JP2007262164A - 近赤外線吸収材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】近赤外線吸収フィルターなどオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす、耐光性と近赤外線吸収特性を両立する近赤外線吸収材料を提供する。
【解決手段】1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤とを含有することを特徴とする近赤外線吸収材料であり、1)少なくとも2種の紫外線吸収剤が、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である少なくとも2種の化合物であり、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤が、少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が730nm以上である。
【選択図】なし
【解決手段】1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤とを含有することを特徴とする近赤外線吸収材料であり、1)少なくとも2種の紫外線吸収剤が、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である少なくとも2種の化合物であり、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤が、少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が730nm以上である。
【選択図】なし
Description
本発明は近赤外線吸収材料に関するものであって、更に詳しくは近赤外線吸収フィルター、近赤外線吸収着色樹脂組成物、液晶表示素子、光カード、光記録媒体、保護眼鏡などオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす、耐光性と近赤外線吸収特性を両立する近赤外線吸収材料に関する。
可視光を実質的に吸収しないが、赤外線を吸収する近赤外線吸収色素は近赤外線吸収フィルター等、種々のオプトエレクトロニクス製品に用いられている。これらは使い方によっては高温、高湿または光照射条件にさらされるものであり、その分解が問題となることがあった。色素の構造を変更することでこれらに対する耐性を向上させる技術として、例えば特定の構造のナフタロシアニン色素(例えば特許文献1〜3)が良好であることが見出されていたが、吸収波長や溶解性等のその他の物性との両立が困難であった。そして中でも特にフタロシアニン化合物の光による分解の抑制とその他の物性の両立が望まれた(例えば特許文献4)。また近赤外線吸収色素と紫外線吸収材料を併用することで光による分解を抑制する技術が知られていたが(例えば特許文献5、6)その抑制の程度は不十分であり、一層の耐光性向上技術が望まれた。
本発明の目的は近赤外線吸収フィルター、近赤外線吸収着色樹脂組成物、液晶表示素子、光カード、光記録媒体、保護眼鏡などオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす、耐光性と近赤外線吸収特性を両立する近赤外線吸収材料を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、下記手段により本発明の上記目的が達成されることを見出した。
(1) 1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤もしくは赤外線吸収剤と、を含有することを特徴とする近赤外線吸収材料。
(2)前記1)少なくとも2種の紫外線吸収剤が、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である少なくとも2種の化合物であることを特徴とする(1)に記載の近赤外線吸収材料。
(3)前記2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤が、溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である少なくとも1種の化合物であることを特徴とする(1)に記載の近赤外線吸収材料。
(4)前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、430nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が730nm以上であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の近赤外線吸収材料。
(5) 前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、410nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が760nm以上であることを特徴とする(4)に記載の近赤外線吸収材料。
(6)前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、380nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が780nm以上であることを特徴とする(5)に記載の近赤外線吸収材料。
(7)前記1)における少なくとも2種の化合物が、いずれも下記一般式(I−1)、(I―2)、(I−3)、(I―4)および(I−5)から選択される化合物であることを特徴とする(2)〜(6)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
式中、R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150、R151〜R160は各々独立に水素原子または置換基を表し、R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表し、X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121と〜R160のうち、互いに隣接する基が、互いに結合して環を形成してもよい。
(8) 前記1)における少なくとも2種の化合物が、前記一般式の異なる一般式から選択される化合物の組み合わせであることを特徴とする(7)に記載の近赤外線吸収材料。
(9)前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−1)で表される化合物を含むことを特徴とする(7)または(8)に記載の近赤外線吸収材料。
(10)前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−2)、(I−3)、(I−4)および(I−5)から選択される化合物を含むことを特徴とする(8)又は(9)に記載の近赤外線吸収材料。
