JP2007263167A - 車両のレンジ切換え装置 - Google Patents

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哲央 梅村
Atsushi Takeuchi
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Abstract

【課題】確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することのできる車両のレンジ切換え装置を提供する。
【解決手段】セレクタスイッチ1と、コントロールユニット3と、モータ4と、動力伝達手段5と、スプール6とを備える車両のレンジ切換え装置において、スプール6は、変速レンジのドライブレンジに対応する自動変速機の油圧回路の油路を切換えないD位置とD2位置とを取り得るように設定され、コントロールユニット3は、セレクタスイッチ1により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、スプール6のD位置とD2位置とを切換える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シフトバイワイヤシステムを備えた車両のレンジ切換え装置に関する。
従来、運転者がシフトレバーやセレクタスイッチによって選択した変速レンジを、ロッド等により機械的に伝達するのではなく、電気信号により伝達して自動変速機のレンジ切換え部材を切換えるシフトバイワイヤシステムを備えた車両のレンジ切換え装置が知られている。一般に、この車両のレンジ切換え装置は、変速レンジが選択可能なレンジ選択手段と、レンジ選択手段からのレンジ信号に基づいて制御信号を出力する制御手段と、制御信号に基づいて制御されるモータと、モータの回転を減速して伝達する動力伝達手段と、動力伝達手段の出力により、自動変速機のレンジ切換え部材を切換え可能なレンジ切換え手段とを備えている。このレンジ切換え装置では、機械部品を減少させることができ、小型化、軽量化を実現することができる。
しかしながら、このレンジ切換え装置は、運転者が変速レンジを変更したときに自動変速機のレンジ切換え部材が切換えられるものであり、車両の運転時間と比較するとほとんど作動していないに等しい。そのため、動力伝達手段が長時間停止した状態で車両の振動等を継続して受けると、動力伝達手段に用いられているグリス等の潤滑剤が排除され、潤滑剤の少なくなったギヤ、ボールネジ、ベアリング等の当接部分がフレッティング損傷を受けることが懸念される。
このフレッティング損傷を防止すべく、特許文献1記載の車両のレンジ切換え装置が提案されている。この車両のレンジ切換え装置は、運転者が変速レンジを所定時間以上更新していない場合、減速機構のバックラッシュの回転角の範囲内でモータを駆動するものである。この車両のレンジ切換え装置によれば、運転者が変速レンジを所定時間以上更新していない場合であっても、適宜、減速機構を作動させているため、排除された潤滑剤を再度介在させることができ、減速機構のフレッティング損傷を防止することができると考えられる。
特開2003−65435号公報
しかし、上記特許文献1記載の車両のレンジ切換え装置では、減速機構のバックラッシュの回転角の範囲内でのみモータを駆動するだけであるため、潤滑剤の少なくなった減速機構のギヤの当接部分に潤滑剤を十分に介在させることができるとは限らない。また、減速機構のギヤの同一部分が頻繁に当接することとなり、この箇所が摩耗する恐れもある。
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することのできる車両のレンジ切換え装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、ドライブレンジを含む変速レンジが選択可能なレンジ選択手段と、該レンジ選択手段からのレンジ信号に基づいて制御信号を出力する制御手段と、該制御信号に基づいて制御されるモータと、該モータの回転を伝達する動力伝達手段と、該動力伝達手段の出力により、自動変速機の油圧回路の油路を切換えるレンジ切換え部材を前記変速レンジに対応する切換え位置に切換え可能なレンジ切換え手段と、を備える車両のレンジ切換え装置において、前記レンジ切換え手段は、前記変速レンジのドライブレンジに対応する前記自動変速機の油圧回路の油路を切換えない第1の切換え位置と第2の切換え位置とを取り得るように設定され、前記制御手段は、前記レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、前記レンジ切換え手段の前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置とを切換えることである。
請求項2に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項1において、前記動力伝達手段はボールネジを含むことである。
請求項3に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項1又は2において、前記レンジ切換え手段は、前記レンジ選択手段で選択可能な変速レンジのうちパーキングレンジに対応させて設定された切換え位置からドライブレンジに対応させて設定された切換え位置に向かって前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置を順に取り得るように設定され、前記制御手段は、前記レンジ切換え手段が前記第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、前記レンジ切換え手段を前記第1の切換え位置に切換えることである。
請求項4に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記制御手段は、前記レンジ切換え手段が前記第1の切換え位置又は前記第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始することである。
