以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観図である。
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は本体101と本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102とを備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112は図示しないステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の絵柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
図5は各リール110乃至112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110乃至112には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図の左端に示した番号0乃至20は、各リール110〜112上の絵柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマには俵の絵柄、番号1のコマにはリプレイの絵柄、番号2のコマには鶴の絵柄、番号3のコマには7の絵柄、番号8のコマには簪の絵柄、番号9のコマには将軍の絵柄、番号16のコマには姫の絵柄、がそれぞれ配置されている。絵柄は、ある絵柄と他の絵柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、数字、英字、図形、イラスト、等が採用可能である。
各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
告知ランプ121は、例えば、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。スタートランプ122は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ123は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ124は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至133により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器126は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。以下、スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口142から排出するためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口142は、メダルを払出すための払出口である。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置Aが配設されている。
<演出装置Aの構成>
次に、演出装置Aの構成について説明する。図10は正面側から見た演出装置Aの分解斜視図、図11は背面側から見た演出装置Aの分解斜視図である。演出装置Aは、化粧パネル600と、化粧パネル600が正面に装着されるカバー部材601と、カバー部材601によって覆われる、スピーカユニット603、液晶表示パネル(以下、LCD)602及び駆動ユニット700と、を備える。
化粧パネル600及びカバー部材601はその正面に、LCD602の表示画面602aの大きさと略同じ大きさの開口部が設けられている。演出装置Aを正面から見た場合、この開口部を介してLCD602の表示画面602aの略全域が見える一方、表示画面602a以外のLCD602の周縁部分や駆動ユニット700は見えないように化粧パネル600及びカバー部材601に隠蔽される。すなわち、化粧パネル600及びカバー部材601は隠蔽部材としても機能する。
化粧パネル600及びカバー部材601aには、その左右上部にそれぞれ音孔600a、601aが形成されており、左右一対のスピーカユニット603は音孔601aの背後に配設されている。スピーカユニット603から出力される音は音孔600a、601aからスロットマシン100の正面へ伝播することになる。スピーカユニット603は駆動ユニット700とカバー部材601との隙間部分に配設されている。当該隙間部分をスピーカユニット603の配設空間として利用することにより、スロットマシン100におけるスピーカの配設レイアウト性を向上することができる。
LCD602はその外形がパネル状(直方体形状)をなすと共に、その正面に方形の表示画面602aが形成された電子画像の表示ユニットである。本実施形態では電子画像の表示ユニットとして液晶表示装置を用いるが、他の電子画像の表示装置も適用可能である。
<駆動ユニット>
次に駆動ユニット700について図10及び図11に加えて図12乃至図21も参照して説明する。図12はLCD602が装着された駆動ユニット700の正面図(モータカバー708は省略)である。図13は駆動ユニット700の背面図である。図14は駆動ユニット700の右側面図(モータカバー708は省略)である。図15はLCD602が装着された駆動ユニット700の斜視図である(モータカバー708は省略)。図16はLCD602、駆動ユニット700等の分解斜視図である。図17は移動部材704の斜視図である。図18は移動機構730の分解斜視図である。図19は背面側から見た演出部材701の斜視図である。図20は背面側から見た演出部材701の分解斜視図である。図21(a)及び(b)は演出部材701の説明図である。
<移動部材及び移動機構>
<上下の移動部材及び移動機構>
駆動ユニット700は、表示画面602aの周縁である上辺に沿う、左右方向の直線軌道(図15のO−Upper。以下、上軌道とも言う。)上を移動する移動部材703と、表示画面602aの周縁である下辺に沿う、左右方向の直線軌道(図15のO−Low。以下、下軌道とも言う。)上を移動する移動部材704と、を備える。上軌道と下軌道とは離間し、相互に平行である。移動部材703と移動部材704とには演出部材701が連結されている。
駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)の上部には移動部材703を移動させる移動機構710が支持板707aに支持されて設けられ、駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)の下部には移動部材704を移動させる移動機構720が支持板707bに支持されて設けられている。移動部材703及び704はそれぞれ移動機構710、720により独立して移動する。
移動機構710は、上軌道に沿って配設され、移動部材703の移動を案内する案内棒711を有する。本実施形態の場合、案内棒711が2本設けられ、左右方向に延びている。2本の案内棒711は奥行き方向並びに上下方向にずれて配設されている。案内棒711を2本設けることにより、移動部材703をより安定して案内することができ、特に、移動部材703が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材703を案内することができる。
移動機構710は、また、移動部材703が取り付けられる無端ベルト712を備える。無端ベルト712は複数のプーリ714により走行自在に支持されている。5つのプーリ714のうち、左右両端の2つのプーリ714と中央のプーリ714とに無端ベルト712は巻き回されており、残り2つのプーリ714により無端ベルト712の張力が調整されている。
中央のプーリ714には無端ベルト712を走行させる駆動手段であるモータ713の出力軸が取り付けられている。モータ713は本実施形態の場合、ステッピングモータである。モータ713は左右方向の中央部分に位置している。モータ713の正転・逆転により無端ベルト712が正方向・逆方向に走行することになり、移動部材703が左右方向に往復移動することになる。移動部材703の移動機構710として、本実施形態ではこのようにベルト伝動機構を採用している。無論、ベルト伝動機構以外の移動機構も採用可能であるが、ベルト伝動機構は移動部材703をより高速で移動することに適している。
左右両端の2つのプーリ714の近傍には、それぞれ、移動部材703を検知する検知手段であるセンサ715が配設されている。センサ715は発光部と受光部との間にスリットを設け、スリットを通過する物体を光の遮断の有無により検知する公知の光センサである。2つのセンサ715は、それぞれ、移動部材703の左右方向の移動範囲の最端位置近傍に設定されており、センサ715で移動部材703が検知されると、モータ713に対する駆動パルスのカウント値が較正されることになる。センサ715を設けることにより移動部材703の移動制御の精度を向上できる。
移動機構720は、本実施形態の場合、移動機構710と同じ構成であり、上下表裏を逆にして配設されたものである。移動機構720も、移動部材704の移動を案内する2本の案内棒721と、移動部材704が取り付けられる無端ベルト722と、無端ベルト722を走行自在に支持する複数のプーリ715と、無端ベルト722を走行させる駆動手段であるモータ723と、から構成される。移動機構710と720とで共通の駆動機構ユニットを採用することにより、コストの削減が図れる。また、左右両端の2つのプーリ724の近傍には、それぞれ、移動部材704を検知する検知手段であるセンサ725が配設されている点も移動機構710の構成と同様である。
次に、移動部材703及び704について説明する。移動部材703及び704は同じ構成の部材であり、図17は移動部材704の斜視図を示している。移動部材703及び704は、案内棒711、712が貫通する2つの孔をそれぞれ有すると共に、LCD602の正面側に突出して設けられ、演出部材701の端部が連結される連結部703a、704aを備える。演出部材701の各端部は連結部703a、704aに回動自在に軸支される。ベルト固定部703b、704bは無端ベルト712、722を固定するための部分であって、櫛歯が施されたスリットとして形成されている。無端ベルト712、722はベルト固定部703b、704bに挿入されて固定される。
被検知片703c、704cはセンサ715、725により検知される被検知部を構成している。被検知片703c、704cがセンサ715、725の発光部と受光部との間のスリットを通過することにより移動部材703、704が検知されることになる。延設部703d、704dはLCD602の上面、下面をそれぞれその厚さ方向に跨る部分である。
延設部703d、704dを有することにより、移動部材703、704はLCD602の上下の側部をその厚さ方向に跨って形成される。これにより、LCD602の背面側に移動機構710、720を配設しながら、LCD602の正面側に演出部材701を配設することが可能となる。LCD602の背面側に移動機構710、720を配設することにより、上下方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。移動部材703、704は案内棒711、712による片持ち支持となるが、案内棒711、712を2本設けることで上記の通り、移動部材703、704をより安定して案内できる。
<左右の移動部材及び移動機構>
次に、駆動ユニット700は、表示画面602aの周縁である左辺に沿う、上下方向の直線軌道(図15のO−Left。以下、左軌道とも言う。)上を移動する移動部材705と、表示画面602aの周縁である右辺に沿う、上下方向の直線軌道(図15のO−Right。以下、右軌道とも言う。)上を移動する移動部材706と、を備える。左軌道と右軌道とは離間し、相互に平行である。また、上軌道及び下軌道に対して、左軌道及び右軌道は直交している。移動部材705と移動部材706とには演出部材702が連結されている。
駆動ユニット700の左側面側(LCD602の左側面側)には移動部材705を移動させる移動機構730が支持板707cに支持されて設けられ、駆動ユニット700の右側面側(LCD602の右側面側)には移動部材706を移動させる移動機構740が支持板707dに支持されて設けられている。移動部材705及び706はそれぞれ移動機構730、740により独立して移動する。
移動機構730は、左軌道に沿って配設され、移動部材705の移動を案内する案内棒731を有する。本実施形態の場合、案内棒731が2本設けられ、上下方向に延びている。案内棒731を2本設けることにより、移動部材705をより安定して案内することができ、特に、移動部材705が移動方向に直交する方向に回動することを防止して、より安定して移動部材705を案内することができる。
移動機構730は、また、移動部材705が取り付けられる無端ベルト732を備える。無端ベルト732は複数のプーリ734により走行自在に支持されている。5つのプーリ734のうち、上下両端の2つのプーリ734と中央のプーリ734とに無端ベルト732は巻き回されており、残り2つのプーリ734により無端ベルト732の張力が調整されている。当該残り2つのプーリ734のうちの一方はブラケット734aを介して支持板707cに取り付けられている。ブラケット734aの支持板707cに対する取付位置は調整可能であり、この結果、ブラケット734aに支持されるプーリ734の取付位置が調整可能である。プーリ734の取付位置を調整することで無端ベルト732の張力が調整される。
