以下に図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、画像処理装置とは、例えば、原稿スキャナ,画像サーバ,プリンタ,ファクシミリ装置又は複写機等がある。
図1に、本発明の実施の形態にかかる複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるカラー原稿スキャナ10が、画像データ処理装置ACP40の画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)14に接続されている。画像データ処理装置ACP40にはまた、カラープリンタ100が接続されている。カラープリンタ100は、画像データ処理装置ACP40の画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)15から、書込みI/F134に記録画像データを受けて、作像ユニット135でプリントアウトする。作像ユニット135は、図4に示すものである。
また、本システムでは、さらにシリアルバスSbを介して自動原稿送り装置(ADF)30、フィニッシャ34、大容量給紙トレイ36、給紙バンク35等と接続されている。
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)40は、パラレルバスPb,メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)13,画像メモリであるメモリモジュール(以下では単にMEMと記述)16,不揮発メモリであるハードディスク装置HDD(以下では単にHDDと記述)17,システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC14,IPP15、外部シリアルボード2、ローカルバスI/F3、ローカルバスI/F3とRAM4等を接続するローカルバスRb、パラレルバスI/F7、ネットワークI/F8、シリアルバスI/F9と、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
カラー原稿スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光を、センサボードユニットSBU(以下では単にSBUと表記)上の、CCD207(図3)で光電変換してR,G,B画像信号を生成し、A/DコンバータでRGB画像データに変換し、そしてシェーディング補正して、出力I/F12を介してCDIC14に送出する。RGB画像データは、3ビット以上の構成の多階調を表す多値画像データ(例えば8ビット構成)である。
CDIC14は、画像データに関し、カラー原稿スキャナ10(出力I/F12),パラレルバスPb,IPP15間のデータ転送、ならびに、プロセスコントローラ131とACP40の全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM132はプロセスコントローラ131のワークエリアとして使用され、ROM133はプロセスコントローラ131の動作プログラム等を記憶している。
メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)13は、MEM16およびHDD17に対する画像データおよび制御データの書き込み/読み出しを制御する。
システムコントローラ1は、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、システムコントローラ1は、イメージファイルの受信等を制御した際に、各構成部が保持している情報等に基づいて管理情報の生成や更新を行う。なお、管理情報については後述する。
また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
操作ボード20は、ACP40が行うべき処理を指示する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
カラー原稿スキャナ10の読取ユニット11より読み取った画像データは、カラー原稿スキャナ10のSBUでシェーディング補正を施してから、IPP15で、地肌除去,スキャナガンマ補正,フィルタ処理などの、読取り歪を補正する画像処理を施してから、MEM16又はHDD17に蓄積する。MEM16又はHDD17の画像データをプリントアウトするときには、IPP15においてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPP15から書込みI/F134に転送される。書込みI/F134は、階調処理された信号に対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット135へ送られ、作像ユニット135が転写紙上に再生画像を形成する。
IMAC13は、パラレルバス制御171、アクセス制御172、メモリ制御173、シリアルポート174、シリアルポート制御175、圧縮/伸張モジュール176、画像編集モジュール177、ネットワーク制御178、システムI/F179、ローカルバス制御180、データ修整モジュール181、を備える。
また、IMAC13は、システムコントローラ1の制御に基づいて、画像データとMEM16又はHDD17のアクセス制御,LAN上に接続したPC1000のプリント用データの展開,MEM16およびHDD17の有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
さらに、IMAC13は、画像データに対する処理の際にすかしデータの抽出、埋め込み、又はすかしデータに対する修整なども行う。
IMAC13へ送られた画像データは、データ圧縮後、MEM16又はHDD17に蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMAC13からパラレルバスPbを経由してCDIC14へ戻される。CDIC14からIPP15への転送後は画質処理をして書込みI/F134に出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDIC14でのバス制御により、デジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、読取られた画像データをIPP15にて画像処理を実施し、CDIC14およびパラレルバスPbを経由してFCUへ転送することによりおこなわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PN1002へファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PN1002からの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDIC14を経由してIPP15へ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F134から出力し、作像ユニット135において転写紙上に再生画像を形成する。
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット135およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ131において制御する。プロセスコントローラ131は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
システムコントローラ1とプロセスコントローラ131は、パラレルバスPb,CDIC14およびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC14内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ131間の通信を行う。
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F7、シリアルバスI/F9、ローカルバスI/F3およびネットワークI/F8は、IMAC13に接続されている。システムコントローラ1は、ACP40全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMAC13に対して、画像データをMEM16,HDD17に蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC13,パラレルバスI/F7、パラレルバスPbを経由して送られる。
この動作制御指令に応答して、画像データはCDIC14からパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F7を介してIMAC13に送られる。そして、画像データはIMAC13の制御によりMEM16又はHDD17に格納されることになる。
一方、ACP40のシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワークB経由の場合、IMAC13はネットワークI/F8を介して、ネットワークB経由のプリント出力要求データあるいは蓄積(保存)要求データを受け取る。ネットワークB経由の要求データ(外来コマンド)はシステムコントローラ1に報知し、それに応答するシステムコントローラ1からのコマンドに従って、IMAC13は、ネットワークB経由の蓄積データの転送又は受信蓄積を行う。
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM16内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このシステムコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACP40の操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC13経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。システムコントローラ1と、MEM16,HDD17および各種バスとのデータ送受信は、IMAC13を経由しておこなわれる。MEM16およびHDD17を使用するジョブはACP40全体の中で一元管理される。
図2に、図1に示す画像データ処理装置ACP40を装備した複合機能フルカラーデジタル複写機A1の外観を示す。図2に示すフルカラー複写機A1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)30と、操作ボード20と、カラー原稿スキャナ10と、カラープリンタ100と、給紙バンク35の各ユニットで構成されている。ステープラ及び作像された用紙を積載可能なトレイ付きのフィニッシャ34と、両面ドライブユニット33と、大容量給紙トレイ36は、プリンタ100に装着されている。
機内の画像データ処理装置ACP40(図1)には、PC1000が接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、PC1000および画像データ処理装置ACP40は、ルータを介してインターネット等の広域通信網Bに接続することができる。ファクシミリコントロールユニットFCU(図1)には、公衆回線PN(ファクシミリ通信回線)1002に接続された交換器PBX1001が接続されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、排紙トレイ108上またはフィニッシャ34に排出される。
