JP2008128377A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の向上を図ることができる密封装置を提供する。
【解決手段】環状溝40の溝底面41に密着する第1リップ21と、他方の部材3の周面31に摺動接触する第2リップ22と、高圧側端面に設けられ、高圧側から作用する圧力Pを受けて第1リップ21及び第2リップ22の密着性を高める受圧溝20と、を備えるシール部材2を備え、シール部材2は、軸孔30が拡径しても、高圧側から作用する圧力Pによってシール部材2の受圧溝20が径方向に拡がるような変形を生じることにより、第1リップ21及び第2リップ22の密着性が維持されるように構成された密封装置1において、シール部材2の受圧溝20の溝底部20aは、常に径方向に圧縮された状態であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧シリンダ等に使用される密封装置に関するものである。
油圧シリンダに使用される密封装置としては、図10に示すようなものがある。リップパッキン100は、油圧シリンダ200のピストン201用の密封装置として、油圧シリンダ200の外周摺動部Dに使用される密封装置であり、ロッド202の往復動において油圧を保持するために設けられるものである。
このリップパッキン100は、図11に示すように、内外周面の高圧側にリップ101、102を備え、高圧側(H)の端面にU字状の環状の溝(以下、U溝という)103を備えており、ピストン201の外周面に形成された環状溝203に装着される。
リップパッキン100は、ポリウレタンゴム等のゴム材料からなる環状部材であり、外周リップ101が油圧シリンダ200の内周面200aに摺接し、内周リップ102が環状溝203の溝底面204に密着する。
リップパッキン100は、図11(a)に示すように、リップ部分につぶし代を有している。すなわち、リップパッキン100は、リップ101、102が形成さている部分において、外径寸法が油圧シリンダ200の内周面200aの径寸法よりも大きく、内径寸法が環状溝203の溝底面204の径寸法よりも小さくなっている。
したがって、リップパッキン100が装着されると、外周リップ101は油圧シリンダ200の内周面200aによって内径方向につぶされ(圧縮され)、内周リップ102は環状溝203の溝底面204によって外径方向につぶされる(拡張される)。これにより、外周リップ101が油圧シリンダ200の内周面200aに確実に接触し、内周リップ102が環状溝203の溝底面204に確実に接触し、外周リップ101及び内周リップ102によるシール性が発揮される。
また、リップパッキン100は、外周リップ101と内周リップ102との間に設けられているU溝103が高圧側(H)から受ける圧力Pの径方向の分力等によって、外周リップ101が油圧シリンダ200の内周面200aに、内周リップ102が環状溝203の溝底204にそれぞれ押し付けられ、それぞれの密着性が高められる。
なお、関連する技術については以下の文献に示されたものもある。
特開平11−101349号公報
リップパッキン100が装着されて、外周リップ101が内径方向につぶされ、内周リップ102が外径方向につぶされると、外周リップ101と内周リップ102との間に設けられているU溝103は径方向に狭められるような変形を生じ、U溝103の溝底部分103aが径方向に圧縮された状態となる。U溝103の溝底部分103aにおけるつぶし代Iが十分確保されている状態(二点鎖線BL)においては、高圧側からの圧力PによってU溝103が拡げられても、U溝103の溝底部分103aは装着前よりも圧縮された状態のままであり、装着時は常に径方向に圧縮された状態となる。
しかしながら、近年、建設機械等において装置の軽量化を図る目的で、油圧シリンダのハウジング部材として薄肉のシリンダチューブを採用する場合があり、そのような薄肉のシリンダチューブを使用した場合、高圧の圧力が作用したときにシリンダチューブが膨らむことが想定される。
高圧の圧力Pによって薄肉のシリンダチューブが膨らんでしまうと、リップパッキン100が装着される空間が外径方向に拡がってしまうことになる。外周リップ101の密着性は、圧力Pを受けてU溝103が径方向に拡げられることで維持されるものの、リップパッキン100の外周側に形成されるつぶし代は、図11(b)に示すように、減少してしまうことになり、リップパッキン100のU溝103の溝底部分103aにおいては、つぶし代がなくなってしまう場合がある(二点鎖線BL)。
