JP2018146083A - レンジ切替装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンジセレクトバルブを移動させる力を大きくしても、変更先のレンジ位置に確実に切り替えることができるレンジ切替装置を提供する。【解決手段】レンジ切替装置1は、選択されたシフトレンジに応じて位置が変更されるレンジセレクトバルブ5と、レンジセレクトバルブ5の位置を固定するディテント機構6と、を有し、ディテント機構6は、溝62と、溝64と、溝62と溝64との間に位置する溝63と、溝62乃至溝64に選択的に係合する保持ピン65と、を有し、保持ピン65が当接し溝63の底部側から溝62及び溝64に向かう溝63の側面63a、63bの勾配を、保持ピン65が当接し溝62の底部側から溝63に向かう溝62の側面62aの勾配及び保持ピン65が当接し溝64の底部側から溝63に向かう溝64の側面64aの勾配よりも大きく設定した。【選択図】図1
Description
本発明は、レンジ切替装置に関する。
特許文献1には、レンジセレクトバルブの位置を固定するためにディテント機構を設けたレンジ切替装置が開示されている。
特許文献1に開示のようなレンジ切替装置では、レンジ間の移行はなるべく素早く完了させることが望ましい。このため、レンジセレクトバルブを移動させる力を大きくすることが好ましい。しかしながら、例えば、変更先のレンジ位置が複数のレンジの間にある場合、レンジセレクトバルブを移動させる力が大きすぎると、変更先のレンジ位置を通り過ぎて、一端側の位置から他端側の位置まで移動してしまうおそれがある。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたもので、レンジセレクトバルブを移動させる力を大きくしても、変更先のレンジ位置に確実に切り替えることができるレンジ切替装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様のレンジ切替装置は、選択されたシフトレンジに応じて位置が変更されるレンジセレクトバルブと、レンジセレクトバルブの位置を固定するディテント機構と、を有し、ディテント機構は、第1溝と、第2溝と、第1溝と第2溝との間に位置する第3溝と、第1溝乃至第3溝に係合する係合部と、を有し、係合部が当接し第3溝の底部側から第1溝及び第2溝に向かう第3溝の側面の勾配を、係合部が当接し第1溝の底部側から第3溝に向かう第1溝の側面の勾配及び係合部が当接し第2溝の底部側から第3溝に向かう第2溝の側面の勾配よりも大きく設定したことを特徴とする。
この態様によれば、レンジセレクトバルブを移動させる力を大きくしても、変更先のレンジ位置に確実に切り替えることができるレンジ切替装置を提供できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレンジ切替装置1の概略構成図である。レンジ切替装置1は、車両に搭載される自動変速機(図示せず)に組み込まれている。自動変速機は、レンジとして、ドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、駐車(P)レンジ等を有し、そのいずれか一つを設定レンジとして設定することができる。
自動変速機の設定レンジは、ドライバがシフター2を操作することによって設定される。シフター2は、例えば、操作後に中立位置に自動的に復帰するモーメンタリ式のシフトレバーであるが、ボタン式のシフトスイッチ等であってもよい。シフター2によってどのレンジが選択されたかは、シフター位置センサ21によって検出される。
図1に示すように、車両は、自動変速機を制御するATCU10と、シフトコントロールユニットとしてのSCU20と、を備える。
ATCU10は、自動変速機コントロールユニットであり、自動変速機の制御を行う。SCU20は、シフター位置センサ21からの信号に基づき、シフター2によって選択されたレンジに対応する要求レンジ信号を生成してATCU10に出力する。なお、ATCU10及びSCU20は、1つの制御装置として構成されていてもよい。
次に、レンジ切替装置1について説明する。
レンジ切替装置1は、ATCU10からの制御信号に基づいて切り換えられる油圧作動式アクチュエータとしてのバルブ部3と、バルブ部3によって制御されるシリンダ部4と、シリンダ部4によって駆動されシフター2によって選択されたシフトレンジに応じて位置が変更されるレンジセレクトバルブ5と、レンジセレクトバルブ5を位置決め保持するディテント機構6と、を備える。
