JP2007261133A - 画像形成装置 - Google Patents

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Junichi Miyai
純一 宮井
Nobutomo Aoki
宣知 青木
Yoshiki Nakajima
好喜 中島
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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、廃液タンク内の廃インクの廃棄作業の頻度をできる限り少なくして、作業者の負担を軽減する。
【解決手段】ペーパー収容部1内の湿度を湿度検出センサ94で検出し、検出された湿度が所定値よりも小さいときには、廃液タンク65内で気化した水蒸気を送風ファン91により供給経路92を介してペーパー収容部1内に供給する一方、所定値以上であるときには、廃液タンク65内で気化した水蒸気を排気経路93を介して装置外部に排気する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来より、文字や画像(以下、文字や画像を総称して単に「画像」という)を記録する手段として、画像形成装置としてのインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
このインクジェットプリンタでは、筐体内に、長尺状のペーパーがプリント面を外側にしてロール状に巻かれた状態で収容されるペーパー収容部と、このペーパー収容部に収容されたペーパーを該ペーパー収容部から引き出して搬送する搬送機構と、この搬送機構によりペーパー収容部から引き出されて搬送されてきたペーパーに画像を形成する画像形成部とが設けられる。この画像形成部では、プリントヘッドが記録媒体に対して平行移動しつつ該プリントヘッドからインクを吐出して画像形成する。この種のインクジェットプリンタおいては、プリントヘッドのインク吐出ノズル(以下、単に、「ノズル」という)を適宜閉じる封止手段が、印刷を行っていない場合にプリントヘッドが待機するための待機位置に設けられている。
インクジェットプリンタは、封止手段(例えばキャップ装置)からプリントヘッドのノズルが解放されたまま、インク吐出しない状態に放置されると、ノズル孔先端にあるインクが増粘する。その結果、吐出能力の低下を招き、酷い場合にはノズル目詰まりに至るおそれがある。
このような問題を防止するため、インクジェットプリンタは、プリントヘッドの走査するプリント領域から外れた場所に設けたインク吸収材を配置したフラッシングポジションにおいて、「フラッシング」あるいは「空吐出」と呼ばれるプリントヘッドのノズルの吐出能力回復処理を行うように構成されている。
すなわち、インク吸収材等を配置したフラッシングポジションにおいて、プリントヘッドのアクチュエータを駆動して増粘したインクをノズル孔から強制排除するものである。そして、フラッシング後の廃インクは、廃液タンク内に回収されて貯留される。
特開2000−211163号公報 特開2003−237156号公報
ところで、フラッシング後の廃インクを廃液タンク内に貯留していくと、次第に廃液タンクの残タンク容量が不足することとなるから、所定の使用期間(例えば、3年)が経過する毎に廃液タンクから廃インクを廃棄する作業が必要となる。このような廃棄作業は、作業者にとって非常に面倒なものであるから、できるだけ廃棄頻度が少ない方が好ましい。そのため、廃液タンクのタンク容量を増量しておくことも考えられるが、廃液タンクの収容スペースが大きくなり、その結果、装置全体が大型化してしまうという問題がある。
一方、インクジェットプリンタが低湿度の環境下に設置されている場合、ペーパー収容部に収容されたままのペーパーが、長時間低湿度下に晒されることとなり、このようにペーパーが長時間低湿度下に晒されると、ペーパーの幅方向中央部が幅方向両端部に対してプリント面側へ突出するようにカールし易くなる。このようにカールしたペーパーが画像形成部へ搬送されて画像が形成されると、その画像の画質が低下してしまう。また、ペーパー表面が乾燥してヒビ割れする等の問題がある。
このように、従来の画像形成装置では、廃インクの廃棄頻度を少なくして作業者の負担を軽減したいという要望と、ペーパー収容部内のペーパーが低湿度下に晒されることによるペーパーへの悪影響を排除したいという要望とがあり、これらを解決するための発明が望まれていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置を大型化することなく、廃液タンク内の廃インクの廃棄作業の頻度をできる限り少なくして、作業者の負担を軽減することにある。
また、本発明の別の目的は、ペーパー収容部内が低湿度下に晒されることによるペーパーへの悪影響を防止することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置では、廃液タンク内の水分が気化してなる水蒸気を記録媒体収容部内に供給するようにした。
すなわち、請求項1の発明は、プリントヘッドからインクを記録媒体に対して吐出させて該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体を収容する記録媒体収容部と、
前記プリントヘッドから吐出した廃インクを回収して貯留する廃液タンクとを備え、
前記記録媒体収容部と前記廃液タンクとは互いに隣接するように配置され、該廃液タンク内の水分が気化してなる水蒸気が該記録媒体収容部内に供給されることを特徴とするものである。
従って、本発明によれば、記録媒体収容部と廃液タンクとを互いに隣接させて配置し、廃液タンク内の水分が気化してなる水蒸気を記録媒体収容部内に供給するようにしたから、廃液タンク内に貯留しているインク容量を減らして残タンク容量を確保することができる。
このように、廃インク成分の約60%を占める水分を水蒸気として廃液タンク内から除去することで、廃液タンクの残タンク容量に余裕が生まれ、その結果、廃インクの廃棄作業を行う頻度が少なくなり、作業者の負担を軽減することができる。