図3に、カラー原稿スキャナ10およびそれに装着されたADF 30の、原稿画像読み取り機構を示す。このカラー原稿スキャナ10のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには、第2および第3ミラー234,235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される(コンタクトガラス上の手置き原稿の読み取り)。第1および第2キャリッジは、走行体モーター238を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される(フラットベッド方式の原稿読み取り)。CCD207は、多数の光電変換素子が主走査方向に並んだ光電変換素子アレイを持ち、該アレイの画像読み取り信号を主走査ライン区分で繰り返し出力する撮像素子である。
カラー原稿スキャナ10には、自動原稿供給装置ADF30が装着されている。ADF30の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方の圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。原稿は、読み取りガラス240を通過する際に、その直下に位置決めされて静止している照明ランプ232により照射され、原稿の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される(シートフィード方式の原稿読み取り)。
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、白基準板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。白基準板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき、また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。このシェーディング補正は、まず白基準板239を原稿スキャン前に主走査方向1ライン分読み取り、この読み取った白基準データをメモリに記憶し、原稿画像を読み取るときは、原稿をスキャンした画素毎に、画像データを前記メモリ上の対応する白基準データで割り算するものである。
図4に、カラープリンタ100の機構を示す。本実施の形態のカラープリンタ100は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ100は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kを有する感光体ユニット110M,110C,110Yおよび110Kと、現像ユニット120M,120C,120Yおよび120Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの回転軸が水平x軸(主走査方向)に平行になるように、且つ、転写紙移動方向y(副走査方向)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。
また、レーザプリンタ100は、上記トナー像形成ユニットのほか、レーザ走査によるレーザ露光ユニット102、給紙カセット103,104、レジストローラ対105、転写紙を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト160を有する転写ベルトユニット106、ベルト定着方式の定着ユニット107、排紙トレイ108,両面ドライブ(面反転)ユニット33等を備えている。また、レーザプリンタ100は、図示していない手差しトレイ、トナー補給容器、廃トナーボトル、なども備えている。
レーザ露光ユニット102は、レーザ発光器41M,41C,41Y,41K、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kの表面にレーザ光を、紙面に垂直な主走査×方向に振り走査しながら照射する。
図4上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット103,104から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対105に送られる。このレジストローラ対105により所定のタイミングで転写搬送ベルト160に送出された転写紙は転写搬送ベルト160で担持され、各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
各トナー像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト160で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット107に送られる。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。定着ユニット107を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ108,フィニッシャ36又は両面ドライブユニット33に排出又は送給される。
イエローYのトナー像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナー像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット110Y及び現像ユニット120Yを備えている。感光体ユニット110Yは、感光体ドラム111Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
感光体ユニット110Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム111Yの表面に、レーザ露光ユニット102で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム111Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11IY上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト160上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11IY上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム111Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
現像ユニット120Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナーを含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース120Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナー濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム111Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナー濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
転写ベルトユニット106の転写搬送ベルト160は、各トナー像形成部の感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。張架ローラの1つが109である。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト160上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト160の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト160上に付着したトナー等の異物が除去される。
また、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト160の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト160に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト160と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
転写搬送ベルト160で搬送され、感光体ドラム111M,111C,111Yおよび111Kに形成された各色トナー像が転写された用紙は、定着装置107に送り込まれてそこで、トナー像が加熱,加圧によって用紙に熱定着される。熱定着後、用紙は左側板の上部のフィニッシャ34への排紙口34otからフィニッシャ34に送り込まれる。又は、プリンタ本体の上面の排紙トレイ108に排出される。
4個の感光体ドラムの中の、マゼンダ像,シアン像およびイエロー像形成用の感光体ドラム111M,111Cおよび111Yは、図示しないカラードラム駆動用の1個の電気モータ(カラードラムモータ;カラードラムM:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。ブラック像形成用の感光体ドラム111Kはブラックドラム駆動用の1個の電気モータ(Kドラムモータ:図示略)により、動力伝達系及び減速機(図示略)を介して1段減速にて駆動される。また、転写搬送ベルト160は、上記Kドラムモータによる動力伝達系を介した転写駆動ローラの駆動により、回動移動する。従って、上記Kドラムモータは、K感光体ドラム11Kと転写搬送ベルト60を駆動し、上記カラードラムモータは、M,C,Y感光体ドラム11M,11C,11Yを駆動する。
また、K現像器120Kは、定着ユニット107を駆動している電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。M,C,Y現像器120M,120C,120Yは、レジストローラ105を駆動する電気モータ(図示略)で、動力伝達系およびクラッチ(図示略)を介して駆動される。現像器120M,120C,120Y,120Kは絶えず駆動されている訳ではなく、所定タイミングを持って駆動出来る様、上記クラッチにより駆動伝達を受ける。
図2を再度参照する。フィニッシャ34は、スタッカトレイすなわち積載降下トレイ34hsおよびソートトレイ群34stを持ち、積載降下トレイ34hsに用紙(プリント済紙,転写済紙)を排出するスタッカ排紙モードと、ソートトレイ群34stに排紙するソータ排紙モードを持つ。
プリンタ100からフィニッシャ34に送り込まれた用紙は、左上方向に搬送されそして上下逆U字型の搬送路を経て、下向きに搬送方向を切換えてから、設定されているモードに応じて、スタッカ排紙モードのときには排出口から積載降下トレイ34hsに排出される。ソータ排紙モードのときには、ソートトレイ群34stの、そのとき排出中の用紙が割り当てられたソータトレイに排出される。
ソータ排紙モードが指定されるとフィニッシャ内排紙コントローラは、最下部の重ね待避位置に置いたソートトレイ群34stを、図2上で2点鎖線で示す使用位置に上駆動し、ソータトレイ間の間隔を広げる。ソータ排紙モードでは、1回(一人)の設定枚数の複写又はプリントは、部ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、同一原稿(画像)をプリントした各転写紙をソートトレイ群34stの各トレイに仕分け収納する。頁ソートにソータ排紙モードが設定されているときには、各トレイを各頁(画像)に割り当てて、同一頁をプリントした各転写紙を1つのソートトレイに積載する。
