ところで、シャッターカーテンには、火災発生時等において、大きな風圧等の外力が、シャッターカーテンの開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であってシャッターカーテンの左右方向と直交する方向又は略直交する方向、すなわち、シャッターカーテンの前後方向となる厚さ方向に作用することがある。このような外力が作用しても、シャッターカーテンは遮断性等の本来の機能を充分満たすことが要求され、特にシャッターカーテンが上述した軟質部を含んで形成されている場合には、この軟質部が上記外力に対して充分対抗できるように工夫することが求められている。
本発明の目的は、開閉体が軟質部を含んで形成されていても、風圧等の外力に対して軟質部が充分対抗できるようにした開閉装置を提供するところにある。
本発明に係る開閉装置は、上下方向に開閉移動可能であって、下方向が閉じ移動方向となっており、かつ、硬質部と、この硬質部の少なくとも一部よりも閉鎖側に配置された軟質部とを含んで構成される開閉体を有する開閉装置において、前記軟質部が、前記開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって前記開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ撓むことを抑制するための撓み抑制手段が設けられていることを特徴とするものである。
全閉状態又は略全閉状態にある開閉体は、例えば、前述したように、火災発生時等において、大きな風圧等の外力を受ける場合があるが、このとき、開閉体には、この開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって前記開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向、すなわち、開閉体の厚さ方向又は略厚さ方向への外力が加わることになり、開閉体を構成する軟質部は前記方向へ大きく撓むおそれがある。
しかし、本発明に係る開閉装置では、軟質部が、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって前記開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ撓むことを抑制するための撓み抑制手段が設けられているので、軟質部に大きな風圧等の外力が加わっても、軟質部は前記方向へ撓むことが抑制されることになる。
このため、本発明によると、風圧等の外力に対して軟質部が充分対抗できるようになる。
なお、上述した本発明に係る開閉装置の構成のうち、軟質部に関する「この硬質部の少なくとも一部よりも閉鎖側に配置された」とは、硬質部よりも閉鎖側に配置される軟質部は、硬質部の左右方向(幅方向)の全長に渡って配置してもよく、あるいは、硬質部の左右方向の全長のうちの一部だけに配置してもよい、との意味である。後者の場合の一例は、硬質部を下向きに開口した門形状とし、この開口部分に軟質部を配置することであり、また、他の例は、硬質部を下向きに開口した櫛歯状とし、それぞれの開口部に軟質部を配置すること等である。また、これらの場合において、硬質部に対して軟質部を開閉体の厚さ方向に重複させて配置してもよい。
本発明において、撓み抑制手段の構造、形式は任意であるが、その一例として、軟質部よりも大きな強度を有し、開閉体の開閉移動方向への長さ成分を有する補強部であるものを挙げることができる。
ここで、補強部の材質は、鉄、セラミック、アルミ合金、ステンレス、合成樹脂、フェノールFRP(ファイバー・リインフォースト・プラスチック)等の繊維強化プラスチック、繊維強化セラミックス、繊維強化金属、木、石、これらの複合等、任意であり、軟質部よりも大きな強度を有するものであればよい。
本発明において、軟質部における開閉体の閉鎖側の端部には、前記開閉体の全閉時に被当接部に当接するエンド部が設けられていなくてもよく、設けられていてもよい。
前者の場合には、補強部における開閉体の開放側の端部は、硬質部に取り付けられていることが好ましい。後者の場合には、補強部は、硬質部とエンド部のうちの少なくとも一方に取り付けられていればよい。すなわち、補強部は、硬質部のみに取り付けられていてもよく、エンド部のみに取り付けられていてもよく、硬質部とエンド部の両方に取り付けられていてもよい。補強部を硬質部とエンド部の両方に取り付けるようにすることにより、大きな風圧等の外力に対する軟質部の対抗力がより一層向上するようになる。
なお、「取り付けられる」とは、ビス等の止着具により止着されることや、接着剤により接着されることや、溶接により溶着されること等をいうほか、補強部に設けられた係合部が硬質部及び/又はエンド部に設けられた被係合部に係合すること、硬質部及び/又はエンド部に設けられた係合部が補強部に設けられた被係合部に係合すること等が含まれる。さらに、「取り付けられる」には、上述のように固定されるのではなく、補強部が硬質部及び/又はエンド部に単に支持されること等が含まれる。なお、この「支持される」には、補強部が開閉体の開閉移動方向の成分や開閉体の幅方向の成分を含む方向にスライド可能となって支持されること等が含まれる。
本発明において、軟質部は、単一の軟質部材によって形成されるものでもよく、前記開閉体の左右方向に複数個に分割されて並設された複数個の分割軟質部材によって形成されるものでもよい。
後者の場合には、補強部は、前記複数個の分割軟質部材同士の隣接している端部に配置されることが好ましい。これによると、前記複数個の分割軟質部材同士の隣接している端部を補強部で覆うことが可能となる。このため、例えば、火災発生時等において、火炎や煙がこれらの分割軟質部材同士の隣接している端部付近を通過することが阻止されるようになる。すなわち、補強部の存在による遮閉効果が期待できるようになる。
本発明において、補強部は、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向に、1個設けられていてもよく、複数個設けられていてもよい。
後者の場合の第1の例として、補強部は、開閉体の表裏のそれぞれの側に少なくとも1個設けられ、これらの補強部は、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向、すなわち、前述したように、開閉体の前後方向となる厚さ方向に設けられるものを挙げることができる。また、後者の場合の第2の例として、補強部は、開閉体の表裏の一方の側に複数個設けられ、これらの補強部は、開閉体の厚さ方向に設けられるものを挙げることができる。
また、本発明において、補強部は、開閉体の左右方向に1個設けられていてもよく、複数個設けられていてもよい。
前者の場合には、補強部は、開閉体の左右方向(幅方向)の中央部又は略中央部に配置されることが好ましい。後者の場合には、これらの補強部は、開閉体の左右方向に等間隔又は略等間隔で配置されることが好ましい。また、後者の場合には、複数個の補強部のうちの少なくとも1個は、前記開閉体の左右方向に分割されて並設された複数個の分割補強部材によって形成されていてもよい。
なお、補強部が開閉体の左右方向に複数個設けられている場合において、これらの補強部が可動可能及び/又は変形可能となっており、これらの補強部が収納可能となっている場合には、互いに隣接する補強部同士の間隔は、収納された状態にある補強部の最大左右寸法(幅寸法)と等しい又はこれよりも大きいことが好ましい。これによると、これらの補強部が収納されるときに、互いに隣接する補強部同士が干渉することが防止される。
ここで、補強部が収納された状態とは、例えば、補強部が硬質部及び/又はエンド部に回動可能に取り付けられており、垂直姿勢又は傾斜姿勢となって撓み抑制手段として機能している補強部が回動することにより水平姿勢又は略水平姿勢の状態となることや、補強部が硬質部及び/又はエンド部に折り畳み可能に取り付けられており、垂直方向(開閉体の開閉移動方向)に伸長した姿勢となって撓み抑制手段として機能している補強部が折り畳まれることにより水平姿勢又は略水平姿勢の状態となること等をいう。
本発明において、補強部が、開閉体の左右方向に分割されて並設された複数個の分割補強部材によって形成されている場合には、これらの分割補強部材同士の隣接している端部には、これらの分割補強部材のうちの一方が、他方に対して、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ移動することを規制するための分割補強部材移動規制手段が設けられていることが好ましい。
これによると、互いに隣接する分割補強部材のうちの一方に対して、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向への外力が加わっても、分割補強部材移動規制手段により、前記一方の分割補強部材の前記外力の方向への移動が規制され、これにより、互いに隣接している分割補強部材同士が常時一体となって軟質部を補強することが可能となる。
ここで、分割補強部材移動規制手段の構造、形式は任意であるが、その一例として、互いに隣接している分割補強部材の端部同士のうちの一方の端部に設けられた第1係合部と、他方の端部に設けられ、この第1係合部と係合可能な第2係合部とを含んで構成されているものを挙げることができる。なお、第1係合部と第2係合部は、例えば、凸部と凹部との組み合わせでもよく、互いに噛合可能な段部等でもよい。
以上の本発明において、軟質部が、前記開閉体の左右方向に複数個に分割されて並設された複数個の分割軟質部材によって形成されるものである場合には、互いに隣接している分割軟質部材の端部同士は、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ重なり合っていてもよく、重なり合っていなくてもよい。前者の場合では、互いに隣接している分割軟質部材の端部同士が重なり合うことにより、例えば、火災発生時等において、火炎や煙がこれらの分割軟質部材同士の隣接している端部付近を通過することがより確実に阻止されるようになり、より遮閉効果が期待できる。
