JP2007273573A - 有機発光素子 - Google Patents

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啓二 沖中
Naoki Yamada
直樹 山田
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Abstract

【課題】高効率な発光効率を維持しながら、連続駆動による発光強度の低下を改善した有機発光素子を提供する。
【解決手段】陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された、少なくとも発光層と電子輸送層を有し、前記発光層に50質量%以上含有される成分AのエネルギーギャップE1と、電子輸送層に50質量%以上含有される成分BのエネルギーギャップE2が、E2−E1<0.3eVである有機発光素子において、少なくとも電子輸送層にさらに成分Cを含有し、かつ(1)前記成分Cの第1三重項励起エネルギーが前記電子輸送層に含有される成分Bの第1三重項励起エネルギーよりも小さく、(2)前記成分Cの最高被占軌道エネルギーが前記発光層に含有される成分Aの最高被占軌道エネルギーよりも低く、(3)前記成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上である有機発光素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物を用いた発光素子に関するものであり、さらに詳しくは、有機化合物からなる薄膜に電界を印加することにより光を放出する有機発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極間に発光性有機化合物を含む薄膜を挟持させて、各電極から電子およびホール(正孔)を注入することにより、発光性有機化合物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態にもどる際に放射される光を利用する素子である。
非特許文献1には、陽極にITO、陰極にマグネシウム銀の合金をそれぞれ用い、電子輸送材料および発光材料としてアルミニウムキノリノール錯体を用い、ホール輸送材料にトリフェニルアミン誘導体を用いた機能分離型2層構成の素子が報告されている。そして、この素子の発光は、10V程度の印加電圧において1000cd/m2程度であることが報告されている。
また最近では、Ir(ppy)3等のイリジウム錯体を発光材料として用いた燐光有機発光素子が注目され、高い発光効率が報告されている(非特許文献2)。
有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆している。
しかしながら、特にフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場合、現状の素子の安定性では実用上十分ではなく、更なる改良が必要であった。
特許文献1には、素子内に発光材料と三重項捕捉剤を含み、発光材料の三重項励起状態を低減することにより、素子の連続駆動耐久性を向上する方法が開示されている。
特開2002−359080号公報 Appl.Phys.Lett.51,913(1987) Appl.Phys.Lett.75,4(1999)
有機発光素子を駆動したときの劣化要因の一つとして、電子輸送層を構成する電子輸送材料が、三重項励起状態を経て劣化することが挙げられる。発光層から電子輸送層へのホール漏れが起こった場合、電子輸送材料でホールと電子が再結合し、一重項励起状態と三重項励起状態が1:3の確率で生成される。したがって、生成量の多い三重項励起状態が劣化に関しては重要であり、また、三重項励起状態は通常10-3秒程度以上と寿命も長いため、三重項励起状態を経ての分解等の劣化が問題となる。
発光層で効率良く励起子を生成し、発光させるために、発光層を構成する主成分のエネルギーギャップE1と、電子輸送層を構成する主成分のエネルギーギャップE2は、少なくともE1<E2であることが好ましい。
しかし、E2−E1<0.3eVであるような場合には、発光層から電子輸送層へのホール漏れが顕著となり、前述の電子輸送材の劣化が顕著となる。
例えば、発光色が青色の素子のようにE1が大きい材料を用いる場合には、前記のエネルギー関係に当てはまる場合が多くなる。
電子輸送層が複数である場合には、発光層に接する電子輸送層が問題となる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、バンドギャップの広い発光層材料を用いる有機発光素子において、高効率な発光効率を維持しながら、連続駆動による発光強度の低下を改善した有機発光素子を提供するものである。
本発明者等は、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための有機発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された、少なくとも発光層と電子輸送層を有し、前記発光層に50質量%以上含有される成分AのエネルギーギャップE1と、電子輸送層に50質量%以上含有される成分BのエネルギーギャップE2が、E2−E1<0.3eVである有機発光素子において、少なくとも電子輸送層にさらに成分Cを含有し、かつ
(1)前記成分Cの第1三重項励起エネルギーが、前記電子輸送層に含有される成分Bの第1三重項励起エネルギーよりも小さく、
(2)前記成分Cの最高被占軌道エネルギーが、前記発光層に含有される成分Aの最高被占軌道エネルギーよりも低く、
(3)前記成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上である
ことを特徴とする。
前記成分Cが、前記発光層に接する前記電子輸送層の少なくとも前記発光層側に含まれていることが好ましい。
本発明によれば、バンドギャップの広い発光層材料を用いる有機発光素子において、高効率な発光効率を維持しながら、連続駆動による発光強度の低下を改善することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図4は本発明の有機発光素子の構成例を示す模式図である。
図1は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、ホール輸送層が発光層を兼ねている。