さらに、記録媒体収容部に収容された記録媒体が長時間低湿度下に晒されると、記録媒体の幅方向中央部が幅方向両端部に対してプリント面側へ突出するようにカールし易くなり、この記録媒体が画像形成部へ搬送されて画像が形成されると、その画像の画質が低下してしまうという不具合や、記録媒体の表面が乾燥してヒビ割れするという不具合に対しても、廃液タンク内で気化した水蒸気を有効活用することで解消することができる。
また、請求項2の発明は、前記廃液タンク内には、水分を吸収可能なスポンジ材が設けられていることを特徴とするものであってもよい。
さらに、請求項3の発明は、前記スポンジ材には、予め所定量の水が吸収されていることを特徴とするものであってもよい。
従って、これらの本発明によれば、装置の稼働開始直後であって、未だ廃液タンク内に十分な水分が貯留していない場合に、作業者が廃液タンクに水を補給する等して、廃液タンク内のスポンジ材に予め所定量の水を吸収させておくようにすれば、装置の稼働開始直後であっても、記録媒体収容部内を最適な湿度に設定するために必要となる水分を確保する上で有利となる。さらに、廃インクの廃棄作業時に、インクの染みこんだスポンジ材を廃棄するだけで、簡単に廃液タンク内を清掃できて作業性が向上する。
また、請求項4の発明は、前記廃液タンク内で気化した水蒸気を送風する送風ファンを備えたことを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、廃液タンク内で気化した水蒸気を送風する送風ファンを設けたから、水蒸気を記録媒体収容部内に効率良く供給することができる。
また、請求項5の発明は、前記記録媒体収容部内の湿度を検出する湿度検出手段を備え、
前記送風ファンは、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値よりも小さいときには、前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する一方、前記所定値以上であるときには、該記録媒体収容部内への水蒸気の供給を停止するように構成されていることを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、湿度検出手段の検出結果に基づいて、送風ファンにより記録媒体収容部内に水蒸気を供給するか否かを制御するようにしたから、記録媒体収容部内を最適な湿度に維持することができ、記録媒体の表面状態を良好に保つことができる。
また、請求項6の発明は、前記廃液タンクから前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する供給経路と、該廃液タンクから装置外部に水蒸気を排気する排気経路とが装置内部に設けられ、
前記送風ファンは、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値よりも小さいときには、前記供給経路を介して前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する一方、前記所定値以上であるときには、前記排気経路を介して装置外部に水蒸気を排気するように構成されていることを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、湿度検出手段の検出結果に基づいて、送風ファンにより、水蒸気を記録媒体収容部内に供給するか又は装置外部に排気するかを切り替えるから、記録媒体収容部内の加湿作業と廃液タンク内の水分の除去作業とを効率良く実施することができ、廃液タンク内の廃インクの廃棄頻度を少なくする上で有利となる。
また、請求項7の発明は、前記廃液タンク内に装置外部から水を補給する水補給手段を備えたことを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、水補給手段を、例えば、多量の水を貯留可能な水タンクを装置外部に設けてポンプ等により自動的に廃液タンク内に補給する構成としておき、廃液タンク内に貯留する水が少ないために十分な加湿効果が得られない場合に、水補給手段から自動的に廃液タンク内に水を補給するようにすれば、作業者がわざわざ廃液タンク内に水を補給する手間が省け、作業性が向上する。
また、請求項8の発明は、前記水補給手段は、前記送風ファンで前記記録媒体収容部内に水蒸気が供給された後、前記湿度検出手段により再検出された湿度が未だ所定値よりも小さい場合に、前記廃液タンク内に水を補給するように制御されることを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、送風ファンで水蒸気を供給したにもかかわらず、湿度検出手段で再検出した湿度が未だ所定値よりも低い場合に、廃液タンク内に十分な水分が貯留していなかったものと判断して、水補給手段により廃液タンク内に水が補給される。このため、廃液タンク内に貯留する水が少なかったとしても、その情報がフィードバックされて水補給手段により廃液タンク内に水が補給されることとなり、水不足が解消されて十分な加湿効果を得る上で有利となる。
また、請求項9の発明は、前記湿度検出手段により検出された湿度が30%以上75%以下の範囲内に維持されるように、前記送風ファンによる水蒸気の供給動作が制御されることを特徴とするものであってもよい。
従って、本発明によれば、記録媒体収容部内の湿度が、記録媒体の表面状態を良好に保つための30%以上75%以下の範囲内に維持されることとなり、記録媒体のヒビ割れやカールの発生等を防止する上で有利となる。
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置によれば、廃インクに含まれる水分を記録媒体収容部内に供給して、記録媒体の乾燥によるヒビ割れやカールの発生を防止するとともに、廃液タンク内に貯留しているインク残量を減らすことができる。このように、廃インク成分の60%を占める水分を廃液タンク内から除去することで、廃液タンクの残タンク容量に余裕が生まれることとなり、廃インクの廃棄作業を行う頻度が少なくなり、作業者の負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット式のプリンタAの構成を一部省略して示す斜視図である。このプリンタAは、写真プリントシステムに用いられるものであって、例えば、画像データの取得及びオーダー情報の取得を行い必要な補正処理等を行う受付ブロックから通信ケーブルを介して伝送される画像データを、オーダー情報に基づいてペーパーP(記録媒体)に対して印刷を行うように構成されている。
