JP6915097B2 - 組成物、硬化性組成物および化合物 - Google Patents

組成物、硬化性組成物および化合物 Download PDF

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Description

本発明は、組成物、硬化性組成物および化合物に関する。より詳しくは、ベンゾジチオール化合物を含む組成物、前述の組成物を含む硬化性組成物、および、ベンゾジチオール化合物に関する。
ベンゾジチオール化合物は、紫外線の吸収性に優れ、紫外線吸収剤などに用いられている。例えば、特許文献1、2には、特定のベンゾジチオール化合物を含有する紫外線吸収剤に関する発明が記載されている。
特開2009−263617号公報 国際公開WO2017/122503号公報
特許文献1、2に記載されているジヒドロキシベンゾジチオール化合物は、紫外線の吸収性に優れ、紫外線吸収剤として有用な化合物である。一方で、紫外線吸収剤は、光照射によって紫外線吸収性能が経時的に低下することがある。このため、近年では紫外線吸収剤の耐光性についてのさらなる性能の向上が望まれている。
よって、本発明の目的は、耐光性に優れ、光照射による紫外線吸収性能の経時的な低下が抑制された組成物、硬化性組成物および化合物を提供することにある。
本発明者の検討によれば、後述する式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物は、耐光性に優れ、光照射による紫外線吸収性能の経時的な低下を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下を提供する。
<1> 式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物;
Figure 0006915097
式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表し、R11とR12、R12とR13およびX11とX12は互いに結合して環を形成してもよい;
式(III)において、R32およびR33は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X31およびX32は各々独立に電子求引性基を表し、R32とR33およびX31とX32は互いに結合して環を形成してもよい。
<2> 式(I)のR12およびR13が水素原子であり、式(III)のR32とR33が水素原子である、<1>に記載の組成物。
<3> 式(I)のX11およびX12は互いに結合して式(II)で表される環を形成しており、
式(III)のX31およびX32は互いに結合して式(IV)で表される環を形成している、<1>または<2>に記載の組成物;
Figure 0006915097
式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(I)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R21とR22は互いに結合して環を形成してもよい;
式(IV)において、R41およびR42は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(III)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R41とR42は互いに結合して環を形成してもよい。
<4> 式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物の合計量中における式(I)で表される化合物の割合が0.0001〜30質量%である、<1>〜<3>のいずれかに記載の組成物。
<5> 式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物の合計量中における式(I)で表される化合物の割合が0.01〜5質量%である、<1>〜<3>のいずれかに記載の組成物。
<6> <1>〜<5>のいずれかに記載の組成物と、硬化性化合物とを含む、硬化性組成物。
<7> 硬化性化合物が、−O−Si−O−構造を有する化合物である、<6>に記載の硬化性組成物。
<8> 式(I)で表される化合物;
Figure 0006915097
式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表し、R11とR12、R12とR13およびX11とX12は互いに結合して環を形成してもよい。
<9> 式(I)のR12およびR13が水素原子である、<8>に記載の化合物。
<10> 式(I)のR11が炭素数1〜3の無置換のアルキル基である、<8>または<9>に記載の化合物。
<11> 式(I)のX11およびX12は互いに結合して式(II)で表される環を形成している、<8>〜<10>のいずれかに記載の化合物;
Figure 0006915097
式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(I)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R21とR22は互いに結合して環を形成してもよい。
本発明によれば、耐光性に優れ、光照射による紫外線吸収性能の経時的な低下が抑制された組成物、硬化性組成物および化合物を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基を包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の合計量をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程を意味するだけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。
<組成物>
本発明の組成物は、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む。本発明の組成物は、耐光性に優れ、光照射による紫外線吸収性能の経時的な低下を抑制することができる。このような効果が奏される詳細な理由は不明であるが、式(I)で表される化合物が式(III)で表される化合物と相互作用して式(III)で表される化合物の光照射による分解や変性を抑制でき、その結果優れた耐光性が得られたと推測される。
また、式(I)で表される化合物は、透明性に優れており、式(III)で表される化合物の透明性を損なうことなく、式(III)で表される化合物の耐光性を向上させることもできる。なかでも、式(I)で表される化合物として、R12およびR13が水素原子である化合物や、R11が炭素数1〜3の無置換のアルキル基である化合物を用いた場合においてより優れた耐光性が得られる。特に、式(I)で表される化合物として、R11が炭素数1〜3の無置換のアルキル基で、R12およびR13が水素原子で、X11およびX12が互いに結合して後述する式(II)で表される環を形成している化合物を用いた場合においては、特に優れた耐光性が得られる。このような化合物は、式(III)で表される化合物とより相互作用し易いためであると推測される。また、このような構造の化合物は優れた透明性を有している。さらには、このような構造の化合物は、結晶性が高く、収率よく製造することもできる。さらには、このような構造の化合物は安価な汎用原料から製造することが可能である点、好ましい。
本発明の組成物は紫外線吸収剤として好ましく用いることができる。また、本発明の組成物は、包装材料、容器、塗料、塗膜、インク、繊維、建材、記録媒体、画像表示装置、太陽電池用カバー、ガラス物品、化粧用製剤などに好ましく用いることができる。これらの詳細については、特開2009−263617号公報の段落番号0158〜0218の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
