JP2007262808A - プレストレス力導入装置、その定着構造およびプレストレス式の接合構造並びにプレストレス力導入装置の定着方法 - Google Patents

プレストレス力導入装置、その定着構造およびプレストレス式の接合構造並びにプレストレス力導入装置の定着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中空PC鋼材の定着強度を向上させ、低強度コンクリートの使用に対応させることができるようにする。
【解決手段】プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備え、この中空PC鋼材2の先端部2aからほぼ中間部に亘って雄ねじ部3を形成するとともに、この雄ねじ部3の先端部3aに、定着ナット4を装着したプレストレス力導入装置において、前記中空PC鋼材2の雄ねじ部3に、少なくとも一つの支圧部材としての薄肉ナット41を、定着ナット4から間隔をおいて離して螺着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、土木建築で多く使われている中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を使用したプレストレス力導入装置、その定着構造およびプレストレス式の接合構造並びにプレストレス力導入装置の定着方法に関する。
従来の中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置の定着構造においては、図7に示すように、中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1Aを、コンクリート打設前の構造物築造位置に配置し、前記プレストレス力導入装置1Aにおけるプレストレス力が付与された中空PC鋼材2の先端部2aからほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部3の先端部2aに、定着ナット4を予め装着するとともに、コンクリート10の打設硬化後、プレストレス力導入装置1Aにおける前記中空PC鋼材により、コンクリート部材またはコンクリート構造物Wにプレストレスを導入してなる定着構造が知られている。
また、図8に示すように、既設のコンクリート部材またはコンクリート構造物Wに、アンカー孔5を削孔し、このアンカー孔5内に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1Aを配置するとともに、アンカー孔5とプレストレス力導入装置1Aとの間に、モルタル、無収縮コンクリート等の充填材6を充填・硬化させた後、プレストレス力導入装置1Aにおける中空PC鋼材2により、既設のコンクリート部材またはコンクリート構造物Wにプレストレスを導入してなる定着方法が知られている。
さらに、図9に示すように、既設コンクリート構造物等の一方のコンクリート部材W1に、コンクリートブロック等の他方の新設コンクリート部材W2を接合する場合、一方の既設コンクリート部材W1に設けたアンカー孔5Aと、他方の新設コンクリート部材W2に設けたプレストレス力導入装置配置用孔5Bとに亘って、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1Aを配置し、アンカー孔5A及びアンカー孔5Bとプレストレス力導入装置1Aとの間に、充填材6を充填・硬化させた後、プレストレス力導入装置1Aにおける中空PC鋼材2により、既設コンクリート部材W1と、新設コンクリート部材W2とにプレストレスが導入されるように接合してなる接合構造が知られている。
前記のような形態に使用される中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1Aの特徴として、プレストレス導入装置1Aにおいて使用される材料が高強度材料であり、また、これを埋め込むように充填されるコンクリートまたはモルタルも高強度材料を対象に使用するために、従来は、プレストレス力導入装置1Aの先端部の雄ねじ部3に装着される定着用ナット4は、厚肉の一つのナットで十分であった。
しかし、上記したいずれのものにおいても、中空PC鋼材2の定着が、定着ナット4による定着力と雄ねじ部3のねじ山に付着するコンクリートの付着力のみよる支圧力を利用して行われていることから、打設コンクリートの圧縮強度Fcが、30MPa以上の圧縮耐力のある高強度コンクリートであれば破壊することはないが、打設コンクリートの圧縮強度Fcが、30MPaを下回る低強度コンクリートを使用した場合、定着力及び付着力不足により、コンクリートが破壊されてしまう。
