JP2007273773A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置のクリーニング方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置のクリーニング方法 Download PDF

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和俊 村田
Yasunari Mori
康成 森
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直正 宮武
Kazuki Takizawa
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Abstract

【課題】1回のクリーニングに要する時間を比較的短くし、かつ確実にクリーニングすることができるプラズマ処理装置、およびプラズマ処理装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】反応容器内のクリーニングの際、反応容器の内壁面に沿って配置された、誘電体で表面が覆われた棒状の導体で構成したアンテナ素子を有して構成されたプラズマ処理装置によって、反応容器の壁面に沿った空間領域にプラズマを生成することで、反応容器の内壁面を高プラズマ領域に直接曝した状態でクリーニングする。
【選択図】図1

Description

今日、半導体装置、太陽電池あるいはフラットパネルディスプレイ等、各種基板の製作には、プラズマを用いた成膜処理を利用して精度の高い加工処理を行なっている。半導体装置においてプラズマを用いて処理(プラズマ処理)されるSiウエハやフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板等は大型化の一途をたどっている。これに対応してプラズマを用いた成膜処理を行なう成膜装置の減圧処理室も大型化され、この減圧処理室内において、基板の加工精度に大きな影響を与える反応性プラズマ中の反応活性種(ラジカル)やイオンを均一に生成させて基板に精度の高いプラズマ処理を行なう必要性が増大している。
例えば、大型の薄膜太陽電池を製造する装置としてECR(erectron cyclotron reasonance)プラズマCVD装置や、ICP(Inductively coupled plasma)プラズマCVD装置を用いることが考えられる。また、平行平板電極型のプラズマCVD装置を用いることも可能である。しかしながら、このようなECRプラズマCVD装置や、ICPプラズマ装置、平行平板型のプラズマCVD装置では、発生するプラズマの均一性は比較的低いものである。このため、成膜する基板表面に対して十分な強度のプラズマを発生させるには、空間分布が比較的大きいプラズマを発生させる必要があった。このため、プラズマ発生室の壁面や成膜室の壁面にもプラズマが広がってしまい、プラズマ発生室の壁面や成膜室の壁面にも膜が付着してしまう。このような膜は成膜条件が制御されていないので、膜の密度も低く壁面から剥離しやすいため、成膜時におけるパーティクル発生の原因にもなっていた。このため、半導体製造工場では、所定の成膜量(成膜時間や成膜回数など)毎に、成膜装置をクリーニングする必要があり、スループットの低下、およびランニングコストの上昇の一因となっていた。
このような状況下、特許文献1に示すプラズマCVD装置において、大面積プラズマ生成用アンテナを用いたプラズマCVD装置が提案されている。具体的には、棒状のアンテナ素子を複数個平面状に配置してアレイ化したアンテナアレイを用いて、電磁波の空間分布を一様にして大面積のプラズマ生成に用いている。
特開2003−86581
このようなプラズマ生成装置は、棒状アンテナ素子の近傍に局在化させてプラズマを生成することができる。このようなプラズマCVD装置では、生成したプラズマが局在化しているので、プラズマ発生室の壁面や成膜室の壁面にもプラズマが広がってしまうことがなく、プラズマ発生室の壁面や成膜室の壁面への膜の付着も、非常に少ないものであった。このため、ECRプラズマCVD装置、ICPプラズマ装置、並行平板型のプラズマCVD装置などと比べて、長期に渡って繰り返し成膜を実施する場合のクリーニングの回数は極端に少ないものであった。
上記特許文献に記載されている、大面積プラズマ生成用アンテナを用いたプラズマCVD装置では、棒状アンテナ素子の近傍に局在化されてプラズマが生成される。このため、クリーニングガスをプラズマ化した場合も、このクリーニングガスのプラズマが広く分布しないため、1回のクリーニングに要する時間自体は、短くすることは出来なかった。
そこで、本発明は、長期に渡って繰り返し成膜を実施する場合のクリーニングの回数が少ない、モノポールアンテナ素子を用いた成膜装置であって、1回のクリーニングに要する時間を比較的短くし、かつ確実にクリーニングすることができるプラズマ処理装置、およびプラズマ処理装置のクリーニング方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、反応容器内の基板ステージの表面に配置された基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理モードと、前記反応容器内をクリーニング処理するクリーニングモードとの2つの処理モードを少なくとも有するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理モードの際、前記反応容器内にプラズマを生成するプラズマ処理用プラズマ生成手段と、前記クリーニングモードの際、前記反応容器の壁面に沿った空間領域にプラズマを生成する、クリーニング用プラズマ生成手段と、を有し、前記クリーニング用プラズマ生成手段は、前記反応容器の壁面に沿って配置された、誘電体で表面が覆われた棒状の導体で構成したアンテナ素子を有して構成されていることを特徴とするプラズマ成膜装置を提供する。
