JP2007260656A - 排気処理装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイジング加工による排気処理装置の製造において、緩衝マットの部分面圧が増大しないような巻回方法、及び、仮止めテーピング方法を提案する。
【解決手段】サイジング加工後に緩衝マットの端縁同士及び嵌合部が間隙を持って対峙するように設定し、間隙内に余部が収納されるように、粘着テープを周方向で間隙を跨いで貼り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒状部材内に緩衝マットを介して柱体を保持する排気処理装置の製造方法に関し、例えば、金属ケーシング内に緩衝マットを介して触媒担体を保持する触媒コンバータの製造方法として好適な製造方法に係る。
近時の自動車には排気処理装置として触媒コンバータやディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)が搭載されており、それらは筒状部材(外筒)内に緩衝マットを介して触媒担体を保持する構造が一般的である。そして、製造方法(触媒担体の保持工法)としては、柱体たる触媒担体あるいはフィルタ等(総称して担体といい、以下、担体というときはこれらを代表する)の外周に緩衝及びシール部材である無機繊維製の緩衝マットを巻回して柱体ユニットを形成し、この柱体ユニットを筒状部材内に圧入する、所謂圧入(スタッフィング)方式が一般的である。圧入に際しては、筒状部材の一端開口に案内治具を嵌合セットし、担体後端面を押圧しながら案内治具の漏斗状テーパ面に緩衝マットを摺動させて圧縮し、柱体ユニットを筒状部材内の所定位置まで挿入(圧入)している。圧縮された緩衝マットは、復元力によって所期のマット面圧(保持面圧)を発生し、柱体を振動や排気ガス圧に抗して筒状部材の所定位置に保持し続ける。
圧入工法においては、セットして圧入が開始されるまでの間、緩衝マットを巻回状態に維持するために、例えば特開2002−349255号公報に記載のように、緩衝マットの周方向端縁同士や凹凸嵌合部に粘着テープを貼って固定(仮止め)することが慣用である。この仮止めは、圧入工程に至る搬送時でも巻回状態が維持されるため、実際の製造ラインで有用である。粘着テープ自体は可燃性であって、排気処理装置の使用初期に排気ガスによって焼失されるので、緩衝マットの復元力、ひいては担体の保持力には影響しない。なお、緩衝マットの復元力であるマット面圧(保持面圧)と、マット面圧の作用部位の摩擦係数の積が担体の保持力であり、摩擦係数は既定なので実質的にマット面圧が保持力を定める。
最近では更なる排気浄化要請から、担体セルの薄壁化、多セル化が求められているが、これらは担体の脆弱化を伴う。ところが、従来の圧入工法では設計目標値に対して得られる保持面圧のバラつき幅が大きく(精度が悪く)、圧入過程で担体破損を招く惧れがあり、適用困難である。そこで、圧入工法に替わる保持工法として、例えば特開平9−234377号公報に開示されるような、所謂サイジング工法が注目されている。サイジング工法は、柱体ユニットを筒状部材に緩く挿入してから、少なくとも緩衝マットの存在範囲に亘る筒状部材を所定径まで縮径し担体保持力を発生させる工法であり、挿入時に柱体ユニットにストレスがかからないと共に、実現できる保持面圧の精度が圧入工法よりも高い。特に、例えば特開2003−328734号公報に記載のように、個々に緩衝マットを押圧して最適面圧時の径を算出し縮径時にその径を再現させる工法においては、得られる保持面圧の精度が極めて高いため担体に過大応力が付加される惧れがなく、脆弱な薄壁担体の保持に最適である。
