JP2007256491A - 階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法および階調をもつフォトマスク - Google Patents

階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法および階調をもつフォトマスク Download PDF

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Abstract

【課題】階調をもつフォトマスクの半透明膜の欠陥修正方法において、欠陥部の大きさや形状に関わらず高精度、高品質の修正膜を形成することが可能である階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法および修正された階調をもつフォトマスクを提供する。
【解決手段】透明基板の一方の主面上にパターンを有し、パターンを形成する膜が、露光光を透過しない遮光膜と、露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、半透明膜が存在する半透明領域、および遮光膜と半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、半透明領域の白欠陥部に相対する透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を白欠陥部の形状に合わせて形成し、修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子や液晶ディスプレイ装置(LCD)などのパターン形成に用いられるフォトリソグラフィ技術において、複数のフォトマスクを用いて複数のリソグラフィ工程を行う代わりに、階調をもった1枚のフォトマスクを用い、その透過光量に応じた段差をもつレジストプロファイルを形成することにより、リソグラフィ工程数を減らす製造技術に用いられる階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法および修正された階調をもつフォトマスクに関する。
半導体素子やLCDに代表される画像表示素子などのリソグラフィ工程数を減らすパターン形成方法に関しては、例えば、リフロー法によるリソグラフィ回数を削減する方法、あるいは、アッシング法によるリソグラフィ回数を削減する方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
また、上記の特許文献には、このために用いる露光機の解像限界以下の微小スリットよりなる遮光パターンを有するフォトマスク(以下、スリットマスクと称する。)、および、露光光に対して透過光量を変化させた階調をもつフォトマスク(以下、階調マスクあるいはグレートーンマスクとも称する。)とが説明されている。スリットマスクのスリットは、解像限界以下のサイズであるため、それ自身はレジスト上に結像せずに、周囲の非開口部領域も含めたエリアに、サイズに応じた露光光を透過する。このため、スリットマスクは、スリットが形成された領域と、その周囲を含めたエリアに、あたかも半透明膜があるかのように機能するマスクである。
しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。
さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
一方、階調マスクは、露光光を実質的に遮光する膜に加え、露光光に対して半透明な第二の膜(以下、半透明膜と記す。)を用いて階調を出すマスクである(例えば、特許文献3参照。)。階調マスクは、スリットマスクのように微小スリットを配置する必要が無い点で有利である。
フォトリソグラフィでは、フォトマスク上に欠陥が存在すると、欠陥が被転写基板上に転写されて歩留まりを減少させる原因となるので、被転写基板にマスクパターンを転写する前に欠陥検査装置によりフォトマスクの欠陥の有無や存在場所が調べられ、欠陥が存在する場合には欠陥修正装置により欠陥修正処理を行い、転写に影響する欠陥の無いフォトマスクとして供給される。LCD用フォトマスクのように大型のマスクを用いる場合には、欠陥修正が重要な技術となっている。一方、パターン寸法の微細化に伴い、修正が必要とされるフォトマスクの欠陥部のサイズは益々小さくなってきており、修正における精度も益々小さくなっている。
フォトマスクの欠陥としては、本来必要なパターンが欠損あるいは欠落している場合(白欠陥と称する。)と、不要な余剰パターンが存在している場合(黒欠陥と称する。)の二通りがある。黒欠陥の場合には、余剰部分を除去することにより正常なパターンが得られ、その修正方法としては、現在、レーザ光による修正方法と、集束イオンビーム(以後、FIBとも記す。)による修正方法が主流であり、いずれも直接欠陥部膜を除去して修正する方法である。
白欠陥の修正方法としては、一般に、レーザCVD技術やガスアシストFIB成膜技術を用い、不透明膜を欠陥部に成膜堆積させて修正する方法が普及している。
上記のスリットマスクあるいは階調マスクの欠陥部の修正において、遮光部に欠陥部がある場合には、従来のフォトマスク欠陥修正技術を使用して欠陥部を修正することができる。しかし、スリット部あるいは半透明膜の欠陥部の修正には、従来のフォトマスク遮光部の欠陥部に用いた修正方法がそのまま適用できないので、別な欠陥修正方法が提案されている。