前記クリーニング用プラズマ生成手段は、前記アンテナ素子に給電する高周波信号の周波数を自在に変えて生成する高周波電源と、前記アンテナ素子とこのアンテナ素子へ給電する給電線との接続部分に設けられ、インピーダンス整合のための容量素子及び誘導素子のいずれか一方の調整素子を有するインピーダンス整合器と、前記高周波信号の周波数及び前記調整素子の特性パラメータの少なくとも一方を変化させて、インピーダンス整合を行う制御器と、を有することが好ましい。
前記プラズマ処理用プラズマ生成手段は、前記基板ステージの表面と略平行な平面状に複数配列されてなる、前記基板ステージと対向して配置されたアンテナンアレイを有して構成されていることが好ましい。
前記クリーニング用プラズマ生成手段の前記アンテナ素子は、前記基板ステージの前記表面を含む平面と、前記アンテナンアレイの配置面との間に配置されていることが好ましい。また、前記反応活性種ガスは酸素ガス、前記原料ガスはTEOSガスであり、前記処理モードでは、前記基板ステージに載置された前記基板表面へSiO膜を成膜することが好ましい。
本発明は、また、反応容器内の基板ステージの表面に配置された基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置のクリーニング方法であって、前記プラズマ処理を施す際、前記反応容器内の前記基板ステージの前記表面に対向する空間領域にプラズマを生成し、前記反応容器内のクリーニングの際、前記反応容器の壁面に沿って配置された、誘電体で表面が覆われた棒状の導体で構成したアンテナ素子を有して構成されたプラズマ処理装置によって、前記反応容器の壁面に沿った空間領域にプラズマを生成することを特徴とする、プラズマ成膜装置のクリーニング方法も、併せて提供する。
本願発明のプラズマ処理装置では、長期に渡って繰り返し成膜を実施する場合のクリーニングの回数を極端に少なくするとともに、1回のクリーニングに要する時間自体も比較的短くし、かつより確実に反応容器内を清浄化することができる。本願発明によれば、長期に渡って繰り返し成膜を実施する、例えば半導体製造工場における半導体製造工程のスループットを向上させ、ランニングコストを低下させることができる。
以下、本発明のプラズマ処理装置、およびプラズマ処理装置のクリーニング方法について詳細に説明する。図1は、本発明のプラズマ処理装置の一実施形態であるプラズマCVD装置10の構成を説明する概略断面図である。
CVD装置10は、TEOSガスを原料ガス、酸素ガスを反応活性種ガス(活性種ガス)としてそれぞれ用いて、ガラス基板やシリコンウエハ等の処理基板12表面に、SiO膜を成膜する装置である。
CVD装置10は、活性種ガス供給手段11、クリーニングガス供給手段12、反応容器14、ガス流量調整手段18、19、制御部21、入力手段22、およびプラズマ生成手段20を有して構成されている。プラズマ生成手段20は、成膜用アンテナアレイ30と、クリーニング用アンテナアレイ50と、インピーダンス整合器15、電源・調整ユニット16、第1分配器13、第2分配器17とを有して構成されている。成膜用アンテナアレイ30の各成膜用アンテナ素子32(の各インピーダンス整合器15)には、第1分配器13を介して、電源・調整ユニット16から後述の高周波電源が供給される。クリーニング用アンテナアレイ50の各クリーニング用アンテナ素子52(の各インピーダンス整合器15)には、第2分配器17を介して、電源・調整ユニット16から後述の高周波電流が供給される。
CVD装置10は、成膜モードとクリーニングモードとの2つの動作モードを有している。成膜モードでの動作かクリーニングモードでの動作かの選択指示は、入力手段22によってオペレータから入力される。入力手段22は、制御部21と接続されており、制御部21は、ガス流量調整手段18および19、電源・調整ユニット16などと接続されている。制御部21は、入力手段22が受け付けた、オペレータによる選択指示(動作モードの指示)の情報を受け取り、選択された動作モードに応じて、各手段やユニットの動作を制御して、選択された動作モードでの処理を実行させるよう構成されている。制御部21は、特に、成膜モードの際は、電源・調整ユニット16を制御することで、第1分配器13を介して成膜用アンテナアレイ30にのみ後述の高周波電流を供給させる。また、クリーニングモードの際は、電源・調整ユニット16を制御することで、第2分配器17を介してクリーニング用アンテナアレイ50にのみ後述の高周波電流を供給させる。なお、クリーニングモードの際は、第2分配器17を介してクリーニング用アンテナアレイ50に高周波電流を供給しつつ、同時に、第1分配器13を介して成膜用アンテナアレイ30にも高周波電流を供給してもよい。
活性種ガス供給手段11およびクリーニングガス供給手段12は、ガスボンベを含む公知のガス供給手段であり、それぞれ配管を介して、ガス流量調整手段18および19にそれぞれ接続されている。ガス流量調整手段18および19は、いずれも図示しないマスフローコントローラーを備えた公知のガス流量調整手段であり、反応容器14の上側の壁面に設けられたガス導入口23および24と、それぞれ配管を介して接続されている。ガス流量調整手段18および19は、制御部21と接続されており、制御部21によって動作が制御されて、活性種ガスおよびクリーニングガスのガス流量をそれぞれ調整する。反応容器14の下側の壁には、減圧のために原料ガス等を排気するための排気口25が設けられており、排気口25は、図示しない真空ポンプと接続されている。
