JP2007262025A - ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法 - Google Patents

ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007262025A
JP2007262025A JP2006092200A JP2006092200A JP2007262025A JP 2007262025 A JP2007262025 A JP 2007262025A JP 2006092200 A JP2006092200 A JP 2006092200A JP 2006092200 A JP2006092200 A JP 2006092200A JP 2007262025 A JP2007262025 A JP 2007262025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
compound represented
reaction
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006092200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5057301B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Hirakue
勝彦 平久江
Masahiro Kusano
正浩 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Yuki Gosei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Yuki Gosei Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK, Yuki Gosei Kogyo Co Ltd filed Critical YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Priority to JP2006092200A priority Critical patent/JP5057301B2/ja
Publication of JP2007262025A publication Critical patent/JP2007262025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5057301B2 publication Critical patent/JP5057301B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】ホルミルフェニル基又はアセタール置換フェニル基を有するジアルキルシラノール化合物およびその製造方法の提供。
【解決手段】一般式(1)
Figure 2007262025

(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラノール化合物およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体用絶縁膜機能性樹脂や液晶化合物の原料として有用な化合物であるジアルキルシラノール化合物およびその製造方法に関する。
ホルミルフェニル基を有するシロキサンは、高い官能基変換能を有しており、半導体関連分野においてポリベンゾオキサゾールの原料、又は液晶化合物の原料として有用である。当該シロキサンを合成する方法としては、テトラメチルジフェニルジシロキサン−4,4′−ジカルボン酸クロリドをトリ−tert−ブトキシリチウムアルミニウムハイドライドにより還元する方法が知られている〔非特許文献1〕。この方法は高価な還元剤を基質に対して2当量以上必要とし、また収率も40%であり、工業的製法としてはとても満足いくものではない。
一方、ホルミルフェニル基を有するジアルキルシラノール化合物が合成できれば、脱水縮合反応により容易に当該シロキサンを合成することが可能と思われるが、それらの合成例はこれまで報告されていない。さらに、その前駆体となり得るアセタール置換フェニル基を有するジアルキルシラノール化合物の合成例もこれまで報告されていない。
また、ホルミルフェニル基又はアセタール置換フェニル基を有するジアルキルシラノール化合物の前駆体としては、ホルミルフェニル基又はアセタール置換フェニル基を有する、ジアルキルシラン化合物、ジアルキルオルガノオキシ化合物が考えられるが、そのような化合物のうち、4−ホルミルフェニルジメチルシラン〔非特許文献1〕、2−(4−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキソラン〔非特許文献2〕、〔4−(ジメトキシメチル)フェニル〕メトキシジメチルシラン〔非特許文献3〕が既に知られている。
しかし、4−ホルミルフェニルジメチルシランは4−シアノフェニルジメチルクロロシランを2当量のジイソブチルアルミニウムハイドライドにより還元して得られるが、高価な還元剤を使用し、また収率は11%と非常に低いものである。〔4−(ジメトキシメチル)フェニル〕メトキシジメチルシランは、4−(ジメトキシメチル)ブロモベンゼンを−78℃にてリチオ化した後、ジメチルジメトキシシランと反応させて得られるが、極低温下の反応であり、また収率も58%と低く、満足いくものではない。
Synthetic Communications,20巻(7号),1990年,1033〜1037頁 J.Chem.Soc.,Dalton Transactions,(7),2001年,1123〜1127頁 Helvetica Chimica Acta,85巻(10号),2002年,3185〜3196頁
本発明の目的は、ホルミルフェニル基又はアセタール置換フェニル基を有するジアルキルシラノール化合物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するにあたり鋭意研究を重ねた結果、ホルミルフェニル基又はアセタール置換フェニル基を有するジアルキルシラノール化合物およびその製造方法を見出し、本発明をなすにいたった。
すなわち、本発明の第1は、一般式(1)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラノール化合物に関する。
本発明の第2は、一般式(2)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラン化合物を、触媒の存在下に水と反応させることを特徴とする、一般式(1)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラノール化合物の製造方法に関する。