バルブ部3は、第1ソレノイドバルブ31及び第2ソレノイドバルブ32によって構成される。ソレノイドバルブとしては、例えば、3ポート型比例ソレノイドバルブが用いられる。なお、図1に示す構成では、バルブ部3は、2つのソレノイドバルブによって構成されているが、これに限らず、1つのソレノイドバルブや3以上のソレノイドバルブなど、シリンダ部4の駆動を制御できるものであればどのような構成であってもよい。
バルブ部3には、油圧ポンプPから吐出された作動油が油圧回路30及び第1供給流路33を通じて供給される。レンジセレクトバルブ5には、油圧ポンプPから吐出された作動油が油圧回路30、セレクト用油圧アクチュエータ35及び第2供給流路34を通じて供給される。油圧回路30は、油圧ポンプPから吐出された作動油の圧力を調整して、第1供給流路33及び第2供給流路34に供給する。なお、油圧回路30から第1供給流路33及び第2供給流路34に供給される作動油の圧力は、同じ圧力でも、異なる圧力であってもよい。
シリンダ部4は、シリンダ41と、シリンダ41の内部を摺動自在に移動するピストン42と、ピストン42によってシリンダ41内に区画される第1圧力室43及び第2圧力室44と、ピストン42の一方の端面に取り付けられるロッド45と、ピストン42の他方の端面に取り付けられるロッド46と、を備える。第1圧力室43内の作動油の圧力は、第1ソレノイドバルブ31によって制御され、第2圧力室44内の作動油の圧力は、第2ソレノイドバルブ32によって制御される。
レンジセレクトバルブ5は、ロッド45の他端に連結されるスプール51を備える。スプール51は、第2供給流路34及びタンクTと、前進クラッチFWD/C及び後進ブレーキREV/Bのいずれかとを選択的に接続又は遮断するように流路を切り替える。このように構成されたレンジセレクトバルブ5は、ドライバがシフター2をDレンジ又はRレンジに操作すると、それに応じて油圧ポンプPから第2供給流路34に供給された作動油を前進クラッチFWD/Cと後進ブレーキREV/Bとのいずれかに選択的に供給する。
ディテント機構6は、軸68に回動可能に支持されたディテントプレート61と、ディテントプレート61の外縁に形成された第1溝としての溝62及び第2溝としての64と、溝62と溝64との間に位置するように形成された第3溝としての溝63と、溝62〜64に係合する係合部としての保持ピン65と、保持ピン65を保持し、保持ピン65を係合する溝62〜64の底部側に向かって付勢するディテントスプリング66と、ディテントプレート61の回動を規制する第1、第2ストッパ67a、67bと、を備える。ディテントスプリング66は、弾性を有する部材によって構成され、レンジセレクトバルブ5のボディなどに固定されている。
ディテントプレート61には、軸68を挟んで複数の溝62〜64と対向する位置に孔69が形成される。孔69には、ロッド46の他端が回動可能に連結される。これにより、ディテントプレート61は、ピストン42の移動に伴って軸68を中心に回動する。
溝62〜64は、各レンジの位置に対応するように形成されている。具体的には、溝62がRレンジに、溝63がNレンジに、溝64がDレンジに対応する。
ディテントプレート61は、溝62〜64にディテントスプリング66によって付勢された保持ピン65が係合することで、その角度位置に保持される。ディテントプレート61は、ロッド46、ピストン42及びロッド45を介してレンジセレクトバルブ5のスプール51に連結している。したがって、溝62〜64に保持ピン65が係合することで、レンジセレクトバルブ5のスプール51の位置が保持される。つまり、ディテント機構6は、シフター2によって選択されたレンジに対応する位置でレンジセレクトバルブ5のスプール51の位置を保持する。
次に、図2〜図4を参照しながら溝62〜64の形状について説明する。
本実施形態では、保持ピン65が当接し溝63の底部側から溝62及び溝64に向かう溝63の側面63a、63bの勾配を、保持ピン65が当接し溝62の底部側から溝63に向かう溝62の側面62aの勾配及び保持ピン65が当接し溝64の底部側から溝63に向かう溝64の側面64aの勾配よりも大きく設定している。以下に、具体的に説明する。
図2は、保持ピン65が溝63に係合した状態を示し、図3は、保持ピン65が溝64に係合した状態を示し、図4は、保持ピン65が溝62に係合した状態を示している。なお、保持ピン65が溝62、63、64に係合した状態とは、保持ピン65が、溝62、63、64内において少なくとも二点で溝62、63、64に当接した状態をいう。
