JP2007255697A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性のほかに装着の相手方に対する偏心追随性を確保することができ、しかも発生する内部応力を小さくすることが可能な密封装置を提供する。
【解決手段】内周部材と外周部材の間の環状隙間に装着されて環状隙間をシールする密封装置1であって、密封流体側に配置されるシールリング11と、大気側に配置されるバックアップリング21の組み合わせよりなり、内周部材には、シールリング11が密接する円筒状周面52aならびにバックアップリング21が密接するテーパー状周面52bおよび軸方向端壁52cが設けられている密封装置1において、シールリング11は、偏心追随性を発揮するためのシールリップ12,13,14,15を有し、このシールリップ12,13,14,15にて内周部材および外周部材に密接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、密封技術に係る密封装置に関するものである。本発明の密封装置は例えば、筒内直噴ガソリンエンジン用インジェクター(燃料噴射弁)に用いられ、またはその他の筒内高圧シール部などで用いられる。
例えば、図6に示す内燃機関の燃料供給部においては、燃料のデリバリーパイプ51と、その先端開口に差し込まれる燃料噴射弁52との間に、燃料漏れを防止するための密封装置53が組み込まれており、従来この密封装置53は、スクィーズ状パッキンの一種であるOリング54とバックアップリング55との組み合わせにより構成されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記デリバリーパイプ51と燃料噴射弁52とは往々にして互いに偏心(偏芯)した状態で組み付けられることから、上記密封装置53にはシール性のほかに偏心追随性が要求される。
しかしながら、装着時に圧縮変形するのみのスクィーズ状パッキンであるOリング54に偏心追随性を持たせるには、図7(A)に示すようにOリング54の線径dを大きく設定しなければならず、このように線径dを大きくすると、大きな内部応力が発生して、へたりや割れ等が発生し易くなる。また、このように線径dの大きなOリング54を使用すると、密封装置53全体が大型となり、経済的にもロスを生じることになる。またその一方で、これらの不都合を未然に解消すべく、図7(B)に示すように線径d’(d’<d)の小さなOリング54を使用すると、上記偏心追随性の問題が復活してしまい、圧縮率の低いところが出てきて、漏れが発生することになる。
特開2002−285939号公報
本発明は以上の点に鑑みて、シール性のほかに装着の相手方に対する偏心追随性を確保することができ、しかも発生する内部応力を小さくすることが可能な密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、内周部材と外周部材との間の環状隙間に装着されて前記環状隙間をシールする密封装置であって、密封流体側に配置されるシールリングと、大気側に配置されるバックアップリングとの組み合わせよりなり、前記内周部材には、前記シールリングが密接する円筒状周面ならびに前記バックアップリングが密接するテーパー状周面および軸方向端壁が設けられている密封装置において、前記シールリングは、偏心追随性を発揮するためのシールリップを有し、前記シールリップにて前記内周部材および外周部材に密接することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による密封装置は、上記した請求項1記載の密封装置において、バックアップリングは、当該バックアップリングに作用する密封流体圧力によって当該バックアップリング内周と内周部材との間の隙間、および当該バックアップリング外周と外周部材との間の隙間を埋めるため円周上一箇所にバイアスカットを有し、かつ無圧力時、軸方向端壁との間に軸方向間隙を有することを特徴とするものである。
上記従来技術における内周部材である燃料噴射弁と外周部材であるデリバリーパイプとが互いに偏心すると、スクィーズ状パッキンであるOリングは径方向に圧縮変形するのみであったが、本発明では、シールリングがシールリップを有するリップ状パッキンとされているために、上記両部材に偏心が生じると、シールリングはシールリップが接触の相手方に押されてこの相手方から逃がれるように弾性変形する。これを可能にするため、外周部材に密接する外周側のシールリップの内周側、内周部材に密接する内周側のシールリップの外周側には、シールリップの弾性変形時の逃げ場となる空間(環状溝など)が設けられている。したがって、パッキン全体としての圧縮率が小さく抑えられ、発生する内部応力を小さく抑えることが可能となる。