本発明の第3は、一般式(3)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、水と反応させることを特徴とする、一般式(1)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラノール化合物の製造方法に関する。
以下、本発明につき更に詳しく説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。本発明の化合物において、Rは、ホルミル基、ジメトキシメチル基、
Figure 2007262025
メトキシ(エトキシ)メチル基、
Figure 2007262025
ジエトキシメチル基
Figure 2007262025
などの非環状アセタール基、又は1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基などの環状アセタール基が、RおよびRは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの同一又は異なってもよいアルキル基が、Rは、メチル基、エチル基などのアルキル基、又はフェニル基などのアリール基が、Rは、ホルミル基、又は1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基などの環状アセタール基が、Rは、ジメトキシメチル基、メトキシ(エトキシ)メチル基、ジエトキシメチル基などの非環状アセタール基が、Rは、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキサニル基などの環状アセタール基、又はジメトキシメチル基、メトキシ(エトキシ)メチル基、ジエトキシメチル基などの非環状アセタール基が、Rは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェニルオキシ基などのアリールオキシ基、又は塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が、Xは、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
まず、一般式(1)で表されるジアルキルシラノール化合物の製造方法を[イ−1](請求項2に対応)及び[イ−2](請求項3に対応)に記載する。
[イ−1].一般式(1)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラノール化合物は、一般式(2)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラン化合物を、触媒(A)の存在下に水と反応させることにより製造することができる。
触媒(A)は、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金族元素を含有する白金族触媒、テトラブチルアンモニウムフルオリド、水酸化ナトリウムなどの塩基触媒が挙げられる。白金族触媒は、白金族元素を含有する触媒であれば特に制限されない。例えば、アルミナ、シリカ、活性炭などの担体に担持した白金族触媒が挙げられる。触媒(A)として、好ましくはパラジウム炭素触媒である。触媒(A)の使用量は一般式(2)で表される化合物に対して0.01質量%以上(白金族触媒の場合は金属換算で5×10−4質量%以上)であり、好ましくは0.01〜10質量%(白金族触媒の場合は金属換算で5×10−4〜0.5質量%)である。
水の使用量は一般式(2)で表される化合物に対して1倍モル以上であり、好ましくは1〜5倍モルである。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(2)で表される化合物と触媒(A)を仕込み、これに水を滴下してもよく、あるいは、水と触媒(A)を仕込んだ後、一般式(2)で表される化合物を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。
また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、水素ガスが発生するため不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応終了後、目的物を単離するには、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法が使用できる。
[イ−2]また、一般式(1)で表されるジアルキルシラノール化合物は、一般式(3)

Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、水と反応させることにより製造することができる。
水の使用量は一般式(3)で表される化合物に対して1倍モル以上であり、好ましくは1〜10倍モルである。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(3)で表される化合物を仕込み、これに水を滴下してもよく、あるいは、水を仕込んだ後、一般式(3)で表される化合物を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用しても良く、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。反応終了後、目的物を単離するには、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法が使用できる。
次に、一般式(1)で表されるジアルキルシラノール化合物の原料である一般式(2)で表されるジアルキルシラン化合物の製造方法を[ロ−1]及び[ロ−2]に記載する。
[ロ−1]一般式(2)で表されるジアルキルシラン化合物において、Rが環状アセタール基又は非環状アセタール基の場合、すなわち、一般式(6)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rは環状アセタール基又は非環状アセタール基を示す。)
で表される化合物は、一般式(7)
Figure 2007262025
(式中、Rは環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される芳香族ハロゲン化物とマグネシウムとから得られる一般式(8)
Figure 2007262025
(式中、Rは環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表されるグリニヤール試薬に、一般式(9)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を示す。)
で表される有機ケイ素化合物を反応させることにより製造することができる。
なお、前記一般式(6)の化合物において、Rが非環状アセタール基の場合、すなわち一般式(10)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rは非環状アセタール基を示す。)
で表される化合物は新規化合物であるが、Rが環状アセタール基やホルミル基の場合は公知化合物である。
