JP7082796B2 - トマトかいよう病抵抗性誘導剤及びトマトかいよう病防除方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トマトかいよう病抵抗性誘導剤及びトマトかいよう病防除方法に関する。
トマトかいよう病はトマトかいよう病菌(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis:クラビバクター・ミシガネンシス・亜種・ミシガネンシス)によって引き起こされるトマトにとって脅威的な伝染性の細菌病である。トマトかいよう病と並んでトマトの重要病害である青枯病の原因菌である青枯病菌(Ralstonia solanacearum)が多種類の植物を侵すのに対し、トマトかいよう病菌は、トマトだけに感染する。トマトかいよう病菌に感染したトマトは、葉や茎などの地上部に褐色でコルク状の斑点が現れ、萎凋や褐変化が起こり、最終的に枯死する。青枯病菌は夏場などの30℃付近で増殖が活発になるのに対して、トマトかいよう病菌の好適温度は25℃前後であるため、発症時期は青枯病とずれることが多い。
トマトかいよう病菌は土壌伝染、種子伝染、管理伝染(剪定鋏や植物残渣などによる伝染)などで容易に感染する。トマトかいよう病菌は、トマトに侵入後病徴が出現するまでに時間がかかるため、一見無病徴の植物体でも感染していることがある。無病徴感染トマトは非感染トマトと区別することは困難であり、さらなる感染源となり得る。このようにトマトかいよう病は感染源が多いことから、根絶の難しい病害である。米国ミシガンで初例が発見されたトマトかいよう病はこれまで欧米で問題となっていたが、トマトの生産が伸展してきた近年の日本国内でも難防除病害のひとつと数えられるようになった。
トマトかいよう病を防除する試みとして、殺菌剤(ボルドー剤)の使用が推奨されているが、多量に使用した場合、剤に含まれる銅が作物に薬害や成長抑制等の非好適農業形質を起こすことがある。従って、環境負荷がなく、作物の生育に影響を及ぼさない防除手段が望まれるところである。
作物病害に対する環境保全型防除法のひとつとして近年注目を集めているのが、病害抵抗性誘導剤である。病害抵抗性誘導剤は、植物が本来有する病気に対する抵抗力を高めることで病原体が感染するのを阻止することにより、もしくは病原体が感染後に増殖・蔓延するのを阻止することにより、病害防除効果を示す薬剤である。病害抵抗性誘導剤は病原体を直接殺す作用はないことから、殺菌剤使用の際に問題となる耐性菌出現のリスクは理論上起こらない。
これまで、殺菌剤(ボルドー剤)によらないトマトかいよう病を防除する方法の開発も試みられている。例えば、特許文献1には、特定の構造式を有するマイシン系の抗生物質を含有し、トマトかいよう病を含む複数の作物細菌病に対して有効性のある植物病害防除剤が開示されている。しかしながら、本剤は、植物病原菌によるエンドポリガラクツロナーゼ(ペクチナーゼ)の産生を抑制するものであり、主にはアブラナ科作物の軟腐病の対象とするものであって、トマトかいよう病に有効であるとはいえず、トマトかいよう病に対する病害抵抗性については何ら検討されていない。また、特許文献2には、有用微生物と病害抵抗性誘導物質の組み合わせによりトマトかいよう病を含む複数の作物病害を防除する方法が開示されているが、抵抗性誘導物質単独による防除効果については記載されていない。
特許第5254097号公報 特許第6183851号公報
本発明の課題は、トマトかいよう病菌に対して直接的な殺菌作用を示さず、トマトかいよう病に対する病害抵抗性をトマトに誘導することによって、トマトかいよう病を防除する手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グリシン又は特定のL-アミノ酸が、トマトかいよう病に対して顕著な発病抑制効果を有する一方、トマトかいよう病菌の増殖抑制効果はないこと、すなわち、トマトかいよう病菌に対する抗菌活性に依らずにトマトかいよう病を防除することが可能であるトマトかいよう病抵抗性誘導剤として有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリンから成る群から選択されるいずれか1種又は2種以上のアミノ酸を有効成分として含有する、トマトかいよう病抵抗性誘導剤。
(2)L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリンから成る群から選択されるいずれか1種又は2種以上のアミノ酸を、トマト又はトマトを栽培する土壌に施用することを特徴とする、トマトかいよう病の防除方法。
本発明によれば、アミノ酸を有効成分とした安全性が高く、環境への負荷が小さいトマトかいよう病抵抗性誘導剤及びトマトかいよう病防除方法が提供される。
図1は、グリシン又は種々のL-アミノ酸処理したトマトに対してトマトかいよう病菌を接種し、接種30日後にトマト地上部の病徴を評価した病微指数を示す。 図2は、L-ヒスチジンのトマトかいよう病菌の増殖抑制試験の結果を示す。
1.トマトかいよう病抵抗性誘導剤
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤は、グリシン又は特定のL-アミノ酸の1種又は2種以上を有効成分として含有する。ここで、トマトかいよう病とは、土壌病原細菌であるトマトかいよう病菌(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis)の感染によって引き起こされるトマトの細菌病を指す。
上記の特定のL-アミノ酸としては、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリンが挙げられる。なかでも、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-グルタミン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリンが好ましく、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシンがより好ましい。
