JP2007258566A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2007258566A
JP2007258566A JP2006083272A JP2006083272A JP2007258566A JP 2007258566 A JP2007258566 A JP 2007258566A JP 2006083272 A JP2006083272 A JP 2006083272A JP 2006083272 A JP2006083272 A JP 2006083272A JP 2007258566 A JP2007258566 A JP 2007258566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
internal electrode
dielectric
dielectric layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006083272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4475425B2 (ja
Inventor
Tatsuya Kojima
達也 小島
Akira Kobayashi
亮 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2006083272A priority Critical patent/JP4475425B2/ja
Publication of JP2007258566A publication Critical patent/JP2007258566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4475425B2 publication Critical patent/JP4475425B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】内部電極の表面性に起因する絶縁破壊電圧の低下、電極間短絡の発生、及び、取得容量の低下を回避し得る構造を持つ積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】第1の内部電極21に隣接する上下2層の第1及び第2の誘電体層101、102のうち、第1の誘電体層101と第1の内部電極21との間の第1の接触面S1は、第1の誘電体層101の表面性を反映した実質的に平坦な表面性を持つ。第2の誘電体層102と第1の内部電極21との間の第2の接触面S2は、第1の内部電極21の凹凸の表面性を反映した表面性を持つ。そして、第1の接触面S1を基準にして、第1の誘電体層101の厚みをt1とし、第2の誘電体層102の厚みをt2としたとき、 1.015*t1≦t2≦1.17*t1を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは、小型化、大容量化の要求が非常に強い。この要求を満たすためには、積層セラミックコンデンサの機能上、1層あたりの誘電体層、及び、各内部電極層を極力薄くし、積層数を増大させることによって対応しなければならない。例えば、最近の積層セラミックコンデンサには、誘電体層及び内部電極の厚みが2〜10μm以下で、積層数が数百層にも及ぶものも知られている。
しかし、誘電体層が薄くなると、内部電極の表面に現れる微小な凹凸が誘電体層に及ぼす影響も無視できなくなる。即ち、内部電極の表面は、その電極形成方法の如何を問わず、微小な凹凸を持つ凹凸面となる。誘電体層の厚みが大であれば、このような凹凸があっても、殆ど無視できようが、一層当たりの誘電体層が、上述したような極薄層となっている条件下では、内部電極の表面の凸部が、既に薄くなった誘電体層を、更に薄くする方向に働く。このため、内部電極の表面性が、絶縁破壊電圧Vbをより低下させる方向に働き、誘電体層に僅かな欠陥が存在するだけで、そのまま、内部電極間短絡の原因となりかねない。
誘電体層の厚みを増大させれば、絶縁破壊電圧Vbを上げることができるが、単純に、厚み増大を図ることは、取得容量の低下、全体厚みの増大になり、小型化、大容量化に応えることができない。
積層セラミックコンデンサに関する先行技術文献としては、例えば、特許文献1〜3が知られているが、取得容量の低下、及び、全体厚みの増大を回避しつつ、絶縁破壊電圧Vbを上げることまでは開示していない。
特開昭61−253811号公報 特開2005−72452号公報 特開2004−349429号公報
