JP2020140106A - フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020140106A
JP2020140106A JP2019036161A JP2019036161A JP2020140106A JP 2020140106 A JP2020140106 A JP 2020140106A JP 2019036161 A JP2019036161 A JP 2019036161A JP 2019036161 A JP2019036161 A JP 2019036161A JP 2020140106 A JP2020140106 A JP 2020140106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
shielding film
film
shielding
antireflection layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019036161A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7130577B2 (ja
Inventor
勝 田辺
Masaru Tanabe
勝 田辺
浅川 敬司
Takashi Asakawa
敬司 浅川
順一 安森
Junichi Yasumori
順一 安森
花岡 修
Osamu Hanaoka
修 花岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2019036161A priority Critical patent/JP7130577B2/ja
Publication of JP2020140106A publication Critical patent/JP2020140106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7130577B2 publication Critical patent/JP7130577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】遮光膜に遮光膜パターンをウェットエッチングにより形成する際に、良好な断面形状を有する遮光膜パターンが形成でき、遮光膜パターンの静電破壊を抑制できるフォトマスクブランクを提供する。【解決手段】遮光膜をウェットエッチングすることによって透明基板20上に遮光膜パターンを有するフォトマスクを形成するための原版であって、遮光膜30は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で形成され、遮光膜は、透明基板側から、遮光層と、表面反射防止層とを積層した構造を備え、表面反射防止層は、さらに、窒素または酸素を含有し、表面反射防止層を構成する結晶粒の平均粒径は、遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置に関する。
近年、LCD(Liquid Crystal Display)を代表とするFPD(Flat Panel Display)等の表示装置では、大画面化、広視野角化とともに、高精細化、高速表示化が急速に進んでいる。この高精細化、高速表示化のために必要な要素の1つが、微細で寸法精度の高い素子や配線等の電子回路パターンの作製である。この表示装置用電子回路のパターニングにはフォトリソグラフィが用いられることが多い。このため、微細で高精度なパターンが形成された表示装置製造用の位相シフトマスクやバイナリマスクといったフォトマスクが必要になっている。
FPD用フォトマスクブランクの遮光膜としては、Cr系材料からなる材料が一般的に使用されているが、特許文献1には、Cr系材料以外にもMoSi系材料からなる材料を使用した遮光膜を示唆したフォトマスクブランクが提案されている。
また、特許文献2には、静電破壊を防止するためのフォトマスク用基板として、透明導電膜が形成されたフォトマスク用基板上に、Cr系材料からなる遮光膜パターンが形成されたフォトマスクが提案されている。
韓国登録特許第147163号 特許第6111672号
近年の高精細(1000ppi以上)のパネル作製に使用されるフォトマスクとしては、高解像のパターン転写を可能にするために、ホール径で、6μm以下、ライン幅で4μm以下の微細なパターンが形成されたフォトマスクが要求されている。具体的には、ホール径で1.5μmの微細なパターンが形成されたフォトマスクが要求されている。
このようなパターンの微細化に伴い、パターン間の間隔も狭まっており、これに起因して、フォトマスク作製時、フォトマスク輸送時、フォトマスクを使用してのパターン転写時等での静電破壊が生じやすくなっている。
静電破壊を防止するために、特許文献3のフォトマスク用基板やフォトマスクが提案されているが、基板上に透明導電膜を形成する場合、パターン形成に関係の無い成膜処理が必要となり、また、これに伴い欠陥が生じやすくなる等の問題があることから、好ましくない。
そこで本発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、遮光膜に遮光膜パターンをウェットエッチングにより形成する際に、良好な断面形状を有する遮光膜パターンが形成でき、遮光膜パターンの静電破壊を抑制できるフォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法を提供することである。
本発明者はこれらの問題点を解決するための方策を鋭意検討した。まず、静電破壊の発生を抑制するために、遮光膜を、Cr系材料に変えて、遷移金属と、ケイ素とを含有する金属シリサイド系材料で形成することとした。具体的には、遮光膜を遮光層と表面反射防止層の積層構造として、Cr系材料の場合、(CrN/CrC)の遮光層/CrON表面反射防止層とし、金属シリサイド系材料(MoSi系材料)の場合、MoSiの遮光層/MoSiON表面反射防止層として、それぞれ遮光膜パターンの間隔を2μmのフォトマスクを用意した。(Cr系材料は、Crターゲットで成膜時のガス圧力は、0.5Pa、MoSi系材料は、Mo:Si=1:4のMoSiターゲットで成膜時のガス圧力は0.5Paの成膜条件で成膜した。)なお、遮光膜はいずれも光学濃度を5.0、表面反射防止層の反射率特性を、h線(波長405nm)で10%以下、描画波長413nmで10%以下となるように、遮光層、表面反射防止層の膜厚、組成比を適宜調整した。そして、上記フォトマスクの遮光膜パターン間に加える電圧を変化させて、静電破壊によってパターンが消失する電圧で、静電破壊の抑制効果を確認した。その結果、Cr系材料の場合、0.5kVで遮光膜パターンが消失したのに対し、金属シリサイド系材料の場合、1.6kVで遮光膜パターンは消失した。Cr系材料、MoSi系材料の組成比を変化させて、静電破壊の抑制効果を確認したが、Cr系材料よりもMoSi系材料の方が、静電破壊抑制効果が大きかった。また、金属シリサイド系材料をTaSi系材料、ZrSi系材料に変えても、Cr系材料よりもTaSi系材料、ZrSi系材料の方が、静電破壊抑制効果が大きかった。
次に、上記Cr系材料とMoSi系材料の遮光膜パターンの断面形状を、断面SEM観察により確認した。その結果、Cr系材料からなる遮光膜パターンの断面形状はほぼ垂直に近いが、MoSi系材料からなる遮光膜パターンの断面形状は、表面反射防止層のエッチングレートは、遮光層のエッチングレートよりもかなり遅いために、遮光膜パターンはひさし状(オーバーハング形状)になってしまった。上記光学特性を逸脱しない範囲で、MoSi系材料の組成を変化させて、遮光膜パターンの断面形状の評価を行ったが、ひさし状(オーバーハング形状)は改善されなかった。
次に、MoSi系材料からなる遮光膜パターンの断面形状改善のため、表面反射防止層の成膜時のガス圧力を1.5Paに変化させて、遮光膜パターンの断面形状を、断面SEM観察により確認した。その結果、遮光膜パターンのひさし状(オーバーハング形状)は改善された。遮光膜パターンの断面形状が改善した要因を突き止めるため、基板上に単層のMoSi遮光層を0.5Paの成膜条件で成膜した試料と、MoSi遮光層を1.6Paの成膜条件で成膜した試料を準備し、それぞれ、MoSi遮光層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、前者のMoSi遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも、後者のMoSi遮光層を構成する結晶粒の平均粒径の方が小さいことが確認された。これらの結果から、本発明者は、遮光膜を構成するそれぞれの層の結晶粒の平均粒径を制御することで、さらに良好な断面形状を有する遮光膜パターンが形成でき、MoSi系材料のような金属シリサイド系材料を適用することで、遮光膜パターンの静電破壊を抑制することを見出した。
本発明は、以上のような鋭意検討の結果なされたものであり、以下の構成を有する。
(構成1)透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクであって、
前記フォトマスクブランクは、前記遮光膜をウェットエッチングすることによって前記透明基板上に遮光膜パターンを有するフォトマスクを形成するための原版であって、
前記遮光膜は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で形成され、