一般式(8)で表されるグリニヤール試薬は、一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化物とマグネシウムとから通常の条件(溶媒としてエーテル類をマグネシウムに対し2当量以上使用し、−20℃〜還流温度程度にて反応を行う。)により調製することができる。
一般式(6)で表される化合物の製造において、一般式(9)で表される有機ケイ素化合物の使用量は、一般式(8)で表されるグリニヤール試薬に対して0.8倍モル以上であり、好ましくは0.95〜1.0倍モルである。
原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(8)で表されるグリニヤール試薬を仕込み、これに一般式(9)で表される有機ケイ素化合物を滴下してもよく、あるいは、一般式(9)で表される有機ケイ素化合物を仕込んだ後、一般式(8)で表されるグリニヤール試薬を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応はチッソ、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
[ロ−2]また、一般式(2)で表されるジアルキルシラン化合物において、Rがホルミル基の場合、すなわち、一般式(11)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるホルミルフェニルジアルキルシランは、一般式(6)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rは環状アセタール基又は非環状アセタール基を示す。)
で表される化合物を、酸触媒(B)の存在下に加水分解させるか、又は酸触媒(B)の存在下にケトン類と反応させることにより製造することができる。
酸触媒(B)は特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸などの有機酸、活性白土などの固体酸などが挙げられる。酸触媒(B)の使用量は一般式(6)で表される化合物に対して0.01質量%以上であり、好ましくは0.01〜10質量%である。
水の使用量は一般式(6)で表される化合物に対して1倍モル以上、好ましくは10〜50倍モルである。
ケトン類は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。ケトン類の使用量は一般式(6)で表される化合物に対して1倍モル以上、好ましくは10〜50倍モルである。
原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(6)で表される化合物と酸触媒(B)を仕込み、これに水又はケトン類を滴下してもよく、あるいは、酸触媒(B)と水、又は酸触媒(B)とケトン類を仕込んだ後、一般式(6)で表される化合物を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。反応終了後、目的物を単離するには、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法が使用できる。
続いて、一般式(1)で表されるジアルキルシラノール化合物の原料である一般式(3)で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物の製造方法を[ハ−1]及び[ハ−2]に記載する。
[ハ−1]一般式(3)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物は、一般式(2)
Figure 2007262025
(式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルシラン化合物を、触媒(C)の存在下にアルコール類と反応させることにより製造することができる。
前記一般式(3)の化合物において、Rが非環状アセタール基である場合の化合物は公知化合物であるが、Rがホルミル基又は環状アセタール基である場合、すなわち一般式(12)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示し、Rはホルミル基又は環状アセタール基を示す。)
で表される化合物は新規化合物である。
触媒(C)は、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金族元素を含有する白金族触媒、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ナトリウムメトキシドなどの塩基触媒が挙げられる。白金族触媒は、白金族元素を含有する触媒であれば特に制限されない。例えば、活性炭、アルミナ、シリカなどの担体に担持した白金族触媒が挙げられる。触媒(C)として、好ましくはパラジウム炭素触媒である。触媒(C)の使用量は一般式(2)で表される化合物に対して0.01質量%以上(白金族触媒の場合は金属換算で5×10−4質量%以上)であり、好ましくは0.01〜10質量%(白金族触媒の場合は金属換算で5×10−4〜0.5質量%)である。
アルコール類はメタノール、エタノールなどが、アリールアルコール類はフェノール、クレゾールなどが挙げられる。アルコール類又はアリールアルコール類の使用量は一般式(2)で表される化合物に対して1倍モル以上であり、好ましくは1〜10倍モルである。
原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(2)で表される化合物と触媒(C)を仕込み、これにアルコール類又はアリールアルコール類を滴下してもよく、あるいは、アルコール類又はアリールアルコール類と触媒(C)とを仕込んだ後、一般式(2)で表される化合物を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、水素ガスが発生するため不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応終了後、目的物を単離するには、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法が使用できる。
[ハ−2]一般式(3)で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物においてRがホルミル基の場合、すなわち、一般式(13)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
で表される化合物は、一般式(14)
Figure 2007262025
(式中、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示し、Rは環状アセタール基又は非環状アセタール基を示す。)
で表される化合物を、酸触媒(D)の存在下にケトン類と反応させることにより製造することができる。
