JP5257606B2 - 密封装置 - Google Patents

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本発明は、密封技術に係る密封装置に関するものである。本発明の密封装置は例えば、筒内直噴ガソリンエンジン用インジェクタに用いられ、または筒内高圧シール部などに用いられる。
本願出願人は先に、図3に示す密封装置51を提案しており、この密封装置51は、互いに対向する二部材61,62の間に配置されて密封流体をシールするものであって、二部材61,62のうちの一方の部材(例えば軸)61に設けた装着溝63に装着されて他方の部材(例えばハウジング)62に密接するシールリング52の反密封流体側に比較的硬質の第一バックアップリング53を配置するとともに両リング52,53の間に比較的軟質の第二バックアップリング54を配置し、当該密封装置51に密封流体側から高圧が作用したときにバックアップリング53,54が、装着溝63の溝底面に設けたテーパ形状64に乗り上げることにより、優れた耐圧性を発揮し、シールリング52のはみ出しを抑制できるものとされている(特許文献1参照)。
しかしながら上記先行技術によると、上記したように装着溝63の溝底面にテーパ形状64を設ける必要があることから、装着溝63が断面矩形状の矩形溝である場合と比較して、溝の加工に手間がかかり、加工コストが高いものとなっている。
国際公開WO2006/070568号公報
本発明は以上の点に鑑みて、装着溝が断面矩形状の矩形溝でありながら上記先行技術と同等の性能を発揮すること(優れた耐圧性を発揮し、シールリングのはみ出しを抑制できること)が可能であり、もって溝加工の容易化およびコスト低減を実現することができる密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、互いに対向する二部材の間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第一バックアップリングと、前記シールリングおよび第一バックアップリングの間に配置される比較的軟質の第二バックアップリングとを有し、前記装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、前記第一バックアップリングは、環状の本体部と、前記本体部のシールリング側の面であって前記装着溝の溝底面に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、前記張り出し部に、前記シールリングに近付くに連れて前記溝底面に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられ、前記第二バックアップリングに、前記第一バックアップリングのテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられ、前記第一バックアップリングの本体部と前記第二バックアップリングとの間に初期隙間が設定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2による密封装置は、互いに対向する二部材の間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第一バックアップリングと、前記シールリングおよび第一バックアップリングの間に配置される比較的軟質の第二バックアップリングとを有し、前記装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、前記第一バックアップリングは、環状の本体部と、前記本体部のシールリング側の面であって前記他方の部材に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、前記張り出し部に、前記シールリングに近付くに連れて前記他方の部材に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられ、前記第二バックアップリングに、前記第一バックアップリングのテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられ、前記第一バックアップリングの本体部と前記第二バックアップリングとの間に初期隙間が設定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3による密封装置は、上記した請求項2記載の密封装置において、第一バックアップリングの高さ寸法は、偏芯後の過圧縮状態でつぶしを持たない寸法に設定され、第二バックアップリングの高さ寸法は、通常時で装着溝の高さ寸法に合わせて設定されていることを特徴とする。