前記遮光膜は、前記透明基板側から、遮光層と、表面反射防止層とを積層した構造を備え、
前記表面反射防止層は、さらに、窒素または酸素を含有し、
前記表面反射防止層を構成する結晶粒の平均粒径は、前記遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きいことを特徴とするフォトマスクブランク。
(構成2)透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクであって、
前記フォトマスクブランクは、前記遮光膜をウェットエッチングすることによって前記透明基板上に遮光膜パターンを有するフォトマスクを形成するための原版であって、
前記遮光膜は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で形成され、
前記遮光膜は、前記透明基板側から、裏面反射防止層と、遮光層と、表面反射防止層とを積層した構造を備え、
前記裏面反射防止層と前記表面反射防止層は、さらに、窒素または酸素を含有し、
前記表面反射防止層と前記裏面反射防止層を構成する結晶粒の平均粒径は、前記遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きいことを特徴とするフォトマスクブランク。
(構成3)前記遮光層は、窒素または酸素を少なくとも含有していることを特徴とする構成1または2記載のフォトマスクブランク。
(構成4)前記遷移金属は、モリブデンであることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成5)前記遮光膜上に、該遮光膜に対してエッチング選択性が異なるエッチングマスク膜を備えていることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成6)構成1から4のいずれかに記載のフォトマスクブランクを準備する工程と、
前記遮光膜上にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜から形成したレジスト膜パターンをマスクにして前記遮光膜をウェットエッチングして、前記透明基板上に遮光膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(構成7)構成5に記載のフォトマスクブランクを準備する工程と、
前記エッチングマスク膜上にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜から形成したレジスト膜パターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングして、前記遮光膜上にエッチングマスク膜パターンを形成する工程と、
前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして、前記遮光膜をウェットエッチングして、前記透明基板上に遮光膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
(構成8)構成6または7に記載のフォトマスクの製造方法により得られたフォトマスクを用い、表示装置基板上に形成されたレジスト膜に露光転写する露光工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
本発明に係るフォトマスクブランクによれば、要求される微細な転写パターンをウェットエッチングにより形成する際に、良好な断面形状を有する遮光膜パターンが形成でき、遮光膜パターンの静電破壊を抑制できるフォトマスクを製造できるフォトマスクブランクを得ることができる。
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法によれば、上述したフォトマスクブランクを用いてフォトマスクを製造する。このため、良好な断面形状を有する遮光膜パターンが形成でき、遮光膜パターンの静電破壊を抑制できるフォトマスクを製造することができる。このフォトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
また、本発明に係る表示装置の製造方法によれば、上述したフォトマスクの製造方法によって得られたフォトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する表示装置を製造することができる。
実施の形態1にかかるバイナリマスクブランクの膜構成を示す模式図である。 実施の形態2にかかるバイナリマスクブランクの膜構成を示す模式図である。 実施の形態3にかかるバイナリマスクの製造工程を示す模式図である。 実施の形態4にかかるバイナリマスクの製造工程を示す模式図である。
実施の形態1.2.
実施の形態1、2では、バイナリマスクブランクについて説明する。実施の形態1のバイナリマスクブランクは、エッチングマスク膜に所望のパターンが形成されたエッチングマスク膜パターンをマスクにして、遮光膜をウェットエッチングにより透明基板上に遮光膜パターンを有するバイナリマスクを形成するための原版である。また、実施の形態2のバイナリマスクブランクは、レジスト膜に所望のパターンが形成されたレジスト膜パターンをマスクにして、遮光膜をウェットエッチングにより透明基板上に遮光膜パターンを有する遮光膜を形成するための原版である。
図1は実施の形態1にかかるバイナリマスクブランク10の膜構成を示す模式図である。
図1に示すバイナリマスクブランク10は、透明基板20と、透明基板20上に形成された遮光膜30と、遮光膜30上に形成されたエッチングマスク膜40とを備える。
図2は実施の形態2にかかるバイナリマスクブランク10の膜構成を示す模式図である。
図2に示すバイナリマスクブランク10は、透明基板20と、透明基板20上に形成された遮光膜30とを備える。
以下、実施の形態1および実施の形態2のバイナリマスクブランク10を構成する透明基板20、遮光膜30およびエッチングマスク膜40について説明する。
透明基板20は、露光光に対して透明である。透明基板20は、表面反射ロスが無いとしたときに、露光光に対して85%以上の透過率、好ましくは90%以上の透過率を有するものである。透明基板20は、ケイ素と酸素を含有する材料からなり、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO−TiOガラス等)などのガラス材料で構成することができる。透明基板20が低熱膨張ガラスから構成される場合、透明基板20の熱変形に起因する遮光膜パターンの位置変化を抑制することができる。また、表示装置用途で使用されるバイナリマスクブランク用透明基板20は、一般に矩形状の基板であって、該透明基板の短辺の長さは300mm以上であるものが使用される。本発明は、透明基板の短辺の長さが300mm以上の大きなサイズであっても、透明基板上に形成される例えば2.0μm未満の微細な遮光膜パターンを安定して転写することができるバイナリマスクを提供可能なバイナリマスクブランクである。
遮光膜30は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で構成される。遷移金属として、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などが好適であり、特に、モリブデン(Mo)であるとさらに好ましい。
遮光膜30は、透明基板20側から遮光層31と、表面反射防止層32とを積層した構造を備えているか、または、透明基板20側から裏面反射防止層33と、遮光層31と、表面反射防止層32とを積層した構造を備えている。そして、遮光膜30が、遮光層31と表面反射防止層32とを積層した構造の場合、表面反射防止層32を構成する結晶粒の平均粒径は、遮光層31を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きい。また、遮光膜30が、裏面反射防止層33と遮光層31と表面反射防止層32とを積層した構造の場合、表面反射防止層32と裏面反射防止層33を構成する結晶粒の平均粒径は、遮光層31を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きい。
遮光膜30が透明基板側から遮光層31と表面反射防止層32とを積層した構造である場合に、表面反射防止層32の結晶粒の平均粒径を、遮光層31の結晶粒の平均粒径よりも大きくすることにより、結晶粒間へのウェットエッチング液の浸み込みやすくなることにより、ウェットエッチングが進行する。従って、表面反射防止層32が遮光層31よりもウェットエッチングレートが遅いことにより生じる遮光膜パターンのひさし状(オーバーハング形状)を改善することができる。
また、遮光膜30が透明基板側から裏面反射防止層33と遮光層31と表面反射防止層32とを積層した構造である場合に、表面反射防止層32の結晶粒の平均粒径を、遮光層31の結晶粒の平均粒径よりも大きくすることにより、上述と同様に、遮光膜パターンのひさし状(オーバーハング形状)を改善することができる。さらに、裏面反射防止層33の結晶粒の平均粒径を、遮光層31の結晶粒の平均粒径よりも大きくすることにより、ウェットエッチングレートが遅いことにより生じる透明基板側のテーパー形状を改善することができる。
上記各層の結晶粒の平均粒径は、断面SEMで観察し、測定された各結晶粒のサイズから算出することができる。