たとえば、スリットマスクのスリット部の欠陥部分の修正方法として、欠陥部分を修正部分と同一の形状に復元するのではなく、正常パターンと同等のグレートーン効果が得られるような修正パターンを形成する欠陥修正方法が知られている(特許文献4参照。)。図7は、従来のスリットマスクのスリット部の黒欠陥修正方法を説明する部分平面図で、図7(1)はスリット部73に黒欠陥75が生じた場合で、図7(2)に示すように、欠陥部を部分的に除去して、正常パターンと同等のグレートーン効果が得られるように修正パターンを形成する方法である。また、図8は、スリットマスクのスリット部の白欠陥修正方法を説明する部分平面図で、図8(1)はスリット部83に白欠陥が生じた場合で、図8(2)に示すように、欠陥部にスポット的に修正膜を形成し、正常パターンと同等のグレートーン効果が得られるようにする方法である。
一方、半透明膜を有するフォトマスクの修正方法としては、たとえば、ハーフトーン位相シフトマスクの凹欠陥部の修正において、既存の修正装置の修正能力範囲内で転写特性を回復できるハーフトーン位相シフトマスクの修正方法が開示されている(特許文献5参照。)。
特許第3415602号公報 特開2000−66240号公報 特開2002−189280号公報 特許第3556591号公報 特許第3465091号公報
スリットマスクや階調マスクを使用したフォトリソグラフィでは、露光光を半透過させる半透明膜の非常に小さな欠陥でも被転写基板上のレジスト像の形成に影響を与えるため、微小な欠陥も修正する必要があった。
特許文献5に示されるように、修正装置の性能を考慮し、転写性能を見ながらの修正技術は、ハーフトーン型位相シフトマスクの修正において一般的であるものの、この方法では、転写像の寸法は制御できても半透明領域に対応する被転写基板上のレジスト残膜量は制御できないという問題があった。
すなわち、マスク製造において、スリットマスクのように多数の微小スリットを大型マスクの全面に配置する必要が無く、製造が比較的容易で製造コスト的に有利な半透明膜を有する階調マスクは、半透明膜の欠陥修正が困難であるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、LCDなどの製造に使用されるフォトリソグラフィ工程数を減らすための階調をもつフォトマスクの半透明膜の欠陥修正方法において、欠陥部の大きさや形状に関わらず高精度、高品質の修正膜を形成することが可能であり、半透明領域を透過した被転写基板上のレジスト残膜量を制御し得る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法および修正された階調をもつフォトマスクを提供するものである。
請求項1の発明に係る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法は、透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、
前記半透明領域の欠陥が白欠陥であり、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法は、請求項1に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、該白欠陥周辺の半透明膜をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して該白欠陥を整形した後、該整形した白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該整形した白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法は、透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、前記半透明領域の欠陥が黒欠陥であり、前記黒欠陥をエッチング除去して白欠陥とした後、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法は、請求項3に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、前記黒欠陥をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して整形した白欠陥とした後、該整形した白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該整形した白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とするものである。
請求項5の発明に係る階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を形成し、次に、前記修正用の半透明膜上にネガ型フォトレジスト層を形成し、該白欠陥側より紫外線露光し、現像し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上にレジストパターンを形成し、前記修正用の半透明膜をエッチングした後、前記レジストパターンを剥離除去し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成することを特徴とするものである。