上記構成を備える本発明の密封装置において、装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、上記先行技術におけるテーパ形状の類は全く設けられていない。上記先行技術において、テーパ形状は密封流体側から反密封流体側へかけて装着溝の溝高さ(深さ)が漸次小さくなる(浅くなる)ように設定され、密封装置に密封流体側から高圧が作用したときにバックアップリングがこのテーパ形状に乗り上げることにより、耐圧性を発揮し、シールリングのはみ出しを抑制するものとされている。これに対し本発明では、テーパ形状は装着溝の溝底面ではなく第一バックアップリングに設けられ、この第一バックアップリングに設けられたテーパ形状に対して第二バックアップリングが乗り上げることにより、耐圧性を発揮し、シールリングのはみ出しを抑制するものとされている。
このため、請求項1による密封装置では、第一バックアップリングは、環状の本体部と、この本体部のシールリング側の面であって装着溝の溝底面に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、この張り出し部に、シールリングに近付くに連れて溝底面に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられている。第二バックアップリングには、第一バックアップリングに設けたテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられている。また乗り上げに際して両バックアップリングは相対に変位しなければならないことから、第一バックアップリングの本体部と第二バックアップリングとの間には初期隙間が設定されている。したがって以上の構成によれば、第一バックアップリングに設けられたテーパ形状に対し第二バックアップリングが乗り上げることになって、これにより耐圧性が発揮され、シールリングのはみ出しが抑制される。
また、請求項2による密封装置では、第一バックアップリングは、環状の本体部と、この本体部のシールリング側の面であって他方の部材に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、後者の張り出し部に、シールリングに近付くに連れて他方の部材に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられている。第二バックアップリングには、第一バックアップリングに設けたテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられている。また乗り上げに際して両バックアップリングは相対に変位しなければならないことから、第一バックアップリングの本体部と第二バックアップリングとの間には初期隙間が設定されている。したがって以上の構成によれば、第一バックアップリングに設けられたテーパ形状に対し第二バックアップリングが乗り上げることになって、これにより耐圧性が発揮され、シールリングのはみ出しが抑制される。
尚、上記二部材に偏芯(軸の偏芯)が生じる場合については、更なる考察を要する。
すなわち、上記請求項1による密封装置によれば、一方の部材と他方の部材が偏芯したとき、円周上の過圧縮側では、第二バックアップリングが軟質材のため変形し、他方の部材との隙間を埋める。また円周上の非圧縮側では、第二バックアップリングが第一バックアップリングのテーパ形状に乗り上がり、他方の部材との隙間を埋める。
但し、第一バックアップリングは硬質で変形しにくいことから、偏芯量が大きな場合には、過圧縮側では、第一バックアップリングが他方の部材に強く当たって割れる可能性がある。また非圧縮側では、第一バックアップリングと他方の部材との間に隙間が発生することから、第二バックアップリングが一方の部材と他方の部材との間の隙間まで大きくはみ出す可能性がある。
これに対し、上記請求項2による密封装置において、請求項3に記載したように、第一バックアップリングの高さ寸法を偏芯後の過圧縮状態でつぶしを持たない寸法に設定することにより、第一バックアップリングは偏芯過圧縮状態でもつぶれて割れることがなく、非圧縮側では、第一バックアップリングと他方の部材との間に隙間が発生しないことになる。このため具体的には、第一バックアップリングにおける他方の部材に対向する面の径寸法を他方の部材の径寸法とほぼ同等に設定し、なおかつ第二バックアップリングと装着溝の溝底面との間に初期隙間を設定する。
