JP2002161983A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2002161983A
JP2002161983A JP2000357154A JP2000357154A JP2002161983A JP 2002161983 A JP2002161983 A JP 2002161983A JP 2000357154 A JP2000357154 A JP 2000357154A JP 2000357154 A JP2000357154 A JP 2000357154A JP 2002161983 A JP2002161983 A JP 2002161983A
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groove
ring
backup ring
backup
tapered portion
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JP2000357154A
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Inventor
Shigemi Matsuo
繁美 松尾
Masaya Otsuka
雅也 大塚
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧の交番圧力が加わる場合であっても、シ
ールリングのはみ出し及び損傷を防止することができ、
かつ偏心追随性に優れた信頼性の高い密封装置を提供す
る。 【解決手段】 互いに同心的に組み付けられたハウジン
グ1と軸2の間をシールするもので、軸2に設けられた
環状の取付溝6内に装着されるゴム状弾性体製のシール
リング3と、シールリング3を挟んで取付溝6の軸方向
両端部に配置される2つのバックアップリング4,5と
を備え、バックアップリング4,5の各々は、取付溝6
の軸方向両端部に設けられた溝テーパ部6c,6dに装
着されると共に、内周面に溝テーパ部6c,6dに対応
するテーパ部4b,5bを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の漏れを防止
する密封装置に関するものであり、特に、油圧機器の往
復運動部分など、シールリングの両側から高圧な交番圧
力が加わる部分に好適に利用される密封装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の密封装置としては、たと
えば、図6に示すような構成のものが知られている。
【0003】図6(a)は、互いに同心的に組み付けら
れたハウジング101と軸102の間の環状隙間をシー
ルする密封装置の要部断面図であって、図6(b)は、
図6(a)の密封装置において図中右側の圧力P2が左
側の圧力P1より高圧となった場合の状態を示す図であ
る。
【0004】図6に示す密封装置は、軸102に設けら
れた矩形断面形状を呈する環状の取付溝106内に、ゴ
ム状弾性体製のシールリング103を装着し、さらにこ
のシールリング103を挟んで取付溝106の両端部に
PTFE等の比較的軟質の材料からなる2つのバックア
ップリング104,105を配設した構成となってい
る。
【0005】この密封装置において図中右側から高圧P
2が加圧されると、シールリング103が低圧側に移動
して、バックアップリング104へ圧接する。そして、
バックアップリング104は取付溝106の側壁面10
6aに当接した後、シールリング103から軸方向の圧
縮荷重を受けて径方向に伸張変形し、ハウジング101
との間の溝隙間107を埋める(図6(b))。これに
より、シールリング103の軸方向低圧側へのはみ出し
や損傷を防止している。
【0006】また、図中左側の圧力P1が圧力P2より
高圧になった場合においても、上記と同様の作用によ
り、バックアップリング105がハウジング101との
間の隙間を埋め、シールリング103のはみ出しや損傷
を防止する。
【0007】更に高圧な交番圧力に対応した往復動用密
封装置としては、図7に示すような構成が知られてい
る。
【0008】図7(a)は、ハウジング101と軸10
2の間の環状隙間をシールする密封装置の要部断面図で
あって、図7(b)は、図7(a)の密封装置において
図中右側の圧力P2が左側の圧力P1より高圧となった
場合の状態を示す図である。
【0009】図7に示す密封装置は、軸102に設けら
れた矩形断面形状を呈する環状の取付溝106の一方の
端部にバックアップリング111,112を隣接して装
着し、シールリング103を挟んだ他方の端部にはバッ
クアップリング113,114を隣接して装着した構成
となっている。
【0010】これらのうち、シールリング103側に装
着されたバックアップリング112,113はPTFE
等の比較的軟質の材料から構成され、取付溝106の側
壁面側に装着されたバックアップリング111,114
はナイロン等の強度の強い材料から構成されている。
【0011】この密封装置において図中右側から高圧P
2が加圧されると、シールリング103が低圧側に移動
して、バックアップリング112へ圧接する。そして、
バックアップリング112は、取付溝106の側壁面に
当接したバックアップリング111とシールリング10
3に挟まれて軸方向に圧縮を受けて径方向に伸張変形
し、ハウジング101との間の溝隙間115を埋める
(図7(b))。
【0012】これにより、シールリング103のはみ出
しや損傷を防止している。また、図中右側の圧力P1が