−全体構成−
図2はプリンタAの構成を一部省略して示す平面図、図3は背面図、図4は右側面図、図5は正面図、図6はプリンタAの概略構成を示す側面断面図である。図1〜図6に示すように、前記プリンタAは、ロール状のペーパPを収容するために装置下部に設けられたペーパー収容部1と、該ペーパー収容部1から引き出されたペーパPに対して画像データの記録印刷を行うように装置上部に設けられたプリント部2と、装置の側方(図3において左右両側)に配置され該プリント部2に供給されるインクを貯留しておくためのインク貯留部3,3とを備えている。
また、前記プリンタAの装置上部で、前記プリント部2の搬送方向下流側には、プリント後のペーパーPを所定のプリントサイズに切断するローラカッター部4、該ペーパーPの裏面に整理番号等を印字するための裏面印字ユニット5、ロール状に巻かれたペーパーPのカールを取り除いて排出するためのデカールユニット6、及び排出されたペーパーPを受け止めるための排出トレイ7が配設されている。なお、図6にのみ示すが、前記プリンタAは、前記排出トレイ7以外が本体カバー8によって覆われている。
前記ペーパー収容部1は、プリント部2のほぼ真下に位置していて、図6に示すように、ロール状に巻かれた長尺のペーパーPを、巻芯ローラにより保持した状態で収容するように構成されている。ここで、このペーパー収容部1は、プリンタA全体を覆う本体カバー8の一部をなすとともに開閉可能な扉部材12によって覆われており、この扉部材12を開放状態にすることで、前記ペーパーPの取り替え作業が行えるようになっている。
なお、本実施形態では、前記ペーパー収容部1に収容されるペーパーPの種類は1種類のみであるが、この形態に限定するものではなく、2種類以上のペーパーPを収容可能に構成しても構わない。
前記プリント部2は、ペーパーPに対してインクを吐出して画像を形成するプリントヘッドHと、プリントヘッドHの下方に設けられペーパーPをプリント位置に吸着保持するペーパー保持部Dとを備えている(詳細は図2及び図6参照)。
前記プリントヘッドHは、主走査方向に延びるガイドレール15に沿って移動可能に構成されている。具体的に、駆動モータ16の回転力がプーリを介して駆動ベルト17に伝達され、駆動ベルト17の回転量に応じてプリンタヘッドHが主走査方向に移動するようになっている。
さらに、プリントヘッドHは、副走査方向に並ぶ2つのヘッドユニット38,38(図6参照)を有しており、これらのヘッドユニット38,38に設けられているノズルからインクを吐出することで、ペーパーPに対して所定の画像や文字等を印刷できるようになっている。
前記インク貯留部3,3は、それぞれ、プリンタAの左右両側に配置された箱状のケース31,31を備えており、該ケース31,31内には、互いに色相の異なるインクが封入された7つのインクカートリッジ32,32,…が着脱可能に収容されている(図3では、左側に3つ、右側に4つのカートリッジが収容されている)。したがって、これらのインクカートリッジ32,32,…をケースから着脱することにより、使用中又は使用済みのものを新しいものに交換できるようになっている。
なお、これらのインクカートリッジ32,32,…には、各々、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)、バイオレット(V)及びクリア(CL:透明)の各インクが封入されている。
また、前記プリンタAの排出側から見て左側で、前記インク貯留部3とプリント部2との間の高さ位置には、インクカートリッジ32,32,…から供給されるインクを一時的に貯留するためのサブタンク52,52,…が設けられている。そして、これらのサブタンク52,52,…は、前記プリント部2のプリントヘッドHに繋がっていて、該プリントヘッドHのノズルからインクを吐出する際の負圧によってサブタンク52,52,…内のインクがプリントヘッドHへ供給されるようになっている。
−ペーパー搬送機構−
図6に示すように、前記プリンタAには、ロール状に巻かれた長尺のペーパーPを収容するペーパー収容部1が装置下部に設けられる一方、ペーパー収容部1からペーパーPを引き出して所定の搬送経路に沿って搬送しつつ画像のプリントや切断等の各種処理を行うペーパー搬送機構が収容された搬送機構収容部10が装置上部に設けられている。ここで、ペーパー収容部1と搬送機構収容部10とは区画壁11によって互いに区画されており、該区画壁11の一部にはペーパーP搬送用の開口部が形成されている。
なお、本実施形態では、前記ペーパー収容部1からペーパーPを供給する以外にも、手差しトレイ81から所定サイズのペーパーを供給できるように構成された手差し供給ユニットも備えているが、以下、主にペーパー収容部1からペーパーPを供給する場合について説明する。
前記ペーパー収容部1には、ロール状に巻かれた長尺のペーパーPが収容されており、該ペーパーPは、その先端部がロールから引き出されてガイドローラ41に巻き掛けられることで方向変換され、区画壁11の開口部を通ってペーパー搬送機構をなす搬送駆動ローラ43と該搬送駆動ローラ43に対向配置された一対の圧着ローラ44,44との間に挟み込まれる。
前記搬送駆動ローラ43の回転により搬送されたペーパーPは、搬送方向下流側のプリント部2に供給され、プリントヘッドHによってペーパーPに対して画像のプリントが行われる。
そして、プリント後のペーパーPは、プリント後搬送ローラ45によりローラカッター部4に送られて所定のプリントサイズに切断される。切断後のペーパーPは、切断後搬送ローラ46により裏面印字ユニット5に送られてペーパーPの裏面に整理番号等が印字された後、搬送ローラ47によりデカールユニット6に送られる。