SiO膜の成膜時(成膜モード時)、活性種ガス供給手段11から配管を介して供給された活性種ガス(酸素ガス)は、制御部21の制御の下、ガス流量調整手段19によって流量が調整されて、ガス導入口24から一定の流量で反応容器14内に流入する。また。クリーニングモード時は、クリーニングガス供給手段12から配管を介して供給されたクリーニングガス(例えば、NFやCFガスなど)は、制御部21の制御の下、ガス流量調整手段18によって流量が調整されて、ガス導入口23から一定の流量で反応容器14内に流入する。反応容器14内に導入された活性種ガスやクリーニングガスは、反応容器14内部を上側から下側に向けて流れ、排気口25から排出される。反応容器14には、この他に、制御部21と接続された図示しない圧力センサも設けられており、制御部21の制御の下、図示しない圧力制御ユニットによって反応容器14内の圧力は所望の圧力に調整される。
反応容器14の内部には、この反応容器14の内部に、処理基板12を載置する基板ステージ26、ガス導入口23および24から導入された、活性種ガスまたはクリーニングガス、または、活性種ガスとクリーニングガスとの混合ガスを、広い面積に渡って分配するためのシャワーヘッド28、複数のアンテナ素子32からなる成膜用アンテナアレイ30、成膜用アンテナアレイ30と基板ステージ26との間に設置され、内部を通る原料ガス(TEOSガス)を、成膜用アンテナアレイ30と基板ステージ26との間に放出するための原料ガス放出孔36を備えた原料ガスインジェクタ34、反応容器14の内壁面56に沿って配置された、複数のアンテナ素子52からなるクリーニング用アンテナアレイ50、がそれぞれ設けられている。なお、反応容器14内における、原料ガスインジェクタ34の配置位置は、特に限定されない。
CVD装置10によって成膜処理される処理基板12は、液晶基板の製作などで用いられる略四角形状の基板であり、基板ステージ26の表面27(図4および図5参照)は略四角形状であり、反応容器14の、基板ステージ26の表面27と平行な断面形状も、四角形状となっている。
反応容器14は金属製の容器であり、反応容器14の壁面は接地されている。
基板ステージ26は、成膜用アンテナアレイ30に対向するように、処理基板12が載置される台であり、基板ステージ26の内部には処理基板12を加熱する図示されない発熱体が設けられている。
反応容器14の上側には、活性種ガス分散室38が、シャワーヘッド28によって下側の反応室39と仕切られて構成される。シャワーヘッド28は、アルマイト処理したアルミニウムからなる板状部材に0.5mm程度の貫通穴が複数あけられ、活性種ガスやクリーニングガスが下側の反応室39に一定の流速で放射するようになっている。
図2は、シャワーヘッド28の側から、成膜用アンテナアレイ30、原料ガスインジェクタ34、基板12、基板ステージ26を観察した状態を示す概略斜視図であり、基板12の表面近傍の領域を拡大して示している。また、図3は、CVD装置10における成膜用アンテナ素子32の配置について説明する図であり、図1に示すA−A線で切断して成膜用アンテナアレイ30を観察した状態を示す概略上面図である。また、図4は、CVD装置10における原料ガスインジェクタの形状・配置について説明する図であり、図1に示すB−B線で切断して原料ガスインジェクタを観察した状態を示す概略上面図である。図5は、CVD装置10におけるクリーニングアンテナ素子52の配置について説明する図であり、図1に示すC−C線で切断してクリーニング用アンテナアレイ50を観察した状態を示す概略上面図である。また、図6は、図5に示すD−D線で切断してクリーニング用アンテナアレイ50を観察した状態を示す概略断面図である。
成膜用アンテナアレイ30は、複数の成膜用アンテナ素子32が、図2および図3に示すように、互いに平行にかつ平面状に配置されてなり、シャワーヘッド28下側の、反応室39の上側部分に設けられている。この成膜用アンテナアレイ30は、シャワーヘッド28及び基板ステージ26に載置される処理基板12に対して平行に設けられる。本発明のプラズマ反応装置は、このようなアンテナアレイを用いてプラズマを生成することを特徴の1つとしている。ここで、成膜用アンテナアレイ30および、この成膜用アンテナアレイ30におけるプラズマの生成について説明する。
モノポールアンテナである成膜用アンテナ素子32は、図3に示すように隣接する成膜用アンテナ素子32と互いに逆方向に反応容器14内の壁面から突出しており、給電方向が逆向きとなっている。これらの成膜用アンテナ素子32は、それぞれマッチングボックスであるインピーダンス整合器15と接続されている。
各成膜用アンテナ素子32は、電気伝導率の高い導体からなる棒状(パイプであってもよい)を成し、使用する高周波の波長の(2n+1)/4倍(nは0または正の整数である)の長さをモノポールアンテナであるアンテナ素子の放射長さとする。各成膜用アンテナ素子32の表面は、石英チューブ等の誘電体35で被覆されている。棒状の導体を誘電体で被覆することで、成膜用アンテナ素子32としての容量とインダクタンスが調整されており、これにより、成膜用アンテナ素子32の突出方向に沿って高周波電流を効率よく伝播させることができ、電磁波を効率よく放射させることができる。このように誘電体35で覆われた成膜用アンテナ素子32は、反応容器14の内壁に開けた開口に電気的に絶縁して取り付けられており、成膜用アンテナ素子32の高周波電流供給端の側が、インピーダンス整合器15に接続されている。
成膜用アンテナ素子32は、シャワーヘッド28の近傍に設けられるので、成膜用アンテナ素子32から放射される電磁波は、隣接する成膜用アンテナ素子32間で電磁波が相互に影響を及ぼし合うことなく、シャワーヘッド28の接地されている金属膜の作用によって鏡像関係に形成される電磁波と作用して、アンテナ素子毎に所定の電磁波を形成する。さらに、成膜用アンテナアレイ30を構成する成膜用アンテナ素子32は、隣接する成膜用アンテナ素子32と給電方向が逆向きとなっているので、反応室39において電磁波は均一に形成される。