請求項5に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、ドライブレンジを含む変速レンジが選択可能なレンジ選択手段と、該レンジ選択手段からのレンジ信号に基づいて制御信号を出力する制御手段と、該制御信号に基づいて制御されるモータと、該モータの回転を伝達する動力伝達手段と、該動力伝達手段の出力により、前記変速レンジがドライブレンジの場合にパーキングロック機構を非駆動状態とし、前記変速レンジがパーキングレンジの場合にパーキングロック機構を駆動状態とするとともに、該パーキングロック機構の駆動状態及び非駆動状態を保持するディテント機構を有する車両のレンジ切換え装置において、前記ディテント機構は、前記変速レンジのドライブレンジに対応する第1の切換え位置と第2の切換え位置とを取り得るように設定され、前記制御手段は、前記レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、前記ディテント機構の前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置とを切換えることである。
請求項6に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項5において、前記動力伝達手段はボールネジを含むことである。
請求項7に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項5又は6において、前記ディテント機構は、前記レンジ選択手段で選択可能な変速レンジのうちパーキングレンジに対応させて設定された切換え位置からドライブレンジに対応させて設定された切換え位置に向かって前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置を順に取り得るように設定され、前記制御手段は、前記ディテント機構が前記第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、前記ディテント機構を前記第1の切換え位置に切換えることである。
請求項8に係る車両のレンジ切換え装置の特徴は、請求項5乃至7のいずれか1項において、前記制御手段は、前記ディテント機構が前記第1の切換え位置又は前記第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始することである。
請求項1に係る車両のレンジ切換え装置においては、レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、制御手段がレンジ切換え手段の第1の切換え位置と第2の切換え位置とを切換えるため、動力伝達手段を構成する各部品は大きく相対移動する。そのため、潤滑剤の少なくなったギヤ、ボールネジ、ベアリング等の当接部分に潤滑剤を十分に介在させることができる。また、動力伝達手段を構成する部品の同一部分が頻繁に当接することを防止することができる。したがって、この車両のレンジ切換え装置によれば、確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することができる。
請求項2に係る車両のレンジ切換え装置においては、動力伝達手段がボールネジを含んでいるため、特にフレッティング損傷及び摩耗を防止する効果が大きい。
請求項3に係る車両のレンジ切換え装置においては、レンジ切換え手段が第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、制御手段がレンジ切換え手段を第1の切換え位置に切換えるため、変速レンジの変更によるレンジ切換えを常にレンジ切換え手段の第1の切換え位置から行うことができる。
請求項4に係る車両のレンジ切換え装置においては、レンジ切換え手段が第1の切換え位置又は第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始するため、変速レンジがドライブレンジである場合のみ切換え制御が行われ、ドライブレンジ以外の変速レンジにおいては不要な切換え制御が行われることがない。
請求項5に係る車両のレンジ切換え装置においては、レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、制御手段がディテント機構の第1の切換え位置と第2の切換え位置とを切換えるため、動力伝達手段を構成する各部品は大きく相対移動する。そのため、潤滑剤の少なくなったギヤ、ボールネジ、ベアリング等の当接部分に潤滑剤を十分に介在させることができる。また、動力伝達手段を構成する部品の同一部分が頻繁に当接することを防止することができる。したがって、この車両のレンジ切換え装置によれば、確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することができる。
請求項6に係る車両のレンジ切換え装置においては、動力伝達手段がボールネジを含んでいるため、特にフレッティング損傷及び摩耗を防止する効果が大きい。
請求項7に係る車両のレンジ切換え装置においては、ディテント機構が第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、制御手段がディテント機構を第1の切換え位置に切換えるため、変速レンジの変更によるレンジ切換えを常にディテント機構の第1の切換え位置から行うことができる。
請求項8に係る車両のレンジ切換え装置においては、ディテント機構が第1の切換え位置又は第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始するため、変速レンジがパーキングレンジ以外である場合に切換え制御が行われ、パーキングレンジにおいては不要な切換え制御が行われることがない。
本発明に係る車両のレンジ切換え装置を具体化した実施形態1、2を図面に基づいて以下に説明する。実施形態1の車両のレンジ切換え装置は、シフトバイワイヤシステムに具体化され、図1に示すように、レンジ選択手段としてのセレクタスイッチ1、車速センサ2、制御手段としてのコントロールユニット3、モータ4、動力伝達手段5、レンジ切換え手段としてのスプール6及び位置センサ8を備えている。
セレクタスイッチ1には、Pレンジ(パーキングレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)及びDレンジ(ドライブレンジ)を表わす文字(P、R、N、D)が表示されている。運転者がセレクタスイッチ1を操作することによって、1つのレンジが選択され、レンジ信号S1がコントロールユニット3に入力される。なお、本実施形態においては、レンジ選択手段としてセレクタスイッチ1を用いたが、運転者によって選択されたレンジに対応するレンジ信号S1を発生させることができるものであれば、例えば、シフトボタン、シフトレバー、音声入力装置等であっても採用することができる。