図2は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、キャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホールと電子の再結合領域は発光層内にある。ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ、極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリアまたは励起子を有効に閉じこめて、発光効率の向上を図ることも可能になる。
図3は、図2に対して、ホール輸送層の一種であるホール注入層7を、陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
図4は、図2に対して、電子輸送層の一種であるホールブロック層8を、発光層3−電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの大きな(すなわちHOMO(最高被占軌道)エネルギーの低い)化合物をホールブロック層8として用いる事により、発光層から陰極側へのホール漏れを改善し、発光効率の向上に効果的な構成である。
本発明の有機発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された、少なくとも発光層と電子輸送層を有し、前記発光層に50質量%以上含有される成分AのエネルギーギャップE1と、電子輸送層に50質量%以上含有される成分BのエネルギーギャップE2が、E2−E1<0.3eVである有機発光素子において、少なくとも電子輸送層にさらに成分Cを含有し、かつ
(1)前記成分Cの第1三重項励起エネルギーが、前記電子輸送層に含有される成分Bの第1三重項励起エネルギーよりも小さく、
(2)前記成分Cの最高被占軌道エネルギーが、前記発光層に含有される成分Aの最高被占軌道エネルギーよりも低く、
(3)前記成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上である
ことを特徴とする。
本発明では、上述した、電子輸送材料が三重項励起状態を介して劣化することを防止するために、電子輸送層に50質量%以上含有される成分Bである電子輸送材料以外に、別の成分Cを混合する。別の成分Cは、第1三重項励起エネルギー(T1エネルギー)が、電子輸送層の成分BのT1エネルギーよりも小さい(低い)ことが必要である。これによって、成分Bの三重項励起状態が生成しても、速やかに、成分Cの三重項励起状態へエネルギー移動することが可能となる。従って、成分Bの三重項励起状態を介する劣化を防止することができる。
本発明の電子輸送層とは、発光層と陰極の間に位置する、主に電子を注入/輸送する層のことを示す。
本発明における電子輸送層に含有される成分Bの含有量は50質量%以上、好ましくは80質量%以上であるのが望ましい。
本発明における発光層に含有される成分Aの含有量は50質量%以上、好ましくは80質量%以上であるのが望ましい。
また、成分Cの最高被占軌道(HOMO)のエネルギーが、発光層を構成する成分Aの最高被占軌道のエネルギーよりも低い(すなわち、イオン化ポテンシャルが大きい)ことが有効である。図5に本発明の一例の、エネルギーレベルを説明する図を示す。これにより、発光層中のホールが成分Cに流れることを防止する。成分Cにホールが流れた場合、成分Cが発光し、発光層からの発光と混色したり、素子全体の発光効率が低下するという弊害が起こる。
さらに、成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上、好ましくは3.0eV以上であることが必要である。エネルギーギャップが小さすぎると、発光層で生成した励起状態から、成分Cへのエネルギー移動が起き、成分Cが発光するという弊害が起こりうる。様々な可視光領域の発光波長で使用可能であるためには、エネルギーギャップは2.7eV以上が必要である。
また、電子輸送層の成分Bの三重項励起状態は、発光層からのホール漏れによって生成されるため、電子輸送層の発光層側の部分で多く作られる。したがって、成分Cは、少なくとも電子輸送層の発光層側に含まれることが望ましい。電子輸送層が複数の層で形成される場合(例えば図4)、少なくとも発光層側の電子輸送層(図4の場合はホールブロック層)に成分Cを混合することが望ましい。
前記成分Cの含有量は、含有する領域の全質量に対して0.01質量%以上50質量%以下、好ましく0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。
また、電子輸送層の主成分から三重項エネルギーを受け取った成分Cは、速やかに基底状態に戻ることが望ましい。三重項励起状態に長く留まると、成分Cが分解等の劣化を起こす可能性が高くなるためである。一般に、T1エネルギーが低いほど、三重項励起状態の寿命は短いことが知られており、従って、成分CのT1エネルギーは2.2eV以下であることが好ましい。
成分Cは、炭素数が14以上の縮合多環式芳香族環を有する化合物であることが好ましい。例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、ナフタセン、フェナンスレン、クリセン、トリフェニレン、コロネン等が挙げられる。これらの骨格を持つことにより、T1エネルギーが低い材料を得ることが容易となる。
成分Cは電子輸送層に混合されるので、電子を速やかに輸送することと、電子移動する際に安定であることが望まれる。
本発明においては、再結合領域が発光層のいずれの位置(膜厚方向)にあっても構わないが、特に電子輸送層側で再結合する場合に効果が大きい。発光層に注入されたホールの多くが電子輸送層側界面まで到達し、問題となる電子輸送層へのホール漏れが起こりやすいためである。
また、本発明においては、発光層における発光は、蛍光性であってもりん光性であっても構わない。
エネルギーギャップの測定は、可視光−紫外吸収スペクトルから求めることができる。
イオン化ポテンシャルおよびHOMOエネルギーは、UPS(紫外光電子分光法)やその光電子分光法(例えば測定器名AC−1、理研機器製)、ケルビン法、サイクリックボルタンメトリ法による酸化電位の測定などから求めることができる。電子親和力およびLUMOエネルギーは光吸収によるエネルギーギャップ測定値と上記HOMOエネルギーから算出する方法、または、サイクリックボルタンメントリ法による還元電位の測定から求めることが出来る。