本発明において、軟質部における開閉体の閉鎖側の端部には、開閉体の全閉時に被当接部に当接するエンド部が設けられており、軟質部が、開閉体の左右方向に複数個に分割されて並設された複数個の分割軟質部材によって形成され、互いに隣接している分割軟質部材の端部同士が、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ重なり合っている場合の補強部の一例として、硬質部とエンド部のうちの少なくとも一方に対して回動可能に取り付けられ、開閉体の開閉移動方向への長さ成分を有する棒状となった補強部材であり、この補強部材は、分割軟質部材の前記重なり部分の表裏両側に配置され、かつ、補強部材における開閉体の開閉移動方向のうちの少なくとも閉鎖側の部分は、開閉体の開閉移動方向に対して斜めに配置されているものを挙げることができる。
これによると、分割軟質部材の前記重なり部分が、この重なり部分の表裏両側に配置された補強部材により挟持されることになり、互いに隣接している分割軟質部材の端部同士の遮閉性がより向上する。
なお、「補強部材が、硬質部とエンド部のうちの少なくとも一方に対して回動可能に取り付けられ、」とは、補強部材が開閉体の開閉移動方向である上下方向に2個に分割されたもので、一方の補強部材が硬質部に対して回動可能に取り付けられると共に、他方の補強部材がエンド部に対して回動可能に取り付けられる場合も含むという意味である。
また、これによると、補強部材における開閉体の開閉移動方向のうちの少なくとも閉鎖側の部分が、開閉体の開閉移動方向に対して斜めに配置されているため、開閉体の閉じ移動方向に障害物等の物体が存在し、エンド部が物体に当接した場合には、補強部材が硬質部の取り付け部分を中心に回動し易くなるので、前記物体が受ける衝撃をより小さなものとすることができる。
本発明において、軟質部における開閉体の閉鎖側の端部には、開閉体の全閉時に被当接部に当接するエンド部が設けられており、軟質部が、開閉体の左右方向に複数個に分割されて並設された複数個の分割軟質部材によって形成されている場合における補強部は、互いに隣接している前記分割軟質部材の端部同士の間に配置され、前記補強部における開閉体の左右方向両端部には、前記分割軟質部材の前記端部が挿入可能な隙間部が形成されているものでもよい。
これによると、補強部を単一の補強部材で構成することが可能となり、補強部の製造、配置作業をより容易にすることができる。また、これにより、互いに隣接している分割軟質部材の端部のそれぞれが、補強部に形成された前記隙間部に挿入されるので、互いに隣接している分割軟質部材の端部付近の遮閉性がより向上する。
本発明において、軟質部における開閉体の閉鎖側の端部にエンド部が設けられている場合には、エンド部は、単一のエンド部材で形成されていてもよく、開閉体の左右方向に分割されて並設された複数個の分割エンド部材によって形成されていてもよい。
後者の場合には、複数個の分割エンド部材同士の隣接している端部には、これらの分割エンド部材のうちの一方が、他方に対して、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向へ移動することを規制するための分割エンド部材移動規制手段が設けられていることが好ましい。
これによると、互いに隣接している分割エンド部材同士のうちの一方に対して、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって開閉体の左右方向と直交する方向又は略直交する方向への外力が加わっても、分割エンド部材移動規制手段により、前記一方の分割エンド部材の前記外力の方向への移動が規制され、これにより、互いに隣接している分割エンド部材同士が常時一体となって軟質部を補強することが可能となる。
ここで、分割エンド部材移動規制手段の構造、形式は任意であるが、その一例として、複数個の分割エンド部材同士の隣接している端部のうちの一方の端部に設けられた第1係合部と、他方の端部に設けられ、この第1係合部と係合可能な第2係合部とを含んで構成されているものを挙げることができる。
なお、第1係合部と第2係合部の第1の例として、第1係合部は、前記一方の端部に設けられ、軟質部の表裏両側のうちの一方の側に向かって段状に窪んだ第1段部であり、第2係合部は、前記他方の端部に設けられ、軟質部の表裏両側のうちの他方の側に向かって段状に窪んでいて、第1段部が係合可能な第2段部であるものを挙げることができる。
また、第1係合部と第2係合部の第2の例として、第1係合部は、前記一方の端部に設けられ、前記他方の端部に向かって突出した凸部であり、第2係合部は、前記他方の端部に設けられ、前記凸部が嵌合可能な凹部であるものを挙げることができる。
なお、以上の本発明において、補強部は、可動可能及び/又は変形可能となっていてもよく、可動可能及び/又は変形可能となっていなくてもよい。
前者の場合によると、開閉体の全開時における補強部の開閉体の開閉移動方向の長さ寸法を、開閉体の全閉時における長さ寸法よりも短くすることが可能となり、これにより、開閉体の全開時における開閉体全体の大きさ、言い換えると、開閉体を収納するためのスペースをより小さくすることができる。また、前者と後者の両方の場合によると、補強部を軟質部が開閉移動する際の案内部材として利用することも可能となる。特に、軟質部が開閉体の左右方向に複数個に分割されて並設された複数個の分割軟質部材によって形成されている場合には、これらの分割軟質部材同士の隣接している端部の開閉移動を補強部が案内することができる。
ここで、可動可能には、回動可能、スライド可能、移動可能等が含まれる。また、変形可能には、屈曲可能、折り畳み可能、伸縮可能等が含まれる。
補強部が可動可能及び/又は変形可能となっている場合におけるこの補強部の構造、形式は任意であり、その第1の例として、補強部における開閉体の開放側の端部が硬質部に回動可能に取り付けられており、あるいは、軟質部における開閉体の閉鎖側の端部に前記エンド部が設けられ、補強部がこのエンド部と硬質部のいずれか一方に回動可能に取り付けられており、開閉体が開閉移動すると共に補強部が回動するもの(例えば、開閉体の全開時においては水平姿勢を保持しており、開閉体が閉じ移動すると共に補強部が前記取付箇所を中心に回動し、開閉体の全閉時には垂直姿勢又は傾斜姿勢となるもの)を挙げることができる。
また、補強部の第2の例として、補強部がパンタグラフのように折り畳み可能な形状、構造を有しているものを挙げることができる。この例では、補強部は、例えば、開閉体の全開時には折り畳まれた状態となっており、開閉体が閉じ移動を開始すると、補強部は折り畳まれた状態から展開された状態(撓み抑制手段として機能する形状をなす状態)となるように動作させればよい。なお、開閉体の閉じ移動中においては、補強部は折り畳み可能な状態となっていることがより好ましい。これによると、閉じ移動中の開閉体に障害物等の物体が当接した場合には、この物体の当接による衝撃をより緩和させることができる。
ここで、補強部が折り畳まれる方向は、開閉体の厚さ方向でもよく、開閉体の左右方向等でもよい。前者の場合には、開閉体の全閉時において補強部が撓み抑制手段として機能するには、補強部は、完全に又は略完全に展開された状態、すなわち、開閉体の開閉移動方向である上下方向に伸長した状態となっていることが好ましい。一方、後者の場合には、開閉体の全閉時において補強部が撓み抑制手段として機能するには、補強部は、必ずしも完全に又は略完全に展開された状態となっていなくてもよい。
また、補強部の第3の例として、開閉体の全開時においては、補強部は開閉体の全閉時に配置される位置とは異なる位置に配置されており(例えば、開閉体の開閉移動を案内する案内部材に収納されており、あるいは、開閉体における前記案内部材の近傍部分等に配置されており)、開閉体が閉じ移動を開始すると、補強部が、前記案内部材や開閉体における前記案内部材の近傍部分等から、開閉体の全閉時に配置される位置まで、開閉体の左右方向にスライドするものを挙げることができる。なお、この例において、開閉体には、補強部のスライドを案内するためのスライド案内部(例えば、溝等)を硬質部等に設けることが好ましい。そして、このスライド案内部は、補強部が自重でスライド可能となるように鉛直下方に傾斜していてもよい。
以上の本発明において、補強部は、開閉体の全開時には、この開閉体を収納するための収納部に前記軟質部と共に収納されるものであってもよく、収納されないものであってもよい。
以上の本発明では、軟質部が硬質部の少なくとも一部よりも閉鎖側に配置されているため、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達した場合でも、硬質部が自重により閉鎖側へさらに移動するおそれがある。このため、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達したときに、硬質部の閉鎖側への移動を阻止するためのストップ手段を設けることが好ましい。
このストップ手段の構造、形式は任意なものを採用することができ、例えば、硬質部における開閉体の左右方向両端部に係止部を設け、開閉体の開閉移動を案内するための案内部材には前記係止部が係止可能な被係止部を設けたものでもよく、これとは反対に、前記案内部材に係止部を設け、硬質部における開閉体の左右方向の両端部に前記係止部が係止可能な被係止部を設けたものでもよい。また、硬質部における開閉体の左右方向の両端部の先端のそれぞれから開閉体の閉じ移動方向に突出して設けられ、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達したときに被当接部に当接する突出部をストッパ手段としてもよい。
以上の本発明において、開閉装置に、開閉体の開閉移動の案内をするための案内部材が備えられている場合には、この案内部材には、軟質部における開閉体の左右方向の両端部の遮閉性を高めるために、軟質部の前記両端部の表裏両側のうちの少なくとも一方の側に当接するリップ部を有する塞ぎ部材であるシール部材を設けることがより好ましい。
以上の本発明において、開閉体の硬質部は、スラットで形成されたものでもよく、パネルで形成されたものでもよく、リンクで連結されたパイプで形成されたもの等でもよい。
