JP2007070895A - プレストレス導入用合成構造定着体及びそれを用いた構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート等の構造体の端面に露出する状態で構造物の端部に設置され、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体を、母材である構造体の破壊を防止し、定着作業数を削減しながら、単体としての取り扱いを可能にする。
【解決手段】 構造体9にプレストレスを導入する緊張材7が挿通し、構造体9の端面側において緊張材7を定着する定着材5を受ける筒形のガイド2と、このガイド2を埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロック4から、またはガイド2と、ガイド2の回りに配置される補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設する無機質材料のブロック4から定着体1を構成し、ブロック4に、構造体9中においてガイド2から伝達される、緊張材7からの圧縮力と引張力を負担させる。
【選択図】 図1

Description

本発明はコンクリート等の構造体の端面に露出する状態で、この構造体からなる構造物の端部に設置され、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するためのプレストレス導入用合成構造定着体に関するものである。
コンクリート構造物の端部に設置され、緊張材の端部が定着される定着具は例えば図3に示すように複数本の緊張材20が定着される支圧板21と、コンクリート中に配置されるシースから支圧板21までの間に配置され、支圧板21が受ける緊張材20からの緊張力を圧縮力としてコンクリートに分散させて伝達するための、筒形のガイド22から構成される(特許文献1、2参照)。
ガイド22周辺のコンクリートにはガイド22の外周面からコーン状に圧縮応力(支圧応力)が伝達され、支圧応力に伴って周方向に引張応力が伝達されることから、これらの応力伝達領域に発生する過大な応力によるコンクリートの破壊を防止するために、ガイド22の周囲にはコンクリートを補強するための補強筋23が配筋される。
定着具は一般に鋼、または鉄筋補強高強度モルタルで製作されるが、緊張材に与えられる緊張力を確実に負担しながら、コンクリートに伝達するには定着具の性能ばかりでなく、定着具背後の母材コンクリートの性能が重要な要素となる。コンクリート構造物が現場で構築される場合には母材コンクリートは現場で打設されるため、品質にばらつきが生じ易く、必要な設計基準を満たさなければ、破壊する危険性がある。
また現場では型枠及び鉄筋の組み立てと並行して緊張材を配置するためのシースの敷設、定着具及び補強筋の配置が行われるが、定着具は複数の部品から構成されるため、現場での作業が複雑化している。図3に示す例ではガイド22の表面側に支圧板21を配置し、支圧板21の表面側に雌コーン24を設置した上で、緊張材20の緊張後に雄コーン25を挿入するため、緊張材20の定着までに多数の作業工程を要する。
これに対し、定着具回りへの補強筋等の配筋を不要にする目的で、定着部自体を繊維補強セメント系複合材料で構成し、定着部のコンクリートをそれ以外の部分のコンクリートより相対的に高強度にする方法がある(特許文献3参照)。
特開2004−036205号公報(請求項1、段落0007〜0012、図1) 特開2005−226240号公報(段落0017〜0021、図1) 特開2003−129612号公報(請求項1、段落0008〜0012、図1〜図3)
しかしながら、特許文献3では緊張材(PC鋼材)を配置する領域を定着部とそれ以外の一般部に区分し、両部分に打設されるコンクリートの強度を相違させるに過ぎず(段落0008〜0011)、定着部と一般部には連続してシースが配置されることから(図1、図3)、定着部と一般部の各コンクリートは同時期に現場で打設されることになる(段落0015)。
定着部の繊維補強セメント系複合材料が現場で打設される以上、常に一定の強度を発現するとは限らないため、目標とする品質が保証されない可能性がある。またシースによって一般部に連続する関係から、定着部を一般部から切り離し、定着具のように独立した部材として単独で取り扱うことができないため、定着部を予め工場で製造しておくことはできない。
本発明は上記背景より、前記ガイド周辺部分のコンクリート等、構造体の一部の品質を常に一定に保証することにより構造体全体の破壊を防止すると共に、定着作業数を削減し得るプレストレス導入用合成構造定着体を提案するものである。
請求項1に記載の発明のプレストレス導入用合成構造定着体は、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、緊張材が挿通し、構造体の端面側において緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドを埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロックから構成され、ブロックが構造体中においてガイドから伝達される、緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを構成要件とする。定着体は定着材側の端面が構造体の端面に露出する状態で、構造物の端部に設置されて使用状態となる。
ブロックを構成する無機質材料にはコンクリート、モルタル、セメントペースト等に、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維その他の補強繊維を混入させた材料が使用される。ブロックはガイドの外周面から伝達される、緊張材からの圧縮力(支圧応力)に抵抗しながらこれを負担することにより、その周囲に存在する構造体(母材コンクリート)が圧縮応力を負担することによる圧壊を防止する機能を果たす。
ブロック中に混入された補強繊維は支圧応力に伴う周方向への引張力に対して抵抗し、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。このため、ブロックはその回りを包囲する構造体が破壊する以前に破壊しなければよく、少なくとも硬化した時点においてブロックの圧縮強度と引張強度が構造体の各強度を上回っていればよいことになる。構造体の圧縮及び引張強度がブロックのそれより相対的に小さくてもよいことから、構造体もブロックと同様にコンクリートやモルタル等から構成される。
請求項1ではブロックの材料となる無機質材料中に補強繊維が混入されることで、ブロック自体が引張強度を保有し、周方向への引張力に対する抵抗要素である補強材をブロック中に配置することは必ずしも必要ではないが、請求項2に記載のようにガイドの回りに補強材を配置し、ブロック中にガイドと補強材を埋設することにすれば、ブロックの引張力に対する安全性を向上させることが可能になる。
請求項3に記載の発明のプレストレス導入用合成構造定着体は、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、緊張材が挿通し、構造体の端面側において緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドの回りに配置される補強材と、ガイドと補強材を埋設する無機質材料のブロックから構成され、ブロックが構造体中においてガイドから伝達される、緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを構成要件とする。
