JP2007259192A - 色変換テーブル設定方法、画像データ変換装置、印刷装置、画像データ変換方法、および印刷方法 - Google Patents

色変換テーブル設定方法、画像データ変換装置、印刷装置、画像データ変換方法、および印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カラー画像のシャドー領域を安定した色彩で印刷する。
【解決手段】次のようにして設定された色変換テーブルを用いて第1の画像データを第2
の画像データに色変換した後、カラー画像を印刷する。先ず、印刷可能な色域(印刷色域
)を、明度軸を有する色空間内で求める。次に、印刷色域内の最高明度点に白点を設定し
、印刷色域内で明度軸上の最低明度点に黒点を設定して、白点と黒点とを結んだ無彩色軸
を設定する。そして、第1の画像データの無彩色点は無彩色軸上に、第1の画像データの
有彩色点は無彩色軸以外の印刷色域に割り当てた後、座標点を第2の画像データに対応付
けることによって色変換テーブルを設定する。こうすれば、シャドー領域の画像は、必ず
明度軸近傍の画像として印刷されるので、シャドー領域で色彩のばらつきが発生すること
を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1の表色系で表現されている画像データを、第2の表色系の画像データに
変換する技術に関する。
インクジェットプリンタやレーザープリンタは、カラー画像データからカラー画像を簡
便に印刷することができるので、各種のカラー画像の出力装置として広く使用されている
。これらのカラープリンタでは、いわゆるインクの三原色と呼ばれるシアン(C)色、マ
ゼンタ(M)色、イエロ(Y)色の各色のインクに加えて、ブラック(K)色のインクを
用いてカラー画像を印刷するのが通常である。また、これら四色のインクに加えて、印刷
画質を向上させるためにライトシアン(LC)色、ライトマゼンタ(LM)色、場合によ
っては、オレンジ色や、紫色などのインクが用いられることもある。これに対してカラー
画像データは、光の三原色と呼ばれる赤(R)色、緑(G)色、青(B)色の三色の色光
を用いて表現されている。例えば赤色の画像は、RGB画像データではR成分のみで表現
することができるが、CMYK画像データではほぼ等階調のM成分およびY成分によって
表現される。また、黄色の画像であれば、RGB画像データではほぼ等階調のR成分およ
びG成分によって表現されるが、CMYK画像データではY成分のみで表現することが可
能である。
このような色彩の表現方法だけでなく、色の明るさ(明度)についても、RGB画像デ
ータとCMYK画像データとでは表現方法が異なっている。すなわち、RGB画像データ
の各成分はRGBの各色光の光強度に対応しているから、RGB画像データでは各成分の
階調値が大きくなるほど、表現する画像の明度は高くなる。これに対してCMYK画像デ
ータの各成分はCMYK各色のインク使用量に対応しているから、各成分の階調値が大き
くなるほど使用するインク量が多くなって、表現する画像の明度は低くなる。従って、R
GB画像データでは、各成分の階調値が「0」である状態が、最も暗い状態である黒色と
なり、各成分が上限の階調値となった状態が、最も明るい状態である白色となる。これに
対してCMYK画像データでは、各成分の階調値が「0」であり、インクが全く使用され
ない印刷媒体の地色の状態が最も明るい状態となり、K成分が上限の階調値となった状態
が最も暗い状態となる。
このように、RGB画像データとCMYK画像データとでは、色彩や明るさについての
表現方法が大きく異なっているため、一方の画像データから他方の画像データに変換する
処理(色変換処理)は、RGB画像データとCMYK画像データとが対応付けられて設定
されたテーブル(色変換テーブル)を参照することによって行われている。そして、この
色変換テーブルは、黒点のRGB画像データ(RGB各成分の階調値が「0」の画像デー
タ)に対しては、CMY成分が階調値「0」でK成分が上限の階調値であるCMYK画像
データが設定され、白点のRGB画像データ(RGB各成分が上限の階調値である画像デ
ータ)に対しては、CMYK各成分が階調値「0」となるCMYK画像データが設定され
ている。更に、黒点と白点との間のRGB画像データに対しては、対応する色彩のCMY
K画像データが設定されている。
カラープリンタでは、このような色変換テーブルを参照してRGB画像データをCMY
K画像データに変換することで、カラー画像を迅速に印刷することが可能となっている。
また、黒点と白点との間のRGB画像データに対して設定されるCMYK画像データを、
人間の視覚の特性を考慮した適切な値とすることにより、自然なカラー画像が得られるよ
うにする技術も提案されている(特許文献1、特許文献2など)。
特開2002−118762号公報 特開2004−320190号公報
しかし、このようにしてカラー画像を印刷した場合、何故か、暗めの(明度が低い)領
域において、印刷される色にばらつきが生じてしまうことがあるという問題があった。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、
画像中の暗めの領域においても、色のばらつきのない良好なカラー画像を印刷することを
可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の色変換テーブル設定方法は
次の構成を採用した。すなわち、
第1の表色系による第1の画像データと第2の表色系による第2の画像データとが対応
付けられた状態で記憶され、該第1の画像データを該第2の画像データに変換する際に参
照される色変換テーブルを設定するための色変換テーブル設定方法であって、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2の
画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも明
度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷色
域を取得する第1の工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係と
して記憶しておく第2の工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点と、該第1の
画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる黒点とを前記印刷色域内に設定
し、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する第3の工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるととも
に、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点
に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係た
る入力側対応関係を設定する第4の工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前記
第2の画像データとを対応付けることにより、前記色変換テーブルを設定する第5の工程

を備え、
前記無彩色軸を設定する第3の工程は、前記印刷色域内で最も明度の高い座標点を前記
白点とし、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も明度の低い座標点を前記黒点と
して、該無彩色軸を設定する工程であることを要旨とする。
かかる色変換テーブル設定方法においては、第2の画像データに従って印刷したカラー
画像を測色することで、印刷色域を取得するとともに、印刷色域を記述している色空間内
での座標点と第2の画像データとを対応付けた出力側対応関係を記憶しておく。尚、印刷
色域を記述する色空間としては、少なくとも明度に対応する座標軸を有する色空間であれ
ば良く、例えば、L*a*b*色空間や、L*u*v*色空間、XYZ色空間などを用い
ることができる。次いで、印刷色域内で最も明度の高い座標点に白点を設定するとともに
、印刷色域内に含まれ且つ明度軸上で最も明度の低い座標点に黒点を設定する。ここで白
点とは、第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる座標点であり、
また黒点とは、第1の画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる座標点で
ある。例えば、第1の画像データがRGB画像データであれば、各成分が上限値のRGB
画像データが対応付けられる座標点が白点となり、また、各成分が下限値のRGB画像デ
ータが対応付けられる座標点が黒点となる。次いで、白点と黒点とを結ぶことにより、印
刷色域内に無彩色軸を設定する。そして、無彩色を表す第1の画像データについては、印
刷色域内の無彩色軸上の座標点に対応付けるとともに、有彩色の第1の画像データについ
ては印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点に対応付けることにより、第1の画像データ
と印刷色域内の各座標点とを対応付けた入力側対応関係を設定する。その後、入力側対応
関係および出力側対応関係に従って、第1の画像データと第2の画像データとを対応付け
ることにより、色変換テーブルを設定する。
このようにして設定された色変換テーブルを用いて色変換を行うと、無彩色の第1の画
像データは、印刷色域内の無彩色軸上の座標点に対応した第2の画像データに変換される
。特に、各成分が下限値の第1の画像データは、印刷色域の範囲内で、明度軸上の最も明
度の低い座標点に対応する第2の画像データに変換される。そして、第1の画像データが
表現する無彩色の明度が高くなるにつれて、印刷色域内で第2の画像データに対応する座
標点は、無彩色軸上を白点に向かって移動する。すなわち、第1の画像データが表す明度
が最も暗い状態から少し明るくなった領域では、第2の画像データに対応する座標点は明
度軸の近傍に存在している。詳細なメカニズムについては後述するが、このようにするこ
とで、印刷したカラー画像の色彩が、暗めの(明度が低い)領域でばらつきが生じてしま
う現象を回避することが可能となる。
上述した色変換テーブルの設定方法においては、無彩色軸を設定するに際して、白点と
黒点との間に所定明度の中間点を設け、白点と中間点と黒点とを結ぶことによって無彩色
軸を設定することとしてもよい。
こうすれば、無彩色軸は常に中間点を通過することになるので、印刷色域内の適切な座
標点に中間点を設けておくことによって、無彩色画像が中間的な明度で有する色彩を制御
する可能となる。その結果、無彩色画像のシャドー領域から中間階調領域にかけて、色彩
が現れてしまうことを回避することができる。また、ハイライト領域については、人間の
視覚が有する色順応と呼ばれる機能により、無彩色画像に多少の色彩が現れても、それほ
ど目立つことはない。結局、白点と黒点との間に中間点を設けることにより、全ての階調
領域で、安定した色彩のカラー画像を印刷することが可能となる。尚、中間点は、明度軸
の近傍の座標点に設定しておくことが望ましい。特に、各種のモニタ画面は、全体的に青
みがかった色で再現されることに鑑みて、中間点の座標値を、若干、青みがかった色成分
を有する座標点に設定しておくことで、モニタ画面での印象と近い印象のカラー画像を印
刷することが可能となるので好ましい。
また、上記の色変換テーブル設定方法においては、印刷色域を取得するに際して、少な
くとも印刷媒体の種類毎に、印刷色域を取得することとしてもよい。もちろん、印刷媒体
だけでなく、インクの種類や、印刷媒体とインク種類との組合せ毎に、印刷色域を取得す
ることとしても良い。そして、得られた印刷色域毎に、白点、黒点、無彩色軸を設定して
、色変換テーブルを設定することとしても良い。
印刷色域は、印刷媒体を初めとして種々の要因の影響を受けるから、これを考慮して印