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤の有効成分である、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、及びL-バリン(以下、「アミノ酸」という)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を併用する場合、その組み合わせや混合比率は限定されない。
また、アミノ酸は、塩の形態であってもよい。塩の形態としては、特に制限はなく、対イオンは陽イオンでも陰イオンでもよい。例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、金属塩(アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩など)、ハロゲン塩(フッ化物塩、塩化物塩など)、無機塩(アンモニウム塩など)、カルボン酸塩(酢酸塩など)、有機アミン塩(ジベンジルアミン塩、グルコサミン塩、エチレンジアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジエタノールアミン塩、テトラメチルアンモニア塩など)などが挙げられる。
アミノ酸は、市販の食品添加用又は工業用のアミノ酸精製物を用いることができる。例えば市販品は、和光純薬工業株式会社、シグマアルドリッチ、ナカライテスク株式会社などから容易に入手可能である。
本発明の有効成分であるアミノ酸は、それ自体は全く、又は、ほとんどトマトかいよう病菌(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis)に対する増殖抑制作用を有さないのにも関わらず、トマトに処理するとトマトかいよう病防除効果を有する。
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤による防除対象は、トマトかいよう病菌(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis)が感染するトマトであるが、トマトの品種は特に限定されず、種々の品種に対して適用でき、大きさ[大玉トマト、中玉(ミディトマト)、小玉トマト(ミニトマト・プチトマト)]、色(ピンク系、赤系、緑系)も問わない。トマトの品種として、例えば、ポンデローザトマト、桃太郎トマト、ファーストトマト、麗果トマト、レッドオーレ、フルティカ、フルーツルビーEX、シシリアンルージュ、サンマルツアーノ、アイコ、千果等が挙げられるが、これらには限定されない。
上記アミノ酸は、そのままトマトかいよう病抵抗性誘導剤として使用できるが、農薬に使用可能な各種補助剤と混合し、常法に従って、液剤、水和剤、乳剤、粉剤、懸濁剤、粒剤、カプセル剤等の液状又は固形状の種々の製剤形態に調製して使用できる。ここでいう補助剤としては、担体、乳化剤、懸濁剤、増粘剤、安定剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤、凍結防止剤、pH調整剤、消泡剤などが挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体としては、固体担体と液体担体に分けられ、固体担体としては、澱粉、砂糖、セルロース粉、シクロデキストリン、活性炭、大豆粉、小麦粉、もみがら粉、木粉、魚粉、粉乳などの動植物性粉末;タルク、カオリン、ベントナイト、有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、シリカ、硫黄粉末などの鉱物性粉末などが挙げられ、液体担体としては、水;大豆油、綿実油などの植物油;牛脂、鯨油などの動物油;エチルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類などが挙げられる。これらの各形態の製剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤には、他の公知の植物活性剤、成長促進剤、肥料成分等を含有させてもよい。本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤のその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
トマトかいよう病抵抗性誘導剤におけるアミノ酸の含有量は、トマトかいよう病に対する防除効果を発揮する限り、特に制限はなく、また、アミノ酸の種類や剤型等を考慮して適宜設定できる。例えば、固形状製剤である場合は30重量%以上が好ましく、液状製剤である場合は製剤中の全不揮発成分に対して30重量%以上が好ましい。前記液状製剤中の全不揮発成分は、液状物を減圧下、37℃で蒸発乾固することにより得ることができる。液状製剤とする場合、溶媒としては、アミノ酸の溶解、分散を阻害せず、対象となるトマトに悪影響を及ぼさない溶媒である水、メチルアルコール、エチルアルコールなどが使用されるが、水が好ましい。なお、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
2.トマトかいよう病防除方法
本発明のトマトかいよう病防除方法は、上記のトマトかいよう病抵抗性誘導剤を、トマト又はトマトを栽培する土壌に施用することにより行うことができる。施用方法としては、例えば、粉剤、粒剤等の固形物(固形状製剤)、乳剤、水和剤等の液状物(液状製剤)としたトマトかいよう病抵抗性誘導剤を、トマトの葉や茎に噴霧・散布する方法、水耕栽培等においてトマトの一部、例えば根等を浸漬させる方法、トマトを栽培する土壌に、散布、混和、灌注する方法などが挙げられる。なかでも、液状物中にトマトの根を浸漬する方法、還流状態の液状物にトマトの根を常に接触させる方法が好ましい。土壌は、播種又は苗の植え付け前又は苗の植え付け後の本圃土壌又は育苗土壌のいずれであってもよい。また施用は土壌に限らず、隔離ベッドや根域制限ポット、苗床等に行ってもよい。
