JP5365172B2 - 階調マスクおよび階調マスクの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
ここで、半透明領域の透過率を2水準以上する方法としては、例えば、異なる材料からなる半透明膜を2種類以上形成する方法や、同じ材料からなり、膜厚の異なる半透明膜を形成する方法を挙げることができる(特許文献4)。
しかしながら、このような方法により、透過率の差が小さい半透明領域を形成した場合、所望の透過率差を有する半透明領域を形成することは困難であるといった問題があった。
また、本発明の階調マスクはエッチングストッパー層を有するもの、すなわち、本発明の階調マスクが透明基板、上記半透明膜形成材料からなる半透明膜形成用層、上記エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層、および上記遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層がこの順で積層した積層体をマスクブランクとして用い、このマスクブランクをエッチングすることにより形成されるものである。このため、2種類の半透明領域を有する階調マスクを、短いタクトで容易に形成することができるものとすることができる。
また、表面が露出したエッチングストッパー層を有する第2半透明領域を有することにより、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率差が小さい場合であっても、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率差を精度良く調整することができる。
以下、本発明の階調マスク、および階調マスクの製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の階調マスクについて説明する。本発明の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上に直接形成され、半透明膜形成材料からなる半透明膜と、上記半透明膜上に直接形成され、エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層と、上記エッチングストッパー層上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜と、を有し、上記透明基板からなる透過領域と、上記透明基板、上記半透明膜、上記エッチングストッパー層および上記遮光膜からなる遮光領域と、上記透明基板および上記半透明膜からなる第1半透明領域と、上記透明基板、上記半透明膜および上記エッチングストッパー層からなる第2半透明領域と、を備え、上記エッチングストッパー材料が、上記遮光膜形成材料および上記半透明膜形成材料とは選択性エッチングが可能なものであることを特徴とするものである。
また、上記透明基板1からなる透過領域11と、上記透明基板1、半透明膜3、エッチングストッパー層4および遮光膜2からなる遮光領域12と、上記透明基板1および上記半透明膜3からなる第1半透明領域13と、上記透明基板1、上記半透明膜3および上記エッチングストッパー層4からなる第2半透明領域14とを備えるものである。
すなわち、従来、半透明領域の透過率が2水準以上である階調マスクとしては、異なる材料からなる半透明膜を2種以上有するものや、同じ材料からなり、膜厚の異なる半透明膜を有するものを挙げることができる。
しかしながら、このような階調マスクを形成する場合、通常、それぞれの半透明膜を独立して形成する。
ここで、実際に形成された各半透明膜の膜厚は、設計時の膜厚からズレが生じるのが一般的である。このため、例えば2つの半透明膜の透過率を、AおよびBとなるように設計した場合であっても、実際には一方の半透明膜の透過率がA±αであり、他方の透過率がB±βのように、誤差が発生する。このため、半透明膜間の透過率には、最大でα+βのズレが生じるおそれがある。このように、従来のマスクでは、特に、独立した半透明膜の間の透過率差を精度良く調整することが困難であるといった問題があった。
ここで、上記半透明膜形成用層を成膜する方法としては、半透明膜を構成する材料を蒸着する方法が一般的に用いられる。このような成膜工程は、通常、真空環境下で行われるため、エッチング工程が行われる場所とは別の場所で行われる。また、真空環境下とするために用いられる真空設備は、操作が複雑で、高価な設備であることから、成膜工程の実施を専門の業者に委託することもある。
このようなことから、2種以上の半透明膜を形成する場合には、1種類目の半透明膜を形成した後のマスクを、エッチング工程を行う場所とは異なる場所に搬送する必要があり、タクトが長くなるといった問題があった。
以上のように、従来の階調マスクでは、2種以上の半透明領域を有するものとすることにより、透過率差を精度良く調整することが困難となるといった問題や、製造工程が複雑で、タクトが長くなるといった問題があった。
ここで、エッチングストッパー層は、上記遮光膜により被覆されるように形成されるのが一般的である。これは、エッチングストッパー層が、上記遮光膜形成用層をエッチングする際に、上記半透明膜形成用層が同時にエッチングされるのを防ぐことのみを目的として形成されるものであるからである。したがって、上述した積層体は、通常、透明基板からなる透過領域、透明基板および半透明膜からなる半透明領域、および、透明基板、エッチングストッパー層および遮光膜からなる遮光領域を備える階調マスク、すなわち、1種類の半透明領域を備える階調マスクの形成に用いられるものである。
