JP2007269817A - 種子消毒剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】種子伝染性病害、特に細菌に起因する病害に対して高い防除効果を示し、しかも自然環境に悪影響を及ぼさない安全な種子消毒剤の提供。
【解決手段】pHが8〜11で、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属炭酸水素塩及びアルカリ土類金属炭酸塩からなる群より選ばれた1種以上の無機塩を含有し、緩衝作用を有する水溶液からなることを特徴とする種子消毒剤。
【選択図】なし
【解決手段】pHが8〜11で、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属炭酸水素塩及びアルカリ土類金属炭酸塩からなる群より選ばれた1種以上の無機塩を含有し、緩衝作用を有する水溶液からなることを特徴とする種子消毒剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、穀類、野菜類等の農園芸用作物の種子伝染性病害、特に細菌に起因する病害の防除方法に関する。
炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム等が糸状菌に起因する植物病害の防除剤として有効であることが知られている。(特許文献1:特開昭51−63932)
また、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を作物に薬害のでる殺菌性金属化合物と組み合わせることにより、効果の増加と持続および薬害の軽減効果が得られることが知られている。(特許文献2:特開昭55─27164、特許文献3:特開昭57─131708、特許文献4:特開昭61─233606)
しかし、これらの発明は、植物を加害する糸状菌類が一般に酸性側で良好に生育し、塩基性側では生育が阻害されるという性質を利用したものである。一方、植物を加害する細菌類は、糸状菌類とは異なり、酸性側で生育が阻害され弱塩基性側の方が生育は良好であることが一般によく知られている。本発明のように、pH8〜11のアルカリ性で細菌病害に有効な防除効果が得られることは知られていない。
また、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を作物に薬害のでる殺菌性金属化合物と組み合わせることにより、効果の増加と持続および薬害の軽減効果が得られることが知られている。(特許文献2:特開昭55─27164、特許文献3:特開昭57─131708、特許文献4:特開昭61─233606)
しかし、これらの発明は、植物を加害する糸状菌類が一般に酸性側で良好に生育し、塩基性側では生育が阻害されるという性質を利用したものである。一方、植物を加害する細菌類は、糸状菌類とは異なり、酸性側で生育が阻害され弱塩基性側の方が生育は良好であることが一般によく知られている。本発明のように、pH8〜11のアルカリ性で細菌病害に有効な防除効果が得られることは知られていない。
本発明の目的は、種子伝染性病害、特に細菌に起因する病害に対して高い防除効果を示し、しかも自然環境に悪影響を及ぼさない安全な種子消毒方法を提供することである。
本発明は、1種以上の無機塩を含有し、そのpHが8〜11であることを特徴とする種子消毒剤、およびその水溶液で処理することを特徴とする種子消毒方法に関し、詳しくは、無機塩が、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属炭酸水素塩またはアルカリ土類金属炭酸塩である種子消毒剤および種子消毒方法である。
本発明に使用される無機塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等が挙げられる。これらの化合物1種以上のpH8〜11のアルカリ性溶液として種子処理液とする。また、2種以上を混合して緩衝作用を持たせたpH8〜11のアルカリ性溶液としてもよい。
本発明によれば、穀類、野菜類等の農園芸用作物の種子伝染性病害、特に細菌に起因する病害を、自然環境に悪影響を及ぼすことなく安全に防除することができる。
本発明の種子処理剤は、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等の無機塩を一種以上含有し、該種子処理剤の水溶液がpH8〜11のアルカリ性水溶液であり、濃度は弱酸とその共役塩基との濃度の和が0.05〜0.4Mである。濃度は0.05Mよりも低いと充分な効果が得られず、0.4Mを越えると薬害が生じる場合があり、0.2M程度が好ましい。
pHは8よりも低いと充分な効果が得られない。好ましいpHは8.5〜11である。安定したアルカリ性水溶液とするために、2種以上の塩をバッファー効果を有する比率で混合してもよい。さらに緩衝作用を安定化させるためにホウ酸のような弱酸類、グリシンのようなアミノ酸等を添加してもよい。例えば、塩化カリウム、炭酸ナトリウムとホウ酸を含有するAtkins−Pantinの緩衝液、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを含有するMenzelの緩衝液、塩化ナトリウムとグリシンおよび水酸化ナトリウムで調製するSφrensenの緩衝液等が好適に用いられる。
本発明の方法は、上記の種子処理剤の水溶液に種子を浸漬処理する方法であり、通常24時間浸漬すれば充分である。
本発明の種子処理剤は、苗立枯細菌病、もみ枯細菌病等のイネ病害、黒穂病、斑葉病等の麦類の病害の防除に適用することができる。
また、アルカリ性で安定で糸状菌に有効な公知の殺菌剤と混合して処理することにより、イネ苗の育苗にとって大きな問題となっている糸状菌と細菌に起因する病害を同時に防除することができる。混合可能な殺菌剤としては、チアベンダゾール、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、イプコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエート、フルアジナム、トリシクラゾール等が挙げられる。
本発明の種子処理剤の剤型としては、水溶剤、水和剤、粒剤、乳剤等であり、上記農薬と混合した各種製剤も可能である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