補強材は請求項1における補強繊維と同様、ガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たし、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。補強材は必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ブロックは筒状のガイドの回りを包囲するように組まれた型枠内に打設、充填されることによりガイドに一体化する。請求項2の場合には補強材を覆うように打設され、ガイドと補強材に一体化する。ガイドの内周部分は現場で配置される緊張材が挿通されるよう開放し、定着体はガイドの内周部分が開放した中空断面形に形成されるため、定着体としての質量が過大になることはない。従って定着体の質量を運搬時や設置時の作業性に影響しない程度に抑えることが可能であるため、定着体の取り扱い作業性が確保される。
請求項1、3共、構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)が常に一定水準以上に保たれるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができる。この結果、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することが可能になる。
ブロックの品質が保証されることで、ガイドからの圧縮力と引張力がブロックにおいて確実に負担されるため、ブロックを取り囲む構造体の破壊に対する安全性が高まり、結果として構造体の品質も一定水準以上に保たれ、現場で打設される場合のような品質のばらつきの発生が解消される。
またブロックに設計通りの圧縮及び引張強度等を付与できることで、構造物を構成したときの構造体の定着部における強度を自由に設定することができ、高強度化を図ることもできるため、定着体を含めた定着部の力学的性能を飛躍的に向上させることが可能になる。併せて定着体、すなわち定着部回りの品質が安定するため、構造物の信頼性も高まる。
請求項2、3においてガイドの回りに配置される補強材には主として鉄筋籠等の補強筋が使用されるが、定着具を構成するガイドと補強材がブロック中に埋設され、特に補強材はブロック中に完全に埋設されるため、補強材が鉄筋籠のような鋼製であってもブロックにひび割れが発生しない限り、腐食に対して保護され、腐食に対する安全性も確保される。
補強材はガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たすことから、必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ガイドの回りに補強材を配置することを前提としたとき、請求項2、3によれば、定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上とそれによる工期の短縮が図られる。
特に請求項4に記載のようにガイドの定着材側に支圧板が一体化した場合、更には請求項5に記載のように請求項4における支圧板が緊張材を周囲から保持し、定着材と共に緊張材を定着させる雌コーンを兼ねている場合にはより部品数が削減されるため、作業効率が一層向上する。
ガイドの定着材側に支圧板が一体化した請求項4、もしくは請求項5では請求項6に記載のようにガイドの回りに配置される補強材を支持する受け部を形成することが可能である。受け部は支圧板の補強材側の面に、ガイドの周方向に連続的に、または断続的に形成され、補強材は例えばその一端において受け部を包囲するようにガイドに装着され、補強材の軸方向に嵌合することにより安定する。この場合、補強材は受け部に支持されることでガイドの外周側の表面との間に一定の距離を確保するため、補強材の位置決めを確実に行える利点がある。
請求項1、3では構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)を常に一定水準以上に保つことができるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができ、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することができる。
請求項2、3では定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上を図ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のプレストレス導入用合成構造定着体(以下、定着体と言う)1は図1に示すようにコンクリート構造物等、構造物8のコンクリート等の構造体9にプレストレスを導入するPC鋼材その他の緊張材7を定着するために使用され、緊張材7が挿通し、構造体9の端面側において緊張材7を定着する定着材5を受ける筒形のガイド2と、このガイド2を埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロック4から構成される。またはガイド2と、ガイド2の回りに配置される補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設する無機質材料のブロック4から構成される。定着体1は定着材5側の端面が構造体9の端面に露出する状態で構造物8の端部に設置され、ブロック4が構造体9中においてガイド2から伝達される、緊張材7からの圧縮力と引張力を負担する。
定着体1は金属製、または非金属製の材料からなるガイド2、またはガイド2及び補強材3と、無機質材料からなるブロック4の、少なくとも2種類の材料の合成構造となる。構造体9は主として鉄筋コンクリート造で構築されるが、定着体1の圧縮及び引張強度が相対的に構造体9の強度より大きい関係が保たれればよいことから、構造体9もガイド2と同様にコンクリート、モルタル、セメントペーストの他、これらに補強繊維を混入させた材料で構成されることもある。
ガイド2の内径は図1、及びそのA−A線断面図である図2に示すように複数本の緊張材7が挿通し得る大きさを持ち、外周には緊張材7から受ける引張力を軸方向に分散させて構造体9に圧縮力として伝達するためのヒレ2aが周方向に連続して形成される。ヒレ2aは必ずしも必要ではないが、形成される場合には1枚、もしくは軸方向に間隔を隔てて複数箇所配置される。従来例を示す図3のようにガイド22の定着側の端部には緊張材20を定着する定着具(雌コーン24と雄コーン25)を受ける支圧板21が配置されることから、図1ではガイド2の定着材5側の端部に、図3に示す支圧板21に相当する支圧板2bが一体化した形にガイド2を形成している。
図3ではまた、複数本の緊張材20を周囲から保持する雌コーン24と内周側から保持する雄コーン25によって複数本の緊張材20を支圧板21に定着させていることに対応し、図1ではガイド2の軸方向の長さを利用し、支圧板2bに、図3に示す雌コーン24の機能を兼ねさせている。
図1ではガイド2の内径が後述のシース10側から定着材5側へかけて次第に拡大する、定着材5側のヒレ2aから支圧板2bの端面までの区間が複数本の緊張材7からの緊張力を負担するのに十分な長さを有していることから、この区間を図3に示す雌コーン24として利用している。緊張材7がナット定着される場合には定着材5に定着プレートが使用される等、定着材5の形態は問われないが、図示するようにガイド2の支圧板2bが雌コーン24を兼ねる場合、定着材5には雌コーン24と対になる雄コーン25が使用される。
