JP2007269697A - 固型粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
塗布時はさらりとした感触、肌への伸び広がりが良好で、仕上がりはしっとり感と肌への密着感に優れ、しかも、経時的にケーキング現象を生じない固型粉末化粧料を提供する。
【解決手段】
次の成分(a)〜(d);(a)フッ素化合物処理粉体 0.1〜70質量%、(b)シリコーン油を30〜80質量%含有する油剤 0.1〜30質量%、(c)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物 0.025〜2.5質量%、(d)多孔質粉体 0.001〜20質量%を配合し、且つ、全粉体中の30〜80%が板状粉体であることを特徴とする固型粉末化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素化合物処理粉体、シリコーン油を含有する油剤、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、及び多孔質粉体を特定量配合する固型粉末化粧料に関し、更に詳しくは、塗布時は、さらりとした感触と肌への伸び広がりが良好であり、仕上がりは、しっとり感と密着感に優れ、ケーキング現象(表面をスポンジ等の小道具で擦っても、化粧料が移行してこなくなる現象)を生じない固型粉末化粧料に関するものである。
固型粉末化粧料は、粉体を主成分として構成されているため、粉っぽい仕上がりになり、肌への密着感を向上させ難い化粧料剤型であった。このため、固型粉末化粧料の肌への密着感を高めるために、種々の検討がなされてきた。具体的には、粘着性の高い油を配合する方法や、特定の界面活性剤を配合する方法(例えば、特許文献1参照)、シリコーン油と特定のパーフルオロポリエーテルを組み合わせる方法(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
特開平2−152917号公報(第1頁−第5頁) 特開平3−264511号公報(第1頁−第5頁)
しかしながら、粘着性の高い油剤を配合する方法では、しっとり感や、肌への密着感は高まるが、塗布時のさらりとした感触や伸び広がりが悪くなってしまう場合があった。また、特定の界面活性剤を配合する方法では、経時的に界面活性剤が空気中の水分を吸収し、水と粉体との混和により凝集が起こり、表面が固くなり、ケーキング現象を生ずる場合があった。また、シリコーン油と特定のパーフルオロポリエーテルを組み合わせる方法は、シリコーン油の撥水性とフッ素系油の撥水撥油性により、肌上に生じた汗や、皮脂に対して化粧崩れを容易に起こすという問題があった。
このため、適度なしっとり感があり、肌への密着感に優れながら、塗布時はさらりとした感触、肌への伸び広がりが良好で、ケーキング現象を生じない固型粉末化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、シリコーン油を特定量含有する油剤と部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を、フッ素化合物処理粉体と組み合わせて配合することにより、仕上がりは粉っぽさがなく、肌への密着感に優れ、塗布時にはさらりとした感触、肌への伸び広がりが良好な固型粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。また、特定の油剤を予め多孔質粉体と混合し、他の粉体と混合することにより、従来よりも油剤を多量に配合することができ、本発明の効果がさらに向上することを見出した。
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)フッ素化合物処理粉体 0.1〜70質量%
(b)シリコーン油を30〜80質量%含有する油剤 0.1〜30質量%
(c)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物 0.025〜2.5質量%
(d)多孔質粉体 0.001〜20質量%
を配合し、且つ、全粉体中の30〜80質量%が板状粉体であることを特徴とする固型粉末化粧料を提供するものである。
本発明の固型粉末化粧料は、仕上がりはしっとり感と、肌への密着感に優れ、塗布時はさらりとした感触、肌への伸び広がりが良好で、ケーキング現象を生じない等の使用性に優れたものである。
以下に本発明の構成について述べる。
本発明に用いられる成分(a)フッ素化合物処理粉体におけるフッ素化合物とは、粉体を被覆処理して撥水性及び撥油性を与えるものであれば特に限定されないが、特にパーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等が挙げられる。
パーフルオロアルキル基含有エステルとしては、下記一般式(1)
(RfC2mO)PO(OM)3−y (1)
(但し、式中Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、混合鎖長のものであってもよい。mは1〜12の整数を示し、yは1〜3の数を示す。Mは同一又は異なっても良く、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム等を示す。)
