JP6803172B2 - フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6803172B2
JP6803172B2 JP2016161167A JP2016161167A JP6803172B2 JP 6803172 B2 JP6803172 B2 JP 6803172B2 JP 2016161167 A JP2016161167 A JP 2016161167A JP 2016161167 A JP2016161167 A JP 2016161167A JP 6803172 B2 JP6803172 B2 JP 6803172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
pattern
light
photomask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016161167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018028631A (ja
Inventor
橋本 昌典
昌典 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SK Electronics Co Ltd
Original Assignee
SK Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SK Electronics Co Ltd filed Critical SK Electronics Co Ltd
Priority to JP2016161167A priority Critical patent/JP6803172B2/ja
Publication of JP2018028631A publication Critical patent/JP2018028631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6803172B2 publication Critical patent/JP6803172B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

本発明は、レジストとの密着性を改善したフォトマスクブランクスと、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法に関する。
従来のフォトマスクの製造方法は、透光性基板上に成膜された遮光膜の表面に低反射膜を積層したフォトマスクブランクスにレジストパターンを形成し、ついでこのレジストパターンをマスクにして、遮光膜と低反射膜をエッチングし、最後にこのレジストを除去することで所望のパターンを備えたフォトマスクを得るという方法が一般的である。フォトマスクブランクスの構成は、場合により、遮光膜に代えて半透過膜や位相シフト膜が用いられることもある。
特許文献1は、フォトマスクの表面の低反射層をクロム(Cr)ターゲットを使用して酸素雰囲気中で反応性スパッタリングにより形成する方法を開示している。
また、特許文献2は、スパッタリング装置内に窒素ガスと酸素ガスを導入し、フォトマスクの表面の低反射層をクロム(Cr)ターゲットを利用してスパッタリングにより形成する方法を開示している。
特開平5−341501号 特開平6−138650号
従来のフォトマスクを作製する工程では、低反射膜の表面に直接レジストを塗布していたが、低反射膜とレジストとの密着性が十分ではなく、遮光膜と低反射膜のエッチング工程における仕上がり寸法の変動や、微細なパターンや応力が集中しやすい特定のパターンなどにおいては現像中にレジストパターンが剥離または消失し、パターン寸法精度の劣化や欠陥が発生する場合があった。これは、低反射膜が金属酸化物で構成されるために表面は親水性であり、有機物からなるレジストの濡れ性(密着性)が悪くなるためである。
低反射膜の表面とレジストとの密着性を改善する方法として、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理とよばれる表面処理剤によるフォトマスクブランクスの表面の親油化、ブランクスの脱水べーク処理(デハイドレーションベーク)等が知られている。
しかしながら、HMDS処理は、専用廃液処理や気密性の高い廃棄処理が必要であるため、特に大画面のフラットパネルディスプレイ装置の製造に用いられるような大型のフォトマスクブランクスに対しては、HMDS処理は困難である。また、脱水べーク処理(デハイドレーションベーク)に関しても、大型のフォトマスクブランクスに対し、クリーンな環境下で180℃以上の高温を達成するのは現実的でない。
本明細書の発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、レジストとの密着性を改善できるフォトマスクブランクスを提供すること、および、レジストとの密着性を改善できるフォトマスクを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明の一様態に係るフォトマスクブランクスは、
透明基板上に、
遮光膜を備え、
前記遮光膜上に低反射膜を備え、
前記低反射膜の表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層を備えていることを特徴とする。
このフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを作製すると、レジストが親水性の高い低反射膜と直接接することがなく、水素結合が発生せず表面が疎水性(親油性)の金属薄膜層と接することとなる。その結果、フォトマスクブランクスとレジストとの密着性が高まり、レジストと基板との界面に少なくとも表面張力の小さい液の浸入を防ぐことができるため、パターン欠陥の発生が抑えられる。そして、そのフォトマスクを用いてパターニングを行えば、従来よりもパターン寸法(CD:Critical Dimension) 精度を向上させることができる。