このように、U溝103の溝底部分103aにおいてつぶし代がなくなってしまったり、十分に確保されないような場合には、図12に示すように、U溝103の溝底部分103aは装着前の状態に対して径方向に拡張された状態となる。
したがって、U溝103の溝底部分103aは、このような加圧(高圧)状態と無圧(低圧)状態が繰り返されると圧縮変形と拡張(引張)変形を繰り返すことになる。その結果、U溝103の溝底部分103aは、圧縮と引張の繰り返し応力が発生して疲労破壊を生じてしまい、リップパッキン100はU溝103の溝底部分103aから破損して油漏れを発生するおそれがある。
このようなリップパッキン100の破損を抑制するためには、シリンダチューブが膨らんだ場合でもU溝103の溝底部分103aに十分なつぶし代が確保されるよう、予めつぶし代を大きめに設定することが考えられる。
しかしながら、つぶし代を大きめに設定すると装着時のリップパッキン100の緊迫力が増大して、シリンダ200の内周面200aとの摺動抵抗が増大してしまい、リップパッキン100の摩耗の発生が懸念される。したがって、リップパッキン100の破損を抑制するためにつぶし代を大きめに設定するのには限界がある。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、耐久性の向上を図ることができる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における密封装置は、
軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、
前記環状溝の溝底面に密着する第1リップと、
他方の部材の周面に摺動接触する第2リップと、
高圧側端面に設けられ、高圧側から作用する圧力を受けて前記第1リップ及び前記第2リップの密着性を高める受圧溝と、を備えるシール部材を備え、
前記シール部材は、前記軸孔が拡径しても、高圧側から作用する圧力によって前記シール部材の前記受圧溝が径方向に拡がるような変形を生じることにより、前記第1リップ及び前記第2リップの密着性が維持されるように構成された密封装置において、
前記シール部材の前記受圧溝の溝底部は、常に径方向に圧縮された状態であることを特徴とする。
したがって、シール部材の受圧溝の溝底部は、軸孔の拡径によって受圧溝が拡がっても拡張(引張)状態となることがないため、引張と圧縮の繰り返し応力による疲労破損の発
生が抑制される。
前記シール部材は、前記受圧溝の溝底部に対応する領域において前記2部材に対してつぶし代を常に有することにより、前記受圧溝の溝底部が常に圧縮された状態となるようにしてもよい。
前記シール部材の低圧側端面は、前記シール部材が高圧側から圧力を受けて低圧側に移動する量が、シール部材の内周側よりも外周側が大きくなるように、前記装着溝の低圧側の側壁面に対して傾斜しており、
前記シール部材は、前記軸孔が拡径すると、高圧側からの圧力によって前記受圧溝が径方向に拡がるとともに、シール部材の外周側が内周側よりも大きく低圧側に押し込まれることによって前記受圧溝がさらに径方向に拡がるような変形を生じることにより、前記軸孔が拡径した後に前記つぶし代が消滅するのを抑制されるようにしてもよい。
前記シール部材の低圧側端面は、環状溝の低圧側の側壁面との間の隙間が、内周側から外周側に向かうにつれて徐々に広くなるようにテーパ状に傾斜してもよい。
高圧側からの圧力に対して前記シール部材よりも変形しにくい皿ばねを、前記シール部材と前記環状溝の低圧側の側壁面との間に備えてもよい。
これにより、つぶし代の増大を抑制して、シール部材の摺動抵抗の増大や摩耗の発生を抑制することができる。
バックアップリングを、前記シール部材と前記皿ばねとの間に備えてもよい。
これにより、皿バネと他方の部材の周面との間にシール部材の一部がはみ出すのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明により、耐久性の向上を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置の概略構成について説明する。図1は本実施例に係る密封装置の構成を示す模式図であり、(a)は軸方向からみた様子を示しており、(b)は(a)のAA断面図である。図2は、無圧時における本実施例に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。図3は、高圧作用時における本実施例に係る密封装置の装着状態を示す模式的断面図である。
<密封装置の構成及び概要>