車速センサ2は車両の車速を検出し、検出された車速信号V1がコントロールユニット3に入力される。また、コントロールユニット3にはスプール6の位置を検出する位置センサ8からの位置信号P1が入力される。コントロールユニット3は、モータ4の回転方向や回転開始・停止のタイミングを制御する制御信号C1をモータ4に出力する。この制御信号C1には、運転者のセレクタスイッチ1の操作に基づく第1シフト指令と、セレクタスイッチ1がDレンジにある場合に、後述するスプール6の第1の切換え位置であるD位置と第2の切換え位置であるD2位置とを切換える第2シフト指令とがある。
モータ4は、その出力軸をギヤボックス7内に挿入して、ギヤボックス7の外側に取付けられている。このモータ4には直流モータが用いられ、コントロールユニット3から出力される制御信号C1により制御される。
動力伝達手段5は、減速機構10、ボールネジ軸11、ボールナット12、アーム13、レンジ制御軸14及びディテント機構9を有している。減速機構10は、モータ4の出力軸に固定された小径の平歯車10aと、ボールネジ軸11に固定されるとともに、平歯車10aと噛合する大径の平歯車10bとからなり、モータ4の出力軸の回転速度を減速してボールネジ軸11に伝達する。図2に示すように、平歯車10aの歯部10cと平歯車10bの歯部10dとが噛合する部分には潤滑剤が介在されている。
図1に示すように、ボールネジ軸11は、ボールネジ軸11の軸線方向に移動可能に支持されたボールナット12にモータ4の回動、すなわち回転運動を直線運動に変換して伝達する。図3に示すように、このボールネジ軸11と、ボール19を有するボールナット12とによりボールネジが構成される。ボールネジ軸11の外周には断面形状が半円状のボール溝11aが螺旋状に形成され、ボールナット12の内周にはボール溝11aに対向してボール溝12aが螺旋状に形成されている。また、ボールネジ軸11のボール溝11aとボールナット12のボール溝12aとの間には、複数のボール19が転動自在に設けられている。これらのボール19は、ボールナット12に構成された図示しない循環路によりボール溝12aを循環している。そして、ボール溝11a、12a及びボール19の表面には潤滑剤が介在されている。
図1に示すように、ボールナット12には、その一端側で二股に分かれているアーム13が揺動可能に支持されている。アーム13の他端側に形成された矩形の孔13bには、レンジ制御軸14が嵌合されている。これにより、ボールネジ軸11が回転すると、ボールナット12がボールネジ軸11の軸線に沿って移動し、ボールナット12と揺動可能に連結されたアーム13がレンジ制御軸14を中心に揺動する。また、アーム13がレンジ制御軸14を中心に揺動すると、孔13bを介してレンジ制御軸14が回転するようになっている。
これら平歯車10a、10b、ボールネジ軸11、ボールネジ12及びアーム13はギヤボックス7内に収納されている。また、レンジ制御軸14は一端側がギヤボックス7内に収納され、他端側がギヤボックス7から突出している。ディテント機構9については後述する。なお、本実施形態においては、減速機構10として平歯車10a、10bを用い、ボールネジ軸11とボールナット12とにより、モータ4の回動を減速しているが、これらの代わりに、例えば、プラネタリギヤやウォームギヤなどを用いてもよい。
レンジ切換え手段としてのスプール6は、バルブボディ90内に配設され、軸方向(矢印A、B方向)に移動可能にされている。より詳細には、スプール6は、Pレンジに対応するD位置、Rレンジに対応するR位置、Nレンジに対応するN位置及びDレンジに対応するD位置、D2位置に移動できるようになっており、このスプール6が軸方向に移動することにより、バルブボディ90内の油路を切換えて、所定のレンジを設定することができる。また、スプール6のD位置及びD2位置の各油路が接続されて自動変速機95の油圧回路96に接続され、油圧回路96は自動変速機95のレンジ切換え部材97に接続されている。なお、油圧回路96には、上記以外にスプール6のR位置の油路が接続されている。また、スプール6の基端側においてL字型に屈曲されたフック部6aが後述するディテントレバーの一部に係合している。
位置センサ8はギヤボックス7に収納され、位置センサ8の中央にはレンジ制御軸14の一端が接続されている。この位置センサ8は、レンジ制御軸14の回転角度、言い換えると、後述するディテントレバー20の切換え位置a1、c1、e1、g1、i1を検出することによりスプール6のP位置、R位置、N位置、D位置、D2位置を検出するものであり、例えばポテンショメータを用いれば、レンジ制御軸14の回転角度に対応した電圧を出力することができる。また、手動でレンジ切換えが可能なリリース棒15が、その一端をギヤボックス7から突出して設けられている。
ディテント機構9は、ディテントレバー20、ディテントスプリング21及びローラ22を有している。図4に示すように、ディテントレバー20は板状をなし、下部には矩形の孔23が形成されている。この孔23には、レンジ制御軸14の他端が嵌合されている。このため、ディテントレバー20は、レンジ制御軸14を揺動中心として、矢印C、D方向に揺動することになる。また、ディテントレバー20の右側下部には、アーム部26が形成され、アーム部26にはスプール6のフック部6aが係合される孔27が穿設されている。なお、アーム部26はレンジ制御軸14を揺動中心として矢印C、D方向に揺動するが、この矢印C、D方向の揺動に基づいて、スプール6の基端側において図示しないリンク機構等によりスプール6の矢印A、B方向の直線運動としている。ディテントレバー20の上部には、5個の切換え領域として、図4中の右から順にレンジ溝a、c、e、g、iが設けられている。そして、これらレンジ溝a、c、e、g、iの間には凸部b、d、f、hが形成されている。また、各レンジ溝a、c、e、g、iの切換え位置a1、c1、e1、g1、i1がスプール6のP位置、R位置、N位置、D位置、D2位置に対応している。
ディテントスプリング21は、図1に示すように、長板状の部材によって形成されており、後端がバルブボディ90に固定されている。また、ディテントスプリング21の先端は二股に分かれており、ローラ22が回動自在に支持されている。ディテントスプリング21全体は板ばねとして作用し、ローラ22をディテントレバー20の傾斜面に押圧して、ディテントレバー20を精度よく位置決め保持するようになっている。