インピーダンス整合器15は、後述する電源・制御ユニット19の高周波電源が発生する高周波信号の周波数の調整とともに用いて、プラズマの生成中に成膜用アンテナ素子32の負荷の変化によって生じるインピーダンスの不整合を是正するために用いられる。
電源・調整ユニット16は、図示されない高周波発振回路や増幅器からなる高周波電源、および、図示しない電流・電圧センサの検知信号に応じて、この高周波電源の発振周波数の変更及びインピーダンス整合器15の調整を行う制御部分とを有して構成されている。電源・調整ユニット16は、成膜用アンテナ素子32に共通の高周波信号の周波数を制御して、すべての成膜用アンテナ素子32をインピーダンス整合の状態に近づけ、この後、各アンテナ素子に接続されたインピーダンス整合器15によって、インピーダンスを個別に調整する。電源調整ユニット16は、成膜モードの際は、制御部21によって制御されて、第1分配器13を介して成膜用アンテナアレイ30にのみ後述の高周波電流を供給し、この高周波電源の発振周波数の変更及びインピーダンス整合器15の調整を行う。
なお、このようなアンテナアレイを用いたプラズマ生成の原理についての詳細な説明が、本願出願人による先の出願である、特願2001−280285号明細書に記載されている。また、アンテナアレイを用いたプラズマ生成装置における、各アンテナ毎の詳細なインピーダンス整合方法が、同じく本願出願人による先の出願である、特願2005−014256号明細書に記載されている。本願発明におけるアンテナアレイ、および各アンテナ毎の詳細なインピーダンス整合方法として、例えば、上記各明細書記載の方法を利用すればよい。
このようなCVD装置10では、プラズマ処理モードの際、反応容器14内に、ガス導入口23および24、また、原料ガス放出孔36から各種ガスを送り込み、一方、排出口24に接続した図示されない真空ポンプを作動させて、通常1Pa〜数100Pa程度の真空雰囲気を反応容器14内につくる。この状態で成膜用アンテナ素子32に高周波信号を給電することで、成膜用アンテナ素子32の周囲に電磁波が放射される。これにより、反応容器14内の成膜用アンテナ素子32の近傍でプラズマが生成される。この際、成膜モードでは、シャワーヘッド28から放射された活性種ガスが励起されて反応活性種が得られる。発生したプラズマは導電性を有するので、成膜用アンテナ素子32から放射された電磁波はプラズマで反射され易い。このため、電磁波は成膜用アンテナ素子32周辺の局部領域に局在化する。このように、本願発明で用いる、複数のモノポールアンテナからなるアンテナアレイは、電子密度が高くプラズマ密度の高い領域(以降、高プラズマ領域とする)が成膜用アンテナ素子32の近傍に局在化して形成されるといった特徴を有する。
CVD装置10では、シャワーヘッド28から一定の流速で放射されたガスが、成膜用アンテナアレイ30の近傍に局在化してプラズマ化されて、放射されたガス分子が励起された反応活性種(ラジカル)が得られる。また、成膜用アンテナアレイ30は、モノポールアンテナである成膜用アンテナ素子32が、ある程度広い間隔を保って並べられており、活性種ガス分子が励起された反応活性種は、この広い間隙33を容易に通過して、反応室39の下側部分に向けて流れることができる。
原料ガスインジェクタ34は、成膜用アンテナアレイ30の下側部分に配置されており、図2および図4に示すように、複数の並列配管部分40が互いに平行にかつ平面状に配置された略梯子形状となっている。図2に示すように、原料ガスインジェクタ34は、並列配管部分40の長さ方向が、棒状の成膜用アンテナ素子32の長さ方向と直行するように配置されている。成膜用アンテナ素子32の間隙33を通り、反応室39の下側部分に向けて降下した反応活性種は、複数の並列配管部分40の間隙42を容易に通過し、基板ステージ26に載置される処理基板12の側に供給される。
原料ガスインジェクタ34は、反応室14外部に設けられた図示しない原料ガス供給手段(TEOSガス供給手段)と接続された、原料ガス導入管44(図4参照)と接続されている。また、原料ガスインジェクタ34の複数の並列配管部分40それぞれには、原料ガス放出孔36が複数設けられている。原料ガス導入管44から導入された原料ガス(TEOSガス)は、原料ガスインジェクタ34の内部を通り、原料ガスインジェクタ34の下側部分に設けられた原料ガス放出孔36から基板12の側に向けて放射される。
図4に示すように、原料ガスインジェクタ34は、基板ステージ26の表面27と垂直な方向から原料ガスインジェクタ34を見たとき、基板ステージ26の表面27の投影領域全体を覆うように張り巡らされて配置されている。この原料ガス供給配管34は、基板ステージ26の表面27と垂直な方向から原料ガスインジェクタ34を見たとき、四角形状に配置された枠状配管部分31と、この枠状配管部分31の内部領域に配置された複数の並列配管部分40とからなる、略梯子形状となっている。そして、原料ガスインジェクタ34の複数の並列配管部分40それぞれには、原料ガス放出口36が、原料ガスインジェクタ34の長さ方向に並んで複数設けられている。このように、基板ステージ26の表面27の投影領域全体を覆うように原料ガスインジェクタ34が張り巡らされて、この原料ガスインジェクタ34に複数の原料ガス放出口36が設けられていることで、原料ガス放出口36から基板ステージ26の表面27全体に向けて、均一に原料ガスを放出することを可能としている。成膜モード時、複数の並列配管部分40の間隙42を通り、基板ステージ26に載置される処理基板12の側に降下した反応活性種(酸素ラジカル)は、この原料ガス放出孔36から放出された原料ガスと混合されて、基板12に到達する。