また本発明では併せて、バックアップリングに円周上一箇所のバイアスカットが設けられるとともにバックアップリングに圧力が作用していないときに軸方向端壁との間に軸方向間隙が設定されるために、バックアップリングに密封流体圧力が作用すると、バックアップリングは上記軸方向間隙を狭めるように移動しこれに応じて弾性変形して、バックアップリング内周と内周部材との間の隙間およびバックアップリング外周と外周部材との間の隙間を埋めるように作用する。したがって、同じく密封流体圧力の作用により弾性変形するシールリングが上記隙間にはみ出すのを有効に防止することが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の請求項1による密封装置においては上記したように、シールリングがシールリップを有し、このシールリップにて内周部材および外周部材に密接するように構成されているために、内周部材および外周部材が互いに偏心してシールリップが追随変形するときの圧縮率が小さく抑えられ、発生する内部応力が小さく抑えられる。したがって、シールリングは十分な偏心追随性を有しながら、なおかつ発生する内部応力を小さく抑えることができ、よってへたりや割れ等が発生するのを防止することができる。また、スクィーズパッキンであるOリングの場合と違って線径を大きく設定する必要がないことから、密封装置全体が大型化することがなく、経済的なロスも生じにくい。
またこれに加えて、本発明の請求項2による密封装置においては上記したように、バックアップリングが円周上一箇所にバイアスカットを有し、かつ無圧力時、軸方向端壁との間に軸方向間隙を有するために、バックアップリングに密封流体圧力が作用すると、バックアップリングは上記軸方向間隙を狭めるように移動しこれに応じて弾性変形して、バックアップリング内周と内周部材との間の隙間およびバックアップリング外周と外周部材との間の隙間を埋めるように作用する。したがって、同じく密封流体圧力の作用により弾性変形するシールリングが上記隙間にはみ出して破損するのを防止することができる。また、バックアップリングが内周部材や外周部材に強く密接する場合には、補助的なシール作用を期待することもできる。
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(a)テーパ形状の溝、テーパ形状の樹脂製バックアップリング、ゴムリングからなる。
(b)ゴムリングは、偏心追随性を持たせるために、シールリップを保持している。
(c)バックアップリングは、圧力によってバックアップリング内周と軸、バックアップリング外周とハウジングの隙間を埋めるために、一箇所バイアスカットを施している。
(d)バックアップリングは、圧力によってバックアップリング内周と軸、バックアップリング外周とハウジングの隙間を埋めるために、無圧力時、軸壁とバックアップリング側面は隙間を持たせた設定にする。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。この密封装置1は例えば内燃機関の燃料供給部に用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、当該実施例に係る密封装置1は、内周部材(軸)である燃料噴射弁52と外周部材(ハウジング)であるデリバリーパイプ51との間の環状隙間に装着されてこの環状隙間をシールするものであって、密封流体である燃料側(以下、密封流体側と称する)Aに配置されるシールリング11と、大気側Bに配置されるバックアップリング21との組み合わせにより構成されている。
内周部材である燃料噴射弁52の外周面には、シールリング11が密接する円筒状周面52a、ならびにバックアップリング21が密接するテーパー状周面52bおよび軸方向端壁52cが密封流体側Aから大気側Bへかけてこの順番に設けられている。テーパー状周面52bにおけるテーパー(円錐面)は、密封流体側Aから大気側Bへかけて径寸法が漸次拡大するように形成されている。
当該密封装置1の一方の構成要素であるシールリング11は、所定のゴム状弾性体によって環状に成形されており、偏心追随性を発揮すべく所要数のシールリップ12,13,14,15が設けられている。すなわち、このシールリング11は断面X字状に形成されて、その四隅に四つのシールリップ12,13,14,15が設けられている。四つのシールリップ12,13,14,15の内訳は以下のとおりである。
(1)当該シールリング11外周面の密封流体側端部に斜め外方へ向けて設けられ、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する第一シールリップ12。この第一シールリップ12の自由状態における外径寸法は、デリバリーパイプ51の円筒状内周面の内径寸法よりも大きく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
(2)当該シールリング11内周面の密封流体側端部に斜め内方へ向けて設けられ、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に密接する第二シールリップ13。この第二シールリップ13の自由状態における内径寸法は、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)の外径寸法よりも小さく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