で表されるパーフルオロアルキル基含有リン酸エステル等が挙げられ、例えば、ジトリデカフルオロオクチルリン酸、ヘプタデカフルオロデシルリン酸、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、例えば、アサヒガードAG−530(旭硝子(株)社製)等が挙げられる。
パーフルオロアルキルシランとしては、下記一般式(2)
2a+1(CHSiX (2)
(但し、式中、aは1〜12の整数を示し、bは1〜5の整数を示し、Xは同一又は異なっても良く、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示す。ただし、すべてのXがアルキル基の場合を除く)
で表わされるパーフルオロアルキルシラン等が挙げられ、例えば、LS−160、LS−360、LS−912、LS−1080、LS−1090、LS−1465(以上、信越化学工業(株)社製)、XC95−418、XC95−466、XC95−467、XC95−468、XC95−469、XC95−470、XC95−471、XC95−472(以上、東芝シリコーン(株)社製)等が挙げられる。
パーフルオロポリエーテルとしては、下記一般式(3)
(CFCF(R)CFO)(CF(R)CFO)(CF(R)O) (3)
(式中、R、R、R、RおよびRは同一又は異なっても良く、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はオキシパーフルオロアルキル基を示し、p、q、及びrは分子量500〜100,000を与える0以上の整数を示す。ただし、p=q=r=0となることはない)
で表されるパーフルオロポリエーテル等が挙げられ、例えば、FOMBLIN
HC−04,同HC−25、同HC−R(以上、モンテフルオス社製)、デムナムS−20、同S−65、同S−100、同S−200(以上、ダイキン工業(株)社製))等が挙げられる。
パーフルオロアルキル基を有する重合体としては、例えばパーフルオロアルキル基を有するアクリレート又はメタアクリレートの単独重合体;パーフルオロアルキル基を有するアクリレート又はメタアクリレートとアクリル酸エステル、無水マレイン酸、クロロプレン、ブタジエン、メチルビニルケトン等の重合し得る化合物との共重合体;下記一般式(4)〜(6)
CFClCF(CF)(CFCONHCOOCH=CH (4)
H(CF10CHOCOCH=CH (5)
CFCl(CF10CHOCOC(CH)=CH (6)
で表されるパーフルオロアルキル基を有する化合物の重合体又は共重合体、又はこれらの化合物と塩化ビニル、酢酸ビニル、フッ化ビニル、エチレン、ハロゲン化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロール化ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、イソプレン、グリシジルアクリレートなどのポリフルオロアルキル基を有さない化合物の一種又は二種以上との共重合体などが挙げられる。
また、フッ素化合物処理される粉体としては、通常用いられるものであれば、形状も球状、板状、針状等特に限定されないが、例えば無機粉体としては、タルク、カオリン、マイカ、合成マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、一酸化チタン、チッ化硼素、酸化クロム、コンジョウ、群青、酸化鉄雲母、酸化鉄雲母チタン、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、有機粉体としては、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、シリコーン粉末、メチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、タール系色素及びそのレーキ色素等、又、これらの粉体を複合化したものが挙げられる。
これらの粉体をフッ素化合物処理する方法は、特に制限されないが、例えば、フッ素化合物をアセトン、トルエン等の有機溶媒に加熱溶解せしめ、その中に粉体を加え、攪拌後溶媒を留去して粉体上にフッ素化合物をコーティングし、場合によっては更に焼き付け処理をする方法や、フッ素化合物にアルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩を用いる場合は、粉体の一種又は二種以上の混合物に水を加えてスラリー化し、アルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩を水に加え攪拌して0.1〜5質量%(以下、単に「%」で示す)のエマルジョン状態としたものを、前記スラリーに徐々に注加・混合した後酸性とし、常温又は高温静置などによってエマルジョンを破壊して洗浄、濾過、乾燥すればよい。なお、フッ素化合物による処理量は、その種類によっても異なるが、撥水撥油性又は使用感において、フッ素化合物処理粉体の0.1〜50%、特に0.5〜20%が好ましい。
本発明の固型粉末化粧料における成分(a)の配合量は、0.1〜70%である。0.1%未満であると、本発明の効果である塗布時のさらりとした感触、肌へ伸び広がりが十分でなく、更に、ケーキング現象を起こし、また、70%を超えると、粉体の撥水撥油性と油剤の密着性とのバランスが崩れ、化粧料の肌への密着感の効果が十分でなくなり、肌上に生じた汗や、皮脂に対して化粧崩れを容易に起こすため、好ましくない。