以上の構成をしたシフトバイワイヤシステムの車両のレンジ切換え装置の動作について、図4により、第1シフト指令に基づくスプール6の位置の切換えとして、セレクタスイッチ1をPレンジからRレンジへ切換えた場合を例に説明する。Pレンジにおいては、ディテントスプリング21のローラ22は、レンジ溝a内の切換え位置a1に配置されている。運転者によりセレクタスイッチ1がPレンジからRレンジに切換えられると、これに対応したレンジ信号S1がコントロールユニット3に入力される。コントロールユニット3はレンジ信号S1に基づいた第1シフト指令をモータ4に出力する。これにより、モータ4の出力軸の回転運動が減速機構10、ボールネジ軸11、ボールナット12、アーム13、レンジ制御軸14へと減速、変換されつつ伝達される。レンジ制御軸14の回転により、ディテントレバー20が矢印C方向に回転するとともに、スプール6が矢印B方向に移動する。
そして、コントロールユニット3は、位置センサ8の出力電圧が凸部bに対応する値になったとき、モータ4の回転を停止する。モータ4の回転が停止されると、ディテントレバー20は、ディテントスプリング21の弾性力に基づくローラ22の付勢力により回転される。こうして、ローラ22は、レンジ溝c内の切換え位置c1に精度よく位置決め保持される。これにより、P位置にあったスプール6は、精度よくR位置に配置される。その他の第1シフト指令に基づくスプール6の位置の切換え動作についても同様である。また、第2シフト指令に基づくスプール6の位置の切換えは、スプール6の位置をD位置とD2位置との間で切換えるものであり、運転者のセレクタスイッチ1の操作に基づくものではない点を除いて、その切換え動作は上記と同様である。
次に、このシフトバイワイヤシステムの車両のレンジ切換え装置における処理を図5〜図9に示すフローチャートを用いて説明する。車両のイグニッションスイッチがONにされている間、図5に示すレンジ切換プログラムがタイマ割り込み等により所定時間毎に実行される。
レンジ切換プログラムの実行が開始されると、ステップS10においてレンジ切換要求判定サブルーチン、ステップS20においてシフト判定サブルーチン、ステップS30においてシフト指令決定サブルーチン、ステップS50において実レンジ切換サブルーチンが順次コールされる。
次に、各サブルーチンについて説明する。図6に示すレンジ切換要求判定サブルーチンの実行が開始されると、ステップS11においてレンジ信号S1が実レンジレジスタに書き込まれている実レンジと等しいか否かを調べる。レンジ信号S1が実レンジと等しい場合(YES)、ステップS12に進み、レンジ信号S1が実レンジと等しくない場合(NO)、ステップS13に進む。ここで、レンジ信号S1はセレクタスイッチ1からコントロールユニット3に入力される信号である。また、実レンジはスプール6の移動位置(P位置、R位置、N位置、D位置、D2位置)であり、実レンジレジスタは現在の実レンジを書き込むレジスタである。
ステップS12は運転者がレンジ切換えを行なわない場合に実行され、レンジ切換要求フラグをクリア(0)した後、レンジ切換プログラムに戻る。また、ステップS13は運転者がセレクタスイッチ1を操作してレンジ切換えを行った場合に実行され、レンジ切換要求フラグをセット(1)した後、レンジ切換プログラムに戻る。ここで、レンジ切換要求フラグは、運転者によるレンジ切換え要求の有無を表すものであり、レンジ切換要求フラグ=1でレンジ切換え要求有りを表し、レンジ切換要求フラグ=0でレンジ切換え要求無しを表す。
図7に示すシフト判定サブルーチンの実行が開始されると、ステップS21においてレンジ切換要求フラグを調べる。レンジ切換要求フラグがセット(1)されている場合、ステップS22に進み、レンジ切換要求フラグがクリア(0)されている場合、ステップS23に進む。ステップS22においては、DD2シフトフラグをクリア(0)した後、レンジ切換プログラムに戻る。ここで、DD2シフトフラグは、運転者のセレクタスイッチ1の操作に基づくものではなく、スプール6のD位置とD2位置との切換えの必要の有無を表すものである。DD2シフトフラグ=1で切換えの必要有りを表し、DD2シフトフラグ=0で切換えの必要無しを表す。
ステップS23においては、実レンジレジスタに書き込まれている実レンジがD位置又はD2位置であるか否かを調べる。実レンジがD位置又はD2位置である場合(YES)、ステップS25に進む。この場合、セレクタスイッチ1はDレンジが選択されており、車両は前進走行中である。また、実レンジがD位置又はD2位置でない場合(NO)、セレクタスイッチ1はPレンジ、Rレンジ又はNレンジが選択されており、ステップS24に進む。ステップS24においては、DD2シフトフラグをクリア(0)した後、レンジ切換プログラムに戻る。
ステップS25においては、実レンジがD位置又はD2位置になってから所定時間(本実施形態においては30分)が経過したか否かをタイマカウンタTCNで調べる。所定時間が経過している場合(YES)、ステップS26に進み、所定時間が経過していない場合(NO)、前述のステップS24に進む。ここで、タイマカウンタTCNは、後述する実レンジ切換サブルーチンにおいて、実レンジがD位置又はD2位置になった時(実レンジレジスタに実レンジが書き込まれた時)にタイマカウントが開始される。
ステップS26においては、DD2シフトフラグをセット(1)した後、レンジ切換プログラムに戻る。この場合、運転者によるレンジ切換え要求がなく、実レンジがD位置又はD2位置になってから所定時間が経過している。
図8に示すシフト指令決定サブルーチンの実行が開始されると、ステップS31においてレンジ切換要求フラグを調べる。レンジ切換要求フラグがセット(1)されている場合(YES)、ステップS32に進み、レンジ切換要求フラグがクリア(0)されている場合(NO)、ステップS33に進む。ステップS32においては、スプール6の移動位置(P位置、R位置、N位置、D位置、D2位置)のうちレンジ信号S1に対応した移動位置(P位置、R位置、N位置、D位置のいずれか)をシフト指令レジスタに書き込んだ後、レンジ切換プログラムに戻る。すなわち、このステップS32では、通常のレンジ切換え動作の用意をしている。ここで、シフト指令レジスタは、レンジ切換えのためのスプール6の移動位置(P位置、R位置、N位置、D位置、D2位置)を記憶するレジスタである。
ステップS33においては、実レンジ切換え中であるか否かを調べる。実レンジ切換え中である場合(YES)、シフト指令レジスタの内容を変更することなく、レンジ切換プログラムに戻る。また、実レンジ切換え中でない場合(NO)、ステップS35に進む。なお、実レンジ切換え中であるか否かは、モータ4が駆動中であるか否か、すなわちコントロールユニット3からモータ4に制御信号C1が出力されているか否かで判断される。