以下、本発明の組成物に用いられる式(I)で表される化合物および式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 0006915097
式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表し、R11とR12、R12とR13およびX11とX12は互いに結合して環を形成してもよい;
式(III)において、R32およびR33は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X31およびX32は各々独立に電子求引性基を表し、R32とR33およびX31とX32は互いに結合して環を形成してもよい。
まず、式(I)で表される化合物について説明する。式(I)で表される化合物は本発明の化合物でもある。
式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、炭素数1〜20の無置換のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の無置換のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8の無置換のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜6の無置換のアルキル基であることがより一層好ましく、炭素数1〜3の無置換のアルキル基であることが特に好ましい。R11が表すアルキル基は、直鎖アルキル基であることが好ましい。R11が表すアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。この態様によれば、本発明の効果がより顕著に得られやすい。また、透明性などの光学特性に優れている。さらには、化合物の結晶性が高く、安価な汎用原料を用いて化合物を収率よく製造することができ、生産性に優れる。
式(I)において、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であることがより好ましく、メチル基または水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
12およびR13が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
12およびR13が表すアルキル基およびアルコキシ基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15が更に好ましく、1〜10がより一層好ましく、1〜7が特に好ましく、1〜4が最も好ましい。アルキル基およびアルコキシ基は直鎖、分岐および環状のいずれでもよく、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。また、環状のアルキル基、および環状のアルコキシ基のアルキル基部位は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環アルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基など)であってもよい。アルキル基およびアルコキシ基は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
12およびR13が表すアリール基およびアリールオキシ基の炭素数は6〜40が好ましく、6〜30がより好ましく、6〜20が更に好ましく、6〜15がより一層好ましく、6〜12が特に好ましく、6〜9が最も好ましい。アリール基およびアリールオキシ基は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
式(I)において、R11とR12、R12とR13は互いに結合して環を形成してもよいが、環を形成していないことが好ましい。環を形成する場合、形成される環は、5または6員の環が好ましい。また、これらの環は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
式(I)において、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表す。X11およびX12が表す電子求引性基は、ハメットの置換基定数σp値が正の置換基であることが好ましい。電子求引性基としては、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリ−ルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基およびスルファモイル基が挙げられる。アシル基は、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基が好ましい。アルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ヒドロキシエトキシカルボニル基、2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノカルボニルオキシ)エトキシカルボニル基、2−(3−トリエトキシシリルプロピルアミノカルボニルオキシ)エトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基が好ましい。アリ−ルオキシカルボニル基は、フェノキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基が好ましい。カルバモイル基は、無置換のカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−n−オクチルカルバモイル基が好ましい。スルホニル基は、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基が好ましい。スルフィニル基は、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、オクタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基が好ましい。スルファモイル基は、無置換のスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基が好ましい。X11およびX12が表す電子求引性基は、シアノ基およびカルバモイル基が好ましく、カルバモイル基がより好ましい。
式(I)において、X11とX12は互いに結合して環を形成してもよく、X11とX12は互いに結合して環を形成していることが好ましい。この態様によれば、本発明の効果がより顕著に得られやすい。また、透明性などの光学特性に優れている。
11とX12が結合して形成される環は5または6員の環が好ましい。具体的には、5−ピラゾロン環、イソオキサゾリン−5−オン環、ピラゾリジン−3,5−ジオン環、バルビツ−ル酸環、チオバルビツ−ル酸環、ジヒドロピリジン−2,6−ジオン環等が挙げられ、5−ピラゾロン環、イソオキサリンー5−オン環、ピラゾリジンー3,5−ジオン環およびバルビツール酸環が好ましく、ピラゾリジンー3,5−ジオン環およびバルビツール酸環がより好ましく、ピラゾリジンー3,5−ジオン環が特に好ましい。X11とX12が結合して形成される環はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
なお、式(I)において、X11とX12が互いに結合して環を形成している場合のX11、X12の置換基定数σp値を規定することができないが、本発明においてはX11およびX12にそれぞれ環の部分構造が置換しているとみなして、環形成の場合のX11およびX12の置換基定数σp値を定義することとする。例えば以下の化合物(I−1)の場合、X11とX12がそれぞれカルバモイル基に置換したものとして考える。すなわち、化合物(I−1)は、X11およびX12がそれぞれカルバモイル基であり、このカルバモイル基同士が結合してピラゾリジン−3,5−ジオン環を形成している。