ガイド2の、定着材5側の反対側には構造体9中に配置されるシース10が接続され、ガイド2の内部がシース10の内部と連続する。図1ではガイド2のシース10側の先端部をシース10との接続が容易に行われるよう、ブロック4の端面から突出させているが、接続が可能な程度にガイド2の端面が露出していればよいため、ガイド2のシース10側の端面をブロック4の端面に揃える場合の他、端面から入り込んだ状態にすることもある。
ガイド2の定着材5側の端部は後述のグラウトキャップ6が接合される関係でブロック4から露出するが、その端面はシース10側の端面と同様に、ブロック4の端面に揃えられる場合の他、端面から入り込んだ状態、または突出した状態にすることもある。ガイド2の定着材5側の端面は図1に示すように構造体9の端面と面一となるように、または構造体9の端面からシース10側に入り込んだ、もしくは突出した状態で構造体9中に埋設される。
ガイド2の定着材5側の端面にはグラウトキャップ6が装着され、グラウトキャップ6の下側の注入口6aからシース10及びガイド2内へグラウトが注入される。グラウトキャップ6はボルト11等によりガイド2の支圧板2bに接合される。グラウトの注入はグラウトキャップ6の上側の排出口6bから排出されることにより確認される。
ガイド2の外周には定着体1を構成するブロック4をガイド2からの周方向の引張力に対して補強するための、例えば鉄筋籠等の補強材3が配置されるが、図1ではこの補強材3をガイド2の回りに配置し、安定させるための受け部2cを支圧板2bに形成している。受け部2cは補強材3がヒレ2aに干渉することなく、ガイド2の外周面から一定距離の位置に配置されるよう、内径が次第に拡大する定着材5側の支圧板2bの、補強材3側、すなわちシース10側の面に形成される。
受け部2cは鉄筋籠等のような筒状に形成されている補強材3の形状に対応し、支圧板2bに、ガイド2の周方向に連続的に、または断続的に形成される。筒状の補強材3は軸方向の一端において受け部2cの回りに差し込まれ、受け部2cの外周、または内周に軸方向に嵌合することにより装着され、ガイド2の外周面との間に一定の距離を確保した状態で安定する。補強材3は例えば図示するように軸方向の軸方向筋3aとこれを周囲から拘束するせん断補強筋3bから構成されるが、ガイド2回りにおける周方向の引張力を負担できる構造であれば、形態は問われない。
補強材3が配置される場合、定着体1はガイド2とその回りの補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設するブロック4から中空のブロック状に形成される。ブロック4の表面の形状、すなわち定着体1の形態は任意であり、円柱状、角柱状、あるいは円錐台状、角錐台状等に形成される。図1では図2に示すように定着体1を円柱状に形成している。
ブロック4にはガイド2からコーン状に伝達される圧縮力によって圧壊しない程度の圧縮強度が与えられ、補強材3には周方向に伝達される引張力に十分に抵抗し得る引張強度が与えられる。例えば構造体9の圧縮強度が35MPa程度であれば、ブロック4の圧縮強度は50MPa以上となる。ブロック4に与えるべき圧縮強度はその無機質材料中に配合する混和材の種類、補強繊維等により自由に設定可能であるため、100MPaを超える圧縮強度も与えられる。
施工は構造物8の構造体9中への鉄筋の配筋、緊張材7用のシース10の敷設と共に、構造体9の端部位置に定着体1を設置し、型枠の組み立てに続いて構造体9であるコンクリート等を打設する、という要領で行われる。構造体9の硬化後、定着体1のガイド2とシース10内に緊張材7を挿通させ、これを緊張してその端部を定着材5によって定着させ、ガイド2の端面にグラウトキャップ6を接合し、ガイド2内にグラウトを注入して完了する。緊張材7には鉄筋やPC鋼材の他、ステンレス鋼、アラミドや炭素の繊維を用いた繊維強化材料が使用される。
本発明のプレストレス導入用定着体とその構造物中での設置状態を示した縦断面図である。 図1のA−A線の断面図である。 従来の緊張材の定着部の構成例を示した縦断面図である。
符号の説明
1………プレストレス導入用合成構造定着体
2………ガイド
2a……ヒレ
2b……支圧板
2c……受け部
3………補強材
3a……軸方向筋
3b……せん断補強筋
4………ブロック
5………定着材
6………グラウトキャップ
6a……注入口
6b……排出口
7………緊張材
8………構造物
9………構造体
10……シース
11……ボルト

本発明はコンクリート等の構造体の端面に露出する状態で、この構造体からなる構造物の端部に設置され、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するためのプレストレス導入用合成構造定着体及びそれを用いた構造物に関するものである。
コンクリート構造物の端部に設置され、緊張材の端部が定着される定着具は例えば図3に示すように複数本の緊張材20が定着される支圧板21と、コンクリート中に配置されるシースから支圧板21までの間に配置され、支圧板21が受ける緊張材20からの緊張力を圧縮力としてコンクリートに分散させて伝達するための、筒形のガイド22から構成される(特許文献1、2参照)。
ガイド22周辺のコンクリートにはガイド22の外周面からコーン状に圧縮応力(支圧応力)が伝達され、支圧応力に伴って周方向に引張応力が伝達されることから、これらの応力伝達領域に発生する過大な応力によるコンクリートの破壊を防止するために、ガイド22の周囲にはコンクリートを補強するための補強筋23が配筋される。
定着具は一般に鋼、または鉄筋補強高強度モルタルで製作されるが、緊張材に与えられる緊張力を確実に負担しながら、コンクリートに伝達するには定着具の性能ばかりでなく、定着具背後の母材コンクリートの性能が重要な要素となる。コンクリート構造物が現場で構築される場合には母材コンクリートは現場で打設されるため、品質にばらつきが生じ易く、必要な設計基準を満たさなければ、破壊する危険性がある。
また現場では型枠及び鉄筋の組み立てと並行して緊張材を配置するためのシースの敷設、定着具及び補強筋の配置が行われるが、定着具は複数の部品から構成されるため、現場での作業が複雑化している。図3に示す例ではガイド22の表面側に支圧板21を配置し、支圧板21の表面側に雌コーン24を設置した上で、緊張材20の緊張後に雄コーン25を挿入するため、緊張材20の定着までに多数の作業工程を要する。
これに対し、定着具回りへの補強筋等の配筋を不要にする目的で、定着部自体を繊維補強セメント系複合材料で構成し、定着部のコンクリートをそれ以外の部分のコンクリートより相対的に高強度にする方法がある(特許文献3参照)。
特開2004−036205号公報(請求項1、段落0007〜0012、図1) 特開2005−226240号公報(段落0017〜0021、図1) 特開2003−129612号公報(請求項1、段落0008〜0012、図1〜図3)
しかしながら、特許文献3では緊張材(PC鋼材)を配置する領域を定着部とそれ以外の一般部に区分し、両部分に打設されるコンクリートの強度を相違させるに過ぎず(段落0008〜0011)、定着部と一般部には連続してシースが配置されることから(図1、図3)、定着部と一般部の各コンクリートは同時期に現場で打設されることになる(段落0015)。