ステップS35においてはDD2シフトフラグを調べる。DD2シフトフラグがクリア(0)されている場合(YES)、ステップS36に進む。この場合には、実レンジがD位置又はD2位置以外である場合と、実レンジがD位置又はD2位置であり、かつ実レンジがD位置又はD2位置になってから30分経過していない場合とがある。また、DD2シフトフラグがセット(1)されている場合(NO)、ステップS40進む。ステップS36においては、実レンジがD2位置であり、かつ車速が所定速度(本実施形態においては15km/h)以下であるか否かを調べる。実レンジがD2位置以外の場合、又は車速が15km/hより大きい場合(NO)、シフト指令レジスタの内容を変更することなく、レンジ切換プログラムに戻る。この場合には、実レンジがD2位置で車速が15km/hより大きい場合と、実レンジがD位置又はD2位置以外である場合とがある。また、実レンジがD2位置であり、かつ車速が15km/h以下である場合(YES)、ステップS38に進む。なお、車速は、車速センサ2から入力された車速信号V1により求められる。
ステップS38においては、DD2シフトフラグをセット(1)し、ステップS39に進む。ステップS39においては、シフト指令レジスタにD位置を書き込んだ後、レンジ切換プログラムに戻る。この場合は、実レンジがD2位置であり、かつ車速が15km/h以下であり、D2位置からD位置への切換え動作の用意をしている。
ステップS40においては、実レンジレジスタから実レンジを読み込む。ステップS40が実行されるのは、実レンジがD位置又はD2位置であり、かつ実レンジがD位置又はD2位置になってから30分以上経過した場合である。ステップS41においては、実レンジレジスタから読み込まれた実レンジがD位置にあるか否かを調べる。実レンジがD位置にある場合(YES)、ステップS42に進み、実レンジがD位置にない場合、すなわちD2位置にある場合(NO)、ステップS43に進む。
ステップS42においては、シフト指令レジスタにD2位置を書き込んだ後、レンジ切換プログラムに戻る。この場合は、D位置からD2位置への切換え動作の用意をしている。ステップS43においては、シフト指令レジスタにD位置を書き込んだ後、レンジ切換プログラムに戻る。この場合は、D2位置からD位置への切換え動作の用意をしている。
図9に示す実レンジ切換サブルーチンの実行が開始されると、ステップS51において、シフト指令レジスタの内容と実レンジレジスタの実レンジとが等しいか否かを調べる。シフト指令レジスタの内容と実レンジとが等しい場合(YES)、実レンジの切換えが不要であり、レンジ切換プログラムに戻る。また、シフト指令レジスタの内容と実レンジとが異なる場合(NO)、ステップS52に進む。
ステップS52においては、実レンジ切換え中であるか否かを調べる。なお、実レンジ切換え中であるか否かは、モータ4が駆動中であるか否か、すなわちコントロールユニット3からモータ4に制御信号C1が出力されているか否かで判断される。実レンジ切換え中である場合(YES)、ステップS55に進み、実レンジ切換え中でない場合(NO)、実レンジ切換えを開始するため、ステップS53に進む。ステップS53においては、モータ4のブレーキポイントを設定する。ブレーキポイントは、ディテントレバー20の凸部b、d、f、hの位置のうちのシフト指令レジスタの内容に対応したものである。ステップS54においては、シフト指令レジスタの内容にしたがって、第1シフト指令又は第2シフト指令をモータ4に出力する。これにより、モータ4の出力軸の回転運動が減速機構10、ボールネジ軸11、ボールナット12、アーム13、レンジ制御軸14、ディテントレバー20へと減速、変換されつつ伝達され、最終的にスプール6が移動する。
ステップS55においては、位置センサ8により、モータ4がブレーキポイントに達したか否かを調べる。具体的には、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部b、d、f、hのうちのシフト指令レジスタの内容に対応する値になったか否かを調べる。モータ4がブレーキポイントに達した場合(YES)、ステップS56に進み、モータ4がブレーキポイントに達しない場合(NO)、レンジ切換プログラムに戻る。ステップS56においては、モータ4を停止させ、実レンジレジスタに実レンジを書き込む。これにより、前述のように、ディテントスプリング21の弾性力によりスプール6が精度よく所定の切換え位置に配置される。
ステップS57においては、実レンジがD位置又はD2位置であるか否かを調べる。実レンジがD位置又はD2位置である場合(YES)、ステップS58に進み、実レンジがD位置又はD2位置でない場合(NO)、レンジ切換プログラムに戻る。ステップS58においては、タイマカウンタTCNのカウントを開始して、レンジ切換プログラムに戻る。このタイマカウンタTCNは、実レンジがD位置又はD2位置になってからの経過時間をカウントするものである。
次に、このシフトバイワイヤシステムのレンジ切換え装置における具体例を図10、図11のタイムチャートにより説明する。図10において、時刻T0ではセレクタスイッチ1のPレンジが選択されており、車両は駐車中である。
時刻T1において、運転者によりセレクタスイッチ1がDレンジに切換えられると、ステップS13においてレンジ切換要求フラグがセット(1)される。また、ステップS32においてシフト指令レジスタにD位置が書き込まれ、ステップS53においてモータ4のブレーキポイントが設定され、ステップS54においてモータ4が駆動され、実レンジがP位置からD位置に移動する。やがて、時刻T2において、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部fに対応する値になり、ステップS56においてモータ4が停止されるとともに、実レンジレジスタにD位置が書き込まれ、ステップS58においてタイマカウントを開始する。また、レンジ切換えプログラムの次の実行周期におけるステップS12において、レンジ切換要求フラグはクリア(0)される。
時刻T2から時間tm(30分)が経過して時刻T3になると、ステップS26においてDD2フラグがセット(1)される。また、ステップS42においてシフト指令レジスタにD2位置が書き込まれ、ステップS54においてモータ4が駆動され、実レンジがD位置からD2位置に移動する。なお、DD2フラグは、レンジ切換えプログラムの次の実行周期におけるステップS24において直ちにクリア(0)される。やがて、時刻T4において、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部hに対応する値になり、ステップS56においてモータ4が停止されるとともに、実レンジレジスタにD2位置が書き込まれ、ステップS58においてタイマカウントを開始する。