原料ガスインジェクタ34は、成膜用アンテナ素子32と例えば30mm離間した位置に配置される。本願発明のCVD装置10では、複数のモノポールアンテナからなるアンテナアレイによって、高プラズマ領域が成膜用アンテナ素子32の近傍に局在化して生成されるので、高プラズマ領域と原料ガスインジェクタ34とを、このように比較的近接して配置することができる。このため、成膜モード時、成膜用アンテナアレイ30近傍で得られた反応活性種(酸素ラジカル)は、十分な励起状態を保ったまま、原料ガスと混合されて基板12に到達することができる。
クリーニング用アンテナアレイ50は、反応容器14の内壁面56の、略四角形状(基板ステージ26の表面27に平行な平面で切断した断面における、内壁面56の形状)の各辺それぞれにおいて、図5および図6に示すように、複数のクリーニング用アンテナ素子52が、互いに平行にかつ平面状に配置されてなる。本発明のプラズマ処理装置は、このようなアンテナアレイを用いて、反応容器14の内壁面56近傍に局在化したプラズマを生成することを特徴の1つとしている。
クリーニング用アンテナ素子52は、成膜用アンテナアレイ30と同様、モノポールアンテナである。図5および図6に示すように、内壁面56の四角形状の各辺に対応するそれぞれの部分において、隣接するクリーニング用アンテナ素子52と互いに逆方向に反応容器14内の内壁面56から突出しており、給電方向が逆向きとなっている。これらのクリーニング用アンテナ素子52は、それぞれマッチングボックスであるインピーダンス整合器15と接続されている。CVD装置10では、内壁面56の四角形状の各辺に対応する部分それぞれに、クリーニング用アンテナ素子52が2本ずつ配置されている。内壁面56の四角形状の各辺に対応する部分それぞれでの、クリーニング用アンテナ素子52の配置数は特に限定されていない。各部分それぞれにおけるアンテナ素子の数は、それぞれ1本でもよく、また、3本以上でもよい。
各クリーニング用アンテナ素子52は、成膜用アンテナ素子32と同様、電気伝導率の高い導体からなる棒状(パイプであってもよい)を成し、使用する高周波の波長の(2n+1)/4倍(nは0または正の整数である)の長さをモノポールアンテナであるアンテナ素子の放射長さとする。各クリーニング用アンテナ素子52の表面は、石英チューブ等の誘電体55で被覆されている。棒状の導体を誘電体で被覆することで、クリーニング用アンテナ素子52としての容量とインダクタンスが調整されており、これにより、クリーニング用アンテナ素子52の突出方向に沿って高周波電流を効率よく伝播させることができ、電磁波を効率よく放射させることができる。このように誘電体55で覆われたクリーニング用アンテナ素子52は、反応容器14の内壁面56に開けた開口に電気的に絶縁して取り付けられており、クリーニング用アンテナ素子52の高周波電流供給端の側が、インピーダンス整合器15に接続されている。
クリーニング用アンテナ素子52は、反応容器14の内壁面56の近傍に設けられるので、クリーニング用アンテナ素子52から放射される電磁波は、隣接するクリーニング用アンテナ素子52間で電磁波が相互に影響を及ぼし合うことなく、反応容器14の内壁面56の接地されている金属膜の作用によって鏡像関係に形成される電磁波と作用して、アンテナ素子毎に所定の電磁波を形成する。さらに、クリーニング用アンテナアレイ50を構成するクリーニング用アンテナ素子52は、隣接するクリーニング用アンテナ素子52と給電方向が逆向きとなっているので、反応容器14の内壁面56の近傍において電磁波は均一に形成される。
各クリーニング用アンテナ素子52と接続したインピーダンス整合器15は、後述する電源・制御ユニット19の高周波電源が発生する高周波信号の周波数の調整とともに用いて、プラズマの生成中に成膜用アンテナ素子32の負荷の変化によって生じるインピーダンスの不整合を是正するために用いられる。電源調整ユニット16は、クリーニングモードの際は、制御部21によって制御されて、第2分配器17を介してクリーニング用プラズマアレイ50にのみ後述の高周波電流を供給し、この高周波電源の発振周波数の変更及びインピーダンス整合器15の調整を行う。
このようなCVD装置10では、クリーニングモードの際、ガス導入口23および24から各種ガスを導入し、反応容器14内にクリーニングガスを送り込む。一方、排出口24に接続した図示されない真空ポンプを作動させて、通常1Pa〜数100Pa程度の真空雰囲気を反応容器14内につくる。この状態でクリーニング用アンテナ素子52に高周波信号を給電することで、クリーニング用アンテナ素子52の周囲に電磁波が放射される。これにより、反応容器14の内壁面56の近傍でプラズマが生成される。クリーニングモードでは、クリーニングガスが励起されて、クリーニングガスの反応活性種が得られる。発生したプラズマは導電性を有するので、クリーニング用アンテナ素子52から放射された電磁波はプラズマで反射され易い。このため、電磁波はクリーニング用アンテナ素子52周辺の局部領域に局在化する。このように、複数のモノポールアンテナからなるアンテナアレイは、電子密度が高くプラズマ密度の高い領域(以降、高プラズマ領域とする)が、クリーニング用アンテナ素子52の近傍に、すなわち、反応容器14の内壁面56の近傍で局在化して形成されるといった特徴を有する。