また、第二バックアップリングの高さ寸法を通常時で装着溝の高さ寸法に合わせて設定することにより、偏芯時に第二バックアップリングが変形し、他方の部材との隙間を埋める。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の請求項1または2による密封装置において、装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、溝内にテーパ形状の類は設けられていない。一方、第一バックアップリングに設けたテーパ形状に対し第二バックアップリングが乗り上げる構造とされているため、耐圧性が発揮され、シールリングのはみ出しを抑制することができる。溝内にテーパ形状を設ける場合と比較してバックアップリングにテーパ形状を設けるのは、工程上格段に容易であり、加工コストも低くて済む。したがって本発明所期の目的どおり、装着溝が断面矩形状の矩形溝でありながら先行技術と同等の性能を発揮すること(優れた耐圧性を発揮し、シールリングのはみ出しを抑制できること)が可能であり、もって溝加工の容易化およびコスト低減を実現することができる密封装置を提供することができる。
またこれに加えて、請求項3による密封装置においては、第一バックアップリングは偏芯過圧縮状態でもつぶれて割れることがなく、非圧縮側では、第一バックアップリングと他方の部材との間に隙間が発生しないため、第二バックアップリングのはみ出しを有効に抑制することができる。
(A)は本発明の第一実施例に係る密封装置の通常時の状態を示す断面図、(B)は同密封装置の偏芯時の状態を示す断面図 (A)は本発明の第二実施例に係る密封装置の通常時の状態を示す断面図、(B)は同密封装置の偏芯時の状態を示す断面図 従来例に係る密封装置の断面図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)現在直噴で使用している2枚テーパバックアップリングは、硬質材と軟質材の組合せで成り立っており、耐圧性・Oリングはみ出し・軸偏芯に対して有効であり、高圧用シールに広く使用されている。ただし、溝形状にテーパ部を設ける必要がある。そのため、矩形溝にくらべ、溝の加工費が高くなる。
(2)そこで、本発明では、硬質材のバックアップリング(BR)形状を変更し、バックアップリング自体にテーパを設けた形状とし、矩形溝で2枚テーパバックアップリングと同様の効果を得る。
(3)発明その1としては、以下の構成とする。
(3−1)BR1(硬質材)は、矩形+Oリング側にテーパ部を設ける(長靴形状)。
(3−2)BR2(軟質材)は、BR1に合せてテーパ形状にする。
(3−3)BR1とBR2の間にスキマを設ける。
(4)発明その2としては、以下の構成とする。
(4−1)発明その1に対し、BRの向きを軸方向に反転させる。
(4−2)BR1高さを偏芯後の過圧縮状態でもつぶしを持たない寸法に設定する。
(4−3)BR2高さは通常時で溝高さに合わせる(BR2は変形可能なため)。
(5)発明その1では、以下の作用効果が発揮される。
(5−1)装着溝が矩形溝になり、溝加工費が低減する。
(5−2)偏芯時、過圧縮側ではBR2が軟質材のため変形し、スキマを埋める。
(5−3)非過圧縮側ではBR2がBR1のテーパ部を上り、スキマを埋める。
(6)ただし、
(6−1)BR1は硬質材のため変形しにくく、偏芯時に偏芯が大きいと、過圧縮側では割れる可能性がある。
(6−2)非圧縮側ではBR1とハウジングにスキマが発生し、BR2がはみ出す。BR2のはみ出しは、溝スキマ(軸外径とハウジング間)まではみ出し、はみ出しは永遠に続く。最終的にはOリングにキズが発生する可能性がある。
(7)発明その2によれば、上記(6)記載のデメリットが解消される。すなわち、
(7−1)BR1は偏芯過圧縮状態でもつぶされず、割れない。
(7−2)偏芯時に、BR2(軟質材)が変形し、スキマを埋める。
(7−3)非過圧縮側にBR1とハウジングにスキマは発生しない。尚、BR1と軸側にスキマが発生してBR2がはみ出すが、はみ出す先が行き止まりのため、ある程度のはみ出しで止まる(永遠にははみ出さない)。
(8)したがって、発明その2によれば、テーパ溝を使用しない通常の矩形溝で、偏芯によるOリングはみ出しの抑制が可能となる。
(9)BR1は硬質材でナイロン樹脂などを使用する。BR2は軟質材でPTFE樹脂などが良い。
(10)Oリングは、特にゴム材質の制限はないが、高圧用であれば高硬度・高強度材が良い。燃料用途では耐油性を考慮してフッ素材を用いる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例(請求項1関連)・・・
図1(A)は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。当該実施例に係る密封装置1は、筒内直噴ガソリンエンジン用インジェクタにおける高圧シール部に用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、当該密封装置1は、互いに対向する二部材としての軸61およびハウジング62間の環状隙間に配置されて、図上右方向に存在する密封流体が図上左方向の大気側へ漏洩しないようシールするものであって、軸61の周面に設けた環状の装着溝63に装着されてハウジング62の軸孔内周面に密接するシールリングとしてのOリング11と、Oリング11の反密封流体側に配置されて同じく装着溝63に装着される第一バックアップリング21と、Oリング11および第一バックアップリング21の間に配置されて同じく装着溝63に装着される第二バックアップリング31とを有している。尚、Oリング11はこれに代えて、DリングやXリングなどの他の断面形状のシールリングであっても良い。
