JP2007264980A - 非接触読取り可能なカード型記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触読取り可能なカード型記録媒体(ICカード)に関し、読取らせ操作の利便性と、不正読取りを防止する機能とを両立させ、不正読取りを防止するためのカードの取扱いがより簡易な技術手段を得る。
【解決手段】カード基材4と、メモリ及びその記録内容の送信手段を有するICチップ7と、このICチップに接続された送受信アンテナ8と、前記アンテナを挟む一方の面に前記カード基材と略同面積の磁性材粉末層3と導電金属箔5とが当該アンテナに近い側からこの順で配置されている。表面となるカード面からは読取り可能で裏面となるカード面からは読取り不能であり、かつその読取り不能の面に重ね合わされた他のICカードに対するシールド機能を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】カード基材4と、メモリ及びその記録内容の送信手段を有するICチップ7と、このICチップに接続された送受信アンテナ8と、前記アンテナを挟む一方の面に前記カード基材と略同面積の磁性材粉末層3と導電金属箔5とが当該アンテナに近い側からこの順で配置されている。表面となるカード面からは読取り可能で裏面となるカード面からは読取り不能であり、かつその読取り不能の面に重ね合わされた他のICカードに対するシールド機能を備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、一般にICカードと呼ばれている非接触読取り可能なカード型記録媒体(以下、「ICカード」という。)に関するものである。
ICカードは、合成樹脂製のカード基材にメモリとその記録内容の送信手段とを備えたIC(集積回路)に送受信用のアンテナを接続してなる記録デバイスを内蔵ないし添着したカード型の記録媒体で、読取機から所定の読取信号を受けたときに、各カードに割り当てられている識別情報を送信する機能を備えている。ICチップに内蔵されたメモリの記憶容量は、磁気記録帯に情報を記憶する従来の磁気記録カードに比べて遥かに大きく、非接触読取りが可能なので、読取機の構造が簡単になると共に、読取らせ操作も容易になることから、乗車カード、通行カード、身分証明カード、金融カードなどとして広く利用されるようになっている。
しかし、ICカードは、非接触読取りが可能であることによって生ずる利便性の反面、カード固有の識別情報が読取られやすいという欠点を有している。すなわち、ICカードをポケットやバッグに入れて携行しているとき、満員電車などの中などで不正な読取機からの読取信号に応答して識別情報を送信してしまうことが生ずる。この不正読取りを避けるためには、電磁波を遮蔽するシールド機能を備えたカードケースにICカードを入れておくか、そのようなシールド機能を備えた保護カードをICカードに重ねて携行するなどの対策が必要であり、ICカードの不正読取りを防止するのに用いるシールドケースやシールドシートないしカードが提案されている。
特開2003‐300579号公報
特開2005‐279975号公報
ICカードの不正読取りを防止するために、このような電磁遮蔽機能を備えたシールドケースやシールドカードを利用するときは、読取らせ操作を行うときにICカードをシールドケースやシールドカードを入れたカードケースから取り出さなければならず、ICカードが持っている読取らせ操作が容易であるという利便性が失われることになる。
シールドカードの中には、カードの一方の面にのみシールド機能を付与したものが提供されており、そのような片面シールド型のシールドカードを用いると、ICカードとシールドカードとをどの方向で重ね合わせるかによって、シールドカードが添設されていない側からICカードを読取り可能にすることもできる。しかし、このような使い方をするためには、シールド機能を有していないカードケースに、ICカードとシールドカードとを正しい方向に重ね合わせて入れる必要がある。ICカードには、不正読取りされても被害の少ない乗車カードなどと、不正読取りされたときに甚大が被害が生ずるおそれのある金融カードや身分証明カードがあるが、シールドカードとこれらのカードとの重ね方を間違えると、重要な情報が不正読取りされる危険が生じる。
この発明は、読取らせ操作の利便性と、不正読取りを防止する機能とを両立させ、不正読取りを防止するためのカードの取扱いがより簡易な技術手段を得ることを課題としている。
この発明は、表面となるカード面からは読取り可能で裏面となるカード面からは読取り不能であり、かつその読取り不能の面に重ね合わされた他のICカードに対するシールド機能を備えたICカードを提供することにより、上記課題を解決したものである。