請求項6の発明に係る階調をもつフォトマスクは、透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクにおいて、前記階調をもつフォトマスクは、前記半透明領域に白欠陥を有し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜が該白欠陥の形状に合わせて設けられ、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しいことを特徴とするものである。
請求項7の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項6に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記遮光膜と前記半透明膜とが、いずれもクロムを主成分とすることを特徴とするものである。
請求項8の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項7に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記遮光膜がクロムまたは窒化クロムからなり、前記半透明膜が酸化クロムまたは酸化窒化クロムからなることを特徴とするものである。
請求項9の発明に係る階調をもつフォトマスクは、請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクにおいて、前記階調をもつフォトマスクがLCD製造用のマスクであることを特徴とするものである。
本発明の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法によれば、修正用半透明膜をマスクパターンと反対側の透明基板の他方の主面側に形成するので、欠陥修正工程が容易になる。
本発明の欠陥修正方法によれば、不定形で複雑な形状の欠陥や黒欠陥は整形した白欠陥とし、修正用半透明膜を白欠陥に相対する透明基板の他方の主面側に形成するので、フォトマスクのさまざまな欠陥に対応することが可能となる。
本発明の欠陥修正方法によれば、修正用半透明膜を白欠陥の形状に合わせてセルフアラインメントで形成するので、欠陥修正の精度が欠陥の形状や大きさに依存することがなく、また微細な欠陥修正も可能となり、高位置精度、高品質の修正膜を容易に形成することが可能となる。また、正常部の半透明領域と同材料の修正用半透明膜を設けることにより、製造が容易で低コストが可能となる。
本発明の階調をもつフォトマスクは、半透明膜を用いて半透明領域を作製しているので、製造が比較的容易でコスト的に有利であるという利点に加えて、本発明の欠陥修正方法を適用することにより、高品質の階調をもつフォトマスクを低コストで得ることが可能となる。
本発明の階調をもつフォトマスクを用いることにより、半導体素子や画像表示素子のフォトリソグラフィ工程数を効率的に減らすことができ、低コストの半導体素子や画像表示素子が実現できる。
以下、図面を参照して、本発明の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法および階調をもつフォトマスクの実施形態について説明する。図1、図2は、本発明の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法の実施形態を示す欠陥部周辺の工程断面模式図である。図3、図4は、半透明領域の欠陥が修正された本発明の階調をもつフォトマスクの断面模式図である。図5、図6は、本発明の修正方法を行なう前の欠陥を有する階調をもつフォトマスクの例を示す模式図である。
(欠陥を有する階調をもつフォトマスク)
本発明の修正方法の適用対象とする階調をもつフォトマスクは、透明基板上に所望のパターンを有し、パターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクである。
図5は、本発明の修正方法を行なう前の白欠陥を有する階調をもつフォトマスクの一例を示し、図5(a)は、フォトマスクの欠陥部の平面模式図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線における断面模式図である。図5(a)に示すように、透明基板51上に、遮光膜52と半透明膜53とがこの順に積層されて存在する遮光領域52a、半透明膜53が存在する半透明領域53b、および、遮光膜52と記半透明膜53のいずれも存在しない透過領域、すなわち透明基板51が露出している領域とが混在しているものであり、半透明膜53が存在する半透明領域53bに白欠陥54が存在している場合を示す。
図6は、本発明の修正方法を行なう前の白欠陥を有する階調をもつフォトマスクの別な例の断面模式図を示すものである。フォトマスクの欠陥部の平面模式図は図5(a)と同じだが(図示せず)、断面形状は異なるフォトマスクを例示したものであり、半透明膜63の上に遮光膜62が積層されて存在する遮光領域62a、半透明膜63が存在する半透明領域63b、および、遮光膜62と記半透明膜63のいずれも存在しない透過領域、すなわち透明基板61が露出している領域とが混在しているものであり、半透明膜63が存在する半透明領域63bに白欠陥64が存在している場合を示す。