刷色域毎に色変換テーブルを設定しておけば、より安定した色彩でカラー画像を印刷する
ことが可能となる。
また、上述した色変換テーブルは、少なくとも光の三原色を含む複数の色成分によって
色彩を表現した画像データと、少なくともインクの三原色に黒色を加えた複数の色成分に
よって色彩を表現した画像データとを、対応付けたテーブルとしてもよい。
印刷しようとするカラー画像の画像データは、少なくとも光の三原色を含む複数の色成
分によって色彩を表現した画像データであることが多く、また、カラー画像を実際に印刷
する場合には、少なくともインクの三原色に黒色を加えた複数色のインクを用いて印刷す
る場合が多い。従って、少なくとも光の三原色を含む複数の色成分によって色彩を表現し
た画像データと、少なくともインクの三原色に黒色を加えた複数の色成分によって色彩を
表現した画像データとを、色変換テーブルに対応付けておけば、ほとんどのカラー画像を
安定した色彩で印刷することが可能となる。
また、本願発明は、上述した方法によって設定された色変換テーブルを参照して画像デ
ータを変換する画像データ変換装置あるいは画像データ変換方法として把握することも可
能である。すなわち、本発明の画像データ変換装置は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
する画像データ変換装置であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している色変換テーブル記憶手段と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する画像データ変換手段と
を備え、
前記色変換テーブル記憶手段によって記憶されている前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
また、上記の画像データ変換装置に対応する本発明の画像データ変換方法は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
する画像データ変換方法であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している色変換テーブル記憶工程と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する画像データ変換工程と
を備え、
前記色変換テーブル記憶工程によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
かかる本発明の画像データ変換装置および画像データ変換方法においても、色変換テー
ブルを参照して第1の画像データを第2の画像データに変換し、そして、この色変換テー
ブルは、印刷色域内で最も明度の高い座標点に白点を設定するとともに、印刷色域内に含
まれ且つ明度軸上で最も明度の低い座標点に黒点を設定して、設定された色変換テーブル
となっている。従って、このようにして変換された第2の画像データに基づいて画像を印
刷すれば、安定した色彩でカラー画像を印刷することが可能となる。
また、カラー画像を印刷する際にも、カラー画像データの表色系を、印刷のための表色
系に変換する必要があることに鑑みれば、本願の画像データ変換装置あるいは画像データ
変換方法は、印刷装置あるいは印刷方法として把握することも可能である。すなわち、本
願の印刷装置は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する印刷装置であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している色変換テーブル記憶手段と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する画像データ変換手段と、
前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷手段と
を備え、
前記色変換テーブル記憶手段によって記憶されている前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本願の印刷方法は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する印刷方法であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している色変換テーブル記憶工程と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する画像データ変換工程と、
前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷工程と
を備え、
前記色変換テーブル記憶工程によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
かかる印刷装置および印刷方法においても、印刷色域内で最も明度の高い座標点に白点
を設定するとともに、印刷色域内に含まれ且つ明度軸上で最も明度の低い座標点に黒点を
設定して、設定された色変換テーブルを用いてカラー画像を印刷する。従って、カラー画
像の中の暗めの(明度が低い)領域でも、安定した色彩で画像を印刷することが可能とな
る。
また、本願発明は、上述した色変換テーブル設定方法、画像データ変換方法、印刷方法
を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させること
により、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って本願発明は、次のよう
なプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。す
なわち、上述した色変換テーブル設定方法に対応する本発明のプログラムは、
第1の表色系による第1の画像データと第2の表色系による第2の画像データとが対応
付けられた状態で記憶され、該第1の画像データを該第2の画像データに変換する際に参
照される色変換テーブルを設定する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログ
ラムであって、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2の
画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも明
度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷色
域を取得する第1の機能と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係と
して記憶しておく第2の機能と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点と、該第1の
画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる黒点とを前記印刷色域内に設定
し、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する第3の機能と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるととも
に、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点
に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係た
る入力側対応関係を設定する第4の機能と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前記
第2の画像データとを対応付けることにより、前記色変換テーブルを設定する第5の機能

をコンピュータにより実現するとともに、
前記無彩色軸を設定する第3の機能は、前記印刷色域内で最も明度の高い座標点を前記
白点とし、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も明度の低い座標点を前記黒点と
して、該無彩色軸を設定する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本願発明の記録媒体は、
第1の表色系による第1の画像データと第2の表色系による第2の画像データとが対応
付けられた状態で記憶され、該第1の画像データを該第2の画像データに変換する際に参
照される色変換テーブルを設定するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記
録媒体であって、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2の
画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも明
度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷色
域を取得する第1の機能と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係と
して記憶しておく第2の機能と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点と、該第1の
画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる黒点とを前記印刷色域内に設定
し、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する第3の機能と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるととも
に、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点
に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係た
る入力側対応関係を設定する第4の機能と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前記
第2の画像データとを対応付けることにより、前記色変換テーブルを設定する第5の機能

をコンピュータにより実現するプログラムを記録しているとともに、
前記無彩色軸を設定する第3の機能は、前記印刷色域内で最も明度の高い座標点を前記
白点とし、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も明度の低い座標点を前記黒点と
して、該無彩色軸を設定する機能であることを要旨とする。
また、上述した画像データ変換方法に対応する本願発明のプログラムは、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している機能(A)と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する機能(B)と
をコンピュータにより実現するとともに、
前記機能(A)によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本願発明の記録媒体は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している機能(A)と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する機能(B)と
をコンピュータにより実現するプログラムを記録しているとともに、
前記機能(A)によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
更に、上述した印刷方法に対応する本願発明のプログラムは、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する方法を、コンピュータを用