このため、本発明の階調マスクは、上記第2半透明領域を形成した後に上記第1半透明領域を形成する際に、エッチング工程を行う場所とは異なる場所に搬送する必要がある成膜工程を不要なものとすることができ、タクトが短く容易に形成することができるものとすることができるのである。
ここで、透明基板の透過率を100%とすると、第1半透明領域の透過率は、半透明膜の透過率となる。また、第2半透明領域の透過率は、半透明膜の透過率とエッチングストッパー層の透過率との掛け算で表される。
この場合、半透明膜の透過率を基準とすれば良いことから、エッチングストッパー層に発生する透過率の誤差が、半透明領域間の透過率差の設計時からのズレの主原因と考えることができる。
具体的には、形成された半透明膜の透過率がAであり、エッチングストッパー層の設計時の透過率をBとして、±βの誤差が発生した場合、得られる半透明領域間の透過率差の設計時からのズレはおおよそA×βとなる。
このように、2つの半透明膜を独立して形成した場合、それぞれの半透明膜の誤差の合計(α+β)が、設計時の透過率差からズレとして生じる可能性があるのに対して、本発明のようにエッチングストッパー層の表面が露出した領域を第2半透明領域として用いる場合、設計時の透過率差からのズレとしては、最大で、半透明膜の透過率とエッチングストッパー層を形成する際に生じた誤差とを掛け合わせたもの(A×β)程度とすることができ、設計時の透過率差からのズレが小さいものとなる。
以上より、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率の差が小さい場合に、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率差を精度良く調整することができるのである。
以下、本発明の階調マスクの各構成について詳細に説明する。
本発明に用いられる半透明膜は、上記透明基板上に直接形成されるものであり、所望の透過率を有するものである。
ここで、上記透明基板上に直接形成されるとは、通常、上記半透明膜と上記透明基板との間に他の層を介することなく、上記半透明膜が上記半透明膜上に接するように形成されるものをいうが、必要に応じて上記透明基板との間に他の層を介して形成されるものであっても良い。
なお、平均透過率の測定方法としては、本発明の階調マスクに用いられる透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、上記半透明膜の透過率を測定することができる。装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
本発明においては、なかでも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸窒化クロム等のクロム系材料や、チタン、窒化チタン等のチタン系材料であることが好ましい。透過率等の調整が容易だからである。
本発明に用いられるエッチングストッパー層は、上記半透明膜上に直接形成されるものである。
ここで、上記半透明膜上に直接形成されるとは、通常、上記エッチングストッパー層と上記半透明膜との間に他の層を介することなく、上記エッチングストッパー層が上記半透明膜上に接するように形成されるものをいうが、必要に応じて上記半透明膜との間に他の層を介して形成されるものであっても良い。
ここで、選択性エッチングが可能な材料とは、エッチングをすることができるエッチング液の種類が異なる材料である。上記エッチングストッパー材料としては、具体的には、上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液によりエッチングされるような材料であれば良い。また、上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料としては、上記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液によりエッチングされるような材料であれば良い。
本発明に用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。本発明においては、なかでも、石英ガラスであることが好ましい。石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れているからである。
また、本発明に用いられる透明基板は、必要に応じて、その表面に他の材料がコーティングされたものであっても良い。
本発明に用いられる遮光膜は、上記エッチングストッパー層上に直接形成されるものであり、実質的に露光光を透過しないものである。
ここで、上記エッチングストッパー層上に直接形成されるとは、通常、上記遮光膜と上記エッチングストッパー層との間に他の層を介することなく、上記遮光膜が上記エッチングストッパー層上に接するように形成されるものをいうが、必要に応じて上記エッチングストッパー層との間に他の層を介して形成されるものであっても良い。
なお、同種の材料とは、エッチング液に対する耐性が同一である材料をいうものである。また、一方は耐性を有するが、他方はエッチングされるエッチング液が存在する場合には、同種の材料に含まれないものである。
上記遮光膜形成材料が上記半透明膜形成材料と同種の材料である場合の具体例としては、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料である場合に、上記遮光膜形成材料を、上記クロム系材料とする場合を挙げることができる。
本発明の階調マスクは、上記透明基板、遮光膜、半透明膜およびエッチングストッパー層を少なくとも有するものであり、透過領域、遮光領域、第1半透明領域および第2半透明領域を備えるものである。