定着部の繊維補強セメント系複合材料が現場で打設される以上、常に一定の強度を発現するとは限らないため、目標とする品質が保証されない可能性がある。またシースによって一般部に連続する関係から、定着部を一般部から切り離し、定着具のように独立した部材として単独で取り扱うことができないため、定着部を予め工場で製造しておくことはできない。
本発明は上記背景より、前記ガイド周辺部分のコンクリート等、構造体の一部の品質を常に一定に保証することにより構造体全体の破壊を防止すると共に、定着作業数を削減し得るプレストレス導入用合成構造定着体及びそれを用いた構造物を提案するものである。
請求項1に記載の発明のプレストレス導入用合成構造定着体は、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、緊張材が挿通し、構造体の端面側において緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドを埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロックから構成され、前記定着材側の端面が前記構造体の端面に露出し、前記構造体中に埋設される状態で前記構造物の端部に設置され、ブロックが構造体中においてガイドから伝達される、緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを構成要件とする。定着体は定着材側の端面が構造体の端面に露出する状態で、構造物の端部に設置されて使用状態となる。
ブロックを構成する無機質材料にはコンクリート、モルタル、セメントペースト等に、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維その他の補強繊維を混入させた材料が使用される。ブロックはガイドの外周面から伝達される、緊張材からの圧縮力(支圧応力)に抵抗しながらこれを負担することにより、その周囲に存在する構造体(母材コンクリート)が圧縮応力を負担することによる圧壊を防止する機能を果たす。
ブロック中に混入された補強繊維は支圧応力に伴う周方向への引張力に対して抵抗し、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。このため、ブロックはその回りを包囲する構造体が破壊する以前に破壊しなければよく、少なくとも硬化した時点においてブロックの圧縮強度と引張強度が構造体の各強度を上回っていればよいことになる。構造体の圧縮及び引張強度がブロックのそれより相対的に小さくてもよいことから、構造体もブロックと同様にコンクリートやモルタル等から構成される。
請求項1ではブロックの材料となる無機質材料中に補強繊維が混入されることで、ブロック自体が引張強度を保有し、周方向への引張力に対する抵抗要素である補強材をブロック中に配置することは必ずしも必要ではないが、請求項2に記載のようにガイドの回りに補強材を配置し、ブロック中にガイドと補強材を埋設することにすれば、ブロックの引張力に対する安全性を向上させることが可能になる。
請求項3に記載の発明のプレストレス導入用合成構造定着体は、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、緊張材が挿通し、構造体の端面側において緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドの回りに配置される補強材と、ガイドと補強材を埋設する無機質材料のブロックから構成され、前記定着材側の端面が前記構造体の端面に露出し、前記構造体中に埋設される状態で前記構造物の端部に設置され、ブロックが構造体中においてガイドから伝達される、緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを構成要件とする。
補強材は請求項1における補強繊維と同様、ガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たし、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。補強材は必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ブロックは筒状のガイドの回りを包囲するように組まれた型枠内に打設、充填されることによりガイドに一体化する。請求項2の場合には補強材を覆うように打設され、ガイドと補強材に一体化する。ガイドの内周部分は現場で配置される緊張材が挿通されるよう開放し、定着体はガイドの内周部分が開放した中空断面形に形成されるため、定着体としての質量が過大になることはない。従って定着体の質量を運搬時や設置時の作業性に影響しない程度に抑えることが可能であるため、定着体の取り扱い作業性が確保される。
請求項1、3共、構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)が常に一定水準以上に保たれるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができる。この結果、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することが可能になる。
ブロックの品質が保証されることで、ガイドからの圧縮力と引張力がブロックにおいて確実に負担されるため、ブロックを取り囲む構造体の破壊に対する安全性が高まり、結果として構造体の品質も一定水準以上に保たれ、現場で打設される場合のような品質のばらつきの発生が解消される。
またブロックに設計通りの圧縮及び引張強度等を付与できることで、構造物を構成したときの構造体の定着部における強度を自由に設定することができ、高強度化を図ることもできるため、定着体を含めた定着部の力学的性能を飛躍的に向上させることが可能になる。併せて定着体、すなわち定着部回りの品質が安定するため、構造物の信頼性も高まる。
請求項2、3においてガイドの回りに配置される補強材には主として鉄筋籠等の補強筋が使用されるが、定着具を構成するガイドと補強材がブロック中に埋設され、特に補強材はブロック中に完全に埋設されるため、補強材が鉄筋籠のような鋼製であってもブロックにひび割れが発生しない限り、腐食に対して保護され、腐食に対する安全性も確保される。
補強材はガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たすことから、必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ガイドの回りに補強材を配置することを前提としたとき、請求項2、3によれば、定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上とそれによる工期の短縮が図られる。
特に請求項4に記載のようにガイドの定着材側に支圧板が一体化した場合、更には請求項5に記載のように請求項4における支圧板が緊張材を周囲から保持し、定着材と共に緊張材を定着させる雌コーンを兼ねている場合にはより部品数が削減されるため、作業効率が一層向上する。