本実施例に係る密封装置1は、図10に示すような油圧シリンダにおけるピストン用の密封装置であり、ロッドの往復動において油圧を保持するために設けられるものである。密封装置1は、シール部材としてのリップパッキン2から構成されており、図2に示すように、軸孔を有するハウジング(シリンダ)3と該軸孔に挿入される軸(ピストン及びロッド)4との間の環状隙間5を密封する。
リップパッキン2は、図1に示すように、断面が概ね矩形状の環状部材であり、軸に対して環状の断面U字状の受圧溝(U溝)20を高圧側(H)の端面に備え、その内外周に内周リップ21及び外周リップ22を備えた、いわゆるUパッキンである。リップパッキン2の材料としては、ニトリルゴムやポリウレタンゴム等を挙げることができる。
リップパッキン2は、軸4の外周面に設けられた環状溝40に装着され、内周リップ21(第1リップ)が環状溝40の溝底面41に密着し、外周リップ22(第2リップ)がハウジング3の軸孔30の内周面31に摺動接触することで、環状隙間5において高圧側(H)と低圧側(L)との間をシールする。
リップパッキン2は、図2に示すように、リップ部分につぶし代を有している。すなわち、リップパッキン2は、内周リップ21及び外周リップ22が形成されている部分において、外径寸法がハウジング3の軸孔30の内周面31の径寸法よりも大きく、内径寸法が軸4の環状溝40の溝底面41の径寸法よりも小さくなっている。
したがって、リップパッキン2が装着されると、内周リップ21は環状溝40の溝底面41によって外径方向につぶされ(拡張され)、外周リップ22は軸孔30の内周面31によって内径方向につぶされる(圧縮される)。これにより、内周リップ21が環状溝40の溝底面41に確実に接触し、外周リップ22が軸孔30の内周面31に確実に接触し、内周リップ21及び外周リップ22によるシール性が発揮される。なお、図2においては、リップパッキン2のつぶし代の様子をわかり易くするため、圧縮前の状態でリップパッキン2を図示している。以下、図3、図4及び図5においても同様である。
また、リップパッキン2は、内周リップ21と外周リップ22との間に設けられているU溝20が高圧側(H)から受ける圧力Pの径方向の分力等によって、内周リップ21が環状溝40の溝底面41に、外周リップ22が軸孔30の内周面31にそれぞれ押し付けられ、それぞれの密着性が高められる。
内周リップ21及び外周リップ22は、それぞれ径方向に突き出たリップ先端21a、22aと、リップ先端の高圧側(H)にテーパ状に形成された(軸4に対して傾斜した)高圧側傾斜面21b、22bと、リップ先端の低圧側(L)にテーパ状に形成された低圧側傾斜面21c、22cと、から構成される。
また、リップパッキン2の低圧側(L)の端面23は、外周側から内周側に向かって低圧側(L)に傾いた傾斜面(リップパッキン2が高圧側(H)から低圧側(L)に向かって先細りとなるようなテーパ状の斜面)に構成されている。
<装着時(無圧時)>
上述したように、リップパッキン2は、内周リップ21及び外周リップ22が、リップパッキン2が装着される空間の径方向の寸法よりもさらに径方向に突き出た構成となっているため、つぶし代の分だけ径方向に圧縮されて装着されることになる。
また、内周リップ21及び外周リップ22の低圧側傾斜面21c、22cは、軸方向において、U溝20の溝底部20aよりも低圧側(L)まで延びており、リップパッキン2は、軸方向のU溝20の溝底部20aに対応する箇所(二点鎖線BL)においてもつぶし代Iが形成される。したがって、U溝20の溝底部20aは、リップパッキン2の装着時(無圧時)には径方向に圧縮された状態となる。
また、リップパッキン2の低圧側の端面23は、内周側端部が環状溝40の低圧側(L
)の側壁面42と接触するが、内周側端部よりも外周側の部分が内周側から外周側に向かって高圧側(H)に傾いているので、側壁面42との間に外径方向に向かって徐々に広くなる隙間6が形成される。
<装着時(高圧作用時)>
高圧側(H)から圧力Pが作用すると、圧力Pの大きさによっては、ハウジング3の軸孔30が拡がる(拡径する)場合がある。例えば、ハウジング3として薄肉のシリンダチューブ等を採用した場合には、高圧の圧力が作用すると薄肉のシリンダチューブが膨らんでシリンダ内周が拡がることが考えられる。
図3に示すように、ハウジング3の軸孔30が拡がると、環状隙間5の径方向の幅が外径方向に大きくなるが(C1→C2)、リップパッキン2は、高圧側(H)からの圧力PによってU溝20が径方向に広がるような変形を生じることにより(W1→W2)、環状溝40の溝底面41及び軸孔30の内周面31に対する内周リップ21及び外周リップ22の密着状態が維持される。すなわち、リップパッキン2は、密封対象領域である環状隙間5の径方向の寸法変化に対して追従してシール性を維持できるように構成されている。