(3)当該シールリング11外周面の大気側端部に斜め外方へ向けて設けられ、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する第三シールリップ14。この第三シールリップ14の自由状態における外径寸法は、デリバリーパイプ51の円筒状内周面の内径寸法よりも大きく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
(4)当該シールリング11内周面の大気側端部に斜め内方へ向けて設けられ、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に密接する第四シールリップ15。この第四シールリップ15の自由状態における内径寸法は、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)の外径寸法よりも小さく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
上記のうち、密封流体側Aの第一シールリップ12と第二シールリップ13との間には、これらのシールリップ12,13を径方向へ向けて弾性変形し易くするため、これらの逃げ場となる環状の溝部16が設けられており、大気側Bの第三シールリップ14と第四シールリップ15の間にも、これらのシールリップ14,15を径方向へ向けて弾性変形し易くするため、これらの逃げ場となる環状の溝部17が設けられている。また、外周側の第一シールリップ12と第三シールリップ14との間には、これらのシールリップ12,14の相手部材に対する接触面圧を高めるべく、デリバリーパイプ51の内周面に対して非接触の環状の凹部18が設けられており、内周側の第二シールリップ13と第四シールリップ15の間にも、これらのシールリップ13,15の接触面圧を高めるべく、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に対して非接触の環状の凹部19が設けられている。また、外周側の第一シールリップ12と第三シールリップ14とは、互いに線対称形状とされるとともに外径寸法も同じに設定され、よってデリバリーパイプ51に対するつぶし代の大きさを同一もしくは略同一に設定されている。また、内周側の第二シールリップ13と第四シールリップ15も、互いに線対称形状とされるとともに内径寸法を同じに設定され、よって燃料噴射弁52に対するつぶし代の大きさを同一もしくは略同一に設定されている。また各シールリップ12,13,14,15は、その断面形状において丸みを帯び、その先端は断面半円形状に形成されている。
他方、バックアップリング21は、所定の樹脂材料によって環状に成形されており、平坦(軸直角)な軸方向両端面22,23、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する円筒状外周面24、および燃料噴射弁52のテーパー状周面52bに密接するテーパー状内周面25を有して、全体として断面台形状に形成されている。
また、このバックアップリング21には、当該バックアップリング21に作用する密封流体圧力によって、当該バックアップリング21のテーパー状内周面25と燃料噴射弁52のテーパー状周面52bとの間の隙間(図示せず)、および当該バックアップリング21の円筒状外周面24とデリバリーパイプ51の円筒状内周面との間の隙間(図示せず)を埋めるべく、図2に示すように、円周上一箇所のバイアスカット26が設けられており、かつ図1に示したように、当該バックアップリング21に密封流体圧力が作用していないとき、燃料噴射弁52の軸方向端壁52cとの間に所定の大きさの軸方向間隙Cが設定されている。
上記構成の密封装置1は、密封流体である燃料が大気側へ漏れるのを防止するものであって、シールリング11がシールリップ12,13,14,15を有するリップ状パッキンとされていることから、燃料噴射弁52およびデリバリーパイプ51が互いに偏心してシールリップ12,13,14,15が追随変形するときの圧縮率が小さく抑えられ、発生する内部応力が小さく抑えられる。したがって、シールリング11は十分な偏心追随性を有しながら、なおかつ発生する内部応力を小さく抑えることができ、よってへたりや割れ等が発生するのを防止することができる。また、リップ状パッキンであるシールリング11は、スクィーズ状パッキンであるOリングの場合と違って線径を大きく設定する必要がないことから、密封装置1全体が径方向に大型化することがなく、経済的なロスも生じにくいものである。
また併せて、バックアップリング21に円周上一箇所のバイアスカット26が設けられるとともにバックアップリング21に圧力が作用していないときに軸方向端壁52cとの間に軸方向間隙Cが設定されるために、バックアップリング21に密封流体圧力が作用すると、バックアップリング21は上記軸方向間隙Cを狭めるように周面52b上を移動しこれに応じて弾性変形して、バックアップリング21内周と燃料噴射弁52との間の隙間およびバックアップリング21外周とデリバリーパイプ51との間の隙間を埋めるように作用する。したがって、同じく密封流体圧力の作用により弾性変形するシールリング11が上記隙間にはみ出して破損するのを防止することができる。また、バックアップリング21が燃料噴射弁52やデリバリーパイプ51に強く密接する場合には、補助的なシール作用を期待することもできる。