ここで、単層の金属薄膜層は、透過率に影響しないことが必要であることから、0.5nm〜10nm程度の金属薄膜層であることが好ましく、例えばクロム(Cr)膜などが例示される。フォトマスクブランクスにおける遮光膜にクロム膜、低反射膜に酸化クロム膜を同一の成膜チャンバー内で形成することが可能であり、その場合、そのまま同一の成膜チャンバー内で更に最表面に単層の薄いクロム膜を形成することは極めて容易であるからである。ただし、他の透過率に影響を及ぼさない程度の単層の金属薄膜層であれば、一般に親水性を有さないことから、クロム膜以外の他の金属膜を排除するものではない。また、「単層の金属薄膜層」の中に、成膜雰囲気で混入する例えば酸素、窒素、炭素等の微量の不可避不純物が含まれていても構わない。
後述の実施形態で説明するように、このフォトマスクブランクスを使用する際には、最表面に形成される「単層の金属薄膜層」は透過率に影響しない程度の薄膜であるため、下層の低反射膜の低反射特性にも影響せず、フォトマスク製造工程のレジストパターン形成時の露光処理において、低反射膜の効果を損なうことが無い。また、「単層の金属薄膜層」は、遮光膜上の領域に形成されているため、フォトマスク使用時にも除去することなくそのまま用いることができる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクブランクスは、
透明基板上に、
遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜を備え、
前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜の表面に、
透過率に影響しない島状の金属薄膜層を備えていることを特徴とする。
近年のフォトマスクブランクスには、半透過膜や位相シフト膜が用いられるものも存在する。遮光膜とは異なり、半透過膜や位相シフト膜は、一定の透過性を必要とする膜であり、また低反射特性を有するため、透過率に影響を与える低反射膜を形成する必要がなく、ゆえに、フォトマスクブランクスの構成は上記のようになる。なお、単層の金属薄膜層の構成については上述の構成をそのまま適用することができる。
このフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを作製すると、レジストが親水性の半透過膜や位相シフト膜と直接接することがなくなるため、レジストとの密着性が高まり、パターン欠陥の発生が抑えられる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクブランクスは、
透明基板上に、
膜厚方向において金属クロムと酸素との比率を変化させた組成傾斜膜を備え、
前記組成傾斜膜の表面に透過率に影響しな金属クロム薄膜層を備えていることを特徴とする。
透明基板上に、膜厚方向において金属と酸素との比率を変化させた組成傾斜膜を形成することで、基板側に遮光性を有する組成膜、表面側に低反射特性を有する組成膜を、反応性スパッタ法や蒸着法により、同一の成膜チャンバ内で形成することができるためである。さらに、組成傾斜膜の表面上に、同一の成膜チャンバ内で単層の金属薄膜層も可能である。
連続的な成膜により不要な異物(パーティクル)の混入を防止したり、製品納期の短縮または製造コストの低減に寄与することも可能である。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクブランクスは、
前記透明基板と前記遮光膜との界面に、金属酸化膜からなる層を備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、透明基板と遮光膜との密着性を向上させることができ、このフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを作製すると、良好な寸法精度を得ることができる。
本発明の一様態に係るフォトマスクは、
透明基板上に、
遮光膜のパターンを備え、
前記遮光膜のパターン上に低反射膜のパターンを備え、
前記低反射膜のパターンの表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層のパターンを備えていることを特徴とする。
レジストと金属薄膜層との密着性が向上し、さらに金属薄膜層は、透過率に影響を与えず、低反射膜の露光時の特性に影響を与えないため、寸法精度の良好なフォトマスクを提供することができる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクは、
透明基板上に、
遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜のパターンを備え、
前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜のパターンの表面に、透過率に影響しない島状の金属薄膜層のパターンを備えていることを特徴とする。
このようなフォトマスクの構成とすることにより、半透過膜又は位相シフト膜上に形成された金属薄膜層は、透過率に影響を与えないため、半透過膜又は位相シフト膜の光学的特性を劣化させず、レジストとの密着性を向上し、その結果、パターン寸法精度の良いハーフトーンマスクや位相シフトマスクを提供することができる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクは、
透明基板上に、
膜厚方向において金属クロムと酸素との比率を変化させた組成傾斜膜のパターンを備え、
前記組成傾斜膜の表面に透過率に影響しな金属クロム薄膜層のパターンを備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、フォトマスクの異物による欠陥の発生を低減し、フォトマスクの製造コストの低減も可能となる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクは、