試験例1(種子処理液の調製)
0.2Mホウ酸と0.2M塩化カリウムの水溶液(A液)29.1mlと0.2M炭酸ナトリウム水溶液(B液)70.9mlを混合してpH10の緩衝液(処理液1)を調製した。同様に、A液とB液の混合比を変えて、pH8,9および11の緩衝液を調製し、それぞれ種子処理液とした。
0.2M炭酸ナトリウム水溶液と0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液2)
0.1M塩化ナトリウムと0.1Mグリシンとの水溶液と0.1N水酸化ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液3)
0.2M四ホウ酸ナトリウム水溶液と0.1N水酸化ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液4)
0.2Mホウ酸と0.2M塩化カリウムの水溶液(A液)29.1mlと0.2M炭酸ナトリウム水溶液(B液)70.9mlを混合してpH10の緩衝液(処理液1)を調製した。同様に、A液とB液の混合比を変えて、pH8,9および11の緩衝液を調製し、それぞれ種子処理液とした。
0.2M炭酸ナトリウム水溶液と0.2M炭酸水素ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液2)
0.1M塩化ナトリウムと0.1Mグリシンとの水溶液と0.1N水酸化ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液3)
0.2M四ホウ酸ナトリウム水溶液と0.1N水酸化ナトリウム水溶液を混合してpH10の緩衝液を調製した。(処理液4)
(試験方法)
液体培地で培養したイネ苗立枯細菌病菌およびイネもみ枯細菌病菌を浸漬して感染させたイネ種子を5%混入したイネ種子(ササニシキ)10gを種子処理液に24時間浸漬した。浸漬処理した種子を水に6日間浸漬後、30℃で24時間催芽させ、培養土を詰めたプラスチック製の育苗箱に播種した。2日間育苗器で出芽したのち、温室内で栽培し15日後の1〜2葉期に発病程度を調査した。
液体培地で培養したイネ苗立枯細菌病菌およびイネもみ枯細菌病菌を浸漬して感染させたイネ種子を5%混入したイネ種子(ササニシキ)10gを種子処理液に24時間浸漬した。浸漬処理した種子を水に6日間浸漬後、30℃で24時間催芽させ、培養土を詰めたプラスチック製の育苗箱に播種した。2日間育苗器で出芽したのち、温室内で栽培し15日後の1〜2葉期に発病程度を調査した。
調査基準は下記の発病程度に応じて指数で調査した。
イネ苗立枯細菌病およびイネもみ枯細菌病の発病度は下記の式で計算した。
イネ苗立枯細菌病およびイネもみ枯細菌病の発病度は下記の式で計算した。
防除価は下記の式で計算した。
(試験結果)
試験結果を以下の第1表〜第2表に示す。
試験結果を以下の第1表〜第2表に示す。
試験例2 抗菌試験
(試験方法)
イネもみ枯細菌病菌を懸濁したジャガイモ煎汁液体培地に、試験例1で調製した各処理液をもとに、最終濃度が0.025〜0.2M、pHが8〜12になるように調整した。25℃で3日間培養後、細菌の増殖量を吸光度で測定し、無処理と比較して増殖の抑制率を求めた。
(試験方法)
イネもみ枯細菌病菌を懸濁したジャガイモ煎汁液体培地に、試験例1で調製した各処理液をもとに、最終濃度が0.025〜0.2M、pHが8〜12になるように調整した。25℃で3日間培養後、細菌の増殖量を吸光度で測定し、無処理と比較して増殖の抑制率を求めた。
(試験結果)
菌体増殖の抑制率(%)
菌体増殖の抑制率(%)
Claims (2)
- pHが8〜11で、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属炭酸水素塩及びアルカリ土類金属炭酸塩からなる群より選ばれた1種以上の無機塩を含有し、緩衝作用を有する水溶液からなることを特徴とする種子消毒剤。
- ホウ酸、塩化カリウム及び炭酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の種子消毒剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007165061A JP2007269817A (ja) | 1997-04-28 | 2007-06-22 | 種子消毒剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12487497 | 1997-04-28 | ||
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16650997A Division JP3989594B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-06-09 | 種子消毒剤および方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS5484027A (en) * | 1977-12-28 | 1979-07-04 | Rikagaku Kenkyusho | Agricultural and horticultural fungicide, and pesticide for controlling blights during storage |
JPH04103504A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Kumiai Chem Ind Co Ltd | イネ苗腐敗症防除法 |
JPH09271211A (ja) * | 1996-04-03 | 1997-10-21 | Hokko Chem Ind Co Ltd | イネ種子消毒方法およびイネ種子消毒剤 |
JP3989594B2 (ja) * | 1997-04-28 | 2007-10-10 | 日本曹達株式会社 | 種子消毒剤および方法 |
-
2007
- 2007-06-22 JP JP2007165061A patent/JP2007269817A/ja active Pending
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