(11)前記2)における少なくとも1種の化合物が、下記一般式(II−1)で表される化合物であることを特徴とする(2)〜(10)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
式中、R211〜R244は各々独立に水素原子または置換基を表す。ここで、ベンゼン環に置換するR211〜R244のうち、互いに隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。M211は水素原子、1価の金属原子からなる群より選択される2個の原子、2価の金属原子、または3価もしくは4価の金属原子を含む2価の置換金属原子を表す。
(12)前記1)における少なくとも2種の化合物と前記2)における少なくとも1種の化合物が共存することを特徴とする(2)〜(10)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
(13)前記2)における化合物1モルに対して、前記1)における少なくとも2種の化合物のモル数の合計が0.1モル以上であることを特徴とする(2)〜(12)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
(2)前記1)少なくとも2種の紫外線吸収剤が、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である少なくとも2種の化合物であることを特徴とする(1)に記載の近赤外線吸収材料。
(3)前記2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤が、溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である少なくとも1種の化合物であることを特徴とする(1)に記載の近赤外線吸収材料。
(4)前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、430nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が730nm以上であることを特徴とする(2)又は(3)に記載の近赤外線吸収材料。
(5) 前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、410nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が760nm以上であることを特徴とする(4)に記載の近赤外線吸収材料。
(6)前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、380nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が780nm以上であることを特徴とする(5)に記載の近赤外線吸収材料。
(7)前記1)における少なくとも2種の化合物が、いずれも下記一般式(I−1)、(I―2)、(I−3)、(I―4)および(I−5)から選択される化合物であることを特徴とする(2)〜(6)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121と〜R160のうち、互いに隣接する基が、互いに結合して環を形成してもよい。
(8) 前記1)における少なくとも2種の化合物が、前記一般式の異なる一般式から選択される化合物の組み合わせであることを特徴とする(7)に記載の近赤外線吸収材料。
(9)前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−1)で表される化合物を含むことを特徴とする(7)または(8)に記載の近赤外線吸収材料。
(10)前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−2)、(I−3)、(I−4)および(I−5)から選択される化合物を含むことを特徴とする(8)又は(9)に記載の近赤外線吸収材料。
(11)前記2)における少なくとも1種の化合物が、下記一般式(II−1)で表される化合物であることを特徴とする(2)〜(10)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
(12)前記1)における少なくとも2種の化合物と前記2)における少なくとも1種の化合物が共存することを特徴とする(2)〜(10)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
(13)前記2)における化合物1モルに対して、前記1)における少なくとも2種の化合物のモル数の合計が0.1モル以上であることを特徴とする(2)〜(12)のいずれかに記載の近赤外線吸収材料。
本発明により赤外線吸収フィルター、近赤外線吸収着色樹脂組成物、液晶表示素子、光カード、光記録媒体、保護眼鏡などオプトエレクトロニクス関連に重要な役割を果たす、耐光性と近赤外線吸収特性を両立する近赤外線吸収材料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明は、1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤と、を含有することを特徴とする近赤外線吸収材料である。
1)紫外線吸収剤とは、特性を明確にする意味で、1)溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物であり、2)近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤とは、特性を明確にする意味で、2)溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である化合物である。
したがって、以下、紫外線吸収剤又は1)溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物ということがあり、近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤は、2)溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である化合物ということがある。
本発明は、1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤と、を含有することを特徴とする近赤外線吸収材料である。
1)紫外線吸収剤とは、特性を明確にする意味で、1)溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物であり、2)近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤とは、特性を明確にする意味で、2)溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である化合物である。