前記デカールユニット6では、ロール状に巻かれたペーパーPのカールを取り除くために、デカールローラ48においてペーパーPのカール方向とは反対方向に曲げられた状態で搬送されることによりデカールが行われ、デカール後のペーパーPが排出ローラ49により排出トレイ7に排出される。なお、以下の説明において、前記印刷時においてペーパーPが搬送されるときの搬送上流側及び下流側を、それぞれ、単に上流側及び下流側ともいう。
以下、プリンタAの各構成要素について詳細に説明する。前記ペーパー収容部1には、ロール状に巻かれたペーパーPの他に、ペーパーPを巻き掛けてその先端部を区画壁11の開口部側に方向変換させるガイドローラ41と、ペーパー収容部1の気密性を保つために区画壁11の開口部を塞ぐ閉塞ローラ42と、ペーパー収容部1内の湿度を調整する加湿装置35とが配設されている。
前記加湿装置35は、ペーパー収容部1内に水分を供給して湿度調整を行うものであり、ペーパー収容部1内が乾燥してペーパーP表面にヒビ割れが生じることを防止している。なお、本実施形態では、後述するように、廃液タンク65に貯留した水分をペーパー収容部1内に供給して湿度調整を行う構成としているため、加湿装置35はあくまでも補助的に使用するか、又は全く使用しなくても構わない。これは、加湿装置35を使用する場合には、加湿装置35内のスポンジ材に水を補給する作業や経年劣化によるスポンジ材の交換作業を作業者がわざわざ行わなければならず、手間がかかるとともに作業性が低下するからである。
前記閉塞ローラ42は、前記加湿装置35によりペーパー収容部1内に供給された水分が、区画壁11の開口部から搬送機構収容部10側に拡散することを防止するとともに、外部からの湿気の浸入を防止して、ペーパー収容部1内の湿度を一定に保つものであり、ペーパー収容部1内の気密性を確保するための封止部材としての役割を有している。なお、閉塞ローラ42の少なくとも外周面を、例えばスポンジ材で構成すれば、開口部との密閉性を高めることができて好ましい。
以下、本発明の特徴部分である廃液タンク収容部66内の構成について説明する。前記プリンタA内における前記ペーパー収容部1よりも装置奥側(図6では右側)には、後述するプリンタヘッドHによるフラッシング後の廃インク等を貯留しておく廃液タンク65を収容するための廃液タンク収容部66が設けられている。
前記廃液タンク収容部66は、ペーパー収容部1を区画形成する区画壁11を隔てて互いに隣接するように配置されており、区画壁11の一部が開口して形成された供給経路92により、廃液タンク収容部66とペーパー収容部1とが連通している。また、前記廃液タンク収容部66の装置奥側の本体カバー8の一部が開口して形成された排気経路93により、廃液タンク収容部66と装置外部とが連通している。
そして、前記廃液タンク収容部66内部であって廃液タンク65の上方位置には、廃液タンク65内の水分が気化してなる水蒸気を送風する送風ファン91が配設されている。
前記ペーパー収容部1の上壁部には、該ペーパー収容部1内の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度検出センサ94が配設されている。
前記送風ファン91は、湿度検出センサ94により検出された湿度(相対湿度)が所定値よりも小さいときには、廃液タンク65内で気化した水蒸気を供給経路92を介してペーパー収容部1内に供給する一方、所定値以上であるときには、廃液タンク65内で気化した水蒸気を排気経路93を介して装置外部に排気するように構成されている。
なお、前記所定値としての湿度(相対湿度)は、ペーパー収容部1内を最適な湿度ないしその近傍に維持する観点から、30%以上75%以下の範囲内に設定することが好ましい。
また、前記廃液タンク65内には、水分を吸収可能なスポンジ材が設けられており、廃インクに含まれる水分が吸収されるようになっている。ここで、装置の稼働開始直後であって未だ廃液タンク65内に十分な水が貯留していない場合には、作業者が予め廃液タンク65内に水を補給するようにすればよい。このようにすれば、装置の稼働開始直後であっても、ペーパー収容部1内を最適な湿度に設定することができる。
ここで、前記送風ファン91で水蒸気をペーパー収容部1内に供給したにもかかわらず、湿度検出センサ94で再検出された湿度が未だ所定値よりも小さい場合がある。この原因として、廃液タンク65内に貯留している水分量が少ないため、十分な加湿効果が得られていないことが考えられる。そこで、廃液タンク65内に装置外部から水分を補給する水補給手段(図示せず)を備えた構成とすることが好ましい。
具体的に、前記水補給手段を、多量の水を貯留可能な水タンクを装置外部に設けてポンプ等により自動的に廃液タンク65内に水を補給する構成としておき、送風ファン91で水蒸気をペーパー収容部1内に供給したにもかかわらず、湿度検出センサ94で再検出した湿度が未だ所定値よりも低い場合に、廃液タンク65内に十分な水が貯留していなかったものと判断して、水補給手段により廃液タンク65内に水を補給するようにしている。
このように、廃液タンク65内に貯留する水が少なかったとしても、その情報がフィードバックされて水補給手段により廃液タンク65内に水が補給されることとなり、水不足が解消されて十分な加湿効果を得る上で有利となる。これにより、作業者がわざわざ廃液タンク65内に水を補給する手間が省け、作業性が向上する。また、この水補給手段を用いれば、装置の稼働開始直後であって未だ廃液タンク65内に十分な水が貯留していない場合にも、作業者が予め水を補給する必要がなく作業性が向上する。
以上のように、本実施形態では、廃液タンク65内の水分が気化してなる水蒸気を、送風ファン91によりペーパー収容部1内に供給して、ペーパー収容部1内を最適な湿度ないしその近傍(30〜75%程度)に維持するようにしたので、プリンタAが低湿度の環境下に設置されている場合において、作業者がプリント作業終了後においてもプリントペーパPをペーパー収容部1内に収容した状態にしておいても、ペーパー収容部1内が低湿度状態になるようなことはなく、ペーパーPの幅方向中央部が幅方向両端部に対してプリント面側へ突出するようなカールの発生を防止することができる。この結果、インクヘッドHにおけるヘッドユニット38の下面とガイドプレート21の上面との間の隙間がかなり小さくても、ペーパーPがプリントヘッドHに当接するというようなことはない。