また、開閉体の軟質部は、布やシート等の薄厚部材で形成されたスクリーン部でもよく、ネットで形成されたものでもよく、これらのうちの少なくとも2つの複合で形成されたもの等でもよい。なお、開閉体の軟質部が前記薄厚部材で形成されたスクリーン部となっている場合には、このスクリーン部の全部または一部を透明又は半透明としてもよい。これによると、スクリーン部の透明部又は半透明部を通して開閉体で仕切られた空間のうちの一方の空間から他方の空間を視認できるようになり、開閉装置が防災用開閉装置となっている場合には火災発生時等の非常時等の避難に有効となる。
本発明は任意な開閉装置に適用することができ、すなわち、本発明が適用される開閉装置は、例えば、開閉体がシャッターカーテンになっているシャッター装置でもよく、開閉体が防煙垂れ幕となっている防煙垂れ幕装置でよく、開閉体が防煙垂れ壁となっている防煙垂れ壁装置等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は任意な用途のシャッター装置でよく、そのシャッター装置は、収納部から繰り出され、収納され、全閉状態又は略全閉状態となったシャッターカーテンによって防災区画を形成するための防災用シャッター装置(エレベータのためのものを含む)でもよく、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置(オーバーヘッドドア式のものを含む)でもよく、さらに、車庫用シャッター装置でもよく、物置用シャッター装置でもよく、トラック等の車両の荷台に搭載される車搭用シャッター装置等でもよい。
さらに、本発明がシャッター装置に適用される場合において、そのシャッター装置が、シャッターカーテンを収納部から繰り出し、この収納部に収納するための収納機構を駆動させるための駆動装置(例えば、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す巻取軸を回転させるための開閉機等)を備えている場合には、収納機構の駆動を駆動装置だけではなく手操作でも行える自動式と手動式の両方の機能を備えたシャッター装置にも適用でき、さらに、本発明は、上記駆動装置がシャッターカーテンを巻取軸に巻き取るときに巻取軸を回転させるために利用され、シャッターカーテンを繰り出すときの巻取軸の回転は、シャッターカーテンの自重やウエイト部材の自重等を利用して行われるシャッター装置等にも適用できる。
以上の本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものである場合において、その巻取軸の構造、形式は任意である。すなわち、巻取軸は、1本の軸により又は複数の軸を直列的に連結することにより形成されたものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための回転部材が回転自在に配置されたもの等でもよい。
なお、以上の本発明において、「全閉状態」とは、開閉体が閉鎖側の移動限に達した状態、言い換えると、開閉体が最大閉じ移動可能位置に達した状態をいう。例えば、開閉装置がシャッター装置であって開閉体がシャッターカーテンである場合には、シャッターカーテンの閉鎖側の端部に設けられているエンド部が、被当接部である床面に当接した状態等をいう。また、開閉装置が防煙垂れ幕装置や防煙垂れ壁装置である場合には、防煙垂れ幕や防煙垂れ壁の閉鎖側の端部に設けられているエンド部が、床面に当接せずに、収納部から所定の移動量だけ繰り出された状態等をいう。
本発明によると、開閉体が軟質部を含んで形成されていても、風圧等の外力に対して軟質部が充分対抗できるという効果が得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る開閉装置となっているシャッター装置の全体を示す正面図である。まず、このシャッター装置の全体構造について説明する。
開閉体がシャッターカーテンとなっているこのシャッター装置は、天井部材1によって室内空間2と区画されている天井裏空間3に水平に配置されている巻取軸10から繰り出されるシャッターカーテン11により、室内空間2に防火、防煙のための防災区画を形成するための防災用シャッター装置となっている。この図1では、巻取軸10から繰り出されたシャッターカーテン11の先端部が室内空間2の床面2Aに着床した状態、言い換えると、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達した状態が示されている。
巻取軸10は、天井裏空間3に存在する建物躯体6に取り付けられた左右一対のブラケット7で回転自在に支持され、この巻取軸10に上端部、すなわち巻取軸10側の端部が結合されているシャッターカーテン11の左右方向の端部は、柱や壁等の建物躯体5に設けられた左右のガイドレール20の内部に設けられた後述する抜け止め部材によって抜け止めされながら、スライド自在に挿入されている。
左右一対のブラケット7うちの一方のブラケット7(図1では右側)には、モータとブレーキを有する開閉機8が取り付けられ、この開閉機8は巻取軸10とチェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段9を介して連結されている。火災発生等によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機8の図示しない制御装置に送られることにより、開閉機8のブレーキが解除され、これにより、シャッターカーテン11は、自重で巻取軸10を正回転させながら巻取軸10から繰り出されて下降する閉じ移動をガイドレール20で案内されながら行い、シャッターカーテン11の先端部が床面2Aに着床してシャッターカーテン11が全閉鎖状態又は略全閉状態となることにより、シャッターカーテン11で室内空間2に防火区画が形成される。
また、図示しないスイッチを操作すると、開閉機8のモータが駆動され、これにより、巻取軸10の逆回転でシャッターカーテン11が巻取軸10に巻き取られ、シャッターカーテン11は上昇する開き移動をガイドレール20で案内されながら行う。
なお、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したかどうかの判定、及びシャッターカーテン11が全開位置又は略全開位置に達したかどうかの判定は、開閉機8に設けられた図示しないリミットスイッチからの信号により行われる。
以上のように、本実施形態では、シャッターカーテン11は上下方向に開閉移動可能であって、下方向が閉じ移動方向となっている。
なお、火災によって発生した煙がシャッターカーテン11で仕切られた反対側の空間へ流出するのを防ぐために、天井部材1に配設されたまぐさ部材4には、図示しない塞ぎ部材が組み込まれている。これと同様に、シャッターカーテン11の左右方向の端部が挿入されたガイドレール20の内部にも、後述する塞ぎ部材が組み込まれている。
図1に示されているように、シャッターカーテン11は、多数のスラット13及び1個のスラット14を上下方向に連設することにより形成されたスラット連設体12と、このスラット連設体12の下端である最下部のスラット14に連結されて垂下された可撓性のシート部材で形成されたシート30と、このシート30の下端に連結されて垂下された座板40とを含んで構成されている。
各スラット13及び最下部のスラット14は、所定の厚さの金属製の板材で形成されており、このため、スラット連設体12は硬質部となっている。なお、スラット連設体12の上端は、図示しない吊り元部材を介して巻取軸10に連結されている。
シート30の全部又は大部分は、耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させたガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有する薄厚部材で形成されたスクリーン部となっている。このため、シート30は、硬質部であるスラット連設体12よりも閉鎖側に配置された軟質部となっている。このシート30は、シャッターカーテン11の左右方向、すなわち、シャッターカーテン11の幅方向に複数個(本実施形態では2個)に均等に分割されて並設された2枚の分割軟質部材である分割シート31,32によって形成されている。
金属製の座板40は、シート30におけるシャッターカーテン11の閉鎖側の端部に設けられ、シャッターカーテン11の全閉時に、被当接部となっている床面2Aに着床(当接)するエンド部となっている。また、この座板40も、シート30と同様に、シャッターカーテン11の左右方向に複数個(本実施形態では2個)に均等に分割されて並設された2個の分割エンド部材である分割座板41,42によって形成されている。
また、図1に示すように、2枚の分割シート31,32同士の隣接している端部31C,32Cには、シャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向と直交する方向又は略直交する方向であってシャッターカーテン11の左右方向と直交する方向又は略直交する方向、すなわち、シャッターカーテン11の厚さ方向へ撓むことを抑制するための撓み抑制手段の第1実施形態に係る補強部50が配置されている。なお、この補強部50の具体的な構造については後述する。
次に、シャッターカーテン11の構造を図1のS2−S2線断面図である図2により説明する。
スラット連設体12を構成する多数のスラットのうち、図1に示す最下部のスラット14は、このスラット14より上方に配置される多数のスラット13とは異なる形状を有している。図2に示されているように、最下部のスラット14の下端は、分割シート31,32の上端部を連結するための折り曲げにより形成されたシート連結部14Bとなっている。このシート連結部14Bは、第1水平部14Cと、垂直部14Dと、第2水平部14Eと、湾曲部14Fとで構成されており、これらで囲まれた空間S1がシート連結部14Bに形成されている。分割シート31,32の上端部が巻き回され、断面形状が円形状又は略円形状の棒状部材となっている芯部材15が、シャッターカーテン11の左右方向から前記空間S1に挿入されることで、分割シート31,32の上端部は最下部のスラット14に連結される。
一方、スラット14の上端はカール部14Aとなっており、このスラット14の真上に配置されるスラット13の下端のカール部13Aと、スラット14のカール部14Aとが係合することで、スラット14はスラット13に連結される。