図5、図6に例示したフォトマスクは、いずれも遮光領域が遮光膜と半透明膜とからなるが、本発明に用いるフォトマスクとしては、遮光領域の一部が遮光膜のみで形成されていてもよい。また、図6に示すフォトマスクの場合には、遮光膜62をパターンエッチングして形成する際に、オーバーエッチングにより下層の半透明領域の半透明膜が損なわれるのを防止するために、遮光膜62と半透明膜63の間にシリコン酸化物などの露光光に透明な中間層を設けることもできる。上記のように、本発明の修正方法を行なう階調をもつフォトマスクは、遮光膜が少なくとも存在する箇所を遮光領域とし、半透明膜のみが存在する領域、もしくは半透明膜と露光光に透明な中間層とが存在する領域を半透明領域とするものである。
(欠陥が修正された階調をもつフォトマスク)
図3、図4は、欠陥が修正された本発明の階調をもつフォトマスクの断面模式図であり、図3は図5に示したマスクの欠陥部を修正したフォトマスクに相当し、図4は図6に示したマスクの欠陥部を修正したフォトマスクに相当する。
以下、図3を用いて本発明の階調をもつフォトマスクについて説明するが、図4の場合にも適用できるものである。
図3に示すように、本発明の階調をもつフォトマスクに用いられる透明基板31としては、通常、フォトマスクに用いられる光学研磨されたソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラスやアルミノホウ珪酸ガラスなどの低膨張ガラス、合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができ、露光光が短波長の場合には合成石英ガラスが好ましい。
本発明において、遮光膜32としては、クロム系膜、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、珪素、酸化ケイ素、酸化窒化珪素など、通常のマスク材料として使用できる薄膜であれば、いずれを使用しても可能であるが、最も使用実績のあるクロムを主成分としたクロム系膜がマスクブランクのコスト、品質上からより好ましい。クロム系膜は、通常、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロムの中から選ばれる材料の単層膜が用いられるが、それらのクロム系材料の中でも、成膜が容易で汎用性の高いクロム膜、または膜応力の低減が容易な窒化クロム膜がより好ましい。たとえば、クロムを遮光膜とした場合には、50nm〜150nm程度の範囲の膜厚で用いられる。
本発明において、実質的に露光光を透過しない遮光膜とは、露光波長において、1回の露光により露光光を透過して感光性レジストを感光させない遮光膜を意味するものであり、通常は露光波長において、透過率0.1%以下が望ましいとされている。
本発明において、半透明膜33としては、露光光を所望の透過率で透過する半透明性を有していれば特に材料に限定されないが、例えば、前記遮光膜32の酸化膜、窒化膜、炭化膜や珪化膜を用いるのが好ましく、具体的には、酸化クロム膜、酸化窒化クロム膜、酸化タンタル膜、窒化タンタル膜、珪化タンタル膜などを挙げることができる。また、前記の遮光膜材料を5nm〜300nm程度の薄層として半透明性を具備させ、半透明膜として用いることも可能である。半透明膜33の半透明性は、その膜厚を調整することにより制御することができる。
さらに、半透明膜33と遮光膜32を同一エッチング設備、工程でパターニングし得るという利点を維持するために、半透明膜33は遮光膜32と同系の材料からなることが好ましい。遮光膜32に前述の通り好ましい材料としてクロム系材料を用いた場合には、半透明膜33は、クロムに酸素・窒素・炭素などを含む、透過率が比較的高い膜を用い、遮光膜32に積層したときの反射率を低減するように膜組成と膜厚を最適化することができる。クロム系の半透明膜のなかでも、透過率と反射防止機能の両方の特性の制御が比較的容易な酸化クロム膜、または酸化窒化クロム膜がより好ましい。たとえば、酸化クロム膜を半透明膜とする場合には、5nm〜150nm程度の範囲の膜厚で用いられる。膜厚が5nm未満、あるいは150nmを超えると、透明基板上の透過領域、あるいは遮光膜に対する半透明膜としての透過率の差異を生じにくくなるからである。酸素・窒素・炭素などを含む半透明膜の場合は、その吸光度は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率と反射防止機能を実現できる。
本発明においては、半透明膜領域33bを形成する半透明膜33の露光光に対する透過率は、10%〜85%の範囲で形成するのが好ましい。半透明膜33が存在する半透明領域33bにおいて、透過率10%未満では、本発明の階調をもつフォトマスクを用いたレジストパターン形成において、遮光領域32aとの差を出しにくく、一方、透過率85%を超えると、レジストパターン形成において透過領域との差を出しにくくなるからである。
本発明において、透明基板31上の一方の主面上の白欠陥34に相対する透明基板31の他方の主面上の箇所には、修正用の半透明膜35aが白欠陥34の形状に合わせて形成されている。修正用の半透明膜35aとしては、露光光を所望の透過率で透過する半透明性を有していれば特に材料に限定されず、上記の透明基板31の一方の主面上に設けられた半透明膜33に挙げられた材料の中から選択して用いられるが、半透明膜33と同一の材料であれば、同じ製造設備を使用して修正用の半透明膜35aを成膜できるのでより好ましい。