上記作用を発揮するこの発明のICカードは、カード基材4と、メモリ及びその記録内容の送信手段を有するICチップ7と、このICチップに接続された送受信アンテナ8とを備えたICカードにおいて、前記アンテナを挟む一方の面に前記カード基材と略同面積の磁性材粉末層3と導電金属箔5とが当該アンテナに近い側からこの順で配置されている、ICカードである。
カード基材4は、磁性材粉末層3と導電金属箔5との間に配置するか、又は、導電金属箔5の反アンテナ側に配置するのが好ましい。
カード基材4は、一般的には合成樹脂シートであるが、導電性や磁性を備えていない紙、布、樹脂及びこれらの複合材などからなるシートである。アンテナ8は、一般的にはICチップに接続されている導電線であるが、ICチップ7に内蔵されたものであってもよい。磁性材粉末層3は、鉄やコバルトなどの磁性金属及びこれらの酸化物の粉末を可撓性のあるバインダーで結合した材料からなる層で、前記粉末としては、酸化鉄の粉末、特にフェライトを用いるのが好ましい。導電金属箔5は、導電性のある金属の箔、すなわち薄いシートで、一般的にはアルミ箔、真鍮箔、洋白箔などのアルミニウムや胴及びそれらを含む合金の箔であるが、銀箔、白金箔、金箔などの貴金属箔を用いて装飾性やデザイン性に優れたカードを得ることもできる。磁性材粉末層3の厚さは、50ミクロン以上、導電金属箔5の厚さは0.2〜0.5ミクロン以上とするのが好ましく、これより薄いと後述する可読性付与機能及びシールド機能が徐々に低下する。厚さの上限は特に規定されないが、カードとしての柔軟性を損なわない厚さとすべきであって、特に導電金属箔5は、カード基材4より高い柔軟性を有する厚さに留めるべきである。磁性材粉末層3は、バインダーと磁性金属ないしその酸化物の粉末とからなる複合材の層であるから、軟質のバインダーを用いることによって、ある程度の厚さであってもカード基材4より高い柔軟性を備えたものとすることができる。
この発明のICカードは、記憶した情報及び読取信号の送受信のためのアンテナ8を備えており、このアンテナ8の一方の側に磁性材粉末層3と導電金属箔5とがアンテナ8に近い側からこの順序で配置されている。導電金属箔5は、アンテナ8で送受信される信号を遮蔽する。アンテナ8を磁性材粉末層3を介在させないで導電金属箔5に近接させて配置したときは、当該導電金属箔5は、当該箔を配置した側と反対の側からの信号も遮蔽する。一方、この発明のように、アンテナ8と導電金属箔5との間に磁性材粉末層3を介在させると、導電金属箔5を配置した側と反対の側からアンテナ8の信号の送受信が可能である。
上記のこの発明の構造を備えたICカード10は、カード両面の内の磁性材粉末層3側の面から記録内容を読取ることができ、導電金属箔5側の面からは情報を読取ることができず、かつ当該導電金属箔側の面に重ね合わされた他のICカードの読取りをも不能にする。ICカードは、その面に付与された文字や図柄によって表面と裏面とに区別されるので、この発明の構成を備えたICカード10の磁性材粉末層3側の面に表面としての体裁を付与し、導電金属箔側の面に裏面としての体裁を付与してやれば、その表面側を読取機に向けて用いるという操作で、情報の読取らせ操作を行うことができ、かつポケットなどのに入れるときは、その表面側を内向き、すなわちからだ側にして携行することにより、不正読取を防止することができる。この読取らせ操作と不正読取防止のためのカードの取扱い方法とが単純でわかりやすいため、カードの誤った取扱いに基づく不正読取りの危険をより確実に防止することができる。
更に、この発明のICカードの2枚を背中合わせにすれば、それぞれのカードを表面側から読取ることができ、かつ読取り時における2枚のカード間の干渉を防止することができる。更にまた、背中合わせにした2枚のこの発明のICカードの間に他のICカードを挟んだ場合、当該挟まれたICカードは、いずれの側からの読取りも不能になるので、この発明のICカードを金融カードや身分証明カードなどのためのシールドカードとして用いることもできるという効果がある。
図1は、この発明のICカードの好ましい一例を示す図で、積層構造を明示するために厚さを誇張して示した斜視図である。図において、1は保護外皮である透明フィルム、2はインレットシート、3は磁性材粉末層であるフェライト層、4は合成樹脂シートからなるカード基材、5はアルミ箔、6は保護外皮である透明フィルム、7はICチップ、8はICチップ7に接続されているアンテナである。図1の例では、透明フィルム6の下に磁気記録層9が設けられているが、この磁気記録層9は付加的なものである。