なお、スラット14よりも上方に配置されている多数のスラット13の上端は、スラット14のカール部14Aと同じ又は略同じ形状を有しているため、上下方向に互いに隣接しているスラット13同士の連結状態は、スラット14とスラット13との連結状態と同様のものとなっている。
また、図2に示されているように、シャッターカーテン11の座板40を構成する2個の分割エンド部材の一方である右側の分割座板42は、スチール等の厚板材や角材からなる3個の芯部材43,44,45から構成されている。これらの芯部材43,44,45は、シャッターカーテン11の厚さ方向に並設されている。
また、図2に示されているように、2個の分割軟質部材の一方である右側の分割シート32の下部には袋部32Bが形成され、この袋部32Bに3個の芯部材43,44,45のうちの中央の芯部材44が挿入配置されており、この芯部材44のシャッターカーテン11の厚さ方向両側に2個の芯部材43,45が配置されている。
図2に示すように、ボルト46が、3個の芯部材43,44,45と上記袋部32Bとに貫通形成されている孔に芯部材43側から挿入され、このボルト46の軸部の先端は芯部材44から突出し、この突出した軸部の先端にナット47を螺合して締め付けることにより、芯部材43,44,45が連結されるとともに、これらの芯部材43,44,45から構成される分割座板42は、シャッターカーテン11の分割シート32と一体化される。このボルト46は、図1に示すように、分割座板42の長さ方向(シャッターカーテン11の左右方向)に等間隔で複数個設けられている。
なお、2個の分割エンド部材の他方である左側の分割座板41も分割座板42と同様の構造を有している(後述の図4参照)。また、2個の分割軟質部材の他方である左側の分割シート31も分割シート32と同様の構造を有しており(後述の図4参照)、分割シート31の下部には袋部32Bが形成されている。
なお、図1に示すように、分割座板41,42のシャッターカーテン11の左右方向の端部のうちのガイドレール20側の端部は、芯部材43,44,45のうちの中央の芯部材44のみとなっている。
次に、図1のシャッター装置に設けられた撓み抑制手段である補強部について説明する。図3は、図1に示すシャッター装置に設けられた補強部、軟質部及びエンド部の拡大図であり、図4は図3のS4−S4線断面図であり、図5は図3のS5−S5線断面図であり、図6は図3のS6−S6線断面図である。
図3に示すように、左右2枚の分割シート31,32同士の隣接している端部31C,32Cには、本発明の第1実施形態に係る補強部50が配置されており、この補強部50は、シャッターカーテン11の左右方向、すなわち、シャッターカーテン11の幅方向に2個に分割されて並設された2個の分割補強部材51,61によって形成されているものである。
以下、2個の分割補強部材51,61の構造について説明する。
図3において左側に配置されている分割補強部材51は、図4に示すように、金属製の板材で形成された凸状のベース部材55(図7の平面図も参照)と、分割シート31の表裏両側のうちの一方の側である表側(図3では手前側)に配置され、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材で形成された棒状部材52と、分割シート31の表裏両側のうちの他方の側である裏側(図3では奥側)に配置され、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材で形成された棒状部材53とを含んで構成され、これらの棒状部材52,53は、ベース部材55に溶接等により立設固定されている。
図4に示すように、スラット14のシート連結部14Bの存在により、スラット14と、棒状部材53におけるシート連結部14Bの第1水平部14Cよりも上の部分との間には、隙間が形成される。このため、図4及び図5に示すように、スラット14と、棒状部材53におけるシート連結部14Bの第1水平部14Cよりも上の部分との間には、スペーサ70が配置されている。
この状態で、ボルト71が、2個の棒状部材52,53と、スラット14と、スペーサ70に貫通形成されている孔に棒状部材52側から挿入され、このボルト71の軸部73の先端は棒状部材53から突出し、この突出した軸部73の先端にナット72を螺合して締め付けることにより、2個の棒状部材52,53と、スラット14と、スペーサ70とが連結されるとともに、2個の棒状部材52,53は、軸部73でスラット14に対して回動可能に取り付けられる。
また、図4に示すように、スラット14のシート連結部14Bの存在により、分割シート31と、棒状部材53におけるシート連結部14Bの第2水平部14Eよりも下の部分との間にも、隙間が形成される。このため、図6に示すように、棒状部材53におけるシャッターカーテンの左右方向の側面部のうち、この棒状部材53に隣接する棒状部材63とは反対側の側面部53Bには、前記隙間を覆うための塞ぎ部材であるカバー部材54が溶接等で結合されている。
このカバー部材54は、図6に示すように、金属製の板材の折り曲げによって形成されており、一部が棒状部材53に溶接等で結合される第1面部54Aと、分割シート31の裏側と対面する第2面部54Bとからなり、水平断面形状がL字状となっている。また、このカバー部材54は、図4に示すように、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有しており、この長さは棒状部材53の下端からスラット14のカール部14Aの第2水平部14Eの下面近傍までの長さとなっている。
一方、図3において右側に配置されている分割補強部材61は、金属製の板材で形成された凹状のベース部材65(図7の平面図も参照)と、分割シート31の表裏両側のうちの一方の側である表側(図3では手前側)に配置され、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材で形成された棒状部材62と、分割シート31の表裏両側のうちの他方の側である裏側(図3では奥側)に配置され、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材で形成された棒状部材63とを含んで構成され、これらの棒状部材62,63は、分割補強部材51と同様に、ベース部材65に溶接等により立設固定されている。
分割補強部材51と同様に、スラット14と、棒状部材63におけるシート連結部14Bの第1水平部14Cよりも上の図示されていない部分との間には、図5に示すように、スペーサ70が配置され、2個の棒状部材62,63は、軸部73でスラット14に対してシャッターカーテン11の幅方向に回動可能に取り付けられている。
また、分割補強部材51と同様に、図6に示すように、棒状部材63におけるシャッターカーテンの左右方向の側面部のうち、この棒状部材63に隣接する棒状部材53とは反対側の側面部63Bには、分割シート32と、棒状部材63におけるシート連結部14Bの第2水平部14Eよりも下の図示されていない部分との間にも形成される隙間を覆うための塞ぎ部材であるカバー部材64が溶接等で結合されている。
このカバー部材64は、図6に示すように、前記カバー部材54と対称な形状を有しており、一部が棒状部材63に溶接等で結合される第1面部64Aと、分割シート31の裏側と対面する第2面部64Bとからなり、水平断面形状がL字状となっている。また、図示されていないが、このカバー部材64もカバー部材54と同様に、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有しており、この長さは棒状部材63の下端からスラット14のカール部14Aの第2水平部14Eの下面近傍までの長さとなっている。
なお、カバー部材54,64の第1面部54A,64Aは、火災発生時等の遮閉性を低下させない効果を有している。また、カバー部材54,64の第1面部54A,64Aと第2面部54B,64Bは、棒状部材53,63が分割シート31,32側へ大きく移動することを規制する効果を有している。
図6に示すように、分割補強部材51の棒状部材52におけるシャッターカーテン11の左右方向の端部のうちの一方の端部である右側の端部、言い換えると、分割補強部材61の棒状部材62に隣接する端部には、分割シート31の表側に向かって段状に窪んだ段部52Aが形成されている。一方、分割補強部材61の棒状部材62におけるシャッターカーテン11の左右方向の端部のうちの一方の端部である左側の端部、言い換えると、分割補強部材51の棒状部材52に隣接する端部には、分割シート31の裏側に向かって段状に窪んでいて、段部52Aに係合可能な段部62Aが形成されている。
このため、段部52A,62Aは、分割補強部材51,61のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動すること規制するための分割補強部材移動規制手段となっている。そして、段部52Aは、第1係合部である第1段部となっており、段部62Aは、第2係合部である第2段部となっている。
一方、図6に示すように、分割補強部材51の棒状部材53におけるシャッターカーテン11の左右方向の端部のうちの一方の端部である右側の端部、言い換えると、分割補強部材61の棒状部材63に隣接する端部には、分割シート31の裏側に向かって段状に窪んだ段部53Aが形成されている。一方、分割補強部材61の棒状部材63におけるシャッターカーテン11の左右方向の端部のうちの一方の端部である左側の端部、言い換えると、分割補強部材51の棒状部材53に隣接する端部には、分割シート31の表側に向かって段状に窪んでいて、段部53Aに係合可能な段部63Aが形成されている。
このため、段部53A,63Aも、分割補強部材51,61のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動すること規制するための分割補強部材移動規制手段となっている。そして、段部53Aは、第1係合部である第1段部となっており、段部63Aは、第2係合部である第2段部となっている。