図2〜図4に示すように、保持ピン65は、ディテントスプリング66によって矢印Aで示す方向に付勢されている。
図2に示す状態では、ディテントスプリング66の付勢方向(矢印A)に直交する線Lと溝63の側面63a、63bとは、角度θ1、θ2をなしている。また、図3に示す状態では、ディテントスプリング66の付勢方向(矢印A)に直交する線Lと溝64の側面64aとは、角度θ3をなしている。さらに、図4に示す状態では、ディテントスプリング66の付勢方向(矢印A)に直交する線Lと溝62の側面62aとは、角度θ4をなしている。溝62〜64は、角度θ1及び角度θ2が角度θ3及び角度θ4よりも大きくなるようにして形成されている。つまり、溝63の側面63a、63bの勾配が、溝62の側面62a及び溝64の側面64aの勾配よりも大きくなるように設定されている。
このように構成されたレンジ切替装置1の作動について以下に説明する。
はじめに、NレンジからDレンジに切り替える場合について説明する。図1は、Nレンジが選択されている状態を示している。この状態で、ドライバがシフター2を操作してDレンジを選択すると、シフター位置センサ21がDレンジが選択されたことを検出し、その検出信号をSCU20に出力する。
SCU20は、シフター位置センサ21からの検出信号が入力されると、シフター2によって選択されたDレンジに対応する要求レンジ信号Sfを生成してATCU10に出力する。
ATCU10は、要求レンジ信号Sfが入力されると、第1ソレノイドバルブ31にレンジセレクトバルブ5をDレンジに対応する位置に切り替えるための圧力指令値(信号If1)を印加する。
第1ソレノイドバルブ31は、信号If1が印加されると、第1供給流路33と第1圧力室43とを接続し、第1圧力室43とタンクTとの連通を遮断する。このとき、第2ソレノイドバルブ32には信号が印加されていないため、第2圧力室44はタンクTと連通している。これにより、第1圧力室43には油圧ポンプPから油圧回路30及び第1供給流路33を通じて作動油が供給されるとともに、第2圧力室44の作動油がタンクTに排出されて、ピストン42が図1における右方向に移動する。レンジセレクトバルブ5のスプール51は、ピストン42にロッド45を介して連結されているので、ピストン42の移動に伴って図1における右方向に移動する。スプール51が図1における右方向に移動すると、第2供給流路34と前進クラッチFWD/Cとが連通し、前進クラッチFWD/Cに作動油が供給されて自動変速機が前進に切り替えられる。
また、ピストン42が図1における右方向に移動すると、ロッド46に連結されたディテントプレート61が軸68を中心にして図1における反時計方向に回動する。これにより、保持ピン65は、ディテントスプリング66の付勢力に抗して溝63から溝64へ移動し、溝64と係合する(図3参照)。なお、保持ピン65が溝63から溝64へ移動するときに溝64を超えて移動しようとしても、ディテントプレート61が第1ストッパ67aに当接するので、保持ピン65が溝64を超えて移動することはない。
ATCU10は、信号If1を一定時間出力すると、第1ソレノイドバルブ31をオフにする(図5A参照)。これにより、第1供給流路33と第1圧力室43との接続が遮断されるので、第1圧力室43への作動油の供給が停止され、ピストン42はその位置に停止する。この状態では、例えば、振動などが作用しても、保持ピン65と溝64とが係合しているので、ピストン42及びピストン42に連結されたスプール51は、その位置に保持される。
次に、NレンジからRレンジに切り替える場合について説明する。
ドライバがシフター2を操作してRレンジを選択すると、シフター位置センサ21がRレンジが選択されたことを検出し、その検出信号をSCU20に出力する。
SCU20は、シフター位置センサ21からの検出信号が入力されると、シフター2によって選択されたRレンジに対応する要求レンジ信号Srを生成してATCU10に出力する。
ATCU10は、要求レンジ信号Srが入力されると、第2ソレノイドバルブ32にレンジセレクトバルブ5をRレンジに対応する位置に切り替えるための圧力指令値(信号Ir1)を印加する。