したがって、以下、紫外線吸収剤又は1)溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物ということがあり、近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤は、2)溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である化合物ということがある。
前記含有する態様としては、特に限定はないが、少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤もしくは赤外線吸収剤を、別の層に存在させる態様や、同一の層中に共存させる態様が挙げられる。
これらの態様のうち、紫外線吸収剤と近赤外線吸収剤もしくは赤外線吸収剤各々の溶解を促進するという観点からは、上記化合物が共存する態様が好ましい。
これらの態様のうち、紫外線吸収剤と近赤外線吸収剤もしくは赤外線吸収剤各々の溶解を促進するという観点からは、上記化合物が共存する態様が好ましい。
ここで、分光吸収極大波長に関して説明する。
該分光吸収極大波長は、溶液中での吸収スペクトルで規定されるものであり、化合物が溶解する溶媒における溶液であるならば、どのような溶媒でも構わない。これらの溶媒としては、有機もしくは無機の溶媒、もしくは水であってもよく、これらを単独あるいは混合溶媒であっても構わない。本発明においては、化合物が溶解する溶媒や温度であれば、いずれかの条件で分光吸収極大波長が本発明で規定する範囲内であればよい。
有機溶媒としては、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン、クロロナフタレン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、カルボン酸系溶媒(例えば酢酸、プロピオン酸)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、スルホン酸系溶媒(例えばメタンスルホン酸)、アミン系溶媒(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン)が挙げられ、無機溶媒としては、例えば硫酸、リン酸が挙げられる。
該分光吸収極大波長は、溶液中での吸収スペクトルで規定されるものであり、化合物が溶解する溶媒における溶液であるならば、どのような溶媒でも構わない。これらの溶媒としては、有機もしくは無機の溶媒、もしくは水であってもよく、これらを単独あるいは混合溶媒であっても構わない。本発明においては、化合物が溶解する溶媒や温度であれば、いずれかの条件で分光吸収極大波長が本発明で規定する範囲内であればよい。
有機溶媒としては、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン、クロロナフタレン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、カルボン酸系溶媒(例えば酢酸、プロピオン酸)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、スルホン酸系溶媒(例えばメタンスルホン酸)、アミン系溶媒(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン)が挙げられ、無機溶媒としては、例えば硫酸、リン酸が挙げられる。
これらの溶媒のうち、前記1)で規定される化合物の分光吸収極大波長においては、好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒であり、特に好ましくは、酢酸エチルエステルまたはN,N−ジメチルホルムアミドであり、一方、前記2)で規定される化合物の分光吸収極大波長においては、好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、スルホン酸系溶媒、硫酸であり、特に好ましくは、テトラヒドロフランまたは硫酸である。
分光吸収極大波長を測定する化合物の濃度は、分光吸収の極大波長が確認できる濃度であればよく、好ましくは1×10-13〜1×10-7(mol/l)の範囲である。温度は特に限定しないが、好ましくは0℃〜80℃であり、化合物の溶解性に問題なければ、室温(25℃)が最も好ましい。
分光吸収極大波長を測定する化合物の濃度は、分光吸収の極大波長が確認できる濃度であればよく、好ましくは1×10-13〜1×10-7(mol/l)の範囲である。温度は特に限定しないが、好ましくは0℃〜80℃であり、化合物の溶解性に問題なければ、室温(25℃)が最も好ましい。
測定機器は通常の分光吸収測定装置(例えば、日立ハイテクノロジーズ(株)製U−4100スペクトロフォトメーター)を用いることができる。
<本発明における基>
ここで、化合物の説明に入る前に、本発明における基に関して、詳細に説明する。
ここで、化合物の説明に入る前に、本願明細書で使用する基に関して、詳細に説明する。
本明細書において脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
ここで、化合物の説明に入る前に、本発明における基に関して、詳細に説明する。
ここで、化合物の説明に入る前に、本願明細書で使用する基に関して、詳細に説明する。
本明細書において脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換又は無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)等が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルの各基が挙げられる。
置換アラルキル基のアリール部分の置換基としては、下記置換アリール基の置換基が挙げられる。
本明細書において芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。中でもアリール基としては置換基を有してもよいフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基が特に好ましい。
置換アリール基の置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
置換アリール基の置換基としては、前述の「置換アルキル基の置換基、置換アルケニル基の置換基、置換アルキニル基の置換基、又は置換アラルキル基のアルキル部分の置換基」として挙げたものが挙げられる。
本明細書において、複素環基は環構成原子として、ヘテロ原子を少なくとも1つ含むものであり、飽和、不飽和のいずれであってもよく、また芳香環であっても、さらに他の環と縮合環を形成しても、置換基を有していてもよい。また、環員数は4〜8員環が好ましい。
本発明においては、芳香5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子としてはB、N、O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子としてはN、OおよびSが好ましい。複素環は炭素原子が遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環としては、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環としては、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基が挙げられる。