Figure 0006915097
式(I)において、X11およびX12は互いに結合して式(II)で表される環を形成していることが好ましい。
Figure 0006915097
式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(I)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R21とR22は互いに結合して環を形成してもよい。
21およびR22が表す脂肪族基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15が更に好ましく、1〜10が特に好ましく、1〜7が最も好ましい。脂肪族基の種類としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアラルキル基が挙げられ、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアラルキル基は置換基を有していてもよいが無置換であることが好ましい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15が更に好ましく、1〜10が特に好ましく、1〜7が最も好ましい。アルキル基は直鎖、分岐および環状のいずれでもよく、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15が更に好ましく、2〜10が特に好ましく、2〜7が最も好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐および環状のいずれでもよく、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜15が更に好ましく、2〜10が特に好ましく、2〜7が最も好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐および環状のいずれでもよく、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
アラルキル基の炭素数は、7〜30が好ましく、7〜20がより好ましく、7〜15が更に好ましい。アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
芳香族基としては、アリール基が挙げられる。芳香族基の炭素数は6〜40が好ましく、6〜30がより好ましく、6〜20が更に好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。アリール基としてはフェニル基およびナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
複素環基における複素環は5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環の環を構成するヘテロ原子としては、B、N、O、S、SeおよびTeが挙げられ、N、OおよびSが好ましい。複素環の炭素原子は遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。複素環基における飽和複素環の例として、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が挙げられる。複素環基における不飽和複素環の例として、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が挙げられる。複素環基は置換基を有していても良い。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基または芳香族基であることが好ましく、炭素数1〜30の脂肪族基または炭素数6〜30の芳香族基であることがより好ましく、炭素数1〜20の脂肪族基であることが更に好ましい。また、R21およびR22は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜10の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜7の直鎖アルキル基であることが最も好ましい。
式(II)において、R21およびR22は互いに結合して環を形成してもよい。R21およびR22が結合して形成される環は、5または6員の環が好ましい。これらの環は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tで説明した基が挙げられる。
(置換基T)
置換基Tとしては、
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);
アルキル基[直鎖、分岐、環状のアルキル基。具体的には、直鎖または分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。];
アルケニル基[直鎖、分岐、環状のアルケニル基。具体的には、直鎖または分岐のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の直鎖または分岐のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30のシクロアルケニル基。つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)を包含するものである。];
アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の直鎖または分岐のアルキニル基。例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基;
アリール基(好ましくは炭素数6〜30のアリール基。例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基);
ヘテロ環基(好ましくは5または6員の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基);
シアノ基;
ヒドロキシル基;
ニトロ基;
カルボキシル基;
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルコキシ基。例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基);
アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30のアリールオキシ基。例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基);
シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基。例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基);
ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30のヘテロ環オキシ基。例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基);
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30のアリールカルボニルオキシ基。例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基);