前記透明基板と前記遮光膜のパターンとの界面に、金属酸化膜からなる層のパターンを備えていることを特徴とする。
このような構成のフォトマスクとすることにより、遮光膜のパターンと透明基板との密着性が向上し、良好な寸法精度を得ることができる。
本発明の一様態に係るフォトマスクの製造方法は、
透明基板上に、遮光膜を形成する工程と、
前記遮光膜上に低反射膜を形成する工程と、
前記低反射膜の表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層を形成する工程と、
前記金属薄膜層上に接するようにレジストを形成する工程と、
前記レジストを露光、現像し、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして前記金属薄膜層、前記低反射膜および前記遮光膜をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
このようなフォトマスクの製造方法とすることにより、金属薄膜層がレジストとの密着性を向上し、エッチング工程において遮光膜パターンの寸法の変動や欠陥の発生を防止することができ、寸法精度の良いフォトマスクを得ることができる。
本発明の一様態に係る他のフォトマスクの製造方法は、
透明基板上に、遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜を形成する工程と、
前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜の表面に、透過率に影響しない島状の金属薄膜層を形成する工程と、
前記金属薄膜層上に接するようにレジストを形成する工程と、
前記レジストを露光、現像し、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクとして前記金属薄膜層および前記半透過膜又は位相シフト膜をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
このようなフォトマスクの製造方法とすることにより、前記半透過膜又は位相シフト膜の寸法の変動や欠陥の発生を防止することができ、寸法精度の良いフォトマスクを得ることができる。
本発明に係るフォトマスクブランクスは、このような構成とすることにより、フォトマスクパターン形成用のレジスト膜の剥離等を防止し、寸法精度の向上、欠陥の低減に寄与し、またHMDS処理が困難な大画面のフラットパネルディスプレイ装置用のフォトマスクの製造においても有効に利用することができる。
フォトマスクブランクス及びフォトマスクの製造工程を示す断面図(実施形態1) フォトマスクブランクス及びフォトマスクの製造工程を示す断面図(実施形態2) フォトマスクブランクス及びフォトマスクの製造工程を示す断面図(実施形態3)。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付し、説明を省略することがある。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のフォトマスクブランクス及びフォトマスクを製造する工程を示す断面図である。
図1(A)に示すように、まず、合成石英ガラス等の透明基板11上に、金属膜からなる遮光膜12、例えば、膜厚が40nm以上70nm以下のクロムからなる遮光膜を成膜する。遮光膜の形成には、例えばアルゴン(Ar)ガスを用いた公知のスパッタリング法を用いることができる。なお、スパッタリング法に代え、蒸着法により成膜しても良く、以下の工程においても同様である。
ついで、遮光膜12上に、酸化クロムを含有する低反射膜13を形成する(図1(A))。例えば、酸素(O2)ガスを用いた反応性スパッタリング法により、低反射膜13として膜厚が10nm以上20nm以下 の 酸化クロムCrY を含有する膜を形成する。酸化クロムCrY を含有する膜の形成には、他の公知の成膜方法を用いることもできる。CrYの組成の一例としては、CrO, CrO, Cr, Cr, CrO, CrO, CrO, Cr, Cr12, Cr13, Cr, Crなどが挙げられる。酸素ガスに窒素ガスを更に加えて酸窒化クロム膜を形成してもよい。或いは、窒素ガスのみ(または窒素ガスとアルゴンガスの混合ガス)を用いて窒化クロム膜を形成してもよい。
図1(B)に示すように、スパッタリング法により、低反射膜13上に単層の金属薄膜層14を膜厚0.5nm以上10nm以下で形成する。この単層の金属薄膜層14がクロム膜であり、その膜厚が3nmの場合、透明基板に対する透過率は約70%となる。なお、金属薄膜層の膜厚が薄い場合は必ずしも連続した膜とはならず、島状(粒状)に形成されることがある。しかし、金属薄膜層による下地の低反射膜の表面の被覆率はスパッタリング法で形成した場合少なくとも70%程度はあるため、連続膜でなくてもフォトレジストとの密着性向上の効果を十分に奏することができ、かつ、単層の金属薄膜層14は、露光光に対する透過率に影響しない程度まで薄膜化されているので、低反射膜13の低反射特性は損なわれず、金属薄膜層14を残置した状態においても、低反射膜13のハレーション防止効果を阻害することがない。従って、最終的に金属薄膜層14を除去する必要がない。すなわち、金属薄膜層14の除去工程は必要が無い。(図1(B)。
以上の成膜工程によりフォトマスクブランクスが完成する。
また、金属薄膜層をスパッタリング法を用いて製造する場合、スパッタリングの雰囲気の影響により、金属薄膜層には酸素、窒素、炭素等が微量に含まれることがあるが、実用上問題はない。
次に、図1(C)に示すように、単層の金属薄膜層14上にレジスト15をスピンコート法により形成する(図1(C))。
次に、図1(D)に示すように、レジストを露光および現像することにより、レジストパターン15aを形成する。なお、レジストパターンは、露光装置による露光のみならず、レーザー描画装置等により描画した後に現像し形成しても良い(図1(D))。
