JP2009244433A - 液晶組成物および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラスト比が高い液晶表示装置及びそれに好適に用いられる液晶組成物を提供する。
【解決手段】分子長軸と直交する方向の誘電率が分子長軸方向の誘電率がより高い、負の誘電率異方性を有する重合性化合物を少なくとも1つ含む液晶組成物。および液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されている液晶表示装置。
【選択図】なし
【解決手段】分子長軸と直交する方向の誘電率が分子長軸方向の誘電率がより高い、負の誘電率異方性を有する重合性化合物を少なくとも1つ含む液晶組成物。および液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されている液晶表示装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶組成物および液晶表示装置とその製造方法に関する。特に、電圧無印加時に液晶分子が垂直配向している状態を利用する液晶表示装置及びその製造方法に関する。
従来、アクティブマトリクスを用いた液晶ディスプレイ(LCD)としては、正の誘電率異方性を持つ液晶材料を基板面に水平に、かつ対向する基板間で90度ツイストするように配向させたTN(ツイステッドネマチック)モードの液晶パネルが広く用いられている。しかし、このTNモードは視角特性が悪いという問題を有しており、視角特性を改善すべく種々の検討が行われている。
これに替わる方式として、電圧無印加時に負の誘電率異方性を持つ液晶材料を垂直配向させ、かつ基板表面に設けた凹凸部や電極のスリットにより、電圧印加時の液晶の傾斜方向を規制するMVA(Multi−domainVerticalAlignment)方式があり、視角特性を大幅に改善することに成功している。
MVA方式では、配向膜で液晶の傾斜方向を規制する必要性がないため、TNモードを代表とする水平配向方式では必ずといっていいほど必要である、ラビングに代表される配向膜の配向処理工程を必要としない。これは、プロセス的にはラビングによる静電気やゴミの問題を回避でき、配向処理後の洗浄工程も不要となる利点を与える。また、配向的にもプレチルトのバラツキによるムラの問題等も無く、配向膜印刷機や焼成炉等の不使用による設備の簡略化、プロセスの簡略化、歩留まりの向上が可能となり、低コスト化が可能になるという利点もある。しかしながら、このMVA方式においても配向膜自体の設置は必要である。
従って、MVA方式においても配向膜自体の設置を省略できるのであれば、液晶パネルの品質の向上、歩留まりの向上、設備の簡略化、プロセスの簡略化、低コスト化等多くの利益が得られる。
さらに、液晶パネル用基板のマザーガラスにおいては、超大型化が急速に進んでおり、配向膜印刷装置自体の対応が困難な情勢もあり、配向膜設置プロセス省略のメリットは大きい。
このような技術としては、疎水性末端を有するモノマーを液晶層界面で硬化させて、垂直配向能を発現させるものがあるが(特許文献1〜2参照)、該末端部分はMVA方式で用いられる負の誘電率異方性を有する液晶との親和性が低く、配向制御が十分でなかったため、コントラスト比が悪かった。
特開2004−294648号公報
特開2004−302061号公報
本発明は、電圧無印加時に液晶分子が垂直配向している状態を利用する液晶表示装置であって、現状の垂直配向膜の形成工程を省略してコストダウンをすることができ、かつコントラスト比が高い液晶表示装置及びそれに好適に用いられる液晶組成物を提供することを目的とする。
検討の結果、負の誘電率異方性を有する重合性液晶化合物を含む液晶層が挟持された液晶表示装置において、液晶層界面で当該重合性液晶化合物を架橋することで、配向膜の形成なしに垂直配向が得られ、高いコントラスト比が達成された。
すなわち本発明は
(1)分子長軸と直交する方向の誘電率が分子長軸方向の誘電率がより高い、負の誘電率異方性を有する重合性化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする液晶組成物、
(2)前記液晶組成物が負の誘電率異方性を有することを特徴とする(1)項に記載の液晶組成物、
(3)前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物が下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の液晶組成物、
すなわち本発明は
(1)分子長軸と直交する方向の誘電率が分子長軸方向の誘電率がより高い、負の誘電率異方性を有する重合性化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする液晶組成物、
(2)前記液晶組成物が負の誘電率異方性を有することを特徴とする(1)項に記載の液晶組成物、
(3)前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物が下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の液晶組成物、
(Mは以下の(M−1)〜(M−6)のいずれかで表される基、Pは重合性基、R1〜R3は水素原子、アルキル基、または重合性基、L1〜L5は2価の連結基を表す。
R11〜R12、R21〜R23、R31〜R38はそれぞれ独立にH、F、CF3、またはCNを表す。但し、各々において少なくとも1つはH以外の置換基である。Y1,Y2はそれぞれ独立にC=O、O、S、またはNR(Rは水素原子または置換基を表す)を表し、E1,E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表す。)、
(4)前記液晶組成物が下記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液晶組成物、