最低三重項励起状態のエネルギー(T1エネルギー)は、りん光スペクトルから求めることが可能である。液体窒素温度(77K)などの低温におけるりん光スペクトルの第1発光ピーク(最も短波長のピーク)から、エネルギーを見積もる。
また、各種材料を分子設計する際に、分子軌道法や密度汎関数法などの計算シミュレーションによって各エネルギーを予測することも可能である。
電子とホールの再結合領域の測定方法としては、代表的な方法としては部分ドープ法がある(例えば「有機EL材料とディスプレイ」、シーエムシー、p.100に記述がある)。この方法は、発光層に部分的にプローブ用の発光性ドーパントをドープし、発光スペクトルにドーパントのスペクトルが含まれるか否かで、ドープ領域と再結合領域に重なりがあるかどうかを調べることによって、再結合領域と再結合量比率を推定するものである。
また、光学シミュレーションにより素子構造による光学干渉効果を計算し、実際に得られる発光スペクトルと比較検討することから、素子内での発光領域を見積もることも行われている。
ホール(正孔)輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にし、また注入されたホールを発光層に輸送する優れたモビリティを有することが好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子および高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、およびポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シリレン)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。以下に、具体例の一部を示す。
Figure 2007273573
Figure 2007273573
Figure 2007273573
Figure 2007273573
電子注入輸送性材料としては、陰極からの電子の注入を容易にし、注入された電子を発光層に輸送する機能を有するものから任意に選ぶことができ、ホール輸送材料のキャリア移動度とのバランス等を考慮し選択される。電子注入輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フルオレノン誘導体、アントロン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機金属錯体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、イオン化ポテンシャルの大きい材料は、ホールブロック材料としても使用できる。
以下に、具体例の一部を示す。
Figure 2007273573
Figure 2007273573
発光材料としては、発光効率の高い蛍光色素や燐光材料が用いられる。以下に具体例の一部を示す。
Figure 2007273573
本発明の有機発光素子の有機化合物からなる層は、一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマCVDあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記結着樹脂としては、広範囲な結着性樹脂より選択でき、例えば、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
陽極材料としては、仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いるか、あるいは複数併用することもできる。また、陽極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
一方、陰極材料としては、仕事関数の小さなものがよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいはリチウム−インジウム、ナトリウム−カリウム、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム、マグネシウム−インジウム等、複数の合金として用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は単独で用いるか、あるいは複数併用することもできる。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
また陽極および陰極は、少なくともいずれか一方が透明または半透明であることが望ましい。
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。また、基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を作成し、それに接続して素子を作成することも可能である。
さらに、TFTを2次元的に配列し画素とすることにより、ディスプレイとして使用できる。例えば、赤、緑、青の3色の発光画素を配列することにより、フルカラーディスプレイとしても使用できる。
また、素子の光取り出し方向に関しては、ボトムエミッション構成(基板側から光を取り出す構成)および、トップエミッション(基板の反対側から光を取り出す構成)のいずれも可能である。
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
図2に示す有機発光素子を作製した。
基板としてのガラス基板上に、陽極としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて150nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
次に、ホール輸送層として、下記のDFLDPBiを50nm、真空蒸着して形成した。
Figure 2007273573
次に、発光層として、成分Aとして下記の化合物1と、発光性ドーパントとして下記の化合物2を、それぞれ別のボートから同時蒸着して形成した。化合物2の濃度は5質量%で、膜厚は20nmであった。
Figure 2007273573