酸触媒(D)は特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸などの有機酸、活性白土などの固体酸が挙げられる。酸触媒(D)の使用量は一般式(14)で表される化合物に対して0.01質量%以上であり、好ましくは0.01〜10質量%である。
ケトン類は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。ケトン類の使用量は一般式(14)で表される化合物に対して1倍モル以上、好ましくは10〜50倍モルである。
原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(14)で表される化合物と酸触媒(D)を仕込み、これにケトン類を滴下してもよく、あるいは、酸触媒(D)とケトン類を仕込んだ後、一般式(14)で表される化合物を滴下してもよい。
反応において溶媒は必要としないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応時間は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜8時間以内で終了する。また、反応は空気雰囲気下で行うことができるが、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。反応終了後、目的物を単離するには、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法が使用できる。
(1)本発明により、新規なジアルキルシラノール化合物およびそれらの製造方法を提供することができた。
(2)また、本発明は前記ジアルキルシラノール化合物を製造する原料として好適な化合物を提供することができた。
以下、本発明を調製例及び実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)〈4−ジメトキシメチルフェニルマグネシウムブロミドの調整〉
3Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、マグネシウム44.1g(1.82モル)とテトラヒドロフラン1308gを仕込んだ。その後、冷媒にて内温を0〜5℃に冷却した後、滴下ロートより4−ブロモベンズアルデヒドジメチルアセタール(アルドリッチ社製)400g(1.73モル)を内温が20℃を越えないように3時間かけて滴下した。その後、内温を20〜30℃に保ち15時間熟成を行い、下記式で示すグリニヤール試薬(4−ジメトキシメチルフェニルマグネシウムブロミド)を調製した。
Figure 2007262025
(2)〈4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランの調整〉
次いで、冷媒にて内温を0〜5℃に冷却した後、滴下ロートよりクロロジメチルシラン157g(1.66モル)を、内温が20℃を越えないように3時間かけて滴下した。その後、内温を20〜30℃に保ち1時間熟成を行った。続いて、5Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付けた。このフラスコに、水800g及びトルエン800gを仕込み、冷媒にて内温を0〜5℃に冷却した後、先ほどの反応で得られた混合物を滴下ロートより、内温が30℃を越えないように10分かけて滴下した。その後得られた溶液を5Lの分液ロートに移し、有機層と水層に分けた。さらに得られた有機層を水800gにて2回洗浄し、有機層2106gを得た。この溶液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液441gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点92℃/150Pa)して、無色液体の4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン333g(1.58モル)が得られた。収率は95.1%(クロロジメチルシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.34(d,J=4.0Hz,6H),3.30(s,6H),4.43(sept,J=4.0Hz,1H),5.36(s,1H),7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−3.70,52.57,102.87,125.93,133.67,137.43,138.77
GC−MS m/z(relative intensity):210(5.4,M),196(9.0),180(100),164(8.1),151(21),135(5.4),121(41),105(15),91(14),75(35),59(14)
調製例1〈4−ホルミルフェニルジメチルシランの調整〉
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付けた。このフラスコに、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸12.0g(0.0476モル)、水34.2g(1.90モル)及びテトラヒドロフラン600gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、実施例1で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン200g(0.951モル)を添加し、そのままの温度で1時間熟成を行った。そして、トルエン500g、水500gを添加した後、得られた溶液を3Lの分液ロートに移し有機層と水層に分けた。さらに得られた有機層を水500gで2回洗浄し、有機層1055gを得た。この溶液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液192gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点84℃/665Pa)して、無色液体の4−ホルミルフェニルジメチルシラン120g(0.732モル)が得られた。収率は76.9%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.37(d,J=4.0Hz,6H),4.46(sept,J=4.0Hz,1H)7.68(d,J=8.4Hz,2H),7.81(d,J=8.4Hz,2H),9.97(s,1H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−4.03,128.40,134.24,136.47,145.66,191.98
GC−MS m/z(relative intensity):163(58,M),149(100),133(8.1),119(7.2),105(17),89(6.3),77(9),59(6.3)
実施例2〈4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランの調整〉