高圧となった場合も、バックアップリング113,11
4により同様の作用効果を得ることができる。
【0013】ここで、バックアップリング111,11
4は、それぞれバックアップリング112,113自体
のはみ出しや損傷を防止するためのものである。すなわ
ち、高圧下では、比較的軟質な材料からなるバックアッ
プリング112,113の端部が過度の変形を受け、軸
102とハウジング101の隙間にはみ出す可能性があ
るため、硬質材からなるバックアップリング111,1
14を設けてバックアップリング112,113を支持
するように構成したものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0015】バックアップリング104,105,11
2,113がシールリング103から受ける圧縮荷重に
よって径方向に変形し、ハウジング101と軸102の
間の隙間を完全に埋めるに至る前に、シールリング10
3が隙間107,115にかみ込まれてしまい、シール
リング103のはみ出しや損傷が生じることがあった。
特に高圧下においては、このようなバックアップリング
の追随性の低下は顕著となる。
【0016】また、シールリング103の両側の圧力P
1,P2の高低が交互に変化する交番圧力が作用する場
合にあっては、シールリング103およびバックアップ
リング104,105,112,113は取付溝106
内で圧縮、伸張、移動を高速に繰り返す複雑な挙動を示
すこととなる。したがって、例えば、一旦埋められた隙
間が開いた直後に再加圧が行われた場合などでシールリ
ング103のかみ込みが生じやすくなるという問題があ
った。
【0017】さらに、ハウジング101と軸102に偏
心が生じた場合、ハウジング101と溝底部106cと
の間隔が広がった部分においては、バックアップリング
の追随性が一層低下してしまうため、シールリング10
3の損傷やはみ出しが発生しやすくなるという問題があ
った。
【0018】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、高圧
の交番圧力が加わる場合であっても、シールリングのは
み出し及び損傷を防止することができ、かつ偏心追随性
に優れた信頼性の高い密封装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、互いに同心的に組み付けられた2
部材間をシールするもので、一方の部材に設けられた環
状の取付溝内に装着されるゴム状弾性体製のシールリン
グと、該シールリングを挟んで前記取付溝の軸方向両端
部に配置される2つのバックアップリングと、を備えた
密封装置において、前記バックアップリングの各々は、
前記取付溝の軸方向両端部に設けられた、溝端縁に向か
って溝深さが浅くなる方向に傾斜する溝テーパ部に装着
されると共に、該溝テーパ部側の周面に該溝テーパ部に
対応するテーパ部を備えることを特徴とする。
【0020】この構成により、シールリングのいずれか
一方の側に高圧が加えられると、シールリングが低圧側
に押されて移動し、低圧側に設けられたバックアップリ
ングに圧接する。かかる軸方向押圧力によってバックア
ップリングのテーパ部が取付溝の溝テーパ部に押し付け
られ、その際に発生する径方向分力によって、バックア
ップリングが径方向に変形し、他方の部材間との隙間を
速やかに埋める。
【0021】また、シールリングの他方の側に高圧が加
えられた場合には、シールリングは上記とは反対の方向
に押され、この場合の低圧側であって上記とは反対の側
にあるバックアップリングに圧接することとなる。該バ
ックアップリングも上記と同様の作用に基づき溝テーパ
部と他方の部材間の隙間を速やかに埋めることができ
る。
【0022】したがって、シールリングの両側に高圧な
交番圧力が加えられても、軸方向のいずれの側にもシー
ルリングがはみ出すことはない。
【0023】前記バックアップリングは、前記取付溝の
側壁面との間に隙間を設けて配置されるとよい。
【0024】この隙間により、シールリングに押圧され
たバックアップリングは、溝テーパ部に沿って側壁面側
へとスライド移動可能となる。取付溝の溝テーパ部と他
方の部材との間隔は側壁面側ほど狭く設けられているの
で、バックアップリングが側壁面側にスライド移動する
ほどバックアップリングの径方向変形が増大し、他方の
部材との間の隙間を確実に埋めることができる。
【0025】前記バックアップリングの溝端縁側に隣接
して、該バックアップリングよりも硬質の材料からなる
第2のバックアップリングを備えるとよい。
【0026】第2のバックアップリングが前記バックア
ップリングを支持するので、該バックアップリング自体
のはみ出しや損傷が防止される。
【0027】前記バックアップリングは、前記第2のバ
ックアップリングとの間に隙間を設けて配置されるとよ
い。
【0028】前記第2のバックアップリングは、前記溝
テーパ部側の周面に該溝テーパ部に対応するテーパ部を
備えるとよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0030】(第1の実施の形態)図1,図2を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置について
説明する。
【0031】図1は第1の実施の形態に係る密封装置の
概略断面図であって、図中の左右の圧力P1,P2が等
圧の場合の状態を示している。また、図2(a)は本実
施の形態の密封装置において図中右側の圧力P2が高圧
となった場合の状態を示し、図2(b)は逆に左側の圧
力P1が高圧となった場合の状態を示している。