中央のプーリ734には無端ベルト732を走行させる駆動手段であるモータ733の出力軸が取り付けられている。モータ733は本実施形態の場合、ステッピングモータである。モータ733は上下方向の中央部分に位置しており、駆動ユニット700の背面側(LCD602の背面側)に配設されている。モータ733を駆動ユニット700の背面側に配設することにより、左右方向のスペースをより広く確保し易くなり、その結果、表示画面602aがより大きなLCD602を採用することができる。モータ733の周囲にはモータカバー708が配設される。
モータ733の正転・逆転により無端ベルト732が正方向・逆方向に走行することになり、移動部材705が上下方向に往復移動することになる。移動部材705の移動機構730として、本実施形態では移動機構710、720と同様にベルト伝動機構を採用している。ベルト伝動機構以外の移動機構も採用可能であるが、ベルト伝動機構は移動部材705をより高速で移動することに適していることは上述した通りである。
上下両端の2つのプーリ734の近傍であって、支持板707cのプーリ734が配設された面と反対の面には、移動部材705を検知する検知手段であるセンサ735がそれぞれ配設されている。センサ735はセンサ715と同じく、発光部と受光部との間にスリットを設け、スリットを通過する物体を光の遮断の有無により検知する公知の光センサである。2つのセンサ735は、それぞれ、移動部材705の上下方向の移動範囲の最端位置近傍に設定されており、センサ735で移動部材705が検知されると、モータ733に対する駆動パルスのカウント値が較正されることになる。センサ735を設けることにより移動部材705の移動制御の精度を向上できる。
移動機構740は、本実施形態の場合、移動機構730と同じ構成であり、上下表裏を逆にして配設されたものである。移動機構740も、移動部材705の移動を案内する2本の案内棒741と、移動部材706が取り付けられる無端ベルト742と、無端ベルト742を走行自在に支持する複数のプーリ745及びそのうちの一つを支持するブラケット745aと、無端ベルト742を走行させる駆動手段であるモータ743と、から構成される。移動機構730と740とで共通の駆動機構ユニットを採用することにより、コストの削減が図れる。また、上下両端の2つのプーリ744の近傍には、それぞれ、移動部材706を検知する検知手段であるセンサ745が配設されている点も移動機構730の構成と同様である。
次に、移動部材705及び706について説明する。移動部材705及び706は同じ構成の部材であり、LCD602の正面側に突出して設けられ、演出部材702の端部が連結される連結部705a、706aを備える。演出部材702の各端部は連結部705a、705aに回動自在に軸支される。ベルト固定部705b、706bは無端ベルト732、742を固定するための部分であって、櫛歯が施されたスリットとして形成されている。無端ベルト732、742はベルト固定部705b、706bに挿入されて固定される。
被検知片705c、706cはセンサ735、735により検知される被検知部を構成している。被検知片705c、706cは、支持板707c、707dに設けられた上下方向に延びるスリット707c’、707d’を通過して、支持板707c、707dの内側に突出している。被検知片705c、706cがセンサ735、745の発光部と受光部との間のスリットを通過することにより移動部材705、706が検知されることになる。
<演出部材>
次に演出部材701及び702の構成について説明する。演出部材701及び702は同様の構成であり、ここでは演出部材701について説明し、演出部材702の説明は割愛する。本実施形態の演出部材701は移動部材703と移動部材704との間の距離に応じて形態が変化するように構成されている。詳細には、本実施形態の演出部材701は棒状をなしており、その長手方向に伸縮可能な構成となっている。演出部材701はその両端部がそれぞれ移動部材703、704に連結されており、移動部材703、704は独立して移動する。
移動部材703、704が独立して移動すると、移動部材703と移動部材704との間の距離(つまり、連結部703a、704a間の距離)が変化することになるが、演出部材701が伸縮することで当該距離の変化に対応することができる。つまり、移動部材703と移動部材704との間の距離の変化を利用して演出部材701の形態(長手方向の長さ)が変化する。演出部材701の形態が変化することで、遊技者を驚かせる、変化に富んだ多彩な演出が可能となる。また、演出部材701は移動部材703、704を移動することで、単に平行移動するだけでなく、傾けたり、或いは、揺動させたりすることができ、多彩な演出が可能となる。
図19及び図20に示すように演出部材701は、演出部材701の端部を構成する2つの端部部材701aと、演出部材701の中間部分を構成し、端部部材701aとは別部材の接続部材701bと、を有する(演出部材702も図15に示すように端部部材702aと接続部材702bとから構成される。)。端部部材701aは、移動部材703、704の連結部703a、704aに連結される部分であって、連結部703a、704aに連結される連結部として孔を有している。
接続部材701bはレール状に構成されている。各端部部材701aは接続部材701bの端部から接続部材701bへ挿入されて接続され、2つの端部部材701a間を結ぶ直線方向(連結部703a、704aに連結される孔間を結ぶ直線方向)にスライド可能となっている。接続部材701bに対する端部部材701aのスライドによって、接続部材701bの端部から端部部材701aが突出する突出量が変化することにより、演出部材701が長手方向に伸縮することになる。
本実施形態では演出部材701が伸縮するので遊技者を驚かせる演出が可能となる。更に、演出部材701の姿勢によって、演出部材701の端部が連結部703a、704aの外方へはみ出したりすることがなく、省スペース化が図れる。
長手方向に伸縮自在な演出部材としては、上記のように機構的に伸縮を実現する演出部材701の他、伸縮自在な材料から演出部材を構成することも挙げられる。例えば、演出部材の一部又は全部をゴム等の棒状・帯状の弾性体から構成することも挙げられる。しかし、演出部材701の伸縮は部材の弾性変形を伴わないので演出部材701の伸縮によりこれが張力を発生することもない、という点で利点がある。つまり、ゴム等は伸縮により張力が発生・変化し、移動部材703、704及び移動機構710、720へその張力による荷重が作用し、移動部材703、704の円滑な移動を妨げる場合があるが本実施形態の演出部材701ではこのようなことがない。
また、移動部材間の距離に応じて形態が変化する演出部材としては、上記のように長手方向の長さが変化するものの他、様々な構成のものを採用することができる。図48(a)及び(b)は演出部材の他の例を示す図である。同図の演出部材801及び802は長手方向の長さは変化しないが、湾曲するものである。演出部材801は、移動部材703、704に連結された一対の端部部材801aと、端部部材801a間に接続されたワイヤ801bとから構成されている。演出部材802も同様に、移動部材705、706に連結された一対の端部部材802aと、端部部材802a間に接続されたワイヤ802bとから構成されている。
移動部材703と移動部材704とが最も離れた状態においては図48(b)に示すように演出部材801は略棒状になっている。同様に、移動部材705と移動部材706とが最も離れた状態においては図48(b)に示すように演出部材802は略棒状になっている。一方、移動部材703と移動部材704とが最も近づいた状態においては図48(a)に示すようにワイヤ801bが湾曲して演出部材801の形態が変化している。同様に、移動部材705と移動部材706とが最も近づいた状態においては図48(a)に示すようにワイヤ802bが湾曲して演出部材802の形態が変化している。
ワイヤ801b、802bのような可撓性部材を用いることで、演出部材801、802は移動部材703と移動部材704との距離、移動部材705と移動部材706との距離、の変化に応じてくねくねと形態が変化し、多彩な演出が可能となる。
次に、本実施形態では、演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能としているが、演出部材701の両端部のうちのいずれか一方を接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成してもよい(この場合、接続部材701bの一方の端部に連結部703a又は704aに連結される孔を形成することになる。)。しかし、本実施形態のように演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能とすることで、演出部材701の伸縮量をより大きくとることができる。
本実施形態のように、演出部材701の両端部をそれぞれ、接続部材701bと別部材の端部部材701aで構成し、これらが接続部材701bに対してスライド可能とした場合、演出部材701の伸縮に際して、接続部材701bに対する各端部部材701aのスライド量が等量となることが望ましい。このため、本実施形態では図19及び図20に示すようにラック・ピニオン機構により各端部部材701aのスライド量が等量となるように構成している。
詳細には、各端部部材701aは接続部材701bに挿入されるラック部701a’を有し、また、接続部材701bにはラック部701a’が噛合する、2つのピニオン701cが回転自在に配設されている。2つのピニオン701cは2つの端部部材701a間を結ぶ直線方向に離間して配設されている。なお、ピニオン701cは一つでもよい。各ラック部701a’はピニオン701cを挟むように配設されると共に、ピニオン701cに常時噛合している。このため、一方の端部部材701aがスライドするとラック部701a’を介してピニオン701cが回転し、他方の端部部材701aもスライドするので、各端部部材701aのスライド量が等量となる。また、ラック部701a’は接続部材701bの内面とピニオン701cとにより挟持状態で接続部材701内において支持されるため、上述したスライド移動の移動量を問わず、安定したスライド移動が可能である。
次に、本実施形態のように接続部材701bに対して、これとは別部材の端部部材701aをスライド可能に設けた場合、接続部材701bの端部と端部部材701aとの境界部分に段差が生じてしまう。このため、演出部材701が複数の部材からなる構成であることを遊技者に認識させてしまう畏れがある。演出部材701はこれがあたかも1本の部材であるかのように見せかける方が、その伸縮により遊技者に対してより強いインパクトを与えることができる。
そこで、接続部材701b及び各端部部材701aの正面側の表面に装飾用のカバー部材を設けることが望ましい。装飾用のカバー部材を設けることにより、演出部材701をあたかも1本の部材であるかのように見せかけることができる。装飾用のカバー部材は、その色、模様等の装飾内容を共通にすることが望ましい。図21(a)及び(b)は装飾用のカバー部材701dを設けた例を示している。
カバー部材701dは例えば銀色等に着色された薄いシールであり、端部部材701a及び接続部材701bの表面に貼着されている。図21(b)に示すように演出部材701が伸縮しても、その表面のカバー部材701dの存在により接続部材701bの端部と端部部材701aとの境界部分が目立たなくなり、演出部材701をあたかも1本の部材であるかのように見せかけることができる。
次に、演出部材701や702を発光させるようにしてもよい。例えば、演出部材701、702にLED等の発光体を設けることができる。また、外部からの光を蓄光する蓄光材や、光を反射する反射材或いは拡散する拡散材等を設けると共に、演出部材701、702を照明する照明装置を設けて演出部材を発光させることで、更に多彩な演出が実現できる。
図49乃至図51は演出部材を発光させる例を示す説明図である。本例では演出部材701をその位置により発光させたり、しない例について説明する。図49(a)は駆動ユニット700の正面図であり、演出部材701の上方側において左右方向に渡ってLEDユニット750aが等ピッチで複数(ここでは8つ)配設されている。各LEDユニット750aはいずれも3つのLEDから構成されており、各LEDの発光方向は斜め下向きになっている。
また、演出部材701の下方側において左右方向に渡ってLEDユニット750bが等ピッチで複数(ここでは8つ)配設されている。各LEDユニット750bはLEDユニット750aと同じであり、いずれも3つのLEDから構成されており、各LEDの発光方向は斜め上向きになっている。
各LEDユニット750aの下方には、各LEDユニット750aに対応して電極751aが設けられている。同様に、各LEDユニット750bの上方には、各LEDユニット750bに対応して電極751bが設けられている。