時刻T4から時間tm(30分)が経過して時刻T5になると、ステップS26においてDD2フラグがセット(1)される。また、ステップS43においてシフト指令レジスタにD位置が書き込まれ、ステップS54においてモータ4が駆動され、実レンジがD2位置からD位置に移動する。この場合も、DD2フラグは、レンジ切換えプログラムの次の実行周期におけるステップS24において直ちにクリア(0)される。やがて、時刻T6において、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部hに対応する値になり、ステップS56においてモータ4が停止されるとともに、実レンジレジスタにD位置が書き込まれ、ステップS58においてタイマカウントを開始する。時刻T7、T8における動作は、上述の時刻T3、T4における動作と同様である。
図11において、時刻T10ではセレクタスイッチ1のDレンジが選択されており、車両は走行中である。また、シフト指令レジスタ及び実レンジレジスタにはD2位置が書き込まれており、実レンジはD2位置である。時刻T11から車両が減速し始め、時刻T12において車速V1(時速15km/h)になると、ステップS38においてDD2フラグがセット(1)される。また、ステップS39においてシフト指令レジスタにD位置が書き込まれ、ステップS54においてモータ4が駆動され、実レンジがD2位置からD位置に移動する。なお、DD2フラグは、レンジ切換えプログラムの次の実行周期におけるステップS24において直ちにクリア(0)される。やがて、時刻T13において、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部hに対応する値になり、ステップS56においてモータ4が停止されるとともに、実レンジレジスタにD位置が書き込まれる。
時刻T14において、運転者によりセレクタスイッチ1がPレンジに切換えられると、ステップS13においてレンジ切換要求フラグがセット(1)される。また、ステップS32においてシフト指令レジスタにP位置が書き込まれ、ステップS54においてモータ4が駆動され、実レンジがD位置からP位置に移動する。やがて、時刻T15において、位置センサ8の出力電圧がディテントレバー20の凸部bに対応する値になり、ステップS56においてモータ4が停止されるとともに、実レンジレジスタにP位置が書き込まれる。また、レンジ切換えプログラムの次の実行周期におけるステップS12において、レンジ切換要求フラグはクリア(0)される。
なお、図11においては、実レンジがD2位置で、かつ車速が時速15km/h以下の場合、コントロールユニット3が実レンジをD位置に切換え、運転者によるレンジの切換えに備えているが、実レンジをD位置に切換えることなく、D2位置から運転者の要求するレンジに直接切換えることもできる。
実施形態1の車両のレンジ切換え装置においては、運転者によりセレクタスイッチ1のDレンジが選択さてており、かつ30分以上経過した場合、コントロールユニット3がスプール6のD位置とD2位置とを切換えるため、動力伝達手段5を構成する各部品は大きく相対移動する。そのため、潤滑剤の少なくなったギヤ、ボールネジ等の当接部分に潤滑剤を十分に介在させることができる。また、動力伝達手段5を構成する部品の同一部分が頻繁に当接することを防止することができる。したがって、実施形態1の車両のレンジ切換え装置によれば、確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することができる。
また、この車両のレンジ切換え装置においては、動力伝達手段5がボールネジ(ボールネジ軸11、ボールナット12)を含んでいるため、特にフレッティング損傷及び摩耗を防止する効果が大きい。さらに、この車両のレンジ切換え装置においては、スプール6がD2位置で、かつ車速が時速15km/h以下の場合、コントロールユニット3がスプール6をD位置に切換えるため、運転者のセレクタスイッチ1の操作によるレンジ切換えを常にスプール6のD位置から行うことができる。
実施形態2の車両のレンジ切換え装置は、ハイブリッドカーのパーキングロック機構の制御に用いられ、その機械的構成を図12に示す。図12において、図1と同様の機械的構成と同一の構成については同一の符号を用いることとし、その説明を省略する。
この車両のレンジ切換え装置では、動力伝達手段35は、減速機構10、ボールネジ軸11、ボールナット12、アーム13、レンジ制御軸14及びディテント機構39を有している。ディテント機構39は、ディテントレバー30、ディテントスプリング21及びローラ22を有している。
図13に示すように、ディテントレバー30は板状をなし、下部には矩形の孔31が形成されている。この孔31には、レンジ制御軸14の他端が嵌合されている。このため、ディテントレバー30は、レンジ制御軸14を揺動中心として、矢印C、D方向に揺動することになる。また、ディテントレバー30の左側上部には後述するパーキングロック機構40のパーキングロッド41が係合される孔32が穿設されている。ディテントレバー30の上部には、3個の切換え領域としてレンジ溝j、l、nが設けられ、各々切換え位置j1、l1、n1を有している。この切換え位置l1が第1の切換え位置であり、切換え位置n1が第2の切換え位置である。また、これらレンジ溝j、l、nの間には凸部k、mが形成されている。そして、セレクタスイッチ1のPレンジが切換え位置l1に対応し、セレクタスイッチ1のノットPレンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)が切換え位置l1、n1に対応している。なお、レンジ溝j、l、nと切換え位置j1、l1、n1との関係は、実施形態1における各レンジ溝a、c、e、g、iと切換え位置a1、c1、e1、g1、i1との関係と同様である。
図12に示すように、パーキングロック機構40は、パーキングロッド41、ウェッジ43、圧縮バネ44、サポート45及びパーキングポール50を備えている。パーキングロッド41は基端側がL字型に屈曲されてディテントレバー30に係合され、円錐状のウェッジ43はパーキングロッド41の先端側に遊嵌されて移動可能にされている。このパーキングロッド41は、ディテントレバー30がレンジ制御軸14を揺動中心として矢印C、D方向に揺動すると、矢印E、F方向に移動する。圧縮バネ44はパーキングロッド41に固定された鍔部42とウェッジ43とに連結され、サポート45はパーキングロッド41の先端側の下方に配置されている。また、パーキングポール50は基端側の軸51を中心にほぼ上下方向に揺動自在に配設されており、上側には自動変速機の出力軸に固定されたパーキングギヤ52に対して係脱可能な爪53が突設されている。