尚、上記実施例では、シールリング11に四つのシールリップ12,13,14,15を有するものを用いたが、シールリング11はその機能からして軸方向一方に存する密封流体である燃料をシールすることができれば良いので、シールリップ12,13を密封流体側Aに二つ設けたものであっても良い。
第二実施例・・・
図3の第二実施例では、シールリング11の密封流体側A端部に、角張った断面形状のシールリップ12,13が二つ設けられている。
第三実施例・・・
また、図4の第三実施例では、シールリング11の密封流体側A端部に、丸みを帯びた断面形状のシールリップ12,13が二つ設けられている。
これらの第二および第三実施例において、それぞれ二つのシールリップ12,13の内訳は以下のとおりとされている。
(1)当該シールリング11外周面の密封流体側端部に斜め外方へ向けて設けられ、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する第一シールリップ12。この第一シールリップ12の自由状態における外径寸法は、デリバリーパイプ51の円筒状内周面の内径寸法よりも大きく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
(2)当該シールリング11内周面の密封流体側端部に斜め内方へ向けて設けられ、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に密接する第二シールリップ13。この第二シールリップ13の自由状態における内径寸法は、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)の外径寸法よりも小さく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
そして、このようにシールリング11に二つのシールリップ12,13を設けたものを用いても、上記第一実施例と同様の作用効果を奏することができる。
また、これらの例では、シールリング11の大気側端面20に溝部17は設けられておらず、この端面20は平坦(軸直角平面)とされていることから、圧力変動(交番圧力の作用)による弾性体(ゴム)の変形を抑えることができ、これによりフレッチング摩耗が発生するのを抑えることもできる。
更にまた、図3の例(第二実施例)では、シールリップ12,13が角張った断面形状であるので、接触圧のピークを高く設定することができ、図4の例(第三実施例)では、シールリップ12,13が丸みを帯びた断面形状であるので、上記第一実施例の場合と同様に、シールリング11を装着箇所に挿入し易いと云う利点を発揮することもできる。
第四実施例・・・
図5は、本発明の第四実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、すなわち同図(A)は偏心無しの通常時の断面図、同図(B)は偏心時の断面図をそれぞれ示している。この密封装置1は例えば内燃機関の燃料供給部に用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、当該実施例に係る密封装置1は、内周部材(軸)である燃料噴射弁52と外周部材(ハウジング)であるデリバリーパイプ51との間の環状隙間に装着されてこの環状隙間をシールするものであって、密封流体である燃料側(以下、密封流体側と称する)Aに配置されるシールリング11と、大気側Bに配置されるバックアップリング21との組み合わせにより構成されている。
内周部材である燃料噴射弁52の外周面には、シールリング11が密接する円筒状周面52a、ならびにバックアップリング21が密接するテーパー状周面52bおよび軸方向端壁52cが密封流体側Aから大気側Bへかけてこの順番に設けられている。テーパー状周面52bにおけるテーパー(円錐面)は、密封流体側Aから大気側Bへかけて径寸法が漸次拡大するように形成されている。
当該密封装置1の一方の構成要素であるシールリング11は、所定のゴム状弾性体によって環状に成形されており、偏心追随性を発揮すべく所要数のシールリップ12,13が設けられ、当該実施例では密封流体側Aに二つのシールリップ12,13が設けられている。二つのシールリップ12,13の内訳は以下のとおりである。
(1)当該シールリング11外周面の密封流体側端部に斜め外方へ向けて設けられ、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する第一シールリップ12。この第一シールリップ12の自由状態における外径寸法は、デリバリーパイプ51の円筒状内周面の内径寸法よりも大きく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また図5(B)に示すように、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