(4)前記液晶組成物が下記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液晶組成物、
(式(2−1)〜(2−4)において、A3とB4とは、それぞれ独立に、ビニレン基またはプロペニレン基を表わす。R3は二価の基を表し、R2とR4とは、それぞれ独立に、水素原子または枝分かれがあってもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香環を表す。R2、R3、R4のうち少なくとも一つは芳香環を表す。k、m、n、pは、それぞれ独立に、0または1を表す。)、および、
(5)前記液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されていることを特徴とする液晶表示装置
を提供するものである。
(5)前記液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されていることを特徴とする液晶表示装置
を提供するものである。
本発明の液晶組成物を用いることにより、現状の垂直配向膜の形成工程を省略してコストダウンをすることができ、かつコントラスト比が高い液晶表示装置を提供することができた。
本発明の液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する重合性化合物をすくなくとも1つ含む組成物である。上記負の誘電率異方性を有する重合性化合物が下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
一般式(1−1)〜(1−3)中、Mは以下の(M−1)〜(M−6)のいずれかで表される基、Pは重合性基、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、または重合性基、L1〜L5はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。
R11〜R12、R21〜R23、R31〜R38はそれぞれ独立にH、F、CF3、またはCNを表す。但し、各々において少なくとも1つはH以外の置換基である。Y1、Y2はC=O、O、S、またはNR(Rは水素原子または置換基を表す)を表し、E1、E2はそれぞれ独立に電子吸引性基を表す。
M−1〜M−6は負の誘電率異方性を発現する基である。誘電率は、外部電場を印加したときに分子が応答して引き起こす誘電分極の強さを表す係数である。分子長軸に平行な方向を
垂直な方向の誘電率を
としたとき
を誘電率異方性という。分子の特定の方向に極性基があるとき、その方向に強い誘電率が生じる。分子長軸方向に極性基があるときは正の誘電率異方性を、分子長軸垂直方向に極性基があるときは負の誘電率異方性を示す。
誘電率異方性を発現する極性基としてはF、CF3、CNが好ましい。
誘電率異方性を発現する極性基としてはF、CF3、CNが好ましい。
前記一般式(M−6)において、E1,E2の少なくとも1つはハメットの置換基定数σpが0より大きい電子吸引性基であることが好ましく、σpが0〜1.5の電子吸引性基であることがより好ましい。このような置換基としては例えば、−CF3、−CN、−CO−、−NO2が挙げられる。また、E1とE2が結合して環を形成してもよい。また、重合性基で置換されていてもよい。重合性基の例としては、上に例示したものが挙げられる。なお、ハメットの置換基定数のσp,σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、「ケミカルレビュー」91巻165〜195頁(1995年)等の文献に詳しく解説されている。
前記一般式(M−6)において、Y1,Y2はそれぞれ独立に−CO−,−O−,−S−,−NR−を表し、−O−,−S−,−NR−が好ましい。
本発明の化合物は既知の合成方法を用いて合成することが出来る。
より具体的には、特開2003−238491号公報、特開2004−231638号公報に記載の合成法などに基づいて合成を行うことができる。
より具体的には、特開2003−238491号公報、特開2004−231638号公報に記載の合成法などに基づいて合成を行うことができる。
一般式(1−1)〜(1−3)におけるMの具体例としては、それに限定されるものではないが、以下の基が挙げられる。
前記一般式(1−1)〜(1−3)において、重合性基は付加重合反応または縮合重合反応が可能な基が好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。以下に好ましい重合性基の例を示す。
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性基は、下記の一般式P1、P2、P3又はP4のいずれかで表される基であることが好ましい。
重合性基は、下記の一般式P1、P2、P3又はP4のいずれかで表される基であることが好ましい。
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545はそれぞれ各々独立に水素原子または置換基を表す。nは0または1を表す。)