300mLの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、5%パラジウム炭素触媒0.50g及びメタノール100g(3.13モル)を仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、実施例1で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン100g(0.475モル)を滴下し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。触媒をろ過により除去後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液113gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点114℃/390Pa)して、無色液体の4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン79.4g(0.330モル)が得られた。収率は69.5%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.38(s,6H),3.32(s,6H),3.42(s,3H),5.37(s,1H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.56(d,J=8.0Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−2.18,50.65,52.76,103.03,125.97,133.21,137.51,139.23
GC−MS m/z(relative intensity):240(1.0,M),226(34),210(100),195(10),179(12),163(2.7),149(11),135(13),119(6.3),105(8.1),89(9.0),75(12),59(16)
実施例3〈4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラノールの調整〉
20mLの3つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌子を取り付け、このフラスコに、水3.0g(0.167モル)、テトラヒドロフラン10gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、実施例2で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン6.00g(0.025モル)を滴下し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。トルエン20gを添加後、分液ロートにて有機層と水層に分液し、得られた有機層をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液4.93gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点125℃/200Pa)して、無色液体の4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラノール1.10g(4.86ミリモル)が得られた。収率は19.4%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.36(s,6H),3.29(s,6H),4.14(bs,1H),5.35(s,1H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):0.13,52.65,102.91,125.91,132.81,138.86,139.43
GC−MS m/z(relative intensity):226(1.0,M),196(100),180(2.7),165(14),151(2.0),135(9.0),119(4.4),105(5.4),91(10),75(33),59(3.6)
実施例4〈4−ホルミルフェニルジメチルメトキシシランの調整〉
500mLの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、活性白土5.0g、アセトン300g(5.17モル)を仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、実施例2で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン50.0g(0.208モル)を滴下し、さらにそのままの温度で30分熟成を行った。活性白土をろ過により除去後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液48.7gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点98℃/360Pa)して、無色液体の4−ホルミルフェニルジメチルメトキシシラン17.7g(0.0911モル)が得られた。収率は43.8%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.41(s,6H),3.46(s,3H),7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.85(d,J=8.0Hz,2H),9.99(s,1H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−2.38,50.55,128.42,133.61,136.71,145.41,191.94
GC−MS m/z(relative intensity):194(6.3,M),180(100),163(2.0),149(51),133(4.0),119(10),105(7.2),89(17),77(4.6),59(28)
実施例5〈4−ホルミルフェニルジメチルシラノールの調整〉
50mLの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、水5.0g(0.278モル)、テトラヒドロフラン40.0gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、実施例4で得られた4−ホルミルフェニルジメチルメトキシシラン16.1g(0.0829モル)を滴下し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。得られた溶液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液15.4gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点128℃/280Pa)して、無色液体の4−ホルミルフェニルジメチルシラノール6.40g(0.0355モル)が得られた。収率は42.8%(4−ホルミルフェニルジメチルメトキシシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.40(s,6H),4.20(bs,1H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.7585(d,J=8.0Hz,2H),9.89(s,1H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):0.00,128.54,133.36,136.38,147.58,192.68