本発明に用いられる成分(b)の油剤は、シリコーン油を30〜80%含有する油剤であり、本発明の固型粉末化粧料において、塗布時のさらりとした感触と、肌への密着感を共存させ、その効果を高める成分である。
このようなシリコーン油は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン、アルキル変性ポリシロキサン類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。また、シリコーン油は全油剤中の30%〜80%を占める範囲で含有されるが、好ましくは40%〜60%が望ましい。油剤中のシリコーン油が30%未満であると、本発明の効果である塗布時のさらりとした感触、肌への伸び広がりが十分でなく、更に、ケーキング現象を起こし、80%を超えると肌への密着感が十分でなくなるので、好ましくない。
また、本発明に用いられる油剤は、通常の化粧料に用いられる油剤であり、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
本発明の固型粉末化粧料における成分(b)の配合量は、0.1〜30%であり、好ましくは5〜15%である。成分(b)の配合量が0.1%未満であると、肌への密着感が悪く、30%を超えると、塗布時の肌への伸び広がりが悪くなり、ケーキング現象を生じる場合があり、好ましくない。
本発明に用いられる成分(c)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物とは、ベンゼンに不溶であるが、自重と同重量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物で、特公平8−6035号公報等に記載されているものが例示される。部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、RSiO単位及びRSiO1.5単位よりなり、RSiO0.5単位及び/又はSiO単位を含んでいても良い。但し、各構成単位のRは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等などのアリール基、およびビニル基等の脂肪族不飽和基などが例示され、同種又は異なった種類であっても良い。市販品としては、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物にシリコーン油を配合したものとして、例えば、KSG−15、KSG−16、KSG−17、KSG−18(いずれも信越化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの部分架橋型オルガノポリシロキサンは、必要に応じて一種または二種以上を用いる事ができる。
本発明の固型粉末化粧料における成分(c)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の配合量は、固型分換算で0.025〜2.5%であり、好ましくは0.1〜2.25%である。この範囲であれば使用性、使用感及び化粧持続性が良好なものが得られ、経時的安定性及び粉体と油剤の混合の均一性も良好である。成分(c)の配合量が0.025%未満であると、粉体に対する油の濡れ性が上がり、ケーキングを起こし、2.5%を超えると油の分散性が悪く、粉体への均一な濡れ性、密着感に問題がある。
また、成分(c)の配合方法としては、特に制限されないが、成分(b)のシリコーン油等と予め混合してから、その他の成分と混合することが好ましい。
本発明に用いられる成分(d)の多孔質粉体は、凝集性が無く、その吸油性により、充填性の向上、良好な感触を化粧料に与えるものであり、多孔質のものであればいずれのものも使用することができる。多孔質の範囲は、特に限定されないが、JIS K−5101により求めた、煮アマニ油の吸油量が、60〜100mL/100gが好ましい。また、レーザー回折式粒度分布測定等により得られる平均粒径は、1〜20μmが好ましく、更に5〜10μmが好ましい。多孔質粉体の材質としては、例えば無水珪酸、アルミナ、シリコーン樹脂、結晶セルロース、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、スチレン、ウレタン等、それらの複合体が挙げられるが、中でも製造時の粉体と油の濡れ性および使用性において、無水珪酸が好ましい。更に、さらりとした感触、肌への伸び広がりを良くするために、多孔質粉体の形状は球状であることが好ましい。
本発明の固型粉末化粧料における成分(d)の配合量は、0.001〜20%であり、好ましくは0.01〜15%である。成分(d)の配合量が0.001%未満であると、経時的に硬くなり、ケーキング現象を生じる場合があり、20%を超えると耐衝撃性に問題があり、好ましくない。
さらに、本発明の固型粉末化粧料において、全粉体中の30〜80%が板状粉体であり、40〜70%がより好ましい。板状粉体の割合がこの範囲であれば、ケーキング現象等が生じず、形成性と耐衝撃性に優れた固型粉末化粧料が得られる。本発明に用いられる板状粉体とは、平均粒径が1μm〜40μm、より好ましくは3μm〜35μm、アスペクト比が100以下であることが好ましい。この範囲のものを用いれば、肌への伸び広がりが良好で、ケーキングせず使用性に優れたものが得られる。また、この板状粉体は、フッ素化合物(成分(a))、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて、公知の方法により表面処理を施したものが好ましい。