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤の施用時期は、トマトの播種前、定植前、定植後、及び収穫前から選ばれる1又は2以上のステージであり、2以上のステージの場合、その組み合わせは任意である。
本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤は、土壌栽培、水耕栽培及び岩綿栽培のいずれのトマトに対して施用できる。本発明のトマトかいよう病抵抗性誘導剤の施用量としては、トマトかいよう病抵抗性誘導剤中の有効成分であるアミノ酸の濃度、製剤の形態、対象作物であるトマトの種類、成長段階、病害の程度、施用方法、施用時期、併用する肥料などの種類や使用量など条件に応じて、適宜選択することができる。土壌栽培、水耕栽培及び岩綿栽培において、液状又は固形状のトマトかいよう病抵抗性誘導剤をトマトの根から吸収させる場合、例えば、十分なトマトかいよう病防除効果を得るためのL体のアミノ酸の濃度は1mM以上であり、好適には5mM以上である。
浸漬時間は、トマトがトマトかいよう病抵抗性誘導剤を十分に吸収する時間であればよく、通常、48時間以上である。なお、防除効果を確実に持続させるために、この間に、上記トマトかいよう病抵抗性誘導剤を含む液を適宜交換することがより好ましい。水耕栽培の場合には水耕液に有効濃度のトマトかいよう病抵抗性誘導剤を含有させて循環させてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の実施例で使用したアミノ酸は、和光純薬工業株式会社、シグマアルドリッチ、ナカライテスク株式会社から入手した。グリシン以外のアミノ酸はL体を用いた。
(実施例1)トマトかいよう病防除効果の評価
グリシンと種々のL-アミノ酸のトマトかいよう病抑制効果を評価した。適量のL-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリンを、蒸留水に添加して均一になるまで攪拌することにより、最終濃度5mMの各アミノ酸溶液を調製した。
予め粒状培養土で栽培した4~5葉期のトマト(品種:ポンデローザ)の根部の土を水道水で洗い流し、その根部を上記の5mMの各アミノ酸溶液に48時間浸漬(24時間目で一度液を交換)処理した後、トマトかいよう病菌の菌液(1×108cfu/mL)に2時間浸漬することによりトマトかいよう病菌を接種した。次いで、トマトかいよう病菌接種トマトを園芸用粒状培土にて23℃で栽培し、地上部に現れた病徴を接種後30日間観察した。また、対照として、アミノ酸未添加の蒸留水によって、同様に処理したトマトに対してトマトかいよう病菌を接種し、同様の観察を行った。
病微の程度(指数)は、トマトかいよう病菌接種後30日目に地上部の病徴(葉縁の巻き上げ、葉の全体又は一部の黄化や萎れ、茎の褐変化)を下記の5段階評価に従って数値化し、病徴指数を下記式により算出した。なお、病微指数とは、病気によって引き起こされる被害の程度を意味し、病徴指数が高いほど病徴が激しいことを示す。
0:無発病
1:地上部全体の10%までに病徴が認められる
2:地上部全体の25%までに病徴が認められる
3:地上部全体の50%までに病徴が認められる
4:地上部全体の75%以上に病徴が認められる
病徴指数=(4×N1+3×N2+2×N3+1×N4+0×N5)/4×(N1+N2+N3+N4+N5
(式中、N1~N5は当該数値を示した個体の数を示す)
結果を図1に示す。図1に示されるように、対照区と比べると、すべてのアミノ酸処理区(L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリンの16種のアミノ酸)において病徴指数が低下し、病害抑制効果が認められた。病害抑制効果の程度は、アミノ酸の種類によって異なり、対照区と比較して、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、グリシン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシンは病徴を完全に抑えることができたが、L-グルタミンは約80%、L-バリンは約70%、L-アスパラギン酸及びL-イソロイシンは約25%病徴を抑えた。
(実施例2)トマトかいよう病菌の増殖抑制効果の評価
アミノ酸としてL-ヒスチジンを用いて、トマトかいよう病菌の増殖抑制効果を評価した。CPG液体培地3mLに最終濃度5mMになるようL-ヒスチジンを添加した後、トマトかいよう病菌を最終濃度1×108cfu/mLになるように接種し、希釈平板法により培養0時間及び培養24時間後のトマトかいよう病菌濃度を定量した。また、対照として、蒸留水(DW)を用いて同様の評価を行った。
結果を図2に示す。図2に示されるように、L-ヒスチジンを添加した場合においても、24時間後のトマトかいよう病菌の増殖を抑制できないことが確認された。このことから、実施例1で確認されたL-ヒスチジンのトマトかいよう病防除効果は、トマトかいよう病菌に対する抗菌活性によるものではないことが確認された。なお、L-ヒスチジン以外のアミノ酸でも同様の結果であった。
本発明は、本発明は農薬製造分野において利用できる。

Claims (2)

  1. L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、グリシン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、及びL-チロシンのアミノ酸の全種のみを有効成分として含有する、トマトかいよう病抵抗性誘導剤。
  2. L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、グリシン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、及びL-チロシンのアミノ酸の全種を、トマト又はトマトを栽培する土壌に施用することを特徴とする、トマトかいよう病の防除方法。
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