JP2007265712A - 電極およびそれを用いた蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】活物質として有機化合物を用いた電極および電池の検討はこれまでに多く行われている。しかし、有機化合物を活物質として使用したときは充放電反応に伴い活物質が電解液に溶解することにより繰り返し充放電特性が低下するという課題があった。
【解決手段】本発明の電極は、集電体と、導電材と、活物質としてπ電子共役雲を有する有機化合物とを少なくとも含んだ電極であり、導電材表面にイオン性の官能基を固定化することを特徴とする電極である。これにより、充放電反応に伴う活物質の溶解を抑制することが可能となり繰り返し充放電特性を向上することが出来る。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の電極は、集電体と、導電材と、活物質としてπ電子共役雲を有する有機化合物とを少なくとも含んだ電極であり、導電材表面にイオン性の官能基を固定化することを特徴とする電極である。これにより、充放電反応に伴う活物質の溶解を抑制することが可能となり繰り返し充放電特性を向上することが出来る。
【選択図】図2
Description
本発明は高エネルギー密度、かつ高出力な電極およびそれを用いた蓄電素子に関する。
近年、移動体通信機器、携帯電子機器の開発に伴い、その電源の需要は非常に大きくなっている。繰り返し充放電ができるリチウム二次電池は起電力が高く、高いエネルギー密度が得られ、電池の繰り返し使用が可能なため、携帯電子機器の電源として広範囲に用いられている。
しかし、携帯電子機器の小型軽量化、高機能化に伴い、電池の高エネルギー密度化、高出力化に対する要望もますます高まってきており、さらに高いエネルギー密度、高出力化を実現する電池などの電気化学素子の出現が望まれている。
このような背景のもと、様々な取り組みが行われている。特に電極材料である正極材料または負極材料の高エネルギー密度化は、電池自体の高エネルギー密度化に直接的に結びつくために、正極と負極とのそれぞれにおいて材料開発の取り組みが積極的に行われている。
近年、エネルギー密度が高くより軽量な電池を実現するために、有機化合物を電極材料に用いる検討が行われている。有機化合物は密度が1g/cm3程度と軽く、現在リチウム二次電池材料として用いられているコバルト酸リチウムなどの酸化物と比較して体積あたりの重量は軽量となる。このため、より軽量、高容量な電池を作製することが可能となる。
また、最近高速の充放電が期待できる新しい活物質としてπ電子共役雲を有する有機化合物及びその反応メカニズムが本発明者らによって明らかにされている(例えば、特許文献1参照)。これにより、軽量、高容量に加えて充放電速度の速い高出力電池の実現も期待される。
一方、非水二次電池の導電材に官能基を有するポリマーをグラフト重合により固定化し、材料の分散性を向上させるという手法が提案されている(例えば特許文献2参照)。また、負極炭素材料の表面に疎水性単分子膜を形成させることで、初期充放電時の不可逆容量を低減させるという発明が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開2004−111374号公報
特表2002−514245号公報
特開2001―6683号公報
軽量、高容量に加えて充放電速度の速い高出力電池を実現するためには、軽量、高容量、高出力な電極を得ることが必要である。π電子共役雲を有する有機化合物(以下、π電子化合物とも言う)を活物質として用いた電極では、軽量という特性は実現することができるが、繰り返し充放電特性に課題を有している。
その理由として、以下のように考えられる。π電子化合物として、例えばテトラチアフルバレンを用いると、充電反応が進行するにつれ、テトラチアフルバレンは正に帯電する。正に帯電したテトラチアフルバレンは電気的中性を保つために、電解液中のアニオンと酸塩基結合を形成し、電解液中では塩が解離した状態で存在すると考えられる。したがって、充電反応が進行するにつれ電解液に対する溶解性が増し、溶解することで繰り返し充放電試験で容量が低下してしまう。
このような理由によりπ電子化合物からなる活物質を電極材料として使用する時には溶解による繰り返し充放電特性の低下が課題であった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、π電子化合物の溶出を抑制し、サイクル特性を向上することが可能な電極、およびそれを用いた蓄電素子を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電極は、集電体と、集電体の表面に形成された合剤層と、を含む電極であって、
合剤層は、π電子化合物を含む活物質と、導電材と、を含み、
導電材の表面は、化学結合によりイオン性官能基が固定化されていること、を特徴とする。
合剤層は、π電子化合物を含む活物質と、導電材と、を含み、
導電材の表面は、化学結合によりイオン性官能基が固定化されていること、を特徴とする。
導電材の表面にイオン性の官能基を有することにより、電解液中のアニオンに代わって導電材表面のイオン性官能基とπ電子化合物とが酸塩基結合を形成する。イオン性官能基は固定化されており、電気的中性を保つために対イオンを必要とするので、対イオンであるπ電子化合物はイオン性官能基にトラップされ、電解液中に拡散するのを抑制することが可能となる。