GC−MS m/z(relative intensity):180(11,M),165(100),137(3.6),121(4.5),105(3.6),91(10),75(15),61(2.7)
調製例2〈2−(p−ブロモフェニル)−1,3−ジオキサンの調整〉
200mLの4つ口フラスコにDean−Stark装置、温度計、及び撹拌子を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ブロモベンズアルデヒド100g(0.540モル)及び1,3−プロパンジオール41.1g(0.540モル)、活性白土5g、トルエン200gを仕込んだ。その後、加熱還流することにより系外へ生成した水を留去した。活性白土をろ過により除去後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固し、濃縮残133gを得た。次いで、この濃縮残をヘキサン200gにて再結晶・減圧乾燥して、白色結晶の2−(p−ブロモフェニル)−1,3−ジオキサン105g(0.432モル)が得られた。収率は79.9%(ブロモベンズアルデヒドに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):1.41−1.46(m,1H),2.18−2.23(m,1H),3.92−3.99(m,2H),4.22−4.26(m,2H),5.43(s,1H),5.45(s,1H),7.33(d,J=8.61Hz,2H),7.46(d,J=8.61Hz,2H)
GC−MS m/z(relative intensity):243(100,M),185(90),163(20),105(55),87(76),77(78),59(12)
調製例3
(1)〈4−(1,3−ジオキサン−2−イル)フェニルマグネシウムブロミドの調整〉
1Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌子を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、マグネシウム10.5g(0.432モル)及びテトラヒドロフラン16g(0.222モル)を仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、調製例2で得られた2−(p−ブロモフェニル)−1,3−ジオキサン100g(0.411モル)のテトラヒドロフラン280g(3.88モル)を滴下ロートより内温が20℃を越えないように、1時間かけて滴下した。その後、そのままの温度で2時間熟成を行い、グリニヤール試薬〔4−(1,3−ジオキサン−2−イル)フェニルマグネシウムブロミド〕を調製した。
Figure 2007262025
(2)〈2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサンの調整〉
次に、前記(1)で得られたグリニヤール試薬含有溶液に内温が20℃を越えないように、滴下ロートよりクロロジメチルシラン36.9g(0.390モル)を15分かけて滴下した。その後、内温を20〜30℃に保ち1時間熟成を行った。続いて、トルエン200gを添加した後、冷媒にて冷却下内温が20℃を越えないように、滴下ロートより水200gを滴下した。その後得られた溶液を1Lの分液ロートに移し、有機層と水層に分けた。さらに得られた有機層を水200gにて2回洗浄し、有機層546gを得た。この溶液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液102gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点144℃/390Pa)して、無色液体の2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサン56.9g(0.256モル)が得られた。収率は65.6%(クロロジメチルシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.31(d,J=3.9Hz,6H),1.35−1.38(m,1H),2.15−2.18(m,1H),3.88−3.95(m,2H),4.18−4.22(m,2H),4.40−4.42(m,1H),5.44(s,1H),7.43(d,J=7.8Hz,2H),7.51(d,J=7.8Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−3.73,25.74,67.18,101.26,125.15,133.63,137.76,139.351
GC−MS m/z(relative intensity):222(58,M),208(14),179(5.0),163(100),149(37),135(22),121(34),105(50),87(45),77(12),59(20)
実施例6〈2−(p−ジメチルメトキシシリルフェニル)−1,3−ジオキサンの調整〉
50mLの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌子を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、メタノール15.0g(0.469モル)及び5%パラジウム炭素触媒0.075gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、調製例3で得られた2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサン15.0g(0.0675モル)を滴下し、さらにそのままの温度で10分間熟成を行った。触媒をろ過により除去後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液16.7gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点138℃/180Pa)して、無色液体の2−(p−ジメチルメトキシシリルフェニル)−1,3−ジオキサン9.35g(0.0370モル)が得られた。収率は54.9%〔2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサンに対して〕であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.35(s,6H),1.35−1.40(m,1H),2.13−2.22(m,1H),3.38(s,3H),3.89−3.96(m,2H),4.19−4.23(m,2H),5.46(s,1H),7.47(d,J=7.8Hz,2H),7.54(d,J=7.8Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):−2.32,25.68,50.42,67.12,101.16,125.14,133.08,137.66,139.71