重合性基P1のR511〜R513は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前記極性基の他、例えば、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またエチレンオキシエチルなどのエーテル結合を含む置換アルキル基)、アルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘキシレンオキシ、ヘプチレンオキシなどのアルキレンオキシ基、またエチレンオキシエトキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシ基)、アルキレンオキシカルボニルオキシ基(例えばエチレンオキシカルボニルオキシ、プロピレンオキシカルボニルオキシ、ブチレンオキシカルボニルオキシ、ペンチレンオキシカルボニルオキシ、ヘキシレンオキシカルボニルオキシ、ヘプチレンオキシカルボニルオキシなどのアルキレンオキシカルボニルオキシ基、またエチレンオキシエトキシカルボニルオキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニルオキシ基)、アルキレンオキシカルボニル基(例えばエチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、ブチレンオキシカルボニル基、ペンチレンオキシカルボニル基、ヘキシレンオキシカルボニル基、ヘプチレンオキシカルボニル基などのアルキレンオキシカルボニル基、またはエチレンオキシエトキシカルボニル基などのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニル基)が挙げられる。水素原子またはメチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチルがより好ましく、水素原子がもっとも好ましい。重合性基P1が直接芳香環に結合してもよい。
nは0〜1の整数を表し、nが1であることが好ましく、nが1の時は、重合性基P1は置換又は無置換のビニルエーテル基を表す。
重合性基P2は置換または無置換のオキシラン基を表す。R521及びR522は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前記極性基の他、例えば、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またエチレンオキシエチルなどのエーテル結合を含む置換アルキル基)が挙げられる。水素原子またはメチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチルがより好ましく、水素原子がもっとも好ましい。
重合性基P3は置換または無置換のアクリル基を表す。R531〜R533は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前記極性基の他、例えば、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またエチレンオキシエチルなどのエーテル結合を含む置換アルキル基)が挙げられる。水素原子またはメチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチルがより好ましく、水素原子がもっとも好ましい。
重合性基P4は置換または無置換のオキセタン基を表す。R541〜R545は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前記極性基の他、例えば、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またエチレンオキシエチルなどのエーテル結合を含む置換アルキル基)が挙げられる。水素原子またはメチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチルがより好ましく、水素原子がもっとも好ましい。
前記一般式(1−1)〜(1−3)において、L1〜L5が表す二価の連結基としては、特に限定されるものではないが、好ましくは下記の例(置換されていてもよい)およびこれらの中から複数(同じものがあってもよい)を選んで連結したものが挙げられる。
また前記一般式(I)で表される化合物は液晶性を示すことが好ましい。液晶性を発現させるための要素としては、「液晶便覧」(丸善)第3章「分子構造と液晶性」に記載されているように、コアと呼ばれる剛直部と側鎖と呼ばれる柔軟部が必要である。そのためL1及びL2は1つまたは2つの剛直部、つまり環状基を含むことが好ましく、2つの剛直部を含むことがより好ましい。環状基は好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基である。好ましくは置換基を有するフェニル基、置換基を有するシクロヘキシル基であり、より好ましくは4位に置換基を有するフェニル基、4位に置換基を有するシクロヘキシル基である。2つの環状基をつなぐ結合基は好ましくは単結合、−COO−、−OCO−である。
また、4位に置換基を有するシクロヘキシル基にはシス体およびトランス体の立体異性体が存在するが、本発明においては限定されず、両者の混合物でも良い。好ましくはトランス−シクロヘキシル基である。
上記重合性組成物が、液晶層界面から立ち上がる長鎖末端部分を持たない、1分子中に複数の重合性基を有する化合物を添加剤として含んだものであることが好ましい場合がある。このような添加剤を共存させることにより、一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物の液晶層界面から伸びる長鎖末端部分の相互間隔を広く開けた状態として、互いに吸着することを防ぐことができ、液晶の垂直配向性をより高めることも可能である。一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物で、R1が重合性基であるものにこの役割を持たせることもできる。
なお、長鎖末端部分を実質的に持たないかどうかは、長鎖末端部分の相互間隔を広く開けた状態とすることができ、このことにより、液晶の垂直配向性をより高められるかどうか等から適宜定めることができる。単なるメチル基やエチル基は、一般的には、長鎖末端部分には該当しない。
更に、イオントラップ等の信頼性向上に関する役割を有する他の剤を共存させたり、本発明に係る一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物にこの役割を持たせたりすることもできる。このようにすることにより、一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物の選択範囲を大きく広げることも可能である。