本発明における、導電材の表面に固定化するアニオン性官能基としては高い解離度を有する官能基を用いることが好ましい。この理由としては、解離度が高いと、電解液中で解離した官能基の数が向上し、イオン性官能基に固定化される有機化合物の量が増えるからである。解離度の高い官能基としてはスルホン酸、リン酸基が挙げられる。またさらに解離度を向上させるため、官能基に隣接するアニオン性官能基の一部または全部をフッ素化したものを使用してもよい。
本発明において、導電材の表面にアニオン性官能基を固定化したとき、その対イオンがアルカリ金属カチオンになるよう、前もって処理をすることが好ましい。水素イオンが対イオンとして存在すると、充放電反応の進行に伴い水素ガスが発生し、サイクル特性および安全性が低下してしまうからである。その対イオンをアルカリ金属カチオンとする方法に特に制限はなく、対イオンとしてアルカリ金属を有するアニオン性官能基を直接固定化しても良いし、アニオン性官能基を固定化した後、中和などの処理により対イオンを交換してもよい。
また、本発明における導電材の表面に固定化するカチオン性官能基としてはアミノ基、イミダゾール基、ピリジニル基、イミノ基などの高いカチオン受容性を有する官能基が挙げられる。これにより、充電状態で負電荷を有する活物質を使用した際に、負電荷を帯びた活物質との間でクーロン相互作用が生じ、活物質の溶出を抑制し、その結果繰り返し充放電特性が向上するためである。
本発明における導電材として、特に制限はないが、カーボンブラック、黒鉛、繊維状カーボン、活性炭、カーボンナノチューブ、およびフラーレンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの炭素材料は、表面に存在する単位面積あたりの官能基数および比表面積が大きく、イオン性官能基の導入量を大きくすることが可能であるからである。
さらに、導電材表面に固定化するイオン性官能基は活物質が充電状態にあるときにとる電荷と逆の電荷を有することが好ましい。このように活物質とイオン性官能基とが逆電荷を取ることにより、クーロン相互作用による引力が生じ、活物質の溶出を抑制し、サイクル特性を向上することが可能となるからである。
本発明の電極によれば、π電子化合物を活物質とする電池において、活物質の溶出を抑制することが可能となり、繰り返し充放電特性を向上することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電極は、集電体と、集電体の表面に形成された合剤層と、を含む電極であって、合剤層はπ電子化合物を含む活物質と、導電材と、を含み、導電材の表面にイオン性の官能基を固定化した電極について説明する。
本発明の実施の形態1における電極は、集電体と、集電体の表面に形成された合剤層と、を含む電極であって、合剤層はπ電子化合物を含む活物質と、導電材と、を含み、導電材の表面にイオン性の官能基を固定化した電極について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における電極を模式的に示した概略断面図である。
図1に示すように、電極10は電子導電性を有するアルミニウムや銅などの金属などからなる集電体1と、集電体1の表面上に形成された、活物質、表面に官能基を固定化した導電材、結着剤などを含む合剤層2から形成される。
図2および図3に、充放電反応に伴う、導電材表面近傍における模式図を示す。図2は放電時の導電材3の近傍の状態を示す概略図であり、図3は充電反応が進行した時の導電材3の近傍の状態を示す概略図である。図2および図3では、正極活物質として充電状態で正に帯電するπ電子化合物を使用し、表面にアニオン性の官能基を固定化した系に関して説明している。
図2のように放電状態では、放電状態の活物質6の周囲に存在する導電材3表面のアニオン性官能基4の近傍にはカウンターイオンとしてカチオン5が存在し、電気的中性を維持している。電解液中にはイオン伝導性を維持するために支持電解質(図示せず)が添加されており、電解液中では解離してアニオン8
とカチオン5として存在している。
とカチオン5として存在している。
図3に示すように、充電反応が進行すると、充電状態の活物質7は導電材3に電子を供給することにより正に帯電し、導電材3表面のアニオン性官能基4のカウンターイオンとなる。
充電反応が進行すると活物質は正に帯電して電解液に溶解しやすい状態となり、活物質が電極外部に溶出してしまいサイクル劣化が生じる。本構成によると正に帯電した活物質(充電状態の活物質7)と表面のアニオン性官能基4の間でクーロン相互作用による引力が生じるため、サイクル劣化が抑制される。
図2および図3においては正極活物質にπ電子化合物を使用した系について説明したが、負極活物質としてπ電子化合物を使用したときにも同様の効果が得られる。また、図2においては充電状態で正に帯電する活物質を使用した系に関して説明したが、負に帯電する活物質を使用する際は表面に固定化する官能基としてカチオン性の官能基を使用することにより、同様の効果を得ることが可能である。
本発明のπ電子共役雲を有する有機化合物としては、例えば以下に示す一般式(1)、一般式(2)で表わされる構造を有する有機化合物などが挙げられる。
一般式(1):
(式中、Xは硫黄原子、または酸素原子、R1〜R4はそれぞれ独立した鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基またはニトロソ基であり、R5、R6はそれぞれ水素原子、鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基であり、前記脂肪族基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
一般式(2):
一般式(2):