一方、サイジング工法における緩衝マットの他の仮止め方法が、特開2005−74398号公報に開示されている。これは、粘着テープの替わりに粘着性を有しない可燃性リボンを緩衝マットに多層巻回し、略全周面に亘って緩衝マットを仮止めするものであり、柱体ユニット挿入後に筒状部材を縮径している。
特開2002−349255号公報 特開平9−234377号公報 特開2003−328743号公報 特開2005−74398号公報
しかしながら、圧入工程を開示した上記特許文献1はもちろん、サイジング工程を開示した上記特許文献2及び特許文献3にも、サイジング工法において前述の粘着テープをどのように貼るべきかの開示、示唆は見当たらない。圧入工法と同様にサイジング工法であっても実際の製造工程における柱体ユニットの挿入前及び計測時には、緩衝マットの巻回を維持する必要性は同じであるし、加えて、挿入過程と挿入された後もサイジング(縮径)が開始されるまでは、巻回状態の維持が必要である。
特に、縮径時に刻々と緩衝マットの形状と密度が変化するサイジング工法においては、不用意な粘着テープ貼りは、粘着テープ自身と緩衝マットのシワ・重なり等で部分的な保持面圧増大を招き、場合によっては担体の圧壊を惹起する。従って、サイジング工法に好適な粘着テープ貼り方法が必要とされている。
特許文献2に開示されたサイジング工法においては、その図2に示されるように、緩衝マット4を担体3へ巻回した状態において、緩衝マット4の周方向端縁同士及び嵌合部が衝接(密着)して隙間がないため、緩衝マット4自身に周方向への流動の余地がない。したがって、サイジング時に緩衝マットの外径が縮小されるに連れ担体との環状隙間が急減するが、緩衝マットは軸方向へ移動できるも周方向への移動を拘束されるので、緩衝マット密度が過大となって、担体の圧壊を惹起する可能性がある。あるいは、密度が過大とならない微小サイジング(縮径)量を設定しても良いが、それは従来の圧入工法に戻るだけであり、緩くストレスフリーに挿入できるというサイジング工法本来のメリットを享受できない。
特許文献4に開示されたサイジング工法においては、筒状部材の縮径によって多層巻回されたリボンが周方向で余って行き場を失い、シワ・重なりを生じて部分的な保持面圧の上昇を招く惧れがある。また、上記特許文献2と同様、拘束された緩衝マット4も周長変化に追従できず、面圧が部分的に過大となる惧れがある。更に、緩衝マット外周面をリボン層が被覆しているので層の厚さやテンションが障害となり、上記特許文献3等に記載の径計測を伴う精密サイジング工法を適用不可能である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、排気処理装置のサイジング工法による製造工程において、緩衝マットへの粘着テープの好適な貼り付け方法、及び緩衝マットの周方向端縁や嵌合部の好適処理を提案することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、筒状部材内に緩衝マットを介して柱体を保持する排気処理装置の製造方法において、柱体に緩衝マットを巻回し端縁同士を周方向に第1の間隙を持って対峙させるとともに、端縁に設けた凸部と凹部を周方向にスライド可能に嵌合して第2の間隙を形成する工程と、第1の間隙及び/又は第2の間隙を各々周方向に跨いで独立した粘着テープを貼り付け緩衝マットを固定して柱体ユニットを形成する工程と、柱体ユニットを筒状部材内へ挿入後に筒状部材の少なくとも緩衝マットが内在する部位を縮径する工程とを含み、縮径完了時に緩衝マットの端縁同士が周方向に第3の間隙を持って対峙するとともに嵌合部も周方向に第4の間隙を持つことを特徴とする。
また、請求項2に記載のように、縮径完了時には、粘着テープの余部が第3の間隙内及び/又は第4の間隙内に収納されているとよい。
また、請求項3に記載のように、柱体ユニット形成後、柱体ユニットが筒状部材内へ挿入されるまでの間に、押圧体によって緩衝マットが押圧される計測工程を設けるとよい。