図5に、CDIC14の機能構成の概要を示す。CDIC14は、画像データ入出力制御161、画像データ入力制御162、データ圧縮部163、データ変換部164、パラレルデータI/F165、データ伸長部166、画像データ出力制御167、シリアルデータI/F168、シリアルデータI/F169、コマンド制御170を備え、IPP15及びパラレルバスPb且つシリアルバスSbを介して他の構成と通信を可能にしている。
CDIC14は、画像データ入出力制御161は、カラー原稿スキャナ10(SBU)が出力する画像データを受けて、IPP15に出力する。IPP15は、「スキャナ画像処理」190(図8)をして、CDIC14の画像データ入力制御162に送りだす。画像データ入力制御162が受けたデータは、パラレルバスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部163に於いて、画像データの1次圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、データ変換部164でパラレルデータに変換してパラレルデータI/F165を介してパラレルバスPbへ送出される。パラレルデータバスPbからパラレルデータI/F165を介して入力される画像データは、データ変換部164でシリアル変換される。このデータは、バス転送のために1次圧縮されており、データ伸張部166で伸張される。伸張された画像データは、画像データ出力制御167によってIPP15へ転送される。IPP15では、「画質処理」300(図8)によりRGB画像データをYMCK画像データに変換し、プリンタ100の画像出力用の画像データYpMpCpKpに変換してカラープリンタ100に出力する。
CDIC14は、パラレルバスPbで転送するパラレルデータとシリアルバスSbで転送するシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ1は、パラレルバスPbにデータを転送し、プロセスコントローラ131は、シリアルバスSbにデータを転送する。システムコントローラ1及びプロセスコントローラ131の通信のために、デ−タ変換部164およびシリアルデ−タI/F169で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F168は、IPP15用であり、IPP15ともシリアルデ−タ転送する。
図6に、IMAC13の構成の概略を示す。IMAC13は、アクセス制御172,メモリ制御173,2次圧縮/伸張モジュール176,画像編集モジュール177,データ修整モジュール181,システムI/F179,ローカルバス制御180,パラレルバス制御171,シリアルポート制御175、シリアルポート174およびネットワーク制御178を備えている。2次圧縮/伸張モジュール176,画像編集モジュール177,パラレルバス制御171,シリアルポート制御175およびネットワーク制御178は、それぞれDMAC(ダイレクトメモリアクセス制御)を介してアクセス制御172に接続されている。
システムI/F 179はシステムコントローラ1に対する命令またはデータの送受信をおこなう。基本的に、システムコントローラ1はACP40全体を制御する。また、システムコントローラ1はMEM16,HDD17の資源配分を管理し、他のユニットの制御は、システムI/F 179、パラレルバス制御171およびパラレルバスPbを介しておこなう。
ACP40の各ユニットは基本的にパラレルバスPbに接続されている。したがって、パラレルバス制御171は、バス占有の制御をおこなうことによってシステムコントローラ1およびMEM16,HDD17に対するデータの送受信を管理する。
ネットワーク制御178は、LANとの接続を制御する。ネットワーク制御178は、ネットワークに接続された外部拡張機器に対するデータの送受信を管理する。ここで、システムコントローラ1は、ネットワーク上の接続機器の動作管理には関与しないが、IMAC13におけるインターフェースについては制御をおこなう。特に限定しないが、本実施の形態では、100BASE−Tに対する制御が付加されている。
シリアルバスに接続されるシリアルポート174は複数のポートを備えている。シリアルポート制御175は、用意されているバスの種類に対応する数のポート制御機構を備えている。特に限定しないが、本実施の形態では、USBおよび1284に対するポート制御を行う。また、外部シリアルポートとは別に、操作部とのコマンド受け付けまたは表示に関するデータの送受信の制御を行う。
ローカルバス制御180は、システムコントローラ1を起動させるために必要なRAM4,不揮発メモリ5およびプリンタコードデータを展開するフォントROM6が接続されたローカルシリアルバスRbとのインターフェースをおこなう。
動作制御は、システムI/F179からシステムコントローラ1によるコマンド制御を実施する。データ制御はMEM16,HDD17を中心に、外部ユニットからのMEM16,HDD17へのアクセスを管理する。画像データはCDIC14からパラレルバスPbを介してIMAC13に転送される。そして、その画像データはパラレルバス制御171においてIMAC13内に取り込まれる。
取り込まれた画像データのメモリアクセスは、システムコントローラ1の管理から離れる。すなわち、そのメモリアクセスは、システム制御から独立してダイレクトメモリアクセス制御(DMAC)によりおこなわれる。MEM16,HDD17へのアクセスについて、アクセス制御172は複数ユニットからのアクセス要求の調停をおこなう。そして、メモリ制御173は、MEM16,HDD17のアクセス動作またはデータの読み出し/書き込みを制御する。
ネットワークからMEM16,HDD17へアクセスする場合、ネットワークからネットワーク制御178を介してIMAC13内に取り込まれたデータは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACによりMEM16,HDD17へ転送される。アクセス制御172は、複数ジョブでのMEM16,HDD17へのアクセスの調停をおこなう。メモリ制御173は、MEM16,HDD17に対するデータの読み出し/書き込みをおこなう。
シリアルバスからMEM16,HDD17へアクセスする場合、シリアルポート制御175によりシリアルポート174を介してIMAC13内に取り込まれたデータは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACによりMEM16,HDD17へ転送される。アクセス制御172は、複数ジョブでのMEM16,HDD17へのアクセスの調停をおこなう。メモリ制御173は、MEM16,HDD17に対するデータの読み出し/書き込みをおこなう。
ネットワークまたはシリアルバスに接続されたPCからのプリント出力データは、システムコントローラ1により、ローカルバス上のフオントデータを用いて、MEM16,HDD17内のメモリエリアに展開される。
各外部ユニットとのインターフェースについては、システムコントローラ1が管理する。IMAC13内に取り込まれた後のデータ転送については、図6に示すそれぞれのDMACがメモリアクセスを管理する。この場合、各DMACは、お互いに独立してデータ転送を実行するため、アクセス制御172は、MEM16,HDD17へのアクセスに関するジョブの衝突、または各アクセス要求に対する優先付けをおこなう。
ここで、MEM16,HDD17へのアクセスには、各DMACによるアクセスの他に、格納データのビットマップ展開のためにシステムI/F179を介してシステムコントローラ1からのアクセスも含まれる。アクセス制御172において、MEM16,HDD17へのアクセスが許可されたDMACデータ、またはシステムI/F179からのデータは、メモリ制御173によりMEM16,HDD17に直接転送される。
IMAC13は、その内部でのデータ加工に関して2次圧縮/伸張モジュール176および画像編集モジュール177を有する。2次圧縮/伸張モジュール176は、画像データまたはコードデータをMEM16,HDD17へ有効に蓄積できるようにデータの圧縮および伸張をおこなう。2次圧縮/伸張モジュール176はDMACによりMEM16,HDD17とのインターフェースを制御する。
MEM16,HDD17に一旦格納された画像データは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACによりMEM16,HDD17からメモリ制御173、アクセス制御172を介して2次圧縮/伸張モジュール176に呼び出される。そこでデータ変換された画像データは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACにより、MEM16,HDD17へ戻されるか、外部バスへ出力される。
画像編集モジュール177は、DMACによりMEM16,HDD17を制御し、MEM16,HDD17内のイメージデータのデータ加工をおこなう。具体的には、画像編集モジュール177は、メモリ領域のクリアの他に、データ加工として画像データの回転処理,異なる画像同士の合成などをおこなう。画像編集モジュール177は、MEM16,HDD17から2次圧縮データを読出して2次圧縮/伸張モジュール176で1次圧縮データに伸張し、画像編集モジュール177内で、CDIC14のデータ伸張163と同じ復号化ロジックで1次圧縮データを画像データに伸張して画像編集モジュール177内のメモリに展開し、それを加工する。加工した画像データは、CDIC14の1次圧縮ロジックと同じ符号化ロジックで1次圧縮して、2次圧縮/伸張モジュール176で更に2次圧縮してMEM16,HDD17に書込む。
画像編集モジュール177には、すかしデータ埋込機能177aおよびすかしデータ抽出機能177bがある。イメージファイルの書画情報(画像データ)にすかしを埋め込むときには、システムコントローラ1は、画像編集モジュール177に対象イメージファイルを指定して電子すかし埋込みを指示する。画像編集モジュール177は、該イメージファイルにアクセスするための情報をすかしデータ埋込機能177aに与える。すかしデータ埋込機能177aは、MEM16又はHDD17の該イメージファイルにアクセスして、それにある制御情報を電子すかしデータフレームに書込み、この電子すかしデータフレームのデータ量分の、該イメージファイルの書画情報(画像データ)を、電子すかしデータフレームに置換する。
また、書画情報(画像データ)に電子すかしデータフレームを書き込む方法についてはどのような方法を用いても良い。例えば、本実施の形態において、電子すかしデータフレームとして埋め込む情報を4ビット毎に区切り、さらに最初にフラグとして1ビット加えた5ビットの情報を、5画素毎に最下位のビットに埋め込んでいくこととする。
これにより、抽出する際に、5画素毎に最初の画素の最下位のビットを確認することで、当該5画素に5ビットの情報が埋め込まれているか確認できる。そして埋め込まれていると判断した場合に次からの4画素の最下位のビットの情報を抽出する。これを繰り返すことで電子すかしデータフレームの抽出が可能となる。
イメージファイルの書画情報(画像データ)から電子すかしデータを抽出するときには、システムコントローラ1は、画像編集モジュール177に対象イメージファイルを指定して電子すかしの抽出を指示する。画像編集モジュール177は、該イメージファイルにアクセスするための情報をすかしデータ抽出機能177bに与える。データ抽出機能177bはMEM16又はHDD17の該イメージファイルにアクセスして、その中の書画情報の先端領域に電子すかしデータフレーム(のヘッダー情報:電子すかし識別情報)があるかを検索し、それがあると、電子すかしあり情報と電子すかしデータフレームの制御情報とを出力レジスタに書込んでシステムコントローラ1に出力する。電子すかしデータフレームがないときには電子すかしなし情報を出力レジスタに書込んでシステムコントローラ1に出力する。