(式中、Xは窒素原子、R1〜R4はそれぞれ独立した鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基またはニトロソ基であり、R5、R6はそれぞれ水素原子、鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基であり、前記脂肪族基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
本発明のπ電子共役雲を有する有機化合物としては、例えば以下に示す一般式(3)で表わされる構造を有する有機化合物などが挙げられる。
本発明のπ電子共役雲を有する有機化合物としては、例えば以下に示す一般式(3)で表わされる構造を有する有機化合物などが挙げられる。
一般式(3):
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、R7、R8はそれぞれ独立した鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基であり、前記脂肪族基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば一般式(4)で表される化合物や式(5)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば一般式(4)で表される化合物や式(5)で表される化合物が挙げられる。
一般式(4):
(式中、R9〜R12およびR13〜R16はそれぞれ鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基またはニトロソ基であり、前記脂肪族基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子およびハロゲン原子の群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
式(5):
式(5):
式(5)の化合物は一般式(1)の化合物群の中でも分子量が小さく、早い反応速度が期待される。
また一般式(4)の群は2つの5員環に位置された2つのベンゼン環の存在によって2つの5員環から電子が抜き取られるエネルギーレベルが接近し、あたかも1電子反応のように反応が進行する。したがって反応速度が一般式(1)においてR5、R6がベンゼン環を含まない場合に比べて早くなる。一般式(4)の化合物の代表例としては、式(6)〜式(9)で表される化合物が好ましい化合物として挙げられる。
式(6):
式(7):
式(8):
式(9):
一般式(3)で表される化合物としては、具体的には、例えば一般式(10)〜(13)で表される化合物が挙げられる。
一般式(10):
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、R1〜R4はそれぞれ独立した鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基またはニトロソ基であり、R17〜R20はそれぞれ水素原子、鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基であり、前記脂肪族基は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
一般式(11):
一般式(11):
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、X〜Yはそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、メチレン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
一般式(12):
一般式(12):
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、R21、R22はそれぞれ独立した鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基またはニトロソ基である。)
一般式(13):
一般式(13):
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。)
本実施の形態1の電極10に、イオン伝導補助剤として、ポリエチレンオキシドなどの固体電解質、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのゲル電解質を混合させてもよい。
本実施の形態1の電極10に、イオン伝導補助剤として、ポリエチレンオキシドなどの固体電解質、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのゲル電解質を混合させてもよい。
本実施の形態1の電極10に、電極10内物質の各構成材料の結着性を向上させる目的で、結着剤を用いてもよい。この結着剤としては、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルライドーヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライドーテトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンーブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等を用いることができる。
本実施の形態1の電極10に用いる集電体1としては、ニッケル、アルミニウム、金、銀、銅、ステンレス、アルミニウム合金等およびカーボンからなる板や箔、メッシュ等の多孔体を適宜用いることができる。集電体1上にカーボンなどを塗布し、抵抗値を減少させたり、触媒効果をもたせたり、活物質と集電体を化学結合、物理結合させる機能を持たせてもよい。