【0032】本実施の形態の密封装置は、互いに同心的
に組み付けられたハウジング1と軸2の間の環状隙間を
シールするもので、軸2に設けられた環状の取付溝6内
に装着されるゴム状弾性体製のシールリング3と、シー
ルリング3を挟んで取付溝6の軸方向両端部に配置され
る2つのバックアップリング4,5とを備えた構成とな
っている。
【0033】軸2に設けられた取付溝6は、ハウジング
1の内周面1aに対向する円筒状の溝底部6eと、溝底
部6eに直交する側壁面6a,6bを有し、さらに取付
溝6の両端部には、溝底部6eから側壁面6aにかけて
溝深さが浅くなる方向に傾斜する溝テーパ部6cと、溝
底部6eから側壁面6bにかけて溝深さが浅くなる方向
に傾斜する溝テーパ部6dとが形成されている。なお、
取付溝6に側壁面を設けず、溝底部6eと溝テーパ部6
c,6dにより台形断面形状を呈する環状溝としてもよ
い。
【0034】シールリング3はゴム状弾性体製のOリン
グであって、圧縮されていない自由状態では円形断面を
呈している。その内径は溝底部6eの径より小さく、外
径はハウジング1の内径より大きく設定されており、取
付溝6に装着された状態では、ハウジング1の内周面1
aと軸2の溝底部6eとによって径方向に圧縮され、そ
の弾発力によって内外周の接触面圧を得ている。なお、
シールリング3としては、Oリングに限らず、Xリング
や角リング等のリング状スクィーズパッキンを好適に利
用することができる。
【0035】バックアップリング4は比較的軟質の材料
からなるリング状部材であって、その外径はハウジング
1の内径と略等しく設定されている。また、バックアッ
プリング4の内周面側にはテーパ部4bが形成されてお
り、そのテーパ角度は取付溝6の溝テーパ部6cと略等
しく設定されている。
【0036】そして、バックアップリング4の側壁面6
a側の端面4cとシールリング3側の端面4dはともに
軸方向に直交する平面と平行となるように形成されてお
り、端面4dの径方向の肉厚は溝底部6eからハウジン
グ1の内周面1aまでの間隔と略等しく、端面4cの径
方向の肉厚は側壁面6aにおける溝テーパ部6cからハ
ウジング1の内周面1aまでの間隔よりも大きく設定さ
れている。
【0037】したがって、バックアップリング4を溝テ
ーパ部6cに装着した状態では、バックアップリング4
の外周面4aはハウジング1の内周面1aに平行な摺接
面となり、テーパ部4bは取付溝6の溝テーパ部6cに
当接する摺接面となる。また、端面4cと側壁面6aの
間には隙間7が形成され、バックアップリング4は側壁
面6a側に移動可能な状態となる。
【0038】一方、シールリング3を挟んでバックアッ
プリング4と対置されるバックアップリング5も、バッ
クアップリング4と同様、比較的軟質の材料からなるリ
ング状部材である。バックアップリング5の外径もハウ
ジング1の内径と略等しく、また、内周面側には取付溝
6の溝テーパ部6dに対応するテーパ部5bが形成され
ている。
【0039】そして、バックアップリング5の側壁面6
b側の端面5cとシールリング3側の端面5dもともに
軸方向に直交する平面と平行となるように形成されてお
り、端面5dの径方向の肉厚は溝底部6eからハウジン
グ1の内周面1aまでの間隔と略等しく、端面5cの径
方向の肉厚は側壁面6bにおける溝テーパ部6dからハ
ウジング1の内周面1aまでの間隔よりも大きく設定さ
れている。
【0040】したがって、バックアップリング5を溝テ
ーパ部6dに装着した状態では、バックアップリング5
の外周面5aはハウジング1の内周面1aに平行な摺接
面となり、テーパ部5bは取付溝6の溝テーパ部6dに
当接する摺接面となる。また、端面5cと側壁面6bの
間には隙間8が形成され、バックアップリング5は側壁
面6b側に移動可能な状態となる。
【0041】バックアップリング4,5はともに比較的
軟らかく且つ延性のある軟質材で構成されている。軟質
材としては、たとえば、PTFE(4フッ化エチレン樹
脂)等の軟質樹脂材が適用可能である。
【0042】また、バックアップリング4,5は取付溝
6に装着可能であれば無端リング状であってもよいし、
一部を切断した有端リング状であってもよい。本実施の
形態では、径方向に斜めの切断面を形成したバイアスカ
ットの有端リング状バックアップリングを用いている。
なお、切断方法としては、バイアスカットの他にも、径
方向に切断するストレートカットや階段状に切断するス
テップカット、特殊ステップカット等も適用することが
できる。
【0043】次に、図2を参照して、本実施の形態の密
封装置に交番圧力が加えられたときの作用について説明
する。
【0044】図2(a)に示すように、バックアップリ
ング5側の密封流体の圧力P2が、バックアップリング
4側の密封流体の圧力P1よりも高圧となった場合に
は、シールリング3が低圧側(図中左側)に押されて移
動し、バックアップリング4の端面4dに圧接する。
【0045】軟質材からなるバックアップリング4は、
シールリング3の押圧力によって軸方向に圧縮されつつ
低圧側へと押しやられ、バックアップリング4のテーパ
部4bが取付溝6の溝テーパ部6cに押し付けられる。
【0046】かかる軸方向押圧力によってバックアップ
リング4のテーパ部4bが取付溝6の溝テーパ部6cに
押し付けられ、その際に発生する径方向分力によって、
バックアップリング4の外周面4aはハウジング1の内
周面1aに、テーパ部4bは取付溝6の溝テーパ部6c
に密着して、ハウジング1と軸2の間の隙間を埋める。
【0047】このとき、取付溝6の溝テーパ部6cは低
圧側にいくほどハウジング1との間隔が狭くなるように