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30のカルバモイルオキシ基。例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基);
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30のアルコキシカルボニルオキシ基。例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基);
アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30のアリールオキシカルボニルオキシ基。例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基);
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアニリノ基。例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基);
アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30のアリールカルボニルアミノ基。例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基);
アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30のアミノカルボニルアミノ基。例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基);
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30のアルコキシカルボニルアミノ基。例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基);
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30のアリールオキシカルボニルアミノ基。例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基);
スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30のスルファモイルアミノ基。例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基);
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30のアリールスルホニルアミノ基。例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基);
メルカプト基;
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30のアルキルチオ基。例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基);
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基。例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基);
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30のヘテロ環チオ基。例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基);
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30のスルファモイル基。例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基);
スルホ基;
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30のアルキルスルフィニル基、6〜30のアリールスルフィニル基。例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基);
アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30のアルキルスルホニル基、6〜30のアリールスルホニル基。例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基);
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基。例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基);
アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基。例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基);
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基。例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基);
カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30のカルバモイル基。例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基);
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールアゾ基、炭素数3〜30のヘテロ環アゾ基。例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基);
イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基);
ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30のホスフィノ基。例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)
ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30のホスフィニル基。例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基);
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30のホスフィニルオキシ基。例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基);
ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30のホスフィニルアミノ基。例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基);
シリル基(好ましくは、炭素数3〜30のシリル基。例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
上記で挙げた基のうち、水素原子を有する基については、1個以上の水素原子が上記の置換基Tで置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基などが挙げられる。
式(I)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006915097
Figure 0006915097
次に、式(III)で表される化合物について説明する。