本発明の固型粉末化粧料の製造方法は、特に限定されず、通常公知の方法で製造できるが、特に、成分(b)〜成分(d)を予め混合し、他の粉体と混合することが好ましい。これは、油剤のみかけの粘度を高めペースト状にすることにより、粉体の濡れ性を低下させ、油剤を高配合することを可能にするものである。この工程を用いれば、成分(d)以外の粉体の濡れ性を低下させることで、粉体特有の伸び広がりの良さを保ちつつ、油剤のしっとり感が得られ、肌への密着感に優れながらケーキング現象のない固型粉末化粧料が得られる。
本発明の固型粉末化粧料は、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、着色の目的での粉体成分や、水性成分、界面活性剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、保湿剤、pH調整剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明の固型粉末化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料等に用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明品1〜4及び比較品1〜5:ファンデーション
表1に示す組成のファンデーションを以下に示す製造方法により調製し、「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」、「肌への密着感」、「ケーキング現象のなさ」の其々の項目について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1に示した。
(製造方法)
A:成分16〜19を均一に混合する。
B:Aに14、15を均一に混合する。
C:成分1〜13をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
D:CにBを添加し、混合する。
E:Dを粉砕する。
F:Eを金皿に充填し、圧縮成型して、ファンデーションを得た。
〔評価方法1〕
化粧品評価専門パネル20名に、前記本発明品及び比較品のファンデーションを使用してもらい、「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」「肌への密着感」の其々の項目について、官能評価を行い、各自が以下の評価基準に従って5段階評価しファンデーション毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
[評価結果] :[評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
(判定基準)
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
〔評価方法2〕
前記本発明品及び比較品のファンデーションを、1サンプルにつき3個ずつ、50℃で一ヶ月保存し、その後室温に戻し、化粧用マットにて表面を200回擦った時のケーキング現象の有無を観察して、以下の基準に従って「ケーキング現象のなさ」を判定した。
(判定基準)
[ケーキング現象の有無] :[判定]
全くケーキング無し : ◎
プレス表面の一部にケーキングは有るが、使用に問題なし : ○
プレス表面の1/3以上にケーキングが有り、使用不可能 : ×
表1の結果から明らかなように、本発明1〜4のファンデーションは、「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」、「肌への密着感」、「ケーキング現象のなさ」の全ての項目に優れた固型粉末化粧料であった。フッ素化合物処理粉体を用いない比較品1のファンデーション、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を用いない比較品2のファンデーション、全油剤中のシリコーン油の割合が少ない比較品3のファンデーションは、しっとり感や肌への密着感は良いが、さらりとした感触、肌への伸び広がりや経時的なケーキングの点で問題があった。粉体中の板状粉体の割合が多い比較品4のファンデーションは、ケーキングは緩和したが、耐衝撃性が小さく、しっとり感や肌への密着感も満足できる水準にはなかった。多孔質粉体を用いない比較品5のファンデーションは、さらりとした感触、伸び広がりなどの感触が満足できる水準にはなく、ケーキングを起こした。
実施例2:ファンデーション
(成分) (%)
1.酸化チタン被覆マイカ 28
2.フッ素化合物5%処理セリサイト(注1) 11
3.フッ素化合物5%処理タルク(注1) 17.2
4.フッ素化合物5%酸化チタン(注1) 8.2
5.窒化ホウ素 4
6.黄酸化鉄 2.5
7.黒酸化鉄 0.1
8.ベンガラ 0.8
9.パラ安息香酸メチル 0.2
10.N−ラウロイル L−リジン 1
11.無水珪酸(注2) 8
12.ジメチルポリシロキサン 10
13.パラメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル 5
14.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物(注4) 4
(製造方法)