傾斜しているため、上記径方向分力の作用により、バッ
クアップリング4が拡径変形してハウジング1へと近付
き、これによりバックアップリング4の外周面4aがハ
ウジング1の内周面1aに密着する。
【0048】軸偏心が生じてハウジング1と軸2の間の
隙間が広がった場合においても、それに応じてバックア
ップリング4がさらに低圧側に押し込まれ、また最終的
には側壁面6aに支持されることにより、拡径変形及び
径方向伸長変形が増大することによって、速やかに隙間
を埋めることができる。
【0049】このように、バックアップリング4にテー
パ部4bを設けたことによって、バックアップリング4
にかかる軸方向押圧力を径方向に作用する力に効率的に
変換できるので、結果、バックアップリング4の追随性
を高め、シールリング3のはみ出しや損傷を確実に防止
することが可能となった。
【0050】一方、図2(b)に示すように、バックア
ップリング4側の密封流体の圧力P1が、バックアップ
リング5側の密封流体の圧力P2よりも高圧となった場
合には、シールリング3は上記とは反対の方向に押さ
れ、この場合の低圧側(図中右側)へと移動する。そし
て、バックアップリング5の端面5dに圧接する。
【0051】軟質材からなるバックアップリング5は、
シールリング3の押圧力によって軸方向に圧縮されつつ
低圧側へと押しやられ、バックアップリング5のテーパ
部5bが取付溝6の溝テーパ部6dに押し付けられる。
【0052】そして、上記バックアップリング4と同様
の作用に基づき、バックアップリング5の外周面5aは
ハウジング1の内周面1aに、テーパ部5bは取付溝6
の溝テーパ部6dに密着して、ハウジング1と軸2との
間の隙間を埋め、シールリング3のはみ出しや損傷を防
止する。
【0053】このように、取付溝6の溝底部6eにシー
ルリング3を装着すると共に、取付溝6の軸方向両端部
に形成された溝テーパ部6c,6dのそれぞれに、溝テ
ーパ部6c,6dと対応するテーパ部4b,5bを備え
たバックアップリング4,5を装着したので、密封装置
に交番圧力が加えられた場合であっても、軸方向のいず
れの側にもシールリング3がはみ出すことがなくシール
リング3の損傷を防止することができる。
【0054】また、バックアップリング4,5の追随性
を向上することができたので、より高圧な交番圧力が加
えられた場合や軸偏心が生じた場合においても、シール
リング3がバックアップリング4,5に当接して、その
端面4d,5dに沿った変形を受け、バックアップリン
グ4,5とハウジング1との隙間に到達する前に、バッ
クアップリング4,5が内外径方向の隙間を埋めること
ができ、シールリング3のはみ出しや損傷を確実に防止
することができる。
【0055】(第2の実施の形態)図3,図4には、本
発明の第2の実施の形態が示されている。
【0056】本実施の形態では、取付溝6の軸方向両端
部にそれぞれ2つずつバックアップリングを設けた構成
となっている。すなわち、取付溝6の溝テーパ部6cに
はバックアップリング12が装着され、さらにバックア
ップリング12の溝端縁側には第2のバックアップリン
グとしてのバックアップリング11が装着されており、
一方、取付溝6の溝テーパ部6dにはバックアップリン
グ13が装着され、さらにバックアップリング13の溝
端縁側には第2のバックアップリングとしてのバックア
ップリング14が装着されている。
【0057】その他の構成および作用については第1の
実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同
一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】図3は第2の実施の形態に係る密封装置の
概略断面図であって、図中の左右の圧力P1,P2が等
圧の場合の状態を示している。また、図4(a)は本実
施の形態の密封装置において図中右側の圧力P2が高圧
となった場合の状態を示し、図4(b)は逆に左側の圧
力P1が高圧となった場合の状態を示している。
【0059】バックアップリング12は比較的軟質の材
料からなるリング状部材であって、その外径はハウジン
グ1の内径と略等しく設定されている。また、バックア
ップリング12の内周面側にはテーパ部12bが形成さ
れており、そのテーパ角度は取付溝6の溝テーパ部6c
と略等しく設定されている。
【0060】そして、バックアップリング12のバック
アップリング11側の端面12cとシールリング3側の
端面12dはともに軸方向に直交する平面と平行となる
ように形成されており、端面12dの径方向の肉厚は溝
底部6eからハウジング1の内周面1aまでの間隔と略
等しく設定されている。
【0061】バックアップリング11はバックアップリ
ング12よりも硬質の材料からなるリング状部材であっ
て、バックアップリング12と同様、外径はハウジング
1の内径と略等しく、内周面側には取付溝6の溝テーパ
部6cに対応するテーパ部11bが形成されている。
【0062】そして、バックアップリング11の側壁面
6a側の端面11cとバックアップリング12側の端面
11dはともに軸方向に直交する平面と平行となるよう
に形成されており、端面11cの径方向の肉圧は側壁面
6aにおける溝テーパ部6cからハウジング1の内周面
1aまでの間隔と略等しく設定されている。
【0063】また、バックアップリング11の端面11
dの径方向の肉厚は、これと対向するバックアップリン
グ12の端面12cの径方向の肉厚よりも小さく設定さ
れている。
【0064】したがって、バックアップリング11,1