いて実現するためのプログラムであって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している機能(1)と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する機能(2)と、
前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する機能(3)と
をコンピュータにより実現するとともに、
前記機能(1)によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本願発明の記録媒体は、
第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷するプログラムを、コンピュー
タで読取可能に記録した記録媒体であって、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
憶している機能(1)と、
前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
第2の画像データに変換する機能(2)と、
前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する機能(3)と
をコンピュータにより実現するプログラムを記録しているとともに、
前記機能(1)によって記憶される前記色変換テーブルは、
互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
色域を取得する工程と、
前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
として記憶しておく工程と、
前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
工程と、
無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
たる入力側対応関係を設定する工程と、
前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
記第2の画像データとを対応付ける工程と
を経て設定された色変換テーブルであることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、第
1の画像データを第2の画像データに適切に色変換して、画像中の暗めの領域においても
、色のばらつきのない良好なカラー画像を印刷することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.実施例の概要 :
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
B−2.内部構成 :
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
C.画像印刷処理の概要 :
D.色変換テーブル設定処理 :
D−1.色のばらつきが発生するメカニズム :
D−2.色変換テーブル設定処理の詳細 :
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明して
おく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。図示した印刷装置
10は、デジタルカメラ20で撮影したカラー画像データやコンピュータ20で作成した
カラー画像データなどを受け取って、印刷媒体P上にインク滴を吐出してインクドットを
形成することによりカラー画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。
通常、カラー画像データは、光の三原色と呼ばれるRGB各色の色光を混合することに
よって色彩を表現しているのに対して、印刷装置10では、インクの三原色と呼ばれるシ
アン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のインクに、ブラック(K)を加えた
4色のインクを混合して色彩を表現している。このため、カラー画像を印刷するに際して
は、RGB画像データをCMYK画像データに変換しておく必要がある。こうした変換(
色変換)は、RGB画像データとCMYK画像データとを対応付けて記憶しておいた色変
換テーブルを参照して行われる。
通常、色変換テーブルは次のようにして設定されている。先ず初めに、印刷装置10が
印刷可能な色彩の範囲(印刷色域)を取得する。印刷色域は、CMYK画像データの各成
分の階調値を変えながら印刷装置10を用いてカラー画像を印刷し、得られた画像の色彩
を測色することによって得ることができる。尚、取得した印刷色域は、少なくとも明度軸
を含んだ色空間(例えば、L*a*b*色空間、L*u*v*色空間、XYZ色空間など
)で記述しておくと便利である。次いで、印刷色域内で最も明度の高い点(最明点)に白
点を設定し、印刷色域内で最も明度の低い点(最暗点)に黒点を設定する。ここで白点と
は、RGB画像データが表現可能な最も明るい画像データ(すなわち、RGB各成分が何
れも上限値255であるRGB画像データ)が割り当てられる座標点である。また、黒点
とは、RGB画像データが表現可能な最も暗い画像データ(すなわち、RGB各成分が何
れも階調値0あるRGB画像データ)が割り当てられる座標点である。前述したように印
刷装置10は印刷媒体上にインク滴を吐出して画像を印刷しているから、白点が設定され
る最明点は全くインク滴を吐出していない状態、すなわち印刷媒体の地色の状態となり、
また、黒点が設定される最暗点はKインクのインク滴を許容限界まで吐出した状態となる
のが普通である。そして、白点と黒点とを結ぶように無彩色軸を設定する。
図1中に斜線を付して表した領域は、L*a*b*色空間内に表現された印刷装置10
の印刷色域を示している。L*a*b*色空間では、L*軸が明度に対応する軸(明度軸
)となっている。また、印刷色域内に白丸で表したW点は白点を示し、黒丸で表したX点
は黒点を示しており、W点とX点とを結ぶ破線の曲線は印刷色域内に設定された無彩色軸
を表している。色変換テーブルの設定に際しては、次のようにしてRGB画像データを印
刷色域内の座標点に割り当てていく。先ず、RGB各成分が何れも上限値255であるR
GB画像データ(以下では、このようなRGB画像データを、RGB(255,255,
255)と表記するものとする)は、印刷色域内の白点Wに割り当てる。前述したように
白点Wは印刷媒体の地色の状態であるから、結局、RGB(255,255,255)の
画像データは、CMYK各成分の階調値が何れも階調値0のCMYK画像データ(以下で
は、このようなCMYK画像データを、CMYK(0,0,0,0)と表記する)に対応
付けられることになる。同様に、RGB画像データが表現可能な最も暗い画像データ(す
なわち、RGB(0,0,0)の画像データ)は、印刷色域内の黒点Xを介して、CMY
K(0,0,0,255)の画像データに対応付けられる。また、無彩色を表すRGB画
像データは、白点Wと黒点Xとを結ぶ破線で示した無彩色軸上の座標点に割り当てられ、
その座標点を介して対応するCMYK画像データに対応付けられる。更に、有彩色を表す
RGB画像データは、破線で示した無彩色軸を除いた印刷色域内の座標点に割り当てられ
て、その座標点を介して対応するCMYK画像データに対応付けられる。通常、色変換テ
ーブルは、予め設定しておいた複数のRGB画像データの各々に対して、このようにして
CMYK画像データを対応付けることによって設定されている。このようにして設定した
色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データをCMYK画像データに迅速に且つ適切
に変換して、高画質なカラー画像を印刷することが可能である。
しかし、このようにして印刷されたカラー画像は確かに良好な画質が得られるものの、
異なる種類の印刷媒体に印刷した画像同士を比較すると、暗めの(明度が低い)領域にお
いて、何故か色彩がばらつくことがあるという問題が生じていた。
そこで、このような問題の解決を図るべく種々の検討を加える中で、こうした現象が、
インク種類と印刷媒体との組合せによるなどによるインクの発色の違いに、主に起因する
ものであることが見出された。そして、色変換テーブルを設定する際に、黒点を次のよう
な位置に設定することで、こうした問題を回避することが可能であることが見出された。
すなわち、従来のように印刷色域内の最暗点に黒点Xを設定するのではなく、印刷色域内
に含まれ且つ明度軸上で最も明度に低い点に黒点Kを設定し、この黒点Kと白点Wとを結
んだ軸を無彩色軸とする。図1中には、このようにして設定された無彩色軸が一点鎖線で
示されている。そして、RGB色空間内でRGB(0,0,0)とRGB(255,25
5,255)とを結ぶ直線上の画像データを、一点鎖線の無彩色軸上の座標点に対応付け
るようにして色変換テーブルを設定する。詳細な理由は後述するが、このようにして設定
された色変換テーブルを用いてRGB画像データをCMYK画像データに色変換してやれ
ば、異なる種類の印刷媒体に印刷した場合でも、暗めの領域を同じような色彩で印刷する
ことが可能となる。
図1に示した本実施例の印刷装置10は、コンピュータ20やデジタルカメラ30から
印刷しようとする画像のRGB画像データを受け取ると、このようにして設定された色変
換テーブルを参照することにより、RGB画像データをCMYK画像データに色変換する
。このような色変換は、印刷装置10に内蔵された「色変換モジュール」で行われる。尚
、「モジュール」とは、印刷装置10が画像を印刷するために内部で行っている一連の処
理を、機能に着目して分類したものである。従って「モジュール」は、プログラムの一部
として実現することもできるし、あるいは、特定の機能を有する論理回路を用いて実現し
たり、更には、これらを組合せることによって実現することが可能である。
次いで、得られたCMYK画像データは「画像印刷モジュール」に供給され、「画像印
刷モジュール」内で所定の画像処理が施されて、インク吐出ヘッド12の駆動信号に変換
される。そして得られた駆動信号をインク吐出ヘッド12に供給して、CMYK各色のイ
ンク滴を吐出することにより、印刷媒体P上にカラー画像を印刷する。こうすれば、異な
る種類の印刷媒体に印刷した場合でも、暗めの領域で色彩がばらつくことなく、良好な画
質のカラー画像を印刷することが可能となる。以下では、このようにして設定された色変
換テーブルを用いて画像データの色変換を行うことにより、カラー画像を印刷する印刷装
置10について、実施例を用いて詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、
本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部10
0およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されて
いる。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んでカラー画像データを生成するスキャナ
機能を有しており、プリンタ部200は、カラー画像データを受け取って印刷媒体上に画
像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取ったカラー画
像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわ
ち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現
可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)
となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー1
02を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上