本発明の階調マスクは、透過領域、遮光領域、第1半透明領域および第2半透明領域を備えるものである。
このような透過領域としては、通常、上記透明基板のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を有するものであっても良い。
このような遮光領域としては、通常、上記透明基板、半透明膜、エッチングストッパー層および遮光膜のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
このような第1半透明領域としては、通常、上記透明基板および半透明膜のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
このような第2半透明領域としては、通常、上記透明基板、半透明膜およびエッチングストッパー層のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
本発明の階調マスクは、上記透明基板、遮光膜、半透明膜およびエッチングストッパー層を少なくとも有するものであれば良いが、必要に応じて、その他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、具体的には、上記遮光膜上に形成され、本発明の階調マスクの使用時において、ハレーションを防止することができる低反射層を挙げることができる。なお、上記低反射層としては、例えば酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等の膜が挙げられる。遮光膜がクロム系膜である場合、これらの膜は遮光膜のエッチング時に同時にエッチングすることが可能である。
より具体的には、露光面積の大型化により生じる露光機の微小な露光ムラを調整し、半透明領域(第1半透明領域および第2半透明領域)を透過した露光光の発光強度を均一にすることが要求されるような大型の表示装置の製造に好適に用いられる。
次に、本発明の階調マスクの製造方法について説明する。本発明の階調マスクの製造方法は、透明基板と、上記透明基板上に直接形成され、半透明膜形成材料からなる半透明膜形成用層と、上記半透明膜形成用層上に直接形成され、エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層形成用層と、上記エッチングストッパー層形成用層上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層と、を有し、上記エッチングストッパー材料が、上記遮光膜形成材料および上記半透明膜形成材料とは選択性エッチングが可能なものである積層体を形成する積層体形成工程と、上記積層体の上記遮光膜形成用層を上記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液である遮光膜形成材料用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、上記遮光膜形成工程後の上記エッチングストッパー層形成用層を上記半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液であるエッチングストッパー層用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより、上記遮光膜により被覆されていない領域を有するエッチングストッパー層を形成するエッチングストッパー層形成工程と、上記エッチングストッパー層形成工程後の上記半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、上記エッチングストッパー層により被覆されていない領域を有する半透明膜を形成する半透明膜形成工程と、を有することを特徴とするものである。
次いで、図2(b)に示すように、上記遮光膜形成用層22の遮光膜を形成したい領域上にレジスト25を形成した後、上記遮光膜形成用層22を上記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液である遮光膜形成材料用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより遮光膜を形成する。
次いで、図2(d)に示すように、上記半透明膜形成用層23の半透明膜を形成したい領域上にレジスト25を形成した後、上記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液である半透明膜形成材料用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより、上記エッチングストッパー層により被覆されていない領域を有する半透明膜を形成し、上記透明基板1からなる透過領域11と、上記透明基板1、半透明膜3、エッチングストッパー層4および遮光膜2からなる含む遮光領域12と、上記透明基板1および上記半透明膜3からなる第1半透明領域13と、上記透明基板1、上記半透明膜3および上記エッチングストッパー層4からなる第2半透明領域14とを有する階調マスク10を形成するものである(図2(e))。
ここで、図2(a)が積層体形成工程であり、(b)が遮光膜形成工程であり、(c)がエッチングストッパー層形成工程であり、(d)が半透明膜形成工程である。
また、表面が露出したエッチングストッパー層を有する第2半透明領域を有することにより、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率差が小さい場合であっても、上記第1半透明領域および第2半透明領域の透過率差を精度良く調整することができる。
以下、本発明の階調マスクの製造方法の各工程について詳細に説明する。