修正用の半透明膜35aの半透明性は、その膜厚を調整することにより制御することができ、上記の遮光膜材料を5nm〜300nm程度の薄層として半透明性が具備されている。修正用の半透明膜35aは、半透明領域33bの白欠陥部34に対応する透明基板31の反対側にセルフアライメントにより形成されており、修正用の半透明膜35aを形成した箇所の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しいように修正されている。
(階調をもつフォトマスクの欠陥修正方法)
上記のように、階調をもつフォトマスクの遮光領域にある欠陥部の修正には、従来の欠陥修正方法を用いることができる。以下では、本発明の階調をもつフォトマスクの半透明領域にある欠陥部の修正方法の実施形態について、欠陥部が白欠陥の場合と黒欠陥の場合に分けて実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態の半透明領域の白欠陥の修正方法は、半透明領域の白欠陥をそのままの状態とし、白欠陥に相対する透明基板の他方の主面上の箇所に修正用の半透明膜を形成し、修正用の半透明膜を形成した箇所の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにするものである。
図1は、本発明の修正方法の第1の実施形態を説明する欠陥部周辺の工程断面模式図であり、図1(a)は、修正前の欠陥部の断面模式図である。フォトマスクの透明基板11上に、遮光膜12と半透明膜13とがこの順に積層されて存在する遮光領域12a、半透明膜13が存在する半透明領域13b、および、遮光膜12と記半透明膜13のいずれも存在しない透過領域、すなわち透明基板11が露出している領域とが混在しているものであり、半透明膜13が存在する半透明領域13bに白欠陥14が存在している場合を示す。
まず、上記の欠陥を有するフォトマスクの透明基板11の他方の主面上に修正用の半透明膜15を形成し、次に、この修正用の半透明膜15上にネガ型フォトレジスト層16を形成する(図1(b))。修正用の半透明膜15は、レーザCVD成膜技術やガスアシストFIB成膜技術を用いて、白欠陥14に相対する他方の主面上に欠陥形状に合わせて局所的に直接形成してもよいが、スパッタリング技術を用いれば、半透明膜13と同質の半透明膜が容易に成膜形成できるのでより好ましい。図1(b)は、スパッタリング成膜による修正用の半透明膜15形成の場合を示す。
ネガ型フォトレジスト16としては、半導体用やフォトマスク用に用いられる紫外線硬化型のネガ型フォトレジストであれば、いずれのレジストも使用可能であり、スピン塗布などの方法で塗布形成される。
次に、フォトマスクの透明基板11の一方の主面上の白欠陥側から平行な紫外線17で白欠陥周辺を局所的に露光し、現像し(図1(c))、白欠陥14に相対する透明基板の他方の主面上の箇所にレジストパターン16aを形成する(図1(d))。紫外線17は、遮光領域12では遮光され、半透明領域では一定の透過率で透過し、白欠陥14では100%透過する。したがって、ネガ型フォトレジストを用い、白欠陥側から露光し、現像することにより、白欠陥14に対応した部分のレジストのみを残存させて、レジストパターン16aとすることができる。このとき、局所的に露光することにより、白欠陥14以外の透過領域に対応するレジスト層が露光されるのを避けることができる。フォトレジストレジスト16は、白欠陥14の形状に合わせてセルフアライメント方式で露光されるので、高位置精度、高解像のレジストパターン16aを形成することができる。
次に、レジストパターン16aをマスクとして修正用の半透明膜15をエッチングし、レジストパターン16aを剥離除去し、透明基板11の一方の主面上の白欠陥14に相対する透明基板11の他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が欠陥の無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるように設定した修正用の半透明膜25aを形成し、欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得る。
修正用の半透明膜15のエッチングは、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれの方法も適用できるが、エッチング時に反対側のマスクパターン面が損傷しないように、マスキングなどの手法を用いるのが望ましい。
(第2の実施形態)
上記の修正方法においては、白欠陥をそのままにして修正する方法について述べたが、白欠陥が複雑な形状をしている場合、あるいは透明基板表面が完全に露出していない部分をもつ白欠陥の場合などは、第2の実施形態として、白欠陥とその周辺の半透明膜をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して白欠陥を整形し、透明基板表面を露出させた後、上記の実施形態1で説明した修正方法を適用することも可能である。
(第3の実施形態)