そのうえで、表面反射防止層32と裏面反射防止層33を構成する結晶粒の平均粒径(平均サイズ)は、3〜15nmであり、遮光層31を構成する結晶粒の平均粒径(平均サイズ)は、1〜8nmであることが好ましい。
また、遮光膜30において、表面反射防止層32や裏面反射防止層33には、少なくとも窒素または酸素を含有していることが好ましい。上記遷移金属シリサイド系材料において、軽元素成分である窒素または酸素は、遮光膜30の表面および裏面の反射率を効果的に低減することができる。フォトマスクを使用したパターン転写時の転写精度の観点から、露光波長における遮光膜30の表面反射防止層32側の表面および裏面反射防止層33側の遮光膜30の裏面の反射率を15%以下とするために、表面反射防止層32、裏面反射防止層33に含まれる酸素と窒素を含む軽元素成分の合計含有率は、35原子%以上が好ましい。さらに好ましくは、40原子%以上70原子%以下、45原子%以上65原子%以下が望ましい。また、酸素の含有率は、0原子%超40原子%以下であることが、欠陥品質、耐薬品性に於いて望ましい。また、遮光層31にも、窒素または酸素を少なくとも含有することができる。遮光層31に含まれる酸素と窒素を含む軽元素成分の合計含有率は、20原子%以下が好ましい。20原子%を超えると遮光層31の遮光性能が低下するので、遮光膜30として必要な光学濃度を得るための膜厚が厚くなるので好ましくない。さらに好ましくは、15原子%以下、10原子%以下が望ましい。
遷移金属シリサイド系材料としては、例えば、遷移金属シリサイド、遷移金属シリサイドの窒化物、遷移金属シリサイドの酸化物、遷移金属シリサイドの酸化窒化物、遷移金属シリサイドの酸化炭化物、遷移金属シリサイドの酸化窒化炭化物が挙げられる。また、遷移金属シリサイド系材料は、モリブデンシリサイド系材料(MoSi系材料)、ジルコニウムシリサイド系材料(ZrSi系材料)、モリブデンジルコニウムシリサイド系材料(MoZrSi系材料)であると、ウェットエッチングによる優れたパターン断面形状が得られやすいという点で好ましく、特にモリブデンシリサイド系材料(MoSi系材料)であると好ましい。
また、遮光膜30には、上述した酸素、窒素の他に、膜応力の低減やウェットエッチングレートを制御する目的で、炭素やヘリウム等の他の軽元素成分を含有してもよい。
遮光膜30は、スパッタリング法により形成することができる。
遮光膜30の表面反射率(表面反射防止層32が形成されている側の表面反射率)は、365nm〜436nmの波長域において15%以下であり、10%以下であると好ましい。また、遮光膜30の表面反射率は、露光光にj線が含まれる場合、313nmから436nmの波長域の光に対して20%以下であると好ましく、17%以下であるとより好ましい。さらに好ましくは15%以下であることが望ましい。特に、エッチングマスク膜40を有さないマスクブランク10の場合、遮光膜30の表面反射率は、レーザー描画波長である413nmの波長の光に対して10%以下であると好ましい。また、遮光膜30の表面反射率は、365nm〜436nmの波長域において0.2%以上であり、313nmから436nmの波長域の光に対して0.2%以上であると好ましい。
表面反射率は、分光光度計などを用いて測定することができる。
遮光膜30が、透明基板20側から裏面反射防止層33と、遮光層31と、表面反射防止層32とを積層した構造を備えた遮光膜30の場合、裏面反射防止層33が形成されている側の裏面反射率は、365nm〜436nmの波長域において15%以下であり、10%以下であると好ましい。また、遮光膜30の裏面反射率は、露光光にj線が含まれる場合、313nmから436nmの波長域の光に対して20%以下であると好ましく、17%以下であるとより好ましい。さらに好ましくは15%以下であることが望ましい。また、遮光膜30の裏面反射率は、365nm〜436nmの波長域において0.2%以上であり、313nmから436nmの波長域の光に対して0.2%以上であると好ましい。
裏面反射率は、分光光度計などを用いて測定することができる。
また、遮光膜30は、露光光に対する光学濃度は、好ましくは3以上であり、より好ましくは、3.5以上、さらに好ましくは4以上である。なお、光学濃度は、分光光度計またはODメーターなどを用いて測定することができる。
エッチングマスク膜40は、遮光膜30の上側、つまり表面反射防止層32上に配置され、遮光膜30をエッチングするエッチング液に対してエッチング耐性を有する(遮光膜30とエッチング選択性が異なる)材料からなる。また、エッチングマスク膜40は、露光光の透過を遮る機能を有してもよいし、さらに、遮光膜30側、つまり表面反射防止層32側より入射される光に対する遮光膜30の表面反射率が350nm〜436nmの波長域において15%以下となるように表面反射率を低減する機能を有してもよい。特に、エッチングマスク膜40の表面反射率は、レーザー描画波長である413nmの波長の光に対して10%以下であると好ましい。エッチングマスク膜40は、クロム(Cr)を含有し、実質的にケイ素を含まない材料から構成される。クロムを含有する材料として、より具体的には、クロム(Cr)、又は、クロム(Cr)と、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)のうちの少なくともいずれか1つを含有する材料が挙げられる。又は、クロム(Cr)と、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)のうちの少なくともいずれか1つとを含み、さらに、フッ素(F)を含む材料が挙げられる。例えば、エッチングマスク膜40を構成する材料として、Cr、CrO、CrN、CrF、CrCO、CrCN、CrON、CrCON、CrCONFが挙げられる。
エッチングマスク膜40は、スパッタリング法により形成することができる。
エッチングマスク膜40は、機能に応じて組成が均一な単一の膜からなる場合であってもよいし、組成が異なる複数の膜からなる場合であってもよいし、厚さ方向に組成が連続的に変化する単一の膜からなる場合であってもよい。
なお、図1に示すバイナリマスクブランク10は、遮光膜30上にエッチングマスク膜40を備えているが、遮光膜30上にエッチングマスク膜40を備え、エッチングマスク膜40上にレジスト膜を備えるバイナリマスクブランクについても、本発明を適用することができる。
次に、この実施の形態1および2のバイナリマスクブランク10の製造方法について説明する。図1に示すバイナリマスクブランク10は、以下の遮光膜形成工程とエッチングマスク膜形成工程とを行うことによって製造される。図2に示すバイナリマスクブランク10は、遮光膜形成工程によって製造される。
以下、各工程を詳細に説明する。
1.遮光膜形成工程
先ず、透明基板20を準備する。透明基板20は、露光光に対して透明であれば、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO−TiOガラス等)などのいずれのガラス材料で構成されるものであってもよい。
次に、透明基板20上に、スパッタリング法により、遮光層31と、表面反射防止層32とを備えた遮光膜30、または、裏面反射防止層33と、遮光層31と、表面反射防止層32とを備えた遮光膜30を形成する。
遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33の成膜は、それら各層を構成する材料の主成分となる遷移金属とケイ素を含む遷移金属シリサイドターゲット、又は遷移金属とケイ素と酸素及び/又は窒素を含む遷移金属シリサイドターゲットをスパッタターゲットに使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス及びキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスからなるスパッタガス雰囲気、又は、上記不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガスからなる群より選ばれて酸素及び窒素を少なくとも含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。
遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33の組成及び厚さは、遮光膜30が上記の光学特性(光学濃度、表面反射率、裏面反射率)を有するように調整される。遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33の組成は、スパッタターゲットを構成する元素の含有比率(例えば、遷移金属の含有率とケイ素の含有率との比)、スパッタガスの組成及び流量などにより制御することができる。遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33の厚さは、スパッタパワー、スパッタリング時間などにより制御することができる。また、遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33は、インライン型スパッタリング装置を使用して形成することが好ましい。スパッタリング装置がインライン型スパッタリング装置の場合、透明基板20の搬送速度によっても、遮光膜30の厚さを制御することができる。また、遮光膜30においては、表面反射防止層32や裏面反射防止層33には、少なくとも窒素または酸素を含有していることが好ましい。フォトマスクを使用したパターン転写時の転写精度の観点から、露光波長における遮光膜30の表面反射防止層32側の表面および裏面反射防止層側の遮光膜30の裏面の反射率を15%以下とするために、表面反射防止層32、裏面反射防止層33に含まれる酸素と窒素を含む軽元素成分の合計含有率が35原子%以上となるように制御を行う。好ましくは、反射防止層32、裏面反射防止層3に含まれる酸素と窒素を含む軽元素成分の合計含有率が40原子%以上70原子%以下となるように制御を行う。