また、リップパッキン2は、高圧側(H)からの圧力Pによって全体が低圧側(L)に押し込まれることになるが、傾斜した低圧側(L)の端面23と環状溝40の低圧側(L)の側壁面42との間には、外径方向に向かって徐々に広くなる隙間6が形成されているため、圧力Pを受けて低圧側(L)に移動する量は、リップパッキン2の内周側の部分よりも外周側の部分の方が相対的に大きくなる。したがって、圧力Pを受けると、リップパッキン2は隙間6を埋めるように外周側が内周側よりも相対的に大きく低圧側(L)に押し込まれることになり、リップパッキン2全体が外周側(外径方向)に傾くような変形を生じる。
この傾き変形により、U溝20がさらに径方向に拡がるように変形し、外周リップ22がさらに軸孔30の内周面31に押し付けられる。したがって、軸孔30が拡がった後でもU溝20の溝底部20aに対応する箇所(二点鎖線BL)には、軸孔30の内周面31に対してつぶし代Iが形成される。すなわち、軸孔30が拡がった後に、該箇所においてつぶし代Iが消滅してしまうのが抑制される。したがって、U溝20の溝底部20aは、軸孔30が拡がった後(すなわち、U溝20が径方向に拡がった後)もつぶし代Iが維持されることにより圧縮状態が維持され、装着時は常に圧縮された状態となる。
<変形例>
上記説明では、密封装置が装着される環状溝を軸に設けた場合について説明した。次に、密封装置が装着される環状溝をハウジングに設ける場合について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、上記実施例1の変形例に係る密封装置1´の装着状態(無圧時)を示す模式的断面図であり、密封装置が装着される環状溝がハウジングに設けられている。図5は、変形例に係る密封装置1´の装着状態(高圧作用時)を示す模式的断面図である。なお、ここでは、上記実施例1と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
変形例に係る密封装置1´は、上記実施例1に係る密封装置1のリップパッキン2と異なり、リップパッキン2´の低圧側(L)の端面23´が、内周側から外周側に向かって低圧側(L)に傾いた傾斜面(テーパ状の斜面)に構成されている。リップパッキン2´は、ハウジング3に設けられた環状溝32に装着され、外周リップ22(第1リップ)が環状溝32の溝底面33に密着し、内周リップ21(第2リップ)が軸4の外周面43に摺動接触する。そして、リップパッキン2´の低圧側(L)の傾斜した端面23´は、環
状溝32の低圧側(L)の側壁面34との間に内径方向に向かうに従って徐々に広くなる隙間6´を形成する。
高圧側(H)から圧力Pが作用してハウジング3の軸孔30が拡がると環状溝32の溝底面33の径寸法が大きくなり(外径方向に拡がり)、リップパッキン2も圧力Pによって拡径する(外径方向に広がる)。しかし、リップパッキン2´は圧力PによってU溝20が径方向に拡がるような変形を生じることにより、内周リップ21の軸4外周面43に対する密着状態が維持される。
また、リップパッキン2´は圧力Pによって低圧側(L)に押し込まれるが、隙間6´を埋めるようにリップパッキン2´の内周側部分が外周側部分よりも相対的に大きく低圧側(L)に押し込まれることにより、リップパッキン2´の全体が内周側(内径方向)に傾くような変形を生じる。
この傾き変形により、U溝20はさらに径方向に拡がるように変形し、内周リップ21をさらに軸4の外周面43に押し付ける。したがって、軸孔30が拡がった後でもU溝20の溝底部20aに対応する箇所(二点鎖線BL)には、軸4の外周面43に対してつぶし代Iが形成される。
したがって、変形例に係る密封装置1´によれば、密封装置が装着される環状溝をハウジング3に設ける場合であっても、軸孔30が拡がった後もU溝20の溝底部分20aに対応する箇所においてつぶし代Iを維持することができ、U溝20の溝底部分20aの圧縮状態を維持することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る密封装置について、図6及び図8を参照して説明する。図6は、本実施例に係る密封装置の構成を示す模式的断面図である。図8は、皿バネの構成を示す模式図であり、(a)は軸方向からみた様子を示しており、(b)は(a)のBB断面図である。なお、ここでは、上記実施例1と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