図7は、すかしデータ抽出機能177bが保持する電子すかしデータフレームの各ビット、対応する管理情報の項目、及び地紋画像を生成する際の優先順位の対応付けを示した説明図である。本図に示すように1バイト目に電子すかし識別情報を保持している。例えば電子すかし識別情報は、‘0’であれば埋め込まれていないことを示し、‘1’であれば埋め込み済みを示している。そして、2バイト目から管理情報の項目に対応する情報を保持している。このように2バイト目以降に対して予め管理情報の項目及びビット数を設定しておくことで、すかしデータ抽出機能177bは、項目に対応する情報を抽出することができる。抽出したすかしデータは、DMACによりMEM16又はHDD17を制御して、MEM16又はHDD17で保持される。そして、保持されたすかしデータは、「地紋合成2」202又は「地紋合成1」204等から必要な場合に呼び出される。
図7に示すように、各項目と対応付けて埋め込む際の優先順位を保持している。つまり、地紋画像を生成する際に、地紋画像に含めることが可能なデータ量には制限がある。そこで、地紋画像を生成する際に、優先順位に従って埋め込む項目を決定する。これにより、印刷された後には不必要な項目の情報が地紋画像に含まれているにもかかわらず、必要な項目の情報が含まれていないという状況を防止することができる。つまり、適切な情報に基づいて地紋画像を生成することができる。また、優先順位で‘―’と示されている項目は、地紋画像として埋め込む必要のない情報を示している。これにより、必要のない情報が埋め込まれるのを防止することができる。
データ修整モジュール181は、データ削除モジュール181aと、データ追加モジュール181bと、データ変更モジュール181cとを備えている。そして、地紋画像を生成する際に、システムコントローラ1は、地紋画像を生成する前に、データ修整モジュール181に抽出した電子すかしの修整を指示する。そして、データ修整モジュール181は、DMACによりMEM16,HDD17を制御し、MEM16,HDD17に保管されたすかしデータに対して、修整を行う。具体的には、データ修整モジュール181は、地紋画像のデータ容量と各項目のデータ量を比較して、上述した優先順位に従い、データ削除モジュール181aが埋め込むことができない項目の情報を削除する。例えば、図7で示した例では、データ修整モジュール181が、テータ容量により優先順位が6番目までの項目が埋め込み可能と判断した場合、イメージファイル名までが埋め込まれ、ファイルの種類以降の優先順位の項目の情報が埋め込まれないことになる。この場合、データ削除モジュール181aが、ファイルの種類等の埋め込まれない項目の情報を削除する。
また、データ修整モジュール181は、地紋を生成する際に、MEM16,HDD17に保管されているすかしデータに、地紋画像として埋め込むための別の情報を追加しても良い。例えば、イメージファイルが他のPCから入力されている場合、データ追加モジュール181bが、当該イメージファイルから抽出されてMEM16,HDD17に保管されているすかしデータの項目毎の情報に、受信した当該イメージファイルの管理に用いられる管理情報として、受信日時や送信先のPCを特定するIPアドレス等の情報を追加することが考えられる。
また、データ修整モジュール181は、地紋を生成する際に、MEM16、HDD17に保管されているすかしデータに対して変更を加えても良い。例えば、データ変更モジュール181cは、当該イメージファイルの登録日時や、イメージファイルの受信日などを保持していた場合、西暦を示す‘2005’を‘05’に変更して、地紋画像に登録日時として‘05/06/07’が書き込まれる等が考えられる。さらに、地紋画像にランク‘A’、‘B’、‘C’、‘D’が埋め込まれても他の利用者から参照した場合に不明なので、データ変更モジュール181cが、‘印刷不許可文書’、‘重要文書’、‘要注意文書’、‘通常文書’に変更する等が考えられる。
また、データ変更モジュール181cは、言語コードに応じて当該すかしデータの変更処理も行う。この言語コードは、操作ボード20の液晶タッチパネル79に日本語又は英語等を切り替えるために用いられているものとする。この言語コードを用いることで、データ変更モジュール181cの修整により、利用者が認識できる言語で記載された地紋画像が生成される。例えば、データ変更モジュール181cは、言語コードが日本語を示している場合、登録日時を‘05/06/07’(年/月/日)に変更し、言語コードが英語を示している場合、登録日時を‘07/06/05’(日/月/年)に変更する。
また、データ修整モジュール181は、利用者が操作ボード20から入力した設定に基づいて、地紋画像を生成する際のレイアウト等を変更指定も良い。具体的には、利用者が操作ボード20で重畳する対象となるイメージファイルを参照し、地紋画像のどの位置に文字等を配置するか指示した場合に、この指示に基づいて地紋画像の文字等が配置されるようにデータ修整モジュール181がデータの修整を行う。また、レイアウトを地紋画像を生成する際に必要なレイアウト情報を生成して保持することにしても良い。
また、本実施の形態とは異なるが、データ修整モジュール181は、地紋を生成する際にHDD17に保管されているすかしデータを識別する識別IDを生成し、当該識別IDを地紋画像に埋め込んでも良い。つまり、すかしデータを、識別IDに変更してから、当該識別IDが埋め込まれた地紋画像に重畳しても良い。例えば、この場合に、アクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)をイメージファイルのヘッダ又はフッタに付加する。そして、利用者は、地紋画像が重畳されたイメージファイルが印刷された場合、利用者が印刷されたイメージファイルに付加されたURLに対してアクセスし、地紋画像とし埋め込まれた識別IDを入力することで、すかしデータを参照することができる。これにより印刷された場合でも、電子すかしとして埋め込まれていたデータを取得することができる。
図8に、IPP15の画像処理概略を示す。読み取り画像はSBU,CDIC14を介してIPP15の入力I/F(インターフェース)から「スキャナ画像処理」190へ伝達される。この「スキャナ画像処理」190は、読み取り画像信号の読み取り劣化補正が目的で、シェーディング補正を行った後にスキャナガンマ変換等を行った後にCDIC14にデータは転送されて、MEM16での蓄積が行われる。MEM16に蓄積し、そして読み出された画像データは、CDIC14を経由して再びIPP15に転送される。そして「画質処理」300が行われる。
MEM16又はHDD17のイメージファイルを、ネットワークを介して外部機器である情報処理手段たとえばPC1に転送するとき、システムコントローラ1は、IMAC13の画像編集モジュール177を使用して該イメージファイルにある書画情報に電子すかしデータがあるかを検索させて、それがあるとすかしデータ抽出機能177bが抽出して出力してくる管理情報に対応した内容の地紋画像を、IPP15の地紋合成機能「地紋合成2」202を用いて、該イメージファイルの画像に合成する。PC1に転送するイメージファイルの画像情報は、文書データ(テキストデータ)の場合があればイメージデータ(画素データ)の場合も有る。いずれのデータの場合でも、地紋画像を合成する場合、地紋画像レイヤーを対象画像面にレイヤーの重畳で重ねる合成法を用いるのが、合成が容易である。したがって本願発明ではこのレイヤー重畳態様を排除しようとするものではない。しかし、PC1における故意の地紋画像の削除を困難にして地紋担持の信頼性を高めるために、本実施の形態では、「地紋合成2」202は、地紋付加対象データがイメージデータである場合にはそれを、文書データである場合には文書データをフォントROMを用いてイメージに変換してから、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理で1画素1ビットの画像データに変換し、1画素1ビットの地紋画像データと合成する。すなわち論理和演算によって、地紋付加対象画像と地紋画像のいずれかの像成分がある画素を像成分ありビットとする。
図9に、IPP15の画像処理機能の概要を示す。IPP15は、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離)193,地肌除去194,スキャナガンマ変換195,フィルタ196,「地紋合成2」202,色補正302,変倍303,画像加工304,プリンタガンマ変換305,階調処理306及び「地紋合成1」204を行う。
また、IPP15は、スキャナ画像処理190のためのインターフェイスとして入力インターフェイス191と、出力インターフェイス197を、「地紋合成2」202のためのインターフェイスとして、入力インターフェイス201と、出力インターフェイス203を、プリンタ画質処理300のためのインターフェイスとして入力インタフェイスと出力インターフェイス307を、さらに備えている。
また、IPP15は画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段である。カラー原稿スキャナ10の出力I/F12からCDIC14に入力された画像データは、CDIC14を経由してIPP15に転送され、IPP15にて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、再度、CDIC14へ出力(送信)される。CDIC14からIPP15へ戻される画像データに対して、IPP15においては、「画質処理」300を行う。「画質処理」300では、色補正302でRGB信号をYMCK信号に色変換し、変倍303,画像加工304,プリンタガンマ変換305および、階調変換,ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理306、および指示があれば「地紋合成1」204、などをおこなう。
PC1などの外部機器から、あるいは操作ボード20から、MEM16又はHDD17のイメージファイルの印刷が指示されると、システムコントローラ1は、IMAC13の画像編集モジュール177を使用して該イメージファイルにある書画情報に電子すかしデータがあるかを検索させて、それがあるとすかしデータ抽出機能177bが抽出して出力してくる管理情報に対応する地紋画像を、IPP15の地紋合成機能「地紋合成1」204を用いて、該イメージファイルの画像に合成する。この「地紋合成1」204の前の階調処理306で地紋付加対象の画像データは1画素1ビットの印刷データに変換するので、「地紋合成1」204では、各画素ビットに、地紋画像データの1画素1ビットを合成する。すなわちビット同士の論理和演算によって、地紋付加対象画像と地紋画像のいずれかの像成分がある画素を像成分ありビットとする。
次に「地紋合成1」204について説明する。図10は、実施の形態にかかる「地紋合成1」204の構成を示した機能ブロック図である。本図に示すように、「地紋合成1」204は、「地紋生成1」204aと、「地紋重畳1」204bと、を備え、抽出した電子すかしに対応した内容の地紋画像を生成し、生成した地紋画像をイメージファイルの画像に重畳する。なお、「地紋合成2」202も同様に、「地紋生成2」202aと、「地紋重畳2」202bと、を備え、「地紋合成1」204と同様の処理を行うので、説明を省略する。
「地紋生成1」204aは、MEM16又はHDD17で保持しているすかしデータに対応した内容の地紋画像を生成する。「地紋重畳1」204bは、生成された地紋画像とイメージファイルを重畳する。また、本実施の形態において、すかしデータに対応した内容の地紋画像とは、利用者が視覚により確認可能なすかしデータが含まれている地紋画像を示す。具体的な例を示すと、地紋画像が重畳されたイメージファイルを印刷した後、この印刷物を複写することで、MEM16又はHDD17で保持されていたすかしデータが文字として顕現するので、利用者が視覚で確認できる。