第2ソレノイドバルブ32は、信号Ir1が印加されると、第1供給流路33と第2圧力室44とを接続し、第2圧力室44とタンクTとの連通を遮断する。このとき、第1ソレノイドバルブ31には信号が印加されていないため、第1圧力室43はタンクTと連通している。これにより、第2圧力室44には油圧ポンプPから油圧回路30及び第1供給流路33を通じて作動油が供給されるとともに、第1圧力室43の作動油がタンクTに排出されて、ピストン42が図1における左方向に移動する。レンジセレクトバルブ5のスプール51は、ピストン42にロッド45を介して連結されているので、ピストン42の移動に伴って図1における左方向に移動する。スプール51が図1における左方向に移動すると、第2供給流路34と後進ブレーキREV/Bが連通し、後進ブレーキREV/Bに作動油が供給されて自動変速機が後進に切り替えられる。
また、ピストン42が図1における左方向に移動すると、ロッド46に連結されたディテントプレート61が軸68を中心にして図1における時計方向に回動する。これにより、保持ピン65は、ディテントスプリング66の付勢力に抗して溝63から溝62へ移動し、溝62と係合する(図4参照)。なお、保持ピン65が溝63から溝62へ移動するときに溝62を超えて移動しようとしても、ディテントプレート61が第2ストッパ67bに当接するので、保持ピン65が溝62を超えて移動することはない。
ATCU10は、信号Ir1を一定時間出力すると、第2ソレノイドバルブ32をオフにする。これにより、第1供給流路33と第2圧力室44との接続が遮断されるので、第2圧力室44への作動油の供給が停止され、ピストン42はその位置に停止する。この状態では、保持ピン65と溝62とが係合しているので、ピストン42及びピストン42に連結されたスプール51は、その位置に保持される。
次に、DレンジからNレンジに切り替える場合について説明する。
ドライバがシフター2を操作してNレンジを選択すると、シフター位置センサ21がNレンジが選択されたことを検出し、その検出信号をSCU20に出力する。
SCU20は、シフター位置センサ21からの検出信号が入力されると、シフター2によって選択されたNレンジに対応する要求レンジ信号Sn1を生成してATCU10に出力する。
ATCU10は、要求レンジ信号Sn1が入力されると、第2ソレノイドバルブ32にレンジセレクトバルブ5をNレンジに対応する位置に切り替えるための信号In1を印加する。
第2ソレノイドバルブ32は、信号In1が印加されると、第1供給流路33と第2圧力室44とを接続し、第2圧力室44とタンクTとの連通を遮断する。このとき、第1ソレノイドバルブ31には信号が印加されていないため、第1圧力室43はタンクTと連通している。これにより、第2圧力室44には油圧ポンプPから油圧回路30及び第1供給流路33を通じて作動油が供給されるとともに、第1圧力室43の作動油がタンクTに排出されて、ピストン42が図1における左方向に移動する。レンジセレクトバルブ5のスプール51は、ピストン42にロッド45を介して連結されているので、ピストン42の移動に伴って図1における左方向に移動し、中立位置(油圧ポンプPが前進クラッチFWD/C及び後進ブレーキREV/Bのいずれにも連通しない位置)に戻る。
また、ピストン42が図1における左方向に移動すると、ロッド46に連結されたディテントプレート61が軸68を中心にして図1における時計方向に回動する。これにより、保持ピン65は、ディテントスプリング66の付勢力に抗して溝64から溝63へ移動し、溝63と係合する。
ATCU10は、信号In1を一定時間出力すると、第2ソレノイドバルブ32をオフにする。これにより、第1供給流路33と第2圧力室44との接続が遮断されるので、第2圧力室44への作動油の供給が停止され、ピストン42はその位置に停止する。この状態では、保持ピン65と溝63とが係合しているので、ピストン42及びピストン42に連結されたスプール51は、その位置に保持される。
次に、RレンジからNレンジに切り替える場合について説明する。
ドライバがシフター2を操作してNレンジを選択すると、シフター位置センサ21がNレンジが選択されたことを検出し、その検出信号をSCU20に出力する。
SCU20は、シフター位置センサ21からの検出信号が入力されると、シフター2によって選択されたNレンジに対応する要求レンジ信号Sn2を生成してATCU10に出力する。
ATCU10は、要求レンジ信号Sn2が入力されると、第1ソレノイドバルブ31にレンジセレクトバルブ5をNレンジに対応する位置に切り替えるための信号In2を印加する。