本発明の課題は、内部電極の表面性に起因する絶縁破壊電圧の低下、電極間短絡の発生、及び、取得容量の低下を回避し得る構造を持つ積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る積層セラミックコンデンサは、1つの内部電極に隣接する上下2層の誘電体層のうち、第1の誘電体層と前記内部電極との間の第1の接触面は、前記第1の誘電体層の表面性を反映した実質的に平坦な表面性を持ち、前記第2の誘電体層と前記内部電極との間の第2の接触面は、前記内部電極の凹凸の表面性を反映した表面性を持っている。そして、前記第1の接触面を基準にして、前記第1の誘電体層の最小の厚みをt1とし、前記内部電極の前記凹凸に起因する最小の厚みをt31としたとき、前記第2の誘電体層の厚みtは、(t31+t2)で与えられ、前記厚みt1、t2は、
1.015*t1≦t2≦1.17*t1
を満たす。
上述したように、本発明に係る積層セラミックコンデンサにおいては、1つの内部電極に隣接する上下2層の誘電体層のうち、第1の誘電体層と内部電極との間の第1の接触面は、第1の誘電体層の表面性を反映した実質的に平坦な表面性を持っているから、第1の接触面が凹凸の少ない実質的に平坦な基準面となり、その上に内部電極が形成されることになる。
第2の誘電体層と内部電極との間の第2の接触面は、内部電極の凹凸の表面性を反映した表面性を持っている。したがって、第2の誘電体層の厚みtは、第2の接触面における内部電極の凹凸の表面性に従って、変動し、凸部で薄くなる。積層セラミックコンデンサでは、第2の誘電体層の上にも、当然に内部電極が存在することになるので、第2の誘電体層の厚み変動は、第2の誘電体層を間に挟んで対向する内部電極間の距離を変動させる。
第2の誘電体層の厚みtが大きければ、このような凹凸があっても、殆ど無視できようが、一層当たりの誘電体層が極薄層となっている条件下では、内部電極の表面の凹凸が誘電体層に及ぼす影響が無視できなくなり、凸部の部分で、内部電極間の絶縁破壊電圧Vbを低下させ、誘電体層に僅かな欠陥が存在するだけで、そのまま、内部電極間短絡の原因となりかねない。この点は、先に述べたとおりである。
そこで、本発明では、前記第1の接触面を基準にして、前記第1の誘電体層の最小の厚みをt1とし、前記内部電極の前記凹凸に起因する最小の厚みをt31としたとき、前記第2の誘電体層の厚みtは、(t31+t2)で与えられ、前記厚みt1、t2が、
1.015*t1≦t2≦1.17*t1
を満たすようにする。
厚みt2を1.015*t1≦t2の範囲に設定すると、印刷などの手段によって形成される内部電極の表面の凹凸に関わらず、要求される絶縁破壊電圧Vbを満たしえることが確認された。
絶縁破壊電圧Vbを高くするという観点からは、厚みt2は大きい方がよい。しかし、コンデンサの性質上、厚みt2を厚くすると、全体厚みが厚くなるとともに、取得される静電容量が低下し、小型化、大容量化の要請に反する結果になる。そこで、本発明では、厚みt2の上限として、t2≦1.17*t1を満たすようにした。この条件によれば、必要な絶縁破壊電圧Vbを確保した上で、静電容量の低下を抑えることができる。
厚みt2は、特に、好ましくは、
1.03*t1≦t2≦1.1*t1
を満たすようにする。
上述した条件を満たすための1つの要素として、内部電極の表面の凹凸量を考慮することができる。即ち、内部電極が、第2の接触面において、谷と山との間の凹凸量Δt2の現れる表面性を有している場合、厚みt2が、厚みt1に対して、凹凸量Δt2を加算した値以上となるように設定する。内部電極の表面の凹凸量Δt2は、内部電極の形成方法によって異なるが、その形成方法毎にどの程度の値になるかは、経験的に知られているので、その経験値に基づいて、厚みt2を設定することができる。これにより、内部電極の表面で見た凹凸量Δt2にも関わらず、内部電極間の誘電体層厚を、必要な絶縁破壊電圧Vbを確保し得る値に保つことができるようになる。
上述した技術思想の発展形として、厚みt2を、厚みt1に対して、凹凸量Δt2の2倍の厚み2*Δt2を加算した値以下に設定することも有効である。この場合は、厚みt2を一定(=t1+Δt2)にしたとすると、厚みt1を、Δt2だけ薄くすることになるので、取得される静電容量が大きくなる。
本発明は、更に、上述した積層セラミックコンデンサの製造方法を開示する。この製造方法では、まず、可撓性支持体上に第1の誘電体塗膜層を形成した後、前記第1の誘電体塗膜層の上に内部電極を形成する。次に、前記第1の誘電体塗膜層及び前記内部電極の上に、これらを被覆する第2の誘電体塗膜層を形成する。前記第2の誘電体塗膜層は、前記第1の誘電体塗膜層の表面を基準にして、前記内部電極の最小の厚みをt31とし、前記第1の誘電体塗膜層の最小の厚みをt1としたとき、前記第2の誘電体塗膜層の厚みtが、(t31+t2)で与えられ、前記厚みt1、t2が、
1.015*t1≦t2≦1.17*t1
を満たすように形成する。前記第2の誘電体塗膜層は、好ましくは、