さらに、請求項4に記載のように、計測工程において、柱体ユニットは鉛直に保持され、押圧体は柱体ユニットの軸芯と直交する同一平面内を求心及び放射方向に移動自在に複数配置され、複数の押圧体が移動しても干渉しない位置に第1の間隙及び第2の間隙が配されるようにするとよい。
本発明は上述のように構成されているので、以下に記載の効果を奏する。即ち、請求項1に記載の排気処理装置の製造方法においては、所定のサイジングを施しても緩衝マット4の周方向端縁同士及び嵌合部が周方向で衝接(密着)しないだけの間隙を予め設定したので、緩衝マット4は周方向への流動、即ち端縁移動の自由が保証される。したがって、サイジング時の筒状部材と担体間の環状間隙急減に伴い、緩衝マットは薄肉化(高密度化)しつつ軸方向及び周方向への延び(端縁流動)によって、自ら均一な面密度分布を形成する。従って、緩衝マットに起因する面圧増大、ひいては担体破損を避けられ、所期の保持面圧にて確実な担体保持を実現できるという効果を奏する。
また、請求項2記載の製造方法によれば、サイジング後に確実に形成される第3の間隙内及び/又は第4の間隙内に、粘着テープの周方向における余部がスムーズに収納される。即ち、第1の間隙に跨っていた粘着テープ5,7の中央余部は第3の間隙内へ、第2の間隙に跨っていた粘着テープ6の中央余部は第4の間隙内へ、夫々収納される。したがって、粘着テープ余部のシワ、重なり等による部分的な面圧増大、ひいては担体破損を避けられる。
また、請求項3記載の製造方法によれば、サイジング前に、特許文献3に記載されるように複数押圧体によって求心方向に緩衝マットを押圧するような計測工程が設定され、サイジング工程と近似に緩衝マットが圧縮されたとしても、上述のマット流動とテープ余部排除によって、緩衝マットや粘着テープの不具合を発生することなくマット巻回状態を維持できる。したがって、計測工程を含む精密サイジング工法にも対応可能である。
さらに、請求項4記載の製造方法によれば、柱体ユニットは鉛直に保持された状態で、かつ、複数の押圧体が緩衝マットの各隙間と干渉しないよう押圧し計測するので、計測工程においてもマット流動とテープ余部排除が確実化され、精度の高い計測を実現できる。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明による触媒コンバータの製造方法の一実施形態におけるセット工程を示す。先ず巻回工程(図示せず)において、柱体たる担体1の中央部外周に図2に示す緩衝マット2を巻回し、適宜長の可燃性の粘着テープ5,6,7を周方向と平行になるよう貼り付けて、柱体ユニット3が形成される。緩衝マット2は展開した平板状態において長辺の長さがγの矩形であり、短辺である一方の端縁14,15間に凸部12が設けられ、他方の端縁16,17間に凹部13が設けられている。柱体ユニット3における巻回状態では、凸部12が凹部13内に間隙9を残して嵌合し、スライド自在な嵌合部11を形成する。
巻回状態においては、一方の端縁14,15は他方の端縁16,17との間に間隙8,10(どちらも等しく第1の間隙)を持って周方向に対峙する。そして、間隙8を跨いでその両側の端縁14と16間に独立した1本の粘着テープ5が貼り渡され、緩衝マット2が固定される。同じく、間隙9(第2の間隙)を跨いでその両側の凸部12と凹部13間に独立した1本の粘着テープ6が貼り渡され、間隙10を跨いでその両側の端縁15と17間に独立した1本の粘着テープ7が貼り渡される。即ち、3本の粘着テープは夫々他のテープと一体でもないし接触もしておらず、1本の粘着テープがひとつの間隙を跨いでいる状態である。