に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を
実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示さ
れているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、
原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、
印刷画像を読み込んで直ちにカラー画像データに変換することができる。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキ
ャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4
参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げること
により、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である
。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げ
ることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の
内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含め
た印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ
部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども
設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口
部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理
、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述した
ように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、ス
キャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ
部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では
、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構
成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされ
た印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込
む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させ
る駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キ
ャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動
モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御さ
れている。
制御回路260の制御の下で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介
してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、
ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方
向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124に
よって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転
させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可
能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CC
Dセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射
され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラ
ー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ
118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイ
オードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置
されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査
方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射
光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の
周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてC
CD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画
像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R
色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG
成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光
を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光
強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画
像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えてい
る間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置
は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このず
れは、各成分を読み込んだ後に画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装置10
の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印刷キャ
リッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒体の紙
送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク
,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設
けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を
吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインク
カートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入
管を通じて、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。尚、図5に示し
たプリンタ部200では、Cインク,Mインク,Yインクについては一つのインクカート
リッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別
体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。また、これらイ
ンクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMインク
)、濃度の低いKインク(LKインク)、更には紫色インク(Vインク)、オレンジ色イ
ンク(Oインク)などを搭載することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動
するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリ
ッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための
張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233
と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成され
ている。後述する制御回路260の制御の下でキャリッジモータ230を回転させると、
回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能で
ある。また、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向
に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と
、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている
。後述する制御回路260の制御の下で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に
応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナロ
グ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うため
の周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、スキャ
ナ部100、プリンタ部200、操作パネル300を含めた印刷装置10全体の動作を制
御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モータ122、CCD1
18とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動し
て印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド2
44ないし247に駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク
吐出ヘッド244ないし247に供給する駆動信号は、コンピュータ20やデジタルカメ
ラ30などからカラー画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生
成する。もちろん、スキャナ部100で読み込んだカラー画像データに画像処理を施すこ
とにより、駆動信号を生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の下で
、印刷キャリッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ない
し247からインク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによっ
て、カラー画像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像
処理を行うのではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、