1.03*t1≦t2≦1.1*t1
を満たすように形成する。
上述した製造方法によれば、本発明に係る積層セラミックコンデンサが得られることは明らかである。
実際には、上記工程は、供給ロール及び巻き取りロール間で走行する可撓性支持体の上で、第1の誘電体塗料層の塗布・乾燥工程、内部電極の形成・乾燥工程及び第2の誘電体塗膜層の塗布・乾燥工程を実行し、更に、第2の誘電体塗膜層の上に第2の内部電極を積層した長尺帯状の積層体を、一旦、巻き取りロールに巻き取る。そして、巻き取りロールを供給ロールとして、第1の誘電体塗膜層、内部電極、第2の誘電体塗膜層、及び、第2の内部電極を積層した可撓性支持体を引き出し、可撓性支持体から、第1の誘電体塗膜層、内部電極、第2の誘電体塗膜層、及び、第2の内部電極の積層体を、数千個のコンデンサ要素を含み得る大判面積で切り取り、かつ、剥離して、シート積層体を取り出す。そして、このシート積層体の多数枚を順次に重ね、熱圧着する。この後、コンデンサ要素毎に切断分離し、焼成工程、端部電極付与工程等を経て、積層セラミックコンデンサの完成品が得られる。もっとも、上述した工程は連続する必要はなく、適宜、独立する工程とすることができる。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
1.積層セラミックコンデンサ
図1は本発明に係る積層セラミックコンデンサの断面図、図2は図1の2−2線拡大断面図である。まず、図1を参照すると、本発明に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体基体1の内部に、誘電体層を介して対向する複数の第1及び第2の内部電極21、22を埋設した構造となっている。第1の内部電極21は、その一端が、誘電体基体1の一端面に付与された端子電極31に電気的、機械的に接続され、第2の内部電極22は、端子電極31とは反対側の端面に付与された端子電極32に電気的、機械的に接続されている。
次に、図1の一部拡大断面図である図2を参照すると、第1の内部電極21に隣接する上下2層の第1及び第2の誘電体層101、102のうち、第1の誘電体層101と第1の内部電極21との間の第1の接触面S1は、第1の誘電体層101の表面性を反映した実質的に平坦な表面性を持っている。従って、第1の接触面S1が凹凸の少ない実質的に平坦な基準面となり、その上に第1の内部電極21が形成されることになる。
他方、第2の誘電体層102と第1の内部電極21との間の第2の接触面S2は、第1の内部電極21の表面に現れる凹凸を反映した表面性を持っている。したがって、第2の誘電体層102の厚みは、第2の接触面S2における第1の内部電極21の凹凸表面性に従って、変動し、凸部で薄くなる。積層セラミックコンデンサでは、第2の誘電体層102の上に、第2の内部電極22が存在することになるので、第2の誘電体層102の厚み変動は、第2の誘電体層102を間に挟んで対向する第1の内部電極21と第2の内部電極22との間の距離を変動させる。
実質的に平坦な第1の接触面S1を基準にして、第1の内部電極21の最大の厚みをt32とし、最小の厚みをt31とした場合、第2の誘電体層102は、第1の内部電極21と第2の内部電極22との間において、最大の厚みt32と、最小の厚みt31との差Δt2で変動する。そして、第2に誘電体層102は、第1の内部電極21が最大の厚みt32となる部分で、最小の厚みt1となり、第1の内部電極21が最小の厚みt31となる部分で、最大の厚みt2となる。第2に誘電体層102の全体の厚みtは、第1の接触面S1を基準にして、(t31+t2)で与えられる。なお、図2において、第1及び第2の内部電極21、22の表面に現れる凹凸は概念的なものとして、誇張して図示してあり、それが実際を表わすというものではない。また、この例では、第2の誘電体層102の最小の厚みと、第1の誘電体層101の最小の厚みとが、厚みt1として一致しているので、厚みt1と称した場合、両者を指し示すことがある。
第2の誘電体層102の厚みtが大きければ、第1の内部電極21の表面に上述した凹凸があっても、殆ど無視できようが、第2の誘電体層102は、例えば、2〜3μmの極薄の層となっている。このような条件下では、第1の内部電極21の表面で見た凹凸が、第2の誘電体層102に及ぼす影響が無視できなくなり、凸部の部分、つまり、第1の内部電極21が最大の厚みt32となり、第2の誘電体層102が最小の厚みt1となる部分で、第1の内部電極21と、第2の内部電極22との間で見た絶縁破壊電圧Vbを低下させる。このため、第2の誘電体層102に僅かな欠陥が存在するだけで、そのまま、第1の内部電極21と、第2の内部電極22との間で、電気的短絡(ショート)を生じる原因となりかねない。
そこで、本発明では、厚みt1、t2は、