GC−MS m/z(relative intensity):252(48,M),238(100),208(6.0),194(17),179(34),163(80),151(25),135(9.0),121(22),105(33),89(36),77(6.0),59(40)
実施例7〈2−(p−ジメチルヒドロキシシリルフェニル)−1,3−ジオキサンの調整〉
50mLの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート、及び撹拌子を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、水5.0g(0.278モル)、テトラヒドロフラン10g及び5%パラジウム炭素触媒0.075gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、調製例3で得られた2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサン15.0g(0.0675モル)を滴下し、さらにそのままの温度で10分間熟成を行った。触媒をろ過により除去後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮液18.2gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点168℃/180Pa)して、無色液体の2−(p−ジメチルヒドロキシシリルフェニル)−1,3−ジオキサン10.2g(0.0428モル)が得られた。収率は63.4%(2−(p−ジメチルシリルフェニル)−1,3−ジオキサンに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
Figure 2007262025
H−NMR(400MHz,δ in CDCl):0.30(s,6H),1.39−1.43(m,1H),2.13−2.25(m,1H),2.90(s,1H),3.91−3.97(m,2H),4.20−4.24(m,2H),5.45(s,1H),7.41(d,J=7.8Hz,2H),7.48(d,J=7.8Hz,2H)
13C−NMR(100MHz,δ in CDCl):0.06,25.73,67.27,101.43,125.16,132.76,139.34,139.85
GC−MS m/z(relative intensity):238(58,M),224(46),179(29),163(100),151(4.0),137(48),121(9.0),105(50),87(57),75(47),59(17)

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2007262025
    (式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
    で表されるジアルキルシラノール化合物。
  2. 一般式(2)
    Figure 2007262025
    (式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
    で表されるジアルキルシラン化合物を、触媒の存在下に水と反応させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 2007262025
    (式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
    で表されるジアルキルシラノール化合物の製造方法。
  3. 一般式(3)
    Figure 2007262025
    (式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示し、Rはアルキル基又はアリール基を示す。)
    で表されるジアルキルオルガノオキシシラン化合物を、水と反応させることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 2007262025
    (式中、Rはホルミル基、環状アセタール基又は非環状アセタール基を示し、RおよびRは同一又は異なってもよいアルキル基を示す。)
    で表されるジアルキルシラノール化合物の製造方法。
JP2006092200A 2006-03-29 2006-03-29 ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法 Active JP5057301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006092200A JP5057301B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006092200A JP5057301B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009082414A Division JP5057309B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 ジアルキルシラン化合物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007262025A true JP2007262025A (ja) 2007-10-11
JP5057301B2 JP5057301B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=38635368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006092200A Active JP5057301B2 (ja) 2006-03-29 2006-03-29 ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5057301B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110452709A (zh) * 2018-05-07 2019-11-15 达兴材料股份有限公司 含硅化合物、使用此含硅化合物的液晶组合物及液晶显示装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57188597A (en) * 1981-05-14 1982-11-19 Yuki Gosei Yakuhin Kogyo Kk Preparation of 1,4-bis(hydroxydialkylsilyl)benzene