ガイドの定着材側に支圧板が一体化した請求項4、もしくは請求項5では請求項6に記載のようにガイドの回りに配置される補強材を支持する受け部を形成することが可能である。受け部は支圧板の補強材側の面に、ガイドの周方向に連続的に、または断続的に形成され、補強材は例えばその一端において受け部を包囲するようにガイドに装着され、補強材の軸方向に嵌合することにより安定する。この場合、補強材は受け部に支持されることでガイドの外周側の表面との間に一定の距離を確保するため、補強材の位置決めを確実に行える利点がある。
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプレストレス導入用合成構造定着体は、その定着材側の端面が前記構造体の端面に露出し、前記構造体中に埋設された状態で、構造物の端部に設置されることにより構造物を構成する。
請求項1、3では構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)を常に一定水準以上に保つことができるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができ、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することができる。
請求項2、3では定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上を図ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のプレストレス導入用合成構造定着体(以下、定着体と言う)1は図1に示すようにコンクリート構造物等、構造物8のコンクリート等の構造体9にプレストレスを導入するPC鋼材その他の緊張材7を定着するために使用され、緊張材7が挿通し、構造体9の端面側において緊張材7を定着する定着材5を受ける筒形のガイド2と、このガイド2を埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロック4から構成される。またはガイド2と、ガイド2の回りに配置される補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設する無機質材料のブロック4から構成される。定着体1は定着材5側の端面が構造体9の端面に露出する状態で構造物8の端部に設置され、ブロック4が構造体9中においてガイド2から伝達される、緊張材7からの圧縮力と引張力を負担する。
定着体1は金属製、または非金属製の材料からなるガイド2、またはガイド2及び補強材3と、無機質材料からなるブロック4の、少なくとも2種類の材料の合成構造となる。構造体9は主として鉄筋コンクリート造で構築されるが、定着体1の圧縮及び引張強度が相対的に構造体9の強度より大きい関係が保たれればよいことから、構造体9もガイド2と同様にコンクリート、モルタル、セメントペーストの他、これらに補強繊維を混入させた材料で構成されることもある。
ガイド2の内径は図1、及びそのA−A線断面図である図2に示すように複数本の緊張材7が挿通し得る大きさを持ち、外周には緊張材7から受ける引張力を軸方向に分散させて構造体9に圧縮力として伝達するためのヒレ2aが周方向に連続して形成される。ヒレ2aは必ずしも必要ではないが、形成される場合には1枚、もしくは軸方向に間隔を隔てて複数箇所配置される。従来例を示す図3のようにガイド22の定着側の端部には緊張材20を定着する定着具(雌コーン24と雄コーン25)を受ける支圧板21が配置されることから、図1ではガイド2の定着材5側の端部に、図3に示す支圧板21に相当する支圧板2bが一体化した形にガイド2を形成している。
図3ではまた、複数本の緊張材20を周囲から保持する雌コーン24と内周側から保持する雄コーン25によって複数本の緊張材20を支圧板21に定着させていることに対応し、図1ではガイド2の軸方向の長さを利用し、支圧板2bに、図3に示す雌コーン24の機能を兼ねさせている。
図1ではガイド2の内径が後述のシース10側から定着材5側へかけて次第に拡大する、定着材5側のヒレ2aから支圧板2bの端面までの区間が複数本の緊張材5からの緊張力を負担するのに十分な長さを有していることから、この区間を図3に示す雌コーン24として利用している。緊張材7がナット定着される場合には定着材5に定着プレートが使用される等、定着材5の形態は問われないが、図示するようにガイド3の支圧板2bが雌コーン24を兼ねる場合、定着材5には雌コーン24と対になる雄コーン25が使用される。
ガイド2の、定着材5側の反対側には構造体9中に配置されるシース10が接続され、ガイド2の内部がシース10の内部と連続する。図1ではガイド2のシース10側の先端部をシース10との接続が容易に行われるよう、ブロック4の端面から突出させているが、接続が可能な程度にガイド2の端面が露出していればよいため、ガイド2のシース10側の端面をブロック4の端面に揃える場合の他、端面から入り込んだ状態にすることもある。
ガイド2の定着材5側の端部は後述のグラウトキャップ6が接合される関係でブロック4から露出するが、その端面はシース10側の端面と同様に、ブロック4の端面に揃えられる場合の他、端面から入り込んだ状態、または突出した状態にすることもある。ガイド2はその定着材5側の端面図1に示すように構造体9の端面と面一となるように、または構造体9の端面からシース10側に入り込んだ、もしくは突出した状態で構造体9中に埋設される。
ガイド2の定着材5側の端面にはグラウトキャップ6が装着され、グラウトキャップ6の下側の注入口6aからシース10及びガイド2内へグラウトが注入される。グラウトキャップ6はボルト11等によりガイド2の支圧板2bに接合される。グラウトの注入はグラウトキャップ6の上側の排出口6bから排出されることにより確認される。
ガイド2の外周には定着体1を構成するブロック4をガイド2からの周方向の引張力に対して補強するための、例えば鉄筋籠等の補強材3が配置されるが、図1ではこの補強材3をガイド2の回りに配置し、安定させるための受け部2cを支圧板2bに形成している。受け部2cは補強材3がヒレ2aに干渉することなく、ガイド2の外周面から一定距離の位置に配置されるよう、内径が次第に拡大する定着材5側の支圧板2bの、補強材3側、すなわちシース10側の面に形成される。
受け部2cは鉄筋籠等のような筒状に形成されている補強材3の形状に対応し、支圧板2bに、ガイド2の周方向に連続的に、または断続的に形成される。筒状の補強材3は軸方向の一端において受け部2cの回りに差し込まれ、受け部2cの外周、または内周に軸方向に嵌合することにより装着され、ガイド2の外周面との間に一定の距離を確保した状態で安定する。補強材3は例えば図示するように軸方向の軸方向筋3aとこれを周囲から拘束するせん断補強筋3bから構成されるが、ガイド2回りにおける周方向の引張力を負担できる構造であれば、形態は問われない。
補強材3が配置される場合、定着体1はガイド2とその回りの補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設するブロック4から中空のブロック状に形成される。ブロック4の表面の形状、すなわち定着体1の形態は任意であり、円柱状、角柱状、あるいは円錐台状、角錐台状等に形成される。図1では図2に示すように定着体1を円柱状に形成している。
ブロック4にはガイド2からコーン状に伝達される圧縮力によって圧壊しない程度の圧縮強度が与えられ、補強材3には周方向に伝達される引張力に十分に抵抗し得る引張強度が与えられる。例えば構造体9の圧縮強度が35MPa程度であれば、ブロック4の圧縮強度は50MPa以上となる。ブロック4に与えるべき圧縮強度はその無機質材料中に配合する混和材の種類、補強繊維等により自由に設定可能であるため、100MPaを超える圧縮強度も与えられる。