次に、図1(E)に示すように、レジストパターン15aをマスクとして、遮光膜12、低反射膜13及び単層の金属薄膜層14を順次エッチングし、その後、レジストパターン15aをアッシング等により除去して遮光膜のパターン12a、低反射膜のパターン13a及び金属薄膜層のパターン14aを形成する(図1(E))。
その後、外観、寸法(CD)及び位置精度の検査を行い、次いで、洗浄を行う。さらに、必要であれば、べクリルの貼付を行ってもよい。
以上の工程により、フォトマスクが完成する。
なお、本実施形態で説明した遮光膜12と低反射膜13との2層構造膜に代えて半透過膜や、位相シフト膜を採用してもよい。この場合、低反射膜13は、透過率に影響を与えるため形成しない。
しかし、金属薄膜層(金属クロム薄膜)は、透過率に影響しない程の膜厚であるため、半透過膜や、位相シフト膜上に金属薄膜層が形成されている状態であっても、光学特性に影響することはなく、ハーフトーンマスクや位相シフトマスクといった、特別の機能を有した所望のフォトマスクを得ることができる。従って、このような場合においても、金属薄膜層の除去工程は必要ない。
なお、あらかじめ最上層の金属薄膜層(金属クロム薄膜)の透過率や位相シフトへの影響を考慮した膜構成の設計をしておいても良い。

このように本実施形態では、レジストとの密着性を改善した金属薄膜層に接するようにレジストを形成するため、レジストとの密着性を改善できるフォトマスクブランクスを提供することができる。また、そのフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを作製することにより、パターン寸法精度(CD精度)を向上させることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、透明基板21上に、遮光膜と低反射膜の2層構造を形成する例を示したが、本実施形態では、遮光膜及び低反射膜との2層構造膜に代えて、組成傾斜膜22を形成する(図2(A))。ここで、組成傾斜膜とは、膜厚方向において、クロムと酸素との比率が、膜厚方向における組成が連続的又は段階的に変化する膜をいう。すなわち、透明基板21上に組成傾斜膜22を形成後、組成傾斜膜22の表面に金属薄膜層23を形成することにより、フォトマスクブランクスが完成する(図2(B))。
次に、金属薄膜層23上にレジスト24を形成する(図2(C))。その後、レジスト24を露光、現像することで、レジストパターン24aを形成する(図2(D))。次に、レジストパターン24aをマスクとして、金属薄膜層23と組成傾斜膜22とをエッチングし、金属薄膜層のパターン23aと組成傾斜膜のパターン22aとを形成する(図2(E))。以上の工程により、フォトマスクが完成する。
上記組成傾斜膜は、その酸素組成が透明基板側から表面に向かって増大する膜であり、透明基板側では金属膜の遮光層、表面側では金属酸化膜の低反射層の構造とすることができる。このような膜は、Arガスと酸素ガスとを用いた反応性スパッタリング法において、成膜初期にAr分圧を100%とし、成膜時間とともに酸素ガス分圧を増大させるにより形成することが可能であり、同一の成膜チャンバ(装置)によって形成することが可能である。
また、組成傾斜膜を形成後、同一の成膜チャンバ(装置)において、Arガスのみによりスパッタリングすることで、その表面に金属薄膜層を形成しても良い。このような傾斜組成膜を構成する金属としては、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)又はパラジウム(Pd)などが例示される。
本実施形態では、遮光膜と低反射膜の積層構造膜の代わりに、組成傾斜膜を用いるため、同一の成膜チャンバにおいて、大気開放することなく連続的に成膜を行うことにより、欠陥の原因となる異物(パーティクル)の混入を防止したり、また複数の成膜装置を使用する場合と比べ、製造コストを低減することも可能となる。
また、実施形態1同様、レジストとの密着性を改善できるフォトマスクブランクスを提供することができ、そのフォトマスクブランクスを用いて作製したフォトマスを用いることにより、パターン寸法精度を向上させることができる。
(実施形態3)
実施形態1では、透明基板上に直接遮光膜を形成した例を示したが、本実施形態では、まず、透明基板31上に、例えば酸化クロムの金属酸化膜からなる層32を形成し、その後、遮光膜33、低反射膜34、金属薄膜層35を順次形成することで、フォトマスクブランクスを形成する。酸化クロムの金属酸化膜からなる層32の膜厚としては、一例として透過率を30%とするとその膜厚は、30nm程度となる。
すなわち、図3(A)に示すように、金属酸化膜からなる層32,遮光膜33及び低反射膜34を形成し、次に、図3(B)に示すように、金属薄膜層35を形成する。
その後、図3(C)に示すように、レジスト36を塗布し、次に、図3(D)に示すようにレジスト36を露光、現像することにより、レジストパターン36aを形成する。
その後、図3(E)に示すように、レジストパターン36aをマスクとして、金属薄膜層35、低反射膜34、遮光膜33、金属酸化膜からなる層32を順次エッチングし、金属薄膜層のパターン35a、低反射膜のパターン34a、遮光膜のパターン33a及び酸化クロムからなる層のパターン32aを形成する。
以上の工程により、フォトマスクが完成する。
なお、実施形態2の組成傾斜膜において、透明基板1に接する側の酸素組成を大きくした構造、すなわち金属酸化膜を形成しても良い。
本実施形態では、透明基板31と遮光膜33との界面に、金属酸化膜からなる層32を形成することにより、透明基板31と遮光膜33との密着性が向上する。それにより微細なパターンにおいても、遮光膜パターンの剥離を防止し、良好な寸法精度を得ることができる。
また、実施形態1同様、レジストとの密着性を改善できるフォトマスクブランクスを提供することができ、そのフォトマスクブランクスを用いて作製したフォトマスを用いることにより、パターン寸法精度を向上させることができる。
(実施形態4)−製品への適用−
本実施形態では、本実施形態1〜3に係るフォトマスクブランクスを用いて製造したフォトマスクを、製品のフォトリソグラフィー工程に適用する方法について説明する。