遮光膜30が、遮光層31と表面反射防止層32の2層構造である場合、上述した成膜プロセスを、表面反射防止層32を構成する結晶粒の平均粒径が、遮光層31を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きくなるように、成膜プロセス毎にスパッタガスのガス圧力、組成及び流量を適宜調整して2回行う。また、遮光膜30が、裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の3層構造である場合、上述した成膜プロセスを、表面反射防止層32と裏面反射防止層33を構成する結晶粒の平均粒径が遮光層31を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きくなるように、成膜プロセス毎にスパッタガスのガス圧力、組成及び流量を適宜調整して3回行う。スパッタターゲットを構成する元素の含有比率が異なるターゲットを使用して遮光膜30を構成する各層の遮光層31、表面反射防止層32、裏面反射防止層33を成膜してもよい。
2.表面処理工程
遷移金属と、ケイ素と、酸素を含有する遷移金属シリサイド酸化物や、遷移金属と、ケイ素と、酸素と、窒素を含有する遷移金属シリサイド酸化窒化物などの酸素を含有する遷移金属シリサイド材料からなる遮光膜30を形成した後の遮光膜30、つまり表面反射防止層32について、遷移金属の酸化物の存在によるエッチング液による浸み込みを抑制するため、遮光膜30(表面反射防止層32)の表面酸化の状態を調整する表面処理工程を行うようにしてもよい。
遮光膜30(表面反射防止層32)の表面酸化の状態を調整する表面処理工程としては、酸性の水溶液で表面処理する方法、アルカリ性の水溶液で表面処理する方法、アッシング等のドライ処理で表面処理する方法などが挙げられる。
このようにして、実施の形態2のバイナリマスクブランク10が得られる。実施の形態1のバイナリマスクブランク10の製造には、以下のエッチングマスク膜形成工程をさらに行う。
3.エッチングマスク膜形成工程
遮光膜30(表面反射防止層32)の表面の表面酸化の状態を調整する表面処理を必要に応じて行った後、スパッタリング法により、遮光膜30上にエッチングマスク膜40を形成する。エッチングマスク膜40は、インライン型スパッタリング装置を使用して形成することが好ましい。スパッタリング装置がインライン型スパッタリング装置の場合、透明基板20の搬送速度によっても、エッチングマスク膜40の厚さを制御することができる。
エッチングマスク膜40の成膜は、クロム又はクロム化合物(酸化クロム、窒化クロム、炭化クロム、酸化窒化クロム、酸化窒化炭化クロム等)を含むスパッタターゲットを使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス及びキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスからなるスパッタガス雰囲気、又は、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス及びキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガス、フッ素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。炭化水素系ガスとしては、例えば、メタンガス、ブタンガス、プロパンガス、スチレンガス等が挙げられる。
エッチングマスク膜40が、組成の均一な単一の膜からなる場合、上述した成膜プロセスを、スパッタガスの組成及び流量を変えずに1回だけ行う。エッチングマスク膜40が、組成の異なる複数の膜からなる場合、上述した成膜プロセスを、成膜プロセス毎にスパッタガスの組成及び流量を変えて複数回行う。エッチングマスク膜40が、厚さ方向に組成が連続的に変化する単一の膜からなる場合、上述した成膜プロセスを、スパッタガスの組成及び流量を成膜プロセスの経過時間と共に変化させながら1回だけ行う。
このようにして、実施の形態1のバイナリマスクブランク10が得られる。
なお、図1に示すバイナリマスクブランク10は、遮光膜30上にエッチングマスク膜40を備えているため、バイナリマスクブランク10を製造する際に、エッチングマスク膜形成工程を行う。また、遮光膜30上にエッチングマスク膜40を備え、エッチングマスク膜40上にレジスト膜を備えるバイナリマスクブランクを製造する際は、エッチングマスク膜形成工程後に、エッチングマスク膜40上にレジスト膜を形成する。また、図2に示すバイナリマスクブランク10において、遮光膜30上にレジスト膜を備えるバイナリマスクブランクを製造する際は、遮光膜形成工程後に、レジスト膜を形成する。
この実施の形態1および2のバイナリマスクブランク10は、断面形状が良好であり、静電破壊を抑制できる遮光膜パターンを、ウェットエッチングにより形成することができる。従って、高精細な遮光膜パターンを精度よく転写することができるバイナリマスクを製造することができるバイナリマスクブランクが得られる。
実施の形態3.4.
実施の形態3、4では、バイナリマスクの製造方法について説明する。
図3は実施の形態3にかかるバイナリマスクの製造方法を示す模式図である。図4は実施の形態4にかかるバイナリマスクの製造方法を示す模式図である。
図3に示すバイナリマスクの製造方法は、図1に示すバイナリマスクブランク10を用いてバイナリマスク100を製造する方法であり、以下のバイナリマスクブランク10のエッチングマスク膜40上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜に所望のパターンを描画・現像を行うことにより、レジスト膜パターン50を形成し(レジスト膜パターン形成工程)、該レジスト膜パターン50をマスクにしてエッチングマスク膜40をウェットエッチングして、遮光膜30上にエッチングマスク膜パターン40aを形成する工程(エッチングマスク膜パターン形成工程)と、記エッチングマスク膜パターン40aをマスクにして、遮光膜30をウェットエッチングして透明基板20上に遮光膜パターン30aを形成する工程(遮光膜パターン形成工程)と、を含む。
図4に示すバイナリマスクの製造方法は、図2に示すバイナリマスクブランク10を用いてバイナリマスク100を製造する方法であり、以下のバイナリマスクブランク10の上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜に所望のパターンを描画・現像を行うことにより、レジスト膜パターン50を形成し(レジスト膜パターン形成工程)、該レジスト膜パターン50をマスクにして遮光膜30をウェットエッチングして、透明基板20上に遮光膜パターン30aを形成する工程(遮光膜パターン形成工程)と、を含む。
以下、実施の形態3および4にかかるバイナリマスクの製造工程の各工程を詳細に説明する。
実施の形態3にかかるバイナリマスクの製造工程
1.レジスト膜パターン形成工程
レジスト膜パターン形成工程では、先ず、実施の形態1のバイナリマスクブランク10のエッチングマスク膜40上に、レジスト膜を形成する。使用するレジスト膜材料は、特に制限されない。例えば、後述する350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光に対して感光するものであればよい。また、レジスト膜は、ポジ型、ネガ型のいずれであっても構わない。
その後、350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光を用いて、レジスト膜に所望のパターンを描画する。レジスト膜に描画するパターンは、遮光膜30に形成するパターンである。レジスト膜に描画するパターンとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、図3(a)に示されるように、エッチングマスク膜40上にレジスト膜パターン50を形成する。
2.エッチングマスク膜パターン形成工程
エッチングマスク膜パターン形成工程では、先ず、レジスト膜パターン50をマスクにしてエッチングマスク膜40をエッチングして、エッチングマスク膜パターン40aを形成する。エッチングマスク膜40は、クロム(Cr)を含み、実質的にケイ素を含有しないクロム系材料から形成される。エッチングマスク膜40をエッチングするエッチング液は、エッチングマスク膜40を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
その後、レジスト剥離液を用いて、又は、アッシングによって、図3(b)に示されるように、レジスト膜パターン50を剥離する。場合によっては、レジスト膜パターン50を剥離せずに、次の遮光膜パターン形成工程を行ってもよい。
3.遮光膜パターン形成工程