施工は構造物8の構造体9中への鉄筋の配筋、緊張材7用のシース10の敷設と共に、構造体9の端部位置に定着体1を設置し、型枠の組み立てに続いて構造体9であるコンクリート等を打設する、という要領で行われる。構造体9の硬化後、定着体1のガイド2とシース10内に緊張材7を挿通させ、これを緊張してその端部を定着材5によって定着させ、ガイド2の端面にグラウトキャップ6を接合し、ガイド2内にグラウトを注入して完了する。緊張材7には鉄筋やPC鋼材の他、ステンレス鋼、アラミドや炭素の繊維を用いた繊維強化材料が使用される。
本発明のプレストレス導入用定着体とその構造物中での設置状態を示した縦断面図である。 図1のA−A線の断面図である。 従来の緊張材の定着部の構成例を示した縦断面図である。
符号の説明
1………プレストレス導入用合成構造定着体
2………ガイド
2a……ヒレ
2b……支圧板
2c……受け部
3………補強材
3a……軸方向筋
3b……せん断補強筋
4………ブロック
5………定着材
6………グラウトキャップ
6a……注入口
6b……排出口
7………緊張材
8………構造物
9………構造体
10……シース
11……ボルト
本発明はコンクリート等の構造体の端面に露出する状態で、この構造体からなる構造物の端部に設置され、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するためのプレストレス導入用合成構造定着体及びそれを用いた構造物に関するものである。
コンクリート構造物の端部に設置され、緊張材の端部が定着される定着具は例えば図3に示すように複数本の緊張材20が定着される支圧板21と、コンクリート中に配置されるシースから支圧板21までの間に配置され、支圧板21が受ける緊張材20からの緊張力を圧縮力としてコンクリートに分散させて伝達するための、筒形のガイド22から構成される(特許文献1、2参照)。
ガイド22周辺のコンクリートにはガイド22の外周面からコーン状に圧縮応力(支圧応力)が伝達され、支圧応力に伴って周方向に引張応力が伝達されることから、これらの応力伝達領域に発生する過大な応力によるコンクリートの破壊を防止するために、ガイド22の周囲にはコンクリートを補強するための補強筋23が配筋される。
定着具は一般に鋼、または鉄筋補強高強度モルタルで製作されるが、緊張材に与えられる緊張力を確実に負担しながら、コンクリートに伝達するには定着具の性能ばかりでなく、定着具背後の母材コンクリートの性能が重要な要素となる。コンクリート構造物が現場で構築される場合には母材コンクリートは現場で打設されるため、品質にばらつきが生じ易く、必要な設計基準を満たさなければ、破壊する危険性がある。
また現場では型枠及び鉄筋の組み立てと並行して緊張材を配置するためのシースの敷設、定着具及び補強筋の配置が行われるが、定着具は複数の部品から構成されるため、現場での作業が複雑化している。図3に示す例ではガイド22の表面側に支圧板21を配置し、支圧板21の表面側に雌コーン24を設置した上で、緊張材20の緊張後に雄コーン25を挿入するため、緊張材20の定着までに多数の作業工程を要する。
これに対し、定着具回りへの補強筋等の配筋を不要にする目的で、定着部自体を繊維補強セメント系複合材料で構成し、定着部のコンクリートをそれ以外の部分のコンクリートより相対的に高強度にする方法がある(特許文献3参照)。
特開2004−036205号公報(請求項1、段落0007〜0012、図1) 特開2005−226240号公報(段落0017〜0021、図1) 特開2003−129612号公報(請求項1、段落0008〜0012、図1〜図3)
しかしながら、特許文献3では緊張材(PC鋼材)を配置する領域を定着部とそれ以外の一般部に区分し、両部分に打設されるコンクリートの強度を相違させるに過ぎず(段落0008〜0011)、定着部と一般部には連続してシースが配置されることから(図1、図3)、定着部と一般部の各コンクリートは同時期に現場で打設されることになる(段落0015)。
定着部の繊維補強セメント系複合材料が現場で打設される以上、常に一定の強度を発現するとは限らないため、目標とする品質が保証されない可能性がある。またシースによって一般部に連続する関係から、定着部を一般部から切り離し、定着具のように独立した部材として単独で取り扱うことができないため、定着部を予め工場で製造しておくことはできない。
本発明は上記背景より、前記ガイド周辺部分のコンクリート等、構造体の一部の品質を常に一定に保証することにより構造体全体の破壊を防止すると共に、定着作業数を削減し得るプレストレス導入用合成構造定着体及びそれを用いた構造物を提案するものである。
請求項1に記載の発明のプレストレス導入用合成構造定着体は、構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、緊張材が挿通し、構造体の端面側において緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドの回りに配置される補強材と、前記ガイドと前記補強材を埋設し、前記構造体の一部となる無機質材料のブロックから構成され、
前記定着材側の端面が前記構造体の端面に露出し、前記構造体中に埋設される状態で前記構造物の端部に設置され、前記ブロックは前記構造体の前記ガイドの回りに配置される前記補強材及び前記ガイドを完全に包囲する断面を有し、且つ前記ガイドを全長に亘って、または前記ガイドの、シースとの接続部分を除いた部分を埋設しており、
前記ブロックには前記ガイドの外周面からコーン状に伝達される、前記緊張材からの圧縮力によって圧壊しない圧縮強度が与えられ、
前記ブロックは前記緊張材からの圧縮力に抵抗しながらこれを負担することにより、その周囲に存在する前記構造体が圧縮応力を負担することによる圧壊を防止する機能を果たし、
前記補強材は前記圧縮力に伴う周方向への引張力に対して抵抗し、
前記ブロックがその回りを包囲する前記構造体の一部となったときにブロックの圧縮強度と引張強度が構造体の各強度を上回り、前記緊張材からの圧縮力と引張力による破壊に対して安定していることを構成要件とする。定着体は定着材側の端面が構造体の端面に露出する状態で、構造物の端部に設置されて使用状態となる。
ブロックを構成する無機質材料にはコンクリート、モルタル、セメントペースト等が使用され、ブロックにはガラス繊維、金属繊維、炭素繊維その他の補強繊維を混入させた材料が使用されることもある(請求項2)。ブロックはガイドの外周面から伝達される、緊張材からの圧縮力(支圧応力)に抵抗しながらこれを負担することにより、その周囲に存在する構造体(母材コンクリート)が圧縮応力を負担することによる圧壊を防止する機能を果たす。
ブロック中に混入された補強繊維は支圧応力に伴う周方向への引張力に対して抵抗し、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。このため、ブロックはその回りを包囲する構造体が破壊する以前に破壊しなければよく、少なくとも硬化した時点においてブロックの圧縮強度と引張強度が構造体の各強度を上回っていればよいことになる。構造体の圧縮及び引張強度がブロックのそれより相対的に小さくてもよいことから、構造体もブロックと同様にコンクリートやモルタル等から構成される。