また、ファン24によるペーパーPのガイドプレート21上への吸引力が比較的小さくても、ガイドプレート21上のペーパーPの平面性を確実に確保することができ、そのペーパーPに印刷された画像の画質を高レベルに維持することができる。また、ペーパーP表面が乾燥してヒビ割れする等の不具合も解消することができる。
なお、本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、廃液タンク65内の水分を自然に水蒸気に気化させてペーパー収容部1内に供給するようにしたが、廃液タンク65内の水分を積極的に気化させる加熱手段を設けるようにしても構わない。
前記搬送駆動ローラ43は、図示しない電動モータによって、ペーパーPをペーパー収容部1から引き出してプリント部2側へ搬送する正方向の回転と、該ペーパーPをペーパー収容部1内へ戻す逆方向の回転とが切替可能なように構成されている。これにより、前記搬送駆動ローラ43よりも搬送方向下流側のローラカッター部4でペーパPの印刷済みの部分を所定サイズに切断した後、長尺のペーパーPを上流側に戻してペーパーPの先頭から印刷を行う場合や、長尺ペーパーPではなく手差し供給ユニットからペーパーPを供給する場合等において、長尺のペーパーPをペーパー収容部1内に戻すことができるようになっている。
前記プリント部2は、図1及び図2に示すように、前記プリントヘッドHを主走査方向X(プリントペーパPの搬送方向(副走査方向Y)と垂直な方向)に案内するガイドレール15と、2つのプーリに巻き掛けられ且つプリントヘッドHを該ガイドレール15に沿って往復移動させるための駆動ベルト17と、該プーリを回転駆動させる駆動モータ16と、プリントヘッドHにより印刷を行うことが可能な位置に吸着保持するペーパー保持部Dと、このペーパー保持部Dの下流側に配設された圧着型のプリント後搬送ローラ45とを備えている。ここで、前記主走査方向Xは、プリントペーパPの幅方向に相当し、副走査方向Yは、プリントペーパPの長手方向に相当する。
前記プリントヘッドHは、図6に示すように、その底面(ペーパー保持部Dと対向する面)に、多数のインク吐出ノズルが設けられたヘッドユニット38,38,…が副走査方向に2段に並んで配設されている(ヘッドユニット38は2段である必要はなく、1段や3段以上であってもよい)。
前記各ヘッドユニット38は全て同一構成であり、各々、主走査方向Xに配設された前記各色のインクを吐出する7つのノズルアレイから構成されている。各ノズルアレイには、インク吐出ノズルが副走査方向Yに列状に配設されている。これにより、各ヘッドユニット38は、単体でカラー画像を形成可能な構成とされている。そして、ペーパ搬送の各ステップ毎に、プリントヘッドHが主走査方向Xに走査され、このとき、主走査方向Xの各位置で、各ヘッドユニット38は、各色の所定のインク吐出ノズルからインクを同時に吐出する。ここで、本実施形態におけるインク吐出ノズルは、インクの充填された圧力室内の容積をピエゾ素子によって変動させることでインクを吐出する一般的なピエゾ方式のものである。
また、プリンタヘッドHの主走査方向Xのプリント領域外の位置には、印刷を行っていない場合にプリントヘッドHが待機するための待機位置が設定されており、この待機位置には、インクの増粘防止のために該プリントヘッドHのノズルからインクを吸引するように構成されたキャップ部(図示省略)が設けられている。
なお、前記キャップ部については、特に図示しないが、内部を負圧にされた空間を有していて、該空間内に前記プリントヘッドHのノズルから微量のインクを吸い出すように構成されている。これにより、該ノズルでインクが増粘して、吐出しにくくなるのを防止することができる。ここで、前記キャップ部の空間は、後述するインク供給系の空気加圧部56としてのポンプを利用することで、内部が負圧になるようになっている。
また、図示は省略するが、前記キャップ部は廃液タンク65に連通しているとともに、そのキャップ部と廃液タンク65との間にはインクを排出するための排出ポンプが介設されている。この排出ポンプは、後述するインク供給系の加圧ポンプを駆動するモータによって駆動されるように構成されている。すなわち、1つのモータで複数のポンプが駆動される構成とされている。
前記ペーパ保持部Dは、図2及び図6に示すように、プリントヘッドHのプリント領域に対応して表面(上面)に開口する複数の吸着孔21a,21a,・・・が形成され且つフラッシング領域に対応してフラッシング孔21bが形成されたガイドプレート21と、ガイドプレート21におけるプリントヘッドHのプリント領域下方に設けられ吸着孔21aと連通する第1区画室22と、ガイドプレート21におけるプリントヘッドHのフラッシング領域下方に設けられフラッシング孔21bと連通する第2区画室23と、第1区画室22内の空気を吸引排気することで吸着孔21aを介してガイドプレート21の表面上に負圧を発生させペーパーPをガイドプレート21の表面上に吸着保持する吸引手段としてのファン24と、第1及び第2区画室22,23を連通させる排気管25(図7参照)とを備えている。
前記フラッシング孔21bは、インクの増粘を防止するために印刷開始時にプリントヘッドHのノズルから吐出される少量のインクを受け止めるためのものであり、フラッシング孔21bに吐出された廃インクは、廃棄管26(図7参照)を介して廃液タンク65に貯留される。
前記ガイドプレート21には、さらに、略矩形状の縁取り孔21cがペーパーPの紙幅方向に間隔をあけて複数形成されている。具体的に、この縁取り孔21cは、所定の用紙サイズ(例えば、A4,B5等)の紙幅に対応する位置に形成され且つペーパーPをガイドプレート21上に載置したときに、ペーパーPの紙幅方向の端縁から縁取り孔21cの一部が露出する位置に形成されている。
このようにすれば、ペーパーPに対して縁無しプリントを行うときに、プリントヘッドHからペーパーPの紙幅方向の端縁に吐出したインクの一部がペーパーPからはみ出したとしても、そのはみ出したインクは縁取り孔21cから排出されることとなり、ガイドプレート21表面にペーパー端縁からはみ出したインクが付着してプレート表面が汚れてしまうことを防止することができる。