第1ソレノイドバルブ31は、信号In2が印加されると、第1供給流路33と第1圧力室43とを接続し、第1圧力室43とタンクTとの連通を遮断する。このとき、第2ソレノイドバルブ32には信号が印加されていないため、第2圧力室44はタンクTと連通している。これにより、第1圧力室43には油圧ポンプPから油圧回路30及び第1供給流路33を通じて作動油が供給されるとともに、第2圧力室44の作動油がタンクTに排出されて、ピストン42が図1における右方向に移動する。レンジセレクトバルブ5のスプール51は、ピストン42にロッド45を介して連結されているので、ピストン42の移動に伴って図1における右方向に移動し、中立位置(油圧ポンプPが前進クラッチFWD/C及び後進ブレーキREV/Bのいずれにも連通しない位置)に戻る。
また、ピストン42が図1における右方向に移動すると、ロッド46に連結されたディテントプレート61が軸68を中心にして図1における反時計方向に回動する。これにより、保持ピン65は、ディテントスプリング66の付勢力に抗して溝62から溝63へ移動し、溝63と係合する。
ATCU10は、信号In2を一定時間出力すると、第1ソレノイドバルブ31をオフにする。これにより、第1供給流路33と第1圧力室43との接続が遮断されるので、第1圧力室43への作動油の供給が停止され、ピストン42はその位置に停止する。この状態では、保持ピン65と溝63とが係合しているので、ピストン42及びピストン42に連結されたスプール51は、その位置に保持される。
以上のように構成されたレンジ切替装置1においては、レンジ間の移行をなるべく素早く完了させることが好ましいため、レンジセレクトバルブ5を移動させる力、すなわち、ピストン42を移動させる力を大きくすることが好ましい。しかし、Dレンジ又はRレンジからNレンジに切り替える場合、ピストン42を移動させる力が大きすぎると、保持ピン65がDレンジに対応する溝64又はRレンジに対応する溝62からNレンジに対応する溝63に移動するときに、溝63を通過して溝62又は溝64まで移動してしまうおそれがある。そこで、本実施形態のレンジ切替装置1では、上述のように、溝63の側面63a、63bの勾配を、溝62の側面62a及び溝64の側面64aの勾配よりも大きくなるように設定している。これにより、保持ピン65が溝63から溝62又は溝64に移動するための力を大きく設定できるので、Dレンジ又はRレンジからNレンジにレンジを切り替えたときに、保持ピン65を確実にNレンジに対応する位置(溝63)で停止させることができる。また、レンジ切替装置1によれば、レンジセレクトバルブ5を移動させる力を大きくできるので、応答性を良好にできる。
なお、本実施形態では、保持ピン65が溝62又は溝64と係合する位置から、保持ピン65が溝63と係合する位置へレンジセレクトバルブ5を移動させる力を、保持ピン65が溝63と係合する位置から、保持ピン65が溝62又は溝64と係合する位置へレンジセレクトバルブ5を移動させる力よりも小さく設定してもよい。
また、上述した実施形態では、図5Aに示すように、第1、第2ソレノイドバルブ31、32に対して一定の値の圧力指令値を一定時間印加している。
しかし、D、RレンジからNレンジに切り替える際に急激に油圧が立ち上がると、ピストン42が急激に動き出す。この状態で、Nレンジに到達したときに、保持ピン65が溝63に係合するとピストン42が急激に停止するため、第1、第2圧力室43、44内に油撃が生じて油圧が一時的に必要以上に高くなってしまうことがある。このような油撃がピストン42に作用すると、保持ピン65が溝63から外れ、溝63(Nレンジ)を通過してしまうおそれがある。
そこで、図5Bに示すように、圧力指令値を印加開始には漸増させ、その後一定の値となるようにしてもよい。このようにすることで、第1、第2ソレノイドバルブ31、32によりレンジセレクトバルブ5のスプール51の移動を開始するとき、第1、第2ソレノイドバルブ31、32から第1、第2圧力室43、44へ供給する油圧を漸増させることができる。これにより、油撃の発生を抑制し、Nレンジを通過してしまうことを防止できる。
また、図5Cに示すように、圧力指令値を圧力指令値の印加開始時に第1所定値を指示した後に第1所定値よりも大きい第2所定値まで漸増させ、その後一定となるようにして印加してもよい。このように、第1、第2ソレノイドバルブ31,32によりレンジセレクトバルブ5のスプール51の移動を開始するとき、第1、第2ソレノイドバルブ31,32に第1所定油圧となるように指示した後に、第1所定油圧よりも高い第2所定油圧まで油圧を漸増させるよう圧力指令値を印加することにより、図5Bに示す圧力指令値を印加した場合に比べて、応答性を向上させることができる。つまり、図5Cに示す圧力指令値を印加した場合には、油撃の発生を抑制し、Nレンジを通過してしまうことを防止しつつ、応答性を良好にできる。