アンテナ8は、フェライト層3のカード表側となる面に印刷により形成され、ICチップ7は、このアンテナに電気的に接続された状態でフェライト層3に貼着されている。フェライト層3の上に積重されるインレットシート2は、ICチップ7が収まる凹所(切欠又は凹み)11を備えている。透明フィルム1の裏面(図の下側の面)又はインレットシート2の表側の面(図の上側の面)には、カード表面としての体裁(外観)を付与する文字や図柄が印写されている。図では透明フィルム1及びインレットシート2を分離した状態で描いているが、ICチップ7及びアンテナ8を挟んでフェライト層3の上に積層されているものである。すなわち、図のICカード10は、カードの表側(図の上方)から透明フィルム1、ICチップ7及びインレットシート2、アンテナ8、フェライト層3、カード基材4、アルミ箔5、裏面側の透明フィルム6及び磁気記録層9を積重した積層体である。裏面側の透明フィルム6の裏面(図で上面)には、ICカード10の裏面としての体裁を付与する文字や図柄が印写されている。各層の積層順序としては、カード基材4とアルミ箔5とが逆であってもよく、この場合にはカード裏面としての体裁を付与する文字や図柄は、カード基材4の裏面(図の下側の面)に印写することができる。
図のICカード10は、カード基材4の一方の面に塗装、吹付け、コーティング等によりフェライト層3を形成し、反対側の面に導電金属箔5を貼着する。そして、フェライト層3の上面にアンテナ8を印刷し、このアンテナに端子を接続した状態でICチップ7を貼着する。そしてICチップ7を凹所11に納めた状態でインレットシート2を貼着し、更に利用面にカード保護用の透明フィルム1及び6を熱融着し、裏側の透明フィルム6に磁気記録層9を帯状に転写したものである。
上記のように、磁性材粉末層3と導電金属箔5とを備え、磁性材粉末層3の反導電金属箔側にICチップのアンテナ8を配置したこの発明のICカードは、磁性材粉末層3側を読取機に向けたときはICチップ7の情報を読取ることができ、逆に導電金属箔5側を読取機に向けたときは、電磁波が遮蔽されて情報を読取ることができない。そこで、図2に示すように、一方の面に透明窓12の付いたカードケース13に、この発明のICカード10の表の面(磁性材粉末層3側の面)を透明窓12側に向けて挿入しておけば、ICカード10の読取らせ操作をするとき、カード10の表の面が見える透明窓12側を読取機に向けてやればよく、またカードをポケットに入れて携行するときは、透明窓12側を内側に向けて携行することにより、カードの不正読取が防止される。
更に別のICカード14をこの発明のICカード10の裏面(導電金属箔5側の面)に添設した状態でカードケース13に収容したとき、添設した他のICカード14は、カードケース13に挿入されている状態では、カードケース13のどちら側からも読取ることができなくなる。
また、図3に示すように、両面に透明窓12を備えたカードケース13に、この発明のICカード10を2枚背中合わせにして収容したときは、カードケース13にICカード10を入れたままで、それぞれのカードの情報をそれぞれの側(それぞれのカードの表側)から読取ることができるので、不正読取される危険が小さいときは、乗車カードのような不正読取されても被害の少ないカードを背中合わせにカードケース13に収容して、読取機に向けるカードケースの方向によって2枚の乗車カードを使い分けることが可能である。また、背中合わせにしたこの発明のICカード10の間に挿入した他のICカード14は、カードケース13のいずれの側からも読取ることができなくなるので、この発明のICカード10を高い守秘性が要求される金融カードや身分証明カードなどの不正読取防止カードとして使用することもできる。
3 フェライト層
4 カード基材
5 導電金属箔
7 ICチップ
8 送受信アンテナ
4 カード基材
5 導電金属箔
7 ICチップ
8 送受信アンテナ
Claims (3)
- カード基材(4)と、メモリ及びその記録内容の送信手段を有するICチップ(7)と、このICチップに接続された送受信アンテナ(8)とを備えたカード型記録媒体において、
前記アンテナを挟む一方の面に前記カード基材と略同面積の磁性材粉末層(3)と導電金属箔(5)とが当該アンテナに近い側からこの順で配置されている、カード型記録媒体。 - 前記磁性材粉末層(3)と導電金属箔(5)との間に前記カード基材が配置されている、請求項1記載のカード型記録媒体。
- 前記カード基材(4)が前記導電金属箔(5)の反アンテナ側に配置されている、請求項1記載のカード型記録媒体。
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