(2)当該シールリング11内周面の密封流体側端部に斜め内方へ向けて設けられ、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に密接する第二シールリップ13。この第二シールリップ13の自由状態における内径寸法は、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)の外径寸法よりも小さく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されており、また図5(B)に示すように、、このつぶし代は偏心が生じても零とはならない大きさに設定されている。
上記密封流体側Aの第一シールリップ12と第二シールリップ13との間には、これらのシールリップ12,13を径方向へ向けて弾性変形し易くするため、これらの逃げ場となる環状の溝部16が設けられている。
また、シールリング11の大気側端部には、デリバリーパイプ51および燃料噴射弁52に対してそれぞれ所定のつぶし代を設定すべく、環状突起状の突状シール部(つぶし代設定部とも称する)31,32が設けられている。この突状シール部31,32の内訳は以下のとおりとされている。
(1)シールリング11外周面の大気側端部に径方向外方へ向けて設けられ、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する第一突状シール部31。この第一突状シール部31の自由状態における外径寸法は、デリバリーパイプ51の円筒状内周面の内径寸法よりも大きく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されているが、図5(B)に示すように、このつぶし代は所定の大きさの偏心が生じたときに円周上の一部で零(但し、隙間は生じない)となるように設定されている。
(2)シールリング11内周面の大気側端部に径方向内方へ向けて設けられ、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に密接する第二突状シール部32。この第二突状シール部32の自由状態における内径寸法は、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)の外径寸法よりも小さく設定され、よってこの寸法差に基づくつぶし代が設定されているが、図5(B)に示すように、このつぶし代は所定の大きさの偏心が生じたときに円周上の一部で零(但し、隙間は生じない)となるように設定されている。
上記第一突状シール部31と第二突状シール部32との間、すなわちシールリング11の大気側端面20に溝部は設けられておらず、この大気側端面20は平坦面(軸直角平面)とされている。また、外周側の第一シールリップ12と第一突状シール部31との間にはこれらの相手部材に対する接触面圧を高めるべく、デリバリーパイプ51の内周面に対して非接触の環状の凹部18が設けられており、内周側の第二シールリップ13と第二しめ代設定部32との間にもこれらの接触面圧を高めるべく、燃料噴射弁52の外周面(上記円筒状周面52a)に対して非接触の環状の凹部19が設けられている。また、外周側の第一シールリップ12と第一突状シール部31とを比較すると、前者シールリップ12の方が自由状態における外径寸法を大きく設定され、よってデリバリーパイプ51に対するつぶし代も大きく設定されている。また、内周側の第二シールリップ13と第二突状シール部31とを比較すると、前者シールリップ13の方が自由状態における内径寸法を小さく設定され、よって燃料噴射弁52に対するつぶし代も大きく設定されている。シールリップ12,13および突状シール部31,32はそれぞれ、断面形状において丸みを帯び、その先端は断面半円形状に形成されている。
他方、バックアップリング21は、所定の樹脂材料によって環状に成形されており、平坦(軸直角)な軸方向両端面22,23、デリバリーパイプ51の円筒状内周面に密接する円筒状外周面24、および燃料噴射弁52のテーパー状周面52bに密接するテーパー状内周面25を有して、全体として断面台形状に形成されている。
また、このバックアップリング21には、当該バックアップリング21に作用する密封流体圧力によって、当該バックアップリング21のテーパー状内周面25と燃料噴射弁52のテーパー状周面52bとの間の隙間(図示せず)、および当該バックアップリング21の円筒状外周面24とデリバリーパイプ51の円筒状内周面との間の隙間(図示せず)を埋めるべく円周上一箇所のバイアスカット(図示せず)が設けられており、かつ図5(A)に示したように、当該バックアップリング21に密封流体圧力が作用していないとき、燃料噴射弁52の軸方向端壁52cとの間に所定の大きさの軸方向間隙Cが設定されている。