図7は、CVD装置10における成膜用アンテナアレイ30でプラズマを生成した際の、プラズマ中の電子温度と、成膜用アンテナアレイ30からの距離(図1中の上下方向の距離)との関係の一例を示すグラフである。図7に示す電子温度の計測は、高い分解能を有するレーザー誘起蛍光(LIF)法によりArプラズマ中の準安定状態Ar原子密度を計測し、その生成消滅過程を仮定することにより評価した。Arプラズマ中の準安定状態Ar原子の計測はArプラズマ(圧力27Pa)で行なわれ、モノポールアンテナの印加電圧は15Wとした。本測定での空間分解能は、分光器のスリット幅などで決まり、図7に示す例では1mm程度である。図7に示す例では、複数のモノポールアンテナからなるアンテナアレイは、電子密度が高くプラズマ密度の高い領域(以降、高プラズマ領域とする)がアンテナ素子から約2cm(20mm)以内に局在化して形成されている。上述のように、成膜用アンテナアレイ30とクリーニング用アンテナアレイ50とは同様の構成となっており、アンテナアレイ50においても、高プラズマ領域はアンテナ素子近傍に局在化して形成される。ここで、高プラズマ領域とは、具体的には、代表的なモノポールアンテナプラズマ源のプラズマ中心の電子温度である2eVに対して、7割以上の電子温度を有する領域のことをいう。
成膜モード時で使用するTEOSガスは、パーティクルが比較的発生しやすいガスである。このため、成膜モード時において、高プラズマス領域にTEOSガスを直接曝さなくとも、成膜容器14の内壁面56には、成膜の度に多少の蒸着がおこる。この付着物(蒸着による付着物)を、なるべく短時間で効率的にクリーニングする場合は、クリーニングガスのプラズマのうち、なるべく電子温度が高くプラズマ密度の高い領域(高プラズマ領域)に、反応容器14の内壁面56を曝すことが望ましい。例えば、CFxガスを用いたクリーニングでは、Fラジカル密度が重要であり、Fラジカルは主に電子衝突により生成される。Fラジカルの生成レートは、電子温度及び電子密度に深く依存しており、数eV程度の電子温度の領域では、電子温度および電子が高い方が(すなわち、高プラズマ領域の方が)より頻繁に反応が生じるようになる。アンテナ近傍の、電子温度が高く、かつ電子密度が高い高プラズマ領域では、Fラジカルの生成レートが高く、クリーニングに有利である。
クリーニングモードの際は、反応容器14の内壁面56が高プラズマ領域に曝されるよう、クリーニング用アンテナアレイ50と内壁面56との距離、およびクリーニング条件(ガス流量、反応室内圧力、高周波電流の大きさなど)が調整される。例えば、クリーニング用アンテナ素子52の外周面から10mm以内の範囲が高プラズマ領域となるような条件でクリーニング処理を行うならば、クリーニング用アンテナ素子52と内壁面56との距離が10mm以内となるよう、クリーニング素子52の配置位置が調整されている。本願発明は、このように、クリーニングモード時は、反応容器14の内壁面56の近傍に配置されたアンテナ素子52によって、このアンテナ素子52の近傍に局在化されたプラズマを生成し、このプラズマの高プラズマ領域に内壁面56を直接曝すことで、内壁面56をクリーニングすることを特徴とする。
このようなCVD装置10を用いて行なわれる、SiO膜の成膜工程およびクリーニング工程について説明する。最初に、成膜モードについて説明する。まず、オペレータが、入力手段22により成膜モードの指示を入力する。制御部21は、各手段の動作を制御して、反応容器14内の活性種ガス導入口24から、活性種ガスである酸素ガスを一定流量(例えば、10slm)で流入させて、シャワーヘッド28から活性種ガスを下側の反応室39に一定の流速で放射させる。これとともに、原料ガスであるTEOSガスを一定流量(例えば100sccm)で原料ガス導入管44に導入し、原料ガスインジェクタ34の原料ガス放出孔36から基板12の側に向けて放出させる。一方、排出口24から真空ポンプで排気を行い、例えば、1Pa〜数100Pa程度の真空雰囲気を反応容器14内につくる。
この状態で、成膜用アンテナ素子32に高周波信号を給電することで、成膜用アンテナ素子32の周囲に電磁波が放射される。これにより、反応容器14内で、成膜用アンテナ素子32の近傍に局在化したプラズマが生成され、シャワーヘッド28から放射された活性種ガス(酸素ガス)が励起された反応活性種(酸素ラジカル)が得られる。反応活性種(酸素ラジカル)は、隣り合った成膜用アンテナ素子32の広い間隙33を容易に通過して、反応室39の下側部分に向けて流れる。反応活性種(酸素ラジカル)は、さらに、複数の並列配管部分40の間隙42を容易に通過し、基板ステージ26に載置される処理基板12の表面に供給される。この際、反応活性種(酸素ラジカル)は、原料ガス放出孔36から放出された原料ガス(TEOSガス)と混合され、基板12に到達する。活性状態である反応活性種(酸素ラジカル)とTEOSガスとが混合されると、酸素ラジカルの活性エネルギーによって反応が進行し、基板12の表面においてSiO膜が成膜される。プラズマ成膜装置10では、このようにしてSiO膜が形成される。
このような成膜動作を繰り返すと、反応容器14の内壁面52に、少量ずつながら膜が付着してくる。このような膜は、内壁面52のうち、成膜用アンテナアレイ30の配置面を含む平面と、基板ステージ26の表面27を含む平面とで挟まれた部分、特には、原料ガスインジェクタ34の配置面を含む平面と、基板ステージ26の表面27を含む平面とで挟まれた部分に、多く付着する。このような反応容器14の内壁面52への付着膜は、プラズマ処理の際に基板表面に付着するパーティクルの原因になる。CVD装置10のようなプラズマ処理装置では、一般的に、このような付着膜を除去するために、定期的にクリーニングが行なわれる。クリーニング用アンテナ素子52は、内壁面52のうち、このような、成膜用アンテナアレイ30の配置面を含む平面と、基板ステージ26の表面27を含む平面とで挟まれた部分、特には、原料ガスインジェクタ34の配置面を含む平面と、基板ステージ26の表面27を含む平面とで挟まれた部分に配置されている。なお、本発明において、クリーニング用アンテナ素子の配置位置は特に限定されない。クリーニング用アンテナ素子は、反応容器の壁面に沿った空間のうち、成膜用プラズマ源によって生成されるプラズマが届き難い(高プラズマ領域に曝され難い)領域に配置されることが好ましく、その中でも、成膜用プラズマ源によって多くの付着物が生じる部分に配置することが好ましい。