図11は、「地紋合成1」204による地紋パターンの生成過程のメモリ上のデータ展開を示した説明図である。まず、「地紋合成1」204の「地紋生成1」204aは、生成するために必要な領域をメモリ(RAM4)上に確保する。次に、「地紋生成1」204aは、確保された領域を用いて、「地紋生成1」204aが予め保持している地紋複写消去パターンを、図11(A)で示したビットマップ展開を行う。それに並行して、「地紋生成1」204aは、複写抑制文字の作成を行う。前述したように、地紋画像として埋め込むデータは、MEM16又はHDD17に保管されている。そこで、「地紋生成1」204aは、これらのデータを取得する。次に、「地紋生成1」204aは、取得した文字列を所定のフォントおよび大きさ、傾きのビットマップデータで、図11(B)に示した展開を行う。さらに、「地紋生成1」204aは、地紋複写残存パターンを、図11(C)に示すようにビットマップ展開する。なお、当然ながら、図11(A)、図11(B)、図11(C)で示された各々の画像の領域は、別領域に展開される。
そして、「地紋生成1」204aは、複写抑制文字となる文字列のビットマップデータと地紋複写残存パターンのビットマップデータとのAND処理を行い、図11(D)で示した複写抑制文字を生成する。次に、「地紋生成1」204aは、このように作成された複写抑制文字のビットマップデータを、前述した地紋複写残存パターンを展開した領域の所定位置に上書きすることで、図11(E)で示した地紋画像を作成する。
そして、「地紋重畳1」204bは、作成された地紋画像と、イメージファイルの書画情報(画像データ)を重畳する。
次に、「地紋生成1」204a又は「地紋生成2」202aで生成される地紋画像について説明する。作成された地紋画像と書画情報が重畳されたイメージファイルが印刷された段階では、地紋画像として埋め込まれた文字等が顕著に目立つわけではない。例えば、この図11(E)に示した地紋画像が重畳されたイメージファイルが印刷された後では文字「特許」は利用者にとっては確認が困難である。そして、当該印刷物を複写した場合、当該複写物には、白地に文字「特許」が顕現する。これは、地紋画像複写消去パターンが複写段階で消去され、地紋画像複写残存パターンが複写された後でも残存するためである。なお、地紋画像複写残存パターン及び地紋複写消去パターンは、周知のパターンを問わず、どのようなパターンを用いても良い。
さらに、本実施の形態では、地紋画像として、印刷された後で複写前には利用者が確認することが困難であり、複写された後に文字等が顕現する画像とした。しかしながら、複写する前、つまり印刷された後であれば利用者が確認できるような模様パターンを用いて文字情報を付加しても良い。この場合でも、付加された文字情報等を確認できるので、電子すかしとして埋め込まれていた情報を、印刷等された場合でも保持することができることとなる。
この場合、地紋画像は、管理ランクA,B,C,Dおよび管理ランクなしのそれぞれに対応して、管理ランクが上位の背景画像ほど、背景画像濃度が高くしかも色彩もあざやかにしてもよい。これにより、注意喚起効果および印刷,複写のときの情報毀損効果が高い。これらの管理ランクA,B,C,Dおよび管理ランクなしのそれぞれに対応づけられた地紋画像は各ランクあてに数個がHDD17に登録されており、数個の中の1個が1つの管理ランクに選択設定されている。この設定は操作ボード20の初期設定機能を使用して変更できる。
図12は、生成された地紋画像の一例を示した説明図である。本図に示すように、地紋画像には、すかしデータとしてイメージファイル内に含まれていたデータ等の文字情報が地紋として記載されている。これら文字情報等は、地紋複写残存パターンで記載され、背景は地紋複写消去パターンで記載されている。これによりすかしデータとして保持していたデータを印刷等された場合でも保持し続けて、利用者が確認することが可能となった。
図13は、図12で示した地紋画像が付加された印刷物を複写した複写物の例を示した図である。本図に示すように、背景に付加されていた地紋複写消去パターンが消去され、地紋複写残存パターンで記載されていた文字情報等が残ることとなった。これにより、複写時に、埋め込まれていた文字情報等が顕現するので、イメージファイルと対応付けて管理されていた情報を確認することが可能となる。この情報はそもそも、電子すかしとして埋め込まれていた情報を抽出し、抽出した情報を地紋画像として埋め込みするために修整を行ったものである。つまり、電子すかしとして埋め込まれていた情報が、電子すかしを認識できる装置の外でも、電子すかしとして管理していた情報を確認することが出来るようになった。
また、上述したよう本実施の形態とは形態として、地紋画像として識別IDを付加し、ヘッダ又はフッタにアクセスするためのURLを記載することも考えられる。図14は、地紋画像として識別IDが付加され且つフッタにURLが記載された画像の一例を示した図である。本図に示すように、アクセスするためのURLが記載されているので、利用者がこの画像又は印刷物の流出元が何処であるのか確認することができる。さらに、このURLにアクセスして、識別IDを入力することで、対応付けられた管理情報等を参照することができる。
これにより、地紋画像として識別IDを埋め込むこととしたので、複写機A1に対して識別IDに基づいて情報を要求することで、すかしデータとして保持していた情報を送信することで、他の装置又は利用者がすかしデータとして保持していた情報を容易に取得できる。
このように、すかしデータ又はすかしデータが特定可能な情報を、文字として重畳することで、認識するための特別な装置によらずに、埋め込まれた情報を認識することができる。つまり、電子すかしを認識できない環境であっても、予め画像に電子すかしとして保持していた情報を取得することができる。
地紋画像を合成するときシステムコントローラ1は、管理情報の中の管理ランク情報に対応する、HDD17にある地紋画像を指定するデータをIPP15(「地紋合成2」2202又は「地紋合成1」204)に与えると共に、IMAC13によって管理情報(テキストデータ)をフォントROM6を使用するイメージデータ(画素ビット)に変換してIPP15に出力させる。IPP15は、地紋画像に管理情報を重畳したイメージ画像を、合成対象のイメージ画像と合成する。
図15に、図1に示すシステムコントローラ1の、画像処理制御の概要を示す。複写機A1に電源が投入されて、図示しない電源回路から動作電圧が印加されると(ステップS1)、システムコントローラ1は、電源オン応答の初期化処理(ステップS2)を実行して、操作ボード20の液晶タッチパネル79には、操作ボード20のCPU(図示せず)を介して、図16に示すような、デフォルト(標準)に設定された、コピーモードの入力待機画面を表示する(ステップS3)。
なお、以下においては、カッコ内にはステップという語を省略して、ステップ番号数字のみを記す。また、システムコントローラ1は、操作ボード20への入力の読み取りおよび操作ボード20の表示の切り換えは、操作ボード20内のCPUを介して行うが、以下においては、該CPUを介して行うとの記述は省略して操作ボード20が行うと記述する。
次にシステムコントローラ1は、操作ボード20の入力あるいはPC1からのコマンドを待ちそれがあると読み込んで解読する(ステップS4)。
図16に示す様に、操作ボード20には、液晶タッチパネル79のほかに、テンキー80a,クリア/ストップキー80b,スタートキー80c,初期設定キー80d,モードクリアキー80e,テスト印刷キー80fがある。テスト印刷キー80fは、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。初期設定キー80dを押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−80dが操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「パスワード登録」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択キーが表示される。また、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等も選択する事、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定や、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定する事が可能である。
液晶タッチパネル79には、各種機能キー及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル79には、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能選択用および実行中を表わす機能選択キー80gが表示される。なお、蓄積機能は、カラー原稿スキャナ10で読み取った原稿の画像データ,ファクシミリ受信データおよびPCからのイメージデータをHDD17の蓄積領域に記憶する機能であるが、液晶タッチパネル79上の「蓄積」キーは、蓄積ファイルにアクセス(ファイル名,属性情報およびサムネール画像確認のための検索表示)するための操作キーである。登録機能は、HDD17の登録領域に記憶する機能であり、HDD17の蓄積領域に記憶したイメージファイルのうち、多くのユーザが使用する共通性が高いイメージファイルや、長期保存したいイメージファイルや、特別な管理を設定したいイメージファイルをHDD17の登録領域に記憶する機能である。液晶タッチパネル79上の「登録」キーは、この登録機能を起動するための操作キーである。
液晶タッチパネル79には、機能選択キー80gで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、図16に示すように、機能キー79a,79bならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。オペレータが液晶タッチパネル79に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが灰色に反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
図15を再度参照する。「入力読み取り」(ステップS4)で機能選択キー80gの「読み取り」キーに操作(タッチ)があったことを読み取る(ステップS5)とシステムコントローラ1は、液晶ディスプレイ79に、「読み取り」入力画面を表示して(ステップS6)、「読み取り」(ステップS7)を実行する。図17に、「読み取り」入力画面を示す。「読み取り」(ステップS7)の内容は図18を参照して後述する。
図15の「入力読み取り」(ステップS4)で機能選択キー80gの「登録」キーに操作があったことを読み取る(ステップS8)とシステムコントローラ1は、液晶ディスプレイ79に、「登録」入力画面を表示して(ステップS9)、「登録」(ステップS10)を実行する。「登録」の入力画面は、HDD17上の登録先,登録するイメージファイルの名称および書画情報の情報形態を入力するようになっている。「登録」(ステップS10)の内容は図19を参照して後述する。
図15の「入力読み取り」(ステップS4)で機能選択キー80gの「印刷」キーに操作があったことを読み取る(ステップS11)とシステムコントローラ1は、液晶ディスプレイ79に、「印刷」入力画面を表示して(ステップS12)、「印刷」(ステップS13)を実行する。図20に、ユーザが機能選択キー80gの中の「印刷」にタッチし、そして、HDD17の蓄積/登録ファイルの1つを指定したときの、液晶タッチパネル79の表示を示す。「印刷」(ステップS13)の内容は図21を参照して後述する。
図15の「入力読み取り」(ステップS4)でPC1000からのコマンドを読み込むと、システムコントローラ1は、「PCアプリケーション」(ステップS15)を実行する。この内容は図22,図23を参照して後述する。