図50は本例における演出部材701の分解斜視図である。本例の場合、演出部材701は導光板として機能するよう、透明のアクリル材等で形成される。
演出部材701には、電極752a及び導電パターン752bが付加されている。各電極752aは各端部部材701aにそれぞれ設けられており、電極751a又は751bと接触可能なように突出している。
導電パターン752bは、各端部部材701aにあっては、電極752aから端部部材701aの端部まで延び、また、接続部材701bにあっては、レールの内面において各端部部材701aの導電パターン752bと常時接触可能な部位に形成されている。しかして、各端部部材701aが接続部材701bに対してスライドする際、任意の位置において各端部部材701aの導電パターン752bと接続部材701bの導電パターン752bとが接触して導電状態となり、2つの電極752a間が常時電気的に接続された状態となる。
図51はLEDユニット750a及び750bを発光させる回路構成を示している。各LEDユニット750aの全てのLEDは抵抗器を介して電源に並列に接続されており、また、各LEDユニット750aは、対応する電極751aにそれぞれ接続されている。一方、各LEDユニット750bの全てのLEDはGNDに並列に接地されており、また、各LEDユニット750bは、対応する電極751bにそれぞれ接続されている。
しかして、いずれかの電極751aといずれかの電極751bとが電気的に接続されると、その電極751a及び751bに接続されているLEDユニット750a、750bが発光することになる。電極751aと電極751bとの電気的な接続は演出部材701により切り換えられる。つまり、演出部材701の電極752a及び導電パターン752bにより、電極751aといずれかの電極751bとが電気的に接続されると、その電極751a及び751bに接続されているLEDユニット750a、750bが発光することになる。
例えば、図49(b)に示す位置に演出部材701が位置している場合、演出部材701の上方の電極752aが左から5番目の電極751aに接触し、また、演出部材701の下方の電極752aが左から3番目の電極751bに接触する。この結果、電気的な接続状態は図51に示す状態となり、左から5番目のLEDユニット750aと左から3番目のLEDユニット750bが発光する。
発光した光は演出部材701の上端、下端からそれぞれ演出部材701へ入射し、一部は外部へ出光して一部は内部を伝播する。これにより演出部材701全体を発光させることができる。
このように本例では、演出部材701の位置により演出部材701を発光させたり、発光させなかったりすることができる。本例の場合、演出部材701の位置によるその発光は、電極751a、751b並びに752aの機械的な接触の有無により制御したが、演出部材701の上端部、下端部の位置を検出するセンサを設けて、LEDユニット750a、750bの発光を制御することも可能である。
<演出部材の動作例>
本実施形態において移動部材703乃至706の各連結部703a乃至706aはLCD602の正面側に突出して設けられているため、これらに連結される演出部材701、702はLCD602の表示画面602a上に位置可能なように配設される。演出部材701は表示画面602aを上下方向に横断するように、また、演出部材702は表示画面602aを左右方向に横断するように、位置可能である。無論、表示画面上602a上に位置しない場合もある。
本実施形態では、演出部材701、702の機械的な動作と、LCD602により表示される電子画像との連携により、多彩な演出が可能である。無論、LCD602を設けずに演出部材701、702の機械的な動作のみの演出も可能である。ここでは演出部材701、702の動作例について図22を参照して説明する。図22(a)乃至(h)は演出装置Aを正面視した図を示している。本実施形態の場合、演出部材701、702はいずれも鉛直平面上を移動する構成である。また、演出部材701、702は演出装置Aの奥行き方向にずれて互いに干渉しないように配設されており(演出部材701が正面側。図14等参照。)、互いに重なり合う位置に位置することも可能である。
図22(a)乃至(e)は演出部材701の動作例を示している。図22(a)は演出部材701がその長手方向が鉛直方向を向いた状態で平行移動する例を示している。演出部材701は当初破線で示す位置に位置している。破線で示す位置では、演出部材701は化粧パネル600及びカバー部材601に隠されて、遊技者から隠蔽された隠蔽位置にある。隠蔽位置は同図に示すように左端の他、右端にもある。なお、演出部材702の場合は隠蔽位置は上端、下端の2箇所である。移動機構710及び720を作動させて移動部材703及び704を同方向に等速で移動させると、実線で示す位置へ演出部材701が平行移動する。実線で示す位置は演出部材701が遊技者に露出された露出位置であり、かつ、LCD602の表示画面602a上の位置である。演出部材701が隠蔽位置から露出位置へ移動することで、演出部材701が突如として遊技者の目の前に出現することになり、遊技者を驚かせることができる。
図22(b)は演出部材701がその長手方向と鉛直方向とがなす角度が変化するように移動する例を示している。移動機構710及び720を作動させて移動部材703及び704を同方向に異なる速度で移動させると、破線で示す隠蔽位置から実線で示す露出位置へ演出部材701が傾倒しながら移動する。傾倒にともない、演出部材701は伸長する。
図22(c)は演出部材701を揺動させる例を示している。移動機構710を作動させて移動部材703は往復移動させる一方、移動部材704は移動させないことにより、同図に示すように演出部材701の上端が左右に振れる態様で演出部材701を揺動させることができる。
図22(d)も演出部材701を揺動させる例を示している。この例では移動機構710及び720を作動させて移動部材703及び704を相対的に反対方向に複数回連続して往復移動させている。これにより演出部材701の上端と下端とが反対方向に左右に振れる態様で演出部材701を揺動させることができる。
図22(e)も演出部材701を揺動させる例を示している。この例も移動機構710及び720を作動させて移動部材703及び704を相対的に反対方向に複数回連続して往復移動させているが、移動部材703と704の往復移動のストロークが異なるものである。
図22(f)乃至(h)は演出部材701及び702の双方を用いた動作例である。図22(f)は演出部材701、702をそれぞれ平行移動する例を示しており、演出部材701は隠蔽位置から同図の右方向に、演出部材702は隠蔽位置から同図の上方向に、平行移動している。図22(g)は演出部材701を揺動させながら、演出部材702を平行移動した例を示している。図22(h)は演出部材701及び702の双方を揺動させた例を示している。
このように本実施形態では演出部材701、702が伸縮することで演出部材701、702の動作の態様が多彩なものとなる。本実施形態では演出部材を2つ設けたが1つでもよい。また、3以上設けることもできる。3以上設ける場合、例えば、演出部材701のように上下に延びるものを複数本、或いは、演出部材702のように左右に延びるものを複数本、設けることが挙げられる。いずれの場合においても各演出部材は独立して動作できるよう、移動部材、移動機構をそれぞれ設けることが望ましい。
また、本実施形態ではLCD602の画像表示との連係の兼ね合いから、例えば、演出部材701を移動させる移動部材703及び704の移動軌道を互いに平行としているが、演出部材は伸縮するので平行でない移動軌道上や直線でない移動軌道上を移動する移動部材間に演出部材を連結する構成も採用可能である。
次に、各移動部材703乃至706の移動制御、つまり、ステッピングモータ713、723、733及び743の制御例について図52乃至図54を参照して説明する。図52は演出部材701及び702を平行移動して停止する例、図53は演出部材701及び702を傾倒させて停止する例、図54は演出部材701及び702を連続的に揺動させる例を示している。
各図において、「制御データ」はステッピングモータ713、723、733及び743の制御内容を示している。「回転方向」はステッピングモータ713、723、733及び743の回転方向を示し、各移動部材703乃至706の移動方向を規定する。「ステップ数」は駆動パルス数であり、各移動部材703乃至706の移動距離を規定する。「速度タイプ」は駆動パルスの周期の予め定めたパターンを示しており、各移動部材703乃至706の加減速パターン、最高速等を規定することになる。
図52の平行移動の場合、移動部材703(ステッピングモータ713)と移動部材704(ステッピングモータ723)とで、ステップ数、速度タイプが共通であり、また、移動部材705(ステッピングモータ733)と移動部材706(ステッピングモータ743)とで、ステップ数、速度タイプが共通である。図53の傾倒の場合、図52の場合と比べると、回転方向が切り換えられていることが分かる。また、図54の連続揺動の例では、ステッピングモータの正転・逆転が繰り返されている。
<制御部>
次に、図2乃至図4を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100制御部は、大別すると遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300から送信されるコマンドに応じて各種デバイスを制御する副制御部400と、副制御部400から送信されるコマンドに応じて演出装置Aを制御する演出装置制御部500と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図3を参照してスロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やリールを回転駆動するモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。RAM313は、遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段としても機能する。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400、演出装置制御部500においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、メダル払出センサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口141に通じる通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323は、ベットボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、これらに対する遊技者の操作を検出する。精算スイッチ324は、精算ボタン134に対する操作を検出し、精算ボタン134が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払出センサ326はメダル払い出し口142から払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを回転駆動するステッピングモータ等を駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口142から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ121、スタートランプ122、再遊技ランプ123、リールパネルランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部>
次に、図3を参照してスロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。タイマ回路415は複数設けることができる。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや演出パターンの選択用のデータ、各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。スピーカ483には音孔143の背後に設けられたスピーカや、演出装置Aのスピーカユニット603のスピーカが含まれる。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ424(サイドランプ144等)、メダル払出口142を内側から閃光にて照明する払出口ストロボ425を制御する。なお、CPU410は、演出装置制御部500へのコマンド送信はデマルチプレクサ419を介して実施する。
<演出装置制御部>
次に、図4を参照してスロットマシン100の演出装置制御部500について説明する。演出装置制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。CPU510は、副制御部400の出力インターフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたコマンドを入力インターフェース520およびバスを介して受信し、演出装置制御部500全体を制御する。