1.015*t1≦t2≦1.17*t1
を満たすようにした。上記式は、換言すれば、厚みt1を基準にしたときの厚みt2の増加率、
{(t2−t1)/t1}×100(%)
が、1.5〜17(%)の範囲にあることを意味する。
第2の誘電体層102の厚みt2を、1.015*t1≦t2の範囲に設定すると、印刷などの手段によって形成される第1の内部電極21の表面に、凹凸が存在するにも関わらず、要求される絶縁破壊電圧Vbを満たし得ることが確認された。
絶縁破壊電圧Vbを高くするという観点からは、厚みt2は大きい方がよいが、コンデンサの性質上、厚みt2を厚くすると、全体厚みが厚くなるとともに、取得される静電容量が低下し、小型化、大容量化の要請に反する結果になる。そこで、本発明では、厚みt2の上限として、t2≦1.17*t1を満たすようにした。この条件によれば、必要な絶縁破壊電圧Vbを確保した上で、静電容量の低下を抑えることができる。
厚みt2は、特に、好ましくは、
1.03*t1≦t2≦1.1*t1
を満たすようにする。上記式について、厚みt1を基準にしたときの厚みt2の増加率として表現すると、増加率が3〜10(%)の範囲となる。
次に、実験データを参照して本発明に係る積層セラミックコンデンサの効果を説明する。実験に当たっては、内部電極21、22の厚みを1.2μm、第1の誘電体層101の厚みt1を2μmとし、第2の誘電体層102の厚みt2を変えた積層セラミックコンデンサのサンプル1〜11を準備した。サンプル1〜11において、内部電極21、22の総数は320層である。サンプル1〜11について、ショート率、絶縁破壊電圧Vb及び容量低下率の測定データを、表1に示す。
Figure 2007258566

表1を参照すると、厚みt2について、その増加率が1.5(%)よりも小さいサンプル1〜3では、絶縁破壊電圧Vbが80(V)未満である。この種の積層セラミックコンデンサで要求される絶縁破壊電圧Vbの工業的水準が80(V)以上であることを考慮すると、サンプル1〜3はこの水準を満たすことができない。また、サンプル1〜3の場合、ショート率も20(%)以上であり、ショート率の工業的要求水準である20(%)以下を満たすのに極めて厳しい状況にある。
次に、厚みt2について、その増加率が17(%)を超えるサンプル10、11では、163(V)の絶縁破壊電圧Vbを示すが、サンプル1を基準にした容量低下率が、−20.4(%)、−28.1(%)となり、工業的要求水準である−20(%)〜20(%)の枠からはみ出している。
これに対して、第2の誘電体層102の厚みt2について、その増加率が1.5(%)〜17(%)の範囲内にあるサンプル4〜9は、絶縁破壊電圧Vbが83(V)〜158(V)の範囲にあり、ショート率も18(%)〜9(%)の範囲内に収まっており、工業的要求水準を満たしている。また、容量低下率も−1.4(%)〜−15.0(%)の範囲内にあり、工業的要求水準である−20(%)〜20(%)の枠内にある。
特に、厚みt2の増加率が3(%)〜10(%)の範囲内にあるサンプル5〜7は、絶縁破壊電圧Vbが92(V)〜125(V)の範囲にあり、ショート率も18(%)〜12(%)の範囲内に収まっており、また、容量低下率も−3.2(%)〜−9.0(%)の範囲内にあり、工業的要求水準である−20(%)〜20(%)の枠内にある。
上述した条件を満たすための1つの要素として、第1の内部電極21の表面に現れる凹凸量を考慮することができる。即ち、第1の内部電極21が、谷と山との間の凹凸量Δt2の現れる表面性を有している場合、厚みt2が、厚みt1に対して、凹凸量Δt2を加算した値以上となるように設定する。一例を挙げると、厚みt1が3μmで、凹凸量Δt2が0.3μmのとき、厚みt2が、
t2=t1+Δt2=3.3μm
となるように設定するのである。
第1の内部電極21の表面の凹凸量Δt2は、第1の内部電極21の形成方法によって異なるが、その形成方法毎にどの程度の値になるかは、経験的に知られているので、その経験値に基づいて、第2の誘電体層102の厚みt2を設定することができる。これにより、第1の内部電極21の表面で見た凹凸量Δt2にも関わらず、第1の内部電極21と第2の内部電極22と間に存在する第2の誘電体層102の層厚を、必要な絶縁破壊電圧Vbを確保し得る値に保つことができるようになる。
上述した技術思想の発展形として、第2の誘電体層102の厚みt2をΔt2だけ厚くした分、第1の誘電体層101の厚みを、Δt2だけ薄くすることにより、第2の誘電体層102が厚くなることによる静電容量の低下を補うことができる。図3はその概念を示す図で、第2の誘電体層102の厚みt2を、厚みt1に対して凹凸量Δt2の分だけ加算した厚みとする一方、第1の誘電体層101を、厚みt1からΔt2だけ減じた厚みt10となるように、薄くすることにより、第2の誘電体層102が厚くなることによる静電容量の低下を補うことができる。