2を溝テーパ部6cに装着した状態では、バックアップ
リング11,12の外周面11a,12aはハウジング
1の内周面1aに平行な摺接面となり、テーパ部11
b,12bは取付溝6の溝テーパ部6cに当接する摺接
面となる。
【0065】また、バックアップリング11の端面11
cは取付溝6の側壁面6aと当接し、バックアップリン
グ11とバックアップリング12の間には隙間15が形
成され、バックアップリング12はバックアップリング
11側に移動可能な状態となる。
【0066】一方、シールリング3を挟んでバックアッ
プリング12と対置されるバックアップリング13も、
バックアップリング12と同様、比較的軟質の材料から
なるリング状部材である。バックアップリング13の外
径もハウジング1の内径と略等しく、また、内周面側に
は取付溝6の溝テーパ部6dに対応するテーパ部13b
が形成されている。
【0067】そして、バックアップリング13のバック
アップリング14側の端面13cとシールリング3側の
端面13dもともに軸方向に直交する平面と平行となる
ように形成されており、端面13dの径方向の肉厚は溝
底部6eからハウジング1の内周面1aまでの間隔と略
等しく設定されている。
【0068】バックアップリング13の溝端縁側に隣接
して配置されたバックアップリング14は、バックアッ
プリング13よりも硬質の材料からなるリング状部材で
あって、外径はハウジング1の内径と略等しく、内周面
側には取付溝6の溝テーパ部6dに対応するテーパ部1
4bが形成されている。
【0069】そして、バックアップリング14の側壁面
6b側の端面14cとバックアップリング13側の端面
14dはともに軸方向に直交する平面と平行となるよう
に形成されており、端面14cの径方向の肉圧は側壁面
6bにおける溝テーパ部6dからハウジング1の内周面
1aまでの間隔と略等しく設定されている。
【0070】また、バックアップリング14の端面14
dの径方向の肉厚は、これと対向するバックアップリン
グ13の端面13cの径方向の肉厚よりも小さく設定さ
れている。
【0071】したがって、バックアップリング13,1
4を溝テーパ部6dに装着した状態では、バックアップ
リング13,14の外周面13a,14aはハウジング
1の内周面1aに平行な摺接面となり、テーパ部13
b,14bは取付溝6の溝テーパ部6dに当接する摺接
面となる。
【0072】また、バックアップリング14の端面14
cは取付溝6の側壁面6bと当接し、バックアップリン
グ14とバックアップリング13の間には隙間16が形
成され、バックアップリング13はバックアップリング
14側に移動可能な状態となる。
【0073】バックアップリング12,13はともに比
較的軟らかく且つ延性のある軟質材で構成されている。
軟質材としては、たとえば、PTFE(4フッ化エチレ
ン樹脂)等の軟質樹脂材が適用可能である。
【0074】また、バックアップリング11,14はと
もに硬くて強度が強い硬質材で構成されている。硬質材
としては、たとえば、ナイロン,PPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)等の硬質樹脂材や、砲金等が適用可能
である。
【0075】バックアップリング11,12,13,1
4は取付溝6に装着可能であれば無端リング状であって
もよいし、一部を切断した有端リング状であってもよ
い。本実施の形態では、径方向に斜めの切断面を形成し
たバイアスカットの有端リング状バックアップリングを
用いている。なお、切断方法としては、バイアスカット
の他にも、径方向に切断するストレートカットや階段状
に切断するステップカット、特殊ステップカット等も適
用することができる。
【0076】次に、図4を参照して、本実施の形態の密
封装置に交番圧力が加えられたときの作用について説明
する。
【0077】図4(a)に示すように、バックアップリ
ング13,14側の密封流体の圧力P2が、バックアッ
プリング11,12側の密封流体の圧力P1よりも高圧
となった場合には、シールリング3が低圧側(図中左
側)に押されて移動し、バックアップリング12の端面
12dに圧接する。
【0078】軟質材からなるバックアップリング12
は、シールリング3の押圧力によって軸方向に圧縮され
つつ低圧側へと押しやられ、バックアップリング11に
当接して支持される。
【0079】かかる軸方向押圧力によってバックアップ
リング12のテーパ部12bが取付溝6の溝テーパ部6
cに押し付けられ、その際に発生する径方向分力によっ
て、バックアップリング12の外周面12aはハウジン
グ1の内周面1aに、テーパ部12bは取付溝6の溝テ
ーパ部6cに密着して、ハウジング1と軸2の間の隙間
を埋める。
【0080】このとき、取付溝6の溝テーパ部6cは低
圧側にいくほどハウジング1との間隔が狭くなるように
傾斜しているため、上記径方向分力の作用によって、バ
ックアップリング12が拡径変形してハウジング1へと
近付き、これによりバックアップリング12の外周面1
2aがハウジング1の内周面1aに密着する。
【0081】軸偏心が生じてハウジング1と軸2の間の
隙間が広がった場合においても、それに応じてバックア
ップリング12がさらに低圧側に押し込まれ拡径変形及
び径方向伸長変形が増大することによって、速やかに隙
間を埋めることができる。
【0082】このように、バックアップリング12にテ
ーパ部12bを設けたことによって、バックアップリン
グ12にかかる軸方向押圧力を径方向に作用する力に効
率的に変換できるので、結果、バックアップリング12
の追随性を高め、シールリング3のはみ出しや損傷を確