ROM512には、演出装置制御部500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。また、CPU510には、バスを介して、CPU530、演出装置Aの各モータ713、723、733、743を独立して駆動するモータドライバ540、演出装置Aのセンサ715、725、735、745の検知結果が入力される入力インターフェース541が接続されている。更に、CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
ROM531にはCPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532はCPU530で処理されるプログラムのワークエリアを提供する。VDP534には、水晶発振器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、LCD602の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からのコマンドに基づいてROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、LCD602の表示画面602aに画像を表示する。
<入賞役の種類>
入賞役の種類は任意に採用することができる。図6はその一例を示しており、本実施形態における入賞役の種類、対応する絵柄組合せ、入賞時の配当(メダルの払出数)と、内部抽選の当選確率とを示した図である。
(1)ビッグボーナス(BB)
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つが(RAM313の所定のエリア内に記憶される)、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され(フラグ持ち越し)、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
(2)レギュラーボーナス(RB)
入賞により、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではRBについても上述したフラグ持越しを行う。BB又はRBのいずれかのフラグ持ち越しが行なわれている状態をボーナス内部当選中という。
(3)シフトレギュラーボーナス(SRB)
BBゲーム中(より詳細にはBB一般遊技中)にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりRBゲームと内容が同じシフトレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。
(4)小役
入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。本実施形態では3種類(俵、鶴、簪)用意されている。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。
(5)再遊技
入賞により、次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である。
(6)役物
RBゲーム及びSRBゲームの各遊技(役物遊技)において入賞する入賞役であり、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
各入賞役には、設定値毎に内部当選確率が設定されている。設定値は例えば6段階ある。図6ではある設定値Nの場合の各入賞役の内部当選確率が例示されている。なお、同図では内部当選確率を示しているが、実際の内部抽選時の処理としては以下のようになる。すなわち、入賞役内部抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
なお、スロットマシンの分野では、ボーナスゲームに移行するビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)や、新たにメダルを投入することなく次のゲームが可能となる再遊技(リプレイ)は、入賞役と区別されて「作動絵柄」と呼ばれる場合があるが、本書における「入賞役」にはビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技のいずれも含まれ、また、「入賞」にはこれらに入賞することが含まれる。
<遊技状態>
本実施形態では、大別すると、遊技状態として通常遊技、BBゲーム、RBゲーム及びSRBゲームがある。
・BBゲーム:
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームを、SRBゲーム中の場合とそうでない場合とを区別するため、後者をBB一般遊技と称する。BBゲームの終了条件は、例えば、予め定められた獲得枚数に達した場合(例えば235枚の払い出し)とすることができる。また、他の終了条件として、例えば、SRBの入賞回数が所定数に達した場合(例えば3回)か、BB一般遊技のゲーム回数が所定数に達した場合(例えば30回)とすることもできる。
・RBゲーム、SRBゲーム
RBゲーム及びSRBゲームの内容は複数種類考えられるが、予め定めた回数(例えば12回)の役物遊技を消化するか、あるいは、役物が予め定めた回数(例えば8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することにより終了するものとすることができる。
遊技状態にはこの他にも例えば、いわゆるAT(アシストタイム)、CT(チャレンジタイム)、RT(リプレイタイム。リプ連とも呼ばれる。)等が挙げられる。ATとは、例えば、リール停止制御上、ストップボタン137乃至139の押し順を要求するものであり、AT期間内では当該押し順を報知するものである。また、CTとは、例えば、CT期間内では、所定の場合に少なくともいずれかのリール110乃至112を原則として遊技者がストップボタン137乃至139を操作したところで停止し、滑りコマ制御を行わないものである。RTとはリプ連期間内では他の場合よりも再遊技に高確率で内部当選し、リプ連期間におけるゲームでのメダルの消費が抑えられ、遊技者に有利に働くものである。
<遊技の基本的制御>
図7は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御はCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この処理について説明する。なお、特に説明しないが主制御部300はスロットマシン100に対する遊技者の操作や、各処理の処理結果を示すコマンドを随時副制御部400へ送信する。副制御部400はスロットマシン100のステータス情報としてこれをRAM513に格納しておき、スロットマシン100の状態を常時把握することができる。
電源が投入されるとS101で初期化処理が行なわれる。S102ではメダル投入・スタート操作受付処理を行なう。ここでは、主としてメダルのベットに関する処理と、スタートレバー135に対する遊技の開始操作の検知に関する処理等を行う。S103では入賞ライン確定処理を行なう。ここではS102の遊技開始処理の結果に応じてその遊技で有効となる入賞ラインを確定し、対応する入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。
S104では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。S105ではS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選及び内部当選状態設定処理1を行う。入賞役の内部抽選は遊技者に有利となる権利の抽選の一種である。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグをONとし、その入賞役の内部当選状態が設定される。
S106では、リール停止制御テーブル選択処理を行なう。ここでリール110乃至112の停止制御の例について簡単に説明する。本実施形態においては滑りコマ制御等と称される公知のリール停止制御を採用する。このリール停止制御は、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「俵」に内部当選していない場合、「俵」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずに俵の絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「俵」に内部当選している場合には、俵の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずに俵の絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データテーブルの中から内部抽選結果等に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データテーブルに示された停止位置データに従って行なわれる。S106ではこのリール停止制御テーブルの選択を行なう。
S107では全リール110乃至112の回転を開始させるリール回転処理を行なう。S108ではリール停止制御処理を行なう。ここでは、S106で選択したリール停止制御テーブルに従い、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139に対応するいずれかのリールを制御して停止させる。全リール110乃至112が停止するとS109へ進む。
S109では入賞判定処理及び内部当選状態設定処理2を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又は内部当選中のボーナスの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「俵−俵−俵」が揃っていたならば俵(小役)入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグをリセットし、その入賞役の内部当選状態を解除する。S105の内部抽選でBB及びRBに当選しながら入賞しなかった場合はボーナスの内部当選状態が維持される(フラグがリセットされない)。
S110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す払出処理を行なう。S111では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、S102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部400の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。副制御部400のCPU410は主制御部300からのコマンドに従って以下の処理を実行する。図8(b)は副制御部400のメイン処理を示すフローチャート、図8(a)は副制御部400の割り込み処理を示すフローチャートである。まず、所定周期で行なわれる割り込み処理から説明する。
S201では主制御部300からコマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信した場合、S202へ進み、受信していない場合は一単位の処理を終了する。S202ではRAM413上の所定の記憶エリアに受信したコマンドを格納する。主制御部300からのコマンドは当該記憶エリアに順次格納されることになる。以上により一単位の処理が終了する。
次にメイン処理について説明する。S211ではRAM413上の上記記憶エリアに主制御部300からのコマンドが格納されているか否かを判定する。コマンドが格納されている場合は最も古いコマンドを取得してS212へ進み、コマンドが格納されていない場合はS211へ戻る。
S212では取得したコマンドが演出パターン設定対象コマンドか否かを判定する。該当する場合はS213へ進み、該当しない場合はS217へ進む。演出パターンとはスロットマシン100において実行される予め定めた演出の種類であり、複数種類用意されている。詳細は後述する。演出パターン設定対象コマンドとは演出パターンを選択する契機となるコマンドであり、例えば、入賞役の内部抽選結果を示すコマンドである。
S213では演出パターンの選択・設定を行う。詳細は後述する。S214ではS213で演出パターンが設定された結果、副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、演出装置Aに演出を実行させるための演出制御部500へのコマンド送信が必要か否かを判定する。該当する場合はS215へ進み、該当しない場合はS216へ進む。S215では、副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、或いは、演出装置制御部500へのコマンド送信を行う。S216では他の処理を行ないS211へ戻る。他の処理には副制御部400が管理する各種情報の更新等が含まれる。