本発明においては、芳香5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子としてはB、N、O、S、SeおよびTeが含まれる。ヘテロ原子としてはN、OおよびSが好ましい。複素環は炭素原子が遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環としては、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環としては、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基が挙げられる。
次に、「溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物」、又は「紫外線吸収剤」を説明する。
化合物の分光吸収特性の観点では、溶液における該分光吸収極大波長は、430nm以下が好ましく、410nm以下がより好ましく、380nm以下がさらに好ましい。
一方、「紫外線吸収剤」の観点、または上記分光吸収特性の観点では、化合物としては、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、チアゾリドン化合物、1,3−ブタジエン化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物等が挙げられる。これらの化合物としては、特公昭44−29627号公報、特開昭51−56620号公報に記載されたものが挙げられる。
このうち、好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物およびサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物およびサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物およびベンゾフェノン化合物であり、ベンゾトリアゾール化合物が最も好ましい。
本発明では、これらの化合物を少なくとも2種含有するものであり、このうちの一方がベンゾトリアゾール化合物、他方がベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物から選ばれる1種であることが好ましい。
化合物の分光吸収特性の観点では、溶液における該分光吸収極大波長は、430nm以下が好ましく、410nm以下がより好ましく、380nm以下がさらに好ましい。
一方、「紫外線吸収剤」の観点、または上記分光吸収特性の観点では、化合物としては、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、チアゾリドン化合物、1,3−ブタジエン化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物等が挙げられる。これらの化合物としては、特公昭44−29627号公報、特開昭51−56620号公報に記載されたものが挙げられる。
このうち、好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物およびサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物およびサリチル酸エステル化合物であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール化合物およびベンゾフェノン化合物であり、ベンゾトリアゾール化合物が最も好ましい。
本発明では、これらの化合物を少なくとも2種含有するものであり、このうちの一方がベンゾトリアゾール化合物、他方がベンゾフェノン化合物、桂皮酸化合物、サリチル酸エステル化合物およびシュウ酸ジアニリド化合物から選ばれる1種であることが好ましい。
「溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物」、又は「紫外線吸収剤」として好ましい化合物は、下記一般式(I−1)〜(I−5)として表すことができる。
式中、R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150、R151〜R160は各々独立に水素原子または置換基を表し、R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表し、X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表す。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121と〜R160のうち、互いに隣接する基が、互いに結合して環を形成してもよい。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121と〜R160のうち、互いに隣接する基が、互いに結合して環を形成してもよい。
R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150、R151〜R160における置換基としては、前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基が挙げられる。
R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150、R151〜R160としては、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基である。
R111〜R114、R121〜R130、R131〜R140、R141〜R150、R151〜R160としては、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基である。
R111〜R114としては、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子およびアルキル基であり、最も好ましくは水素原子およびハロゲン原子である。
R121〜R130としては、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基である。またR121がヒドロキシ基となることが最も好ましい。
R131〜R140としては、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基である。またR131がヒドロキシ基となることが最も好ましい。
R141〜R150としては、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、アルコキシ基、アミノ基である。