本発明の階調マスクの製造方法における積層体形成工程は、透明基板と、上記透明基板上に直接形成され、半透明膜形成材料からなる半透明膜形成用層と、上記半透明膜形成用層上に直接形成され、エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層形成用層と、上記エッチングストッパー層形成用層上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層と、を有し、上記エッチングストッパー材料が、上記遮光膜形成材料および上記半透明膜形成材料とは選択性エッチングが可能なものである積層体を形成する工程である。
なお、このような透明基板、遮光膜形成材料、エッチングストッパー材料および半透明膜形成材料については、上記「A.階調マスク」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の階調マスクの製造方法における遮光膜形成工程は、上記遮光膜形成用層を上記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液である遮光膜形成材料用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより遮光膜を形成する工程である。
なお、本工程により形成される遮光膜としては、上記「A.階調マスク」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
具体的には、上記遮光膜形成用層上の遮光膜を形成したい領域にレジストをパターン状に形成し、上記遮光膜形成材料用エッチング液によりエッチングし、その後、レジストを除去する方法を挙げることができる。
また、露光後のレジスト膜の現像方法としては、一般的な現像方法を用いることができる。
本工程における遮光膜形成材料用エッチング液としては、上記エッチングストッパー材料が耐性を有し、上記遮光膜形成材料をエッチングすることができるものであれば良く、材料により異なるものであるが、具体的には、上記遮光膜形成材料が上記クロム系材料であり、上記エッチングストッパー材料が上記チタン系材料である場合には、水酸化カリウムと過酸化水素水の混合液を好ましく用いることができる。上記遮光膜形成材料およびエッチングストッパー材料のうち、上記遮光膜形成材料のみを安定的にエッチングすることができ、上記遮光膜およびエッチングストッパー層を精度良く形成することができるからである。
本発明の階調マスクの製造方法におけるエッチングストッパー層形成工程は、上記遮光膜形成工程後の上記エッチングストッパー層形成用層を上記半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液であるエッチングストッパー層用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより、上記遮光膜により被覆されていない領域を有するエッチングストッパー層を形成する工程である。
また、上記エッチングストッパー層用エッチング液を用いることにより、上記エッチングストッパー材料および半透明膜形成材料のうち、上記エッチングストッパー材料のみを容易にエッチングすることができ、上記エッチングストッパー層を精度良く形成することができる。このため、上記第1半透明領域および第2半透明領域を精度良く形成することができる。
具体的には、上記エッチングストッパー層を形成したい領域にレジストを形成し、次いで、上記エッチングストッパー層用エッチング液によりエッチングし、その後、レジストを除去する方法を挙げることができる。
なお、レジストを形成する方法およびレジストを除去する方法については、上記「2.遮光膜形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
このような、上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液としては、材料により異なるものであるが、具体的には、上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が上記クロム系材料であり、上記エッチングストッパー材料が上記チタン系材料である場合には、水酸化カリウムと過酸化水素水の混合液を挙げることができる。上記遮光膜形成材料、半透明膜形成材料、およびエッチングストッパー材料のうち、上記エッチングストッパー材料のみを安定的にエッチングすることができ、上記遮光膜、エッチングストッパー層、および半透明膜を精度良く形成することができるからである。
具体的には、上記レジストは、上記遮光膜が形成されていない領域に形成されるものであれば良く、上記遮光膜が形成された領域に形成されるものであっても良い。
本工程においては、なかでも、上記エッチングストッパー層用エッチング液が上記遮光膜形成材料をエッチングすることができるものである場合には、上記レジストは、上記遮光膜が形成された全領域に形成されるものであることが好ましい。
このような領域にレジストを形成することにより、上記遮光膜が上記エッチングストッパー層用エッチング液と接触することを防ぐことができる。このため、本工程により、上記遮光膜がエッチングされることを効果的に防ぐことができ、パターン精度の良い遮光膜を得ることができるからである。
本発明の階調マスクの製造方法における半透明膜形成工程は、上記エッチングストッパー層形成工程後の上記半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、上記エッチングストッパー層により被覆されていない領域を有する半透明膜を形成する工程である。