また、低強度コンクリートによる既設コンクリートと新設コンクリートとの接合構造では、既設コンクリートの削孔に充填材を充填して定着が行われるが、周囲のコンクリートが低強度コンクリートの場合、高いプレストレス力が導入されたプレストレス力導入装置を開放して中空PC鋼材によりコンクリートに高いプレストレス力を導入しても、付着が切れたりして十分有効な定着強度が得られない。
しかも、既設コンクリートの強度が低くなると、剪弾力、付着強度、弾性強度などの強度値が低下し、これにより、同じ応力が作用した場合、低強度コンクリートの方が、変形や破壊が生じ易いという問題があった。
特開2006−045997
そこで、本発明は、前記のようなコンクリート構造物に圧縮プレストレスを導入して補強する場合に、中空PC鋼材の定着強度を向上させ、低強度コンクリートの使用に対応させることができるプレストレス力導入装置の定着構造を提供することを目的とする。
また、前記のプレストレス力導入装置を利用したプレストレス式の接合構造において、充填材と一方のコンクリート部材との付着を充分期待することができるプレストレス式の接合構造を提供することを目的とする。
さらに、前記のようなコンクリート構造物に圧縮プレストレスを導入して補強する場合に、中空PC鋼材の定着強度を向上させることができるプレストレス力導入装置の定着方法を提供することを目的とする。
前記の課題を有利に解決するために、第1発明のプレストレス力導入装置においては、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備え、該中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って雄ねじ部を形成するとともに、前記中空PC鋼材の先端部に、定着ナットを装着したプレストレス力導入装置において、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置したことを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明のプレストレス力導入装置において、前記支圧部材を、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に螺合可能で前記定着ナットよりも薄い薄肉ナットにより構成したことを特徴とする。
第3の発明のプレストレス力導入装置の定着構造においては、コンクリート打設前の構造物に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成1された雄ねじ部の先端部に、定着ナットを螺着するとともに、コンクリート打設後に、前記プレストレス力導入装置における前記中空PC鋼材により、コンクリート部材またはコンクリート構造物にプレストレスを導入するプレストレス力導入装置の定着構造において、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とする。
第4の発明では、プレストレス式の接合構造においては、一方のコンクリート部材またはコンクリート構造物に設けたアンカー孔と、他方の部材に設けたプレストレス力導入装置配置用孔とにわたって、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記アンカー孔に、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部の先端部に装着した定着ナットを配置するとともに、前記アンカー孔およびプレストレス力導入装置配置用孔とプレストレス力導入装置との間に、充填材を充填・硬化させた後、前記プレストレス力導入装置における前記中空PC鋼材により、一方のコンクリート部材またはコンクリート構造物と、他方の部材とにプレストレスを導入するように接合するプレストレス式の接合構造において、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とする。
第5の発明では、第4の発明のプレストレス式の接合構造において、前記アンカー孔の内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して複数の係止部を、少なくとも中空PC鋼材の雄ねじ部範囲に形成したことを特徴とする。
