請求項10記載のクッション部材の表皮材吊込構造。
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