S217ではS211で取得したコマンドが演出更新対象コマンドか否かを判定する該当する場合はS218へ進み、該当しない場合はS216へ進む。演出更新対象コマンドとは、ある演出パターンが設定されている場合に、その演出パターンで規定されている演出内容を進行していく契機となるコマンドであり、例えば、スロットマシン100に対する遊技者の各種の操作があったことを示すコマンドである。S218では副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、或いは、演出装置制御部500へのコマンド送信を行いS216へ進む。
<演出の概略>
次に、スロットマシン100で実行される演出について説明する。ここでは主として演出装置Aによる演出について説明する。スロットマシン100で実行される演出の内容は複数種類用意されており、それらをそれぞれ演出パターンと称する。副制御部400は演出パターン設定対象コマンドを受信すると、複数種類の演出パターンの中から予め定めた方法によりいずれかを選択し、その演出パターンで定義されている演出内容を実行する。
<演出パターン>
各演出パターンには、演出デバイスの制御内容が定義される。例えば、演出装置Aについて言うと、演出部材701及び702の動作制御(移動部材703乃至706の移動制御)、LCD602で表示される画像の表示制御、スピーカユニット603から出力される音の制御、等の内容である。
演出デバイスの制御内容を示すデータは、その演出デバイスを管理する制御部が有する。例えば、演出部材701及び702の動作制御(移動部材703乃至706の移動制御)、LCD602で表示される画像の表示制御の制御データは演出装置制御部500が有する。
副制御部400は制御内容毎に割り当てられた識別子を保持し、設定した演出パターンの定義に従ってその識別子をコマンドとして演出装置制御部500へ送信する。コマンドを受信した演出装置制御部500はコマンドで示された識別子に対応する制御データを各演出デバイスにセットすることで演出が実行される。副制御部400から演出装置制御部500へコマンドが送信される契機は新たに演出パターンを設定して(S213)、直ちに演出装置Aによる演出が実行される場合(S215)や、ある演出パターンが設定されており、その演出パターンで定義された条件に従って演出内容を進行する場合(S217、S218)である。
演出は、例えば、1ゲームの中で開始されて終了するもの、複数回のゲームに渡って実行されるもの、が挙げられる。また、スロットマシン100に対する遊技者の操作や主制御部300の制御状態に従って進行していくもの、も挙げられる。演出を実行する時期としては、演出パターン設定対象コマンドを受信した時に実行されているゲーム中のある時期、当該ゲームの次のゲーム或いは数ゲーム経過した後のゲーム中のある時期、が挙げられる。このような演出の条件は、各演出パターンに定義しておくことができる。また、このような演出の条件の一部は、S213で演出パターンを設定する際に設定することもできる。
図23(a)乃至(e)は演出装置Aにおいて、遊技者の操作に従って演出内容が進行していく例を示している。この例は選択された演出パターンが次のゲームで実行される場合を想定しており、MAXベットボタン132の操作(図23(a))、スタートレバー135の操作(図23(b))、各ストップボタン137乃至139の操作(図23(c)乃至(e))を示すコマンドが、S217の演出更新対象コマンドに相当する。
図23(a)の段階では、演出部材701が隠蔽位置から平行移動して遊技者の目の前に現れている。図23(b)の段階では演出部材701が揺動している。図23(c)及び(d)の段階では演出部材701の揺動の振幅が段階的に大きくなっている。このような演出により、遊技者は例えばボーナスに内部当選中であるのではないかと期待感を含まらせる。図23(e)の段階では演出部材701が隠蔽位置に戻っている。このような演出により、例えば、ボーナスに内部当選中でないことを遊技者に報知することができる。遊技者は演出部材701の揺動による演出がガセの演出であったと認識する。
<演出パターンの選択・設定>
図9(a)及び(b)は演出パターンの選択方法の例を示す説明図であり、遊技状態(通常遊技、BBゲーム、RB/SRBゲーム)に応じて演出パターンが選択される例を示している。図9(a)は通常遊技時の選択方法を示しており、この例では入賞役の内部抽選結果に応じて演出パターンが選択される。従って、入賞役の内部抽選結果を示すコマンドが、S212の演出パターン設定対象コマンドとなる。
なお、ある演出パターンが設定されているときに、演出パターン設定対象コマンドを副制御部400が受信した時は設定中の演出パターンを優先して演出パターンの新たな設定を行わないようにしてもよく、逆に、新たな設定をするようにしてもよい。そのような条件も各演出パターンに定義しておくことができる。
通常遊技時の演出パターンとして、図9(a)の例では演出パターンa1乃至anまでのn種類の演出パターンが用意されている。演出パターンの選択は、まず、そのゲームがボーナス内部当選中のゲームか否かと、そのゲームでの入賞役の内部抽選の結果と、に応じて定められる。つまり、内部当選状態の設定に応じて定められる。更に、各演出パターン毎の選択確率に応じて抽選により定められる。図9(a)の例では、例えば、ボーナス内部当選中ではない(同図の×)ゲームにおいて、入賞役の内部抽選結果がハズレの場合、演出パターンa1が選択される確率は2%である。
選択確率が0の演出パターンは選択されないことになる。例えば、ボーナス内部当選中ではないゲームにおいて、入賞役の内部抽選結果がBB当選の場合、演出パターンa1が選択される場合はない。選択確率の設定の仕方により、演出は内部当選状態の報知機能を有することになる。
演出による報知機能の例として、例えば、BB又はRBのような予め定めた入賞役について内部当選状態が設定されている場合には内部当選状態が設定されていない場合よりも、特定の演出パターンを高い確率で選択することが挙げられる。特定の演出パターンの高頻度の選択により同じ内容の演出が高頻度でなされ、遊技者はBBやRBの内部当選状態にあることを察知できる。確率の差は数倍以上若しくは10倍以上とすることが望ましい。
選択確率をこのように変える方法としては、特定の内部抽選結果に対応する選択確率を異ならせることが挙げられる。例えば、図9(a)の例では、内部抽選結果が「ハズレ」の場合の演出パターンa1の選択確率が、ボーナスの内部当選状態でない時は2%であるが、ボーナスの内部当選状態である時は60%であり、選択確率が後者の方が高くなっている(30倍)。
選択確率を変える別の方法としては、例えば、入賞役の内部抽選の確率を含めた、ある演出パターン(P)の総選択確率を変える方法もある。総選択確率は、(BB内部当選確率×演出パターンP選択確率)+(RB内部当選確率×演出パターンP選択確率)+・・・+(ハズレ確率×演出パターンP選択確率)で示される。しかして、(ボーナスの内部当選状態にある場合の総選択確率Q1)>(ボーナスの内部当選状態でない場合の総選択確率Q2)とする。
次に、図9(b)を参照してBBゲーム時、RBゲーム又はSRBゲーム時の演出パターンの選択方法の例を示す。BBゲーム時は複数種類の演出モード1乃至3毎に演出パターンが区分けされている。本実施形態の場合、演出モードが異なると演出内容に登場するメインキャラクター(LCD602に表示される)が異なる。本実施形態の場合、メインキャラクターは殿、姫、爺の3種ある。演出モードはBBゲーム開始時に遊技者の選択に従い設定され、その設定処理は例えばS216の他の処理に含むことができる。演出パターンは演出モード毎に設定されており(演出パターン群)、BBゲームの進行に応じて順次選択されていくことになる。RBゲーム又はSRBゲーム時は本実施形態の場合、演出パターンは毎度同じ内容としている。
<演出装置Aによる演出内容の例>
次に、演出パターンにより規定される演出内容の例、特に演出装置Aにおける演出部材701及び702の動作とLCD602の画像表示との連係による演出例について説明する。
<表示領域の分割>
図24(a)及び(b)は演出部材702をLCD602の表示領域を分割するバーとして用いた演出例を示す。図24(a)に示すように演出部材702は露出位置に位置しており、かつ、LCD602の表示画面602aを左右に横断する位置に位置している。LCD602は演出部材702を境にして表示領域を分割し、上方の表示領域S1と下方の表示領域S2とで異なる内容の画像を表示している。表示領域の分割バーとして演出部材702を用いることにより意外性のある演出が実現できる。
図24(a)の例では表示領域S1にキャラクターが対決しようとしている画像が、表示領域S2に絵柄組合せの画像が表示されている。絵柄組合せの画像は真中が未確定で、両端は「7」で確定している。図24(b)は図24(a)の状態から画像が変化した態様を示しており、表示領域に「7−7−7」の絵柄組合せの画像が表示され、表示領域S1にはキャラクターの対決で勝利したことを示す画像が表示されている。図24(a)の画像は例えばボーナスの内部当選状態を報知する演出画像として採用される。
図25(a)乃至(c)は演出部材701をLCD602の表示領域を分割するバーとして用い、更に、LCD602により表示される画像を切り換える際、演出部材701を活用する例を示している。図25(a)は演出部材701が隠蔽位置にあり、表示画面602aが分割されていない状態を示している。図25(b)は演出部材701が表示画面602aを横断しない隠蔽位置からLCD602の表示画面602aを上下に横断する露出位置に移動中であり、演出部材701を境にして表示領域が分割され、左側の表示領域S1と右側の表示領域S2とで異なる内容の画像を表示している。
表示領域S2には図25(a)で表示されていた画像が縮小して表示されている。表示領域S1には図25(a)で表示されていた画像に切り替わる画像が縮小して表示されている。演出部材701が右側に移動するに従って、表示領域S2は縮小し、表示領域S1は拡大する。各領域の画像も縮小、拡大する。最終的に図25(c)に示すように、演出部材701は右側の隠蔽位置まで移動し、表示領域の分割が解除され、表示領域S1に表示されていた画像が表示画面602aに全体に表示される。つまり、図25(a)に表示されていた画像から図25(c)に表示されていた画像に表示内容が切り換えられたことになる。表示内容の切り換えに演出部材701の移動を絡めることで意外性のある演出が実現できる。
図25(d)乃至(g)は演出部材701をLCD602の表示領域を分割するバーとして用い、移動させる別の例を示している。図25(d)は演出部材701がLCD602の表示画面602aを上下に横断する露出位置にあり、演出部材701を境にして表示領域が分割され、左側の表示領域S1と右側の表示領域S2とで異なる内容の画像を表示している。図25(e)及び(f)は演出部材701が左右に往復移動している状態を示す。演出部材701の往復移動により、表示領域S1及びS2は縮小したり拡大し、各領域の画像も縮小、拡大する。最終的に図25(g)に示すように、演出部材701は左側の隠蔽位置に移動し、表示領域の分割が解除され、表示領域S1に表示されていた画像が表示画面602aに全体に表示される。この例は2者択一時の演出として活用される。
例えば、表示領域S2の画像(捕縛)はボーナスの内部当選状態を報知する演出画像であり、表示領域S1の画像(逃走)は、ハズレの演出画像である。最終的に表示画面602a全体に表示された画像が報知結果である。図25(g)の例では表示領域S2の画像(捕縛)が表示画面602a全体に表示され、ボーナスの内部当選状態が報知されている。図25(e)及び(f)に示すように演出部材701が左右に往復移動して、表示領域S1及びS2のどちらの画像が最終的に表示画面602a全体に表示されるか、遊技者に期待感を持たせることで興趣に富んだ演出が実現できる。
図26(a)及び(b)は演出部材702をLCD602の表示領域を分割するバーとして用いた他の例を示しており、特に、スロットマシン100にエラー(メダル切れ)が生じた場合の例を示している。図26(a)では演出部材702が隠蔽位置にあり、表示画面602aにはスロットマシン100にエラーが生じたことを示す、「係員をお呼び下さい」とのメッセージを含む画像が表示されている。図26(b)では演出部材702が露出位置まで移動してきており、かつ、LCD602の表示画面602aを左右に横断する位置に位置している。LCD602は演出部材702を境にして表示領域を分割し、上方の表示領域S1と下方の表示領域S2とで異なる内容の画像を表示している。表示領域S1には係員に対するメッセージとしてエラーの原因と対処方法が表示されている。このように演出装置Aはエラー発生時の情報伝達手段としても活用できる。
<演出部材と画像との合成>
図26(c)及び(d)は演出部材702とLCD602により表示される画像とにより、まとまりのある画像(合成画像)を提示するものである。換言すれば、遊技者に提示しようとする画像の一部を演出部材702で、残りをLCD602により表示される電子画像で、表現するものである。
図26(c)の例では表示画面602aに垂れ幕の一部が表示されており、演出部材702は垂れ幕の端部が取り付けられた棒を表現している。しかして、図26(d)に示すように演出部材702を上方へ移動させると共に、表示画面602aに垂れ幕が上昇していく画像を表示する。遊技者には垂れ幕がぶら下った棒が上昇していく画像を提示することができる。