遮光膜パターン形成工程では、エッチングマスク膜パターン40aをマスクにして遮光膜30をウェットエッチングして、図3(c)に示されるように、遮光膜パターン30aを形成する。遮光膜パターン30aとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。遮光膜30をエッチングするエッチング液は、遮光膜30を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。例えば、フッ化アンモニウムとリン酸と過酸化水素とを含むエッチング液、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素とを含むエッチング液が挙げられる。
ウェットエッチングは、遮光膜パターン30aの断面形状を良好にするために、遮光膜パターン30aにおいて透明基板20が露出するまでの時間(ジャストエッチングタイム)よりも長い時間(オーバーエッチングタイム)で行うことが好ましい。オーバーエッチングタイムの時間としては、透明基板20への影響等を考慮すると、ジャストエッチングタイムに、そのジャストエッチングタイムの10%の時間を加えた時間内とすることが好ましい。
そして、遮光膜パターン形成工程の後、エッチングマスク膜パターン40aを剥離して、バイナリマスク100が得られる。
この実施の形態3のバイナリマスクの製造方法によれば、実施の形態1のバイナリマスクブランク10を用いるため、断面形状が良好であり、静電破壊を抑制できる遮光膜パターン30aを形成することができる。従って、高精細な遮光膜パターン30aを備えたバイナリマスクを製造することができる。このように製造されたバイナリマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
実施の形態4にかかるバイナリマスクの製造工程
1.レジスト膜パターン形成工程
レジスト膜パターン形成工程では、先ず、実施の形態2のバイナリマスクブランク10の遮光膜30上に、レジスト膜を形成する。使用するレジスト膜材料は、実施の形態3で説明したものと同様である。なお、必要に応じてレジスト膜を形成する前に、遮光膜30と密着性を良好にするため、遮光膜30に表面改質処理を行なうようにしても構わない。上述と同様に、レジスト膜を形成した後、350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光を用いて、レジスト膜に所望のパターンを描画する。その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、図4(a)に示されるように、遮光膜30上にレジスト膜パターン50を形成する。
2.遮光膜パターン形成工程
遮光膜パターン形成工程では、レジスト膜パターン50をマスクにして遮光膜30をエッチングして、図4(b)に示されるように、遮光膜パターン30aを形成する。遮光膜パターン30aや遮光膜30をエッチングするエッチング液は、実施の形態3で説明したものと同様である。
その後、レジスト剥離液を用いて、又は、アッシングによって、レジスト膜パターン50を剥離する(図4(c))。
このようにして、バイナリマスク100が得られる。
この実施の形態4のバイナリマスクの製造方法によれば、実施の形態2のバイナリマスクブランク10を用いるため、断面形状が良好であり、静電破壊を抑制できる遮光膜パターンを形成することができる。従って、高精細な遮光膜パターンを備えるバイナリマスクを製造することができる。このように製造されたバイナリマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、表示装置の製造方法について説明する。表示装置は、上述したバイナリマスクブランク10を用いて製造されたバイナリマスク100を用い、または上述したバイナリマスクの製造方法によって製造されたバイナリマスク100を用いる工程(マスク載置工程)と、表示装置上のレジスト膜に遮光膜パターンを露光転写する工程(露光工程)とを行うことによって製造される。
以下、各工程を詳細に説明する。
1.載置工程
載置工程では、実施の形態3で製造されたバイナリマスク100を露光装置のマスクステージに載置する。ここで、バイナリマスク100は、露光装置の投影光学系を介して表示装置基板上に形成されたレジスト膜に対向するように配置される。
2.パターン転写工程
パターン転写工程では、バイナリマスク100に露光光を照射して、表示装置基板上に形成されたレジスト膜にパターンを転写する。露光光は、365nm〜436nmの波長域から選択される複数の波長の光を含む複合光や、365nm〜436nmの波長域からある波長域をフィルターなどでカットし選択された単色光である。例えば、露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光や、i線の単色光である。露光光として複合光を用いると、露光光強度を高くしてスループットを上げることができるため、表示装置の製造コストを下げることができる。
この実施の形態3の表示装置の製造方法によれば、高解像度、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する、高精細の表示装置を製造することができる。
なお、以上の実施形態においては、フォトマスクブランクやフォトマスクとして、遮光膜を有するバイナリマスクブランクや遮光膜パターンを有するバイナリマスクを用いる場合を説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、掘り込みレベンソン用のフォトマスクブランクやCPLマスク用のマスクブランク等においても、本発明を適用することが可能である。また、透明基板上に位相シフト膜を形成し、そしてその上に、実施の形態で述べた遮光膜を形成するようにしてもよい。
実施例1.
A.バイナリマスクブランクおよびその製造方法
実施例1のバイナリマスクブランクを製造するため、先ず、透明基板20として、1214サイズ(1220mm×1400mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
その後、合成石英ガラス基板を、主表面を下側に向けてトレイ(図示せず)に搭載し、インライン型スパッタリング装置のチャンバー内に搬入した。
透明基板20の主表面上に遮光膜30の第1層を形成するため、まず、第1チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.5Paになるように、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第1スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、スパッタリングすることにより、透明基板20の主表面上にモリブデンとケイ素からなるモリブデンシリサイドの遮光層31を膜厚88nm成膜した。
次に、遮光層31が成膜された透明基板20を第2チャンバー内に搬入し、第2チャンバー内のスパッタリングガス圧力が1.7Paとなるように、アルゴン(Ar)ガスと、一酸化窒素(NO)ガスおよびヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第2スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、遮光層31上にモリブデンとケイ素と酸素と窒素を含有するモリブデンシリサイドの酸化窒化物の表面反射防止層32を膜厚45nm成膜した。
そして、遮光層31、表面反射防止層32が成膜された透明基板20を第3チャンバー内に搬入し、第3チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.3Paとなるように、アルゴン(Ar)ガスと、窒素(N)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、クロムからなる第3スパッタターゲットに所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、表面反射防止層32上にクロムと窒素を含有するクロムの窒化物のエッチングマスク膜40を膜厚30nm成膜した。
このようにして、透明基板20上に、遮光層31と表面反射防止層32の積層構造の遮光膜30とエッチングマスク膜40が形成されたバイナリマスクブランク10を得た。
得られたバイナリマスクブランク10における遮光層31と表面反射防止層32の積層構造の遮光膜30や、エッチングマスク膜40の諸特性について以下のように測定した。
[光学濃度(OD)]
遮光層31と表面反射防止層32の積層構造からなる遮光膜30の光学濃度(OD)を分光光度計で測定した結果、3.6であった(波長405nm)。遮光膜30の光学濃度の測定には、同一のトレイにセットして作製された、合成石英ガラス基板の主表面上に遮光層31と表面反射防止層32の積層構造からなる遮光膜30が成膜された遮光膜付き基板(ダミー基板)を用いた。遮光膜30の光学濃度(OD)は、エッチングマスク膜40を形成する前に遮光膜付き基板(ダミー基板)をチャンバーから取り出し、測定した。
[表面反射率]