上記添加剤が、芳香環とカルボニル基とをそれぞれ少なくとも一つずつ含むことが好ましい。液晶層界面への付着がより強固なものとなるためである。
このような添加剤としては、一般式(2−1)〜(2−4)で表される化合物を例示できる。
(式(2−1)〜(2−4)において、A3とB4とは、それぞれ独立に、ビニレン基またはプロペニレン基を表わす。R3は二価の基を表し、R2とR4とは、それぞれ独立に、水素または枝分かれがあってもよいアルキル基または置換されていてもよい芳香環を表す。R2,R3,R4のうち少なくとも一つは芳香環を表す。k,m,n,pは、それぞれ独立に、0または1を表す。R2〜R4,A3,B4,k,m,n,pは、それぞれ独立に選択できる。)
ここで、上で述べた二価の基(R3)とは、例えばメチレン基や1,4‐フェニレン基,4,4’−ビフェニレン基などのことを言う。すなわち以下のようなものである。
一般式(2−1)〜(2−4)で表される化合物の具体例としては、それに限定されるものではないが、以下の化合物が挙げられる。
また、上記添加剤が5員環構造を有することも同様に好ましい。5員環構造としては、シクロペンタン,シクロペンテン,シクロペンタジエン,フラン,ピロール,インデン,無水コハク酸,無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物構造,コハク酸イミド,マレイン酸イミド,フタル酸イミド等のイミド構造が挙げられる。上記の構造を有するものとしては、一般式(2−5)〜(2−8)で表される化合物を例示できる。なお、置換基の場所は例示した場所には限らない。
式(2−5)〜(2−8)において、XとYはそれぞれ独立して水素またはメチル基を表し、R7は5員環構造を有する2価の有機基を表す。R8,R10は水素または有機基を表し、R9は2価の有機基を表し、R8,R9,R10のうち少なくとも一つは5員環構造を有する。R11はテトラカルボン酸残基を構成する4価の有機基を表す。k,m,n,pはそれぞれ独立に0あるいは1を表し、qとrとはそれぞれ独立して0以上6以下の整数を表す。R8〜R10,k,m,n,p,q,rは、それぞれ、他の箇所における式を含めて独立に選択できる。
式(2−5)〜(2−8)で表される化合物としては以下のようなものがある。
本発明で使用できる液晶については特に制限はなく、公知のものを使用することができる。
液晶組成物中に含まれる重合性化合物は複数のものを選択することができるが、液晶組成物の液晶性を阻害しない点から、重合性化合物の濃度は全てを合わせて好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。重合性化合物として一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物を含む場合、それら含有量は、組成物中0.1〜10質量%であることが好ましい。また、複数の重合性化合物のうち、長鎖末端部分を有する化合物が50〜95モル%であることが好ましい。長鎖末端部分による垂直配向能の発現と、架橋による膜強度を両立できるためである。
また、液晶組成物に一般式(2−1)〜(2−4)で表される化合物を含む場合、それら含有量は、組成物中質量中0.01〜5%であることが好ましい。
液晶組成物中に含まれる重合性化合物は複数のものを選択することができるが、液晶組成物の液晶性を阻害しない点から、重合性化合物の濃度は全てを合わせて好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。重合性化合物として一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物を含む場合、それら含有量は、組成物中0.1〜10質量%であることが好ましい。また、複数の重合性化合物のうち、長鎖末端部分を有する化合物が50〜95モル%であることが好ましい。長鎖末端部分による垂直配向能の発現と、架橋による膜強度を両立できるためである。
また、液晶組成物に一般式(2−1)〜(2−4)で表される化合物を含む場合、それら含有量は、組成物中質量中0.01〜5%であることが好ましい。
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
<一般的な液晶表示装置の構成>
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光膜、および該液晶セルと該偏光膜との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。本発明の液晶表示装置は、上記の液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、上記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されている
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に上記の液晶組成物を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、好ましくは50μm〜2mmの厚さを有する。
また、上記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層を液晶層界面に形成するためには、例えば、重合性化合物として液晶層を挟持する基板表面と相互作用する芳香環やカルボニル基のような基を含むものを用い、液晶層界面に付着・集合させ、UV照射によって重合することによって行うことができる。
<一般的な液晶表示装置の構成>
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光膜、および該液晶セルと該偏光膜との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。本発明の液晶表示装置は、上記の液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、上記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されている