このデータに従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出
ヘッド244ないし247を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されてお
り、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能
や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コン
ピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定す
ることも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に、インク滴を吐出する複数のノ
ズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐
出ヘッドの底面には、各色のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており、1組
のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千鳥状に配列され
ている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに駆動信号が供給され、各
ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することが
できる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置した
ヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いる
ことができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙
上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付
着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
C.画像印刷処理の概要 :
上述したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、RGB画像デー
タに適切な画像処理を施して各ノズルに対する駆動信号を生成し、駆動信号に基づいてド
ットを形成する必要がある。以下では、かかる処理(画像印刷処理)の概要について説明
する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部200に組み込まれた制御回路26
0内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュータ20で画像処理を行い、処理済
みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み込んで、ドットを形成することも
可能である。
図7は、RGB画像データを読み込んで画像を印刷する画像印刷処理の流れを示すフロ
ーチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。画像印刷処理を開始すると
、制御回路260は先ず初めに、印刷しようとする画像のRGB画像データの読み込みを
行う(ステップS100)。
次いで、読み込んだRGB画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷するための
解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。読み込んだRGB画
像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って
新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだRG
B画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合
で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。解像度変換処理では、
読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによっ
て、読み込んだRGB画像データの解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
こうしてRGB画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変
換処理を開始する(ステップS104)。前述したように、色変換処理とはR,G,Bの
階調値の組合せによって表現されているRGB画像データを、プリンタに搭載された各色
インクに対応するCMYK画像データに変換する処理であり、色変換処理は、色変換テー
ブルを参照して行われる。
図8は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説
明図である。ここでは、RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るものとする。図
8に示すように、直交する3軸にR,G,B各色の階調値を取った色空間を考えると、全
てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体(色立体)の内
部の点に対応付けることができる。また、このような色立体を格子状に細分して複数の格
子点を設ければ、各格子点は、その座標値に対応したRGB画像データを表していると考
えることができる。そこで、それぞれの格子点にCMYK画像データを対応付けて予め記
憶しておく。色変換テーブルは、このようにRGB色立体を細分する格子点にCMYK画
像データを対応付けて記憶した数表と考えることができる。そして、RGB画像データを
、CMYK画像データに色変換するに際しては、色変換テーブルを参照することで、適切
なCMYK画像データに、迅速に色変換することが可能となる。
例えば、RGB画像データのR成分の階調値がRA、G成分の階調値がGA、B成分の
階調値がBAであったとすると、この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(
図8参照)。そこで、色立体を格子状に細分する小さな立方体の中から、A点を内包する
立方体dVを検出し、この立方体dVの各格子点に記憶されているCMYK画像データを
読み出してやる。そして、これら各格子点のCMYK画像データから補間演算すれば、A
点でのCMYK画像データを求めることができる。
また、本実施例の色変換処理で参照する色変換テーブルは、後述する特別な方法で設定
されている。このため、どのような印刷媒体に印刷した場合でも、暗めの領域で画像の色
彩がばらつくことなく、安定して良好な画質のカラー画像を得ることが可能となっている
。このような色変換テーブルを設定する方法については、後ほど詳しく説明する。
色変換処理によって、RGB画像データをCMYK画像データに色変換したら、続いて
ハーフトーン処理を行う(ステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理
である。色変換処理によって得られたCMYK画像データは、画像データのデータ長に応
じて定まる階調数(1バイトデータであれば256階調)を有している。これに対してプ
リンタ部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれ
の画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、色変換処理に
よって得られたCMYK画像データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドッ
トデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにCMYK画像
データをドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用
することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことで
その画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散さ
れてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法
である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とCM
YK画像データとを画素毎に比較して、CMYK画像データの方が大きい画素にはドット
を形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断す
ることで、各画素についてのドットデータを得る手法である。
図9は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリ
ックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲
から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜
255の範囲から選択されているのは、本実施例では、色変換処理によって得られたCM
YK画像データが1バイトデータとなっており、階調値が0〜255の値を取り得ること
に対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図9に例示したように縦横
64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大き
さに設定することが可能である。
図10は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断して
いる様子を概念的に示した説明図である。尚、かかる判断は、CMYKの各色について行
われるが、以下では説明が煩雑となることを避けるために、CMYK画像データの各色を
区別することなく、単に画像データと称するものとする。
ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画
素)についての画像データの階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶され
ている閾値とを比較する。図10中に示した細い破線の矢印は、着目画素の画像データを
、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式
的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の画像データ
の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマ
トリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断す
る。図10に示した例では、画像の左上隅にある画素の画像データは「97」であり、デ
ィザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従
って、左上隅の画素については、画像データの方がディザマトリックスの閾値よりも大き
いから、この画素にはドットを形成すると判断する。図10中に実線で示した矢印は、こ
の画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式
的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、画像データは「97」