本実施形態においては、担体1はセラミックス製ハニカム構造の柱体で構成されているが、金属製でもよく、材質、製法、断面形状、担持物等は問わない。緩衝マット2は、アルミナマットでも熱膨張性バーミキュライトマットでも、それらの組合せでも構わない。また、熱で消失する樹脂フィルムを表面に有していてもよいし、ニードリングや多層化やバインダ含侵等を施されていても構わない。また、端縁は斜めにカットされていてもよい。粘着テープは片面だけに接着剤が塗布された薄いものが好ましく、市販のマスキングテープ(厚さ0.1mm前後、耐熱温度150℃前後)を使用すると好適である。そして、柱体ユニット3の一連の形成工程は、機械による自動であっても手動であっても構わない。
この状態において、上記特許文献3の図5、図6に記載の要領で、複数押圧体で求心方向に緩衝マット2を押圧し、所定のマット面圧に達した時の緩衝マット2外径を個々に計測・記憶しておくと良い。この時も後述のサイジング工程と同様に、緩衝マット2の流動及び粘着テープの余部排除が個別に、円滑になされるので、後工程たるサイジング工程と近似状態で計測ができる。従って、計測精度が緩衝マットや粘着テープによって悪影響を受けることがなくなる。もちろん、計測後の緩衝マット復元時には、粘着テープも元の状態に復元する。あるいは、復元を待たずに挿入しても構わない。なお、粘着テープの厚さは面圧値に影響を及ぼさない程度に設定するが、剥がれやテンション影響の防止のため、粘着テープをなるべく避けて押圧するよう配慮すべきである。この計測工程も、機械による自動であっても手動であっても構わない。なお、計測時の好ましい実施態様について、図8を用いて後述する。
次に、挿入工程について説明する。柱体ユニット3が挿入される筒状部材たる外筒4(ケーシングあるいはハウジングとも呼ばれる)は、例えばステンレススチール管から形成される。外筒4は中空部を有し、この中空部の所定位置に柱体ユニット3が挿入され保持される。管素材として他の金属管を用いることとしてもよく、材質は任意である。また、直前工程にて板材から造管することとしてもよいし、既成のパイプ材を切断してもよい。管素材の板厚も任意であるが、触媒コンバータ用としては、1乃至2mm程度の板厚が望ましい。管素材の内径は担体1の外径より大径で、担体1に巻回された緩衝マット2の外径と略同程度が好ましい。
外筒4は、図1に示すように鉛直配置され、図示しないクランプ装置によって固持される。そして同軸上に柱体ユニット3も図示しない挿入装置によって鉛直に把持され、挿入のためのセットが完了する。次いで、図示しない押圧装置が後端面(図では上端面)を把持している担体1をゆっくり降下させ、柱体ユニット3を外筒4内の所定位置に達するまで緩やかに挿入して、図4(a)に示す中間体20を得る。挿入過程において、緩衝マット2は微少量しか縮径されないため、緩衝マット2及び担体1に圧縮ストレスは殆ど作用しない。なお、クランプ装置、把持・挿入装置等は、公知技術を適宜援用すればよい。また、挿入反力を検知して、必要サイジング量を推定しても構わない。
次に、サイジング工程について説明する。中間体20の外筒4に、緩衝マット2が存在する範囲に亘って外側全周から求心方向の力を加えて、縮径加工を施す。縮径加工は、上記特許文献3の図10等に記載された分割型によるものでもよいし、特開2001−107725に開示されるスピニング加工によるものでも、その他工法でも構わない。縮径加工で得るべき目標径は、外筒4が緩衝マット2を圧縮しその復元力が担体保持に適正となり得る内径(ターゲット内径)である。ここにおいて、上記0021にて得た所定のマット面圧時における緩衝マット2外径を、ターゲット内径に設定すると好適である。なお、金属製の外筒4の縮径加工においては、縮径部分が若干増肉すると共にスプリングバックで若干拡径しようとするので、それらを加味して縮径加工量を設定すべきである。以上のサイジング工程を経て、図4(b)の触媒コンバータ30を得る。