請求項1ではガイドの回りに補強材を配置し、ブロック中にガイドと補強材を埋設するため、ブロックの引張力に対する安全性を向上させることが可能であるが、請求項2ではブロックの材料となる無機質材料中に補強繊維が混入されることで、ブロック自体引張強度より向上することになる
補強材ガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たし、ブロックは圧縮力と引張力に対する抵抗能力を保有することにより緊張材からの応力による破壊に対して安定する。補強材は必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ブロックは筒状のガイドの回りを包囲するように組まれた型枠内に打設、充填されることによりガイドに一体化する。このとき、ブロックは補強材を覆うように打設され、ガイドと補強材に一体化する。ガイドの内周部分は現場で配置される緊張材が挿通されるよう開放し、定着体はガイドの内周部分が開放した中空断面形に形成されるため、定着体としての質量が過大になることはない。従って定着体の質量を運搬時や設置時の作業性に影響しない程度に抑えることが可能であるため、定着体の取り扱い作業性が確保される。
請求項1では、構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)が常に一定水準以上に保たれるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができる。この結果、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することが可能になる。
ブロックの品質が保証されることで、ガイドからの圧縮力と引張力がブロックにおいて確実に負担されるため、ブロックを取り囲む構造体の破壊に対する安全性が高まり、結果として構造体の品質も一定水準以上に保たれ、現場で打設される場合のような品質のばらつきの発生が解消される。
またブロックに設計通りの圧縮及び引張強度等を付与できることで、構造物を構成したときの構造体の定着部における強度を自由に設定することができ、高強度化を図ることもできるため、定着体を含めた定着部の力学的性能を飛躍的に向上させることが可能になる。 併せて定着体、すなわち定着部回りの品質が安定するため、構造物の信頼性も高まる。
ガイドの回りに配置される補強材には主として鉄筋籠等の補強筋が使用されるが、定着具を構成するガイドと補強材がブロック中に埋設され、特に補強材はブロック中に完全に埋設されるため、補強材が鉄筋籠のような鋼製であってもブロックにひび割れが発生しない限り、腐食に対して保護され、腐食に対する安全性も確保される。
補強材はガイドから構造体に伝達される支圧応力に伴う周方向への引張力に対してコンクリートを補強する役目を果たすことから、必ずしも鉄筋である必要はなく、例えば補強材にガイドと共にステンレス、繊維強化プラスチック等の非鋼製、すなわち非腐食性の材料を使用するか、非腐食性の材料で被覆すれば、定着体に完全な非腐食性能を持たせることが可能になる。
ガイドの回りに補強材を配置すること、請求項によれば、定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上とそれによる工期の短縮が図られる。
特に請求項に記載のようにガイドの定着材側に支圧板が一体化した場合、更には請求項に記載のように請求項における支圧板が緊張材を周囲から保持し、定着材と共に緊張材を定着させる雌コーンを兼ねている場合にはより部品数が削減されるため、作業効率が一層向上する。
ガイドの定着材側に支圧板が一体化した請求項、もしくは請求項では請求項に記載のようにガイドの回りに配置される補強材を支持する受け部を形成することが可能である。受け部は支圧板の補強材側の面に、ガイドの周方向に連続的に、または断続的に形成され、補強材は例えばその一端において受け部を包囲するようにガイドに装着され、補強材の軸方向に嵌合することにより安定する。この場合、補強材は受け部に支持されることでガイドの外周側の表面との間に一定の距離を確保するため、補強材の位置決めを確実に行える利点がある。
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のプレストレス導入用合成構造定着体は、その定着材側の端面が前記構造体の端面に露出し、前記構造体中に埋設された状態で、構造物の端部に設置されることにより構造物を構成する。
構造物を構成する構造体(母材コンクリート)の一部となり、緊張材からガイドを経て伝達される圧縮力と引張力に対する抵抗要素であるブロックの材料が工場生産され、そのまま打設されることで、ブロックの品質(圧縮及び引張強度)を常に一定水準以上に保つことができるため、ブロックに設計通りの強度を付与することができ、緊張材からの圧縮力と引張力の負担に対しても破壊の生じないブロックを製作することができる。
また定着体がガイドと補強材、及びブロックから構成され、少なくとも従来の定着具を構成する、ガイドと補強材の2種類の部品が一体化されることで、部品点数が削減されるため、現場での作業数も削減され、作業効率の向上を図ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のプレストレス導入用合成構造定着体(以下、定着体と言う)1は図1に示すようにコンクリート構造物等、構造物8のコンクリート等の構造体9にプレストレスを導入するPC鋼材その他の緊張材7を定着するために使用され、緊張材7が挿通し、構造体9の端面側において緊張材7を定着する定着材5を受ける筒形のガイド2と、ガイド2の回りに配置される補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設する無機質材料のブロック4から構成される。ブロック4中には補強繊維が混入していることもある。定着体1は定着材5側の端面が構造体9の端面に露出する状態で構造物8の端部に設置され、ブロック4が構造体9中においてガイド2から伝達される、緊張材7からの圧縮力と引張力を負担する。
定着体1は金属製、または非金属製の材料からなるガイド2及び補強材3と、無機質材料からなるブロック4の、少なくとも2種類の材料の合成構造となる。構造体9は主として鉄筋コンクリート造で構築されるが、定着体1の圧縮及び引張強度が相対的に構造体9の強度より大きい関係が保たれればよいことから、構造体9もガイド2と同様にコンクリート、モルタル、セメントペーストの他、これらに補強繊維を混入させた材料で構成されることもある。
ガイド2の内径は図1、及びそのA−A線断面図である図2に示すように複数本の緊張材7が挿通し得る大きさを持ち、外周には緊張材7から受ける引張力を軸方向に分散させて構造体9に圧縮力として伝達するためのヒレ2aが周方向に連続して形成される。ヒレ2aは必ずしも必要ではないが、形成される場合には1枚、もしくは軸方向に間隔を隔てて複数箇所配置される。従来例を示す図3のようにガイド22の定着側の端部には緊張材20を定着する定着具(雌コーン24と雄コーン25)を受ける支圧板21が配置されることから、図1ではガイド2の定着材5側の端部に、図3に示す支圧板21に相当する支圧板2bが一体化した形にガイド2を形成している。
図3ではまた、複数本の緊張材20を周囲から保持する雌コーン24と内周側から保持する雄コーン25によって複数本の緊張材20を支圧板21に定着させていることに対応し、図1ではガイド2の軸方向の長さを利用し、支圧板2bに、図3に示す雌コーン24の機能を兼ねさせている。