図7は、図6のI−I断面矢視図である。図7に示すように、ガイドプレート21の下方には、プリントヘッドHのプリント領域下方に設けられ吸着孔21aと連通する第1区画室22と、ガイドプレート21におけるプリントヘッドHのフラッシング領域下方に設けられフラッシング孔21bと連通する第2区画室23とが設けられている。
前記第1区画室22の下部にはファン24が取り付けられている。このファン24を駆動することで第1区画室22内の空気が排気孔22aを介して吸引排気され、その結果、ガイドプレート21の表面上に負圧が発生してペーパーPがガイドプレート21の表面上に吸着保持されるようになっている。
前記第2区画室23には、インクを吸収可能なスポンジ状のインク吸収材23aが配設されていて、このインク吸収材23aに染み込んだインクが、第2区画室23内に溜まるようになっている。また、第2区画室23は排気管25を介して第1区画室22に連通している。具体的に、排気管25の一端は第1区画室22の底面に接続され、他端は第2区画室23の側壁に接続されている。このように、第2区画室23の側壁に排気管25の他端を接続することで、第2区画室23の底部に溜まった廃インクがファン24の吸引力で第1区画室22側に吸い込まれないようにしている。
前記排気管25は、ファン24の吸引力を減衰させる減衰手段を構成しており、具体的には、排気管25の管内径を1〜10mm程度に適宜設定することで排気管25内部の風量抵抗が大きくなり、フラッシング孔21bを介してインクミストを吸引排気する吸引力が減衰されることとなる。
また、前記第2区画室23の底面には、第2区画室23内に溜まったフラッシング後の廃インク及びインクミストを回収して廃液タンク65に導くための廃棄管26が接続されている。
このように、ペーパーPを吸着保持するファン24の吸引力を排気管25を介して減衰させてインクミストの吸引排気に利用することで、インクミストを吸引排気するために専用の排気用ファンを設ける必要がなく、1つのファンを兼用することで部品点数を削減して装置本体の大型化を抑制できる。また、消費電力を低減する上で有利となる。
さらに、インクミストを吸引排気する吸引力が、ペーパーPを吸着保持する吸引力よりも弱まることとなり、プリントヘッドH周りの空気流に乱れが生じて画像形成に必要な吐出インクまで吸引してしまう等、画像形成に悪影響を与えるおそれがない。
また、排気管25の管内径を、例えば1〜10mm程度に適宜設定するだけで所望の吸引力でインクミストの吸引排気を行うことができ、簡単な構成でファン24の吸引力の減衰量を設定することができる。
前記ローラカッター部4は、サークル刃を有していて、該サークル刃を回転させながらペーパーPの紙幅方向に移動させることでペーパーPを所定のサイズに切断するように構成されている。ローラカッター部4の搬送下流側には、切断後のペーパーPを送り出すための切断後搬送ローラ46が配設されている。そして、前記切断後搬送ローラ46の回転によりペーパーPが搬送下流側の裏面印字ユニット5に搬送される。
また、前記ローラカッター部4の下方には、切断後のペーパーPの切り屑を回収するためのカッター屑回収箱70が配設されている。このカッター屑回収箱70は、ペーパーPの排出方向(図6では右方向)に沿ってスライド自在で且つ装置本体から離脱自在に構成され、ユーザーがカッター屑を容易に廃棄できるようになっている。
また、前記カッター屑回収箱70の奥側(図6では右側)には取っ手71が取り付けられている。そして、カッター屑回収箱70の奥側は、透明なプラスチック材料で形成され、切り屑の収容状態が目視確認できるようになっている。
なお、カット後のペーパーPの切り屑を確実に回収するために、例えば、前記カッター屑回収箱70と前記ペーパー保持部Dの第1区画室22とを図示しない排気管で連通させ、ファン24によって排気管を介してローラカッター部4の下方を負圧とし、切り屑がカッター屑回収箱70内に確実に回収されるようにした構成としてもよい。
前記裏面印字ユニット5は、ペーパーPの裏面に整理番号等を印字するものであり、ペーパーPの裏面側に配設されている。前記裏面印字ユニット5の搬送下流側には、裏面印字後のペーパーPを送り出す搬送ローラ47が配設されている。そして、該搬送ローラ47の回転により、ペーパーPが搬送下流側のデカールユニット6に搬送される。
前記デカールユニット6は、ロール状に巻かれたペーパーPのカールを修正するためのものであり、搬送方向規制ガイド61、デカールローラ48、デカールガイド62、及び排出ローラ49を備えている。
前記搬送ローラ47から送り出されたペーパーPの先端部は、デカールユニット6の搬送方向規制ガイド61によりデカールローラ48とデカールガイド62との間に挟まれるように案内される。そして、デカールローラ48の回転によりペーパーPのカールが修正された後、デカール後のペーパーPが排出ローラ49により排出トレイ7上に排出される。
また、プリンタAには、ロール状に巻かれたペーパーPとは別に、ユーザーが手差しでペーパーPを供給するための手差しトレイ81が装置上部の搬送方向上流側に設けられている。手差しトレイ81の搬送方向下流側には搬送ローラ82が配設され、搬送ローラ82の回転により手差しトレイ81に収容されたペーパーPが手差しガイド83に沿って搬送駆動ローラ43及び一対の圧着ローラ44,44の間に挟まれるように案内される。以下のプリント処理動作は、ロール状に巻かれたペーパーPの場合と同様であるため、説明を省略する。
ここで、手差しトレイ81から搬送されたペーパーPにはカールが付いていないため、このペーパーPをデカールユニット6のデカールローラ48に送ると、デカールローラ48によってカールが付いてしまうこととなる。そこで、ペーパーPが手差しトレイ81から供給されたものであるかペーパー収容部1から供給されたものであるかを判定する図示しない判定手段を設け、判定結果に基づいて、搬送方向規制ガイド61の搬送方向を切り替えるように制御するのが好ましい。例えば、手差しトレイ81から供給されたペーパーPに対しては、デカールローラ48の通過を回避する方向に搬送して排出トレイ7に排出するように制御すればよい。
−インク供給系−