一例を挙げると、凹凸量Δt2を0.1μmとし、厚みt2を2.2μmとした場合、厚みt10は、
2.2−2*Δt2=2.0(μm)
となる。
したがって、第2の誘電体層102が厚くなっても、第1の誘電体層101が薄くなるので、取得される静電容量の低下を回避することができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、上述した積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。図4は本発明に係る製造方法に含まれる主要な工程を、概略的に示す図、図5〜図8は図4に含まる各工程における状態を拡大して示す図である。図はマルチ工法を示し、供給ロール31と巻き取りロール32との間で、可撓性支持体30を矢印Fで示す方向に走行させ、その走行の途中において、誘電体塗布工程、乾燥工程、内部電極印刷工程などが繰り返される。図4では、説明の都合上、連続する工程として示してあるが、適宜、各工程を分離独立させることができる。
まず、誘電体塗布工程では、ドクターブレード、ノズルなどの第1の塗布装置33を用いて、可撓性支持体30の上に第1の誘電体塗膜層101を形成する(図4、図5参照)。第1の誘電体塗膜層101の厚みt1は、その全長にわたって一定の厚みになる。また、その表面は平坦度の極めて高い面となる。第1の誘電体塗膜層101は、第1の乾燥装置34による乾燥作用を受けた後、第1の印刷工程に送り込まれる。
第1の印刷工程では、例えば、第1のスクリーン印刷機35により、第1の誘電体塗膜層101の上に、第1の内部電極21のパターンが印刷される(図4、図6参照)。第1の内部電極21のパターンには数千個のコンデンサ要素が含まれる。
第1の内部電極21の形成される第1の誘電体塗膜層101は、平坦度の高い表面性を有するから、第1の内部電極21と第1の誘電体塗膜層101との間の接触面S1は、第1の誘電体塗膜層101の表面性を反映した高度の平坦度を持つ平面となる。他方、第1の内部電極21は、例えば、スクリーン印刷などによって形成されるものであり、図6に示すように、その表面は、印刷方式に依存した凹凸量Δt2を持つ。第1の内部電極21の厚みは、凹凸量Δt2を見込むと、最大の厚みt32、最小の厚みt31となる。
次に、第1の内部電極21のパターンを、第2の乾燥装置36によって乾燥させた後、
第2の塗布装置37によって、第1の誘電体塗膜層101及び第1の内部電極21のパターンを被覆するように、第2の誘電体塗膜層102を形成する(図4、図7参照)。第2の誘電体塗膜層102は、第1の内部電極21の表面性を考慮し、最大の厚みt32の位置においても、第1の誘電体塗膜層101の厚みt1が得られるようにする。従って、第2の誘電体塗膜層102の厚みtは、第1の内部電極21の最大の厚みt32、及び、最小の厚みt31を用いて、
t=(t32+t1)=(t31+t2)
と表現することができる。本発明では、厚みt2が、厚みt1に対して、
1.015*t1≦t2≦1.17*t1
を満たすように形成する。厚みt2を、1.015*t1≦t2の範囲に設定すると、印刷などの手段によって形成される第1の内部電極21の表面の凹凸に関わらず、要求される絶縁破壊電圧Vbを満たしえる。また、厚みt2が、t2≦1.17*t1を満たすようにすると、必要な絶縁破壊電圧Vbを確保した上で、静電容量の低下を抑えることができる。厚みt2は、特に、好ましくは、1.03*t1≦t2≦1.1*t1の範囲である。
第1の内部電極21の表面に現れる凹凸量Δt2を考慮した場合は、第2の誘電体塗膜層102は、厚みt2が、第1の誘電体塗膜層101の厚みt1に対して、凹凸量Δt2を加算した値以上となるように塗布する。一例を挙げると、第1の誘電体塗膜層101の厚みt1が3μmで、凹凸量Δt2が0.3μmのとき、第2の誘電体塗膜層102は、厚みt2が、
t2=t1+Δt2=3.3μm
となるように設定するのである。
凹凸量Δt2を考慮することは、上述したように、第1の誘電体塗膜層101、第1の内部電極21、第2の誘電体塗膜層102及び第2の内部電極22を連続して形成するマルチ工法を採用し、その中で、第1及び第2の内部電極21、22を印刷によって形成する場合に特に有効である。
次に、第2の誘電体塗膜層102は、第3の乾燥装置36による乾燥作用を受けた後、第2の印刷工程に送り込まれる。第2の印刷工程では、例えば、第2のスクリーン印刷機39により、第2の内部電極22のパターンが印刷される(図4、図7参照)。第2の内部電極22のパターンは、第1の内部電極21のパターンと重なるように印刷される。
次に、第4の乾燥機40により、第2の内部電極22を乾燥させた後、巻き取りロール32によって巻き取られる。