図1ではガイド2の内径が後述のシース10側から定着材5側へかけて次第に拡大する、定着材5側のヒレ2aから支圧板2bの端面までの区間が複数本の緊張材5からの緊張力を負担するのに十分な長さを有していることから、この区間を図3に示す雌コーン24として利用している。緊張材7がナット定着される場合には定着材5に定着プレートが使用される等、定着材5の形態は問われないが、図示するようにガイド3の支圧板2bが雌コーン24を兼ねる場合、定着材5には雌コーン24と対になる雄コーン25が使用される。
ガイド2の、定着材5側の反対側には構造体9中に配置されるシース10が接続され、ガイド2の内部がシース10の内部と連続する。図1ではガイド2のシース10側の先端部をシース10との接続が容易に行われるよう、ブロック4の端面から突出させているが、接続が可能な程度にガイド2の端面が露出していればよいため、ガイド2のシース10側の端面をブロック4の端面に揃える場合の他、端面から入り込んだ状態にすることもある。
ガイド2の定着材5側の端部は後述のグラウトキャップ6が接合される関係でブロック4から露出するが、その端面はシース10側の端面と同様に、ブロック4の端面に揃えられる場合の他、端面から入り込んだ状態、または突出した状態にすることもある。ガイド2はその定着材5側の端面が図1に示すように構造体9の端面と面一となるように、または構造体9の端面からシース10側に入り込んだ、もしくは突出した状態で構造体9中に埋設される。
ガイド2の定着材5側の端面にはグラウトキャップ6が装着され、グラウトキャップ6の下側の注入口6aからシース10及びガイド2内へグラウトが注入される。グラウトキャップ6はボルト11等によりガイド2の支圧板2bに接合される。グラウトの注入はグラウトキャップ6の上側の排出口6bから排出されることにより確認される。
ガイド2の外周には定着体1を構成するブロック4をガイド2からの周方向の引張力に対して補強するための、例えば鉄筋籠等の補強材3が配置されるが、図1ではこの補強材3をガイド2の回りに配置し、安定させるための受け部2cを支圧板2bに形成している。受け部2cは補強材3がヒレ2aに干渉することなく、ガイド2の外周面から一定距離の位置に配置されるよう、内径が次第に拡大する定着材5側の支圧板2bの、補強材3側、すなわちシース10側の面に形成される。
受け部2cは鉄筋籠等のような筒状に形成されている補強材3の形状に対応し、支圧板2bに、ガイド2の周方向に連続的に、または断続的に形成される。筒状の補強材3は軸方向の一端において受け部2cの回りに差し込まれ、受け部2cの外周、または内周に軸方向に嵌合することにより装着され、ガイド2の外周面との間に一定の距離を確保した状態で安定する。補強材3は例えば図示するように軸方向の軸方向筋3aとこれを周囲から拘束するせん断補強筋3bから構成されるが、ガイド2回りにおける周方向の引張力を負担できる構造であれば、形態は問われない。
定着体1はガイド2とその回りの補強材3と、ガイド2と補強材3を埋設するブロック4から中空のブロック状に形成される。ブロック4の表面の形状、すなわち定着体1の形態は任意であり、円柱状、角柱状、あるいは円錐台状、角錐台状等に形成される。図1では図2に示すように定着体1を円柱状に形成している。
ブロック4にはガイド2からコーン状に伝達される圧縮力によって圧壊しない程度の圧縮強度が与えられ、補強材3には周方向に伝達される引張力に十分に抵抗し得る引張強度が与えられる。例えば構造体9の圧縮強度が35MPa程度であれば、ブロック4の圧縮強度は50MPa以上となる。ブロック4に与えるべき圧縮強度はその無機質材料中に配合する混和材の種類、補強繊維等により自由に設定可能であるため、100MPaを超える圧縮強度も与えられる。
施工は構造物8の構造体9中への鉄筋の配筋、緊張材7用のシース10の敷設と共に、構造体9の端部位置に定着体1を設置し、型枠の組み立てに続いて構造体9であるコンクリート等を打設する、という要領で行われる。構造体9の硬化後、定着体1のガイド2とシース10内に緊張材7を挿通させ、これを緊張してその端部を定着材5によって定着させ、ガイド2の端面にグラウトキャップ6を接合し、ガイド2内にグラウトを注入して完了する。緊張材7には鉄筋やPC鋼材の他、ステンレス鋼、アラミドや炭素の繊維を用いた繊維強化材料が使用される。
本発明のプレストレス導入用定着体とその構造物中での設置状態を示した縦断面図である。 図1のA−A線の断面図である。 従来の緊張材の定着部の構成例を示した縦断面図である。
符号の説明
1………プレストレス導入用合成構造定着体
2………ガイド
2a……ヒレ
2b……支圧板
2c……受け部
3………補強材
3a……軸方向筋
3b……せん断補強筋
4………ブロック
5………定着材
6………グラウトキャップ
6a……注入口
6b……排出口
7………緊張材
8………構造物
9………構造体
10……シース
11……ボルト

Claims (6)

  1. 構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、前記緊張材が挿通し、前記構造体の端面側において前記緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドを埋設する、補強繊維が混入した無機質材料のブロックから構成され、前記ブロックが前記構造体中において前記ガイドから伝達される、前記緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを特徴とするプレストレス導入用合成構造定着体。
  2. 前記ガイドの回りに補強材が配置され、前記ブロックは前記ガイドと前記補強材を埋設していることを特徴とする請求項1に記載のプレストレス導入用合成構造定着体。
  3. 構造体にプレストレスを導入する緊張材を定着するための定着体であり、前記緊張材が挿通し、前記構造体の端面側において前記緊張材を定着する定着材を受ける筒形のガイドと、このガイドの回りに配置される補強材と、前記ガイドと前記補強材を埋設する無機質材料のブロックから構成され、前記ブロックが前記構造体中において前記ガイドから伝達される、前記緊張材からの圧縮力と引張力を負担することを特徴とするプレストレス導入用合成構造定着体。
  4. 前記ガイドの前記定着材側に支圧板が一体化していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプレストレス導入用合成構造定着体。
  5. 前記支圧板は前記緊張材を周囲から保持し、前記定着材と共に緊張材を定着させる雌コーンを兼ねていることを特徴とする請求項4に記載のプレストレス導入用合成構造定着体。
  6. 前記支圧板の前記補強材側の面に、前記補強材を支持する受け部が前記ガイドの周方向に連続的に、または断続的に形成されていることを特徴とする請求項4、もしくは請求項5に記載のプレストレス導入用合成構造定着体。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101146586B1 (ko) * 2009-12-08 2012-05-16 한국건설기술연구원 초고성능 콘크리트를 이용한 긴장재 정착블록 및 이를 구비한 프리스트레스트 콘크리트 부재
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