式(III)において、R32およびR33は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。式(III)のR32およびR33が表すハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基は、式(I)のR12およびR13の項で説明したハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。R32およびR33は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であることがより好ましく、メチル基または水素原子であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
式(III)において、R32およびR33は互いに結合して環を形成してもよいが、環を形成していないことが好ましい。環を形成する場合、形成される環は、5または6員の環が好ましい。これらの環は置換基を有していてもよい。置換基としては上述の置換基Tで説明した基が挙げられる。
式(III)において、X31およびX32は各々独立に電子求引性基を表す。式(III)のX31およびX32が表す電子求引性基は、式(I)のX11およびX12の項で説明した電子求引性基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。式(III)において、X31およびX32は互いに結合して環を形成していることが好ましい。この態様によれば、本発明の効果がより顕著に得られやすい。また、透明性などの光学特性に優れている。X31とX32が結合して形成される環については、式(I)で説明した環が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
式(III)において、X31およびX32は互いに結合して式(IV)で表される環を形成していることが好ましい。
Figure 0006915097
式(IV)において、R41およびR42は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(III)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R41とR42は互いに結合して環を形成してもよい。
式(IV)のR41およびR42が表す脂肪族基、芳香族基および複素環基は、式(II)のR21およびR22の項で説明した脂肪族基、芳香族基および複素環基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
式(IV)において、R41およびR42は各々独立に脂肪族基または芳香族基であることが好ましく、炭素数1〜30の脂肪族基または炭素数6〜30の芳香族基であることがより好ましく、炭素数1〜20の脂肪族基であることが更に好ましい。また、R41およびR42は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であることが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜10の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜7の直鎖アルキル基であることが最も好ましい。
式(IV)において、R41およびR42は互いに結合して環を形成してもよい。R41およびR42が結合して形成される環は、5または6員の環が好ましい。これらの環は置換基を有していてもよい。置換基としては上述の置換基Tで説明した基が挙げられる。
式(III)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006915097
Figure 0006915097
本発明の組成物は、式(I)のR12およびR13が水素原子である化合物と、式(III)のR32およびR33が水素原子である化合物とを含むことが好ましい。この態様において、更に、式(I)のX11と式(III)のX31、式(I)のX12と式(III)のX32がそれぞれ同一であることがより好ましい。また、式(I)で表される化合物がX11およびX12は互いに結合して上述した式(II)で表される環を形成している構造の化合物であり、かつ、式(III)で表される化合物がX31およびX32は互いに結合して上述の式(IV)で表される環を形成している構造の化合物であることも好ましい。この態様において、式(II)のR21と、式(IV)のR41とが同一の基であり、かつ、式(II)のR22と、式(IV)のR42とが同一の基であることが好ましい。式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物がこのような組み合わせである場合においては、本発明の効果がより顕著に得られやすい傾向にある。
本発明の組成物の全固形分中における式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物の含有量の合計は1質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることがより一層好ましく、99質量%以上であることが更に一層好ましい。また、本発明の組成物は式(I)で表される化合物と、式(III)で表わされる化合物のみで構成されていることが特に好ましい。また、本発明の組成物は、粉体、溶液、樹脂等の媒体中に分散されていてもよい。
また、本発明の組成物は、式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物の合計量中における式(I)で表される化合物の割合が0.0001〜30質量%であることが好ましく、0.001〜10質量%であることがより好ましく、0.005〜7質量%であることが更に好ましく、0.01〜5質量%であることがより一層好ましく、0.1〜3質量%であることが更に一層好ましく、0.1〜1質量%であることが特に好ましく、0.1〜0.5質量%であることが最も好ましい。式(I)で表される化合物の割合が上記範囲であれば、より優れた耐光性が得られる。さらには、より優れた透明性や紫外線吸収性などが得られやすい。
本発明の組成物は、式(I)で表される化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。式(I)で表される化合物を2種以上含む場合は、それらの合計が上記範囲であることが好ましい。また、本発明の組成物は、式(III)で表される化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。式(III)で表される化合物を2種以上含む場合は、それらの合計が上記範囲であることが好ましい。
<硬化性組成物>
次に、本発明の硬化性組成物について説明する。本発明の硬化性組成物は、上述した本発明の組成物と、硬化性化合物と含む。硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、メチロール基を有する化合物、−O−Si−O−構造を有する化合物などが挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
本発明においては、硬化性化合物として−O−Si−O−構造を有する化合物を用いることが好ましい。この態様によれば、着色が少なく、紫外線の吸収性に優れたガラス物品などを製造することができる。ガラス物品の具体例としては、自動車用の窓ガラス、建材用の窓ガラスなどを挙げることができる。
−O−Si−O−構造を有する化合物としては、加水分解性ケイ素化合物であることが好ましく、加水分解性アルコキシシランであることがより好ましく、3官能または4官能のアルコキシシランであることが更に好ましい。−O−Si−O−構造を有する化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、4−トリメトキシシリルスチレン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−(トリメトキシシリル)プロピルイソシアネート、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートなどを挙げることができる。