Oリング11は、ゴム状弾性体によって成形されている。第一バックアップリング21は、第二バックアップリング31よりも硬質の、例えばナイロン樹脂によって成形されている。第二バックアップリング31は、第一バックアップリング21よりも軟質の、例えばPTFE樹脂によって成形されている。
装着溝63は、断面矩形状の矩形溝とされ、溝内にテーパ形状の類は全く設けられていない。したがって装着溝63は、円筒面状の溝底面63aと、軸直角平面状の両側面63bとのみを有している。
第一バックアップリング21は、断面矩形状(径方向に長い長方形状)を呈する環状の本体部22を有しており、この本体部22のOリング11側の側面であってその内周端部に環状の張り出し部23が一体成形され、この張り出し部23の外周面に、Oリング11に近付くに連れて径寸法が徐々に縮小する向きのテーパ形状(傾斜面とも称する)24が設けられている。したがって張り出し部23は、断面直角三角形状とされている。
一方、第二バックアップリング31は、全体として断面矩形状(径方向に長い長方形状)とされ、その内周面に、第一バックアップリング21のテーパ形状24に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部(傾斜面とも称する)32が設けられている。したがってテーパ部32は、テーパ形状24と同様、Oリング11に近付くに連れて径寸法が徐々に縮小する向きに形成されている。
第一バックアップリング21の外径寸法は、ハウジング62の軸孔内周面の径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。また第一バックアップリング21の内径寸法は、装着溝63の溝底面63aの径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。
一方、第二バックアップリング31の外径寸法は、ハウジング62の軸孔内周面の径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。また第二バックアップリング31の最小内径寸法は、装着溝63の溝底面63aの径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。
また、図示するように初期状態である通常時において、テーパ形状24とテーパ部32は互いに軸方向にオーバーラップして配置され、この分テーパ形状24に第二バックアップリング31が乗り上げた状態で組み合わされているが、第一バックアップリング21の本体部22と第二バックアップリング31との間には所定の大きさの初期隙間(軸方向隙間)cが設定され、更に乗り上げることが可能とされている。
上記構成の密封装置1において、密封流体側から高圧Pが作用すると、Oリング11が第二バックアップリング31に押し付けられ、第二バックアップリング31が第一バックアップリング21のテーパ形状24に更に乗り上がって初期隙間cが狭められ、第二バックアップリング31は、その内周面のテーパ部32にて第一バックアップリング21のテーパ形状24に強く密接するとともにその外周面にてハウジング62の軸孔内周面に強く密接する。したがって当該密封装置1によれば、優れた耐圧性が発揮され、Oリング11のはみ出しを有効に抑制することができる。また第二バックアップリング31が第一バックアップリング21と比較して軟質であるため、これにOリング11が押し付けられてもOリング11の表面を傷付けることがない。また装着溝63が単純な矩形溝とされているため、溝加工の容易化および加工コストの低減が実現されている。
第二実施例(請求項2および3関連)・・・
図2(A)は、本発明の第二実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。当該実施例に係る密封装置1は、筒内直噴ガソリンエンジン用インジェクタにおける高圧シール部に用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、当該密封装置1は、互いに対向する二部材としての軸61およびハウジング62間の環状隙間に配置されて、図上右方向に存在する密封流体が図上左方向の大気側へ漏洩しないようシールするものであって、軸61の周面に設けた環状の装着溝63に装着されてハウジング62の軸孔内周面に密接するシールリングとしてのOリング11と、Oリング11の反密封流体側に配置されて同じく装着溝63に装着される第一バックアップリング21と、Oリング11および第一バックアップリング21の間に配置されて同じく装着溝63に装着される第二バックアップリング31とを有している。尚、Oリング11はこれに代えて、DリングやXリングなどの他の断面形状のシールリングであっても良い。