第6の発明のプレストレス力導入装置の定着方法においては、コンクリート部材またはコンクリート構造物に削孔したアンカー孔内に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記アンカー孔に、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部の先端部に装着した定着ナットを配置するとともに、前記アンカー孔とプレストレス力導入装置との間に、充填材を充填・硬化させた後、前記プレストレス力導入装置の開放により、前記中空PC鋼材を緊張して、コンクリート部材またはコンクリート構造物にプレストレスを導入するプレストレス力導入装置の定着方法において、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とする。
第1発明によると、プレストレス力導入装置における中空PC鋼材の雄ねじ部に、定着ナットから間隔をおいて離して、少なくとも一つの支圧部材を螺合させることにより、少なくとも定着ナットと支圧部材としたことから、定着面積が大きくなり、支圧力が分散されるとともに、中空PC鋼材の定着強度を向上させることができる。また、雄ねじ部に支圧部材を装着する簡単な構造のプレストレス力導入装置により定着ナットと支圧部材に応力を分散させて伝達できるプレストレス力導入装置を容易に構成することができる。
第2発明によると、プレストレス力導入装置における中空PC鋼材の雄ねじ部に、定着ナットから間隔をおいて離して、少なくとも一つの支圧部材としての薄肉ナットを螺合させることにより、少なくともダブルナットとしたことから、定着面積が大きくなり、支圧力が分散されるとともに、中空PC鋼材の定着強度を向上させることができる。
また、中空PC鋼材における雄ねじ部のねじ山の数は、コンクリートに付着し中空PC鋼材の緊張力に抵抗する部分であるが、この雄ねじ部にねじ込まれるナットは、薄肉ナットを用いることにより、必要以上に、ねじ山を減らさずに済むため、薄肉ナットに作用する支圧力も小さくすることができる。
第3発明によると、第1発明の効果を有するプレストレス力導入装置を使用した定着構造であるので、コンクリート構造物あるいは充填する充填材が高強度材料でない場合にも、高い定着強度を確保することができる定着構造とすることができ、高強度でないコンクリート製の既設コンクリート構造物側の変形や破壊を防止することができる。
第4発明によると、第1発明の効果を有するプレストレス力導入装置を使用した定着構造であるので、接合すべき一方あるいは他方のコンクリート構造物あるいは充填する充填材が高強度材料でない場合にも、高い定着強度を確保することができる定着構造とすることができ、高強度でないコンクリート製のコンクリート構造物側の変形や破壊を防止することができる。
第5発明によると、コンクリート部材またはコンクリート構造物に削孔したアンカー孔の内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して複数の係止部を、少なくとも中空PC鋼材の雄ねじ部範囲に形成したことから、係止部にも支圧力を分散させることができ、係止効果を高めて定着強度を向上させることができる。
第6発明によると、第1発明の効果を有するプレストレス力導入装置を使用した定着方法であるので、コンクリート構造物あるいは充填する充填材が高強度材料でない場合にも、高い定着強度を確保することができる定着方法とすることができ、高強度でないコンクリート製の既設コンクリート構造物側の変形や破壊を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図1から図5に示す図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態において、図7から図9に示す従来構造のものと構成が重複する部分は、同一符号を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1実施形態におけるプレストレス力導入装置の定着構造を示す。
本実施形態のプレストレス力導入装置1は、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2の先端部2aからほぼ中間部に亘って雄ねじ部3が形成され、その先端部3aには、定着ナット4がねじ込まれて装着されているとともに、その中間部近傍には、少なくとも一つの支圧部材としての定着ナット4よりも肉薄な薄肉ナット41が、定着ナット4から雄ねじ軸部の長手方向に間隔をおいて離れた位置にねじ込まれて装着されている。
前記のようなプレストレス力導入装置1をコンクリート部材またはコンクリート構造物Wに定着させるには、コンクリート打設前の構造物に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1を配置し、コンクリート打設することにより行われる。そして、コンクリート打設硬化後に、プレストレス力導入装置1内に配置された反力PC鋼材の圧縮力を開放することで中空PC鋼材により、コンクリート部材またはコンクリート構造物Wにプレストレスを導入するようになっている。