図26(e)乃至(h)も演出部材702とLCD602により表示される画像とにより、まとまりのある画像(合成画像)を提示するものである。図26(e)の例では演出部材702が棚を模しており、LCD602により棚(演出部材702)上に載せられた錘(1t)の画像と、棚の下で手動ポンプにより風船を膨らませようとするキャラクターの画像と、が表示されている。図26(f)の例では演出部材702を徐々に下方向に移動させて棚が錘によりキャラクタに迫ってくる様子が表されている。図26(g)の例では風船が大きくなり、棚の降下を食い止め、逆に上昇させている様子が表されている。演出部材702は風船の大きさに応じて上方に移動する。棚を模した演出部材702を上方の隠蔽位置まで押し上げると図26(f)に示すように「成功」の文字が表示され、遊技者に何らかの利益が与えられる。
このように、演出部材701及び702は表示画面602aの表示領域の分割バーとして用いたり、LCD602の画像とで合成画像を形成するものとして用いたりすることができ、演出部材701、702の用い方が変わることで遊技者に対して意外性を与えられる。
<内部当選状態の報知>
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の例について説明する。図27(a)は演出部材701をLCD602の表示領域を分割するバーとして用いた例を示している。演出部材701により分割された表示領域には異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(俵)の絵柄を示す画像がそれぞれ表示されている。そして、内部当選状態の報知として、内部当選状態にある入賞役を示す画像を表示領域が大きい方に表示する。図27(a)の例の場合、表示領域S2の方が大きいので、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。
図27(b)は演出部材701及び702をLCD602の表示領域を分割するバーとして用いた例を示している。演出部材701及び702により4分割された表示領域には異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4には再遊技の絵柄(リプレイ)を示す画像が、それぞれ表示されている。そして、内部当選状態の報知として、内部当選状態にある入賞役を示す画像を表示領域が大きい方に表示する。図27(b)の例の場合、表示領域S3が最も大きいので、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。
図27(c)は表示領域の大きさではなく、表示の強調により内部当選状態を報知する例である。同図の例では演出部材701及び702により4分割された表示領域には異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。そして、内部当選状態の報知として、内部当選状態にある入賞役を示す画像を相対的に強調して表示する。図27(c)の例の場合、表示領域S3以外の表示領域S1、S2、S4はグレーのマスクがかかって薄暗くなっており、表示領域S3が強調されている。従って、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。強調の仕方としては、この他にも内部当選状態にある入賞役の画像を大きくする、点滅させる、等が挙げられる。
図27(a)乃至(c)の報知演出の実行タイミングとしては、例えば、遊技の開始操作時、リール110乃至112の第1及び第2停止操作時が挙げられる。このようなタイミングで報知演出を行えば、遊技者は内部当選状態にある入賞役の絵柄を狙って停止操作が行える。
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の別の例について説明する。ここでは、図27(b)及び(c)に示した報知演出例を段階的に行う例について説明する。段階的に行なうことで演出内容の変化に伴い、遊技者の期待感を増長させることができる。
図28(a)乃至(d)は図27(b)の報知演出例を段階的に行なう例を示している。図28(a)では演出部材701及び702により4分割された表示領域に異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。
図28(a)の状態から図28(b)及び(c)に示すように演出部材701及び702を連続的に移動させる。演出部材701及び702の移動により各表示領域S1乃至S4の大きさが連続的に変化し、各画像も縮小・拡大する。遊技者は最終的にどの表示領域が大きくなるか(どの入賞役に内部当選状態にあるか)の期待感を増長することになる。図28(d)は演出部材701及び702が停止した状態を示している。図28(d)の例の場合、表示領域S1が最も大きいので、小役(鶴)に内部当選状態にあることが報知されている。なお、続いて演出部材701及び702を隠蔽位置に移動させ、図28(e)に示すように小役(鶴)の画像を表示画面602a全体に表示することで小役(鶴)に内部当選状態にあることを強調することもできる。また、図28(d)のように演出部材701及び702を停止させることなく、図28(b)及び(c)に示すように演出部材701及び702を連続的に移動させている状態から図28(e)の状態へ移行して小役(鶴)に内部当選状態にあることを報知してもよい。
図29(a)及び(b)は図27(c)の報知演出例を段階的に行なう例を示している。図29(a)では演出部材701及び702により4分割された表示領域に異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。遊技者は最終的にどの表示領域が強調されるか(どの入賞役に内部当選状態にあるか)の期待感を増長することになる。次に図29(b)に示すように表示領域S3以外の表示領域S1、S2、S4にグレーのマスクをかけて薄暗くし、表示領域S3を強調する。これにより、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。図29の例では表示領域S1、S2、S4にグレーのマスクを同時にかけたが、順番にかけていってもよい。
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の更に別の例について説明する。ここでは、図28に示した段階的な報知演出例について、演出部材701及び702を揺動させる例について図30を参照して説明する。例えば、遊技者の注意を引き易い演出部材701及び702を揺動する演出をボーナスの内部当選状態にある時により高い確率で行われる演出として位置付けることができる。
図30(a)では演出部材701及び702により4分割された表示領域に異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。
図28(a)の状態から図28(b)に示すように演出部材701及び702を連続的に移動させる。演出部材701及び702の移動により各表示領域S1乃至S4の大きさが連続的に変化し、各画像も縮小・拡大する。遊技者は最終的にどの表示領域が大きくなるか(どの入賞役に内部当選状態にあるか)の期待感を増長することになる。更に、図28(c)に示すように演出部材701及び702を揺動させる。揺動が加わることで遊技者にボーナスへの期待度を更に増長させる。
図30(d)は演出部材701及び702が停止した状態を示している。図30(d)の例の場合、表示領域S4が最も大きいので、BBに内部当選状態にあることが報知されている。なお、続いて演出部材701及び702を隠蔽位置に移動させ、図30(e)に示すようにBBの絵柄の画像を表示画面602a全体に表示することでBBに内部当選状態にあることを強調することもできる。また、図30(d)のように演出部材701及び702を停止させることなく、図30(c)に示すように演出部材701及び702を揺動させている状態から図30(e)の状態へ移行してBBに内部当選状態にあることを報知してもよい。
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の更に別の例について説明する。ここでは、図28に示した段階的な報知演出例について、遊技者の操作に応じて段階的に進行させる例について図31を参照して説明する。
図31(a)は遊技の開始操作が行われた際の状態を示している。図31(a)では演出部材701及び702により4分割された表示領域に異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。
図31(b)はリール110乃至112の第1停止操作が行なわれた際の状態を示している。同図の例では演出部材702が下方へ移動し、表示領域S1及びS3が拡大する一方、表示領域S2及びS4は縮小している。遊技者としては、表示領域S1、S3に示されている小役(鶴)、小役(俵)のいずれかに内部当選状態にあるのではないかとの期待感を抱き、以降の停止操作ではこれらの入賞役の絵柄を狙う。
図31(c)はリール110乃至112の第2停止操作が行なわれた際の状態を示している。同図の例では演出部材701が左側へ移動し、表示領域S3が拡大する一方、表示領域S1は縮小している。表示領域S3が最も大きいので、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。遊技者は小役(俵)の絵柄を狙って第3停止操作を行うことになる。
このように遊技者の操作に応じて段階的に演出が進行することで遊技者は各操作を経るにつれて期待感を増長させることになる。なお、図30の例のように演出の進行の途中で演出部材701及び702の揺動を行なうことも可能である。
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の更に別の例について説明する。ここでは、図29に示した段階的な報知演出例について、遊技者の操作に応じて段階的に進行させる例について図32を参照して説明する。
図32(a)は遊技の開始操作が行われた際の状態を示している。図32(a)では演出部材701及び702により4分割された表示領域に異なる入賞役に関する画像が表示され、表示領域S1には小役(鶴)の絵柄を示す画像が、表示領域S2には小役(簪)の絵柄を示す画像が、表示領域S3には小役(俵)の絵柄を示す画像が、表示領域S4にはBBの絵柄(7)を示す画像が、それぞれ表示されている。各表示領域S1乃至S4の大きさは同じである。
図32(b)はリール110乃至112の第1停止操作が行なわれた際の状態を示している。同図の例では表示領域S2及びS4にグレーのマスクがかけられ、表示領域S1及びS3の画像が強調表示されている。遊技者としては、表示領域S1、S3に示されている小役(鶴)、小役(俵)のいずれかに内部当選状態にあるのではないかとの期待感を抱き、以降の停止操作ではこれらの入賞役の絵柄を狙う。
図32(c)はリール110乃至112の第2停止操作が行なわれた際の状態を示している。同図の例では表示領域S1にもグレーのマスクがかけられ、表示領域S3の画像のみが強調表示されており、小役(俵)に内部当選状態にあることが報知されている。遊技者は小役(俵)の絵柄を狙って第3停止操作を行うことになる。このように遊技者の操作に応じて段階的に演出が進行することで遊技者は各操作を経るにつれて期待感を増長させることになる。
次に、演出装置Aによる内部当選状態の報知演出の更に別の例について説明する。ここでは、演出部材701及び702とLCD602の画像により戦闘機の照準器を模した表示を行う。
図33(a)において、演出部材701及び702はいずれも表示画面602a上に位置しており、両者が交差した部位にLCD602により破線円形の画像Tが表示されている。これらが照準器を模している。また、表示画面602a上には複数種類の入賞役の絵柄を示す画像が表示されており、図33(a)の例では小役(鶴)、小役(簪)、BB(7)の絵柄の画像が表示されている。これらは撃墜するターゲットをイメージしている。
図33(b)及び(c)では演出部材701及び702が移動し、両者が交差した部位も移動している。画像Tも交差した部位の移動に従って移動している。図33(d)では小役(鶴)の絵柄の画像の位置に演出部材701及び702の交差部位と画像Tが位置しており、「ロックオン!」と表示されている。これは小役(鶴)に内部当選状態にあることを示している。遊技者は図33(b)及び(c)の状態において演出部材701及び702並びに画像Tが移動して、どの入賞役の絵柄がロックオンされるか(内部当選状態か)に期待感を抱くことになる。
図34は図33の演出例を遊技者の操作に応じて段階的に進行させる例を示す図である。図34(a)は遊技の開始操作が行われた際の状態を示している。演出装置Aの状態は図33(a)と同様である。図34(b)はリール110乃至112に対する第1停止操作が行われた際の状態を示している。演出部材701及び702の交差部位と画像Tが、暫定的にBB(7)の絵柄の画像の位置に位置しているがロックオンはしていない。図34(c)はリール110乃至112に対する第2停止操作が行われた際の状態を示している。演出部材701及び702の交差部位と画像Tが、暫定的に小役(簪)の絵柄の画像の位置に位置しているがロックオンはしていない。