次に、欠陥部が黒欠陥の場合について説明する。本発明の半透明領域の黒欠陥の修正方法は、黒欠陥をエッチング除去して白欠陥とした後、実施形態1で説明した修正方法を適用するものである。
図2は、本発明の修正方法の第3の実施形態を説明する欠陥部周辺の工程断面模式図であり、図2(a)は、修正前の欠陥部の断面模式図である。フォトマスクの透明基板21上に、遮光膜22と半透明膜23とがこの順に積層されて存在する遮光領域22a、半透明膜23が存在する半透明領域23b、および、遮光膜22と記半透明膜23のいずれも存在しない透過領域、すなわち透明基板21が露出している領域とが混在しているものであり、半透明膜23が存在する半透明領域23bに黒欠陥24aが存在している場合を示す。
まず、図2(b)に示すように、黒欠陥24aをエッチング除去して白欠陥24とする。黒欠陥24aのエッチングは、黒欠陥24a上にフォトレジストを塗布しスポット露光により欠陥部のみを露出してエッチングする方法、あるいは、レーザ光もしくは集束イオンビームにより欠陥部のみをエッチング除去する方法などが用いられる。
以後、実施形態1で説明した修正方法により、図2(f)に示すように、透明基板21の一方の主面上の白欠陥24に相対する透明基板21の他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が、欠陥の無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるように設定した修正用の半透明膜25aを形成し、欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得る。
(第4の実施形態)
上記の修正方法においては、黒欠陥をエッチング除去して白欠陥24とする修正方法について述べたが、黒欠陥が複雑な形状をしている場合、あるいは透明基板表面が完全に露出していない部分をもつ黒欠陥の場合などは、第4の実施形態として、黒欠陥とその周辺の半透明膜をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して黒欠陥を白欠陥として整形し、透明基板表面を露出させた後、上記の実施形態1で説明した修正方法を適用することも可能である。
本発明の階調をもつフォトマスクの修正方法においては、欠陥画像を光学顕微鏡像、走査型電子顕微鏡像、イオン像などの画像として取得し、たとえば、KLAテンコール社製Prolithなどの光学シミュレーションを用い、修正された半透明領域が正常な部分と同等な転写特性が得られるように、修正用遮光膜パターンまたは修正用半透明膜パターンの最適なスリット幅もしくはドット幅、ピッチなどを選定するのが望ましい。また、修正後の画像も取得し、光学シミュレーションにより転写性能を保証することも可能である。
(実施例1)
光学研磨された330×450mmの合成石英基板上にクロムよりなる遮光膜が約100nm成膜されているフォトマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製ip−3500)を約380nm塗布し、120度に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で、所望の遮光膜パターンを描画した。ここで描画したパターンは、最終的に完全に遮光するためのパターンである。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次にレジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜パターンを得た。なお、クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、約60秒であった。
次いで、こうして得られた遮光膜パターン付き基板について、遮光膜パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じて遮光膜パターンの修正を行ない、遮光膜の欠陥は無い状態とした。次いで、この基板をよく洗浄した後、半透明膜である酸化クロム膜をスパッタリング法にて成膜した。酸化クロム膜の膜厚はおよそ30nmとし、透過率は約40%(波長g線:436nm)とした。
次に、この上に市販のフォトレジスト(東京応化製ip−3500)を再度、約380nm塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度レーザ描画装置マイクロニック社製LRS11000−TFT3で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製NMD3)で現像し、半透明膜用レジストパターンを得た。なお、描画装置LRS11000は、アライメント描画機能を有しており、形成済みの遮光膜パターンに位置を合わせて、半透明膜パターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製MR−ES)で半透明膜をエッチングし、続いて露出した遮光膜をエッチングし、残ったレジストを剥膜し、半透明膜パターンと最終的にエッチングされた遮光膜パターンとを有し、透明基板上に遮光領域と半透明領域と透過領域とが混在する階調をもつフォトマスクを得た。