本実施の形態1の電極10は、電気化学素子用電極として特に優れているが、この電極構成を一次電池、電解コンデンサ、等の電極に用いることもできる。
たとえば、正極材料として本発明の電極を用いる場合には、負極活物質として、グラファイトや、非晶質炭素材料、リチウム金属、リチウム含有複合窒化物、リチウム含有チタン酸化物、スズ(Sn)、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)および炭素または他の金属との複合物を用いることができる。
また、負極材料として本発明の電極用いる場合には、正極活物質としてLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などの金属酸化物等を用いることができる。
本発明では、正極、負極間のセパレータに電解質を含有させるが、この電解質内に含まれる電解質塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属やマグネシウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン塩、過塩素酸塩およびトリフロロメタンスルホン酸塩を代表とする含フッ素化合物の塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、そのような電解質塩の具体例として例えばフッ化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミドリチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、トリフロロメタンスルホン酸マグネシウム、四ホウフッ化ナトリウムなどが挙げられる。
また、その電解質としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ―ブチルラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。
また電解質としては、固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、Li2S−SiS2+a(aはLi3PO4、LiI、Li4SiO4から選ばれた少なくとも1つ)、Li2S−P2O5、Li2S−B2S5、Li2S−P2S5−GeS2、以外にもナトリウム/アルミナ(Al2O3)、無定形、低相転移温度(Tg)のポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンド体、ポリエチレンオキサイドなどがあげられ、ポリアクリロニトリル、エチレンとアクリロニトリルとのコポリマーまたは架橋されたポリマーにエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの低分子量非水溶媒を加え、それに電解質塩を添加したイオン伝導性ゲルポリマー電解質などが好適に用いることができる。
(実施例)
以下に本発明の電極および蓄電デバイスについて、実施例とともに詳細に説明する。
以下に本発明の電極および蓄電デバイスについて、実施例とともに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、活物質としてπ電子化合物であるテトラチアフルバレンを、導電材として比表面積が3000m2/gである活性炭を用いた。表面に固定化する官能基としてはスルホン酸基を使用した。
実施例1では、活物質としてπ電子化合物であるテトラチアフルバレンを、導電材として比表面積が3000m2/gである活性炭を用いた。表面に固定化する官能基としてはスルホン酸基を使用した。
以下の方法で活性炭表面にスルホン酸基を固定化した。
メルカプトプロピルトリメトキシシラン:トルエンを重量比で1:1に混合した溶液100cm3に活性炭1gを加えて80℃で4時間反応させた。反応後活性炭を濾過により取り出し、トルエンで洗浄した後真空乾燥した。その後、10wt%の過酸化水素水中に活性炭を浸漬し、60℃で4時間反応させスルホン化処理を行った。
スルホン化処理を行った活性炭を用いて、滴定により表面官能基の密度を求めた結果、0.60mmol/gのスルホン酸基が固定化されていることが確認できた。
得られた活性炭はスルホン酸基のカウンターイオンがプロトンになっているため、大過剰のLiOH水溶液中で攪拌した後、濾過により活性炭を取り出し、純水で洗浄することにより活性炭表面のカウンターイオンをリチウムに変換した。その後に100℃で12時間、真空乾燥を行い、水分を除去した。
次に活物質であるテトラチアフルバレン300mg、スルホン化処理を施した活性炭150mg、ポリフッ化ビニリデン25mg、N−メチルピロリドン1000mgを混合して攪拌し、ペースト化した。
得られたペーストをアルミ箔上にキャストし、70℃で2時間乾燥させて溶媒を除去し、電極を得た。
(比較例1)
比較例1として、未処理の活性炭を導電材に用いたこと以外は実施例1と同様の方法で電極を作成した。
比較例1として、未処理の活性炭を導電材に用いたこと以外は実施例1と同様の方法で電極を作成した。
実施例1および比較例1で得られた電極を、コイン型電池にし、電極特性の評価を行った。評価は通常の二次電池の評価方法と同様に行った。まず電極作製方法を示し、次にコイン型電池作製方法、充放電試験等の電池特性評価試験の結果(以下、特性評価という)、および液抵抗測定方法を説明する。