図34(d)はリール110乃至112に対する第3停止操作が行われた際の状態を示している。演出部材701及び702の交差部位と画像TがBB(7)の絵柄の画像の位置に位置しておりロックオンはしている。よって、BBの内部当選状態が報知されたことになる。第3停止操作によりBBの絵柄組合せが揃っていればBB入賞となり、揃っていなければ次ゲームもBBの内部当選状態が維持される(BB内部当選中)。
<演出モード選択>
BBゲーム開始時の演出モードの選択時に実行される演出例について図35を参照して説明する。図35(a)はLCD602の表示画面602aに「演出選択」とのメッセージが表示され、演出モードを選択する処理が実行されることを遊技者に知らせている。演出部材701及び702はいずれも隠蔽位置にある。
図35(b)は演出部材701及び702が表示画面602a上に現れ、表示画面602aの表示領域を均等に4分割している。表示領域S1乃至S3は演出モードの種類を示すキャラクター画像(殿、姫、爺)が表示されている。図35(c)乃至(e)は演出モードの選択画面である。各選択画面は一定時間の経過後切り替わっていく。遊技者は好みのキャラクターの画像が表示されているときにMAXベットボタン132を押すことで対応する演出モードを選択できる。
<メダル払出しに関連する演出>
演出パターンはメダル払出結果に応じて選択することもできる。メダル払出しに関連する演出について図36及び図37を参照して説明する。メダル払出結果としては各ゲーム毎の払出結果、或いは、複数のゲームに渡る払出結果が挙げられる。後者の場合、複数のゲームに渡る差枚(払出枚数−投入枚数)でもよいし、払出枚数でもよい。
図36は各ゲーム毎の払出結果(ここでは払出枚数)に応じた演出例を示している。本実施形態ではBBゲーム時の小役入賞時のメダルの払出枚数として図6に示すように15枚(俵)、10枚(鶴)、2枚(簪)が設定されている。図36はBBゲームの各ゲームにおいて小役入賞時に実行される演出例を示している。図36(a)では、演出部材701及び702が表示画面602a上に位置しており、表示領域を4分割している。表示領域S2乃至S4にはそれぞれ小役入賞時に払出され得るメダルの枚数が表示されている。図36(b)では表示領域S3が拡大するように演出部材701及び702が移動し、「10枚」が大きく表示されている。これは小役(鶴)に入賞して10枚のメダルが払出されることを報知している。メダルの払い出し枚数は予め定まっているため、小役の入賞が確定した段階で遊技者に分かることではあるが、表示することで遊技者を盛り上げることができる。
図36(c)の例では表示領域S2が拡大するように演出部材701及び702が移動し、「15枚」が大きく表示されている。これは小役(俵)に入賞して15枚のメダルが払出されることを報知している。また、演出部材702が揺動している。これは、3種類の払い出し枚数(15枚、10枚、2枚)のうち、15枚が最も数量が多いので、遊技者を一層盛り上げるための演出である。
図37は複数のゲームに渡る払出結果に応じた演出例を示している。図37はBBゲームの間の払い出し結果に基づきBBゲーム中になされる演出例である。図37(a)では手動ポンプにより風船を膨らませようとするキャラクターの画像が表示画面602aに表示され、演出部材702は風船により押し上げられるバーを示している。風船の画像には現在遊技者が獲得中のメダル枚数が表示されている。これはBBゲーム中に遊技者に払出されたメダルの累積数(又は差枚の累積数)である。
BBゲームの進行に伴い、通常は遊技者に払出されたメダルの累積数は増えていく。その増加に従って、図37(b)に示すように風船が膨らみ、これに伴って演出部材702も、あたかも風船により押し上げられるかのように上方へ移動する。演出部材702はメダルの累積数のバロメータとしての役割も行なっている。図37(c)はBBゲームの終了条件を、予め定められた獲得枚数に達した場合(例えば235枚の払い出し)とした場合に、当該枚数に達した場合の例を示している。風船が大きく膨らみ、演出部材702は表示画面602aの略最上部に位置している。続いて、図37(d)では演出部材702が隠蔽位置に移動し、風船が破裂した画像が表示画面602aに表示されている。これはBBゲームが終了したことを遊技者に報知している。
<ATの場合の演出例>
遊技状態として上述したAT(アシストタイム)を採用した場合の演出例について図38を参照して説明する。上述した通り、ATとは、例えば、リール停止制御上、ストップボタン137乃至139の押し順を要求するものであり、AT期間内では当該押し順を報知するものである。演出装置Aによりこの押し順を報知することができる。
図38(a)は演出部材701及び702が表示画面602a上に位置し、表示領域を3分割している状態を示している。表示領域S1乃至S3は略同じ大きさである。表示領域S1乃至S3にはそれぞれ、左、中、右の文字が表示されている。さて、遊技者に対して中リール111の停止、つまり、ストップボタン138を操作することを指示する場合には、図38(b)に示すように演出部材701及び702を移動させ、表示領域S2を拡大する。遊技者は「中」の文字を見て、ストップボタン138を操作することになる。
遊技者に対して左リール110の停止、つまり、ストップボタン137を操作することを指示する場合には、図38(c)に示すように表示領域S1を拡大する。遊技者は「左」の文字を見て、ストップボタン137を操作することになる。また、遊技者に対して右リール112の停止、つまり、ストップボタン139を操作することを指示する場合には、図38(d)に示すように表示領域S3を拡大する。遊技者は「右」の文字を見て、ストップボタン139を操作することになる。
<遊技者の操作態様に応じた演出>
移動部材703乃至706はスロットマシン100に設けられた、遊技者の操作を受け付ける操作手段に対する操作態様に応じて移動するように構成することができる。操作手段は、例えば、スタートレバー135、ストップボタン137乃至139、ベットボタン130乃至132を挙げることができるが、ここでは、MAXベットボタン132として説明する。なお、これらの操作手段は他の機能との兼用となるが、専用の操作手段を設けることもできる。
遊技者の操作態様に応じて移動部材703乃至706を移動させると、演出部材701及び702の形態が遊技者の操作態様に応じて変化することになる。このため、遊技者が演出内容に関与でき、かつ、演出内容に関する遊技者の操作意欲を増大させ、更に多彩な演出が実現できる。
また、例えば、内部当選状態の報知等、遊技者に有益な情報の提供の有無をスロットマシン100側のみで定めるのではなく、遊技者が当該情報の提供の有無を左右できるようにする演出も実行できる。つまり、遊技者がスロットマシン100に対して行なった操作態様が特定の操作態様であるか否かに応じて内部当選状態の報知等、遊技者に有益な情報の提供をするか否かを定めることもできる。以下、図39乃至図43を参照してその例を説明する。
図39はMAXベットボタン132に対する遊技者の操作態様として、予め定めた制限時間内におけるMAXベットボタン132の操作回数に応じて移動部材701及び702を移動させ、演出部材701の形態を変化させる例であり、操作回数が予め定めた回数に達すると、内部当選状態の報知が行なわれる例である。遊技者に対して一定の苦労を伴う連続的な操作が要求されるので、内部当選状態の報知演出が実行された時に遊技者に達成感を与えることができる。
また、同図の例では、操作要求演出と操作要求演出後にMAXベットボタン132に対する遊技者の操作態様に応じて実行される報知演出と、失敗演出とを示している。操作要求演出は遊技者に対してMAXベットボタン132に対する操作を促す演出であり、報知演出は操作要求演出中になされたMAXベットボタン132に対する操作態様が特定の操作態様の場合に実行され、失敗演出は操作要求演出中になされたMAXベットボタン132に対する操作態様が特定の操作態様の場合でなかった場合に実行される。失敗演出は、MAXベットボタン132に対する操作態様が特定の操作態様でない旨を報知する演出となる。
図39においては、まず、操作要求演出として「BETボタンを連打せよ!」との操作要求画像がLCD602の表示画面602aに表示され(同図最上段)、MAXベットボタン132を連打することが遊技者に促される。
続いて、操作要求演出として演出部材701が表示画面602aの中央に現れ、また、操作要求画像としてMAXベットボタン132に対する操作状況を示すレベルメータ810が表示画面602aに表示されている(同図2段目)。レベルメータ810はMAXベットボタン132に対する操作回数が所定回数に達するごとにその升目の色が変化していき、最上段の升目が目標回数を示している。この表示を見ることで遊技者は報知演出がなされるための条件の達成度を把握でき、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。そして、MAXベットボタン132の操作回数をカウントする制限時間の計時が開始される(操作態様チェック期間)。
次に、遊技者がMAXベットボタン132を連打すると、その操作回数に応じてレベルメータ810の色が変化していくと共に、演出部材701が揺動(振動)するよう移動部材703及び704が移動する(同図3段目及び4段目)。本例では、演出部材701の振動の揺動の幅はMAXベットボタン132に対する操作回数に比例して大きくなるようにしている(同図4段目)。演出部材701が操作回数に応じて揺動することで遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。
しかして、制限時間に達するとMAXベットボタン132の操作回数のカウントが終了し、成功か、失敗かが判定される。遊技者のMAXベットボタン132に対する操作が制限時間内に所定回数に達すると、表示画面602aの表示内容が切り替わり、報知演出がなされる(同図最下段左)。表示画面602aには「BB確定」との表示がなされ、BBに内部当選状態にあることが報知されている。また、演出部材701と演出部材702とは十字状に現れている。
一方、遊技者のMAXベットボタン132に対する操作が制限時間内に所定回数に達しないと、表示画面602aの表示内容が切り替わり、失敗演出がなされる(同図最下段右)。表示画面602aには「失敗」との表示がなされ、内部当選状態は報知されない。また、演出部材701と演出部材702とは「×」字状に現れており、演出部材701及び702によっても失敗したことが表されている。
なお、報知演出はMAXベットボタン132に対する操作態様が上述したように特定の操作態様(制限時間内における所定回数の操作)の場合にのみ実行するようにすることができる。この場合、報知演出を望む遊技者はMAXベットボタン132を特定の操作態様にて操作する必要があり、遊技者の操作意欲を増大させる。
また、図39の例では、BBの内部当選状態を報知したが、小役の内部当選状態の報知の他、遊技者に有利となる他の権利の当選を報知するようにしてもよいことはいうまでもない。小役の内部当選状態の報知を行なう場合、遊技の開始操作(スタートレバー135)→内部抽選→操作要求演出という構成とし、遊技者の操作態様が特定の操作態様である場合には、ストップボタン137乃至139の操作前(全てのストップボタンの操作前、或いは、最後の操作前)に内部抽選結果が放置されるようにすることもできる。
また、例えば、BBやRBのような内部当選確率の低い、特定の入賞役の内部当選状態に関する報知演出は、全て上記の操作態様を要求するようにしてもよい。こうすることで、遊技者は、BB等の内部当選を知るためにはMAXベットボタン132を操作せざる得なくなり、遊技者の操作意欲をより一層高めることができる。この場合、告知ランプ121によるボーナスの内部当選の報知は報知演出が行われた後にすることで、BB等の内部当選を知るためには遊技者は完全にMAXベットボタン132を操作せざる得なくなる。
また、図39の例において、内部当選状態がハズレの場合には、報知演出においてハズレであることを報知するようにしてもよいし、或いは、MAXベットボタン132に対する操作回数に関わらず、全て失敗演出を行うようにしてもよい。
また、操作要求演出中の操作要求画像では、報知の対象となる権利に応じて異なる画面としてもよい。これにより、遊技者は操作要求画像の表示段階にて内部当選状態を推測することができ、操作要求画像に応じて、MAXベットボタン132に対する操作意欲を更に高められる。
図40(a)及び(b)はその一例を示しており、図40(a)ではレベルメータ111が短く、図40(b)ではレベルメータ812が相対的に長い。図40(a)では報知演出で小役(俵)の内部当選状態が報知され、図40(b)では報知演出でBB(7)の内部当選状態が報知される。レベルメータ111の長短により、要求される操作回数も異なり、例えば、小役報知の場合はBB報知の場合の半分となる。遊技者にとってより有益な情報には、より多くの労苦を必要とさせることで、報知演出がなされた場合の達成感に差をつけることができる。
また、移動部材703乃至706は遊技者の操作態様と権利の抽選結果とに応じて移動するようにしてもよい。図40(c)及び(d)はその一例を示しており、図40(c)では移動部材703のみを往復移動し、移動部材704は停止させて演出部材701を揺動(振動)させ、図40(d)では移動部材703及び704の双方を往復移動させて演出部材701を揺動させている。図40(c)では報知演出で小役(俵)の内部当選状態が報知され、図40(d)では報知演出でBB(7)の内部当選状態が報知される。これにより、遊技者は操作要求演出の段階にて演出部材701の形態から内部当選状態を推測することができ、演出部材701の形態に応じて、MAXベットボタン132に対する操作意欲を更に高められる。なお、無論、ガセの演出も適宜実行可能である。