遮光層31と表面反射防止層32の積層構造からなる遮光膜30の表面反射率、及びエッチングマスク膜40の反射率を分光光度計で測定した結果、遮光膜30の表面反射率は8.3%(波長405nm)、エッチングマスク膜40の表面反射率は7.7%(波長413nm(レーザー描画波長に対応))であった。以上の結果から、遮光膜30の表面反射防止層32は、表面反射防止機能を主として有していると言える。なお、遮光膜30の表面反射率の測定は、上述と同様に、エッチングマスク膜40を形成する前に遮光膜付き基板をチャンバーから取り出し測定し、エッチングマスク膜40の表面反射率の測定は、合成石英ガラス基板上に遮光膜30とエッチングマスク膜40が形成されたダミー基板をチャンバーから取り出し、測定した。
[屈折率(n)、消衰係数(k)]
遮光層31、表面反射防止層32の屈折率(n)および消衰係数(k)をn&kアナライザーで測定した結果、遮光層31の屈折率(波長405nm)は4.52、消衰係数(波長405nm)は2.68、表面反射防止層32の屈折率(波長405nm)は2.56、消衰係数(波長405nm)は0.37であった。なお、遮光層31、表面反射防止層32の屈折率、消衰係数の測定は、合成石英ガラス基板上に、上記実施例1と同一の成膜条件で成膜された遮光層31付き基板、表面反射防止層32付き基板を準備して行った。
[結晶粒のサイズ、平均粒径]
遮光層31、表面反射防止層32の結晶粒のサイズを断面SEMで観察、測定した結果、遮光層31の結晶粒のサイズは、3〜5nmで、結晶粒の平均サイズ(平均粒径、以下において同じ)は、4nmであった。また、表面反射防止層32の結晶粒のサイズは、6〜10nmで、結晶粒の平均サイズは、8nmであった。
すなわち、上記実施例1のバイナリマスクブランク10における遮光膜30を構成する表面反射防止層32の結晶粒の平均粒径は、遮光層31の結晶粒の平均粒径よりも大きいものであった。
B.バイナリマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造されたバイナリマスクブランク10を用いてバイナリマスク100を製造するため、先ず、バイナリマスクブランク10のエッチングマスク膜40上に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、フォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜上に、ホール径が1.5μmのホールパターンのレジスト膜パターン50を形成した。
その後、レジスト膜パターン50をマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸を含むCrエッチング液によりエッチングマスク膜40をウェットエッチングして、エッチングマスク膜パターン40aを形成した。次に、エッチングマスク膜パターン40aをマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液により遮光膜30をウェットエッチングして、遮光膜パターン30aを形成した。このウェットエッチングは、断面形状を垂直化するためかつ要求される微細なパターンを形成するために、110%のオーバーエッチングタイムで行った。
その後、エッチングマスク膜40を上記Crエッチング液で剥離した後、レジスト膜パターン50を剥離した。
得られたバイナリマスク100の断面を走査型電子顕微鏡により観察した。実施例1のバイナリマスクに形成された遮光膜パターン30aの断面形状は、ひさし状(オーバーハング形状)が改善され、75°でほぼ垂直な良好な断面形状を有していた。なお、上記遮光膜パターン30aの断面形状の角度は、遮光膜パターンの断面において、上面と側面とが接する部位(上辺)と、側面と下面とが接する部位(下辺)とのなす角度で評価した(以下の実施例2、比較例1、2も同じ)。また、遮光膜パターン30aには、透明基板20との界面に浸み込みは見られなかった。そのため、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、優れた転写性能を有するバイナリマスクが得られた。
また、得られたバイナリマスクについて、静電破壊試験を行った。まず、遮光膜に所定の間隔(1.5μm)で遮光膜パターンを形成したバイナリマスクを用意した。そして、このバイナリマスクへの印加電圧を一定間隔(0.1kV毎)で増加させ、印加電圧毎にパターンに破壊が生じたか否かを観察した。その結果、1.6kVの印加電圧までパターンの破壊は生じていなかった。よって、実施例1のバイナリマスクの遮光膜パターンは、静電破壊を抑制できるものであると言える。
このため、実施例1のバイナリマスクを露光装置のマスクステージにセットし、表示装置上のレジスト膜に露光転写した場合、2.0μm未満の微細パターンを高精度に転写することができるといえる。
実施例2.
A.バイナリマスクブランクおよびその製造方法
実施例2のバイナリマスクブランクを製造するため、実施例1と同様に、透明基板として、1214サイズ(1220mm×1400mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、インライン型のスパッタリング装置のチャンバーに搬入した。そして、第1チャンバー内のスパッタリングガス圧力が1.7Paになるように、アルゴン(Ar)ガスと、一酸化窒素(NO)ガスおよびヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第1スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、透明基板20の主表面上にモリブデンとケイ素と酸素と窒素を含有するモリブデンシリサイドの酸化窒化物の裏面反射防止層33を膜厚34nm成膜した。
次に、裏面反射防止層33が成膜された透明基板20を第2チャンバー内に搬入した。第2チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.5Paになるように、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第2スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、スパッタリングすることにより、裏面反射防止膜33上にモリブデンとケイ素からなるモリブデンシリサイドの遮光層31を膜厚128nm成膜した。
そして、裏面反射防止層33と遮光層31が成膜された透明基板20を第3チャンバー内に搬入した。第3チャンバー内のスパッタリングガス圧力が1.7Paとなるように、アルゴン(Ar)ガスと、一酸化窒素(NO)ガスおよびヘリウム(He)で構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第3スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定スパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングにより、遮光層31上にモリブデンとケイ素と酸素と窒素を含有するモリブデンシリサイドの酸化窒化物の表面反射防止層32を膜厚34nm成膜した。
このようにして、透明基板20上に、裏面反射防止層33と遮光層31と表面反射防止層32の積層構造の遮光膜30が形成されたバイナリマスクブランク10を得た。
得られたバイナリマスクブランク10における裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の積層構造の遮光膜の諸特性について測定した。
[光学濃度(OD)]
裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の積層構造からなる遮光膜30の光学濃度(OD)を分光光度計で測定した結果、4.9であった(波長405nm)。
[表面反射率・裏面反射率]
裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の積層構造からなる遮光膜30の表面反射率は3.3%(波長405nm)であった。また、遮光膜30の裏面反射率(裏面反射防止層33側の反射率)は、2.6%(波長405nm)であった。これらの結果から、遮光膜30の裏面反射防止層は裏面反射防止機能を主として有し、遮光膜30の反射防止層32は表面反射防止機能を主として有していると言える。
[屈折率(n)、消衰係数(k)]
裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の屈折率(n)および消衰係数(k)をn&kアナライザーで測定した結果、裏面反射防止層33の屈折率(波長405)は2.35、消衰係数(波長405nm)は0.30、遮光層31の屈折率(波長405nm)は4.45、消衰係数(波長405nm)は2.75、反射防止層32の屈折率(波長405nm)は2.35、消衰係数(波長405nm)は0.30であった。なお、裏面反射防止層33の屈折率、消衰係数の測定は、合成石英ガラス基板上に、上記実施例2と同一の成膜条件で成膜された裏面反射防止層33付き基板を準備しておこなった。
[結晶粒のサイズ、平均粒径]
裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の各結晶粒のサイズを断面SEMで観察、測定した結果、裏面反射防止層33の結晶粒のサイズは、6〜10nm、結晶粒の平均サイズは、8nmであった。遮光層31の結晶粒のサイズは、3〜5nm、結晶粒の平均サイズは、4nmであった。また、表面反射防止層32の結晶粒のサイズは、6〜10nm、結晶粒の平均サイズは、8nmであった。
すなわち、上記実施例2のバイナリマスクブランク10における遮光膜30を構成する表面反射防止層32と裏面反射防止層33の結晶粒の平均粒径は、遮光層31の結晶粒の平均粒径よりも大きいものであった。