なお、段部52A,53A,62A,63Aは、棒状部材52,62におけるシャッターカーテンの上下方向の全長に亘って形成されている。このため、前述したように、分割補強部材51のベース部材55は、凸部55Aを有する凸形状となっており(図6及び図7参照)、一方、分割補強部材61のベース部材65は、ベース部材55の凸部55Aに嵌合可能な凹部65Aを有する凹形状となっている。(図6及び図7参照)。
なお、図3及び図6に示すように、左右2枚の分割シート31,32同士の隣接している端部31C,32Cにおける閉鎖側の端部には、分割座板41,42を構成する3個の芯部材43,44,45のうちの中央の芯部材44のみが連結されている。
このため、図3、図4及び図6に示すように、ベース部材55,65には、分割座板41,42を構成する3個の芯部材43,44,45のうちの中央の芯部材44のみが載置されるようになっている。
図8は、図1のS8−S8線断面図であり、左右一対のガイドレール20うちの一方である左側のガイドレール20の側面図を示すものであり、図9は、図1のS9−S9線断面図であり、同じく左側のガイドレール20の水平断面図である。
図8及び図9に示すように、金属製の板材の折り曲げによって形成されたガイドレール20には、火災発生時等に、煙がこのガイドレール20の開口部を経由してシャッターカーテン11を隔てた他方の側の空間へ流出するのを防ぐための塞ぎプレート21が取り付けられている。
この塞ぎプレート21は、金属製の板材の折り曲げによって形成されており、床面2Aから、全閉状態又は略全閉状態にあるシャッターカーテン11のスラット14のシート連結部14Bの第2水平部14Eまでの上下方向の長さを有するものである。これにより、図8に示すように、シャッターカーテン11の全閉時には、スラット14のシート連結部14Bの第2水平部14Eの下面が、塞ぎプレート21の上端部21Aの端面、言い換えると、塞ぎプレート21におけるシャッターカーテン11の開放側の端部の端面に載置されるようになっている。このため、この塞ぎプレート21は、全閉位置に達しているシャッターカーテン11の硬質部であるスラット連設体12が自重により降下してしまうことを防止するためのストッパ手段を兼ねている。また、この塞ぎプレート21の存在により、分割シート31は、分割座板41の自重でシャッターカーテン11の開閉移動方向に緊張した状態が保持され、これにより、分割シート31による遮閉性の効果がより確実なものとなる。
また、図8に示すように、塞ぎプレート21の上端部21Aには、この上端部21Aからシャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に傾斜した傾斜部21Bが形成されている。これにより、シャッターカーテン11がこのシャッターカーテン11の厚さ方向にずれて閉じ移動した場合でも、分割座板41の芯部材43が塞ぎプレート21とガイドレール20との隙間をより確実に通過できるようになる。
図9に示すように、ガイドレール20の内部には、分割シート31の遮閉性をより高めるための塞ぎ部材であるシール部材22が設けられている。このシール部材22は、ガイドレール20の内部に取り付けられたベース部22Aと、このベース部22Aから分割シート31に向かって延出した後、徐々に分割シート31の幅方向端部に向かって延出し、先端部が分割シート31に接触可能となっているリップ部22Bとを含んで構成されている。
なお、このシール部材22は、図8に示されているように、ガイドレール20の内部における前記塞ぎプレート21の下端部の高さ位置から上端部までの高さ位置までの全長に亘って設けられている。
このため、シャッターカーテン11が全閉状態となったときには、シール部材22のリップ部22Bが分割シート31に接触するので、火災発生時等には、発生した煙が分割シート31を隔てた反対側の空間へ流出することがより確実に防止される。
なお、前述したように、シャッターカーテン11の全閉時には、スラット14のシート連結部14Bの第2水平部14Eの下面が塞ぎプレート21の上端部21Aの端面に載置され、これにより、分割シート31は、分割座板41の自重でシャッターカーテン11の閉じ移動に緊張した状態が保持される。
このため、この緊張状態にある分割シート31にシール部材22のリップ部22Bがより密接に接触することになる。すなわち、塞ぎプレート21の存在により、シール部材22による遮閉性はより向上したものとなっている。
また、図9に示すように、ガイドレール20の内部には、全閉時のシャッターカーテン11が大きな風圧等の外力によりこのシャッターカーテン11の厚さ方向に撓みことにより、このシャッターカーテン11がガイドレール20から抜け出してしまうことを防止するための抜け止め防止部材である突出部26が設けられている。分割シート31に向かって突出している突出部26は、金属製の角材で形成され、ガイドレール20の上下方向である長さ方向全長に亘って設けられている。
なお、以上のガイドレール20の説明は、左右一対のガイドレール20のうちの一方である左側のガイドレール20についてであったが、右側のガイドレール20もこの左側のガイドレール20と同様の構造を有している。
さらに、図9に示すように、左右の分割座板41,42のうちの一方である左側の分割座板41の中央の芯部材44の幅方向両端部のうちの一方の端部である左端部(ガイドレール20に挿入される端部)には、シャッターカーテン11の開閉移動を案内するためのガイドローラ23が設けられている。このガイドローラ23は、芯部材44にビス等で取り付けられたローラ保持部材24と、このローラ保持部材24に取り付けられて回転自在となっているローラ25とを含んで構成されている。
これにより、シャッターカーテン11の開閉移動中において、分割シート31及び分割座板41が、抜け止め防止部材である前記突出部26や塞ぎプレート21に衝突することが防止されようになっている。
また、これにより、分割シート31及び分割座板41をガイドレール20と塞ぎプレート21との隙間に、より確実に通過させることができるようになる。すなわち、ガイドローラ23は、分割シート31及び分割座板41のシャッターカーテン11の厚さ方向の位置決めを行っている。
なお、以上説明したガイドローラ23は、左右の分割座板41,42のうちの他方である右側の分割座板42の芯部材44の幅方向両端部のうちの一方の端部である右端部(ガイドレール20に挿入される端部)にも設けられている。
以上説明した本実施形態では、軟質部であるシート30は、シャッターカーテン11の左右方向に2個に分割されて並設された分割軟質部材である左右一対の分割シート31,32によって形成されている。
そして、これらの分割シート31,32同士の隣接している端部31C,32Cに配置され、各分割シート31,32がシャッターカーテン11の厚さ方向へ撓むことを抑制するための撓み抑制手段となっている補強部50は、シャッターカーテン11の左右方向に分割された2個の分割補強部材51,61によって形成されている。
さらに、分割補強部材51,61のうちの一方の分割補強部材51は、分割シート31の表裏両側に配置され、シャッターカーテン11の上下方向の長さを有する棒状部材52,53と、これらを連結しているベース部材55とから構成されており、これらの棒状部材52,53の上端部は硬質部であるスラット14に回動可能に取り付けられている。一方、他方の分割補強部材61も、分割シート32の表裏両側に配置され、シャッターカーテン11の上下方向の長さを有する棒状部材62,63と、これらを連結しているベース部材65とから構成されており、これらの棒状部材62,63の上端部も硬質部であるスラット14に回動可能に取り付けられている。したがって、本実施形態では、補強部は、シャッターカーテン11の厚さ方向に複数個(2個)設けられている。
さらに、分割シート31,32におけるシャッターカーテン11の閉鎖側の端部には、シャッターカーテン11の全閉時に着床するエンド部を構成する分割エンド部材である分割座板41,42が設けられており、分割シート31の分割座板41の芯部材44は、分割補強部材51のベース部材55に載置されており、これと同様に、分割シート32の分割座板42は、分割補強部材61のベース部材65に載置されている。
以上により、シート30に対して風圧等の外力が加わっても、左右の分割シート31,32同士の隣接している端部31C,32Cは、2個の分割補強部材51,61により、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動することが抑制される。この結果、左右の分割シート31,32で形成されるシート30がシャッターカーテン11の厚さ方向へ撓むことが抑制される。
このため、本実施形態によると、左右の分割シート31,32で形成されるシート30が風圧等の外力に充分対抗することができるようになる。
また、本実施形態では、分割補強部材51,61を構成する棒状部材52,62同士の隣接している端部のうちの一方の端部である棒状部材52の端部には段部52Aが形成され、他方の端部である棒状部材62の端部にはこの段部52Aと係合可能な段部62Aが形成されている。これと同様に、分割補強部材51,61を構成する棒状部材53,63同士の隣接している端部のうちの一方の端部である棒状部材53の端部には段部53Aが形成され、他方の端部である棒状部材63の端部にはこの段部53Aと係合可能な段部63Aが形成されている。すなわち、本実施形態では、分割補強部材51,61のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向に移動することを規制するための分割補強部材移動規制手段が設けられている。
さらに、本実施形態では、図7に示されているように、分割補強部材51,61を構成するベース部材55,65同士の隣接している端部のうちの一方の端部であるベース部材55の端部は凸形状を有しており、他方の端部であるベース部材65の端部は、ベース部材55の前記端部と嵌合可能な凹形状を有している。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン11の全閉時において、分割補強部材51と分割補強部材61とは、上記端部同士の係合、嵌合により一体化した状態がより確実に維持される。