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に上記の液晶組成物を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、好ましくは50μm〜2mmの厚さを有する。
また、上記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層を液晶層界面に形成するためには、例えば、重合性化合物として液晶層を挟持する基板表面と相互作用する芳香環やカルボニル基のような基を含むものを用い、液晶層界面に付着・集合させ、UV照射によって重合することによって行うことができる。
<液晶表示装置の種類>
本発明の液晶組成物は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。具体的には、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)等の表示モードが挙げられる。また、上記表示モードを配向分割した表示モードにおいても用いることができる。
本発明の液晶組成物は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。具体的には、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)等の表示モードが挙げられる。また、上記表示モードを配向分割した表示モードにおいても用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例1
化合物(1−4)および(1−5)の合成
化合物(1−4)および(1−5)の合成
化合物(78)−Bの合成
ベンゾキノン(化合物(78)−A)を出発物質にJ. Org. Chem.,69巻、2164〜2177ページ(2004年)に記載の方法で化合物(78)−Bを得た。
ベンゾキノン(化合物(78)−A)を出発物質にJ. Org. Chem.,69巻、2164〜2177ページ(2004年)に記載の方法で化合物(78)−Bを得た。
化合物(78)−Cの合成
化合物(78)−Bを16.4g(50mmol)、マロノニトリル4.2g(60mmol)をN−メチル−ピロリジノン50mlに加えて90℃にて2時間攪拌した。室温まで冷却した後、内容物にメタノール300mlを加えて析出物をろ別し、目的物の化合物(78)−Cを15.2g得た。
化合物(78)−Bを16.4g(50mmol)、マロノニトリル4.2g(60mmol)をN−メチル−ピロリジノン50mlに加えて90℃にて2時間攪拌した。室温まで冷却した後、内容物にメタノール300mlを加えて析出物をろ別し、目的物の化合物(78)−Cを15.2g得た。
化合物(78)−Kの合成
trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸7.2g(50mmol)、ベンジルブロミド10.2g(60mmol)をN−メチル−ピロリジノン90mlに加えて攪拌し、炭酸水素ナトリウム8.2g(100mmol)を添加して90℃にて3時間攪拌した。室温まで冷却した後、内容物に酢酸エチル400ml、水300mlを加えて抽出した。有機層を希塩酸、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−K 9.2gを得た。
trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸7.2g(50mmol)、ベンジルブロミド10.2g(60mmol)をN−メチル−ピロリジノン90mlに加えて攪拌し、炭酸水素ナトリウム8.2g(100mmol)を添加して90℃にて3時間攪拌した。室温まで冷却した後、内容物に酢酸エチル400ml、水300mlを加えて抽出した。有機層を希塩酸、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−K 9.2gを得た。
化合物(78)−Dの合成
化合物(78)−DはRecl. Trav. Pays−Bas、 115巻、321〜328ページ(1996年)に記載の方法により合成した。
化合物(78)−DはRecl. Trav. Pays−Bas、 115巻、321〜328ページ(1996年)に記載の方法により合成した。
化合物(78)−Eの合成
化合物(78)−D 24.4g(0.1mol)をN−メチル−ピロリジノン200mlに加えて攪拌し、室温にてtert−ブチルジフェニルクロロシラン54.8g(0.22mol)を加え、更にイミダゾール27.2gを添加した。室温にて3時間攪拌した後、酢酸エチル500mlと希塩酸500mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をメタノール300mlとテトラヒドロフラン200mlに溶解し、水200mlに炭酸カリウム28gを溶解した溶液を加えて室温で8時間攪拌した。溶液を濃縮したあと酢酸エチル500mlと水300mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−E 28.5g(61mmol)を得た。
化合物(78)−D 24.4g(0.1mol)をN−メチル−ピロリジノン200mlに加えて攪拌し、室温にてtert−ブチルジフェニルクロロシラン54.8g(0.22mol)を加え、更にイミダゾール27.2gを添加した。室温にて3時間攪拌した後、酢酸エチル500mlと希塩酸500mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をメタノール300mlとテトラヒドロフラン200mlに溶解し、水200mlに炭酸カリウム28gを溶解した溶液を加えて室温で8時間攪拌した。溶液を濃縮したあと酢酸エチル500mlと水300mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−E 28.5g(61mmol)を得た。