JPS63287785A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物の製造方法
JPH03157388A (ja) * 1989-11-14 1991-07-05 Yuki Gosei Kogyo Co Ltd シラノール類の製造方法
JPH03215490A (ja) * 1990-01-17 1991-09-20 Yuki Gosei Kogyo Co Ltd ジフェニルスルフィド類、その製造法およびその製造用中間体
JPH08231559A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Shin Etsu Chem Co Ltd 含ケイ素フェノール化合物
JP2004277417A (ja) * 2003-02-28 2004-10-07 Rikogaku Shinkokai シロキサン類,シラノール類及びシラン類,並びにその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57188597A (en) * 1981-05-14 1982-11-19 Yuki Gosei Yakuhin Kogyo Kk Preparation of 1,4-bis(hydroxydialkylsilyl)benzene
JPS63287785A (ja) * 1987-05-19 1988-11-24 Hitachi Chem Co Ltd 1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物の製造方法
JPH03157388A (ja) * 1989-11-14 1991-07-05 Yuki Gosei Kogyo Co Ltd シラノール類の製造方法
JPH03215490A (ja) * 1990-01-17 1991-09-20 Yuki Gosei Kogyo Co Ltd ジフェニルスルフィド類、その製造法およびその製造用中間体
JPH08231559A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Shin Etsu Chem Co Ltd 含ケイ素フェノール化合物
JP2004277417A (ja) * 2003-02-28 2004-10-07 Rikogaku Shinkokai シロキサン類,シラノール類及びシラン類,並びにその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110452709A (zh) * 2018-05-07 2019-11-15 达兴材料股份有限公司 含硅化合物、使用此含硅化合物的液晶组合物及液晶显示装置
JP2020002121A (ja) * 2018-05-07 2020-01-09 達興材料股▲ふん▼有限公司 シリコン含有化合物、これを用いる液晶組成物および液晶ディスプレイ
CN110452709B (zh) * 2018-05-07 2021-05-18 达兴材料股份有限公司 含硅化合物、使用此含硅化合物的液晶组合物及液晶显示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5057301B2 (ja) 2012-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2016118342A (ru) Получение производных гидрокси-бензилбензола
JP2009263316A (ja) 不完全縮合オリゴシルセスキオキサンの製造方法
JP2011111399A (ja) スピロ型シクロトリシロキサン誘導体、その製造方法、それを用いた製膜法及び膜
JP5057301B2 (ja) ジアルキルシラノール化合物およびその製造方法
JP5448572B2 (ja) アセチル化合物、該アセチル化合物の製造方法、および該アセチル化合物を使用したナフトール化合物の製造方法
JP5057309B2 (ja) ジアルキルシラン化合物およびその製造方法
JP5587350B2 (ja) ラメルテオンの調製方法
RU2620088C1 (ru) Способ получения разветвленных олигоарилсиланов на основе фенилоксазолов
JPH07330786A (ja) 光学活性3級ホスフィン化合物、これを配位子とする遷移金属錯体およびこれを用いる製造法
TW201412725A (zh) 新型茀化合物及其製造方法
JP4258658B2 (ja) アセチレン化合物の製造方法
JP4157361B2 (ja) 9−スピロフルオレン化合物の製造方法
JP4470886B2 (ja) 環状有機ケイ素化合物の製造方法
JP2002069026A (ja) (e)−3−メチル−2−シクロペンタデセノンの製造法
JP4667589B2 (ja) 2,4−ジヒドロキシピリジンの製造方法
JP2000256244A (ja) 4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール誘導体の製造法
JP3340760B2 (ja) パラ−第三級ブトキシフェニルジメチルカルビノールおよびその製造法
JP4144223B2 (ja) クロモン誘導体の製造方法
JPWO2005058859A1 (ja) 3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸アルキル化合物及び4−アシルテトラヒドロピランの製法
WO2021168072A1 (en) Efficient and selective route for the synthesis of alkyl 2-benzoylbenzoate
JP4215687B2 (ja) 光学活性なβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸誘導体の製造方法
JP4505876B2 (ja) 4−ハロベンゾフラン誘導体及びその製造方法
JP5213472B2 (ja) 1−アリール−3,4−ジヒドロ−1h−ナフタレン−2−オンの製造方法
JP2022172690A (ja) 化合物及びその製造方法
KR100927242B1 (ko) 알릴알렌 유도체와 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5057301

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250