、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素につ
いてはドットを形成しないものと判断する。このように、画像データとディザマトリック
スに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定すること
ができる。ハーフトーン処理(図7のステップS106)では、CMYK画像データに対
して上述したディザ法を適用することにより、画素毎にドット形成の有無を判断してドッ
トデータを生成する処理を行う。
図7に示した画像印刷処理のステップS106では、色変換によって得られたCMYK
画像データに対して上述した処理を施すことにより、画素毎にドットの形成有無を表した
ドットデータを生成する処理を行う。
以上のようにして、CMYK画像データをドットデータに変換したら、今度は、インタ
ーレース処理を開始する(図7のステップS108)。インターレース処理とは、印字ヘ
ッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッ
ド244ないし247に供給する処理である。すなわち、図6に示したように、インク吐
出ヘッド244ないし247に設けられたノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間
隔を空けて設けられているから、印刷キャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐
出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこ
で全画素にドットを形成するためには、印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を
副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを
形成することが必要となる。このように、実際に画像を印刷する場合には、画像の上方に
ある画素から順番にドットを形成しているわけではない。更に、主走査方向に同じ列にあ
る画素についても、一回の主走査でドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複
数回の主走査に分けてドットを形成することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の
画素にドットを形成することも広く行われている。
このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で画素の並びの順番に従ってドッ
トを形成しているわけではないことから、実際にドットの形成を開始する前に、C,M,
Y,Kの各色について得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし247が
ドットを形成する順番に並び替えておく処理が必要となる。このような処理が、インター
レースと呼ばれる処理である。
図7に示した画像印刷処理では、インターレース処理を終了すると、インターレース処
理によって得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドッ
ト形成処理)を開始する(ステップS110)。すなわち、キャリッジモータ230を駆
動して印刷キャリッジ240を主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータ
をインク吐出ヘッド244ないし247に供給する。前述したようにドットデータは、各
画素にドットを形成するか否かを表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ない
し247は、ドットデータに従ってインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドット
を形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体
を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ2
40を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244
ないし247に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、
印刷媒体上には、C,M,Y,Kの各色のドットが画像データの階調値に応じて適切な分
布で形成されて、画像が得られることになる。
このようにして得られたカラー画像は、特別な方法によって設定された色変換テーブル
によって色変換を行っているために、画像の暗めの領域を、印刷媒体の種類によらず安定
した色彩で印刷することが可能となっている。以下では、かかる色変換テーブルを設定す
る方法について説明する。
D.色変換テーブル設定処理 :
上述したように、本実施例の方法によって設定された色変換テーブルを用いれば、印刷
媒体の種類によらず、画像の暗めの領域を安定した色彩で印刷することが可能となるが、
この方法は、従来からの方法で設定した色変換テーブルの問題となった現象、すなわち、
画像中の暗めの領域で、印刷媒体の種類によってばらつきが発生することがあるという現
象のメカニズムを見出して、これを踏まえた改善策として開発された方法である。そこで
、先ず初めに、従来からの方法で設定された色変換テーブルでは、色のばらつきが発生す
ることがある理由について簡単に説明した後、これを踏まえて、本実施例の色変換テーブ
ル設定方法について説明する。
D−1.色のばらつきが発生するメカニズム :
図11は、色変換テーブルを設定するために従来から行われてきた方法を概念的に示し
た説明図である。図11の中央に示しているのは、印刷装置で表現可能な色域(印刷色域
)である。印刷色空間は、CMYK画像データの各成分の階調値を変更しながら、実際に
カラー画像を印刷し、得られたカラー画像の色彩を測色して、測色結果を色空間内にプロ
ットすることによって求めることができる。尚、ここでは、L*a*b*色空間内で印刷
色域を求めるものとしているが、明度に対応する座標軸を有する色空間であれば、L*a
*b*色空間に限らず、L*u*v*色空間や、XYZ色空間など、他の色空間を用いる
ことも可能である。また、印刷色域は、印刷媒体やインクの種類によって異なることから
、印刷媒体やインク種類の組合せ毎に求めておく。
このようにして得られた印刷色域は、ほぼ紡錘状に近い形状、すなわち明度が高くなる
ほど、あるいは明度が低くなるほど断面形状が小さくなって、最終的には最高明度あるい
は最低明度の一点にそれぞれ収束するような形状となる。このときの最も明度が高い点(
最明点)は、印刷媒体の地色の状態に対応しており、従って、最明点の座標値は、印刷媒
体の地色が有する明度、彩度、および色相となる。また、最も明度が低い点(最暗点)は
、印刷媒体の許容限界までKインクを使用して印刷した画像に対応しており、従って、最
暗点の座標値は、Kインクおよび印刷媒体の種類に依存する。すなわち、Kインクおよび
印刷媒体は何れも、インクの種類あるいは媒体の種類に応じて固有の明度、彩度、色相を
有しており、最暗点はこれらの影響を受けている。加えて、インクの発色は印刷媒体との
組合せによって変わるため、Kインクと印刷媒体との組合せにも影響を受けることになる
従来から行われてきた色変換テーブルの設定方法では、印刷色域内の最明点に白点Wを
設定し、最暗点に黒点Kを設定する。ここで白点Wとは、変換元の画像データ(ここでは
RGB画像データ)の中の最高明度の画像データが対応付けられる座標点を言い、また黒
点Kとは、変換元の画像データの中で最低明度の画像データが対応付けられる座標点を言
う。もちろん、RGB画像データの場合には、最高明度の画像データとは、RGBの各成
分が上限値(ここでは階調値255)となる画像データであり、最低明度の画像データと
は、RGBの各成分が下限値(ここでは階調値0)となる画像データとなる。こうして印
刷色域内に白点Wおよび黒点Kを設定したら、続いて、白点Wと黒点Kとを結ぶ無彩色軸
を設定する。尚、無彩色軸を設定するに際しては、最明点と最暗点との間の所定明度に中
間点Pを設定しておき、白点Wから中間点Pを経由して黒点Kを結ぶように無彩色軸を設
定することも行われている。
図11の中央に示した印刷色域内には、このようにして設定された白点W、および黒点
Kに加えて、無彩色軸が一点鎖線によって示されている。尚、上述したように、色空間に
おける白点Wの座標値は印刷媒体の地色に依存し、黒点Kの座標値はKインクおよび印刷
媒体の種類とその組合せに依存することから、白点Wと黒点Kとは明度成分だけでなく、
色味成分(彩度および色相)も異なっている。図11には、明度軸方向から見たときの、
白点W、黒点K、および無彩色軸との位置関係が例示されている。また、図11では、中
間点Pは、ほぼ明度軸上に設けられているものとして示されているが、中間点Pはほぼ明
度軸付近に設けられていれば良い。例えば、コンピュータなどのモニタ画面は若干青みが
かった色をしていることが多いから、中間点Pを僅かに青みがかった位置に設定しておけ
ば、モニタ画面と近い印象のカラー画像を印刷することが可能となる。
色変換テーブルの設定に際しては、このように印刷色域内に無彩色軸を設定した状態で
、RGB画像データを印刷色域内の座標点に割り当てていく。すなわち、RGB画像デー
タの最明点であるRGB(255,255,255)は、印刷色域内の白点Wに割り当て
、RGB画像データの最暗点であるRGB(0,0,0)は、印刷色域内の黒点Kに割り
当てる。また、無彩色を表すRGB画像データ(すなわち、RGB各成分の階調値が同じ
値の画像データ)は、印刷色域内に設定した無彩色軸上の座標点に割り当てる。更に、有
彩色を表すRGB画像データは、印刷色域内の無彩色軸以外の座標点に割り当てる。図1
1には、図中の左側に斜線を付して示したRGB色空間内の画像データを、図中の中央に
示した印刷色域内の座標点に割り当てる様子が概念的に示されている。
ここで、図11の中央に示した印刷色域は、CMYK画像データに基づいて印刷したカ
ラー画像を測色して色空間内にプロットすることによって得られたものであるから、印刷
色域内の座標値は、その座標値が得られたCMYK画像データと対応付けられている。従
って、RGB画像データが印刷色域内の座標点に割り当てられていれば、その座標点を介
して、RGB画像データをCMYK画像データに対応付けることが可能となる。例えば、
RGB画像データの最明点であるRGB(255,255,255)は、印刷色域内の白
点Wを介してCMYK(0,0,0,0)の画像データに対応付けることができる。同様
に、RGB画像データの最暗点であるRGB(0,0,0)は、印刷色域内の黒点Kを介
してCMYK(0,0,0,255)の画像データに対応付けられる。また、有彩色のR
GB画像データAは、印刷色域内の座標点を介して、CMYK(Ca,Ma,Ya,Ka
)の画像データに対応付けられることになる。このようにして、RGB色空間内の画像デ
ータを、印刷色域内の座標点を介してCMYK画像データに対応付けて、RGB画像デー
タに対するCMYK画像データとして設定していけば、色変換テーブルを設定することが
できる。図11の右側には、RGB画像データにCMYK画像データを対応付けて記憶す
ることで、色変換テーブルを設定している様子を概念的に表している。
従来の色変換テーブルは、このようにして設定されており、こうして設定された色変換
テーブルを用いて印刷しても、十分に良好な画質のカラー画像を印刷することが可能であ
る。しかし、その一方で、印刷媒体の種類を変えると、特にシャドー領域(暗めの画像領
域)で色の感じが変わってしまうことがあるという問題があった。これは次のようなメカ
ニズムによるものと考えられる。
図12は、従来の方法で設定された色変換テーブルを用いてカラー画像を印刷した場合
に、印刷媒体の種類によって、暗めの領域の色彩がばらつくことがある理由を示した説明
図である。図では、印刷色域内に設けられた白点W、黒点K、および無彩色軸との位置関