図39の例では、操作状況を画像(810)により示したが、MAXベットボタン132に対する操作状況を示すように移動部材703及び704を移動させることもできる。図41はその一例を示す。
図41においては、まず、操作要求演出として「BETボタンを連打せよ!」との操作要求画像がLCD602の表示画面602aに表示され(同図最上段)、MAXベットボタン132を連打することが遊技者に促される。
続いて、操作要求演出として演出部材701が表示画面602aの左端に現れ、また、操作要求画像として表示画面602aの右端には「ゴール」と表示されて一定の領域を示す画像が表示されている(同図2段目)。そして、MAXベットボタン132の操作回数をカウントする制限時間の計時が開始される(操作態様チェック期間)。
次に、遊技者がMAXベットボタン132を連打すると、その操作回数に応じて演出部材701が微揺動しながら右方向へ移動するよう、移動部材703及び704が移動する(同図3段目及び4段目)。つまり、制限時間内に演出部材701を「ゴール」エリアまで移動させることができれば成功であり、MAXベットボタン132の操作回数に応じて演出部材701が「ゴール」エリアに近づくことで操作状況を示していることになる。
しかして、制限時間に達するとMAXベットボタン132の操作回数のカウントが終了し、成功か、失敗かが判定される。遊技者のMAXベットボタン132に対する操作が制限時間内に所定回数に達すると、表示画面602aの表示内容が切り替わり、報知演出がなされる(同図最下段左)、また、所定回数に達しないと、表示画面602aの表示内容が切り替わり、失敗演出がなされる(同図最下段右)。これらは図39の例と同様である。
次に、図39や図41ではMAXベットボタン132に対する操作回数の例を示したが、操作タイミング、操作時間を基準としてもよい。図42は操作タイミングを基準とする例である。
図42においては、まず、操作要求演出として「タイミング良くBETボタンを叩け!」との操作要求画像がLCD602の表示画面602aに表示され(同図最上段)、MAXベットボタン132をあるタイミングで操作することが遊技者に促される。
続いて、操作要求演出において、操作要求画像として表示画面602aにインジケータ820が示され、そのの右端には「ここで止めろ!」と表示されて一定の領域を示す画像が表示されている(同図2段目)。また、MAXベットボタン132の操作タイミングをチェックする期間の計時が開始される(操作態様チェック期間)。
次に、操作要求演出として、演出部材701が右方向へ移動するように移動部材703及び704が移動する(同図3段目)。遊技者が「ここで止めろ!」エリアに演出部材701が位置した時にMAXベットボタン132を操作すると、成功となる(同図の「OK期間」で操作された場合)。タイミングが合わないと失敗となる。
しかして、MAXベットボタン132が操作された場合又は操作タイミングチェック期間の終了により、操作タイミングの判定がなされ、成功か、失敗かが判定される。遊技者がタイミングよくMAXベットボタン132を操作すると、表示画面602aの表示内容が切り替わり、報知演出がなされる(同図最下段左)、また、タイミングが外れると、表示画面602aの表示内容が切り替わり、失敗演出がなされる(同図最下段右)。これらは図39の例と同様である。なお、操作時間を基準とする場合は、例えば、図42の例において、MAXベットボタン132を遊技者に一定時間押圧させ、その押圧時間で判断するようにすることが挙げられる。
次に、図43は上述した図33の例と同様に、演出部材701及び702とLCD602の画像により戦闘機の照準器を模した表示を行うものである。しかし、本例では照準器の移動を遊技者の操作に委ねる。
図43(a)において、演出部材701及び702はいずれも表示画面602a上に位置しており、両者が交差した部位にLCD602により破線円形の画像Tが表示されている。これらが照準器を模している。本例ではスタートレバー135を遊技者が操作することにより、照準器の位置を移動させる。つまり、スタートレバー135の傾倒方向に応じて演出部材701及び702が交差した部位を移動させる。また、表示画面602a上には、撃墜するターゲットとして宇宙船の画像が表示されている。宇宙船の画像は移動する。
図43(b)に示すように、宇宙船の画像の位置に演出部材701及び702の交差部位と画像Tが位置した瞬間に、遊技者が予め定めた操作(ここではMAXベットボタン132の操作)を行なうと宇宙船が撃墜され、遊技者の勝利である。この場合、図43(c)に示すように、表示画面602aには「成功!」の文字と共に、BBの内部当選状態の報知にあたる、「7」の画像が表示される。宇宙船の撃墜に失敗すると図43(d)に示すように、表示画面602aには「失敗...」の文字が表示され、内部当選状態の報知にあたる画像等の表示はなされない。
<演出装置の他の例>
演出装置Aでは演出部材701及び702の動作と、LCD602の画像とを連係させた演出を実行するよう構成したが、LCD602以外の表示ユニットも採用できる。図44(a)はLCD602に代えてサブリール110’乃至112’を採用した例を示している。サブリール110’乃至112’はリール110乃至112とは別に設けられる3列のリールであり、その周面に複数種類の絵柄が表示され、回転駆動されることにより絵柄の組合せを変動可能に表示する。図44(b)は鉛直方向を回転軸とする1個のサブリール10をLCD602に代えて採用した例である。演出部材は1つとしている(演出部材701)。
LCD602に代えてリール110乃至112を用いることもできる。つまり、図44(c)に示すようにリール110乃至112の正面側において演出部材701、702が移動する構成である。
<他の遊技台への適用例>
本発明はスロットマシン以外にもパチンコ機、パロット機等、表示内容を変動可能に表示する表示手段と、遊技者に有利となる権利に関する抽選を行う抽選手段と、を備え、前記表示手段は前記抽選手段による抽選結果に応じた表示をする遊技台に適用可能である。
図45は演出装置Aと同様の構成の演出装置A’を搭載したパチンコ機1100を示している。演出装置A’は化粧パネル600やカバー部材601の構成が異なるものの、その他の構成については演出装置Aと同様の構成である。図45では、演出部材701及び702や、LCD602の表示画面602aが図示されている。
パチンコ機1100は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうため、ハンドル1101と、ハンドル1101に対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿1102と、パチンコ玉が打ち出される円形の遊技領域1103と、を備える。遊技領域1103には不図示の釘が配設され、遊技領域1103の上部から落下するパチンコ玉は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域1103の下部へ落下する。遊技領域1103には入賞口1104が配設されており、入賞口1104へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。本実施形態では、この特典は大当たりの抽選の実行である。大当たりの抽選で当選すると遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。演出装置A’は遊技領域1103の中央部分に配設されており、LCD602は表示内容を変動可能に表示する表示手段としても機能する。
図46はパチンコ機1100の制御系の機能ブロック図である。パチンコ機1100は制御部1200を有する。制御部1200はCPU等の処理手段1201、乱数を発生する乱数発生手段1204、RAM等の記憶手段1202、及び、ROM等の記憶手段1203を有する。センサ1205は入賞口1104に設けられ、パチンコ玉の入球を検出するセンサである。1206はその他のデバイス(ランプ、パチンコ玉の払い出し装置等)を示している。
処理手段1200は、大当たりの抽選の実行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定手段として機能する。大当たりの抽選の実行条件は、センサ1205により入賞口1104にパチンコ玉が入球したことが検出された時に成立する。処理手段1200は、大当たりの抽選の実行条件が成立すると乱数発生手段1204から乱数値を取得し、記憶手段1202に記憶する。
乱数値は大当たりの抽選の実行条件の成立毎に予め定めた記憶上限回数を上限として順次記憶される。例えば、4回分の抽選結果が記憶される。4回分の乱数値が記憶されている場合、新たな乱数値は破棄される。処理手段1200は記憶手段1202に乱数値が記憶されていることを条件として、当該乱数値に基づき大当たりの抽選手段を行う、抽選手段として機能する。抽選後、LCD602による表示内容の変動を開始して終了する。表示内容の変動は抽選結果に応じた識別情報が表示されるように行う。識別情報は例えば複数の絵柄の組み合わせの表示である。
記憶手段1202に複数回分の乱数値が記憶されている場合には最も古いものから順番に選択する。LCD602の表示内容の変動を終了して識別情報を表示すると、対応する乱数値は記憶手段1202から削除される。
抽選結果が大当たりの場合は、大当たりに対応した識別情報が表示されるよう、LCD602の表示内容の変動を行なう。大当たりに対応した識別情報が表示されると、ボーナスゲームが開始されて遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。
図47はパチンコ機1100の変形例である、パチンコ機1100’を示す図である。同図の例では演出装置A’に代えて演出装置Bが採用されている。演出装置Bでは演出部材702’が遊技領域1103の表面から大きく突出するように配設されている。演出部材702’は平行移動、揺動が可能であり、揺動により遊技領域1103の上部から落下するパチンコ玉が演出部材702’に乗り、左右に振り分けられて落下する。
演出部材702’の左右下部にはそれぞれ入賞口1105、1106が配設されている。これらの入賞口には開閉可能な蓋が設けられており、ボーナスゲームの時等に蓋が開放して入球可能となる。入賞口1105に入球すると3個のパチンコ玉が払出され、入賞口1106に入球すると15個のパチンコ玉が払出される。入賞口1105、1106のいずれかに入球することにより払出されるパチンコ玉が異なるが、演出部材702’の動作はその振分を左右するので遊技者を盛り上げることができる。
<まとめ>
上記実施形態によれば、遊技者の操作を受け付ける操作手段(ベットボタン132、スタートレバー135)を備えた遊技台(スロットマシン100)において、第1の軌道上(図15のO−Uppper、O−Left)を移動する第1移動部材(703、705)と、前記第1の軌道と離間した第2の軌道(図15のO−Low、O−Left)上を移動する第2移動部材(704、706)と、前記第1移動部材に連結された第1端部(701a、702a)と、前記第2移動部材に連結された第2端部(701a、702a)とを有し、前記第1及び第2移動部材間の距離に応じて形態が変化する演出部材(701、702)と、を備え、前記第1及び第2移動部材は、前記操作手段に対する操作態様に応じて移動すること(図39乃至図43)を特徴とする遊技台が提供される。
また、上記実施形態によれば、遊技者の操作を受け付ける操作手段(ベットボタン132、スタートレバー135)を備えた遊技台(スロットマシン100)に搭載される演出装置(A)おいて、第1の軌道(図15のO−Uppper、O−Left)上を移動する第1移動部材(703、705)と、前記第1の軌道と離間した第2の軌道(図15のO−Low、O−Left)上を移動する第2移動部材(704、706)と、前記第1移動部材に連結された第1端部(701a、702a)と、前記第2移動部材に連結された第2端部(701a、702a)とを有し、前記第1及び第2移動部材間の距離に応じて形態が変化する演出部材(701、702)と、を備え、前記第1及び第2移動部材は、前記操作手段に対する操作態様に応じて移動すること(図39乃至図43)を特徴とする演出装置が提供される。
本実施形態では、前記第1及び第2移動部材がそれぞれ独立して移動する。互いに独立して移動することにより前記第1及び第2移動部材間の距離が変化する。この距離の変化を利用して前記演出部材は形態が変化するように構成されている(図19乃至図21、図48)。前記演出部材の形態が変化することで、遊技者を驚かせる、変化に富んだ多彩な演出が可能となる。また、前記第1及び第2移動部材は前記操作手段に対する操作態様に応じて移動するため、遊技者の操作態様により前記演出部材の形態が変化する(図39乃至図43)。このため、遊技者が演出内容に関与でき、かつ、演出内容に関する遊技者の操作意欲を増大させ、更に多彩な演出が実現できる。