前記のように、定着ナット4と薄肉ナット41とを間隔をおいて雄ねじ部3にねじ込まれて装着されていることにより、複数のナットにより定着面積が大きくなり、支圧力が複数のナットに分散されるとともに、中空PC鋼材の定着強度を向上させることができる。また、定着ナット4だけに極端に支圧力が集中しない効果がある。なお、前記各ナット4、41に支圧プレートを配置する場合も同様である。
また、中空PC鋼材における雄ねじ部のねじ山の数は、コンクリートに付着し中空PC鋼材の緊張力に抵抗する部分として重要であるが、この雄ねじ部にねじ込まれるナットは、薄肉ナットを用いることにより、必要以上に、ねじ山を減らさずに済むため、薄肉ナットに作用する支圧力も小さくすることができる。
なお、プレストレス力導入装置1が長尺の場合などでは、前記の薄肉ナット41を間隔をおいて2個以上の複数個配置する形態も可能である。
(実施形態2)
図2は、本発明の第2実施形態におけるプレストレス力導入装置の定着構造を示す。
本第2実施形態では、既設のコンクリート部材またはコンクリート構造物Wに、アンカー孔5を削孔し、このアンカー孔5内に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1を配置するとともに、アンカー孔5とプレストレス力導入装置1との間に、モルタル(無収縮モルタルを含む)、無収縮コンクリート等の充填材6を充填・硬化させた後、プレストレス力導入装置1の内に配置された反力PC鋼材の圧縮力を開放することで中空PC鋼材により、既設のコンクリート部材またはコンクリート構造物Wにプレストレスを導入するようにしている形態である。
(実施形態3)
図3は、本発明の第3実施形態におけるプレストレス式の接合構造を示す。
本第3実施形態では、既設コンクリート構造物等の一方のコンクリート部材W1に、コンクリートブロック等の他方の新設コンクリート部材W2を接合する場合、一方の既設コンクリート部材W1に設けたアンカー孔5Aと、他方の新設コンクリート部材W2に設けたプレストレス力導入装置配置用孔5Bとに亘って、プレストレス力が付与された中空PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1を配置し、アンカー孔5A及び孔5Bとプレストレス力導入装置1との間に、充填材6を充填・硬化させた後、プレストレス力導入装置1内に配置された反力PC鋼材の圧縮力を開放することで相対的に中空PC鋼材により、既設コンクリート部材W1と、新設コンクリート部材W2とにプレストレスを導入するようにした形態である。
(実施形態4)
図4は、本発明の第4実施形態におけるプレストレス力導入装置の定着構造を示す。
本第4実施形態では、上記第2実施形態において、コンクリート部材またはコンクリート構造物Wに削孔したアンカー孔5の内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して係止部となる複数の係止凹溝7を、少なくとも中空PC鋼材2の雄ねじ部3の範囲に形成してなる構成を有する。このように係止凹溝7を設けることにより充填材6との付着を高め、結果的にプレストレス力導入装置1の定着強度を高めることができる。
(実施形態5)
図5は、本発明の第5実施形態におけるプレストレス式の接合構造を示す。
本第5実施形態では、上記第3実施形態において、上記第4実施形態と同様に、一方の既設コンクリート部材W1に設けたアンカー孔5Aの内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して係止部となる複数の係止凹溝7を、少なくとも中空PC鋼材2の雄ねじ部3の範囲に形成してなる構成を有する。このような形態では、複数の係止凹溝7により硬化性充填材6とアンカー孔5Aとの付着を高めることができる。
上記した各実施形態の構成によれば、プレストレス力導入装置1における中空PC鋼材2の雄ねじ部3に、定着ナット4から間隔をおいて離して、複数の薄肉ナット41を螺合させることにより、ダブルナットとしたことから、定着面積が大きくなり、支圧力が定着ナット4、雄ねじ部3のねじ山、薄肉ナット41に分散され、中空PC鋼材2の定着強度を向上させることができる。
また、中空PC鋼材2における雄ねじ部のねじ山の数は、緊張力に抵抗し、薄肉ナット41を用いることにより、必要以上に、ねじ山を減らさずに済むため、薄肉ナット41に作用する支圧力も小さくすることができる。