図8に示すように、前記プリンタAのインク供給系は、装置の左右両側に位置するインク貯留部3のインクカートリッジ32のインクを電磁弁50及び供給管路51を介してサブタンク52に供給し、このサブタンク52のインクをフレキシブル管路53を介してプリントヘッドHに送り出すように構成されている。そして、前記インクカートリッジ32からサブタンク52までは、後述の空気加圧部56によって供給される加圧空気により送り出される一方、該サブタンク52からプリントヘッドHまでは、該プリントヘッドHのノズルからインクを吐出した場合にピエゾ素子によって圧力室内に生じる負圧により流れることになる。なお、前記サブタンク52は、前記プリントヘッドHに対して適切な圧力でインクが供給されるように、該プリントヘッドHに対して所定の高さ位置に取り付けられている。
上述のようにインク供給系を構成することで、インクカートリッジ32のインクは一旦サブタンク52内に貯留されて、該サブタンク52からプリントヘッドHに供給されることになるため、印刷を中断することなくインクカートリッジ32を交換できる。しかも、前記サブタンク52は、圧力ダンパとしての役割も果たすため、前記インクカートリッジ32で生じた圧力変動が直接、前記プリントヘッドHに伝わるのを防止することができ、該プリントヘッドHに過大な圧力が作用してインク漏れ等が生じるのを防止することができる。なお、図8では1つのインク供給系だけが示されているが、実際には、色相が互いに異なる7種類のインクに対応して7つのインク供給系が形成されている。
前記インクカートリッジ32は、柔軟な素材を用いて袋状に形成されたインクタンク32Tを樹脂製のケースに格納して構成されている。このインクカートリッジ32は、前記ケース内部に対して空気供給路55を介して加圧空気を供給する空気加圧部56と、該ケース内部に供給される空気圧を調節する調圧弁57とをさらに備えている。このような構成において、前記ケース内部を所定の圧力にすることで、前記インクタンク32Tから所定量のインクを供給管路51内に供給することができるようになっている。
前記サブタンク52も樹脂シート等の柔軟な素材を用いて袋状に形成されたもので、詳しくは後述するように、その内部空間が2つのタンク室52b,52bに区切られている。そして、該タンク室52b,52bには、それぞれ、前記供給管路51及びフレキシブル管路53に連結される供給管52c,52dが設けられていて、これにより、2つのタンク室52b,52bには色相の異なるインクを一時貯留できるようになっている。
前記サブタンク52は、インクジェットプリンタAの搬出側から見て左側に設けられた収納部54内に立設されるようになっていて(図8では1つのサブタンク52を配置するための収納部を模式的に示す)、前記サブタンク52の近傍(本実施形態ではサブタンク52の側面上方)には、該収納部54に配設され該サブタンク52の2つのタンク室52b,52bの厚み方向の膨脹量に応じて検出信号を出力するサブタンクセンサS,Sが設けられている。
ここで、前記収納部54は、前記サブタンク52の一方の面を、上下方向に延びて下端部で該サブタンク52の厚み方向に揺動可能に構成された2枚の板部材54a,54aによって支持するように構成されている。この板部材54a,54aは、前記サブタンク52のタンク室52b,52bの腹部分(最も厚み方向に膨張する部分)に対応するように配置されている。また、前記収納部54の互いに対向する壁部には、前記サブタンク52を収納した状態で、該サブタンク52のタンク室52b,52bに連通するように設けられた供給管52c,52dを避けるように切り欠きが形成されている。
前記サブタンクセンサS,Sは、前記サブタンク52のタンク室52b,52bの腹部分(最も厚み方向に膨張する部分)に対応して配置された前記板部材54a,54aの上部に接触するように配設されていて、該タンク室52b,52bの膨張若しくは収縮に伴ってサブタンク52の側面が厚み方向に変位すると、この変位に応じた前記板部材54a,54aの傾動を検出するようになっている。
具体的には、前記サブタンク52のタンク室52b,52b内のインク残量が所定量(例えば9ml)以下になると、前記タンクセンサS,Sは板部材と非接触状態になるため、その場合には、インク残量が適切な量(例えば10ml)になるように、前記電磁弁50を作動させて開状態にし、サブタンク52のタンク室52b,52b内にインクを供給するように構成されている。
一方、前記サブタンク52のタンク室52b,52b内に適切な量のインクが充填されている場合には、前記タンクセンサS,Sが板部材に接触するため、その場合には、前記電磁弁50を作動させて閉状態にし、サブタンク52のタンク室52b,52bへのインクの供給を停止する。
なお、インク貯留部3には、該インク貯留部3にインクカートリッジ32が存在するか否かを判別する着脱センサ58が設けられている。
−サブタンク−
前記サブタンク52は、上述の通り、樹脂シート等の柔軟な素材を用いて袋状に形成されたもので、内部に充填されるインクの液量によって厚み方向に膨張・収縮を繰り返すように構成されている。具体的には、前記サブタンク52は、図9に示すように、例えば2枚の樹脂シートの上辺及び下辺をそれぞれ溶着して筒状に形成した後、その内部空間を2つに区切るように筒軸方向の略中央部分を溶着して、筒軸方向両端の開口部内に2つの供給管52c,52dが一体に形成された樹脂製の封止部材52a,52aを位置付けた状態でシートに対して溶着することにより得られるもので、1つのサブタンク52に2つのタンク室52b,52bが形成されている。
そして、上述のような封止部材52a,52aを設けることで、それぞれのタンク室52b,52bに対して、色相の異なるインクを一時的に貯留したりプリントヘッドHに対して供給したりすることができるため、従来のサブタンクに比べて取付スペースを小さくすることができる。しかも、2色のインクタンクを1回の作業で取り付けることができるため、1色分のサブタンクをそれぞれ取り付ける場合に比べて取付作業を軽減することができる。