次に、この階調をもつフォトマスクの欠陥検査を行なったところ、酸化クロム膜よりなる半透明膜パターンの半透明領域に縦横3μm×2.5μm程度の不定形の白欠陥が検出された。
上記の欠陥を有するフォトマスクの合成石英基板の他方の主面上に、修正用の半透明膜として酸化クロム膜をスパッタリング法で膜厚30nmに成膜し、酸化クロム膜の透過率は、半透明領域と同じに約40%(波長g線:436nm)とした。
次に、上記の修正用の半透明膜である酸化クロム上にネガ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製THMR−iN200)をスピンナ塗布し、90℃にて乾燥し、膜厚300nmのレジスト層を形成した。
次に、白欠陥側から水銀灯を用いて局所的に平行光でセルフアライメント方式で紫外線露光し、続いて露光後加熱処理(PEB)を110℃で90秒間行い、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて現像して、白欠陥部分に対応した部分のレジストのみが残存するレジストパターンを形成した。
次に、マスクパターン側をマスキングし、レジストパターンから露出した修正用の酸化クロム膜を硝酸セリウム系のウェットエッチング液(ザ・インクテック(株)製MR−ES)を用いてエッチングした後、所定のフォトレジスト剥離液でレジストパターンを剥離し、透明基板の一方の主面上の白欠陥に相対する他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が欠陥の無い正常な半透明領域の酸化クロム膜の透過光量に等しくなるように設定した修正用の酸化クロム膜を形成し、高位置精度で高品質に欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得た。
この修正した階調をもつフォトマスクをLCD素子の製造に用いたところ、被転写基板
上に欠陥の無いレジスト残膜厚の異なるパターンを形成することができた。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で階調をもつフォトマスクを製造し、欠陥検査を行なったところ、酸化クロムよりなる半透明膜パターンの半透明領域に大きさ2×2μm程度の不定形の白欠陥が検出された。
次に、上記の白欠陥周辺の半透明膜をレーザ光により除去して白欠陥を整形し、大きさ3μm□の整形した白欠陥とした。
次に、実施例1と同様にして、透明基板の一方の主面上の整形した白欠陥に相対する他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が、欠陥の無い正常な半透明領域の酸化クロム膜の透過光量に等しくなるように設定した修正用の酸化クロム膜を形成し、欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得た。
この修正した階調をもつフォトマスクをLCD素子の製造に用いたところ、被転写基板
上に欠陥の無いレジスト残膜厚の異なるパターンを形成することができた。
(実施例3)
実施例1と同じ方法で階調をもつフォトマスクを製造し、欠陥検査を行なったところ、半透明膜パターンの半透明領域に大きさ3×2μm程度の不定形の黒欠陥が検出された。
次に、レーザ修正装置を用い、この黒欠陥部およびその下層の半透明膜をエッチング除去しておよそ3×2μm程度の大きさの白欠陥とした。
次に、実施例1と同様にして、透明基板の一方の主面上の白欠陥に相対する他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が、欠陥の無い正常な半透明領域の酸化クロム膜の透過光量に等しくなるように設定した修正用の酸化クロム膜を形成し、欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得た。
この修正した階調をもつフォトマスクをLCD素子の製造に用いたところ、被転写基板
上に欠陥の無いレジスト残膜厚の異なるパターンを形成することができた。
(実施例4)
実施例1と同じ方法で階調をもつフォトマスクを製造し、欠陥検査を行なったところ、酸化クロムよりなる半透明膜パターンの半透明領域に大きさ2×2μm程度の不定形の黒欠陥が検出された。
次に、上記の黒欠陥とその周辺の半透明膜をレーザ光により除去し、整形した大きさ3μm□の整形した白欠陥とした。
次に、実施例1と同様にして、透明基板の一方の主面上の整形した白欠陥に相対する他方の主面上の所定の箇所に、透過光量が、欠陥の無い正常な半透明領域の酸化クロム膜の透過光量に等しくなるように設定した修正用の酸化クロム膜を形成し、欠陥修正された階調をもつフォトマスクを得た。
この修正した階調をもつフォトマスクをLCD素子の製造に用いたところ、被転写基板
上に欠陥の無いレジスト残膜厚の異なるパターンを形成することができた。
本発明の階調をもつフォトマスクの白欠陥修正方法の実施形態の一例を示す工程断面模式図である。 本発明の階調をもつフォトマスクの黒欠陥修正方法の実施形態の一例を示す工程断面模式図である。 欠陥修正後の本発明の階調をもつフォトマスクの一例を示す断面模式図である。 欠陥修正後の本発明の階調をもつフォトマスクの他の例を示す断面模式図である。 本発明の修正方法を行なう前の欠陥を有する階調をもつフォトマスクの一例を示す模式図である。 本発明の修正方法を行なう前の欠陥を有する階調をもつフォトマスクの別な一例を示す断面模式図である。 従来のスリットマスクのスリット部の黒欠陥修正方法を説明する部分平面図である。 従来のスリットマスクのスリット部の白欠陥修正方法を説明する部分平面図である。