実際の製品の製造においては、配線や電極等の異なるパターンを製品上に転写するため、複数の異なるフォトリソグラフィー工程において、複数の異なるフォトマスクを使用する。そのため、1つ製品の製造においては、電子デバイスを完成させるのに必要な数の、異なるパターンを有するフォトマスクを使用する。
それぞれのフォトマスクを、実施形態1〜3のいずれか1つの実施態様に示す製法により形成されたフォトマスクを適用することができる。
本実施形態1〜3にかかるフォトマスクは、パターン寸法CD(Critical Dimension) 精度を向上させることができるため、製品に搭載する電子デバイスの集積度を大きく向上させることができる。
11 透明基板
12 遮光膜
12a 遮光膜のパターン
13 低反射膜
13a 低反射膜のパターン
14 金属薄膜層
14a 金属薄膜層のパターン
15 レジスト
15a レジストパターン
21 透明基板
22 組成傾斜膜
22a 組成傾斜膜のパターン
23 金属薄膜層
23a 金属薄膜層のパターン
24 レジスト
24a レジストパターン
31 透明基板
32 酸化クロムからなる層
32a 酸化クロムからなる層のパターン
33 遮光膜
33a 遮光膜のパターン
34 低反射膜
34a 低反射膜のパターン
35 金属薄膜層
35a 金属薄膜層のパターン
36 レジスト
36a レジストパターン

Claims (10)

  1. 透明基板上に、
    遮光膜を備え、
    前記遮光膜上に低反射膜を備え、
    前記低反射膜の表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層を備えていることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  2. 透明基板上に、
    遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜を備え、
    前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜の表面に、
    透過率に影響しない島状の金属薄膜層を備えていることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  3. 透明基板上に、
    膜厚方向において金属クロムと酸素との比率を変化させた組成傾斜膜を備え、
    前記組成傾斜膜の表面に透過率に影響しな金属クロム薄膜層を備えていることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  4. 前記透明基板と前記遮光膜との界面に、金属酸化膜からなる層を備えていることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランクス。
  5. 透明基板上に、
    遮光膜のパターンを備え、
    前記遮光膜のパターン上に低反射膜のパターンを備え、
    前記低反射膜のパターンの表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層のパターンを備えていることを特徴とするフォトマスク。
  6. 透明基板上に、
    遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜のパターンを備え、
    前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜のパターンの表面に、透過率に影響しない島状の金属薄膜層のパターンを備えていることを特徴とするフォトマスク。
  7. 透明基板上に、
    膜厚方向において金属クロムと酸素との比率を変化させた組成傾斜膜のパターンを備え、
    前記組成傾斜膜の表面に透過率に影響しな金属クロム薄膜層のパターンを備えていることを特徴とするフォトマスク。
  8. 前記透明基板と前記遮光膜のパターンとの界面に、金属酸化膜からなる層のパターンを備えていることを特徴とする請求項5記載のフォトマスク。
  9. 透明基板上に、遮光膜を形成する工程と、
    前記遮光膜上に低反射膜を形成する工程と、
    前記低反射膜の表面に、前記遮光膜に含まれる金属と同種の金属で構成された透過率に影響しな金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層上に接するようにレジストを形成する工程と、
    前記レジストを露光、現像し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記金属薄膜層、前記低反射膜および前記遮光膜をエッチングする工程とを含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  10. 透明基板上に、遮光膜と低反射膜との2層構造膜、半透過膜又は位相シフト膜を形成する工程と、
    前記低反射膜、半透過膜又は位相シフト膜の表面に、透過率に影響しない島状の金属薄膜層を形成する工程と、
    前記金属薄膜層上に接するようにレジストを形成する工程と、
    前記レジストを露光、現像し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして前記金属薄膜層および前記半透過膜又は位相シフト膜をエッチングする工程とを含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