なお、パターン状にレジストを形成する方法およびレジストを除去する方法については、上記「2.遮光膜形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程において用いられるエッチング液としては、少なくとも上記半透明膜形成材料をエッチングすることができるものであれば良く、例えば、上記エッチングストッパー材料が耐性を有し、上記半透明膜形成材料をエッチングすることができる半透明膜形成材料用エッチング液であっても良く、上記エッチングストッパー材料および半透明膜形成材料をエッチングすることができるエッチング液であっても良い。
本工程においては、なかでも、上記半透明膜形成材料用エッチング液であることが好ましい。上記半透明膜形成材料用エッチング液であることにより、上記半透明膜形成材料および上記エッチングストッパー材料のうち、上記半透明膜形成材料のみをエッチングすることができるため、上記半透明膜およびエッチングストッパー層をより精度良く形成することができる。その結果、上記第1半透明領域および第2半透明領域を精度良く形成することができるからである。
なお、上記半透明膜形成材料用エッチング液としては、上記エッチングストッパー材料が耐性を有し、上記半透明膜形成材料をエッチングすることができるものであれば良く、用いる材料により異なるものであるが、上記エッチングストッパー材料が上記チタン系材料であり、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料である場合には、上記遮光膜形成材料用エッチング液と同様とすることができる。
具体的には、上記レジストは、上記エッチングストッパー層が形成されていない領域上に形成されるものであれば良く、上記遮光膜が形成された領域にも形成されるものであっても良い。
本工程においては、なかでも、上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が同種の材料である場合には、上記遮光膜が形成された全領域に形成されるものであることが好ましい。上記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が同種の材料である場合、上記半透明膜形成材料をエッチングすることができるエッチング液は、上記遮光膜もエッチングすることができる。したがって、上記遮光膜が形成された全領域がレジストにより覆われることにより、上記遮光膜がエッチングされることを防ぐことができる。このため、本工程により、上記遮光膜がエッチングされることを効果的に防ぐことができ、パターン精度の良い遮光膜を得ることができるからである。
本発明の階調マスクの製造方法は、上述した遮光膜形成工程、エッチングストッパー層形成工程、および半透明膜形成工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記遮光膜上に低反射層を形成する低反射層形成工程を挙げることができる。
なお、このような低反射層については、上記「A.階調マスク」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上に、窒化クロム(Cr:含有量60%、N:含有量40%)からなる半透明膜形成用層と、窒化チタンからなるエッチングストッパー層と、クロム(Cr)からなる遮光膜形成用層とを、この順で、下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。なお、半透明膜形成用層の膜厚は15nmであり、透過率が30%となるように設計して成膜し、エッチングストッパー層の膜厚は8nmであり、透過率が70%となるように設計して成膜し、遮光膜形成用層の膜厚は100nmであり、透過率が0.1%以下となるように設計し、成膜した。
・ガス流量比 Ar:N2=4:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
・ガス流量比 Ar:N2=9:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
・ガス流量比 Ar:N2=6:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望のパターンの遮光膜を得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、60秒であった。
その後、エッチングストッパー層および遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行った。
半透明膜形成用層のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。半透明膜形成用層のエッチング時間は、60秒であった。
その後、エッチングストッパー層、半透明膜および遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行った。
また、第1半透明領域および第2半透明領域の透過率は、設計上、30%および21%となった。
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上に、クロムからなる遮光膜形成用層を形成した後、実施例1と同様の方法により遮光膜を形成した。
次いで、遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行いった。
なお、成膜条件は、実施例1における半透明膜形成用層作成時の条件と同様とした。また、第1半透明膜形成用層は、膜厚が15nmであり、透過率が30%となるように設計して成膜した。