更に電子輸送層として、成分Bとして2,9−(p−ビフェニリル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンと、成分Cとして下記化合物3を、各々別のボートから95:5(質量比)の割合で真空蒸着した。電子輸送層の膜厚は30nmであった。
Figure 2007273573
上記有機物層の蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.3nm/sec程度の条件であった。
次に、フッ化リチウム(LiF)を先ほどの有機層の上に、真空蒸着法により厚さ0.5nm形成し、更に真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム膜を設け電子注入電極(陰極)とする有機発光素子を作成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は、フッ化リチウムは0.05nm/sec、アルミニウムは1.0乃至1.2nm/secの条件で成膜した。
得られた有機発光素子は、水分の吸着によって素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極)を正極、アルミニウム電極(陰極)を負極にして、5.0Vの印加電圧で、発光輝度 1400cd/m2、発光効率3.0lm/W、最大発光波長453nmの、化合物2に由来する青色の発光が観測された。
さらに、この素子に窒素雰囲気下で電流密度を20mA/m2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期約900cd/m2から約820cd/m2と輝度劣化は少なかった。
発光層の成分A、電子輸送層の成分B、および電子輸送層の成分Cの蒸着薄膜を作成し、大気下光電子分光装置(装置名AC−1)でHOMOエネルギー測定した。さらに、紫外−可視光吸収スペクトルを測定し、その吸収端からエネルギーギャップを算出した。さらに、HOMOのエネルギーとエネルギーギャップから、LUMOエネルギーを算出した。結果を下記の表1に示す。
また、電子輸送層の成分Bと、電子輸送層の成分Cを、液体窒素温度にて、りん光測定した(装置名F4500:日立ハイテク社製)。スペクトルの第1発光ピークから換算されるT1エネルギーを同じく下記の表1に示す。
Figure 2007273573
以上の結果から、E2−E1の値は0.11eVであり、E2−E1<0.3eVである。
また、(1)成分CのT1エネルギーが、電子輸送層の成分BのT1エネルギーよりも小さく、(2)成分CのHOMOエネルギーが、発光層の成分AのHOMOエネルギーよりも低く、(3)成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上である、ことが分かった。
比較例1
電子輸送層を2,9−(p−ビフェニリル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンのみで構成した以外は、実施例1と同様の素子を作成した。
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極)を正極、アルミニウム電極(陰極)を負極にして、5.0Vの印加電圧で、発光輝度 1600cd/m2、発光効率2.9lm/W、最大発光波長452nmの、化合物2に由来する青色の発光が観測された。
さらに、この素子に窒素雰囲気下で電流密度を20mA/m2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期約900cd/m2から約750cd/m2と実施例1と比較して劣化が大きかった。
本発明の有機発光素子は、高効率な発光効率を維持しながら、連続駆動による発光強度の低下を改善することができるので、例えばディスプレイや照明などに利用することができる。
本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明の有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明の有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明の有機発光素子の一例のエネルギーレベルを示す図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホールブロック層

Claims (5)

  1. 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された、少なくとも発光層と電子輸送層を有し、前記発光層に50質量%以上含有される成分AのエネルギーギャップE1と、電子輸送層に50質量%以上含有される成分BのエネルギーギャップE2が、E2−E1<0.3eVである有機発光素子において、少なくとも電子輸送層にさらに成分Cを含有し、かつ
    (1)前記成分Cの第1三重項励起エネルギーが、前記電子輸送層に含有される成分Bの第1三重項励起エネルギーよりも小さく、
    (2)前記成分Cの最高被占軌道エネルギーが、前記発光層に含有される成分Aの最高被占軌道エネルギーよりも低く、
    (3)前記成分Cのエネルギーギャップが2.7eV以上である
    ことを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記成分Cが、前記発光層に接する前記電子輸送層の少なくとも前記発光層側に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記成分Cの第1三重項励起エネルギーが2.2eV以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. 前記成分Cが炭素数が14以上の縮合多環式芳香族環を有する化合物からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の有機発光素子。
  5. 前記成分Cの含有量が含有する領域の全質量に対して0.01質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の有機発光素子。
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