この後、巻き取りロール32を供給ロールとして、第1の誘電体塗膜層101、第1の内部電極21、第2の誘電体塗膜層102、及び、第2の内部電極22を積層した可撓性支持体30を引き出し、可撓性支持体30から、第1の誘電体塗膜層101、第1の内部電極21、第2の誘電体塗膜層102、及び、第2の内部電極22の積層体を、数千個のコンデンサ要素を含み得る大判面積で切り取り、図10に示すように、可撓性支持体30から剥離して、シート積層体を取り出す。そして、図11に示すように、支持台5の上で、シート積層体の多数枚を順次に重ね、熱圧着する。この後、コンデンサ要素毎に切断分離し、焼成工程、端部電極付与工程等を経て、積層セラミックコンデンサの完成品が得られる。
図5〜図8に示した技術思想の発展形として、第2の誘電体層102の厚みt2をΔt2だけ厚くした分、第1の誘電体層101の厚みを、Δt2だけ薄くすることにより、第2の誘電体層102が厚くなることによる静電容量の低下を補う手法を採用することができる。図11〜図13はその製造工程の一部を概念的に示す図である。
まず、図11に示すように、可撓性支持体30の一面上に、第1の誘電体塗膜層101を、厚みt1からΔt2だけ減じた厚みt10となるように、薄く塗布する。
次に、図12に図示するように、最大の厚みt32、最小の厚みt31を有する第1の内部電極21を印刷した後、図13に示すように、第2の誘電体塗膜層102を塗布する。この工程において、第2の誘電体塗膜層102の厚みt2を、厚みt1に対して凹凸量Δt2の分だけ加算した厚みとする。
ここで、第1の誘電体塗膜層101を、厚みt1からΔt2だけ減じた厚みt10となるように、薄く塗布してあるので、第2の誘電体塗膜層102が厚くなることによる静電容量の低下を補うことができる。したがって、静電容量の低下を回避することができる。
この後、図8〜図11に示した工程を実行し、コンデンサ要素毎に切断分離し、焼成工程、端部電極付与工程等を経て、積層セラミックコンデンサの完成品が得られる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図1の2−2線拡大断面図である。 本発明に係る積層セラミックコンデンサの別の実施例における拡大断面図である。 本発明に係る製造方法に含まれる主要な工程を概略的に示す図である。 図4に含まる各工程における状態を拡大して示す図である。 図5に示した工程の後の工程を示す図である。 図6に示した工程の後の工程を示す図である。 図7に示した工程の後の工程を示す図である。 図8に示した工程の後の工程を示す図である。 図9に示した工程の後の工程を示す図である。 本発明に係る製造方法の別の例を示す図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。 図12に示した工程の後の工程を示す図である。
符号の説明
21 第1の内部電極
22 第2の内部電極
101 第1の誘電体層
102 第2の誘電体層
S1 第1の接触面
S2 第2の接触面

Claims (8)

  1. 誘電体基体の内部に複数の内部電極を埋設した積層セラミックコンデンサであって、
    1つの内部電極に隣接する上下2層の誘電体層のうち、第1の誘電体層と前記内部電極との間の第1の接触面は、前記第1の誘電体層の表面性を反映した実質的に平坦な表面性を持ち、前記第2の誘電体層と前記内部電極との間の第2の接触面は、前記内部電極の凹凸の表面性を反映した表面性を持ち、
    前記第1の接触面を基準にして、前記第1の誘電体層の最小の厚みをt1とし、前記内部電極の前記凹凸に起因する最小の厚みをt31としたとき、前記第2の誘電体層の厚みtは、(t31+t2)で与えられ、前記厚みt1、t2は、
    1.015*t1≦t2≦1.17*t1
    を満たす、積層セラミックコンデンサ。
  2. 請求項1に記載された積層セラミックコンデンサであって、
    1.03*t1≦t2≦1.1*t1
    を満たす、積層セラミックコンデンサ。
  3. 請求項1又は2に記載された積層セラミックコンデンサであって、
    前記内部電極は、前記第2の接触面において、谷と山との間の凹凸量Δt2の現れる表面性を有しており、
    前記第2の誘電体層は、その厚みt2が、前記第1の誘電体層の厚みt1に対して、前記凹凸量Δt2を加算した値以上である、
    積層セラミックコンデンサ。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された積層セラミックコンデンサであって、前記厚みt2は、前記第1の誘電体層の厚みt1に対して、前記凹凸量Δt2の2倍の厚み2*Δt2を加算した値以下である、積層セラミックコンデンサ。