一般的なアルミナ緩衝マットとセラミック担体を用いるサイジング加工においては、緩衝マット2の厚さを5〜12mmから2〜5mm程度まで圧縮し、その際のGBD値(ギャップ充填密度)として0.3〜0.4g/cm程度を得る。緩衝マット2は、本実施形態においては矩形の長辺γ(巻回周長)は335mmを設定し、サイジング加工後に同長さは5.6mmほど延びた。これは、外筒4内径と担体1外径に囲まれた環状空間縮径中に漸次減少し、緩衝マット2の密度が増大しつつ周方向と軸方向へ延びて薄肉化した結果である。したがって、粘着テープは、シワ・重なり・断裂等の不具合を生じることなく、これだけの大きな変化に追従しなくてはならない。サイジング加工前後の緩衝マットと粘着テープの変化について、図3にて詳説する。
図3(a)は図1における緩衝マット2の嵌合部と間隙を示す詳細図であり、担体1の図示は省略してある。緩衝マット2の巻回状態において、凸部12が凹部13内に幅Y1の間隙(第2の間隙)を残して嵌入され、嵌合部11を形成している。凸部12の両側と凹部13はα方向(周方向)へ相互スライド自在に摺接して、スライド部18を形成していろ。そして、間隙9は周方向にY1の長さを有しており、間隙9を跨いで周方向と平行に粘着テープ6が緩衝マット2表面に貼り付けられている。また、緩衝マット2の前端縁14は後端縁16と幅X1の間隙8(第1の間隙)を残して対峙し、同じく前端縁15は後端縁17と幅X1の間隙10(第1の間隙)を残して対峙している。そして、間隙8を跨いで周方向と平行に粘着テープ5が緩衝マット2表面に貼り付けられ、間隙10を跨いで周方向と平行に粘着テープ7が緩衝マット2表面に貼り付けられている。このように、各粘着テープのテンションによって、緩衝マット2が開くのを防いで、巻回状態を仮止めしている。なお、各テープはひとつの間隙を跨ぐだけであるとともに、相互に干渉しない。
この状態において柱体ユニット3を外筒4内へ挿入し0024のサイジング加工を施して、図4(b)の触媒コンバータ30を得る。触媒コンバータ30内部では、緩衝マット2は前述のように周方向(α方向)及び軸方向(β方向)へそれぞれ流動し薄肉化している。また、スライド部18において凸部12は凹部13内へ更に深く嵌め入る。その結果、嵌合部と間隙は図3(b)に示す状態となる。即ち、間隙8と間隙10は幅X2の間隙20と22(共に第3の間隙)へ、間隙9は幅Y2の間隙21(第4の間隙)へと縮小する。本実施形態においては、間隙値X1、X2共に、サイジング加工後は5.6mmほど縮小し約5mmとなった。なお、説明の便宜上、図3(b)において担体1と外筒4の図示は省略してある。
ここにおいて、緩衝マット2の端縁間及び嵌合部にはサイジンク加工後も間隙値X2,Y2が確実に存在するので、周方向端縁同士及び嵌合部が衝接(密着)して緩衝マット密度が過大となる惧れがないため、担体の圧壊は惹起しない。外筒4のサイジング後内径、緩衝マット2の面密度、担体1の外径等の各最悪公差値が重畳した場合であっても必ず所定の間隙値X2,Y2が存在するように、予め間隙値X1,Y1を設定しておくことが肝要である。ちなみに、第1の実施形態においては、サイジング後の最小間隙値を2mmに設定した。この値は、使用した粘着テープが自ら間隙内へ収納される最小値である。また、同じく最悪公差が重畳した場合であっても、スライド部18両側の嵌合長Zがガスシールに充分な長さとなるよう、留意すべきである。
そして、サイジング加工後に粘着テープ5,6,7の余部23は、図3(c)のように夫々間隙20,21,22内へ曲折し落ち込んでいる(畳み込まれている)。これは、緩衝マット2の流動による間隙減少で行き場を失った余部23が、自ら間隙内へ収納されて行った結果である。これにより、緩衝マット2の流動及び粘着テープの余部排除が個別に、かつ、円滑になされるので、粘着テープの余部によるシワ・重なり等によって部分的な保持面圧増大や緩衝マットの破損を招くことを回避できる。このように、サイジング加工後の最小必要間隙から逆算して、予めサイジング前の間隙を設定しておくことによって、緩衝マットの端縁や嵌合部の衝接による不具合と粘着テープ余部に起因する不具合を、確実に解消し得る。なお、説明の便宜上、図4(c)において最外周に存在する外筒4の図示は省略してある。また、排気処理装置(触媒コンバータ)として最初の稼動直後に高熱によって粘着テープは焼失するので、間隙内に存在していても全く問題ない。