符号の説明
11、21、31、41、51、61 透明基板
12、22、32、42、52、62 遮光膜
12a、22a、32a、42a、52a、62a 遮光領域
13、23、33、43、53、63 半透明膜
13b、23b、33b、43b、53b、63b 半透明領域
14、24、34、44、54、64 白欠陥
24a 黒欠陥
15、25 修正用半透明膜
15a、25a、35a、45a 白欠陥に相対する修正用半透明膜
16、26 ネガ型フォトレジスト
16a、26a レジストパターン
71、81 遮光部
73、83 スリット部
75 黒欠陥(ブリッジ)
76 開口
84 修正膜













Claims (9)

  1. 透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、
    前記半透明領域の欠陥が白欠陥であり、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とする階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法。
  2. 該白欠陥周辺の半透明膜をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して該白欠陥を整形した後、該整形した白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該整形した白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とする請求項1に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法。
  3. 透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、
    前記半透明領域の欠陥が黒欠陥であり、前記黒欠陥をエッチング除去して白欠陥とした後、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とする階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法。
  4. 前記黒欠陥をレーザ光もしくは集束イオンビームにより除去して整形した白欠陥とした後、該整形した白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該整形した白欠陥の形状に合わせて形成し、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しくなるようにすることを特徴とする請求項3に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法において、前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を形成し、次に、前記修正用の半透明膜上にネガ型フォトレジスト層を形成し、該白欠陥側より紫外線露光し、現像し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上にレジストパターンを形成し、前記修正用の半透明膜をエッチングした後、前記レジストパターンを剥離除去し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜を該白欠陥の形状に合わせて形成することを特徴とする階調をもつフォトマスクの半透明領域の欠陥修正方法。
  6. 透明基板の一方の主面上にマスクパターンを有し、前記マスクパターンを形成する膜が、実質的に露光光を透過しない遮光膜と、前記露光光を所望の透過率で透過する半透明膜とからなり、前記透明基板上に、前記遮光膜が少なくとも存在する遮光領域、前記半透明膜が存在する半透明領域、および前記遮光膜と前記半透明膜のいずれも存在しない透過領域、とが混在する階調をもつフォトマスクにおいて、
    前記階調をもつフォトマスクは、前記半透明領域に白欠陥を有し、該白欠陥に相対する前記透明基板の他方の主面上に修正用の半透明膜が該白欠陥の形状に合わせて設けられ、前記修正用の半透明膜の透過光量が、欠陥が無い正常な半透明領域の透過光量に等しいことを特徴とする階調をもつフォトマスク。
  7. 前記遮光膜と前記半透明膜とが、いずれもクロムを主成分とすることを特徴とする請求項6に記載の階調をもつフォトマスク。
  8. 前記遮光膜がクロムまたは窒化クロムからなり、前記半透明膜が酸化クロムまたは酸化窒化クロムからなることを特徴とする請求項7に記載の階調をもつフォトマスク。
  9. 前記階調をもつフォトマスクがLCD製造用のマスクであることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の階調をもつフォトマスク。






































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