B.バイナリマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造されたバイナリマスクブランク10を用いてバイナリマスク100を製造するため、先ず、遮光膜30の表面(表面反射防止層32の表面)をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った後、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。その後、加熱・冷却工程を経て、フォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜上に、ホール径が1.5μmのホールパターンのレジスト膜パターン50を形成した。
その後、レジスト膜パターン50をマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液により遮光膜30をウェットエッチングして、遮光膜パターン30aを形成した。このウェットエッチングは、断面形状を垂直化するためかつ要求される微細なパターンを形成するために、110%のオーバーエッチングタイムで行った。
その後、レジスト膜パターン50を剥離した。
得られたバイナリマスク100の断面を走査型電子顕微鏡により観察した。実施例2のバイナリマスクに形成された遮光膜パターン30aの断面形状は、遮光膜パターン表面のひさし状(オーバーハング形状)が改善され、さらに、遮光膜パターンの透明基板側のテーパー形状も改善され、72°でほぼ垂直な良好な断面形状を有していた。また、遮光膜パターン30aには、透明基板20との界面に浸み込みは見られなかった。そのため、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、優れた転写性能を有するバイナリマスクが得られた。
また、得られたバイナリマスクについて、実施例1と同様にして、静電破壊試験を行った。その結果、1.7kVの印加電圧までパターンの破壊は生じていなかった。よって、実施例2のバイナリマスクの遮光膜パターンは、静電破壊を抑制できるものであると言える。
このため、実施例2のバイナリマスクを露光装置のマスクステージにセットし、表示装置上のレジスト膜に露光転写した場合、2.0μm未満の微細パターンを高精度に転写することができるといえる。
なお、上述の実施例では、遷移金属としてモリブデンを用いた場合を説明したが、他の遷移金属の場合でも上述と同等の効果が得られる。
また、上述の実施例では、表示装置製造用のバイナリマスクブランクや、表示装置製造用のバイナリマスクの例を説明したが、これに限られない。本発明のバイナリマスクブランクやバイナリマスクは、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用等にも適用できる。
また、上述の実施例では、透明基板のサイズが、1214サイズ(1220mm×1400mm×13mm)の例を説明したが、これに限られない。表示装置製造用のバイナリマスクブランクの場合、大型(Large Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが、300mm以上である。表示装置製造用のバイナリマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、330mm×450mm以上2280mm×3130mm以下である。
また、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用のバイナリマスクブランクの場合、小型(Small Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが9インチ以下である。上記用途のバイナリマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、63.1mm×63.1mm以上228.6mm×228.6mm以下である。通常、半導体製造用、MEMS製造用は、6025サイズ(152mm×152mm)や5009サイズ(126.6mm×126.6mm)が使用され、プリント基板用は、7012サイズ(177.4mm×177.4mm)や、9012サイズ(228.6mm×228.6mm)が使用される。
比較例1.
A.バイナリマスクブランクおよびその製造方法
比較例1のバイナリマスクブランクを製造するため、実施例1と同様に、透明基板として、1214サイズ(1220mm×1400mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、インライン型のスパッタリング装置のチャンバーに搬入した。そして、第1チャンバー内のスパッタリングガス圧力を0.5Paになるように、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第1スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、スパッタリングすることにより、透明基板20の主表面上にモリブデンとケイ素からなるモリブデンシリサイドの遮光層31を膜厚88nm成膜した。
次に、遮光層31が成膜された透明基板20を第2チャンバー内に搬入し、第2チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.5Paとなるように、アルゴン(Ar)ガスと、一酸化窒素(NO)ガスおよびヘリウム(He)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、モリブデンとケイ素を含む第2スパッタターゲット(モリブデン:ケイ素=1:4)に所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、遮光層31上にモリブデンとケイ素と酸素と窒素を含有するモリブデンシリサイドの酸化窒化物の表面反射防止層32を膜厚45nm成膜した。
そして、遮光層31、表面反射防止層32が成膜された透明基板20を第3チャンバー内に搬入し、第3チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.3Paとなるように、アルゴン(Ar)ガスと、窒素(N)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、クロムからなる第3スパッタターゲットに所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、表面反射防止層32上にクロムと窒素を含有するクロムの窒化物のエッチングマスク膜40を膜厚30nm成膜した。
このようにして、透明基板20上に、遮光層31と表面反射防止層32の積層構造の遮光膜30とエッチングマスク膜40が形成されたバイナリマスクブランク10を得た。
得られたバイナリマスクブランク10における裏面反射防止層33、遮光層31、表面反射防止層32の積層構造の遮光膜の諸特性について測定した。
得られたバイナリマスクブランク10における遮光層31と表面反射防止層32の積層構造の遮光膜30や、エッチングマスク膜40の諸特性について測定した。
その結果、光学濃度(OD)、表面反射率、屈折率(n)、消衰係数(k)は、実施例1と同等の光学特性を有していた。
[結晶粒のサイズ、平均粒径]
遮光層31、表面反射防止層32の結晶粒のサイズを断面SEMで観察、測定した結果、遮光層31の結晶粒のサイズは、3〜5nmで、結晶粒の平均サイズは、4nmであった。また、表面反射防止層32の結晶粒のサイズは、1〜3nmで、結晶粒の平均サイズは、2nmであった。
すなわち、上記比較例1のバイナリマスクブランクにおける遮光膜を構成する表面反射防止層の結晶粒の平均粒径は、遮光層の結晶粒の平均粒径よりも小さいものであった。
B.バイナリマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造されたバイナリマスクブランクを用いて、実施例1と同様の方法によりバイナリマスクを製造した。
得られたバイナリマスクについて、静電破壊試験を行った。まず、遮光膜に所定の間隔(1.5μm)で遮光膜パターンを形成したバイナリマスクを用意した。そして、このバイナリマスクへの印加電圧を一定間隔(0.1kV毎)で増加させ、印加電圧毎にパターンに破壊が生じたか否かを観察した。その結果、1.6kVの印加電圧までパターンの破壊は生じていなかった。よって、比較例1のバイナリマスクの遮光膜パターンは、静電破壊を抑制できるものであると言える。
また、得られたバイナリマスクの断面を走査型電子顕微鏡により観察した。比較例1のバイナリマスクに形成された遮光膜パターンの断面形状は、表面反射防止層が突出するひさし状(オーバーハング形状)を有していた。従って、得られたバイナリマスクでは、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む露光光、より具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光の露光光において、十分な転写性能が得られない。
このため、比較例1のバイナリマスクを露光装置のマスクステージにセットし、表示装置上のレジスト膜に露光転写した場合、2.0μm未満の微細パターンを高精度に転写することはできないことが予想される。
比較例2.