以上の構成をした車両のレンジ切換え装置の動作について、図13により、第1シフト指令に基づくディテントレバー30の位置の切換え動作を説明する。まず、セレクタスイッチ1をノットPレンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)からPレンジへ切換えた場合について説明する。ノットPレンジにおいては、ディテントスプリング21のローラ22は、レンジ溝l内の切換え位置l1又はレンジ溝n内の切換え位置n1に配置されているが、ここではレンジ溝l内の切換え位置l1に配置されているものとする。運転者によりセレクタスイッチ1がノットPレンジからPレンジに切換えられると、これに対応したシフト信号S1がコントロールユニット3に入力され、ディテントレバー30が矢印C方向に回転するとともに、パーキングロッド41が矢印E方向に移動する。
そして、コントロールユニット3は、位置センサ8の出力電圧が凸部kに対応する値になったとき、モータ4の回転を停止する。モータ4の回転が停止されると、ディテントレバー30は、ディテントスプリング21の弾性力に基づくローラ22の付勢力により回転される。こうして、ローラ22は、レンジ溝j内の切換え位置j1に精度よく位置決め保持される。この際、パーキングロッド41に固定された鍔部42が圧縮バネ44を介してウェッジ43を矢印E方向に付勢する。これにより、ウェッジ43がサポート45とパーキングポール50との間に入り込んでパーキングポール50を押し上げ、爪53をパーキングギヤ52に噛合させてパーキングロックを行い、パーキングロック機構40を駆動状態にすることができる。
次に、セレクタスイッチ1をPレンジからノットPレンジ(Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ)へ切換えた場合について説明する。Pレンジにおいては、ディテントスプリング21のローラ22は、レンジ溝j内の切換え位置j1に配置されている。運転者によりセレクタスイッチ1がPレンジからノットPレンジに切換えられると、これに対応したシフト信号S1がコントロールユニット3に入力される。コントロールユニット3はシフト信号S1に基づいた第1シフト指令をモータ4に出力する。これにより、ディテントレバー30が矢印D方向に回転するとともに、パーキングロッド41が矢印F方向に移動する。
そして、コントロールユニット3は、位置センサ8の出力電圧が凸部kに対応する値になったときモータ4の回転を停止する。モータ4の回転が停止されると、ディテントレバー30がディテントスプリング21の弾性力に基づくローラ22の付勢力により回転され、ローラ22がレンジ溝l内の切換え位置l1に精度よく位置決め保持される。この際、ウェッジ43がサポート45とパーキングポール50との間から引き抜かれ、パーキングポール50が下方に揺動して、爪53がパーキングギヤ52の歯溝から引き抜かれる。こうして、ロック解除が行われ、パーキングロック機構40を非駆動状態にすることができる。
さらに、第2シフト指令に基づくディテントレバー30の位置の切換えについて説明する。この場合は、運転者のセレクタスイッチ1の操作に基づくものではなく、ディテントレバー30を切換え位置l1と切換え位置n1との間で切換えるものである。
ディテントスプリング21のローラ22がレンジ溝l内の切換え位置l1又はレンジ溝n内の切換え位置n1に配置されてから所定時間(30分)が経過すると、コントロールユニット3は第2シフト指令をモータ4に出力する。これにより、ディテントレバー30が矢印C又はD方向に回転するとともに、パーキングロッド41が矢印E又はF方向に移動する。
そして、コントロールユニット3は、位置センサ8の出力電圧が凸部mに対応する値になったとき、モータ4の回転を停止する。モータ4の回転が停止されると、ディテントレバー30がディテントスプリング21の弾性力に基づくローラ22の付勢力により回転され、ローラ22がレンジ溝n内の切換え位置n1又はレンジ溝l内の切換え位置l1に精度よく位置決め保持される。この際、パーキングロック機構40は非駆動状態を維持している。
この車両のレンジ切換え装置における処理は、実施形態1と同様、図5〜図11のフローチャート等により示される。ただし、図5〜図11のフローチャート等におけるP位置、D位置、D2位置は、各々切換え位置j1、l1、n1に対応する。したがって、実レンジはディテントレバー30の移動位置(切換え位置j1、l1、n1)である。また、シフト指令レジスタはディテントレバー30の移動位置(切換え位置j1、l1、n1)を記憶するレジスタである。さらに、ブレーキポイントはディテントレバー30の凸部k、mの位置のうちのシフト指令レジスタの内容に対応したものである。
実施形態2の車両のレンジ切換え装置においては、運転者によりセレクタスイッチ1のPレンジ以外が選択さてており、かつ30分以上経過した場合、コントロールユニット3がディテントレバー30の切換え位置l1と切換え位置n1とを切換えるため、動力伝達手段5を構成する各部品は大きく相対移動する。そのため、潤滑剤の少なくなったギヤ、ボールネジ等の当接部分に潤滑剤を十分に介在させることができる。また、動力伝達手段5を構成する部品の同一部分が頻繁に当接することを防止することができる。したがって、実施形態2の車両のレンジ切換え装置によっても、確実にフレッティング損傷を防止するとともに、摩耗を防止することができる。
また、この車両のレンジ切換え装置においては、ディテントレバー30が切換え位置l1又は切換え位置n1に切換えられてから計時を開始するため、変速レンジがPレンジ以外である場合に切換え制御が行われ、Pレンジにおいては不要な切換え制御が行われることがない。その他の作用、効果は実施形態1と同様である。
以上において、本発明の車両のレンジ切換え装置を実施形態1、2に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態1の車両のレンジ切換え装置の模式図。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、減速機構の一部拡大図。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、ボールネジの一部拡大断面図。 実施形態1の車両のレンジ切換え装置に係り、ディテントレバーの正面図。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、レンジ切換プログラムのフローチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、レンジ切換要求判定サブルーチンのフローチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、シフト判定サブルーチンのフローチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、シフト指令決定サブルーチンのフローチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、実レンジ切換サブルーチンのフローチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、フレッティング防止動作のタイムチャート。 実施形態1、2の車両のレンジ切換え装置に係り、車両停止時のタイムチャート。 実施形態2の車両のレンジ切換え装置の模式図。 実施形態2の車両のレンジ切換え装置に係り、ディテントレバーの正面図。