リップパッキン2は、ニトリルゴムやポリウレタンゴム等のゴム材料からなり、金属材料等からなるハウジング3よりも剛性が低いため、高圧側(H)からの圧力Pが軸孔30の拡径を生じるほど高くない場合でも変形を生じてしまう場合がある。その場合には、リップパッキン2は環状溝40の溝底面41及び軸孔30の内周面31に対するつぶし代(接触面積)が増加して、軸孔30の内周面31(リップパッキン2の装着溝がハウジング3に設けられる場合は、軸4の外周面43)に対する摺動抵抗の増大や摩耗を生じるおそれがある。
そこで、本実施例に係る密封装置1aは、圧力Pが軸孔30の拡径を生じない程度の低圧時において、リップパッキン2の変形(つぶし代の増大)を防止すべく、上記実施例1に係るリップパッキン2の低圧側(L)に皿バネ7を備えた構成としている。
図8に示すように、皿バネ7は、略平行四辺形状の断面を有する環状の金属部材であり、高圧側(H)及び低圧側(L)の両端面71、72がテーパ状に傾斜している。端面71、72は、いずれもリップパッキン2の低圧側(L)の端面と同じ傾斜角度で傾斜しており(角度α)、皿バネ7の断面は、外周側から内周側に向かって低圧側(L)に傾いたような構成となっている。
皿バネ7は、リップパッキン2の低圧側(L)の端面23と軸4の環状溝40の低圧側
(L)の側壁面42との間に装着され、高圧側(H)の端面71がリップパッキン2の低圧側(L)の端面23に当接し、低圧側(L)の端面72が側壁面42に対向して隙間6を形成する。そして、高圧側(H)から圧力Pが作用すると、圧力Pの大きさに応じて皿バネ7の外周側の部分が低圧側(L)に押し込まれるように(隙間6を埋めるように)変形する。
皿バネ7は、ゴム材料製のリップパッキン2よりも剛性が高い金属部材であり、圧力Pが軸孔30の拡径を生じないような低圧の場合に、リップパッキン2が低圧側(L)に大きく押し込まれる変形を生じてつぶし代が大きくなり過ぎてしまうのを抑制することができる。すなわち、このように皿バネ7を設けることで、リップパッキン2が装着される空間の変化に応じたリップパッキン2のつぶし代の増大を図ることができる。
ここで、皿バネ7は、リップパッキン2よりも剛性が高く、リップパッキン2のつぶし代の過度の増大を抑制できるものであれば、その材質等は特に限定されるものではなく、仕様等に応じて適宜選定することができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3に係る密封装置について、図7及び図9を参照して説明する。図7は、本実施例に係る密封装置の構成を示す模式的断面図である。図9は、バックアップリングの構成を示す模式図であり、(a)は軸方向からみた様子を示しており、(b)は(a)のCC断面図である。なお、ここでは、上記実施例と共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
上記実施例2においては、リップパッキン2の一部が、摺動相手であるハウジング3の軸孔30の内周面31(リップパッキン2の装着溝がハウジング3に設けられる場合は、軸4の外周面43)と皿バネ7との間にはみ出して噛み込み破損を生じるおそれがある。
そこで、本実施例に係る密封装置1bは、そのようなリップパッキン2のはみ出しを防止すべく、図7に示すように、リップパッキン2と皿バネ7との間にバックアップリング8を備えた構成としている。
図9に示すように、バックアップリング8は、断面略平行四辺形状の環状部材であり、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂やポリアミド樹脂等からなる。バックアップリング8は、皿バネ7と略同様の形状を有しており、高圧側(H)及び低圧側(L)の両端面81、82が皿バネ7の高圧側(H)及び低圧側(L)の各端面71、72と同じようにテーパ状に傾斜している。
バックアップリング8は、高圧側(H)からの圧力Pによってリップパッキン2とともに変形を生じ、圧力Pによって低圧側(L)に押し込まれたリップパッキン2の一部が皿バネ7と軸孔30の内周面31(もしくは、軸4の外周面43)との間にはみ出すのを防ぐことができる。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る密封装置によれば、軸孔が拡がってU溝が径方向に拡がるように変形した後に、U溝の溝底部分に対応する箇所におけるつぶし代が消滅してしまうのが抑制される。そして、該箇所におけるつぶし代が維持されることによりU溝の溝底部分は、圧縮状態が維持され、装着時は常に圧縮された状態となる。