次に、クリーニングモード時における動作について説明する。まず、オペレータが、入力手段22によりクリーニングモードの指示を入力する。制御部21は、クリーニングモードの指示を受けて各手段の動作を制御して、反応容器14内のクリーニングガス導入口23から、クリーニング原料ガス(例えばNFなど)を一定流量で流入させて、また、必要に応じて、ガス導入口24から反応活性種ガスである酸素ガスを一定流量で流入させる。これにより、シャワーヘッド28からは、クリーニングガス(クリーニング原料ガスと反応活性種ガスとの混合ガス)を下側の反応室39に一定の流速で放射させる。一方、排出口24から真空ポンプで排気を行い、例えば、1Pa〜数100Pa程度の真空雰囲気を反応容器14内につくる。
この状態で、クリーニング用アンテナ素子52に高周波信号を給電することで、クリーニング用アンテナ素子52の周囲に電磁波が放射される。これにより、反応容器14内で、クリーニング用アンテナ素子52の近傍に局在化した高プラズマ領域が生成される。上述のように、反応容器14の内壁面52は、このような高プラズマ領域に曝される程度に、クリーニング用アンテナアレイ50と近接して配置されており、高プラズマ領域のプラズマ(すなわち、活性程度の高いプラズマ)によって、内壁面56に付着していた付着膜が、高速かつ確実に除去される。
このように、本願発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置のクリーニング方法では、成膜時は、生成したプラズマが局在化しているので、反応容器の壁面や成膜室の壁面にもプラズマが広がってしまうことがなく、プラズマ発生室の壁面や成膜室の壁面への膜の付着も、非常に少ない。加えて、クリーニングモード時は、高プラズマ領域のプラズマ(すなわち、活性程度の高いプラズマ)によって、反応容器の内壁面の付着膜を高速に除去することができる。本願発明によれば、長期に渡って繰り返し成膜を実施する場合のクリーニングの回数を極端に少なくするとともに、1回のクリーニングに要する時間自体も比較的短くすることができ、例えば半導体製造工程でのスループットを上げ、製造コストを低下させることが可能である。
本願発明者は、CVD装置10を用い、TEOS膜の成膜後にクリーニング状態を測定する確認実験を行なった。実験は、異なる2つの状態それぞれについて、CVD装置10を用いて基板にTEOS膜(SiO膜)を成膜する処理を5回繰り返した後、クリーニング処理を1回行い、このクリーニング後に基板表面に観察されるパーティクルの数をカウントした。各状態の1つは、クリーニングの際、CVD装置10のクリーニング用アンテナアレイ50によってプラズマを生成して、反応容器内のクリーニングを行なう状態(状態A)であり、他の状態は、クリーニングの際、CVD装置10のクリーニング用アンテナアレイ50は用いず、成膜用アンテナアレイ30によってプラズマを生成して、反応容器内のクリーニングを行なう状態(状態B)である。各状態とも、クリーニングガスとして、NFガスを用い、クリーニングの際の反応容器14内の圧力は100Pa、クリーニングの際にクリーニングアンテナアレイ50に供給する高周波電力500W、基板温度400℃とした。また、各状態の成膜条件も、いずれも同様とした。この確認実験の結果、成膜用アンテナアレイ30によってプラズマを生成して、反応容器内のクリーニングを行なう状態(状態B)において、クリーニング後に5回の成膜を行なった後の、基板表面に生じた単位面積当たりのパーティクル数に対し、クリーニング用アンテナアレイ50によってプラズマを生成して、反応容器内のクリーニングを行なう状態(状態A)では、クリーニング後に5回の成膜を行なった後の、上記と同一形状・サイズの基板表面に生じた単位面積当たりのパーティクル数は約1/10となっていた。このように、反応容器の内壁面近傍に設けられたクリーニング用アンテナアレイによってプラズマを生成して、反応容器内のクリーニングを行なうことで、パーティクルの発生を大幅に減少させることができることが確認できた。
上記実施形態のCVD装置10では、プラズマ処理モード時に用いるプラズマ生成手段として、モノポールアンテナ素子で構成されたアンテナアレイ型のプラズマ生成手段を用いている。本願発明のプラズマ処理装置は、プラズマ処理モードで用いるプラズマ生成手段は特に限定されない。例えば、平行平板型のプラズマ生成手段であってもよく、ECR型やICP型のプラズマ生成手段であっても構わない。本願発明のプラズマ処理装置は、クリーニングモード時に用いるプラズマ生成手段として、反応容器の内壁面に沿って配置された棒状のアンテナ素子(モノポールアンテナ素子)を有していればよい。特に、アンテナアレイ型のプラズマ生成手段を用いている場合、プラズマがアンテナアレイ近傍に局在化されて形成されるので、基板ダメージが少ないなどのメリットがある一方、反応容器内のクリーニング速度が比較的遅いといった面があったが、本願発明のクリーニング用プラズマ生成手段を備えることで、クリーニングも非常に早く確実に実施することができる。
CVD装置10は、基板ステージ26の表面27と略垂直な方向から見た際の反応容器14の形状は、略四角形状となっている。本願発明では、反応容器の形状は特に限定されず、例えば、基板ステージの表面と略垂直な方向から見た際の形状が、略円形状となっていてもよい。この場合も、この内壁面にごく近接させて、この内壁面に沿ってクリーニング用アンテナアレイを設けることで、反応容器内のクリーニングを迅速かつ確実に行なうことができる。
