JP2007262872A - 杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭とその上部に構築する基礎スラブとの杭頭接合部は、大別して杭頭側面と杭上端面から構成される。即ち、杭頭側面は10cmから杭の外径程度基礎スラブに埋め込まれた杭頭とその周囲の基礎スラブコンクリートからなり、杭上端面は杭頭鉄筋と基礎スラブコンクリートからなる。一方、地震力等は、杭から杭頭側面の基礎スラブコンクリートに作用した後、杭上端面の杭頭鉄筋に伝達するので、杭頭側面と杭上端面の杭頭鉄筋とは一体構造として機能しなければならない。本発明は、杭頭側面と杭上端面とを力学的に一体構造とできる杭頭接合構造の確立を技術課題としている。
【解決手段】杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲して、力学的に一体構造のRC造の柱架構を基礎スラブ内に形成し、杭頭側面と杭上端面とを一体構造の柱架構として機能させて構造設計することを可能とした。
【選択図】図1
【解決手段】杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲して、力学的に一体構造のRC造の柱架構を基礎スラブ内に形成し、杭頭側面と杭上端面とを一体構造の柱架構として機能させて構造設計することを可能とした。
【選択図】図1
Description
本発明は杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造に関するものである。
従来の一般的な杭と基礎スラブとの接合には、基礎スラブ内に杭頭を単に埋込み、埋込んだ部分の基礎スラブで抵抗する接合と杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋で補強する接合とがある。
通常、地震時等に杭頭に作用する曲げモーメント、軸力及びせん断力は杭上端面と杭頭側面において基礎スラブコンクリートに伝達される。従って、杭頭鉄筋を杭頭に取付けず、基礎スラブ内に杭頭を単に埋込み杭頭側面の基礎スラブコンクリートの支圧だけで抵抗する接合は、通常の縦筋と横筋でコンクリートを補強した柱架構形式に比べて力学的合理性が低く、多量の補強筋を必要とする巨大な形状の基礎スラブの構築が必要となり、不経済で施工性の悪い杭頭接合構造となる。
杭頭に溶接等した杭頭鉄筋のみで補強する接合方法は、杭頭鉄筋を拘束する横筋並びに杭頭側面を拘束する縦筋と横筋を外周に配置していない。しかしながら、現行の構造設計法を適用する為には、縦筋とフープ等の横筋でコンクリートを補強した鉄筋コンクリート構造の柱を形成する事が必要となる。又、地震力は、杭頭側面の基礎スラブコンクリートに作用した後、杭頭鉄筋に伝達する。従って、力学的に杭頭側面と杭頭鉄筋とは連続した構造でなければならない。しかしながら、杭頭を基礎スラブに埋込んだ杭頭側面の無筋コンクリート部と杭頭鉄筋部では構造が明らかに異なるだけでなく、連続性もなく、力の伝達もなされない。
従って、鋼管等の杭頭側面に溶接した杭頭鉄筋のみで補強する接合方法は、杭頭側面の支圧抵抗を力学的に考慮出来ない事から多量の杭頭鉄筋を必要とし、かつ、杭頭側面の無筋コンクリートで局部的な脆性破壊を発生する可能性が極めて高い杭頭接合構造といえる。
従って、鋼管等の杭頭側面に溶接した杭頭鉄筋のみで補強する接合方法は、杭頭側面の支圧抵抗を力学的に考慮出来ない事から多量の杭頭鉄筋を必要とし、かつ、杭頭側面の無筋コンクリートで局部的な脆性破壊を発生する可能性が極めて高い杭頭接合構造といえる。
本発明では、杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造及びその籠状筋を開発した事により、前記問題点を解決するものである。
本発明に係わる杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造及びその籠状筋には、次の様な特有の効果がある。
杭頭鉄筋部に於いて籠状筋の横筋をフープとして配置し、かつ、杭頭鉄筋と籠状筋の縦筋とで2重の縦筋を有し、並びに杭頭側面部に於いて籠状筋の縦筋と横筋を有する鉄筋コンクリート構造の柱架構を基礎スラブ内に形成する事により、無筋コンクリート部での脆性破壊の無い杭頭接合部を構築すると共に、杭頭側面のコンクリートの支圧による抵抗を考慮した構造設計法の適用が可能となり、杭頭に取付ける杭頭鉄筋本数を10%〜50%程度低減出来る。
杭に取付ける杭頭鉄筋本数の低減に伴い、著しいコストダウンと基礎梁の鉄筋や基礎スラブのベース筋等の配筋納まりを円滑にすると共に、工期を著しく短縮出来る。
ここで、本発明の杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造及びその籠状筋の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、請求項1の発明に係わる杭頭1に溶接で取付けた杭頭鉄筋2と杭頭1の側面とを、籠状筋4で連続して包囲する鉄筋コンクリート造の柱を基礎スラブ3内に形成した状態の立面図である。杭頭1は鋼管5を使用した杭を例として示している。杭頭鉄筋2は、コンクリートに付着する節8を設けた異形棒鋼を使用した場合を示している。籠状筋4は、縦筋9とスパイラル状の横筋11とを円筒形に配置した構成を示しているが、四角断面形にする場合もある。この実施例では、籠状筋4は杭頭鉄筋2のほぼ全範囲までを包囲しているが、縦筋9の定着性能に応じて杭頭鉄筋2の途中まで包囲しても良い。フック12は縦筋9の下端に折り曲げ加工しているが、上端に設ける場合もあり、上下端にフック12を設けない収まりもある。又、フック12と同等の定着性能を有する90度に折り曲げ加工する収まりを採用しても良い。スパイラル状の横筋11はベース筋17の上下で間隔を変えた例を示しているが、均等なピッチを採用する場合もある。基礎スラブ3の底面18は、籠状筋4を所定のコンクリート厚さで被覆する範囲で段差19を設けた底面を示している
第2図は、第1図のA−A線による横断面図である。