以上のレンジ切替装置1によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態におけるレンジ切替装置1では、保持ピン65が当接し溝63の底部側から溝62及び溝64に向かう溝63の側面63a、63bの勾配を、保持ピン65が当接し溝62の底部側から溝63に向かう溝62の側面62aの勾配及び保持ピン65が当接し溝64の底部側から溝63に向かう溝64の側面64aの勾配よりも大きく設定している。
これにより、保持ピン65が溝63から溝62又は溝64に移動するための力を大きく設定できるので、Dレンジ又はRレンジからNレンジにレンジを切り替えた時に、保持ピン65が確実にNレンジに対応する位置(溝63)で停止できる。よって、レンジセレクトバルブ5を移動させる力を大きくしても、変更先のレンジ(Nレンジ)の位置に確実に切り替えることができる。さらに、レンジセレクトバルブ5を移動させる力を大きくできるので、応答性を良好にできる(請求項1、2に対応する効果)。
また、本実施形態におけるレンジ切替装置1は、保持ピン65が溝62と係合する位置でレンジセレクトバルブ5の移動を停止させる第1ストッパ67aと、保持ピン65が溝64と係合する位置でレンジセレクトバルブ5の移動を停止させる第2ストッパ67bと、を有する。
これにより、保持ピン65の外側への離脱を防止できるので、溝62又は溝64への移動を強い力で応答良く行うことができる(請求項3に対応する効果)。
また、本実施形態におけるレンジ切替装置1は、レンジセレクトバルブ5のスプール51を移動させる力を油圧により発生させるバルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)を有し、バルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)によりレンジセレクトバルブ5のスプール51の移動を開始するとき、バルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)の油圧を漸増させる。
これにより、油撃の発生を抑制し、Nレンジを通過することを防止できる(請求項4に対応する効果)。
また、本実施形態におけるレンジ切替装置1は、レンジセレクトバルブ5のスプール51を移動させる力を油圧により発生させるバルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)を有し、バルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)によりレンジセレクトバルブ5のスプール51の移動を開始するとき、バルブ部3(第1、第2ソレノイドバルブ31、32)に第1所定油圧を指示した後に第1所定油圧よりも高い第2所定油圧まで油圧を漸増させる。
これにより、油撃の発生を抑制し、Nレンジを通過することを防止しつつ、応答性を良好にできる(請求項5に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上述した実施形態では、ディテント機構6として、ディテントプレート61が回動する場合を例に説明したが、例えば、ロッド45、ロッド46、あるいはスプール51に溝62〜64を設けた構成としてもよい。
また、レンジセレクトバルブ5のスプール51の移動を停止させるストッパとして、ディテントプレート61の回動を規制する第1、第2ストッパ67a、67bを例に説明したが、ピストン42やスプール51の移動を規制するストッパを設けてもよい。
上述した実施形態では、第1、第2ソレノイドバルブ31、32に一定時間圧力指令値を印加するように構成しているが、これに限らず、例えば、スプール51、ロッド45、ロッド46のいずれかの位置を検出する位置検出器を設け、位置検出器が検出対象となる部材(スプール51、ロッド45、ロッド46のいずれか)が所定の位置に移動したことを検出したときに、圧力指令値の印加を停止するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、溝62をRレンジ、溝64をDレンジに対応させたが、溝62をDレンジに対応させ、溝64をRレンジに対応させるように構成してもよい。
1 レンジ切替装置
2 シフター
3 バルブ部(油圧作動式アクチュエータ)
5 レンジセレクトバルブ
6 ディテント機構
31 第1ソレノイドバルブ (油圧作動式アクチュエータ)
32 第2ソレノイドバルブ (油圧作動式アクチュエータ)
42 ピストン
43 第1圧力室
44 第2圧力室
51 スプール
61 ディテントプレート
62 溝 (第1溝)
62a 側面