図18を参照して、図15で示したステップS7の「読み取り」の内容を説明する。液晶ディスプレイ79に「読み取り」入力画面(図17)を表示して「読み取り」(ステップS7)に進むと、システムコントローラ1は、HDD17の蓄積領域にイメージファイルを生成して(ステップS1701)、液晶ディスプレイ79へのユーザの管理ランク入力を読み込む(ステップS1702)。「読み取り」入力画面(図17)に表示上の「管理ランク」は、カラー原稿スキャナ10で読み取ったイメージデータに付す管理情報の一種であり、本実施の形態では、ランクはA〜Dの4種であり、これらのランクには次の管理内容を宛てている;
ランクA:印刷禁止,
ランクB:ユーザ認証が成立する場合印刷;不成立では印刷禁止,
ランクC:印刷が管理されているとの注意,
ランクD:印刷フリー(管理なし)
図17は、管理ランクに、デフォルトのランクAが指定されている状態を示す。デフォルトをどのランクにするかも、初期設定キー80dを用いる初期設定によって、変更できる。図17に示すランクBのボタンにユーザがタッチすると、ランクAのボタンが非指定の白に切り換えられ、ランクBのボタンが指定中である灰色表示に切り換えられ、操作ボード20の入力レジスタのランク指定情報が、ランクAを示すものからランクBを示すものに更新される。
図18を再度参照する。上述の管理ランクの枠内への入力を終えてユーザが操作ボード20のスタートキー80cを操作すると、システムコントローラ1は、操作ボード20の入力レジスタのデータを読み込み(ステップS1702)、カラー原稿スキャナ10による画像読み取りとメモリMEM16への読み取り画像データの書込みを行う(ステップS1703)。そして読み込んだ画像データに対する管理情報を生成して、HDD17上の蓄積領域に今回生成したイメージファイルに書込む(ステップS1704)。管理情報は、イメージファイル名,ファイルの種類,頁数,複写機A1上のディレクトリ,管理ランク,出所(ユーザID,A1のID),転送元,登録日時および編集履歴を含む。出所の中のA1のIDは、複写機A1のドメイン名+個体名(グローバルIPアドレス+プライベートIPアドレス)、である。転送元は書画情報を送信してきたデバイス(例えばPC)のドメイン名+個体名である。編集履歴は、上記管理情報データの内容の中の、編集履歴を除くものの変更およびその日時、並びに、ファイル内書画情報の編集(変更)およびその日時である。
次にシステムコントローラ1は、管理情報の電子すかしデータを生成して(ステップS1705)、メモリMEM16に書き込んだ画像データに該電子すかしデータを埋め込む(ステップS1706)。そして、すかしを埋め込んだ画像データを、HDD17上の蓄積領域に今回生成したイメージファイルに書込む。そして、管理情報の内容をディスプレイ79に表示する(ステップS1708)。したがって、HDD17上の蓄積領域に今回生成したイメージファイルには、同一の管理情報が、管理情報データそのものの形態と、画像データに埋込まれた電子すかしの形態で、二重に含まれている。
図19を参照して、図15で示したステップS10の「登録」の内容を説明する。液晶ディスプレイ79に「登録」入力画面を表示して「登録」(ステップS10)に進むと、システムコントローラ1は、「登録」入力画面の、「登録先」指定ブロックには複合機能複写機A1の名称(略号)を表示し、「ファイル名」指定ブロックには、HDD17上の蓄積領域にあるイメージファイルリストの最後尾のファイル名を表示し、「ファイルの種類」指定ブロックには、表示したファイル名のファイルにある画像データのデータ形式を表示する(ステップS21)。なお登録先には、自機(A1)の他に、LAN又は広域通信網Bに接続したサーバ又はPCを指定することができる。これらのサーバ,PCは自機(A1)に登録されているものであり、「登録先」指定ブロックの右端にあるスクロールキーを操作することにより「登録先」指定ブロックに切換え表示される。「ファイル名」指定ブロックのファイル名も、スクロールキーを操作することにより別のものに切換えできる。また「ファイルの種類」もスクロールキーを操作することにより別のものに切換えできる。
そして、これらの「登録先」、「ファイル名」及び「ファイルの種類」等が利用者から変更されたことを受け付けた場合、変更された内容を読み込む(ステップS22)。
ユーザが「登録」入力画面(図17)の「登録」キーの操作を受け付けると(ステップS23)、メインコントローラはそのときの「登録」入力画面の設定(入力)を読み込む。液晶ディスプレイ79にパスワード照合画面をポップアップ表示する(ステップS24)。そしてユーザが入力するパスワードが、指定ファイル名のイメージファイルの管理情報にあるパスワードと合致するか否か判断する(ステップS25)。そして、合致すると判断した場合(ステップS25:Yes)、該管理情報を今回の入力を反映したものに変更した管理情報を生成する(ステップS26)。そして、更新した管理情報のイメージファイルを生成する。すなわち、更新した管理情報データおよび該管理情報の電子すかしデータを埋め込んだ画像データを格納したイメージファイルを生成する(ステップS27)。そして該イメージファイルを登録先に登録する(ステップS28)。登録先が自機(A1)である場合には、HDD17の登録領域に登録する。そしてHDD17の蓄積領域にある元のイメージファイルは消去する(ステップS29)。
図21を参照して、図15で示したステップS13の「印刷」の内容を説明する。液晶ディスプレイ79に「印刷」入力画面(図20)を表示して液晶ディスプレイ79にはHDD17の蓄積領域および登録領域のファイルリストを表示し、ユーザが1つのファイルを指定し、そしてパスワード照合を適正に終えてからユーザがスタートキーを操作すると、これに応答してシステムコントローラ1が図21に示す「印刷」(ステップS13)に進む。そして印刷指定画像の電子すかしデータを抽出する(ステップS31)。そして、すかしがあるか否か判断する(ステップS32)。すかしがあるとそれが表わす管理情報をすかしから復元する(ステップS33)。すかしがないとイメージファイルの管理情報を摘出する(ステップS34)。
システムコントローラ1は、管理情報のランクデータが管理ランクAであるか否か判断する(ステップS35)。管理ランクAの場合(ステップS35)、システムコントローラ1は、管理ランクAに割り付けてHDD17に登録されている報知情報「指示された文書は印刷禁止です。印刷しません。」を液晶ディスプレイ79に表示する制御を行い(ステップS48)、HDD17の管理領域に、該イメージファイルの印刷指示拒絶を登録する(ステップS43)。
そして、管理ランクAでない場合(ステップS35:No)、システムコントローラ1は、管理ランクBであるか否か判断する(ステップS36)。
管理情報のランクデータが管理ランクBである場合(ステップS36:Yes)、システムコントローラ1は、管理ランクBに割り付けてHDD17に登録されている報知情報「パスワードを入力してください。」を液晶ディスプレイ79に表示する(ステップS37)。ユーザがパスワードを入力すると、それがシステムコントローラ1内の不揮発メモリに登録されたものと合致するかチェツクする(ステップS38)。
パスワードが合致している場合(ステップS38:Yes)、システムコントローラ1は、イメージファイルに電子すかしが含まれているか否か判断する(ステップS39)。
すかしがある場合(ステップS39:Yes)、システムコントローラ1の指示により、IMAC13内のデータ修整モジュール181が、該すかしを、重畳に適したデータに修整する(ステップS40)。そして、該すかし対応する地紋画像を「地紋生成1」204a(図10)が生成する(ステップS41)。その後、「地紋重畳1」204bが、生成した地紋画像と書画情報(画像データ)と重畳して、印刷対象画像を生成する(ステップS42)。
その後、生成された印刷対象画像を、プリンタ100に出力する(ステップS43)。印刷を終えるとシステムコントローラ1は、HDD17の書画情報管理テーブルに、印刷したイメージファイルのファイルID,書画処理ID(印刷完了を表わすデータ)及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS44)。
ユーザがパスワードを入力しなかったとき、並びに、パスワードが登録のものと相違するときには、システムコントローラ1は、管理ランクBの認証エラーに割り付けてHDD17に登録されている報知情報「適正なパスワードがなく印刷禁止です。印刷しません。」を液晶ディスプレイ79に表示して(ステップS49)、HDD17の書画情報管理テーブルに、印刷指定されたイメージファイルのファイルID,書画処理ID(印刷の拒絶を表わすデータ)及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS44)。
そして、管理ランクBでない場合(ステップS36:No)、システムコントローラ1は、管理ランクCであるか否か判断する(ステップS45)。
管理情報のランクデータが管理ランクCである場合(ステップS45:Yes)、システムコントローラ1は、管理ランクCに割り付けてHDD17に登録されている報知情報「プリントを所属箇所以外に持ち出すと処罰があります。これに同意しますか?−Y― ―N−」を液晶ディスプレイ79に表示する(ステップS46)。そして、利用者から了解された旨か否かの入力を受け付ける(ステップS47)。
‘−Y−(YES)’が入力を受け付けた場合(ステップS47:Yes)、上述した処理と同様に印刷して情報を更新するまでの処理が行われる(ステップS39〜S44)。また、‘−N−(NO)’が入力されると印刷を拒絶する(ステップS49、ステップS44)。
そして、管理ランクCでない場合(ステップS45:No)、システムコントローラ1は、管理ランクDであるか否か判断する(ステップS48)。
管理情報のランクデータが管理ランクDである場合(ステップS48:Yes)、システムコントローラ1は、上述した処理と同様に書画情報をプリンタ100で印刷する(ステップS39〜ステップS44)。管理ランクA〜Dのいずれとも抽出できなかった場合(ステップS48:No)には、システムコントローラ1は、「プリンタは使用禁止です。印刷しません。」を液晶パネル79に表示し(ステップS49)、管理情報を更新して終了する(ステップS44)。
図22および図23を参照して「PCアプリケーション」(ステップS15)の内容を説明する。システムコントローラ1は、PCから書画転送要求コマンドがあると、コマンドの中のPCのID(識別コード;PC名称)及びユーザID(識別コード;ユーザ名称)をシステムコントローラ1の内部メモリにセーブ(格納;記憶)する。そして、HDD17上の指定されたイメージファイルの画像データにすかしデータがあるかをIMAC13の画像編集モジュール177で確認する(ステップS91)。
すかしデータがある場合(ステップS91:Yes)、システムコントローラ1の指示により、IMAC13内のデータ修整モジュール181が、該すかしを、重畳に適したデータに修整する(ステップS92)。IPP15の「地紋生成2」202aがすかしデータに対応する地紋画像を生成する(ステップS93)。その後、「地紋重畳2」202bが、生成した地紋画像とイメージファイルを重畳して、地紋画像が重畳されたイメージファイルを生成する(ステップS94)。その後、PCに転送する(ステップS95)。
すかしがない場合(ステップS91:No)には、イメージファイルをそのままPCに転送する(ステップS97)。そして、いずれの場合にも、システムコントローラ1は、HDD17の書画情報管理テーブルに、送信したイメージファイルのファイルID,書画処理ID(PCへの送出を表わすデータ),転送を要求したPCのID及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS98)。