A:成分12〜14を均一に混合する。
B:成分1〜11をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cを粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型して、ファンデーションを得た。
実施例2のファンデーションは、「肌への伸び広がり」がよく、粉っぽさが無く、「しっとり感」、「肌への密着感」の項目に優れた固型粉末化粧料であった。
実施例3:頬紅
(成分) (%)
1.フッ素化合物3%処理マイカ(注1) 62
2.フッ素化合物3%処理チタン(注1) 8.4
3.無水珪酸(注2) 3
4.N−ラウロイル L−リジン 1
5.タルク 残量
6.フッ素化合物3%処理赤色酸化鉄(注1) 2
7.フッ素化合物3%処理黄色酸化鉄(注1) 2
8.フッ素化合物3%処理黒色酸化鉄(注1) 1
9.防腐剤 0.2
10.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物(注5) 1
11.ワセリン 2.5
12.ジメチルポリシロキサン 4
13.スクワラン 2
(注5)KSG−15(信越化学工業社製)(固型分5%)
(製造方法)
A:成分10〜13を加熱し、混合する。
B:成分1〜9をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cを粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型して、頬紅を得た。
本発明品である実施例3の頬紅は、「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」「肌への密着感」、「ケーキング現象のなさ」の全ての項目に優れた固型粉末化粧料であった。
実施例4:アイシャドウ
(成分) (%)
1.フッ素化合物処理マイカ(注1) 5
2.雲母チタン 35
3.雲母 残量
4.セリサイト 12
5.タルク 17
6.無水珪酸(注2) 3
7.黄酸化鉄 0.2
8.赤酸化鉄 0.2
9.黒酸化鉄 0.05
10.窒化ホウ素 3
11.防腐剤 0.2
12.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物(注4) 10
13.ジメチルポリシロキサン 2
(製造方法)
A:成分12、13を混合する。
B:成分1〜11をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cを粉砕する。
E:Dを容器に充填し、アイシャドウを得た。
本発明品である実施例6のアイシャドウは、塗布時の「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」「肌への密着感」、「ケーキング現象のなさ」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。
実施例5:おしろい
(成分) (%)
1.フッ素化合物処理タルク(注1) 60
2.雲母チタン 12
3.シリコーン処理マイカ(注6) 残量
4.軽質炭酸カルシウム 0.3
5.合成炭化水素ワックス 3
6.ポリメタクリル酸メチル(注7) 2
7.シリコーン処理黄色酸化鉄(注6) 0.3
8.シリコーン処理赤色酸化鉄(注6) 0.4
9.シリコーン処理黒色酸化鉄(注6) 0.05
10.防腐剤 0.2
11.流動パラフィン 3
12.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.5
13.メチルポリシロキサン 2
(注6)KF9901(信越化学工業社製)
(注7)マツモトマイクロスフェアーM(松本油脂製薬製)
(製造方法)
A:成分11〜13を加熱し、混合する。
B:成分1〜10をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で均一分散する。
C:BにAを添加し、混合する。
D:Cを粉砕する。
E:Dを金皿に充填し、圧縮成型して、おしろい得た。
本発明品である実施例7のおしろいは、塗布時の「さらりとした感触」、「肌への伸び広がり」、「しっとり感」「肌への密着感」、「ケーキング現象のなさ」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。

Claims (3)

  1. 次の成分(a)〜(d);
    (a)フッ素化合物処理粉体 0.1〜70質量%
    (b)シリコーン油を30〜80質量%含有する油剤 0.1〜30質量%
    (c)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物 0.025〜2.5質量%
    (d)多孔質粉体 0.001〜20質量%
    を配合し、且つ、全粉体中の30〜80質量%が板状粉体であることを特徴とする請求項1記載の固型粉末化粧料。
  2. 前記成分(d)の多孔質粉体が球状であることを特徴とする請求項1記載の固型粉末化粧料。
  3. 前記成分(b)〜(d)を予め混合し、成分(a)と混合することにより得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の固型粉末化粧料。
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