  5. 誘電体基体の内部に複数の内部電極を埋設した積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、
    可撓性支持体上に第1の誘電体塗膜層を形成した後、前記第1の誘電体塗膜層の上に内部電極を形成し、
    前記第1の誘電体塗膜層及び前記内部電極の上に、これらを被覆する第2の誘電体塗膜層を形成し、前記第1の誘電体塗膜層の表面を基準にして、前記内部電極の最小の厚みをt31とし、前記第1の誘電体塗膜層の最小の厚みをt1としたとき、前記第2の誘電体塗膜層の厚みtは、(t31+t2)で与えられ、前記厚みt1、t2が、
    1.015*t1≦t2≦1.17*t1
    を満たすように形成する、工程を含む方法。
  6. 請求項5に記載された方法であって、前記第2の誘電体塗膜層は、
    1.03*t1≦t2≦1.1*t1
    を満たすように形成する、方法。
  7. 請求項5又は6に記載された方法であって、
    前記内部電極は、前記第2の誘電体塗膜層と接触する表面が、谷と山との間の凹凸量Δt2の現れる表面性を有しており、
    前記第2の誘電体層は、前記厚みt2が、前記厚みt1に対して、前記凹凸量Δt2を加算した値以上となるように塗布する、方法。
  8. 請求項5乃至7の何れかに記載された方法であって、前記第2の誘電体層は、前記厚みt2が、前記第1の誘電体層の厚みt1に対して、2*Δt2を加算した値以下になるように塗布する、方法。
JP2006083272A 2006-03-24 2006-03-24 積層セラミックコンデンサ Active JP4475425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006083272A JP4475425B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 積層セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006083272A JP4475425B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 積層セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007258566A true JP2007258566A (ja) 2007-10-04
JP4475425B2 JP4475425B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=38632486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006083272A Active JP4475425B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 積層セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4475425B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014057098A (ja) * 2013-11-22 2014-03-27 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
JPWO2013175945A1 (ja) * 2012-05-24 2016-01-12 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
US9418792B2 (en) 2012-03-07 2016-08-16 Taiyo Yuden Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
US20180068798A1 (en) * 2016-09-06 2018-03-08 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Thin film capacitor

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9418792B2 (en) 2012-03-07 2016-08-16 Taiyo Yuden Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
JPWO2013175945A1 (ja) * 2012-05-24 2016-01-12 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