電極は、13.5mmの円盤状に打ち抜き、電解質として、1mol/L濃度のほうフッ化リチウムを溶解した炭酸エチレンと炭酸ジエチルを重量比1:1で混合した有機電解液を用い、対極として、リチウム金属(厚さ;300μm、直径14mm)を用い、コイン型電池を作製し、特性評価を行った。
コイン型電池の作製は以下の手順で行った。
評価に用いたコイン型電池の概略断面図を図4に示す。まず、正極23をケース21に設けたステンレス製集電体22上に置き、その上に多孔質ポリエチレンシートからなるセパレータ24を設置した。
次に、有機電解液をケース内に注液し、内面に負極26(リチウム金属)を圧着し、周縁部にガスケット28を装着した封口板25をケース21に組み合わせて、プレス機にてかしめ封口し、コイン型電池を得、電極特性評価を行った。
前記実施例1および比較例1で作製したコイン型電池について繰り返し充放電試験を行った。充放電は、電流密度0.1mA/cm2で、上限電圧は、4V、下限電圧3Vで行った。この結果を表1に示す。
表1に各サイクルでの容量維持率を示す。容量維持率は、初回充電容量に対する各サイクルでの放電容量を示している。
また、今回作成したコイン型電池では集電体に活性炭を使用しているために活性炭が有する二重層容量分を各サイクルでの容量から差し引き、活物質に由来する容量で比較している。
表1から分かるようにスルホン酸基を固定化した導電材を使用した実施例1は、比較例1に比べて繰り返し充放電特性が向上するという結果が得られた。これは、表面に固定化したスルホン酸基と充電状態で正に帯電した活物質との間でクーロン引力が生じ、活物質が極板外に溶出することが抑制されたためである。また、導電材表面に固定化したイオン性官能基の解離度は溶媒の比誘電率に依存するため、今回の実施例では解離度を向上するために比誘電率が大きくイオン化解離能が大きい溶媒を用いたため、活物質としては非常に溶解しやすい条件であるといえる。このような条件でも繰り返し充放電特性が向上していることから本発明は繰り返し充放電特性に対して非常に有効であることが確認された。
本実施例1では活物質として正に帯電する有機化合物のみを用いたが、酸塩基結合によるトラップ効果により繰り返し充放電特性が向上することから、負に帯電する活物質を用いる場合は逆の電化を有するカチオン性官能基を固定化することにより同様の効果が得られる。
本発明にかかる電極は、軽量、高容量、高出力で繰り返し充放電特性を向上した電極とすることができる。この電極を用いれば、軽量、高容量、高出力で繰り返し充放電特性が向上した二次電池を提供することができる。これら二次電池は、各種携帯機器あるいは、輸送機器、無停電電源などの用途に使用することができる。また、電極としては、二次電池以外にも一次電池、電解コンデンサ、電解セルなどの電極として、用いることができる。
1 集電体
2 合剤層
3 導電材
4 アニオン性官能基
5 カチオン
6 放電状態の活物質
7 充電状態の活物質
8 アニオン
10 電極
21 ケース
22 集電板
23 正極
24 セパレータ
25 封口板
26 負極
28 ガスケット
2 合剤層
3 導電材
4 アニオン性官能基
5 カチオン
6 放電状態の活物質
7 充電状態の活物質
8 アニオン
10 電極
21 ケース
22 集電板
23 正極
24 セパレータ
25 封口板
26 負極
28 ガスケット
Claims (9)
- 集電体と、前記集電体の表面に形成された合剤層と、を含む電極であって、
前記合剤層は、π電子共役雲を有する有機化合物を含む活物質と、導電材と、を含み、
前記導電材の表面は、化学結合によりイオン性官能基が固定化されていること、
を特徴とする電極。 - 前記イオン性官能基は、アニオン性官能基であって、
前記アニオン性官能基は、スルホン酸基とリン酸基との少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の電極。 - 前記アニオン性官能基の一部または全部がフッ素化されていること、
を特徴とする請求項2に記載の電極。 - 前記アニオン性官能基の対イオンは、アルカリ金属カチオンであること、
を特徴とする請求項2に記載の電極。 - 前記イオン性官能基は、カチオン性官能基であって、
前記カチオン性官能基は、アミノ基、イミダゾール基、ピリジニウム基およびイミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の電極。 - 前記導電材は、カーボンブラック、黒鉛、繊維状カーボン、活性炭、カーボンナノチューブおよびフラーレンからなる群から選ばれた少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の電極。 - 前記π電子共役雲を有する有機化合物は、一般式(1)あるいは一般式(2)で表わされる構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の電極。
一般式(1):
一般式(2):
- 前記イオン性官能基は、前記活物質が充電状態にあるときにとる電荷と逆の電荷を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の電極。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の電極を用いた蓄電素子。
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JP2006087033A JP2007265712A (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 電極およびそれを用いた蓄電素子 |
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