PCからのコマンドが、スキャナ読み取り&転送要求であると、システムコントローラ1は、操作ボード20からの読み取り指示に応答した図18に示す「読み取り」(ステップS7)の場合と同様にイメージファイルを生成し画像を読み取って画像データにすかしを埋め込んでイメージファイルに格納する(ステップS51〜57)。そしてPCに転送し(ステップS58)、HDD17の書画情報管理テーブルに、送信したイメージファイルのファイルID,書画処理ID(PCへの送出を表わすデータ),転送を要求したPCのID及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS98)。
PCからのコマンドが、PCからイメージファイルの印刷指示であると、システムコントローラ1は、IMAC13(の画像編集モジュール177)ですかし抽出を実施して、PC書画の画像データに埋め込まれたすかしデータを抽出し(ステップS81)、PCが転送してきたイメージファイルをHDD17に蓄積する(ステップS82)。そしてすかしの管理情報を抽出し、すかしがあるか否か判断し(ステップS62)、ない場合にはイメージファイルの管理情報を摘出し(ステップS64)、ある場合はすかしの管理情報を摘出する(ステップS63)。
そして、先に説明した、操作ボード20からの指示に応答する、図21に示す「印刷」(ステップS13)と同様に、管理ランク情報,パスワード照合に応じた印刷あるいは印刷拒絶を行う(ステップS65〜S78)。そして、HDD17の書画情報管理テーブルに、印刷指定されたイメージファイルのファイルID,書画処理ID(印刷,印刷拒絶),PCのID及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS98)。
PCからのコマンドが、HDD17上のイメージファイルの印刷要求であった場合には、前述のステップ91と同様に画像データのすかしを抽出する(ステップS61)。そして、先に説明した、操作ボード20からの指示に応答する、図21に示す「印刷」(ステップS13)と同様に、管理ランク情報,パスワード照合に応じた印刷あるいは印刷拒絶を行う(ステップS62〜S78)。そして、HDD17の書画情報管理テーブルに、印刷指定されたイメージファイルのファイルID,書画処理ID(印刷,印刷拒絶),PCのID及びユーザIDを、日時情報とともに書込む(ステップS97)。
図1に示すPC1000には、複写機A1を使用するアプリケーション(プログラム)が格納されており、該アプリケーションを起動して操作入力画面から、複写機A1を用いるコピー,複写機A1のカラー原稿スキャナ10を用いる原稿読み取り(&PC1への転送又はA1のHDD17への蓄積/登録),A1のHDD17の蓄積/登録書画の印刷,PC1上画像の印刷,複写機A1を用いるファクシミリ送信/受信印刷,PC上画像のA1への蓄積/登録,複写機A1のHDD17の登録済イメージファイルの読み込み、および、複写機A1のHDD17のイメージファイルの編集を指示することができる。大要では、PC1のディスプレイに表示される操作入力画面の入出力機能は操作ボード20と同等であり、操作ボード20を操作して可能な入出力操作を、PC1000においてもパソコンディスプレイ上で同様に行うことができる。この場合、入力はマウスおよびキーボードで行う。
図24に、PC1000にロードした、上記複写機A1を使用する「ドキュメントアプリケーション」DUAの処理概要を示す。「ドキュメントアプリケーション」DUAを起動すると、該アプリケーションDUAがPC1000のディスプレイに図25に示す入力画面を表示する(ステップS101)。このとき、「ファイル」が初期表示に設定されていると、アプリケーションDUAにイメージファイルのデータベースとしてリンクが設定された複合機能複写機A1から、A1のHDD17にあるイメージファイルのリストを取り寄せて入力画面に書き込み表示する。このリストを表示した状態を、図25は示す。ここでユーザのフアイル指定があるとアプリケーションDUAは、指定があったイメージファイルを複写機A1からダウンロードしてイメージファイルを開き(ステップS102〜105)、複合機能複写機A1のすかしデータ抽出機能177bと同一の機能によってイメージファイル内の画像データに埋め込まれたすかしデータを抽出し、抽出に成功すると(すかしデータがあると)、すかしデータをレジスタにセーブし、画像データからはすかしデータを削除する。そして、すかしデータに含まれる管理情報(すかしがない場合にはイメージファイルの管理情報)の管理ランクに対応してパスワードを照合する(ステップS106)。パスワード照合の必要性がないイメージファイルの場合、ならびにユーザが入力したパスワードが複合機能複写機A1に登録されたパスワードに合致する場合、画像データを表示メモリに展開してPC1のディスプレイに表示する(ステップS107)。そしてその後、表示中の画像に対して印刷指示があると、アプリケーションDUAは、表示中の画像の印刷データファイルを生成して、該画像に関して抽出しているすかしデータがあると、画像データはすかしデータを加えて印刷データファイルに格納して(ステップS108〜111)、印刷データファイル(印刷コマンド)を複合機A1に転送する(ステップS112)。この転送を受けると複合機A1のシステムコントローラ1は、図23のステップS81以下を実行する。
図25に示す入力画面の「読み取り」が指定されるとアプリケーションDUAは、PC1のディスプレイに、図17に示す読み取り入力画面と同様な入力画面を表示する(ステップS115)。そして入力画面に対するユーザの入力を読み込み、スタート指示が入力されると、読み取り入力画面で入力されたデータと共に読み取り指示を複合機A1に送信する。複合機A1のシステムコントローラ1は、図22のステップS51以下の原稿画像読み取りを行ってイメージファイルを生成してHDD17に蓄積すると共に、PC1にイメージファイルを転送する。
図25に示す入力画面の「登録」が指定されるとアプリケーションDUAは、図25に示す操作画面と同様な登録入力画面を表示する。登録入力画面は、図25に示す入力画面の「ファイル」ではなく、「登録」が選択済表示となっているものである。ユーザが蓄積ファイルリスト上のイメージファイルを指定してスタートを指示すると、アプリケーションDUAが指定イメージファイルの登録を複合機A1に指示する。複合機A1のシステムコントローラ1は、図19の「登録」(ステップS10)のステップS23以下の処理と同様な処理によって、パスワード照合などの管理情報によって規定される条件が満たされると、指定イメージファイルをHDD17の登録領域に格納し、蓄積領域からは削除する。
図25に示す入力画面の「印刷」が指定されるとアプリケーションDUAは、図25に示す操作画面と同様な印刷入力画面を表示する。印刷入力画面は、図25に示す入力画面の「ファイル」ではなく、「印刷」が選択済表示となっているものである。ユーザが蓄積ファイルリスト又は登録ファイルリストのイメージファイルを指定してスタートを指示すると、アプリケーションDUAが指定イメージファイルの印刷を複合機A1に指示する。複合機A1のシステムコントローラ1は、図23のステップ61以下の処理と同様な処理によって、パスワード照合などの管理情報によって規定される条件が満たされると、指定イメージファイルの画像を印刷する。
上述した実施の形態では、すかしデータに対応する地紋画像のデータを、書画情報に重畳することとした。これにより、出力された後では通常は視認できないにもかかわらず、複写することで参照可能になるので、電子すかしと同様に通常は埋め込まれた情報を参照できないが、埋め込まれた情報が必要な場合、複写することで埋め込まれていたすかしデータを利用することができることになる。
上述した実施の形態では、地紋画像としてすかしデータを文字として地紋画像を生成したが、このような地紋画像に制限するものではない。つまり、他の装置又は利用者等に認識できるような地紋画像であればどのような画像でもよい。
また、上述した実施の形態は、イメージファイルの書画情報(画像データ)への重畳に用いられる画像データを地紋画像のデータに制限するものではない。
本実施の形態とは異なる例としては、重畳に用いられる画像データを、視覚的に認識できる画像データを重畳しても良い。視覚的に認識できる画像データとは、特殊な装置を用いずとも利用者等が参照して内容が把握できる画像データとする。この視覚的に認識できる画像データとしては、例えば、スタンプ、アイコン又はDATE表示等のような文字情報を付記的に示した画像等が考えられる。これにより、重畳されたイメージファイルが印刷された後、利用者が印刷物を参照することで、電子すかしとして埋め込まれていた内容を把握できる。
このように、電子すかしに対応する視覚的に認識できる画像を、イメージファイルの画像に重畳することで、本実施の形態にかかる複写機A1等による当該電子すかしの読み取り及び抽出できる装置で運用されているシステムの外に出力された場合でもシステム内で電子すかしとして埋め込まれていた情報を、利用者が視覚的に認識できる。
また、画像形成装置等のタッチパネルから、地紋画像と、視覚的に認識できる画像データのいずれかを重畳に用いるか選択可能にしても良い。
また、本実施の形態では、すかしデータの修整として、データの削除、データの追加、データに変更のうちいずれか1つ以上を行うこととしたが、すかしデータの修整をこれらに制限するものではない。
また、本実施の形態では、すかしデータとして管理していたデータが地紋画像として保持されたので、電子すかしとして保持していた情報を、電子すかしを認識できなくとも取得することを可能になった。
また、本実施の形態では、複写機A1及び当該複写機A1で用いた方法による電子すかしの抽出及び埋め込みで運用されているシステムの外でも、システム内で電子すかしとして埋め込まれていた情報を利用者が認識できるので、当該情報を利用することが可能になる。また、例えば、重畳された画像に含まれている著作者の名前を利用者に参照させる等により当該画像が重畳された印刷物の無断複写等を防止することが可能となるので、電子すかしの抽出や埋め込みで運用されているシステムの外でも、偽造防止や著作権侵害を防止する抑止力を及ぼすようことができる。
また、本実施の形態では、データ修整モジュール181が、MEM16又はHDD17で保持しているすかしデータに対して修整を行ってから、すかしデータに対応した地紋画像を生成することとしたので、地紋画像の生成に適切なすかしデータとする修整が行われるので、地紋画像の有用性が向上する。また、このデータ修整モジュール181に含まれているデータ削除モジュール181aによれば、地紋画像を生成する際に不要なデータを削除すると共に、地紋画像に埋め込み可能なデータ容量内に必要なデータのみ納めることを可能とした。また、データ追加モジュール181bによれば、画像に対して有用なデータを追加することを可能とした。このデータ追加モジュール181bは、本実施の形態では、予め保持していた管理情報を地紋画像に埋め込むこととし、すかしデータ以外の有効なデータを地紋画像として埋め込むことを可能とした。また、データ変更モジュール181cによれば、データを最適な形態に変更することとしたので、埋め込まれたデータの視認性を向上させ又は不必要なデータ量を低減することを可能とした。
以下に、本実施の形態に関連する発明を付記的に記載する。なお、理解を容易にするためにカッコ内には、上述した実施の形態の対応要素又は対応事項の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
付記1は、画像情報を蓄積する記憶手段(MEM,HDD);
通信を介して外部機器(PC1000)が転送要求した画像情報を前記記憶手段から読出す手段(1,IMAC);
読み出した画像情報のすかしデータを抽出する手段(177b);
抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、読み出した画像情報が表す画像に合成する手段(IPP);および、