また、本実施形態では、シャッターカーテン11の軟質部であるシート30が2枚の分割シート31,32に分離されているが、互いに隣接する分割シート31,32の端部31C,32C同士は、分割補強部材51,61で構成される補強部50によってこれらの分割シート31,32の表裏両側から覆われている。
このため、本実施形態によると、互いに隣接する分割シート31,32の端部付近の気密性は補強部50によって維持され、これにより、火災で発生した煙がシート30を隔てた他方の空間へ流出することが防止されるようになる。
次に、第2実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部を説明する。図10は、この第2実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部の正面図である。また、図11は図10のS11−S11線断面図であり、図12は図10のS12−S12線断面図であり、図13は図10のS13−S13線断面図であり、図14は図10のS14−S14線断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る軟質部であるシート130は、前述の第1実施形態と同様に、2個の分割軟質部材である2枚の分割シート131,132によって形成されているが、図13に示すように、互いに隣接している分割シート131,132の端部131C,132C同士は、シャッターカーテン11の厚さ方向へ重なり合っている。
図11に示すように、分割シート131における分割シート132との重なり部分134の上端131Eの高さ位置は、図11に示すように、スラット14のシート連結部14Bの第1水平部14Cの高さ位置となっており、スラット14には連結されていない。また、分割シート131における分割シート132との重なり部分134の下端は、図12に示すように、エンド部である座板140(具体的な構造は後述する)を構成する2個の分割エンド部材である分割座板141,142のうちの一方の分割座板141には連結されていない。このため、分割シート131における分割シート132との重なり部分134は、図10において二点鎖線で示されているように、めくり自在となっている。
一方、分割シート132における分割シート131との重なり部分134の上端132Eの高さ位置も、図11に示すように、スラット14のシート連結部14Bの第1水平部14Cの高さ位置となっており、スラット14には連結されていない。一方、分割シート132における分割シート131との重なり部分134の下端は、図12及び図14に示すように、座板140を構成する2個の分割エンド部材である分割座板141,142のうちの他方の分割座板142に連結されている。このため、図示されていないが、分割シート132における分割シート131との重なり部分134の上部のみがめくり自在となっている。
図10に示すように、本実施形態に係る補強部150は、分割シート131,132の端部131A,132A同士の重なり部分134の表裏両側に配置されている棒状となった2個の補強部材151,161となっている。したがって、本実施形態では、補強部は、シャッターカーテン11の厚さ方向に複数個(2個)設けられている。
重なり部分134の表側(図10では手前側)に配置されていて、上端部がボルト171とナット172による軸部173(図13参照)により回動可能に取り付けられている補強部材151は、シャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に対して左斜めに配置されている。言い換えると、補強部材151は、分割シート131の端部131Cから離れる方向へ傾斜して配置されている。
これと同様に、重なり部分134の裏側(図10では奥側)に配置されて、上端部が前記軸部173(図13参照)により回動可能に取り付けられている補強部材161は、シャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に対して右斜め(裏側から見ると、補強部材151と同様に左斜め)に配置されている。言い換えると、補強部材161は、分割シート132の端部132Cから離れる方向へ傾斜して配置されている。
なお、図11に示すように、スラット14のシート連結部14Bの存在により、スラット14と、補強部材161におけるシート連結部14Bの第1水平部14Cよりも上の部分との間には、前述の第1実施形態と同様に隙間が形成されるため、スラット14と、補強部材161におけるシート連結部14Bの第1水平部14Cよりも上の部分との間には、スペーサ170が配置されている。
補強部材151は、前述の第1の実施形態の棒状部材52,62と同様に、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材(厚さ寸法は第1実施形態よりも小さい)で形成されている棒状部材となっている。
補強部材161も、前述の第1の実施形態の棒状部材53,63と同様に、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有する金属製の角材(厚さ寸法は第1の実施形態よりも小さい)で形成されている棒状部材となっている。
そして、図11及び図12に示すように、この補強部材161におけるシャッターカーテン11の左右方向の側面部161Aには、スラット14のシート連結部14Bの存在により、分割シート132と、補強部材161におけるシート連結部14Bの第2水平部14Eよりも下の部分との間に形成される隙間を覆うための左右一対のカバー部材162が溶接等により結合されている。
図11及び図12に示すように、左右のカバー部材162は、前述の第1の実施形態のカバー部材54と同様に、金属製の板材の折り曲げにより形成されており、一部が補強部材161に結合される第1面部162Aと、分割シート131の裏側と対面する第2面部162Bとからなる。また、左右のカバー部材162は、図11に示すように、シャッターカーテン11の開閉移動方向への長さを有しており、この長さは補強部材161の下端からスラット14のカール部14Aの第2水平部14Eの下面近傍までの長さとなっている。
図14は、2枚の分割シート131,132における閉鎖側の端部に設けられるエンド部である座板140の水平断面図を示すものであるが、座板140は、前述の第1実施形態と同様に、2個の分割エンド部材である分割座板141,142によって形成されている。
図15は、図14において一体となっている分割座板141,142が分離された状態を示す図である。座板140は、分割シート131,132同士の隣接している端部131C,132Cの先端(図10参照)を境界として分離されており、図15に示すように、分割シート131の分割座板141には、シャッターカーテン11の裏側に向かって窪んだ段部141Aが形成され、一方、分割シート132の分割座板142には、シャッターカーテン11の表側に窪んだ段部142Aが形成されている。このため、段部141A,142Aが、分割座板141,142のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動することを規制するための分割エンド部材移動規制手段となっている。そして、段部141Aは、分割エンド部材移動規制手段の第1係合部である第1段部となっており、段部142Aはこの第1段部が係合可能な第2係合部である第2段部となっている。
図10及び図11に示すように、分割座板141を構成する芯部材43,44,45のうちのシャッターカーテン11の表側の芯部材43の上面には、補強部材151の下端部の角部151Cが係合可能な切欠部43Aが形成されている。補強部材151をシャッター装置へ取り付けるためには、まず、下端部が芯部材43の上面に接触しない状態で補強部材151の上端部をスラット14に取り付けた後、この補強部材151を軸部173を中心に矢印A方向に回動させ、補強部材151の下端部の角部151Cを分割座板141の前記切欠部43Aに係合させる。これにより、補強部材151は左斜めに傾斜した姿勢が保持される。
なお、この補強部材151の傾斜姿勢が保持されている状態で、分割座板141に対して上方向の成分を有する外力が加わった場合には、補強部材151の下端部の角部151Cと分割座板141の切欠部43Aとの係合状態は解除され、補強部材151は矢印A方向とは反対方向に回動可能な状態となる。
一方、図10及び図11に示すように、分割座板142を構成する芯部材43,44,45のうちのシャッターカーテン11の裏側の芯部材45の上面には、補強部材161のカバー部材162の下端部の角部162Cが係合可能な切欠部45Aが形成されている。
補強部材161をシャッター装置へ取り付けるためには、まず、カバー部材162の下端部が芯部材43の上面に接触しない状態で補強部材161の上端部をスラット14に取り付けた後、この補強部材161を軸部173を中心に矢印B方向に回動させ、補強部材161のカバー部材162の下端部の角部161Cを分割座板142の前記切欠部45Aに係合させる。これにより、補強部材161は、右斜め(裏側から見ると左斜め)に傾斜した姿勢が保持される。
なお、補強部材151と同様に、補強部材161の傾斜姿勢が保持されている状態で、分割座板142に対して上方向の成分を有する外力が加わった場合には、カバー部材162の下端部の角部161Cと分割座板142の前記切欠部45Aとの係合状態は解除され、補強部材161は矢印B方向とは反対方向に回動可能な状態となる。
以上説明したこの第2実施形態では、撓み抑制手段となっている補強部150を構成する補強部材151,161が、分割シート131における分割シート131,132の端部131C,132C同士の重なり部分134を挟持しているので、この重なり部分134における遮閉性は、補強部材151,161によってより確実に維持されることになる。
なお、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、このシャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物等の物体が存在し、この物体が分割座板141,142に当接した場合には、この分割座板141,142に対して上方向の成分を有する外力が加わることになる。