A.バイナリマスクブランクおよびその製造方法
比較例2のバイナリマスクブランクを製造するため、実施例1と同様に、透明基板として、1214サイズ(1220mm×1400mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
実施例1と同じ方法により、合成石英ガラス基板を、インライン型のスパッタリング装置のチャンバーに搬入した。そして、第1チャンバー内のスパッタリングガス圧力を0.3Paになるように、アルゴン(Ar)ガスと二酸化炭素(CO)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、クロムを含む第1スパッタターゲットに所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、透明基板の主表面上にクロムと酸素を含有するクロムの酸化物の裏面反射防止層を膜厚30nm成膜した。
次に、裏面反射防止層が成膜された透明基板を第2チャンバー内に搬入し、第2チャンバー内のスパッタリングガス圧力を0.3Paになるように、アルゴン(Ar)ガス混合ガスを導入した。そして、クロムを含む第2スパッタターゲットに所定のスパッタパワーを印加して、スパッタリングすることにより、裏面反射防止層上にクロムからなる遮光層31を膜厚95nm成膜した。
そして、裏面反射防止層と遮光層が成膜された透明基板を第3チャンバー内に搬入し、第3チャンバー内のスパッタリングガス圧力が0.3Paになるように、アルゴン(Ar)ガスと二酸化炭素(CO)ガスで構成される混合ガスを導入した。そして、クロムを含む第3スパッタターゲットに所定のスパッタパワーを印加して、反応性スパッタリングすることにより、遮光層上にクロムと酸素とを含有するクロムの酸化物の表面反射防止層を膜厚30nm成膜した。
このようにして、透明基板上に、遮光膜が形成されたバイナリマスクブランクを得た。
得られたバイナリマスクブランクにおける裏面反射防止層、遮光層、表面反射防止層の積層構造の遮光膜の諸特性について測定した。
[光学濃度(OD)]
裏面反射防止層、遮光層、表面反射防止層の積層構造からなる遮光膜の光学濃度(OD)を分光光度計で測定した結果、4.0であった(波長405nm)。
[表面反射率・裏面反射率]
裏面反射防止層、遮光層、表面反射防止層の積層構造からなる遮光膜の表面反射率は11.8%(波長405nm)、11.5%(波長413nm(レーザー描画波長に対応))であった。また、遮光膜の裏面反射率(裏面反射防止層側の反射率)は、10.3%(波長405nm)であった。これらの結果から、遮光膜30の裏面反射防止層は裏面反射防止機能を主として有し、遮光膜30の表面反射防止層32は表面反射防止機能を主として有していると言える。
B.バイナリマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造されたバイナリマスクブランクを用いて、バイナリマスクを製造するため、先ず、遮光膜の表面(表面反射防止層の表面)に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。その後、加熱・冷却工程を経て、フォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、遮光膜上に、ホール径が1.5μmのホールパターンのレジスト膜パターンを形成した。
その後、レジスト膜パターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸を含むCrエッチング液により遮光膜をウェットエッチングして、遮光膜パターンを形成した。その後レジスト膜パターンを剥離した。
得られたバイナリマスクの断面を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、バイナリマスクに形成された遮光膜パターンの断面形状は、79°でほぼ垂直な良好な断面形状を有していた。
次に、得られたバイナリマスクについて、静電破壊試験を行った。まず、遮光膜に所定の間隔(1.5μm)で遮光膜パターンを形成したバイナリマスクを用意した。そして、このバイナリマスクへの印加電圧を一定間隔(0.1kV毎)で増加させ、印加電圧毎にパターンに破壊が生じたか否かを観察した。その結果、0.4kVの印加電圧までパターンの破壊は生じていなかったが、印加電圧が0.5kVでパターンの破壊が生じてしまっていた。よって、比較例2のバイナリマスクの遮光膜パターンは、静電破壊を抑制できていないものであった。
このため、比較例2のバイナリマスクを露光装置のマスクステージにセットし、表示装置上のレジスト膜に露光転写した場合、帯電などによりマスクパターンに静電破壊を起こし、2.0μm未満の微細パターンを転写することはできないことが予想される。
10…バイナリマスクブランク、20…透明基板、30…遮光膜、
30a…遮光膜パターン、40…エッチングマスク膜、
40a…エッチングマスク膜パターン、50…レジスト膜パターン、
100…バイナリマスク

Claims (8)

  1. 透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクであって、
    前記フォトマスクブランクは、前記遮光膜をウェットエッチングすることによって前記透明基板上に遮光膜パターンを有するフォトマスクを形成するための原版であって、
    前記遮光膜は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で形成され、
    前記遮光膜は、前記透明基板側から、遮光層と、表面反射防止層とを積層した構造を備え、
    前記表面反射防止層は、さらに、窒素または酸素を含有し、
    前記表面反射防止層を構成する結晶粒の平均粒径は、前記遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きいことを特徴とするフォトマスクブランク。
  2. 透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクであって、
    前記フォトマスクブランクは、前記遮光膜をウェットエッチングすることによって前記透明基板上に遮光膜パターンを有するフォトマスクを形成するための原版であって、
    前記遮光膜は、遷移金属と、ケイ素とを含有する遷移金属シリサイド系材料で形成され、
    前記遮光膜は、前記透明基板側から、裏面反射防止層と、遮光層と、表面反射防止層とを積層した構造を備え、
    前記裏面反射防止層と前記表面反射防止層は、さらに、窒素または酸素を含有し、
    前記表面反射防止層と裏面反射防止層を構成する結晶粒の平均粒径は、前記遮光層を構成する結晶粒の平均粒径よりも大きいことを特徴とするフォトマスクブランク。
  3. 前記遮光層は、窒素または酸素を少なくとも含有していることを特徴とする請求項1または2記載のフォトマスクブランク。
  4. 前記遷移金属は、モリブデンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
  5. 前記遮光膜上に、該遮光膜に対してエッチング選択性が異なるエッチングマスク膜を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のフォトマスクブランクを準備する工程と、
    前記遮光膜上にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜から形成したレジスト膜パターンをマスクにして前記遮光膜をウェットエッチングして、前記透明基板上に遮光膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  7. 請求項5に記載のフォトマスクブランクを準備する工程と、
    前記エッチングマスク膜上にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜から形成したレジスト膜パターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングして、前記遮光膜上にエッチングマスク膜パターンを形成する工程と、
    前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして、前記遮光膜をウェットエッチングして、前記透明基板上に遮光膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  8. 請求項6または7に記載のフォトマスクの製造方法により得られたフォトマスクを用い、表示装置基板上に形成されたレジスト膜に露光転写する露光工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
JP2019036161A 2019-02-28 2019-02-28 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法 Active JP7130577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019036161A JP7130577B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019036161A JP7130577B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020140106A true JP2020140106A (ja) 2020-09-03
JP7130577B2 JP7130577B2 (ja) 2022-09-05

Family

ID=72280332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019036161A Active JP7130577B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7130577B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230047004A (ko) 2021-09-30 2023-04-06 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크, 포토마스크, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007219038A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Hoya Corp マスクブランク及びフォトマスク
WO2009123172A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクブランクの製造方法
JP2017219865A (ja) * 2017-09-07 2017-12-14 Hoya株式会社 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスク、及び表示装置の製造方法
JP2019003109A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007219038A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Hoya Corp マスクブランク及びフォトマスク
WO2009123172A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクブランクの製造方法
JP2019003109A (ja) * 2017-06-16 2019-01-10 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法
JP2017219865A (ja) * 2017-09-07 2017-12-14 Hoya株式会社 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスク、及び表示装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230047004A (ko) 2021-09-30 2023-04-06 호야 가부시키가이샤 포토마스크 블랭크, 포토마스크, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP7130577B2 (ja) 2022-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7059234B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7204496B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
KR20170113083A (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크 및 표시 장치의 제조 방법
JP2021144237A (ja) 位相シフトマスクブランクおよびこれを用いた位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP7073246B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7297692B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
JP7130577B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7413092B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP2021149092A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP2022023453A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
KR102568807B1 (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크 및 그것을 사용한 위상 시프트 마스크의 제조 방법, 그리고 패턴 전사 방법
JP6532919B2 (ja) 表示装置製造用の位相シフトマスクブランク、表示装置製造用の位相シフトマスク、及び表示装置の製造方法
JP7258717B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7371198B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7254470B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7375065B2 (ja) マスクブランク、転写用マスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP7204979B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP2019061106A (ja) 位相シフトマスクブランク及びそれを用いた位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP2022083394A (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP2023051759A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
TW202141169A (zh) 光罩基底、光罩之製造方法及顯示裝置之製造方法
KR20230047004A (ko) 포토마스크 블랭크, 포토마스크, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
TW202235996A (zh) 相移光罩基底、相移光罩之製造方法及顯示裝置之製造方法
CN117311083A (zh) 掩模坯料、转印用掩模及其制作方法、显示装置的制造方法
JP2018165817A (ja) 位相シフトマスクブランク及びそれを用いた位相シフトマスクの製造方法、並びにパターン転写方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7130577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150