第3図は、請求項1および請求項2の発明に係わる籠状筋4を使用して、基礎スラブ3内に杭頭鉄筋2と杭頭1の側面とを連続して包囲する鉄筋コンクリート構造の柱架構を形成した状態の立面図である。杭頭鉄筋2は、工場製造の鋼管巻きコンクリート杭の鋼管5に溶接された例を示しているが、現場で製造される外殻鋼管場所打ちコンクリート杭も同様な取り付けになる。又、杭頭鉄筋2はプレストレストコンクリート杭等の杭頭1にある端板に設けられた雌ねじに異形棒鋼の雄ねじを螺合もしくは杭頭1にある端板にスタッド溶接して杭頭1に取付ける場合もある。杭頭鉄筋2は、溶接する節の無い開先を設けた面7と、コンクリートに付着する節8を設けた開先付き異形棒鋼を示している。籠状筋4は縦筋9とリング状の横筋10を円筒形に配置した構成を示しているが、四角断面形を採用する場合もある。この実施例では、籠状筋4は杭頭1の側面から縦筋9の定着性能などの判断から杭頭鉄筋2の途中まで包囲している。縦筋9の下端には、基礎スラブ3の底面18に沿って杭頭1に向かう水平部14と杭頭1に沿って所定の長さ立ち上る鉛直部15とを形成するU形折り曲げ部13を加工している。又、縦筋9の上端及び鉛直部15の上端にフック12又は90度の折り曲げ部を設けて、定着性能を高める場合もある、横筋10は、縦筋9の外周と共に、U形折り曲げ部13の杭頭1に沿って立ち上る鉛直部15の下端にも内周の横筋16を配置した例を示している。尚、内周の横筋16は杭頭1と基礎スラブ3の境界部の局部破壊を防止する為に、U形折り曲げ部13の水平部14及び杭頭1に沿って立ち上る鉛直部15の任意の位置に複数配置する事もある。横筋10は各々単独なリング筋をベース筋17の下の範囲で間隔を細くし、ベース筋17の上の範囲は粗く配置しているが、設計に応じて間隔及は任意であり、スパイラル筋11を採用する場合もある。基礎スラブ3は段差の無い底面18を示している。
第4図は、第3図のA−A線による横断面図である。
1 杭頭
2 杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋
3 基礎スラブ
4 籠状筋
5 鋼管
6 鋼管巻きコンクリート杭のコンクリート部
7 異形棒鋼の節の無い開先面
8 異形棒鋼の節
9 籠状筋を構成する縦筋
10 籠状筋を構成するリング状の横筋
11 籠状筋を構成するスパイラル状の横筋
12 籠状筋を構成する縦筋の端部に折り曲げ加工したフック
13 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部
14 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の水平部
15 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の鉛直部
16 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の鉛直部の下端の内周に配置した横筋
17 ベース筋
18 基礎スラブの底面
19 基礎スラブ底面の段差部
20 鋼管と杭頭接合鉄筋との溶接部
2 杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋
3 基礎スラブ
4 籠状筋
5 鋼管
6 鋼管巻きコンクリート杭のコンクリート部
7 異形棒鋼の節の無い開先面
8 異形棒鋼の節
9 籠状筋を構成する縦筋
10 籠状筋を構成するリング状の横筋
11 籠状筋を構成するスパイラル状の横筋
12 籠状筋を構成する縦筋の端部に折り曲げ加工したフック
13 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部
14 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の水平部
15 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の鉛直部
16 籠状筋を構成する縦筋の下端に加工したU形折り曲げ部の鉛直部の下端の内周に配置した横筋
17 ベース筋
18 基礎スラブの底面
19 基礎スラブ底面の段差部
20 鋼管と杭頭接合鉄筋との溶接部
Claims (2)
- 杭とその上部に構築する基礎スラブとの接合において、杭頭に溶接等で取付けた杭頭鉄筋と杭頭側面とを、縦筋と横筋からなる籠状筋で連続して包囲する鉄筋コンクリート構造を基礎スラブ内に形成した事を特徴とする杭と基礎スラブとの接合構造。
- 請求項1に記載の籠状筋において、縦筋とリング状等の横筋とで円筒形等の籠筋を構成すると共に、前記縦筋の下端を基礎スラブの底面に沿って杭頭に向かう水平部と杭頭側面に沿って立ち上がる鉛直部とを形成するように折り曲げ、かつ、前記縦筋の下端に形成した水平部と鉛直部の所定の位置にリング状等の横筋を配置した事を特徴とする杭頭鉄筋と杭頭側面とを包囲する籠状筋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006118470A JP2007262872A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006118470A JP2007262872A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007262872A true JP2007262872A (ja) | 2007-10-11 |
Family
ID=38636116
Family Applications (1)
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JP2006118470A Pending JP2007262872A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 杭頭鉄筋と杭頭側面とを籠状筋で包囲した杭頭接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007262872A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011069165A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Jfe Steel Corp | 杭頭結合構造及びその施工方法 |
JP2011236612A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Kajima Corp | 杭頭部と基礎の接合部構造 |
JP2014129661A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Hitachi Metals Techno Ltd | 杭頭接合構造 |
-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006118470A patent/JP2007262872A/ja active Pending
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JP2011069165A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Jfe Steel Corp | 杭頭結合構造及びその施工方法 |
JP2011236612A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Kajima Corp | 杭頭部と基礎の接合部構造 |
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