R151〜R160としては、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、シリル基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アリールチオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基であり、R151がヒドロキシ基となるのが最も好ましい。
R115は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数6〜30のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数6〜25のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基であり、更に好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、最も好ましくは炭素数6〜20のオルトヒドロキシフェニル基である。
X141は水素原子、脂肪族基、芳香族基または炭素原子で結合する複素環基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数6〜30のアリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数6〜25のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基であり、最も好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。
これらの化合物のうち、これらの一般式で表される化合物から少なくとも2種を選択するのが好ましく、さらに好ましくは、上記の一般式(I−1)〜(I−5)の中の異なった一般式で表される化合物で選択される少なくとも2種の化合物の組み合わせである。
また、少なくとも一方が、一般式(I−1)で表される化合物であるか、または一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物である場合がこのましく、中でも、少なくとも一方が、一般式(I−1)で表される化合物である。
また、少なくとも一方が、一般式(I−1)で表される化合物であるか、または一般式(I−2)〜(I−5)のいずれかで表される化合物である場合がこのましく、中でも、少なくとも一方が、一般式(I−1)で表される化合物である。
以下に、「溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である化合物」、又は「紫外線吸収剤」の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(一般式(I−1)に包含される化合物)
(一般式(I−2)に包含される化合物)
(一般式(I−3)に包含される化合物)
(一般式(I−4)に包含される化合物)
(一般式(I−5)に包含される化合物)
これらの化合物は、特公昭50−25337号公報、米国特許第3,785,827号公報、特開平5−4449号公報、特公昭48−30492号公報またはジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第23巻,1344頁(1958年発行)に記載の方法またはその方法に準じて容易に合成することができる。また、上記一般式(I−1)で表される化合物は、例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社から「チヌビン109」などの商品名にて販売されている。
次に、前記2)で規定される「溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上の化合物」または「近赤外線吸収剤または赤外線吸収剤」に関して説明する。
これらの化合物は、分光吸収特性の観点では、上記分光吸収極大波長が、730nm以上が好ましく、760nm以上がより好ましく、780nm以上がさらに好ましい。
一方、「近赤外線吸収剤または赤外線吸収剤」または、上記分光吸収特性を満たす化合物としては、例えばフタロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、アゾメチン化合物、オキソノール化合物、クロコニウム化合物およびジチオール金属錯体化合物が挙げられる。これらは、特開2000−281919号公報、特開平10−180947号公報、特開2003−139946号公報に記載のものが挙げられる。
このうち好ましくはフタロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジイモニウム化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物およびオキソノール化合物であり、最も好ましくはフタロシアニン化合物である。
このうち好ましくはフタロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジイモニウム化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物、オキソノール化合物およびクロコニウム化合物であり、更に好ましくはフタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物およびオキソノール化合物であり、最も好ましくはフタロシアニン化合物である。
これらの化合物として好ましい化合物は、下記一般式(II−1)で表される。
式中、R211〜R244は各々独立に水素原子または置換基を表す。ここで、ベンゼン環に置換するR211〜R244のうち、互いに隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。M211は水素原子及び1価の金属原子からなる群より選択される2個の原子、2価の金属原子、または3価もしくは4価の金属原子を含む2価の置換金属原子を表す。
R211〜R244における置換基としては、前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基が挙げられる。
好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基であり、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜8のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜8のアリールチオ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基であり、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜8のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数6〜8のアリールチオ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
また、R212とR213、R222とR223、R232とR233およびR242とR243が互いに結合して縮合ベンゼン環を形成することも好ましい。