実に防止することが可能となった。
【0083】また、高圧下においては、バックアップリ
ング12自体の低圧側へのはみ出しが生じる可能性があ
ったが、バックアップリング11を設けたことによりバ
ックアップリング12のはみ出しや損傷を防止すること
ができる。なお、バックアップリング11自体は硬質材
から構成されているので、低圧側へのはみ出しが生じる
ことはない。
【0084】さらに、バックアップリング11にもテー
パ部11bを設けたことによって、バックアップリング
12からの軸方向押圧力を受けて幾分かは拡径または径
方向伸長変形し、ハウジング1との間の隙間を埋めるこ
とができ、より確実にバックアップリング12のはみ出
しを防止することができる。
【0085】一方、図4(b)に示すように、バックア
ップリング11,12側の密封流体の圧力P1が、バッ
クアップリング13,14側の密封流体の圧力P2より
も高圧となった場合には、シールリング3は上記とは反
対の方向に押され、この場合の低圧側(図中右側)へと
移動する。そして、バックアップリング13の端面13
dに圧接する。
【0086】そして、上記バックアップリング12と同
様の作用に基づき、バックアップリング13の外周面1
3aはハウジング1の内周面1aに、テーパ部13bは
取付溝6の溝テーパ部6dに密着して、ハウジング1と
軸2との間の隙間を埋め、シールリング3のはみ出しや
損傷を防止する。また、バックアップリング14によっ
てバックアップリング13を支持するので、高圧下にお
いてもバックアップリング13のはみ出しや損傷を防止
することができる。
【0087】このように、取付溝6の溝底部6eにシー
ルリング3を装着すると共に、取付溝6の軸方向両端部
に形成された溝テーパ部6c,6dのそれぞれに、溝テ
ーパ部6c,6dと対応するテーパ部12b,13bを
備えたバックアップリング12,13を装着したので、
密封装置に交番圧力が加えられた場合であっても、軸方
向のいずれの側にもシールリング3がはみ出すことがな
くシールリング3の損傷を防止することができる。
【0088】また、バックアップリング12,13の追
随性を向上することができたので、より高圧な交番圧力
が加えられた場合や軸偏心が生じた場合においても、シ
ールリング3がバックアップリング12,13に当接し
て、その端面12d,13dに沿った変形を受け、バッ
クアップリング12,13とハウジング1との隙間に到
達する前に、バックアップリング12,13が内外径方
向の隙間を埋めることができ、シールリング3のはみ出
しや損傷を確実に防止することができる。
【0089】また、バックアップリング12,13それ
ぞれの溝端縁側に硬質材からなるバックアップリング1
1,14を設けたので、非常に高圧な交番圧力が加えら
れた場合であっても、バックアップリング12,13自
体のはみ出しや損傷も防止することができる。
【0090】(第3の実施の形態)図5には本発明の第
3の実施の形態が示されている。
【0091】上記第1の実施の形態では軸2に取付溝6
を設けた構成を示したが、本実施の形態ではハウジング
に取付溝を設けている。すなわち、ハウジング21に設
けられた環状の取付溝26内に装着されるゴム状弾性体
製のシールリング23と、シールリング23を挟んで取
付溝26の軸方向両端部に配置される2つのバックアッ
プリング24,25とを備えた構成となっている。
【0092】ハウジング21に設けられた取付溝26
は、軸22の外周面22aに対向する円筒状の溝底部2
6eと、溝底部26eに直交する側壁面26a,26b
を有し、さらに取付溝26の両端部には、溝底部26e
から側壁面26aにかけて溝深さが浅くなる方向に傾斜
する溝テーパ部26cと、溝底部26eから側壁面26
bにかけて溝深さが浅くなる方向に傾斜する溝テーパ部
26dとが形成されている。なお、取付溝26に側壁面
を設けず、溝底部26eと溝テーパ部26c,26dに
より台形断面形状を呈する環状溝としてもよい。
【0093】シールリング23はゴム状弾性体製のOリ
ングであって、圧縮されていない自由状態では円形断面
を呈している。その内径は軸22の外径より小さく、外
径は溝底部26eの径より大きく設定されており、取付
溝26に装着された状態では、軸22の外周面22aと
ハウジング21の溝底部26eとによって径方向に圧縮
され、その弾発力によって内外周の接触面圧を得てい
る。なお、シールリング23としては、Oリングに限ら
ず、Xリングや角リング等のリング状スクィーズパッキ
ンを好適に利用することができる。
【0094】バックアップリング24は比較的軟質の材
料からなるリング状部材であって、その内径は軸22の
外径と略等しく設定されている。また、バックアップリ
ング24の外周面側にはテーパ部24bが形成されてお
り、そのテーパ角度は取付溝26の溝テーパ部26cと
略等しく設定されている。
【0095】そして、バックアップリング24の側壁面
26a側の端面24cとシールリング23側の端面24
dはともに軸方向に直交する平面と平行となるように形
成されており、端面24dの径方向の肉厚は溝底部26
eから軸22の外周面22aまでの間隔と略等しく、端
面24cの径方向の肉厚は側壁面26aにおける溝テー
パ部26cから軸22の外周面22aまでの間隔よりも
大きく設定されている。
【0096】したがって、バックアップリング24を溝
テーパ部26cに装着した状態では、バックアップリン
グ24の内周面24aは軸22の外周面22aに平行な
摺接面となり、テーパ部24bは取付溝26の溝テーパ
部26cに当接する摺接面となる。また、端面24cと