化合物(78)−Fの合成
化合物(78)−E 9.5g(20.4mmol)をトルエン30mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、塩化チオニル2mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン30mlに加えて攪拌し、化合物(78)−K 4.7g(20mol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却化にトリエチルアミン3ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸200ml希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−F 10.0g(14.3mmol)を得た。
化合物(78)−E 9.5g(20.4mmol)をトルエン30mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、塩化チオニル2mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン30mlに加えて攪拌し、化合物(78)−K 4.7g(20mol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却化にトリエチルアミン3ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン100mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸200ml希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−F 10.0g(14.3mmol)を得た。
化合物(78)−Gの合成
化合物(78)−F 20g(28.6mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解し、酢酸5mlを加え、次いでテトラブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフラン溶液、濃度1mol/l)を30ml加えて室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸200ml希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−G 13.0g(28.2mmol)を得た。
化合物(78)−F 20g(28.6mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解し、酢酸5mlを加え、次いでテトラブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフラン溶液、濃度1mol/l)を30ml加えて室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸200ml希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(78)−G 13.0g(28.2mmol)を得た。
化合物(78)−Hの合成
化合物(78)−G 13g(28.2mmol)をエタノール130mlに溶解し、10%パラジウム炭素を1.3g添加し、常圧下で水素添加した。触媒をセライト濾過してろ液を濃縮し、目的物の化合物(78)−H 9.3g(25mmol)を得た。
化合物(78)−G 13g(28.2mmol)をエタノール130mlに溶解し、10%パラジウム炭素を1.3g添加し、常圧下で水素添加した。触媒をセライト濾過してろ液を濃縮し、目的物の化合物(78)−H 9.3g(25mmol)を得た。
化合物(78)−Iの合成
化合物(78)−H 7.2g(19mmol)をN−メチル−ピロリジノン40mlに加えて攪拌し、5℃以下にてアクリロイルクロリド5mlを加えた。室温にて3時間攪拌した後、再び5℃以下に冷却して、ピリジン6mlと水6mlの混合溶液を滴下した。反応液に酢酸エチル200mlと希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
化合物(78)−H 7.2g(19mmol)をN−メチル−ピロリジノン40mlに加えて攪拌し、5℃以下にてアクリロイルクロリド5mlを加えた。室温にて3時間攪拌した後、再び5℃以下に冷却して、ピリジン6mlと水6mlの混合溶液を滴下した。反応液に酢酸エチル200mlと希塩酸200mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
化合物(78)、および(1−5)の合成
化合物(78)−I 4.5g(10.6mmol)をトルエン20mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、塩化チオニル1.1mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン20mlに加えて攪拌し、化合物(78)−C 1.61g(10mmol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却下にトリエチルアミン4ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン200mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル400ml希塩酸400mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(78) 1.8g(1.8mmol)と化合物(1−5) 2.5g(3.9mmol)とを得た。