すなわち、従来のように、U溝が拡がることでU溝の溝底部分が拡張(引張)状態となることがなく、U溝の溝底部分に圧縮と引張の繰返し応力が生じることがない。したがっ
て、U溝の溝底部分の疲労破壊が抑制され、リップパッキンの耐久性の向上を図ることができる。
また、リップパッキンの低圧側に皿バネを設けることで、リップパッキンの摺動抵抗の増大や摩耗の発生を抑制することができる。さらに、リップパッキンと皿バネとの間にバックアップリングを設けることで、リップパッキンの一部が摺動相手と皿バネとの間にはみ出して破損を生じるのを防止することができる。
すなわち、皿バネやバックアップリングを設けることで密封装置のさらなる耐久性の向上を図ることができる。
実施例1に係る密封装置の構成を示す模式図である。 実施例1に係る密封装置の装着状態(無圧時)を示す模式的断面図である。 実施例1に係る密封装置の装着状態(高圧作用時)を示す模式的断面図である。 変形例に係る密封装置の装着状態(無圧時)を示す模式的断面図である。 変形例に係る密封装置の装着状態(高圧作用時)を示す模式的断面図である。 実施例2に係る密封装置の構成を示す模式的断面図である。 実施例3に係る密封装置の構成を示す模式的断面図である。 皿バネの構成を示す模式図である。 バックアップリングの構成を示す模式図である。 油圧シリンダの構成を説明する図である。 従来技術に係る密封装置の模式的断面図である。 従来技術に係る密封装置の模式的断面図である。
符号の説明
1 密封装置
2 リップパッキン
20 U溝
20a 溝底部
21 内周リップ
22 外周リップ
23 低圧側端面
3 ハウジング
30 軸孔
31 内周面
4 軸
40 環状溝
41 溝底面
42 低圧側側壁面
5 環状隙間
6 隙間
7 皿バネ
8 バックアップリング

Claims (6)

  1. 軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される軸のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、
    前記環状溝の溝底面に密着する第1リップと、
    他方の部材の周面に摺動接触する第2リップと、
    高圧側端面に設けられ、高圧側から作用する圧力を受けて前記第1リップ及び前記第2リップの密着性を高める受圧溝と、を備えるシール部材を備え、
    前記シール部材は、前記軸孔が拡径しても、高圧側から作用する圧力によって前記シール部材の前記受圧溝が径方向に拡がるような変形を生じることにより、前記第1リップ及び前記第2リップの密着性が維持されるように構成された密封装置において、
    前記シール部材の前記受圧溝の溝底部は、常に径方向に圧縮された状態であることを特徴とする密封装置。
  2. 前記シール部材は、前記受圧溝の溝底部に対応する領域において前記2部材に対してつぶし代を常に有することにより、前記受圧溝の溝底部が常に圧縮された状態となることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記シール部材の低圧側端面は、前記シール部材が高圧側から圧力を受けて低圧側に移動する量が、シール部材の内周側よりも外周側が大きくなるように、前記装着溝の低圧側の側壁面に対して傾斜しており、
    前記シール部材は、前記軸孔が拡径すると、高圧側からの圧力によって前記受圧溝が径方向に拡がるとともに、シール部材の外周側が内周側よりも大きく低圧側に押し込まれることによって前記受圧溝がさらに径方向に拡がるような変形を生じることにより、前記軸孔が拡径した後に前記つぶし代が消滅するのを抑制されることを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記シール部材の低圧側端面は、環状溝の低圧側の側壁面との間の隙間が、内周側から外周側に向かうにつれて徐々に広くなるようにテーパ状に傾斜していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の密封装置。
  5. 高圧側からの圧力に対して前記シール部材よりも変形しにくい皿ばねを、前記シール部材と前記環状溝の低圧側の側壁面との間に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の密封装置。
  6. バックアップリングを、前記シール部材と前記皿ばねとの間に備えることを特徴とする請求項5に記載の密封装置。
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