63 溝 (第3溝)
63a 側面
64 溝 (第2溝)
64a 側面
65 保持ピン
67a 第1ストッパ
67b 第2ストッパ
2 シフター
3 バルブ部(油圧作動式アクチュエータ)
5 レンジセレクトバルブ
6 ディテント機構
31 第1ソレノイドバルブ (油圧作動式アクチュエータ)
32 第2ソレノイドバルブ (油圧作動式アクチュエータ)
42 ピストン
43 第1圧力室
44 第2圧力室
51 スプール
61 ディテントプレート
62 溝 (第1溝)
62a 側面
63 溝 (第3溝)
63a 側面
64 溝 (第2溝)
64a 側面
65 保持ピン
67a 第1ストッパ
67b 第2ストッパ
Claims (5)
- 選択されたシフトレンジに応じて位置が変更されるレンジセレクトバルブと、
前記レンジセレクトバルブの位置を固定するディテント機構と、を有し、
前記ディテント機構は、第1溝と、第2溝と、前記第1溝と前記第2溝との間に位置する第3溝と、前記第1溝乃至前記第3溝に選択的に係合する係合部と、を有し、
前記係合部が当接し前記第3溝の底部側から前記第1溝及び前記第2溝に向かう前記第3溝の側面の勾配を、前記係合部が当接し前記第1溝の底部側から前記第3溝に向かう前記第1溝の側面の勾配及び前記係合部が当接し前記第2溝の底部側から前記第3溝に向かう前記第2溝の側面の勾配よりも大きく設定したことを特徴とするレンジ切替装置。 - 請求項1に記載のレンジ切替装置であって、
前記係合部が前記第1溝又は前記第2溝と係合する位置から、前記係合部が前記第3溝と係合する位置へ前記レンジセレクトバルブを移動させる力を、前記係合部が前記第3溝と係合する位置から、前記係合部が前記第1溝又は前記第2溝と係合する位置へ前記レンジセレクトバルブを移動させる力より小さく設定したことを特徴とするレンジ切替装置。 - 請求項1又は2に記載のレンジ切替装置であって、
前記係合部が前記第1溝と係合する位置で前記レンジセレクトバルブの移動を停止させる第1ストッパと、
前記係合部が前記第2溝と係合する位置で前記レンジセレクトバルブの移動を停止させる第2ストッパと、を有することを特徴とするレンジ切替装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のレンジ切替装置であって、
前記レンジセレクトバルブを移動させる力を油圧により発生させる油圧作動式アクチュエータを有し、
前記油圧作動式アクチュエータにより前記レンジセレクトバルブの移動を開始するとき、前記油圧作動式アクチュエータの油圧を漸増させることを特徴とするレンジ切替装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のレンジ切替装置であって、
前記レンジセレクトバルブを移動させる力を油圧により発生させる油圧作動式アクチュエータを有し、
前記油圧作動式アクチュエータにより前記レンジセレクトバルブの移動を開始するとき、前記油圧作動式アクチュエータに第1所定油圧を指示した後に前記第1所定油圧よりも高い第2所定油圧まで油圧を漸増させることを特徴とするレンジ切替装置。
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JP2017044165A JP2018146083A (ja) | 2017-03-08 | 2017-03-08 | レンジ切替装置 |
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JP2004316862A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Aisin Aw Co Ltd | 車輌のレンジ切換え装置 |
JP2007263167A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Aisin Aw Co Ltd | 車両のレンジ切換え装置 |
JP2010048297A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Toyota Motor Corp | シフト切り換え装置 |
-
2017
- 2017-03-08 JP JP2017044165A patent/JP2018146083A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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