M211として好ましくは2個の水素原子、2個のLi+、2個のNa+、2個のK+、2個のRb+、2個のCs+およびBe2+、Mg2+、Ca2+、Ti2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、 Cu2+、Zn2+、Ru2+、Rh2+、Pd2+、Pt2+、Ba2+、Cd2+、Hg2+、Pb2+、Sn2+、Al−Cl、Al−Br,Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、Mn−OH、Fe−Cl、Ru−Cl、CrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、GeF2、SnCl2、SnBr2、SnI2、SnF2、TiCl2、TiBr2、TiF2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2、Si(OR)2、Sn(OR)2、Ge(OR)2、Ti(OR)2、Cr(OR)2、Sn(SR)2、Ge(SR)2[Rは脂肪族基、芳香族基を表す]、VO、MnO、TiOであり、更に好ましくは2個の水素原子、2個のLi+、2個のNa+、2個のK+、2個のRb+およびBe2+、Mg2+、Ca2+、Ti2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Ru2+、Rh2+、Pd2+、Pt2+、Ba2+、Sn2+、Al−Cl、Al−Br,Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−Br、Tl−Cl、Tl−Br、Mn−OH、Fe−Cl、Ru−Cl、CrCl2、SiCl2、SiBr2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、SnCl2、SnBr2、 TiCl2、TiBr2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、Sn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、SnR2、GeR2、Si(OR)2、Sn(OR)2、Ge(OR)2、Ti(OR)2、Cr(OR)2、Sn(SR)2、Ge(SR)2[Rは脂肪族基、芳香族基を表す]、VO、MnO、TiOであり、更に好ましくは2個の水素原子、2個のLi+、2個のNa+、2個のK+、 およびBe2+、Mg2+、Ca2+、Ti2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Ru2+、Rh2+、Pd2+、Pt2+、Ba2+、Sn2+、Al−Cl、Ga−Cl、In−Cl、 Tl−Cl、Mn−OH、Fe−Cl、Ru−Cl、CrCl2、SiCl2、ZrCl2、GeCl2、TiCl2、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、TiR2、CrR2、SiR2、GeR2、Si(OR)2、Ge(OR)2、Ti(OR)2、Cr(OR)2[Rは脂肪族基、芳香族基を表す]、VO、MnO、TiOである。また更に好ましいM1は2個の水素原子、Mn2+、VO、Zn2+またはCu2+であり、最も好ましくはVO、Zn2+またはCu2+である。
以下に本発明で使用する「近赤外線吸収剤または赤外線吸収剤」または、前記分光吸収特性を満たす化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記化合物は、ケミストリー−A・ヨーロピアン・ジャーナル,第9巻,5123〜5134頁(2003年発行)に記載の方法またはこれに準じた方法で容易に合成できる。例えば、対応するフタル酸またはその誘導体(酸無水物、ジアミド、ジニトリル等)から金属化合物との共存下にて中心に金属を有するフタロシアニンを直接合成することができる。このとき触媒(例えばモリブデン酸アンモニウム)、尿素を共存させることが好ましい。あるいはリチウム化合物を用いて一度フタロシアニンの無金属体を合成した後、後述のとおり金属化合物を用いて合成することもでき、特にナフタロシアニンの金属体を合成するにはこの方法がより好ましい。より具体的には、フタロシアニンの無金属体と金属化合物を用いるときの原料の比率は1モルのフタロシアニンの無金属体に対して、好ましい金属化合物の量は0.1〜10モルであり、更に好ましくは0.5〜5モルであり、更に好ましくは1〜3モルである。金属化合物は無機および有機金属化合物を用いることができ、例えばハロゲン化物(例えば塩素化物、臭素化物)、硫酸塩、硝酸塩、シアン化物、酢酸塩、金属のアセチルアセトナート体等であり、好ましくは塩化物、硫酸塩、シアン化物、酢酸塩であり、更に好ましくは塩化物、酢酸塩であり、最も好ましくは酢酸塩である。
反応に用いる溶媒は例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えば1−ブタノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール)、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒であり、更に好ましくはエーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒であり、更に好ましくはハロゲン系溶媒であり、クロロベンゼンが最も好ましい。反応温度は−30〜250℃、好ましくは0〜200℃、更に好ましくは20〜150℃、更に好ましくは50〜100℃であり、反応時間は5分〜30時間の範囲で行う。
本発明において、近赤外線吸収材料で使用する、前記2)で規定される化合物1モルに対し、前記2)で規定される化合物は、2)で規定される化合物の総モルが、好ましくは、0.1モル以上、より好ましくは0.05〜2モル、さらに好ましくは0.1〜1.0モル、最も好ましくは0.1〜0.5モルである。
本発明における近赤外線吸収材料は、前述の1)で規定される化合物、前述の2)で規定される化合物をそのまま、又は溶液、もしくはバインダ−や他の化合物と併用して紙、樹脂シート、樹脂、フイルム、ガラス、金属板などに塗布、混練、ハードコートあるいはモノマーとの混合物を重合させることにより近赤外線吸収材料として、種々の用途に使用できる。即ち長波長レーザー用光記録媒体、不可視性印刷用記録材料、光学フィルター、建築および農業用フィルター、塗装材料等に使用することができる。これらのうち好ましくは光学フィルター、建築および農業用フィルター、塗装材料等であり、更に好ましくは光学フィルターである。
本発明における近赤外線吸収材料は、例えば、前述の1)で規定される化合物、前述の2)で規定される化合物を溶媒(例えばクロロホルム、塩化メチレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド)に溶解または分散することにより得られるか、あるいは樹脂(例えばABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂)と加熱、混練するか、あるいは、例えば、上記溶媒に溶解または分散したところへ例えば前記樹脂を添加して加熱溶解後薄膜化、そのまま固化、又は溶媒に溶解もしくは分散したものを例えば前記樹脂膜に塗布することにより得られる。