図9に示すように、上述のような構成の複数のサブタンク52,52,…を厚み方向に互いに重なるように並べて、その重なる方向をプリントヘッドHの主走査方向にすれば、前記サブタンク52,52,…を主走査方向にできるだけコンパクトに配置することができ、インクジェットプリンタA全体のコンパクト化を図る上で有利となる。
また、図10に示すように、溶着された筒軸方向の略中央部分を折り曲げて、タンク室52b,52bが厚み方向に重なるように配置してもよい。この重なる方向をプリントヘッドHの主走査方向にすれば、サブタンク52,52,…を副走査方向にコンパクトに配置することができる。
なお、前記封止部材52a,52aを筒状のシートに溶着する場合、該封止部材52a,52aの厚み方向全体に亘ってシートと溶着すると、該封止部材52a,52aの内側端面に溶けたシートの一部が回り込んで該封止部材52a,52aの外周面だけでなく、該内側端面とシートとがくっついてしまう可能性がある。そうすると、シートは前記封止部材52a,52a側ですぼんだ形状になり、内部にインクを充填してもタンク室52b,52bが十分に膨らまなくなってしまう。そのため、図11に示すように、封止部材52a,52aに対してシート端部側のみ(図中の斜線部分)を溶着して、内方側は溶着しないようにするのが好ましい。こうすることで、前記封止部材52a,52aに対して厚み方向にはみ出してシートが溶着されるのを防止することができ、インクを充填することでタンク室52b,52bを十分に膨張させることができる。
以上説明したように、本発明は、装置を大型化することなく、廃液タンク内の廃インクの廃棄作業の頻度をできる限り少なくして、作業者の負担を軽減することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を一部省略して示す斜視図である。 画像形成装置の構成を一部省略して示す平面図である。 画像形成装置の構成を一部省略して示す背面図である。 画像形成装置の構成を一部省略して示す右側面図である。 画像形成装置の構成を一部省略して示す正面図である。 画像形成装置の構成を一部省略して示す側面断面図である。 図6のI−I断面矢視図である。 インク供給系を示す模式図である。 サブタンクを厚み方向に重ねて配置した図である。 サブタンクを厚み方向に重なるように折り曲げた図である。 封止部材とシートとを溶着させる場合の溶着範囲を示す図である。
符号の説明
A プリンタ(画像形成装置)
H プリントヘッド
P ペーパー
1 ペーパー収容部
2 プリント部
21 ガイドプレート
21a 吸着孔
21b フラッシング孔
22 第1区画室
23 第2区画室
24 ファン
65 廃液タンク
66 廃液タンク収容部
91 送風ファン
92 供給経路
93 排気経路
94 湿度検出センサ(湿度検出手段)

Claims (9)

  1. プリントヘッドからインクを記録媒体に対して吐出させて該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記記録媒体を収容する記録媒体収容部と、
    前記プリントヘッドから吐出した廃インクを回収して貯留する廃液タンクとを備え、
    前記記録媒体収容部と前記廃液タンクとは互いに隣接するように配置され、該廃液タンク内の水分が気化してなる水蒸気が該記録媒体収容部内に供給されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1において、
    前記廃液タンク内には、水分を吸収可能なスポンジ材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2において、
    前記スポンジ材には、予め所定量の水が吸収されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項において、
    前記廃液タンク内で気化した水蒸気を送風する送風ファンを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4において、
    前記記録媒体収容部内の湿度を検出する湿度検出手段を備え、
    前記送風ファンは、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値よりも小さいときには、前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する一方、前記所定値以上であるときには、該記録媒体収容部内への水蒸気の供給を停止するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5において、
    前記廃液タンクから前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する供給経路と、該廃液タンクから装置外部に水蒸気を排気する排気経路とが装置内部に設けられ、
    前記送風ファンは、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定値よりも小さいときには、前記供給経路を介して前記記録媒体収容部内に水蒸気を供給する一方、前記所定値以上であるときには、前記排気経路を介して装置外部に水蒸気を排気するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記廃液タンク内に装置外部から水を補給する水補給手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7において、
    前記水補給手段は、前記送風ファンで前記記録媒体収容部内に水蒸気が供給された後、前記湿度検出手段により再検出された湿度が未だ所定値よりも小さい場合に、前記廃液タンク内に水を補給するように制御されることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5乃至8のうち何れか1項において、
    前記湿度検出手段により検出された湿度が30%以上75%以下の範囲内に維持されるように、前記送風ファンによる水蒸気の供給動作が制御されることを特徴とする画像形成装置。
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