緩衝マット2における嵌合部及び間隙形状や、粘着テープの貼り付け位置や長さや形状は任意であり、設計要求や製造要求に応じて適宜設定すればよい。しかしながら、粘着テープはスライド部18上に貼ることを避けると共に、なるべく周方向(緩衝マットの主流動方向)に平行となるよう留意すべきである。以下に、他の3実施形態を例示するが、何れもサイジング終了後の柱体ユニットの外筒内における保持状態(第1の実施形態のおける図4(b)と同状態)を、外筒の図示を省略し示している。即ち、各テープ余部は各間隙内へ収納された状態である。
図5に示す第2の実施形態は、緩衝マット41の端縁が独立凸部を持たず、切欠き部が嵌合することで端縁自身が相互に凸部と凹部の機能を持つ、柱体ユニット40である。したがって、間隙43が第3の間隙であるとすれば間隙44が第4の間隙であり、逆に、間隙43が第4の間隙であるとすれば間隙44が第3の間隙である。そして、間隙43,44を跨いで丸型の粘着テープ42,43が貼られており、中央の余部が間隙内に収納されている。粘着テープ42,43は周方向に長く延在するものではなくても、充分な固定力を発揮し、かつ、間隙へ確実に収納されるのであれば、緩衝マットの流動を妨げない最小形状が好ましい。更に、ひとつの間隙を跨いで複数の粘着テープが貼られても構わないが、それらは互いに干渉しないことと、スライド部18上に存在しないことが条件である。
図6に示す第3の実施形態は、6組の凸凹が相互に嵌合する緩衝マット51を有する、柱体ユニット50である。第1の実施形態と同様、端縁間の間隙59が第3の間隙に相当し、嵌合部の間隙58が第4の間隙に相当する。各嵌合部には、周方向に延出する粘着テープ52,53,54,55,56,57が貼り付けてあり、中央の余部が夫々間隙内に収納されている。担体58と緩衝マット51が軸方向に長い場合には、このように嵌合部を多数箇所設定すればよい。
図7に示す第4の実施形熊は、嵌合部63だけに1本の粘着テープ62が周方向に対し斜めに貼り付けられており、中央の余部が間隙内に収納されている。間隙64が第3の間隙に相当し、間隙65が第4の間隙に相当する。周方向に対して非平行に長く延在する形状は緩衝マット流動上好ましくはないが、周方向に隙間を跨ぎ嵌合部スライドを邪魔しないのであれば、場合によって援用も構わない。
図8は、計測工程を介在させた場合における好ましい計測実施態様であり、詳しくは、押圧開始直前のセット状態を現すものである。基本的な計測工程及び装置は、上記特許文献3を踏襲する。柱体ユニット3は、水平な受け台74上で(図示しないセンタリング手段によって)軸心75へセンタリングされて載置(保持)され、鉛直姿勢を保つ。そして、柱体ユニット3の鉛直な軸芯75と直交する同一平面上に3つの押圧体71が等間隔で配備され、夫々駆動軸72によって軸心75に対し求心方向及び放射方向へ、同時に同距離だけ移動する。計測においては、3つの押圧体71が求心方向へ移動し、内側の凸部73にて緩衝マットが所定面圧に至るまで押圧して、その時の移動距離から径を算出し記憶する。その後、3つの押圧体71は放射方向へ移動し原位置へ復帰して、計測工程を終了する。