符号の説明
1…レンジ選択手段(セレクタスイッチ)、3…制御手段(コントロールユニット)、4…モータ、5…動力伝達手段、6…レンジ切換え手段(スプール)、9、39…ディテント機構、11、12…ボールネジ(11…ボールネジ軸、12…ボールナット)、95…自動変速機、96…油圧回路、97…レンジ切換え部材、S1…レンジ信号、C1…制御信号、40…パーキングロック機構。

Claims (8)

  1. ドライブレンジを含む変速レンジが選択可能なレンジ選択手段と、
    該レンジ選択手段からのレンジ信号に基づいて制御信号を出力する制御手段と、
    該制御信号に基づいて制御されるモータと、
    該モータの回転を伝達する動力伝達手段と、
    該動力伝達手段の出力により、自動変速機の油圧回路の油路を切換えるレンジ切換え部材を前記変速レンジに対応する切換え位置に切換え可能なレンジ切換え手段と、を備える車両のレンジ切換え装置において、
    前記レンジ切換え手段は、前記変速レンジのドライブレンジに対応する前記自動変速機の油圧回路の油路を切換えない第1の切換え位置と第2の切換え位置とを取り得るように設定され、
    前記制御手段は、前記レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、前記レンジ切換え手段の前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置とを切換えることを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  2. 請求項1において、前記動力伝達手段はボールネジを含むことを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  3. 請求項1又は2において、前記レンジ切換え手段は、前記レンジ選択手段で選択可能な変速レンジのうちパーキングレンジに対応させて設定された切換え位置からドライブレンジに対応させて設定された切換え位置に向かって前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置を順に取り得るように設定され、
    前記制御手段は、前記レンジ切換え手段が前記第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、前記レンジ切換え手段を前記第1の切換え位置に切換えることを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記制御手段は、前記レンジ切換え手段が前記第1の切換え位置又は前記第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始することを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  5. ドライブレンジを含む変速レンジが選択可能なレンジ選択手段と、
    該レンジ選択手段からのレンジ信号に基づいて制御信号を出力する制御手段と、
    該制御信号に基づいて制御されるモータと、
    該モータの回転を伝達する動力伝達手段と、
    該動力伝達手段の出力により、前記変速レンジがドライブレンジの場合にパーキングロック機構を非駆動状態とし、前記変速レンジがパーキングレンジの場合にパーキングロック機構を駆動状態とするとともに、該パーキングロック機構の駆動状態及び非駆動状態を保持するディテント機構を有する車両のレンジ切換え装置において、
    前記ディテント機構は、前記変速レンジのドライブレンジに対応する第1の切換え位置と第2の切換え位置とを取り得るように設定され、
    前記制御手段は、前記レンジ選択手段により選択された変速レンジがドライブレンジであり、かつ所定時間以上経過した場合、前記ディテント機構の前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置とを切換えることを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  6. 請求項5において、前記動力伝達手段はボールネジを含むことを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  7. 請求項5又は6において、前記ディテント機構は、前記レンジ選択手段で選択可能な変速レンジのうちパーキングレンジに対応させて設定された切換え位置からドライブレンジに対応させて設定された切換え位置に向かって前記第1の切換え位置と前記第2の切換え位置を順に取り得るように設定され、
    前記制御手段は、前記ディテント機構が前記第2の切換え位置で、かつ車速が所定速度以下の場合、前記ディテント機構を前記第1の切換え位置に切換えることを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項において、前記制御手段は、前記ディテント機構が前記第1の切換え位置又は前記第2の切換え位置に切換えられてから計時を開始することを特徴とする車両のレンジ切換え装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106943A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Aisin Aw Co Ltd レンジ切換え装置
JP2018146083A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 ジヤトコ株式会社 レンジ切替装置

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