Oリング11は、ゴム状弾性体によって成形されている。第一バックアップリング21は、第二バックアップリング31よりも硬質の、例えばナイロン樹脂によって成形されている。第二バックアップリング31は、第一バックアップリング21よりも軟質の、例えばPTFE樹脂によって成形されている。
装着溝63は、断面矩形状の矩形溝とされ、溝内にテーパ形状の類は全く設けられていない。したがって装着溝63は、円筒面状の溝底面63aと、軸直角平面状の両側面63bとのみを有している。
第一バックアップリング21は、断面矩形状(径方向に長い長方形状)を呈する環状の本体部22を有しており、この本体部22のOリング11側の側面であってその外周端部に環状の張り出し部23が一体成形され、この張り出し部23の内周面に、Oリング11に近付くに連れて径寸法が徐々に拡大する向きのテーパ形状(傾斜面とも称する)24が設けられている。したがって張り出し部23は、断面直角三角形状とされている。
一方、第二バックアップリング31は、全体として断面矩形状(径方向に長い長方形状)とされ、その内周面に、第一バックアップリング21のテーパ形状24に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部(傾斜面とも称する)32が設けられている。したがってテーパ部32は、テーパ形状24と同様、Oリング11に近付くに連れて径寸法が徐々に拡大する向きに形成されている。
第一バックアップリング21の外径寸法は、ハウジング62の軸孔内周面の径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。また第一バックアップリング21の内径寸法は、装着溝63の溝底面63aの径寸法よりも大きく設定され、よって第一バックアップリング21の内周面と装着溝63の溝底面63aとの間に所定の大きさの初期隙間(径方向隙間)cが設定されている。
一方、第二バックアップリング31の最大外径寸法は、ハウジング62の軸孔内周面の径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。また第二バックアップリング31の内径寸法は、装着溝63の溝底面63aの径寸法と同等もしくはほぼ同等に設定されている。
また、以上により、第一バックアップリング21の高さ寸法は、偏芯後の過圧縮状態でつぶしを持たない寸法に設定され、第二バックアップリング31の高さ寸法は、通常時で装着溝63の高さ寸法(装着溝63の溝底面63aおよびハウジング62の軸孔内周面間の間隔寸法)に合わせて設定されているが、これらについては後述する。
また、図示するように初期状態である通常時において、テーパ形状24とテーパ部32は互いに軸方向にオーバーラップして配置され、この分テーパ形状24に第二バックアップリング31が乗り上げた状態で組み合わされているが、第一バックアップリング21の本体部22と第二バックアップリング31との間には所定の大きさの初期隙間(軸方向隙間)cが設定され、更に乗り上げることが可能とされている。
上記構成の密封装置1において、密封流体側から高圧Pが作用すると、Oリング11が第二バックアップリング31に押し付けられ、第二バックアップリング31が第一バックアップリング21のテーパ形状24に更に乗り上がって初期隙間cが狭められ、第二バックアップリング31は、その外周面のテーパ部32にて第一バックアップリング21のテーパ形状24に強く密接するとともにその内周面にて装着溝63の溝底面63aに強く密接する。したがって当該密封装置1によれば、優れた耐圧性が発揮され、Oリング11のはみ出しを有効に抑制することができる。また第二バックアップリング31が第一バックアップリング21と比較して軟質であるため、これにOリング11が押し付けられてもOリング11の表面を傷付けることがない。また装着溝63が単純な矩形溝とされているため、溝加工の容易化および加工コストの低減が実現されている。
尚、上記第一および第二実施例を比較すると、以下の相違がある。
すなわち、上記第一実施例に係る密封装置1においては、軸61が偏芯したとき、円周上の過圧縮側で図1(B)の上半分の図面に示すように、第二バックアップリング31が軟質材のため変形し、ハウジング62との隙間を埋める。また円周上の非圧縮側では図1(B)の下半分の図面に示すように、第二バックアップリング31が第一バックアップリング21のテーパ形状24に乗り上がり、ハウジング62との隙間を埋める。