さらに、コンクリート部材またはコンクリート構造物W(またはW1)に削孔したアンカー孔5(5A)の内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して複数の係止凹溝7を、少なくとも中空PC鋼材2における雄ねじ部3の範囲に形成したことから、係止凹溝7にも支圧力を分散させることができ、係止効果を高めて定着強度を向上させることができる。
なお、上記した第4及び第5実施形態において、コンクリート部材またはコンクリート構造物W(またはW1)に削孔したアンカー孔5(5A)の内周面に形成される係止部として、断面矩形状凹溝としたが、断面形態は、台形状、その他、種々の形態が可能である。
次に、前記の各実施形態において使用する中空部PC鋼材2を備えたプレストレス力導入装置1の一形態について、図6を参照して説明する。
図6(a)は、本発明において使用する一実施形態の中空PC鋼棒2を使用したコンクリート用のプレストレス力導入装置1の1ユニットの一部切欠側面図を示し、(b)はその縦断側面図を示すものであって、鋼製中空PC鋼棒本体2bの長手方向の一端部(前端部)外側に雄ねじ部9を有すると共に、他端部(後端部)外側に雄ねじ部3を有する中空PC鋼棒からなる中空PC鋼材2における前記雄ねじ部3に、前後両端部に雌ねじ孔11、12を有すると共に多角形の回動工具係合用外面13を有する支承筒14における前端部の雌ねじ孔11が螺合連結されている。
前記支承筒14の後端部の雌ねじ孔12に、鋼製筒状の環状係止片からなるストッパー15の前部雄ねじ部16が螺合され、前記ストッパー15の後端部外側には、回動工具係合用外面17が形成され、前記ストッパー15の前端部には、前記支承筒14の内部に配置され、前端部に凹部18を有する押圧係止片19の後端面が係合され、前記押圧係止片19の前端部の凹部18には、中空PC鋼材2内に他端側を除くほぼ全体が挿入され、かつ他端側が前記中空PC鋼材2の他端部から突出するように配置されたノンプル用反力PC鋼棒20の後端部が嵌合されている。なお、前記のノンプルとは、引き抜かない方式で、換言すると据え置き方式の意味である。
この形態においては、1本もののノンプル用反力PC鋼棒20により押込み鋼棒を構成しているが、他端側に短尺の撤去用反力PC鋼棒と前記ノンプル用反力PC鋼棒20よりも若干短尺なノンプル用反力PC鋼棒との2本により押し込み用反力PC鋼棒20を構成することも可能である。前記中空PC鋼材2の前端部外側の雄ねじ9に、雌ねじ部21を有するアンカー材等としてのナット4が着脱自在に螺合固定され、前記ノンプル用反力PC鋼棒20の先端部は前記雌ねじ部21に連結されている。前記ナット4には雄ねじ部材22が螺合固定され、前記雄ねじ部材22により反力PC鋼棒20の先端部が支承されている。なお、アンカー用ナット23は雄ねじ部3にねじ込まれて装着されている。
そして、本発明では、さらに、雄ねじ部9にナット4から離れた位置に離間した状態で、前記ナット4よりも薄肉のナット41が装着されている。
前記のような構造のプレストレス導入装置1においては、中空PC鋼材2が緊張された状態でコンクリートに埋め込み固定し、コンクリートの硬化後にストッパ15を後退移動すると、中空PC鋼材2により、コンクリートにプレストレスが導入される。
図5に示す状態は、図示省略の油圧ジャッキを備えた枠形フレームにアンカーナット23を支承するように配置して、前記液圧ジャッキを利用して、その可動ピストンの先端部に係合され、ストッパー15の中央中空部に挿入される押し込み鋼棒(図示省略)により押圧係止片19を前記中空PC鋼材2に向かって移動するように押圧し、前記ノンプル(据置)用反力PC鋼棒20を中空PC鋼材2内に押し込むように圧縮力を導入した後、その状態においてフリーになっている前記支承筒14またはストッパー15を前記押圧係止片19に向かって接近する方向(図6の右方向)に回転させて、前記ストッパー15を前進移動して、ストッパー15の前端部を押し込み係止片19に係合させ、枠形フレームから分離させた状態を示した図である。
なお、符号24は、防錆を兼ねる経時硬化製樹脂等の接着兼用防錆材で、その硬化により中空PC鋼材2とノンプル用反力PC鋼棒20の一体化を図り、終局耐力の向上を図っている。
本発明の第1実施形態を示すプレストレス力導入装置の定着構造を示す縦断側面図である。 本発明の第2実施形態を示すプレストレス力導入装置の定着構造を示す縦断側面図である。 本発明の第3実施形態を示すプレストレス式の接合構造を示す縦断側面図である。 本発明の第4実施形態を示すプレストレス力導入装置の定着構造を示す縦断側面図である。 本発明の第5実施形態を示すプレストレス式の接合構造を示す縦断側面図である。 (a)は、本発明において使用する一実施形態の中空PC鋼棒を使用したコンクリート用のプレストレス力導入装置の1ユニットの一部切欠側面図、(b)はその縦断側面図である。 従来のレストレス力導入装置の定着構造を示す縦断側面図である。 従来の他のレストレス力導入装置の定着構造を示す縦断側面図である。 従来のプレストレス式の接合構造を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 プレストレス力導入装置