前述したように、分割座板141に対して上方向の成分を有する外力が加わった場合には、補強部材151の下端部の角部151Cと分割座板141の切欠部43Aとの係合状態は解除され、補強部材151は矢印A方向とは反対方向に回動可能な状態となる。また、分割座板142に対して上方向の成分を有する外力が加わった場合には、カバー部材162の下端部の角部161Cと分割座板142の前記切欠部45Aとの係合状態は解除され、補強部材161は矢印B方向とは反対方向に回動可能な状態となる。
このため、この第2実施形態によると、シャッターカーテン11の閉じ移動方向に存在する物体が分割座板141,142に当接しても、補強部材151,161が回動することにより、分割座板141,142が物体に与える衝撃はより小さなものとなる。
次に、第3実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部を説明する。図16はこの第3実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部の正面図であり、図17は図16のS17−S17線断面図であり、図18は図16のS18−S18線断面図であり、図19は図16のS19−S19線断面図である。
図16に示すように、本実施形態に係る軟質部であるシート230も2個の分割軟質部材である2枚の分割シート231,232によって形成されている。これらの分割シート231,232同士の隣接している端部231C,232Cは、シャッターカーテン11の厚さ方向に重なり合っておらず離間して配置されている。なお、分割シート231,232の上端の全部は、芯部材15に巻き回されてスラット14のシート連結部14Bで連結されている。
本実施形態に係る補強部は、金属製又は強化プラスチック製等の角材により形成された1個の角柱状の補強部材250となっている。
図17及び図18に示すように、補強部材250の上部250Aには、スラット14のシート連結部14Bが上下方向に挿入可能な溝部251が形成されている。この溝部251にはスペーサ270が挿入配置されており、補強部材250とスラット14とスペーサ270をボルト271の軸部273が貫通している。このため、補強部材250の上端部は、ボルト271とナット272による軸部273を中心にスラット14に対して回動可能に取り付けられている。
また、図17及び図19に示すように、溝部251の底面部251Aには、分割シート231,232同士の隣接している端部231C,232Cと、端部231C,232Cにおける閉鎖側の端部に設けられたエンド部である座板240を構成する中央の芯部材44とが挿入可能な隙間部252が形成されている。この隙間部252は、溝部251の底面部251Aから補強部材250の下面250Bまでの上下方向全長に亘って形成されている。この隙間部252は、図19に示すように、補強部材250におけるシャッターカーテン11の幅方向の両側面部250Cにおけるシャッターカーテン11の厚さ方向途中部をシャッターカーテン11の幅方向内側へ切り欠くことにより形成されたものである。
図19に示すように、上端部がスラット14に連結されている補強部材250の隙間部252には、分割シート231,232の端部231C,232Cと、座板240の分割エンド部材となっている分割座板241,242のうち、分割座板241,242を構成する中央の芯部材44の端部44Aが挿入されるようになっている。前述したように、芯部材44は、分割シート231,232の下部の袋部に挿入配置されているので、隙間部252のシャッターカーテン11の厚さ方向の長さ寸法は、少なくとも袋部に挿入配置された芯部材44(分割シートの厚さ分も含む)が挿入可能な長さ寸法を有することが必要となる。
以上説明した第3実施形態によると、分割シート231,232の端部231C,232Cと、分割座板241,242を構成する中央の芯部材44の端部44Aとが、補強部250の隙間部252に挿入されているので、分割シート231,232に対して風圧等の外力が加わっても、分割シート231,232の端部231C,232Cは、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動することが規制される。このため、分割シート231,232で形成されるシート230がシャッターカーテン11の厚さ方向へ撓むことが抑制される。
また、以上説明した第3実施形態に係る補強部材である棒状部材250は、1個の角材で構成されているので、製造、取付作業が容易となる。なお、この棒状部材250は中実部材で形成されているが、板材等の折り曲げによる中空部材で形成されていてもよい。
次に、第4実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部を説明する。図20はこの第4実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部の正面図であり、図21は図20のS21−S21線断面図であり、図22は図20のS22−S22線断面図である。
図20に示すように、本実施形態に係る軟質部であるシート330も2個の分割軟質部材である2枚の分割シート331,332によって形成されている。図示されていないが、これらの分割シート331,332同士の隣接している端部331C,332Cは、シャッターカーテン11の厚さ方向に互いに重なり合うことが可能な左右方向の寸法である幅寸法を有している。
図21及び図22に示すように、本実施形態に係る補強部350は、2個の補強部材351,361で構成されている。
補強部材351,361のうちの一方の補強部材351は、図20に示されているように、シャッターカーテン11の表側に配置されており、シャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に長い金属製の角材で形成されている。そして、この補強部材351は、分割シート331,332同士の隣接している端部331C,332Cのうちの分割シート331の端部331Cの折り曲げ、縫着により形成された袋部331Eに挿入配置されている。
図23には、補強部材351が挿入配置される前の状態の袋部331Eが示されている。この図23に示すように、袋部331Eは、分割シート331の端部331Cの折り曲げにより端部331C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)を縫着部331Dで縫着することにより形成されるものである。これにより、袋部331Eには上向きに開口した開口部331Hが形成され、この開口部331Hから補強部材351が挿入配置されるようになっている。なお、図21及びに図22に示すように、分割シート331の端部331Cの上端331Fはスラット14に連結されていない。一方、分割シート331の端部331Cの下端331Gも、エンド部である座板340(具体的な構造は後述する)を構成する2個の分割エンド部材である分割座板341,342のうちの一方の分割座板341に連結されていない。このため、分割シート331の端部331Cの折り曲げが可能となり、これにより、袋部331Eの形成が可能となっている。
補強部材351,361のうちの他方の補強部材361は、図20には示されていないが、図21及び図22からわかるように、シャッターカーテン11の裏側に配置されている。図21に示すように、補強部材361も金属製の角材で形成されており、スラット14のシート連結部14Bの垂直部14Dに接触する第1垂直延出部361Aと、この第1垂直延出部361Aの下端から水平に延出し、シート連結部14Bの第2水平部14Eの下面に接触する水平延出部361Bと、この水平延出部361Bから鉛直方向に延出し、補強部材351と対向する第2垂直延出部361Cとを含んで構成されている。そして、図21に示すように、この第2垂直延出部361Cが、分割シート331,332同士の隣接している端部331C,332Cのうちの分割シート332の端部332Cの折り曲げ、縫着により形成された袋部332Eに収納配置される。
なお、補強部材361は、補強部材351のように、分割シート331,332同士の隣接している端部331C,332Cのうちの分割シート332の端部332Cの折り曲げ、縫着により袋部332Eを予め形成した後に、この袋部332Eに形成された上向きに開口した開口部332Hから補強部材361を挿入配置できるような形状を有していない。
このため、補強部材361の第2垂直延出部361Cを袋部332Eに収納配置するには、先に補強部材361の第1垂直延出部361Aの上端部をスラット14に連結した後、分割シート332の端部332Cを補強部材361の第2垂直延出部361Cを包むように折り曲げ、この折り曲げにより端部332C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)である縫着部332Dで縫着しなければならない。なお、図21及び図22に示すように、分割シート332の端部332Cの上端332Fは、水平延出部361Bの下面に接触しており、スラット14に連結されていない。一方、分割シート332の端部332Cの下端332Gも座板340を構成する2個の分割エンド部材である分割座板341,342のうちの他方の分割座板342に連結されていない。このため、分割シート332の端部332Cの折り曲げが可能となり、これにより、袋部332Eの形成が可能となっている。
なお、補強部材351についても、先に補強部材351の上端部をスラット14に連結した後、分割シート331の端部331Cを補強部材351を包むように折り曲げ、この折り曲げにより端部331C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)である縫着部331Dで縫着するようにして、補強部材351を袋部331Eに収納配置するようにしてもよい。
図21に示すように、2個の補強部材351,361は、ボルト371とナット372による軸部373でスラット14に対して回動可能に取り付けられているが、本実施形態においても、スラット14のシート連結部14Bの存在により、スラット14と補強部材361の第1垂直延出部361Aとの間には、シート連結部14Bのシャッターカーテン11の厚さ方向の長さ相当分の隙間が形成される。このため、スラット14と補強部材361の第1垂直延出部361Aとの間には、この隙間分の厚さを有するスペーサ370が配置され、2個の補強部材351,361とスラット14とスペーサ370を軸部373が貫通している。