本発明の近赤外線吸収材料は耐光性とその他の物性を両立できることから、新たな用途にも使用が可能である。
以下に本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例では本発明における前述の1)で規定される2種の化合物を、便宜上、化合物(I− a)、(I−b)と称し、前述の2)で規定される化合物を化合物(II)と称す。
なお、実施例では本発明における前述の1)で規定される2種の化合物を、便宜上、化合物(I− a)、(I−b)と称し、前述の2)で規定される化合物を化合物(II)と称す。
実施例1
(近赤外線吸収フィルターの製造 )
ポリスチレン10g、下記表1に示す量の前述の1)で規定される化合物と、前述の2)で規定される化合物(化合物(II−1))0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作成した。
(近赤外線吸収フィルターの製造 )
ポリスチレン10g、下記表1に示す量の前述の1)で規定される化合物と、前述の2)で規定される化合物(化合物(II−1))0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作成した。
(耐光性試験)
上記で得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、照射前に対する化合物(II−1)の分光吸収極大波長の濃度を測定することにより残存比を求め、光堅牢性を評価した。
上記で得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、照射前に対する化合物(II−1)の分光吸収極大波長の濃度を測定することにより残存比を求め、光堅牢性を評価した。
上記表1から明らかなように、本発明の試料はいずれも堅牢性(耐光性)に優れていることがわかる。特に、前述の1)で規定される化合物を1種類だけ添加するよりも、合計の添加モル数が同じで、2種以上添加する場合のほうが、いずれの場合も良好な耐光性を示し、その効果は非常に大きく、予測不可能である。
実施例2
(近赤外線吸収フィルターの製造 )
ポリスチレン10g、下記表2に示す量の前述の1)で規定される化合物と、前述の2)で規定される化合物(化合物(II))0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作成した。
(近赤外線吸収フィルターの製造 )
ポリスチレン10g、下記表2に示す量の前述の1)で規定される化合物と、前述の2)で規定される化合物(化合物(II))0.1gに、クロロホルム100mlを加えて、40℃にて15分攪拌して溶解したものを、ガラス板に塗布して室温にて送風乾燥し、サンプルを作成した。
(耐光性試験)
上記のようにして得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、照射前に対する化合物(II)の分光吸収極大波長の濃度を測定することにより残存比を求め、光堅牢性を評価した。
上記のようにして得られたサンプルをキセノンランプにて9.5万ルクスで3日間照射し、照射前に対する化合物(II)の分光吸収極大波長の濃度を測定することにより残存比を求め、光堅牢性を評価した。
本発明の実施例に用いた化合物の物性値を下記に示す。
上記表1〜7から明らかなように、化合物(II)を種々変更して調べた結果も、実施例1と同様の結果を得た。本発明の組み合わせの効果は非常に大きく、予測不可能である。
Claims (13)
- 1)少なくとも2種の紫外線吸収剤と、2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤と、を含有することを特徴とする近赤外線吸収材料。
- 前記1)少なくとも2種の紫外線吸収剤が、溶液における270〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が470nm以下である少なくとも2種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記2)少なくとも1種の近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤が、溶液における400〜1600nmの範囲での分光吸収極大波長が700nm以上である少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、430nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が730nm以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、410nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が760nm以上であることを特徴とする請求項4に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物の前記分光吸収極大波長が、380nm以下であり、前記2)における少なくとも1種の化合物の前記分光吸収極大波長が780nm以上であることを特徴とする請求項5に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物が、いずれも下記一般式(I−1)、(I―2)、(I−3)、(I―4)および(I−5)から選択される化合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
ここで、各一般式におけるベンゼン環に置換するR111〜R114、R121と〜R160のうち、互いに隣接する基が、互いに結合して環を形成してもよい。 - 前記1)における少なくとも2種の化合物が、前記一般式の異なる一般式から選択される化合物の組み合わせであることを特徴とする請求項7に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物が、少なくとも前記一般式(I−2)、(I−3)、(I−4)および(I−5)から選択される化合物を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記1)における少なくとも2種の化合物と前記2)における少なくとも1種の化合物が共存することを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
- 前記2)における化合物1モルに対して、前記1)における少なくとも2種の化合物のモル数の合計が0.1モル以上であることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の近赤外線吸収材料。
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