上記構成の密封装置1は、密封流体である燃料が大気側へ漏れるのを防止するものであって、シールリング11がシールリップ12,13を有するリップ状パッキンとされていることから、燃料噴射弁52およびデリバリーパイプ51が互いに偏心してシールリップ12,13が追随変形するときの圧縮率が小さく抑えられ、発生する内部応力が小さく抑えられる。したがって、シールリング11は十分な偏心追随性を有しながら、なおかつ発生する内部応力を小さく抑えることができ、よってへたりや割れ等が発生するのを防止することができる。また、リップ状パッキンであるシールリング11は、スクィーズ状パッキンであるOリングの場合と違って線径を大きく設定する必要がないことから、密封装置1全体が径方向に大型化することがなく、経済的なロスも生じにくいものである。
また併せて、バックアップリング21に円周上一箇所のバイアスカットが設けられるとともにバックアップリング21に圧力が作用していないときに軸方向端壁52cとの間に軸方向間隙Cが設定されるために、バックアップリング21に密封流体圧力が作用すると、バックアップリング21は上記軸方向間隙Cを狭めるように周面52b上を移動しこれに応じて弾性変形して、バックアップリング21内周と燃料噴射弁52との間の隙間およびバックアップリング21外周とデリバリーパイプ51との間の隙間を埋めるように作用する。したがって、同じく密封流体圧力の作用により弾性変形するシールリング11が上記隙間にはみ出して破損するのを防止することができる。また、バックアップリング21が燃料噴射弁52やデリバリーパイプ51に強く密接する場合には、補助的なシール作用を期待することもできる。
更にまた、シールリング11の大気側端部に突状シール部31,32が設けられ、この突状シール部31,32がデリバリーパイプ51または燃料噴射弁52に対して常に接触する構成とされているために、偏心が生じてもシールリング11の大気側端部においてデリバリーパイプ51または燃料噴射弁52との間に隙間が生じることがない。したがって、偏心時でもシールリング11の大気側端部外周または内周に隙間が発生しないことから、フレッチング摩耗が発生するのを抑えることができる。
また、各突状シール部31,32の密封流体側Aに凹部18,19が設けられているので、偏心が生じて円周上の一部で突状シール部31,32が圧縮されても、この圧縮による変形を凹部18,19によって吸収することが可能とされている。したがって、圧縮時にシールリング11の大気側端面20が大きく膨らむように弾性変形するのを防止することができる。すなわち突状シール部31,32の密封流体側Aに凹部18,19が設けられているので、圧縮時の変形が吸収され、シールリング11のバックアップリング側の変形を小さく抑えることができる。
本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面図 バックアップリングの単品図 本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面図 本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面図 本発明の第四実施例に係る密封装置の要部断面図であって、(A)は通常時の断面図、(B)は偏心時の断面図 従来例に係る密封装置を装着した内燃機関燃料供給部の説明図 (A)および(B)とも従来例に係る密封装置の要部断面図
符号の説明
1 密封装置
11 シールリング
12,13,14,15 シールリップ
16,17 溝部
18,19 凹部
20 大気側端面
21 バックアップリング
22,23 軸方向端面
24 円筒状外周面
25 テーパー状内周面
26 バイアスカット
31,32 突状シール部
51 デリバリーパイプ(外周部材)
52 燃料噴射弁(内周部材)
52a 円筒状周面
52b テーパー状周面
52c 軸方向端壁
A 密封流体側
B 大気側
C 軸方向間隙

Claims (2)

  1. 内周部材と外周部材との間の環状隙間に装着されて前記環状隙間をシールする密封装置であって、密封流体側に配置されるシールリングと、大気側に配置されるバックアップリングとの組み合わせよりなり、前記内周部材には、前記シールリングが密接する円筒状周面ならびに前記バックアップリングが密接するテーパー状周面および軸方向端壁が設けられている密封装置において、
    前記シールリングは、偏心追随性を発揮するためのシールリップを有し、前記シールリップにて前記内周部材および外周部材に密接することを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1記載の密封装置において、
    バックアップリングは、当該バックアップリングに作用する密封流体圧力によって当該バックアップリング内周と内周部材との間の隙間、および当該バックアップリング外周と外周部材との間の隙間を埋めるため円周上一箇所にバイアスカットを有し、かつ無圧力時、軸方向端壁との間に軸方向間隙を有することを特徴とする密封装置。
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