上記実施形態のCVD装置10では、略梯子形状の原料ガスインジェクタを用いている。本願のプラズマ処理装置では、原料ガス放出孔の位置や、原料ガス放出孔からの原料ガスの放出の向きなどは、特に限定されない。これら、原料ガスインジェクタの形状や、原料ガス放射孔の配置位置や配置数などは、原料ガス流量や、放出量の面内均一性、また、配管の間隙を通る反応活性種の流れ易さなどに影響する。本願のプラズマ処理装置では、原料ガスインジェクタの形状や、原料ガス放射孔の配置位置や配置数などは、これらの条件が満足するよう、必要に応じて調整すればよい。本願のプラズマ処理装置では、原料ガスインジェクタの形状や、原料ガス放射孔の配置位置や配置数なども、特に限定されない。
上記実施形態のCVD装置10は、酸素ガスを活性種ガス、TEOSガスを原料ガスとして用い、基板表面にSiO膜を成膜する装置であった。本願のプラズマ処理装置で用いる活性種ガスや原料ガスの種類は、特に限定されない。また、活性種ガスと原料ガスとを別々に供給する成膜処理工程のみでなく、例えば、同一のシャワーヘッドから、活性種ガスと原料ガスとを同時に供給する成膜処理工程であってもよい。本願発明の成膜モードにおける成膜処理工程は、特に限定されない。
以上、本発明のプラズマ成膜装置およびプラズマ成膜装置のクリーニング方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のプラズマ処理装置の一実施形態であるプラズマCVD装置の構成を説明する概略断面図である。 図1に示すCVD装置の、成膜用アンテナアレイ、原料ガスインジェクタ、および基板が載置された状態の基板ステージを観察した状態を示す概略斜視図である。 図1に示すCVD装置における成膜用アンテナ素子の配置について説明する概略上面図である。 図1に示すCVD装置における原料ガスインジェクタの形状・配置について説明する概略上面図である。 図1に示すCVD装置におけるクリーニング用アンテナ素子の配置について説明する概略上面図である。 図1に示すCVD装置におけるクリーニング用アンテナ素子の配置について説明する概略断面図である。 図1に示すCVD装置でプラズマを生成した際の、プラズマ中の電子温度とアンテナアレイからの距離との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 CVD装置
11 活性種ガス供給手段
12 クリーニングガス供給手段
13 第1分配器
14 反応容器
15 インピーダンス整合器
16 電源・調整ユニット
17 第2分配器
18、19 ガス流量調整手段
20 プラズマ生成手段
21 制御部
22 入力手段
23、24 ガス導入口
25 排気口
26 基板ステージ
28 シャワーヘッド
30 成膜用アンテナアレイ
32 アンテナ素子
33、42 間隙
34 原料ガスインジェクタ
35、55 誘電体
36 原料ガス放出孔
37 支持柱
38 活性種ガス分散室
39 反応室
40 並列配管部分
50 クリーニング用アンテナアレイ
52 クリーニング用アンテナ素子
56 内壁面

Claims (5)

  1. 反応容器内の基板ステージの表面に配置された基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理モードと、前記反応容器内をクリーニング処理するクリーニングモードとの2つの処理モードを少なくとも有するプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ処理モードの際、前記反応容器内にプラズマを生成するプラズマ処理用プラズマ生成手段と、
    前記クリーニングモードの際、前記反応容器の壁面に沿った空間領域にプラズマを生成する、クリーニング用プラズマ生成手段と、を有し、
    前記クリーニング用プラズマ生成手段は、前記反応容器の壁面に沿って配置された、誘電体で表面が覆われた棒状の導体で構成したアンテナ素子を有して構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記クリーニング用プラズマ生成手段は、前記アンテナ素子に給電する高周波信号の周波数を自在に変えて生成する高周波電源と、
    前記アンテナ素子とこのアンテナ素子へ給電する給電線との接続部分に設けられ、インピーダンス整合のための容量素子及び誘導素子のいずれか一方の調整素子を有するインピーダンス整合器と、
    前記高周波信号の周波数及び前記調整素子の特性パラメータの少なくとも一方を変化させて、インピーダンス整合を行う制御器と、を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記プラズマ処理用プラズマ生成手段は、前記基板ステージの表面と略平行な平面状に複数配列されてなる、前記基板ステージと対向して配置されたアンテナンアレイを有して構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記クリーニング用プラズマ生成手段の前記アンテナ素子は、
    前記基板ステージの前記表面を含む平面と、前記アンテナンアレイの配置面との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 反応容器内の基板ステージの表面に配置された基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置のクリーニング方法であって、
    前記プラズマ処理を施す際、前記反応容器内の前記基板ステージの前記表面に対向する空間領域にプラズマを生成し、
    前記反応容器内のクリーニングの際、前記反応容器の壁面に沿って配置された、誘電体で表面が覆われた棒状の導体で構成したアンテナ素子を有して構成されたプラズマ処理装置によって、前記反応容器の壁面に沿った空間領域にプラズマを生成することを特徴とする、プラズマ処理装置のクリーニング方法。
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