係が、概念的に示されている。前述したように、白点Wの座標値は印刷媒体の地色に依存
していることから、白点Wは純粋な白色ではなく、何某かの色味成分(色相および彩度)
を有している。また、黒点Kの座標値についても同様に、Kインクおよび印刷媒体がそれ
ぞれに有する色味成分の影響を受けるとともに、インクと印刷媒体との組合せによっても
影響を受けており、従って完全な無彩色の黒色ではなく、白点Wと同様に何某かの色味成
分を有している。そして、黒点Kの色味成分は、印刷媒体の地色の影響だけでなく、Kイ
ンクによっても影響されることに対応して、黒点Kの色味成分は白点Wの色味成分とは異
なった色相を有することが多い。
ここで、人間の視覚には、光源などの加減で真っ白の部分に色が付いてしまう場合でも
、これをキャンセルして白色と解釈する性質がある。この色順応と呼ばれる性質があるた
めに、白点Wが多少の色味成分を有していても、実際にはほとんど色味を感じることはな
い。これに対して黒色については、こうした性質はないので、黒点Kが色味成分を有して
いると、このことが分かってしまう場合が生じ得る。もちろん、白点Wの有する色味と黒
点Kの色味とが同じ色相であれば、黒点Kが色味成分を有していても色順応によってカバ
ーされ得るが、通常は、白点Wと黒点Kとは異なる色相を有することが多いから、黒点K
が有する色味成分は白点Wの有する色味成分と比べて目立ち易いと言える。そして、黒点
Kの有する色味成分は、実際には最も明度の低い状態から、少し明るくなった辺りで最も
目立ち易くなる。
図11を用いて前述したように、従来の色変換テーブルの設定方法では、白点Wと、中
間点Pと、黒点Kとを結んで無彩色軸を設定している。従って、黒点Kが有する色味成分
に引きずられて、黒点Kより少し明るい領域の無彩色軸が色味を持ってしまい、この部分
で、黒点Kが有する色味成分が目立ってしまうものと考えられる。図12中では、黒点K
の色味成分の影響で、黒点よりも少し明るくなった領域で目立ってしまう色味成分に斜線
を付して表示している。しかも、黒点Kの有する色味成分は、Kインクと印刷媒体との組
合せによるインクの発色の違いによっても影響を受けるから、印刷媒体を変えただけで、
色味成分の大きさあるいは色相が変わってしまうことも生じ得る。従来の方法で設定した
色変換テーブルを用いてカラー画像を印刷した場合に、シャドー領域(暗めの領域)で色
のばらつきが発生することがある現象は、このようなメカニズムによって生じているもの
と考えられる。
シャドー領域で色のばらつきが生じるメカニズムが、図12に斜線を付して示したよう
に、黒点Kよりも少し明るい領域で、無彩色軸が色味成分を持ってしまうことに起因する
と考えると、黒点Kよりも少し明るい領域に新たな中間点を追加して、この点を通るよう
に無彩色軸を設定することによって、こうした現象を抑制できるものと考えられる。
図13は、黒点Kよりも少し明るい領域に新たな中間点Qを設け、白点W、中間点P、
Q、黒点Kを通る無彩色軸を設定した様子を示した説明図である。図12と図13とを比
較すれば明らかなように、図13では、黒点Kの少し上側に新たな中間点Qを追加するこ
とで、無彩色軸が有する色味成分が抑制されており、この結果、シャドー領域で色のばら
つきが発生する現象を回避可能と考えられる。しかし、このような方法では、追加した中
間点Qから黒点Kまでの間で、無彩色軸が急激に曲がることになる。その結果、RGB画
像データを印刷色域内の座標点に割り当てる際に、色の連続性を保ったまま割り当てるこ
とが困難となり、印刷された画像に擬似輪郭が発生したり、階調性が低下するなどの新た
な弊害を引き起こすことが懸念される。
このような検討を踏まえて、本実施例の色変換テーブル設定方法では、黒点Kを、印刷
色域の最暗点に設定するのではなく、印刷色域内に含まれていて、且つ明度軸(L*軸)
上で最も明度が低い点に設定する。そして、印刷色域内の最明点に設定した白点Wと、中
間点Pと、明度軸上の黒点Kとを結ぶ無彩色軸を設定して、色変換テーブルを設定する。
図14は、印刷色域内の最暗点以外の点に黒点を設定して、無彩色軸を設定した様子を概
念的に表している。図示されているように、印刷色域内で且つ明度軸(L*軸)上の最も
明度が低い点に黒点Kを設定しておけば、黒点Kより少し明るい領域で、無彩色軸が色味
成分を有することはないので、シャドー領域で色のばらつきが発生することを回避するこ
とができる。加えて、無彩色軸が急激に曲がることもないので、印刷画像に擬似輪郭が発
生したり、階調性が低下するなどの新たな問題を招くこともなく、良好な画質のカラー画
像を印刷することが可能となる。
もちろん、黒点Kは最暗点よりも若干明るい座標点に設定されることになるので、この
ことは、画像の暗い部分を十分に暗くすることができずに印刷画像のコントラストが不足
する方向に作用する。しかし、実際には、最暗点の付近では明度の変化がサチリ傾向にあ
るため、最暗点よりも若干明るい座標点に黒点Kを設定しても、印刷画像のコントラスト
に与える影響はほとんど無視し得る程度に小さい。従って、このようにして色変換テーブ
ルを設定しておけば、画像のコントラストの点から見ても、十分に高画質なカラー画像を
印刷することが可能である。以下では、色変換テーブルを設定するための詳細な方法につ
いて説明する。
D−2.色変換テーブル設定処理の詳細 :
図15は、本実施例の色変換テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャートであ
る。また、図16は、本実施例の色変換テーブル設定方法で、色変換テーブルを設定する
様子を概念的に示した説明図である。以下、図16を参照しながら、図15のフローチャ
ートに従って説明する。
色変換テーブル設定処理を開始すると、先ず初めに、色変換テーブルを設定しようとす
る印刷媒体およびインクの種類を設定する(ステップS200)。前述したように、印刷
色域は、印刷媒体の種類やインクの種類、およびこれらの組合せに影響され、従って、色
変換テーブルも異なったものとなるので、予め印刷媒体の種類とインクの種類とを設定し
ておくのである。
次いで、設定した印刷媒体およびインクを用いて、CMYK画像データの各成分の階調
値を変えながらカラー画像を印刷する(ステップS202)。このようにして印刷された
カラー画像は、1つの画像が1つのCMYK画像データに対応する画像となっており、パ
ッチ画像と呼ばれる。ここでは、CMYKの各成分の階調値を少しずつ変えながら、複数
のCMYK画像データについてカラー画像を印刷するから、CMYK画像データの種類に
応じて、多数のパッチ画像が印刷されることになる。
そして、印刷したパッチ画像を測色して色空間内にプロットすることにより、印刷色域
を取得する(ステップS204)。尚、このときに用いる色空間は、少なくとも明度に対
応する座標軸を有する色空間であればよく、L*a*b*色空間や、L*u*v*色空間
、XYZ色空間など、種々の色空間を用いることができる。図16の中央には、L*a*
b*色空間内に得られた印刷色域が、斜線を付して示されている。
こうして取得した色空間内で、最も明度の高い座標点(最明点)に白点Wを設定し(ス
テップS206)、印刷色域内の明度軸上の所定明度の座標点に中間点Pを設定する(ス
テップS208)。尚、前述したように中間点Pは、明度軸の付近に設けておけば、必ず
しも明度軸上に設ける必要はなく、所定の色相および彩度を有する座標点に設定しても良
い。
次いで、印刷色域内で明度軸上の最暗点(印刷色域内に含まれており、且つ明度軸上で
最も明度の低い座標点)に、黒点Kを設定した後(ステップS210)、白点W、中間点
P、黒点Kを結ぶ無彩色軸を設定する(ステップS212)。図16には、このようにし
て印刷色域内に設定された白点W、中間点P、黒点Kと、これら各点を通過する無彩色軸
が一点鎖線で示されている。
そして、RGB色空間内の画像データ(RGB画像データ)を、印刷色域内の座標点に
割り当てる(ステップS214)。このとき、無彩色のRGB画像データは、印刷色域内
に設定した無彩色軸上の座標点に割り当てるとともに、有彩色のRGB画像データは、印
刷色域内で、無彩色軸以外の座標点に割り当てる。図16には、図中の左側に示したRG
B色空間内の画像データを、印刷色域内の座標点に割り当てている様子が概念的に示され
ている。
前述したように印刷色域内の座標点はCMYK画像データと対応付けられているから、
RGB画像データを印刷色域内の座標点に割り当てておけば、座標点を介して、RGB画
像データに対応付けられるCMYK画像データを決定することができる。そこで、このよ
うなRGB画像データとCMYK画像データとを、互いに対応付けた状態で記憶する(ス
テップS216)。図16中の右側には、印刷色域内の座標点を介して対応付けられたC
MYK画像データが、RGB画像データに対して記憶される様子が概念的に示されている
。このようにして、RGB色空間内に予め設定しておいた全てのRGB画像データに対し
て、CMYK画像データを記憶することにより、色変換テーブルを設定することができる
このようにして設定された色変換テーブルは、図14を用いて前述したように、黒点K
より少し明るい領域で、無彩色軸が色味成分を持つことがない。このため、印刷媒体の種
類やインク種類の影響を受けることなく、シャドー領域でも安定した色彩でカラー画像を
印刷することが可能となる。また、無彩色軸が急激に曲がることがないので、色彩の変化
が滑らかになり、擬似輪郭の発生や階調性の低下といった弊害が生じることなく、高画質
なカラー画像を印刷することが可能となる。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られ
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像を読み込むために、印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 各色のインク吐出ヘッドにインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 RGB画像データを読み込んで画像を印刷する画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 色変換テーブルを設定するために従来から行われてきた方法を概念的に示した説明図である。 従来の方法で設定された色変換テーブルを用いてカラー画像を印刷した場合に、印刷媒体の種類によって暗めの領域の色彩がばらつくことがある理由を示した説明図である。 黒点Kよりも少し明るい領域に新たな中間点Qを設けて、白点W中間点PQ黒点Kを通る無彩色軸を設定した様子を示した説明図である。 印刷色域内の最暗点以外の点に黒点を設定して、無彩色軸を設定した様子を概念的に表した説明図である。 本実施例の色変換テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャートである。 本実施例の色変換テーブル設定方法により色変換テーブルを設定する様子を概念的に示した説明図である。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、 100…スキャナ部、
200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
242…インクカートリッジ、 243…インクカートリッジ、
260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (11)

  1. 第1の表色系による第1の画像データと第2の表色系による第2の画像データとが対応
    付けられた状態で記憶され、該第1の画像データを該第2の画像データに変換する際に参
    照される色変換テーブルを設定するための色変換テーブル設定方法であって、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2の
    画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも明