本発明の硬化性組成物の全固形分中における式(I)で表される化合物と式(III)で表される化合物との合計の含有量は、0.01〜20質量%であることが好ましい。また、本発明の硬化性組成物の全固形分中における上述した本発明の組成物の含有量は、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。また、本発明の硬化性組成物の全固形分中における硬化性化合物の含有量は、0.1〜99.9質量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、式(I)で表される化合物および式(III)で表される化合物以外の他の紫外線吸収剤をさらに含有することができる。他の紫外線吸収剤としては、国際公開WO2017/122503号公報の段落番号0065に記載された紫外線吸収剤が挙げられ、これらを用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、更に溶剤を含むことができる。溶剤としては、特に限定は無く、水、アルコール系溶剤などが挙げられる。アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。また、溶剤として、エチレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶剤の含有量は、硬化性組成物の全量に対し、10〜90質量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、触媒を含有することができる。特に硬化性化合物として、−O−Si−O−構造を有する化合物を用いた場合、触媒を含有させることが好ましい。この態様によれば、ゾルゲル反応が促進されて、より強固な膜が得られやすい。触媒としては、塩酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸等の酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等の塩基触媒などが挙げられる。触媒の含有量は、硬化性化合物の100質量部に対し0.1〜100質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜50質量部であり、更に好ましくは0.1〜20質量部である。本発明の硬化性組成物は、触媒を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。触媒を2種以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。NMRは核磁気共鳴の略語である。
(合成例1)(例示化合物(I−1)の合成)
例示化合物(I−1)を下記スキームに従って合成した。なお化合物(2)は、特開2009−263617号公報の段落番号0222の記載に基づき合成した。
Figure 0006915097
3口フラスコに化合物(2)の72.2g、化合物(3)の68.9g、N−メチルピロリドンの340mLを入れて、室温にて攪拌しながらここへ化合物(1)の111.3gを入れてそのまま加熱し、内温50〜67℃で1時間攪拌した。その後室温まで冷却してから、3Lの水の中に攪拌しながら添加して、得られた結晶を吸引濾過して、乾燥した。こうして得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的の例示化合物(I−1)の105.7gを得た(収率76%)。
NMR(ジメチルスルホキシド(DMSO)):δ=10.58(1H,BrS),7.58(1H,d,J=8.9Hz),7.01(1H,d,J=8.9Hz),3.58(4H,t,J=7.3Hz),2.45(3H,S),1.44(4H,tt,J=7.3,7.3Hz),1.22(4H,tq,J=7.3,7.3Hz)、0.87(6H,t,J=7.3Hz)
(合成例2(例示化合物(I−11)の合成))
例示化合物(I−11)を下記スキームに従って合成した。
Figure 0006915097
3口フラスコに化合物(4)の8.6g、化合物(5)の45.7g、N−メチルピロリドンの200mLを入れて、室温にて攪拌しながらここへ化合物(1)の32.7gを入れてそのまま加熱し、内温50〜67℃で1時間攪拌した。その後室温まで冷却してから、1.5Lの水の中に攪拌しながら添加して、得られた結晶を吸引濾過して、乾燥した。こうして得られた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的の例示化合物(I−11)の21.7gを得た(収率71%)。
(合成例3(例示化合物(I−1)と例示化合物(III−1)とを含む組成物A−1の製造))
例示化合物(I−1)と例示化合物(III−1)とを下記スキームに従って合成した。
Figure 0006915097
3口フラスコに化合物(2)の21.2g、化合物(3)の2.5g、アスコルビン酸の1.76g、N−メチルピロリドンの100mLを入れ、さらに化合物(1)の32.7gを添加した。この混合物を窒素フロー条件下にて、80℃で2時間攪拌した。次いで、得られた反応溶液に、メタンスルホン酸の4.81gを添加した後に1時間かけて40℃まで冷却した。ついで、水1000mLを滴下して析出した固体(結晶)を濾過し、乾燥して例示化合物(I−1)を4.5質量%含む例示化合物(I−1)と例示化合物(III−1)との混合物を38.6g得た(収率98%)。
更にこの混合物をテトラヒドロフランと、アセトニトリルと、水とで再結晶し、得られた結晶を濾過、乾燥して例示化合物(I−1)を0.10質量%含む例示化合物(I−1)と例示化合物(III−1)との混合物である組成物A−1を34.7g得た(収率88%)。
(合成例4(例示化合物(III−1)の合成))
合成例3において、化合物(3)を用いなかった以外は、合成例3と同様の操作を行い、例示化合物(III−1)を38.5g得た(収率98%)。この生成物中には、例示化合物(I−1)が全く含まれていなかった。
[試験例1]
(実施例1)
窒素雰囲気下で、合成例3で得た組成物A−1の1.20gと、3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの2.71gと、乾燥テトラヒドロフランの20mLとを混合したのち、ジ(2−エチルヘキサン酸)スズを1滴添加し、窒素雰囲気下において、3時間、加熱還流した。次いで、加熱還流後の混合溶液の0.476gに対し、テトラエトキシシランの81.0mgおよびグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの0.602g、超純水の1.73g、酸触媒である酢酸の17.0mgを添加したのち、30秒間撹拌し、次いで、3分間超音波を照射し、次いで、50℃の水浴中で1時間撹拌して硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物を、0.1質量%KOHで処理したガラス基材の上にドクターブレードを用いて塗布して30mil(1milは、2.54×10−5m)の厚さの塗布膜を形成し、得られた塗布膜を、80℃、30分間、送風乾燥機で静置乾燥した。その後、200℃、30分間加熱してガラス物品を作製した。
(実施例2〜5、参考例1、比較例1〜3)