JP2016161167A 2016-08-19 2016-08-19 フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法 Active JP6803172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161167A JP6803172B2 (ja) 2016-08-19 2016-08-19 フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161167A JP6803172B2 (ja) 2016-08-19 2016-08-19 フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018028631A JP2018028631A (ja) 2018-02-22
JP6803172B2 true JP6803172B2 (ja) 2020-12-23

Family

ID=61247875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016161167A Active JP6803172B2 (ja) 2016-08-19 2016-08-19 フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6803172B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7303077B2 (ja) 2019-09-10 2023-07-04 アルバック成膜株式会社 マスクブランクスの製造方法及びフォトマスクの製造方法、マスクブランクス及びフォトマスク

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS623257A (ja) * 1985-06-28 1987-01-09 Toshiba Corp マスクパタ−ンの形成方法およびこれに使用するマスク基板
JPH06167803A (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 Hoya Corp 位相シフトマスクブランク及びその製造方法並びに位相シフトマスク
JPH08106152A (ja) * 1994-10-06 1996-04-23 Fujitsu Ltd フォトマスク及びその作製方法
JP4989800B2 (ja) * 2008-09-27 2012-08-01 Hoya株式会社 マスクブランク及び転写用マスクの製造方法
JP6298354B2 (ja) * 2014-05-14 2018-03-20 Hoya株式会社 フォトマスクの製造方法及びフォトマスク基板
JP6396118B2 (ja) * 2014-08-20 2018-09-26 Hoya株式会社 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、並びに位相シフトマスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018028631A (ja) 2018-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI481949B (zh) 光罩基底、光罩及此等之製造方法
JP5306507B2 (ja) ブランクマスク及びフォトマスク
JP4961990B2 (ja) マスクブランクおよび階調マスク
JP5662032B2 (ja) マスクブランクス及びハーフトーンマスク
JP6389375B2 (ja) マスクブランクおよび転写用マスク並びにそれらの製造方法
KR20150034766A (ko) 마스크 블랭크 및 위상 시프트 마스크의 제조 방법
JP2007178649A (ja) 階調マスク
JP2009258357A (ja) フォトマスク用基板及びフォトマスクとその製造方法
JP4005622B1 (ja) フォトマスク用基板及びフォトマスク並びにその製造方法
WO2017047490A1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
JP2012032823A (ja) フォトマスクブランク及びバイナリーマスクの製造方法
CN111742259B (zh) 掩模坯料、相移掩模及半导体器件的制造方法
JP6302520B2 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法
JP4930736B2 (ja) フォトマスクの製造方法及びフォトマスク
CN111902772A (zh) 掩模坯料、相移掩模及半导体器件的制造方法
JP6803172B2 (ja) フォトマスクブランクス、それを用いたフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法
JP2005010814A (ja) グレートーンマスク及びその製造方法
JP7109996B2 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクおよび半導体デバイスの製造方法
JP4816197B2 (ja) 階調マスクおよびその製造方法
JP2020020868A (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法
WO2021044917A1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスク及び半導体デバイスの製造方法
JP5365172B2 (ja) 階調マスクおよび階調マスクの製造方法
JP2020149047A (ja) フォトマスクの修正方法、フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
JP4700657B2 (ja) グレートーンマスク及びその製造方法
WO2021059890A1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスク及び半導体デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6803172

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250