但し、第一バックアップリング21は硬質材で変形しにくいことから、偏芯量が大きな場合には、過圧縮側で図1(B)の上半分の図面に示すように、第一バックアップリング21がハウジング62に強く当たって割れる可能性がある(干渉部を符号25にて示す)。また非圧縮側では図1(B)の下半分の図面に示すように、第一バックアップリング21とハウジング62との間に隙間cが発生することから、第二バックアップリング31が軸61とハウジング62との間の隙間64まで大きくはみ出す可能性がある。
これに対し、上記第二実施例に係る密封装置1においては上記したように、第一バックアップリング21の高さ寸法が偏芯後の過圧縮状態でつぶしを持たない寸法に設定されているために、第一バックアップリング21は過圧縮側でも図2(B)の上半分の図面に示すように、つぶれて割れることがなく、非圧縮側では図2(B)の下半分の図面に示すように、第一バックアップリング21とハウジング62との間に隙間が発生しないことから、第二バックアップリング31がはみ出すのを有効に防止することができる(この場合、第一バックアップリング21の内周面と装着溝63の溝底面63aとの間に隙間cが形成されるため、ここに第二バックアップリング31がはみ出す可能性があるが、この隙間cは装着溝63の側面63bによって遮られる先止まり状の空間であることから、第二バックアップリング31が大きくはみ出すことはない)。
したがって、第一および第二実施例を比較した場合、第二実施例のほうが、第二バックアップリング31の大きなはみ出しを防止できる点で優れていると云うことができる。
1 密封装置
11 Oリング(シールリング)
21 第一バックアップリング
22 本体部
23 張り出し部
24 テーパ形状
25 干渉部
31 第二バックアップリング
32 テーパ部
61 軸(一方の部材)
62 ハウジング
63 装着溝
63a 溝底面
63b 側面
64,c,c,c,c 隙間

Claims (3)

  1. 互いに対向する二部材の間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、
    前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第一バックアップリングと、前記シールリングおよび第一バックアップリングの間に配置される比較的軟質の第二バックアップリングとを有し、
    前記装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、
    前記第一バックアップリングは、環状の本体部と、前記本体部のシールリング側の面であって前記装着溝の溝底面に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、前記張り出し部に、前記シールリングに近付くに連れて前記溝底面に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられ、
    前記第二バックアップリングに、前記第一バックアップリングのテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられ、
    前記第一バックアップリングの本体部と前記第二バックアップリングとの間に初期隙間が設定されていることを特徴とする密封装置。
  2. 互いに対向する二部材の間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、
    前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第一バックアップリングと、前記シールリングおよび第一バックアップリングの間に配置される比較的軟質の第二バックアップリングとを有し、
    前記装着溝は断面矩形状の矩形溝とされ、
    前記第一バックアップリングは、環状の本体部と、前記本体部のシールリング側の面であって前記他方の部材に近い部位に設けられた張り出し部とを一体に有し、前記張り出し部に、前記シールリングに近付くに連れて前記他方の部材に近付く方向に傾斜するテーパ形状が設けられ、
    前記第二バックアップリングに、前記第一バックアップリングのテーパ形状に対応してこれに乗り上げることが可能なテーパ部が設けられ、
    前記第一バックアップリングの本体部と前記第二バックアップリングとの間に初期隙間が設定されていることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項2記載の密封装置において、
    第一バックアップリングの高さ寸法は、偏芯後の過圧縮状態でつぶしを持たない寸法に設定され、
    第二バックアップリングの高さ寸法は、通常時で装着溝の高さ寸法に合わせて設定されていることを特徴とする密封装置。
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