側壁面26aの間には隙間27が形成され、バックアッ
プリング24は側壁面26a側に移動可能な状態とな
る。
【0097】一方、シールリング23を挟んでバックア
ップリング24と対置されるバックアップリング25
も、バックアップリング24と同様、比較的軟質の材料
からなるリング状部材である。バックアップリング25
の内径も軸22の外径と略等しく、また、外周面側には
取付溝26の溝テーパ部26dに対応するテーパ部25
bが形成されている。
【0098】そして、バックアップリング25の側壁面
26b側の端面25cとシールリング23側の端面25
dもともに軸方向に直交する平面と平行となるように形
成されており、端面25dの径方向の肉厚は溝底部26
eから軸22の外周面22aまでの間隔と略等しく、端
面25cの径方向の肉厚は側壁面26bにおける溝テー
パ部26dから軸22の外周面22aまでの間隔よりも
大きく設定されている。
【0099】したがって、バックアップリング25を溝
テーパ部26dに装着した状態では、バックアップリン
グ25の内周面25aは軸22の外周面22aに平行な
摺接面となり、テーパ部25bは取付溝26の溝テーパ
部26dに当接する摺接面となる。また、端面25cと
側壁面26bの間には隙間28が形成され、バックアッ
プリング25は側壁面26b側に移動可能な状態とな
る。
【0100】バックアップリング24,25はともに比
較的軟らかく且つ延性のある軟質材で構成されている。
軟質材としては、たとえば、PTFE(4フッ化エチレ
ン樹脂)等の軟質樹脂材が適用可能である。
【0101】また、バックアップリング24,25は取
付溝26に装着可能であれば無端リング状であってもよ
いし、一部を切断した有端リング状であってもよい。本
実施の形態では、径方向に斜めの切断面を形成したバイ
アスカットの有端リング状バックアップリングを用いて
いる。なお、切断方法としては、バイアスカットの他に
も、径方向に切断するストレートカットや階段状に切断
するステップカット、特殊ステップカット等も適用する
ことができる。
【0102】この構成により、バックアップリング25
側の密封流体の圧力P2が、バックアップリング24側
の密封流体の圧力P1よりも高圧となった場合には、シ
ールリング23が低圧側(図中左側)に押されて移動
し、バックアップリング24の端面24dに圧接する。
【0103】軟質材からなるバックアップリング24
は、シールリング23の押圧力によって軸方向に圧縮さ
れつつ低圧側へと押しやられ、バックアップリング24
のテーパ部24bが取付溝26の溝テーパ部26cに押
し付けられる。
【0104】かかる軸方向押圧力によってバックアップ
リング24のテーパ部24bが取付溝26の溝テーパ部
26cに押し付けられ、その際に発生する径方向分力に
よって、バックアップリング24の内周面24aは軸2
2の外周面22aに、テーパ部24bは取付溝26の溝
テーパ部26cに密着して、ハウジング21と軸22の
間の隙間を埋める。
【0105】このとき、取付溝26の溝テーパ部26c
は低圧側にいくほど軸22との間隔が狭くなるように傾
斜しているため、上記径方向分力の作用によって、バッ
クアップリング24が縮径変形して軸22へと近付き、
これによりバックアップリング24の内周面24aが軸
22の外周面22aに密着する。
【0106】軸偏心が生じてハウジング21と軸22の
間の隙間が広がった場合においても、それに応じてバッ
クアップリング24がさらに低圧側に押し込まれ、また
最終的には側壁面26aに支持されることにより、縮径
変形及び径方向伸長変形が増大することによって、速や
かに隙間を埋めることができる。
【0107】このように、バックアップリング24にテ
ーパ部24bを設けたことによって、バックアップリン
グ24にかかる軸方向押圧力を径方向に作用する力に効
率的に変換できるので、結果、バックアップリング24
の追随性を高め、シールリング23のはみ出しや損傷を
確実に防止することが可能となった。
【0108】一方、バックアップリング24側の密封流
体の圧力P1が、バックアップリング25側の密封流体
の圧力P2よりも高圧となった場合には、シールリング
23は上記とは反対の方向に押され、この場合の低圧側
(図中右側)へと移動する。そして、バックアップリン
グ25の端面25dに圧接する。
【0109】軟質材からなるバックアップリング25
は、シールリング23の押圧力によって軸方向に圧縮さ
れつつ低圧側へと押しやられ、バックアップリング25
のテーパ部25bが取付溝26の溝テーパ部26dに押
し付けられる。
【0110】そして、上記バックアップリング24と同
様の作用に基づき、バックアップリング25の内周面2
5aは軸22の外周面22aに、テーパ部25bは取付
溝26の溝テーパ部26dに密着して、ハウジング21
と軸22との間の隙間を埋め、シールリング23のはみ
出しや損傷を防止する。
【0111】このように、取付溝26の溝底部26eに
シールリング23を装着すると共に、取付溝26の軸方
向両端部に形成された溝テーパ部26c,26dのそれ
ぞれに、溝テーパ部26c,26dと対応するテーパ部
24b,25bを備えたバックアップリング24,25
を装着したので、密封装置に交番圧力が加えられた場合
であっても、軸方向のいずれの側にもシールリング23
がはみ出すことがなくシールリング23の損傷を防止す
ることができる。
【0112】また、バックアップリング24,25の追
随性を向上することができたので、より高圧な交番圧力
が加えられた場合や軸偏心が生じた場合においても、シ
ールリング23がバックアップリング24,25に当接