合成した画像が表す画像情報を、通信を介して前記外部機器(PC1000)に送出する手段(1,CDIC,IMAC);
を備える画像処理装置。
付記2は、撮像素子(207)および該撮像素子が発生する画像信号をデジタルデータすなわち画像データに変換する手段(SBU)を含む撮像装置(10);
該撮像装置(10)が生成する画像データの管理情報を生成する手段(1);
前記管理情報を含むすかしデータを生成し前記画像データに付加する手段(1,177a);
および、
すかしデータを付加した画像データを前記画像処理装置(ACP)の記憶手段(MEM,HDD)に蓄積する手段(IMAC);
を更に備える付記1に記載の画像処理装置。
これによれば、守秘が要求されるドキュメントを撮像装置(10)で読み取ってすかしデータを付加して記憶手段(MEM,HDD)に蓄積できる。これにより、付記1に記述した守秘効果を期待できる。
付記3は、画像情報が表す画像を用紙上に印刷するプリンタ(100);を更に備える付記1又は付記2に記載の画像処理装置。
これによれば、記憶手段(MEM,HDD)の画像情報をプリンタ(100)でプリントアウトできる。プリントアウトのときに通信による送信のときと同様に地紋画像を合成すれば、印刷画像の追跡管理が容易になり、印刷画像の悪用を抑制する効果を期待できる。
付記4は、前記画像処理装置は、画像情報が表す画像を用紙上に印刷するプリンタ(100)を更に備えて前記撮像装置(10)が発生する画像情報には画像読み取りのひずみを補正する画像データ処理(190)を、前記プリンタ(100)の印刷に用いる画像情報には該プリンタの印刷特性に合わせる画像データ処理(300)を加える、付記2に記載の画像処理装置。
これによれば、再現性がよい画像情報が得られ、再現性がよい印刷画像が得られる。
付記5は、更に、通信を介して印刷指示の画像情報を受信する手段(1,IMAC);受信した画像情報に含まれるすかしデータを抽出する手段(177b);および、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、前記画像情報が表す画像に合成する手段(IPP);を備えて、前記プリンタによって、合成した画像を用紙上に印刷する;付記3又は付記4に記載の画像処理装置。
これによれば、外部機器がすかしデータが付加された画像情報を送って印刷を指示した場合には、地紋画像を合成した画像情報が印刷されるので、出所確認が容易になり、悪用を抑制する効果を期待できる。
付記6は、通信を介して受信した印刷指示の画像情報を前記記憶手段(MEM,HDD)に蓄積する手段(1,IMAC);を更に備える付記5に記載の画像処理装置。
これによれば、外部機器ユーザによる画像情報のプリントアウトの後でも、記憶手段(MEM,HDD)に蓄積した画像情報を確認し、必要に応じてプリントアウトして地紋画像から、該画像情報の来歴を追跡することも可能になる。
付記7は、前記画像処理装置が、前記記憶手段にある画像情報の印刷を指示する手段(20);を更に備え;この指示に応じて前記記憶手段から読み出した画像情報からすかしデータを抽出し、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、読み出した画像情報が表す画像に合成して合成画像を前記プリンタで印刷する;付記3乃至付記6のいずれか1つに記載の画像処理装置。
これによれば、画像処理装置において指示手段(20)を操作して記憶手段にある画像情報を印刷できる。すかしデータがある画像情報は地紋画像つきで印刷するようにしておくことにより、高い守秘効果を期待できる。
付記8は、通信を介して外部機器(PC1)が印刷要求した前記記憶手段の画像情報を読み出して、読み出した画像情報からすかしデータを抽出し、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、読み出した画像情報が表す画像に合成して合成画像を前記プリンタで印刷する;付記3乃至付記7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
これによれば、外部機器(PC1)から記憶手段の画像情報の印刷が指示される場合にも、すかしデータがある画像情報は地紋画像つきで印刷するので、守秘効果を期待できる。
付記9は、地紋画像の合成においては、画像情報が文書データである場合にはイメージ画像に変換して画素ビットの情報に地紋イメージデータの画素ビットの情報を合成し(202)、画像情報がイメージデータである場合には、画像情報の画素ビットの情報に地紋イメージデータの画素ビットの情報を合成する(204)、付記1,付記5,付記7又は付記8に記載の画像処理装置。
これによれば、地紋を合成した画像情報が、地紋情報を合成した画素データビットであるので、画像情報から地紋情報を削除することは不可能であり、地紋情報保持の信頼性が高い。
付記10は、前記印刷対象の画像情報をプリンタ用の1画素1ビットの印刷画像データに変換してから各ビットの情報に、1画素1ビットの地紋画像データの各ビットの情報を合成する(300)、付記5,付記7又は付記8に記載の画像処理装置。
これによれば、地紋画像を合成した画像情報は、画像の1画素を1ビットであらわすもので各ビットが地紋画像情報が合成されたものであるので、画像情報から地紋情報を削除することは不可能であり、地紋情報保持の信頼性が高い。
付記11は、画像情報を蓄積する記憶手段(MEM,HDD),該記憶手段に対して画像情報を読み書きする手段(1,IMAC),画像情報に付加されたすかしデータを抽出する手段(177b),すかしデータに対応する地紋画像を画像情報が表す画像に合成する手段(IPP),通信手段(8)、および、前記各手段を制御して情報処理手段(PC1)と画像情報の送受信をする制御手段(1,IMAC)、を備える画像処理装置;および、
該画像処理装置に対して、通信を介して画像情報の送受信をする前記情報処理手段(PC1);を含み、
前記情報処理手段(PC1)が前記記憶手段(MEM,HDD)の画像情報を指定して前記情報処理手段(PC1)への送信を指示し、前記制御手段(1,IMAC)が該指示に応じて指定があった画像情報を前記記憶手段(MEM,HDD)から読み出し、読み出した画像情報に付加されたすかしデータを抽出して該すかしデータに対応する地紋画像を読み出した画像情報が表す画像に合成して前記情報処理手段(PC1)に送出する;画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記1に記述した効果を期待できる。
付記12は、前記画像処理装置は、撮像素子(207)および該撮像素子が発生する画像信号をデジタルデータすなわち画像データに変換する手段(SBU)を含む撮像装置(10);該撮像装置(10)が生成する画像データの管理情報を生成する手段(1);前記管理情報を含むすかしデータを生成し前記画像データに付加する手段(1,177a);および、すかしデータを付加した画像データを前記記憶手段(MEM,HDD)に蓄積する手段(IMAC);を更に備える付記11に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて付記2に記述した効果を期待できる。
付記13は、前記画像処理装置は、画像情報が表す画像を用紙上に印刷するプリンタ(100);を更に備える付記11又は付記12に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記3に記述した効果を期待できる。
付記14は、前記画像処理装置は、画像情報が表す画像を用紙上に印刷するプリンタ(100)を更に備えて前記撮像装置(10)が発生する画像情報には画像読み取りのひずみを補正する画像データ処理(190)を、前記プリンタ(100)の印刷に用いる画像情報には該プリンタの印刷特性に合わせる画像データ処理(300)を加える、付記12に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記4に記述した効果を期待できる。
付記15は、前記画像処理装置は、更に、通信を介して印刷指示の画像情報を受信する手段(1,IMAC);受信した画像情報に含まれるすかしデータを抽出する手段(177b);および、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、前記画像情報が表す画像に合成する手段(IPP);を備えて、前記プリンタによって、合成した画像を用紙上に印刷する;付記13又は付記14に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記5に記述した効果を期待できる。
付記16は、前記画像処理装置は、通信を介して受信した印刷指示の画像情報を前記記憶手段(MEM,HDD)に蓄積する手段(1,IMAC);を更に備える付記15に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記6に記述した効果を期待できる。
付記17は、前記画像処理装置は、前記記憶手段にある画像情報の印刷を指示する手段(20);を更に備え;この指示に応じて前記記憶手段から読み出した画像情報からすかしデータを抽出し、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、読み出した画像情報が表す画像に合成して合成画像を前記プリンタで印刷する;付記13乃至付記16のいずれか1つに記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記7)に記述した効果を期待できる。
付記18は、前記画像処理装置は、通信を介して前記情報処理手段(PC1)が印刷要求した前記記憶手段の画像情報を読み出して、読み出した画像情報からすかしデータを抽出し、抽出したすかしデータに対応する地紋画像を、読み出した画像情報が表す画像に合成して合成画像を前記プリンタで印刷する;付記13乃至付記17のいずれか1つに記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記8に記述した効果を期待できる。
付記19は、前記画像処理装置は、地紋画像の合成においては、画像情報が文書データである場合にはイメージ画像に変換して画素ビットの情報に地紋イメージデータの画素ビットの情報を合成し(202)、画像情報がイメージデータである場合には、画像情報の画素ビットの情報に地紋イメージデータの画素ビットの情報を合成する(204)、付記11,付記15,付記17又は付記18に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記9に記述した効果を期待できる。
付記20は、前記情報処理手段(PC1)は、前記画像処理装置からダウンロードした画像情報に付加されたすかしデータを抽出し該画像情報から削除し(図24の106);該画像情報を通信により送出するときには該画像情報に前記抽出したすかしデータを付加して送出する(図24の111,112);付記11に記載の画像処理システム。
これによれば、PC1000等の情報処理手段を専用通信線又はネットワークによって画像処理装置に通信接続する画像処理システムにおいて、付記10に記述した効果を期待できる。
付記21は、前記情報処理手段(PC1)は、すかしデータを削除した画像情報をディスプレイに表示する;付記20に記載の画像処理システム。
これによれば、すかしデータがノイズと現れない、画像情報が本来表す画像のみがディスプレイに表示される。ディスプレイ上ではすかしデータの存在がわからないため、すかしデータの秘匿に効果がある。
このような構成を備えることで、外部機器から更に他の外部機器に転送しても表示あるいは印刷画像に地紋画像が現れるので、画像情報の悪用を躊躇させることになり、画像情報の追跡管理が容易になるばかりでなく、悪用を抑制する効果がある。