(1−5) 1H−NMR:δ1.4−2.4(m,42H),δ2.67(m,2H),δ3.72(m,2H),δ4.11(t,4H),δ4.20(t,4H),δ4.79(m,2H),δ5.87(dd,2H),δ6.13(dd,2H),δ6.41(dd,2H),δ7.24(s,2H)
化合物(78)−I 4.5g(10.6mmol)をトルエン20mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、塩化チオニル1.1mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン20mlに加えて攪拌し、化合物(78)−C 1.61g(10mmol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却下にトリエチルアミン4ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン200mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル400ml希塩酸400mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(78) 1.8g(1.8mmol)と化合物(1−5) 2.5g(3.9mmol)とを得た。
(1−5) 1H−NMR:δ1.4−2.4(m,42H),δ2.67(m,2H),δ3.72(m,2H),δ4.11(t,4H),δ4.20(t,4H),δ4.79(m,2H),δ5.87(dd,2H),δ6.13(dd,2H),δ6.41(dd,2H),δ7.24(s,2H)
化合物(1−4)の合成
化合物(78) 1.0g(1.6mmol)をトルエン2.5mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.008ml、塩化チオニル0.16mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン2.5mlに加えて攪拌し、化合物trans−4−ヒロドキシシクロヘキサンカルボン酸メチル 0.4g(1.7mmol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却化にトリエチルアミン0.25ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン32mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸16ml希塩酸16mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(1−4)1.0g(1.3mmol)を得た。
(1−4) 1H−NMR:δ1.4−2.4(m,29H),δ2.67(m,2H),δ3.42(s,3H),δ3.69(m,1H),δ3.72(m,1H),δ4.11(t,2H),δ4.20(t,2H),δ4.79(m,1H),δ5.87(dd,1H),δ6.13(dd,1H),δ6.41(dd,1H),δ6.93(dd,1H),δ7.21(dd,1H)
化合物(78) 1.0g(1.6mmol)をトルエン2.5mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド0.008ml、塩化チオニル0.16mlを加え、70℃にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣にN−メチル−ピロリジノン2.5mlに加えて攪拌し、化合物trans−4−ヒロドキシシクロヘキサンカルボン酸メチル 0.4g(1.7mmol)を加え、5℃以下に冷却した。冷却化にトリエチルアミン0.25ml、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン32mgを順次加えたのち、5℃以下にて30分攪拌した後、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸16ml希塩酸16mlを加えて抽出し、有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の化合物(1−4)1.0g(1.3mmol)を得た。
(1−4) 1H−NMR:δ1.4−2.4(m,29H),δ2.67(m,2H),δ3.42(s,3H),δ3.69(m,1H),δ3.72(m,1H),δ4.11(t,2H),δ4.20(t,2H),δ4.79(m,1H),δ5.87(dd,1H),δ6.13(dd,1H),δ6.41(dd,1H),δ6.93(dd,1H),δ7.21(dd,1H)
実施例1
負の誘電率異方性を有する液晶MLC−6610(メルク社製)の100質量部に対し、(1−4)を0.5質量部、(1−5)を0.05質量部、Irg819(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア819)を0.1質量部添加して、液晶性組成物を得た。この組成物を評価用セル(A)、(B)に注入し、封止をした。評価用セル(A)には、ITO電極と配向膜(アンチパラレル水平配向)を形成した、セル厚5μmのKSRP−05/B111P1NSS(イー・エッチ・シー(株)製)を用いた。評価用セル(B)には、ITO電極を形成した、配向膜のない、セル厚5μmのKSSZ−05/B111P1NSS(イー・エッチ・シー(株)製)にHg−Xe灯を1500mJ/cm2照射したものを用いた。