JP2014057098A (ja) * 2013-11-22 2014-03-27 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサ
US20180068798A1 (en) * 2016-09-06 2018-03-08 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Thin film capacitor
US10141115B2 (en) * 2016-09-06 2018-11-27 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Thin film capacitor including alternatively disposed dielectric layers having different thicknesses

Also Published As

Publication number Publication date
JP4475425B2 (ja) 2010-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5332475B2 (ja) 積層セラミック電子部品およびその製造方法
TWI453777B (zh) 積層晶片電子元件、用於嵌裝該積層晶片電子元件之板體,及其封裝單元
JP5536244B2 (ja) 積層セラミックキャパシタ、積層セラミックキャパシタの回路基板実装構造及び積層セラミックキャパシタの包装体
EP2827351B1 (en) Laminated ceramic chip electronic component
JP5676678B2 (ja) 積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの実装基板
TWI547960B (zh) 多層陶瓷電容器及用來安裝該陶瓷電容器的板件
JP6309991B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4807169B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
US11049657B2 (en) Multilayer ceramic electronic component
JP2015173292A (ja) 積層セラミックキャパシタ及びその製造方法
US11798748B2 (en) Multi-layer ceramic electronic component and method of producing the same
JP4475425B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4586831B2 (ja) セラミックグリーンシート構造、及び、積層セラミック電子部品の製造方法
US20150223340A1 (en) Multilayer ceramic electronic component to be embedded in board, manufacturing method thereof, and printed circuit board having multilayer ceramic electronic component
US20050016661A1 (en) Method for manufacturing multilayer ceramic electronic element
TWI480903B (zh) 多層陶瓷電容器及具有該多層陶瓷電容器安裝於其上的安裝板件
US6872468B1 (en) Peelable circuit board foil
KR20120054843A (ko) 전극 형성 장치 및 이를 이용한 전극 형성 방법
KR101661141B1 (ko) 접철형 커패시터
US7241510B2 (en) Peelable circuit board foil
JP2007049193A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP6474930B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4084785B2 (ja) 電子部品の製造方法
KR20050075903A (ko) 적층 세라믹 커패시터 및 그 제조 방법
JP2007096110A (ja) 積層電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4475425

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4