    度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷色
    域を取得する第1の工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係と
    して記憶しておく第2の工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点と、該第1の
    画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる黒点とを前記印刷色域内に設定
    し、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する第3の工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるととも
    に、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点
    に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係た
    る入力側対応関係を設定する第4の工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前記
    第2の画像データとを対応付けることにより、前記色変換テーブルを設定する第5の工程

    を備え、
    前記無彩色軸を設定する第3の工程は、前記印刷色域内で最も明度の高い座標点を前記
    白点とし、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も明度の低い座標点を前記黒点と
    して、該無彩色軸を設定する工程である色変換テーブル設定方法。
  2. 請求項1に記載の色変換テーブル設定方法であって、
    前記無彩色軸を設定する第3の工程は、前記白点と前記黒点との間に所定明度の中間点
    を設け、該白点と該中間点と該黒点とを結ぶことによって該無彩色軸を設定する工程であ
    る色変換テーブル設定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の色変換テーブル設定方法であって、
    前記第1の工程は、少なくとも印刷媒体の種類毎に前記印刷色域を取得する工程であり

    前記第2の工程ないし前記第4の工程は、前記印刷色域毎に、それぞれの処理を行う工
    程であり、
    前記第5の工程は、前記印刷色域毎に前記色変換テーブルを設定する工程である色変換
    テーブル設定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の色変換テーブル設定方法であって、
    前記第1の画像データは、少なくとも光の三原色を含む複数の色成分によって色彩を表
    現した画像データであり、
    前記第2の画像データは、少なくともインクの三原色に黒色を加えた複数の色成分によ
    って色彩を表現した画像データである色変換テーブル設定方法。
  5. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    する画像データ変換装置であって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している色変換テーブル記憶手段と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する画像データ変換手段と
    を備え、
    前記色変換テーブル記憶手段によって記憶されている前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルである画像データ変換装置。
  6. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する印刷装置であって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している色変換テーブル記憶手段と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する画像データ変換手段と、
    前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷手段と
    を備え、
    前記色変換テーブル記憶手段によって記憶されている前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルである印刷装置。
  7. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    する画像データ変換方法であって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している色変換テーブル記憶工程と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する画像データ変換工程と
    を備え、
    前記色変換テーブル記憶工程によって記憶される前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルである画像データ変換方法。
  8. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する印刷方法であって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している色変換テーブル記憶工程と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する画像データ変換工程と、
    前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷工程と
    を備え、
    前記色変換テーブル記憶工程によって記憶される前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルである印刷方法。
  9. 第1の表色系による第1の画像データと第2の表色系による第2の画像データとが対応
    付けられた状態で記憶され、該第1の画像データを該第2の画像データに変換する際に参
    照される色変換テーブルを設定する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログ
    ラムであって、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2の
    画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも明
    度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷色
    域を取得する第1の機能と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係と
    して記憶しておく第2の機能と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点と、該第1の
    画像データの中の最低明度の画像データが対応付けられる黒点とを前記印刷色域内に設定
    し、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する第3の機能と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるととも
    に、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標点
    に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係た
    る入力側対応関係を設定する第4の機能と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前記
    第2の画像データとを対応付けることにより、前記色変換テーブルを設定する第5の機能

    をコンピュータにより実現するとともに、
    前記無彩色軸を設定する第3の機能は、前記印刷色域内で最も明度の高い座標点を前記
    白点とし、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も明度の低い座標点を前記黒点と
    して、該無彩色軸を設定する機能であるプログラム。
  10. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している機能(A)と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する機能(B)と
    をコンピュータにより実現するとともに、
    前記機能(A)によって記憶される前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルであるプログラム。
  11. 第1の表色系による第1の画像データを、第2の表色系による第2の画像データに変換
    した後、該第2のカラー画像データに基づいて画像を印刷する方法を、コンピュータを用
    いて実現するためのプログラムであって、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとが対応付けられた色変換テーブルを記
    憶している機能(1)と、
    前記第1の画像データを受け取ると、前記色変換テーブルを参照することにより、前記
    第2の画像データに変換する機能(2)と、
    前記第2の画像データに基づいて画像を印刷する機能(3)と
    をコンピュータにより実現するとともに、
    前記機能(1)によって記憶される前記色変換テーブルは、
    互いに混合することで無彩色を表現可能な複数のインクによるカラー画像を前記第2
    の画像データに従って印刷し、該印刷したカラー画像についての測色結果を、少なくとも
    明度軸を有する色空間内に対応付けることにより、印刷によって表現可能な色域たる印刷
    色域を取得する工程と、
    前記印刷色域内の各座標点と前記第2の画像データとの対応関係を、出力側対応関係
    として記憶しておく工程と、
    前記第1の画像データの中の最高明度の画像データが対応付けられる白点を、前記印
    刷色域内で最も明度の高い座標点に設定するとともに、該第1の画像データの中の最低明
    度の画像データが対応付けられる黒点を、該印刷色域内に含まれ且つ前記明度軸上で最も
    明度の低い座標点に設定した後、該白点と該黒点とを結ぶことにより無彩色軸を設定する
    工程と、
    無彩色の前記第1の画像データについては前記無彩色軸上の座標点に対応付けるとと
    もに、有彩色の該第1の画像データについては前記印刷色域内で該無彩色軸を除いた座標
    点に対応付けることにより、該第1の画像データと該印刷色域内の各座標点との対応関係
    たる入力側対応関係を設定する工程と、
    前記入力側対応関係および前記出力側対応関係に従って、前記第1の画像データと前
    記第2の画像データとを対応付ける工程と
    を経て設定された色変換テーブルであるプログラム。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001086356A (ja) * 1999-09-13 2001-03-30 Ricoh Co Ltd カラー画像処理方法及び装置
JP2003018415A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体

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