評価用セル(A)中の液晶組成物の誘電率異方性を周波数応答アナライザ(東陽テクニカ社製、1255B)を用いて測定した。誘電率異方性は、周波数100〜1000Hzの範囲で測定し、100、400、1000Hzにおける測定結果の平均値を測定値とした。結果を表1に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−4)、(1−5)の誘電率異方性は、各々−12.4、−10.8であった。
負の誘電率異方性を有する液晶MLC−6610(メルク社製)の100質量部に対し、(1−4)を0.5質量部、(1−5)を0.05質量部、Irg819(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア819)を0.1質量部添加して、液晶性組成物を得た。この組成物を評価用セル(A)、(B)に注入し、封止をした。評価用セル(A)には、ITO電極と配向膜(アンチパラレル水平配向)を形成した、セル厚5μmのKSRP−05/B111P1NSS(イー・エッチ・シー(株)製)を用いた。評価用セル(B)には、ITO電極を形成した、配向膜のない、セル厚5μmのKSSZ−05/B111P1NSS(イー・エッチ・シー(株)製)にHg−Xe灯を1500mJ/cm2照射したものを用いた。
評価用セル(A)中の液晶組成物の誘電率異方性を周波数応答アナライザ(東陽テクニカ社製、1255B)を用いて測定した。誘電率異方性は、周波数100〜1000Hzの範囲で測定し、100、400、1000Hzにおける測定結果の平均値を測定値とした。結果を表1に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−4)、(1−5)の誘電率異方性は、各々−12.4、−10.8であった。
封止直後の評価用セル(B)の配向状態を、偏光顕微鏡を用いてクロスニコル下で観察したところ、電圧無印加時に流動性配向が見られ、水平配向と垂直配向が混在した状態であった。
その後、流動性配向の消去等のため、評価用セル(B)を90℃で30分アニール処理し、冷却後、無偏光の紫外線を300mJ/cm2照射し、モノマーを架橋した。その後配向を観察したところ、電圧無印加時に、評価用セル(B)の全領域が暗視野となっており、完全に垂直配向していた。測定器BM5A(TOPCON社製)を用いて黒表示、白表示におけるパネル法線方向の輝度を測定し、正面コントラスト(=白表示/黒表示)を算出した。結果を表2に示す。
その後、流動性配向の消去等のため、評価用セル(B)を90℃で30分アニール処理し、冷却後、無偏光の紫外線を300mJ/cm2照射し、モノマーを架橋した。その後配向を観察したところ、電圧無印加時に、評価用セル(B)の全領域が暗視野となっており、完全に垂直配向していた。測定器BM5A(TOPCON社製)を用いて黒表示、白表示におけるパネル法線方向の輝度を測定し、正面コントラスト(=白表示/黒表示)を算出した。結果を表2に示す。
実施例2
実施例1において、化合物(1−4)を下式(1−6)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−6)の誘電率異方性は、−12.1であった。
実施例1において、化合物(1−4)を下式(1−6)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−6)の誘電率異方性は、−12.1であった。
実施例3
実施例1において、化合物(1−4)を下式(1−7)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−7)の誘電率異方性は、−11.9であった。
実施例1において、化合物(1−4)を下式(1−7)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。外挿法により求められる例示化合物(1−7)の誘電率異方性は、−11.9であった。
実施例4
実施例1において、化合物(1−5)を下式(2−9)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。
実施例1において、化合物(1−5)を下式(2−9)で表される化合物に代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。
比較例1
実施例1において、化合物(1−4)、(1−5)をそれぞれ下式(3−1),(3−2)で表されるに代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。
実施例1において、化合物(1−4)、(1−5)をそれぞれ下式(3−1),(3−2)で表されるに代えた以外は全く同様にして液晶組成物を得て、実施例1と同じ条件で誘電率とコントラストを評価した。結果を表1、2に示す。
上記の実施例1〜4、比較例1で測定した誘電率を表に示す。
上記の実施例1〜4、比較例1で測定した正面コントラストを表に示す。
表1に示すとおり、本発明では高いコントラスト比を得ることができた。
Claims (5)
- 分子長軸と直交する方向の誘電率が分子長軸方向の誘電率がより高い、負の誘電率異方性を有する重合性化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする液晶組成物。
- 前記液晶組成物が負の誘電率異方性を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
- 前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物が下記一般式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶組成物。
- 前記液晶組成物を基板間に挟持した液晶表示装置で、前記負の誘電率異方性を有する重合性化合物を含む重合性成分を架橋硬化した層が液晶層界面に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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