2 中空PC鋼材
2a 先端部
2b 鋼製中空PC鋼棒本体
3 雄ねじ部
3a 先端部
4 定着ナット(係止部)
5 アンカー孔
5A アンカー孔
5B アンカー孔
6 充填材
7 係止凹溝(係止部)
9 雄ねじ部
10 雄ねじ部
11 雌ねじ孔
12 雌ねじ孔
13 回動工具係合用外面
14 支承筒
15 ストッパー
16 前部雄ねじ部
17 回動工具係合用外面
18 凹部
19 押圧係止片
20 ノンプル用反力PC鋼棒
21 雌ねじ部
22 雄ねじ部材
23 アンカー用ナット
24 接着兼用防錆材
41 支圧部材(薄肉ナット)
W コンクリート部材
W1 コンクリート部材
W2 コンクリート部材

Claims (6)

  1. プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備え、該中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って雄ねじ部を形成するとともに、前記中空PC鋼材の先端部に、定着ナットを装着したプレストレス力導入装置において、
    前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置したことを特徴とするプレストレス力導入装置。
  2. 前記支圧部材を、前記中空PC鋼材の雄ねじ部に螺合可能で前記定着ナットよりも薄い薄肉ナットにより構成したことを特徴とする請求項1に記載のプレストレス力導入装置。
  3. コンクリート打設前の構造物に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部の先端部に、定着ナットを螺着するとともに、コンクリート打設後に、前記プレストレス力導入装置における前記中空PC鋼材により、コンクリート部材またはコンクリート構造物にプレストレスを導入するプレストレス力導入装置の定着構造において、
    前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とするプレストレス力導入装置の定着構造。
  4. 一方のコンクリート部材またはコンクリート構造物に設けたアンカー孔と、他方の部材に設けたプレストレス力導入装置配置用孔とにわたって、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記アンカー孔に、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部の先端部に装着した定着ナットを配置するとともに、前記アンカー孔およびプレストレス力導入装置配置用孔とプレストレス力導入装置との間に、充填材を充填・硬化させた後、前記プレストレス力導入装置における前記中空PC鋼材により、一方のコンクリート部材またはコンクリート構造物と、他方の部材とにプレストレスを導入するように接合するプレストレス式の接合構造において、
    前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とするプレストレス式の接合構造。
  5. 前記アンカー孔の内周面に、アンカー孔軸方向に沿って所定の間隔を存して複数の係止部を、少なくとも中空PC鋼材の雄ねじ部範囲に形成したことを特徴とする請求項4に記載のプレストレス式の接合構造。
  6. コンクリート部材またはコンクリート構造物に削孔したアンカー孔内に、プレストレス力が付与された中空PC鋼材を備えたプレストレス力導入装置を配置し、前記アンカー孔に、前記中空PC鋼材の先端部からほぼ中間部に亘って形成された雄ねじ部の先端部に装着した定着ナットを配置するとともに、前記アンカー孔とプレストレス力導入装置との間に、充填材を充填・硬化させた後、前記プレストレス力導入装置における前記中空PC鋼材により、コンクリート部材またはコンクリート構造物にプレストレスを導入するプレストレス力導入装置の定着方法において、
    前記中空PC鋼材の雄ねじ部に、少なくとも一つの支圧部材を、前記定着ナットから間隔をおいて離して配置し、前記定着ナットと共に定着させたことを特徴とするプレストレス力導入装置の定着方法。
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