して、その端面24d,25dに沿った変形を受け、バ
ックアップリング24,25と軸22との隙間に到達す
る前に、バックアップリング24,25が内外径方向の
隙間を埋めることができ、シールリング23のはみ出し
や損傷を確実に防止することができる。
【0113】なお、本実施の形態においても、上記第2
の実施の形態のごとく、バックアップリング24,25
の溝端縁側に硬質材からなるバックアップリングを設け
てもよい。これにより、より高圧な交番圧力が加圧され
た場合であっても、バックアップリング24,25自体
のはみ出しや損傷を防止することが可能となる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、シール
リングの軸方向両端部の各々に取付溝の溝テーパ部に対
応するテーパ部を備えたバックアップリングを配置した
ので、バックアップリングのテーパ部が取付溝の溝テー
パ部に押し付けられることによって発生する径方向分力
の作用により、バックアップリングが速やかに2部材間
の隙間を埋め、高圧な交番圧力が加えられた場合や軸偏
心が生じた場合であっても、軸方向のいずれの側にもシ
ールリングがはみ出すことがなくシールリングの損傷を
防止することが可能となった。
【0115】また、バックアップリングと取付溝の側壁
面との間にバックアップリングがスライド移動可能な隙
間を設けると、シールリングの軸方向押圧力によってバ
ックアップリングが側壁面側に移動し、その移動に伴い
バックアップリングの径方向変形量が増大して他方の部
材との隙間を速やかに埋め、より確実にシールリングの
はみ出しや損傷を防止することができる。
【0116】また、バックアップリングを支持する第2
のバックアップリングを設ければ、バックアップリング
自体のはみ出しや損傷も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概
略断面図である。
【図2】(a)は図1において圧力P2が高圧となった
場合の状態を示す図であり、(b)は圧力P1が高圧と
なった場合の状態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の概
略断面図である。
【図4】(a)は図3において圧力P2が高圧となった
場合の状態を示す図であり、(b)は圧力P1が高圧と
なった場合の状態を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概
略断面図である。
【図6】従来例の密封装置の概略断面図である。
【図7】従来例の密封装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1a 内周面 2 軸 3 シールリング 4 バックアップリング 4a 外周面 4b テーパ部 4c,4d 端面 5 バックアップリング 5a 外周面 5b テーパ部 5c,5d 端面 6 取付溝 6a,6b 側壁面 6c,6d 溝テーパ部 6e 溝底部 7,8 隙間 11 バックアップリング 11a 外周面 11b テーパ部 11c,11d 端面 12 バックアップリング 12a 外周面 12b テーパ部 12c,12d 端面 13 バックアップリング 13a 外周面 13b テーパ部 13c,13d 端面 14 バックアップリング 14a 外周面 14b テーパ部 14c,14d 端面 15,16 隙間 21 ハウジング 22 軸 22a 外周面 23 シールリング 24 バックアップリング 24a 内周面 24b テーパ部 24c,24d 端面 25 バックアップリング 25a 内周面 25b テーパ部 25c,25d 端面 26 取付溝 26a,26b 側壁面 26c,26d 溝テーパ部 26e 溝底部 27,28 隙間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同心的に組み付けられた2部材間を
    シールするもので、一方の部材に設けられた環状の取付
    溝内に装着されるゴム状弾性体製のシールリングと、該
    シールリングを挟んで前記取付溝の軸方向両端部に配置
    される2つのバックアップリングと、を備えた密封装置
    において、 前記バックアップリングの各々は、前記取付溝の軸方向
    両端部に設けられた、溝底部から側壁面にかけて溝深さ
    が浅くなる方向に傾斜する溝テーパ部に装着されると共
    に、該溝テーパ部側の周面に該溝テーパ部に対応するテ
    ーパ部を備えることを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】前記バックアップリングは、前記取付溝の
    側壁面との間に隙間を設けて配置されることを特徴とす
    る請求項1に記載の密封装置。
  3. 【請求項3】前記バックアップリングの溝端縁側に隣接
    して、該バックアップリングよりも硬質の材料からなる
    第2のバックアップリングを備えることを特徴とする請
    求項1に記載の密封装置。
  4. 【請求項4】前記バックアップリングは、前記第2のバ
    ックアップリングとの間に隙間を設けて配置されること
    を特徴とする請求項3に記載の密封装置。
  5. 【請求項5】前記第2のバックアップリングは、前記溝
    テーパ部側の周面に該溝テーパ部に対応するテーパ部を
    備えることを特徴とする請求項3または4に記載の密封
    装置。
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