以上説明したように、本実施形態に係る補強部350を構成する補強部材351,362は、図22に示すように、分割シート331,332同士の隣接している端部331C,332Cに形成された袋部331E,332Eに収納配置され、シャッターカーテン11の厚さ方向に重なり合って配置されるようになっている。したがって、本実施形態では、補強部は、シャッターカーテン11の厚さ方向に複数個(2個)設けられている。
図24は図20のS24−S24線断面図であり、本実施形態に係るエンド部である座板340の水平断面図が示されている。また、図25は、図24に示されている座板340を構成する2個の分割エンド部材である分割座板341,342が切り離された状態を示す図である。
図24及び図25に示すように、分割シート331のエンド部となっている分割座板341における分割シート331の端部331C側の部分は芯部材44のみとなっており、分割シート332のエンド部となっている分割座板342における分割シート332の端部332C側の部分は芯部材44,45となっている。
このため、図25に示すように、分割座板341における分割シート331の端部331C側の部分は凸部341Aとなっており、分割座板342における分割シート332の端部332C側の部分は凹部342Aとなっている。このため、この凸部341Aと凹部342Aとが、分割座板341,342のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動することを規制するための分割エンド部材移動規制手段となっている。そして、凸部341Aが分割座板342に向かって突出した第1係合部である凸部となっており、凹部342Aが凸部341Aが嵌合可能な第2係合部である凹部となっている。
次に、第5実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部を説明する。図26はこの第5実施形態に係る補強部、軟質部及びエンド部の正面図であり、図27は図26のS27−S27線断面図であり、図28は図26のS28−S28線断面図であり、図29は図26のS29−S29線断面図である。
図26に示すように、本実施形態に係る軟質部であるシート430も2個の分割軟質部材である2枚の分割シート431,432によって形成されている。図示されていないが、前述の第4実施形態と同様に、これらの分割シート431,432同士の隣接している端部431C,432Cは、シャッターカーテン11の厚さ方向に互いに重なり合うことが可能な左右方向の寸法である幅寸法を有している。
図26に示すように、本実施形態に係る補強部450は、2個の補強部材451,461で構成されており、これらの補強部材451,461は、前述の第4実施形態とは異なり、シャッターカーテン11の表側にシャッターカーテン11の左右方向である幅方向に隣接して配置されている。
図26〜図28に示すように、補強部材451,461は、シャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に長い金属製の角材で形成されており、共に同じ又は略同じ寸法、形状を有している。そして、補強部材451は、図29に示すように、分割シート431,432同士の隣接している端部431C,432Cのうちの分割シート431の端部431Cの折り曲げ、縫着により形成された袋部431Eに挿入配置されている。これと同様に、補強部材461も、図29に示すように、分割シート431,432同士の隣接している端部431C,432Cのうちの分割シート432の端部432Cの折り曲げ、縫着により形成された袋部432Eに挿入配置されている。
図30には、補強部材451,461が挿入配置される前の状態の袋部431E,432Eが示されている。この図30に示すように、袋部431Eは、分割シート431の端部431Cの折り曲げにより端部431C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)を縫着部431Dで縫着することに形成されるものである。これにより、袋部431Eには上向きに開口した開口部431Hが形成され、この開口部431Hから補強部材451が挿入配置されるようになっている。なお、図28〜図30に示すように、分割シート431の端部431Cの上端431Fはスラット14に連結されていない。一方、分割シート431の端部431Cの下端431Gも、エンド部である座板440(具体的な構造は後述する)を構成する2個の分割エンド部材である分割座板441,442のうちの一方の分割座板441に連結されていない。このため、分割シート431の端部431Cの折り曲げが可能となり、これにより、袋部431Eの形成が可能となっている。
また、図30に示すように、袋部432Eも、分割シート432の端部432Cの折り曲げにより端部432C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)を縫着部432Dで縫着することに形成されるものである。これにより、袋部432Eには上向きに開口した開口部432Hが形成され、この開口部432Hから補強部材461が挿入配置されるようになっている。なお、図27、図29及び図30に示すように、分割シート432の端部432Cの上端432Fはスラット14に連結されていない。一方、分割シート432の端部432Cの下端432Gも、座板440を構成する2個の分割エンド部材である分割座板441,442のうちの他方の分割座板442に連結されていない。このため、分割シート432の端部432Cの折り曲げが可能となり、これにより、袋部432Eの形成が可能となっている。
なお、補強部材451は、先に補強部材451の上端部をスラット14に連結した後、分割シート431の端部431Cを補強部材451を包むように折り曲げ、この折り曲げにより端部431C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)である縫着部431Dで縫着するようにして、補強部材451を袋部431Eに収納配置するようにしてもよい。これと同様に、補強部材461も、先に補強部材461の上端部をスラット14に連結した後、分割シート432の端部432Cを補強部材461を包むように折り曲げ、この折り曲げにより端部432C同士が重なり合った部分の周縁部のうちの上端を除いた部分(側部と下端部)である縫着部432Dで縫着するようにして、補強部材461を袋部432Eに収納配置するようにしてもよい。
なお、図27及び図28に示すように、2個の補強部材451,461は、ボルト471とナット472による軸部473でスラット14に対して回動可能に取り付けられている。
図31は図26のS31−S31線断面図であり、本実施形態に係るエンド部である座板440の水平断面図が示されている。また、図32は、図31に示されている座板440を構成する2個の分割エンド部材である分割座板441,442が切り離された状態を示す図である。
図31及び図32に示すように、分割シート431のエンド部となっている分割座板441における補強部材461が配置される部分は芯部材43,45となっており、分割シート432のエンド部となっている分割座板442における補強部材461が配置される部分は芯部材44のみとなっている。このため、分割座板441における分割シート431の端部331C側の端部は凹部441Aとなっており、分割座板442における分割シート432の端部432C側の端部は凸部442Aとなっている。このため、この凹部441Aと凸部442Aとが、分割座板441,442のうちの一方が、他方に対して、シャッターカーテン11の厚さ方向へ移動することを規制するための分割補強部材移動規制手段となっている。そして、凸部442Aが分割座板441に向かって突出した第1係合部である凸部となっており、凹部441Aが凸部442Aが嵌合可能な第2係合部である凹部となっている。
以上説明した第5実施形態では、補強部450を構成する補強部材451,461が、シャッターカーテン11の表裏両側のうちの一方の側である表側にシャッターカーテン11の幅方向に隣接して配置されるようになっている。
このため、この第5実施形態によると、前述の第4実施形態に係る補強部350よりも補強部の厚さ寸法をより小さくすることができる。
また、この第5実施形態では、補強部材451,461をシャッター装置に取り付ける作業は、補強部材451,461を、分割シート431,432同士の隣接している端部431C,432Cに予め形成された袋部431C,432Cの開口部431H,432Hから挿入配置した後、これらの補強部材451,461の上端部をスラット14に連結するだけの作業で済む。
このため、この第5実施形態によると、前述の第4実施形態よりも、補強部材のシャッター装置への取付作業をより簡素化することができるようになる。
なお、以上説明した第4及び第5実施形態において、2個の補強部材は磁性を有する材料で形成されていてもよい。これによると、2個の補強部材同士がより密接に接触した状態で配置されるので、これらの補強部材による遮閉性をより向上させることができる。
なお、以上説明した第1〜5実施形態において、シャッターカーテン11の全閉時におけるスラット連設体12のスラット14の閉鎖側の先端部からエンド部である座板の閉鎖側の先端部までの上下方向の長さを有する棒状部材をスラット14の幅方向両端部に取り付け、これらの棒状部材を、全閉位置に達しているシャッターカーテン11の硬質部であるスラット連設体12が自重により降下してしまうことを防止するためのストッパ手段としてもよい。これによると、座板の閉鎖側の先端部が床面2Aに着床すると同時に、左右2個の前記棒状部材の閉鎖側の先端部も床面2Aに着床するので、スラット連設体12はこれらの棒状部材により上向きに支持されることになり、この結果、スラット連設体12が自重で閉じ移動してしまうことが防止されるようになる。
なお、スラット14の形状を下向きにした門形形状とし、このスラット14自体をストッパ手段としてもよい。