このような押圧時に、上述のように緩衝マット2の流動及び粘着テープの間隙への排除が円滑に行なわれるには、少なくとも各間隙と各押圧体71が干渉してはならない。したがって、周方向で各間隙が各押圧体71の間に、好ましくは中間位置に存在するよう保持するとよい。また、各粘着テープと各押圧体71も干渉しないことが好ましいが、緩衝マット2の流動の障害とならないのであれば、干渉しても(押圧体71が粘着テープを押圧しても)構わない。
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更があっても、本発明に包含される。例えば、触媒コンバータ30の両端部33,34には相手部品を接続して使用してもよいし、33,34にスピニング加工等を施してネッキング状接続部を一体形成してもよいし、33,34にコーン状の接続部を溶接しても構わない。筒状部材内に複数の担体を収容する、所謂タンデム触媒コンバータでも構わない。適用対象は車両等の内燃機関用排気処理装置に限定するものではなく、汎用エンジン、燃料電池、地上据置式の燃焼装置等、あらゆる排気ガス発生装置の排気処理装置の製造に適用可能である。
第1の実施形態に係る挿入セット状態の斜視図である。 第1の実施形態に係る緩衝マットの展開正面図である。 第1の実施形態に係る緩衝マットの嵌合部と粘着テープの詳細図である。 第1の実施形態に係る中管体と触媒コンバータの正面図である。 第2の実施形態に係る柱体ユニットの正面図である。 第3の実施形態に係る柱体ユニットの正面図である。 第4の実施形態に係る柱体ユニットの正面図である。 計測工程の実施形態の斜視図である。
符号の説明
1,58 触媒担体
2,41,51,61 緩衝マット
3,40,50,60 柱体ユニット
4,31 外筒
5,6,7,42,43,52,53,54,55,56,57,62 粘着テープ
8,9,10,20,21,22 間隙
11,63 嵌合部
12 凸部
13 凹部
14,15,16,17 端縁
18 スライド部
23 余部
24 中間体
30 触媒コンバータ
32 サイジング部
33,34 端部

Claims (4)

  1. 筒状部材内に緩衝マットを介して柱体を保持する排気処理装置の製造方法において、
    柱体に緩衝マットを巻回し端縁同士を周方向に第1の間隙を持って対峙させるとともに、前記端縁に設けた凸部と凹部を周方向にスライド可能に嵌合して第2の間隙を形成する工程と、
    前記第1の間隙及び/又は前記第2の間隙を各々周方向に跨いで独立した粘着テープを貼り付け、緩衝マットを固定して柱体ユニットを形成する工程と、
    該柱体ユニットを筒状部材内へ挿入後に該筒状部材の少なくとも前記緩衝マットが内在する部位を縮径する工程とを含み、
    前記縮径完了時に、前記緩衝マットの端縁同士が周方向に第3の間隙を持って対峙するとともに前記嵌合部も周方向に第4の間隙を持つ、
    ことを特徴とする排気処理装置の製造方法。
  2. 前記縮径完了時に、前記粘着テープの余部が第3の間隙内及び/又は前記第4の間隙内に収納されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気処理装置の製造方法。
  3. 前記柱体ユニット形成後、該柱体ユニットが前記筒状部材内へ挿入されるまでの間に、押圧体によって前記緩衝マットが押圧される計測工程を設けた、
    ことを特徴とする請求項2に記載の排気処理装置の製造方法。
  4. 前記計測工程において前記柱体ユニットは鉛直に保持され、
    前記押圧体は前記柱体ユニットの軸心と直交する同一平面上を求心及び放射方向に移動自在に複数配置され、
    前記複数の押圧体と干渉しない位置に前記第1の間隙及び第2の間隙が配される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の排気処理装置の製造方法。
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