その後、パターン状の第1半透明膜形成用層および遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行った。
なお、成膜条件は、実施例1におけるエッチングストッパー層作成時の条件と同様とした。また、第2半透明膜形成用層の膜厚が8nmであり、透過率が70%となるように設計して成膜した。
その後第2半透明膜および遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行った。
また、第1半透明領域および第2半透明領域の透過率は、設計上、30%および21%となった。
実施例と比較例とを比較すると、実施例では、中間成膜をすることなく、透過率の異なる第1半透明領域および第2半透明領域を形成することができた。これにより、実施例におけるマスクは容易に形成することができるものであることを確認できた。
2 … 遮光膜
3 … 半透明膜
4 … エッチングストッパー層
10 … 階調マスク
11 … 透過領域
12 … 遮光領域
13 … 第1半透明領域
14 … 第2半透明領域
22 … 遮光膜形成用層
23 … 半透明膜形成用層
24 … エッチングストッパー層形成用層
25 … レジスト
Claims (4)
- 透明基板と、
前記透明基板上に直接形成され、半透明膜形成材料からなる半透明膜と、
前記半透明膜上に直接形成され、エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層と、
前記エッチングストッパー層上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜と、
を有する階調マスクであって、
前記透明基板からなる透過領域と、前記透明基板、前記半透明膜、前記エッチングストッパー層および前記遮光膜からなる遮光領域と、前記透明基板および前記半透明膜からなる第1半透明領域と、前記透明基板、前記半透明膜および前記エッチングストッパー層からなる第2半透明領域と、を備え、
前記エッチングストッパー材料が、前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料とは選択性エッチングが可能なものであり、
前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料が、クロム、酸化クロム、窒化クロム、および酸窒化クロムからなる群から選択されるクロム系材料であり、前記エッチングストッパー材料が、チタンおよび窒化チタンからなる群から選択されるチタン系材料である、または、前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料が前記チタン系材料であり、前記エッチングストッパー材料が前記クロム系材料であるかのいずれかであり、
前記エッチングストッパー層の波長350nm〜450nmの範囲内の平均透過率が60%以上であることを特徴とする階調マスク。 - 前記遮光膜形成材料および半透明膜形成材料が前記クロム系材料であり、前記エッチングストッパー材料が前記チタン系材料であることを特徴とする請求項1に記載の階調マスク。
- 前記半透明膜の波長350nm〜450nmの範囲内の平均透過率が50%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の階調マスク。
- 透明基板と、前記透明基板上に直接形成され、半透明膜形成材料からなる半透明膜形成用層と、前記半透明膜形成用層上に直接形成され、エッチングストッパー材料からなるエッチングストッパー層形成用層と、前記エッチングストッパー層形成用層上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層と、を有し、前記エッチングストッパー材料が、前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料とは選択性エッチングが可能なものである積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体の前記遮光膜形成用層を前記エッチングストッパー材料が耐性を有するエッチング液である遮光膜形成材料用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、
前記遮光膜形成工程後の前記エッチングストッパー層形成用層を前記半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液であるエッチングストッパー層用エッチング液を用いてパターン状にエッチングすることにより、前記遮光膜により被覆されていない領域を有するエッチングストッパー層を形成するエッチングストッパー層形成工程と、
前記エッチングストッパー層形成工程後の前記半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、前記エッチングストッパー層により被覆されていない領域を有する半透明膜を形成する半透明膜形成工程と、を有し、
前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料が、クロム、酸化クロム、窒化クロム、および酸窒化クロムからなる群から選択されるクロム系材料であり、前記エッチングストッパー材料が、チタンおよび窒化チタンからなる群から選択されるチタン系材料である、または、前記遮光膜形成材料および前記半透明膜形成材料が前記チタン系材料であり、前記エッチングストッパー材料が前記クロム系材料であるかのいずれかであることを特徴とする階調マスクの製造方法。
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