組成物A−1のかわりに下記表に示す組成物A−2〜A−5、B−1、C−1〜C−3を用いた以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、得られた硬化性組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス物品を作製した。なお、組成物A−2〜A−5は、組成物A−1をクロマトグラフィーで精製処理して例示化合物(I−1)と例示化合物(III−1)の比率を調整してえられたものである。また、組成物B−1は、合成例4で合成した例示化合物(III−1)を用いた。
Figure 0006915097
組成物C−2、C−3で用いた化合物(H−1)、(H−2)はそれぞれ下記構造の化合物である。
Figure 0006915097
実施例1〜5、参考例1および比較例1〜3のガラス物品の吸収スペクトルを分光光度計(UV−3100,島津製作所製)を用いて測定し、極大吸収波長(λmax)での吸光度(Ab0)を測定した。更にこれらのガラス物品を、促進耐候性試験機(スガ試験機(株)製、スーパーキセノンウエザーメーターSX75)に設置し、60℃、相対湿度50%の環境下において、500時間光を照射して耐光性試験を行った。なお、促進耐候性試験機の照射光は屋外における日光に近似したスペクトルを有しており、屋外での使用を模擬した耐光性試験を実施することができる。耐光性試験後のガラス物品の極大吸収波長(λmax)での吸光度(Ab1)を測定し、下記式より耐光性試験前後のガラス物品の吸光度の減少率を求めた。この値が小さいほど、耐光性が高いことを意味する。
吸光度の減少率(%)={(Ab0−Ab1)/Ab0}×100
Figure 0006915097
上記表2に示すように、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物A−1〜A−5を用いた実施例1〜5は吸光度の減少率の値が小さく、耐光性に優れていた。
[試験例2]
(実施例11〜15)
組成物A−1のかわりに組成物A−11〜A−15を用いた以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、得られた硬化性組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス物品を作製した。得られたガラス物品を用いて実施例1と同様の方法で耐光性試験を行い、耐光性試験前後のガラス物品の吸光度の減少率({(Ab0−Ab1)/Ab0}×100)を求めた。なお、下記表に記載の例示化合物(I−2)、(I−33)、(I−34)、(I−35)、(I−36)はそれぞれ下記構造の化合物である。
Figure 0006915097
Figure 0006915097
Figure 0006915097
上記表4に示すように、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物A−11〜A−15を用いた実施例11〜15は吸光度の減少率の値が小さく、耐光性に優れていた。
[試験例3]
(実施例21、参考例2)
組成物A−1のかわりに組成物A−21、B−2を用いた以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、得られた硬化性組成物を用いて実施例1と同様にしてガラス物品を作製した。得られたガラス物品を用いて実施例1と同様の方法で耐光性試験を行い、耐光性試験前後のガラス物品の吸光度の減少率({(Ab0−Ab1)/Ab0}×100)を求めた。なお、下記表に記載の例示化合物(III−2)は下記構造の化合物である。
Figure 0006915097
Figure 0006915097
Figure 0006915097
上記表6に示すように、式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物A−21を用いた実施例21は吸光度の減少率の値が小さく、耐光性に優れていた。

Claims (11)

  1. 式(I)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを含む組成物;
    Figure 0006915097
    式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表し、R11とR12、R12とR13およびX11とX12は互いに結合して環を形成してもよい;
    式(III)において、R32およびR33は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X31およびX32は各々独立に電子求引性基を表し、R32とR33およびX31とX32は互いに結合して環を形成してもよい。
  2. 前記式(I)のR12およびR13が水素原子であり、前記式(III)のR32とR33が水素原子である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記式(I)のX11およびX12は互いに結合して式(II)で表される環を形成しており、
    前記式(III)のX31およびX32は互いに結合して式(IV)で表される環を形成している、請求項1または2に記載の組成物;
    Figure 0006915097
    式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(I)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R21とR22は互いに結合して環を形成してもよい;
    式(IV)において、R41およびR42は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(III)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R41とR42は互いに結合して環を形成してもよい。
  4. 前記式(I)で表される化合物と前記式(III)で表される化合物の合計量中における前記式(I)で表される化合物の割合が0.0001〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記式(I)で表される化合物と前記式(III)で表される化合物の合計量中における前記式(I)で表される化合物の割合が0.01〜5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物と、硬化性化合物とを含む、硬化性組成物。
  7. 前記硬化性化合物が、−O−Si−O−構造を有する化合物である、請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 式(I)で表される化合物;
    Figure 0006915097
    式(I)において、R11は無置換のアルキル基を表し、R12およびR13は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、X11およびX12は各々独立に電子求引性基を表し、R11とR12、R12とR13およびX11とX12は互いに結合して環を形成してもよい。
  9. 前記式(I)のR12およびR13が水素原子である、請求項8に記載の化合物。
  10. 前記式(I)のR11が炭素数1〜3の無置換のアルキル基である、請求項8または9に記載の化合物。
  11. 前記式(I)のX11およびX12は互いに結合して式(II)で表される環を形成している、請求項8〜10のいずれか1項に記載の化合物;
    Figure 0006915097
    式(II)において、R21およびR22は各々独立に脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、*は式(I)の1,3−ベンゾジチオール骨格の2位との結合部位を表し、R21とR22は互いに結合して環を形成してもよい。
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