JP2011047516A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬度を低下させても良好なシール性の発揮しうる密封装置を提供する。
【解決手段】硬度Hsが90のゴム状弾性体で構成された密封装置おいて、環状溝20の溝底面21に接触する第1リップ11の先端11aにおける径をR1、軸3の外周面30に摺動自在に接触する第2リップ12の先端12aにおける径をR2、溝底面21の径をr1、軸外周面30の径をr2、としたときに、
|R1−R2|/2=(|r1−r2|/2)×1.3(±0.03)
を満たし、受圧溝13の溝底における外径をR3、受圧溝13の溝底における内径をR4、としたときに、
4≦((R3−R4)/|r1−r2|−1)×100≦8
を満たし、基部10の内周面14が、低圧側に向かって基部10の径方向断面幅を徐々に減少させるように傾斜したテーパ面であり、該テーパ面の軸方向に対してなす傾斜角度αが、
3°≦α≦7°
を満たすことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧シリンダ等に使用される密封装置に関するものである。
図8〜図10を参照して、従来技術に係る密封装置について説明する。図8は、従来技術に係る密封装置の模式的半断面図である。図9は、従来技術に係る密封装置の使用時の様子を示す模式的半断面図であり、(a)は無圧時、(b)は加圧時をそれぞれ示す。図10は、従来技術に係る密封装置の接触面圧分布を示すグラフであり、(a)は低圧時、(b)は高圧時をそれぞれ示す。
油圧シリンダのロッド用の密封装置として、従来から、図8に示すようなリップパッキン100が使用されている。リップパッキン100は、環状のシール部材であり、シリンダ内周面に設けられた環状溝に装着されて使用される。
リップパッキン100は、内径方向に突出する内周リップ101と、外径方向に突出する外周リップ102と、リップパッキン100が圧力を受ける高圧側の端面において軸方向に窪んだ断面略U字状の環状の溝(以下、U溝という)103と、を備えている。
リップパッキン100は内周側及び外周側がそれぞれロッド外周面及び環状溝の溝底面に密着するとともに、内周リップ101及び外周リップ102が設けられている部分において、接触面圧が高くなることにより、油圧シリンダ内の作動油が外部に漏れるのを防止している。
リップパッキン100の材料は、使用条件に応じて種々のものから選択されるが、代表的には、黒ゴム材料とウレタン材料のどちらかが選択される。黒ゴム材料は、耐油性・耐圧縮永久歪性に優れている。一方、ウレタン材料は、耐圧・耐摩耗性に優れている。
使用条件として、圧力が高い、潤滑が悪い、といった条件の場合、ウレタン材料が選定される。しかし、ウレタン材料は一般に硬度が高いため、装着溝への装着が困難となる場合がある。そのような場合には、比較的低硬度のウレタン材料(Hs(JIS A)90程度)が選定される。ちなみに、一般的なリップパッキンに使用するウレタン材料の硬度はHs94程度、黒ゴム材料の硬度はHs90程度である。
リップパッキン100は、接触相手面に加わる接触面圧勾配によりリップパッキン100を通過する油膜の厚みをコントロールする(外へ出る油膜の厚みよりも中に戻る油膜の厚みを厚くする)ことにより優れたシール性を発揮する。しかし、低硬度のウレタン材料からなるリップパッキン100の場合、加圧時の変形量が大きくなる(図9参照)。また、これに伴い、リップ側の面圧勾配がなだらかとなってシール性が低下してしまう場合がある(図10参照)。
さらに、材料を低硬度にするとリップパッキン100の耐圧性も低下しやすい。例えば、加圧時の変形量が大きいため環状隙間へのはみ出しが生じて破損等を生じ易くなる。そのため、リップパッキン100の形状を、耐圧性を考慮した設計としなければならなくなる。
特開2008−128377号公報
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、硬度を低下させても良好なシール性を発揮しうる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における密封装置は、
相対的に往復移動する軸と該軸が挿入される軸孔を有するハウジングのうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、
前記環状溝に収容される環状の基部と、
前記基部の高圧側かつ一方の周側に設けられ前記環状溝の溝底面に接触する第1リップと、
前記基部の高圧側かつ他方の周側に設けられ他方の部材の周面に摺動自在に接触する第2リップと、
前記第1リップと前記第2リップとの間で高圧側に開口し、高圧側から作用する圧力を受けて前記第1リップ及び前記第2リップの密着性を高める受圧溝と、
を備え、
硬度Hsが90のゴム状弾性体で構成された密封装置おいて、
前記第1リップの先端における径をR1、
前記第2リップの先端における径をR2、
前記環状溝の溝底面の径をr1、
前記他方の部材の周面の径をr2、
としたときに、
|R1−R2|/2=(|r1−r2|/2)×1.3(±0.03) … (1)
を満たし、
前記受圧溝の溝底における外径をR3、
前記受圧溝の溝底における内径をR4、
としたときに、
4≦((R3−R4)/|r1−r2|−1)×100≦8 … (2)
を満たし、
前記基部の前記他方の周側の周面が、低圧側に向かって前記基部の径方向断面幅を徐々に減少させるように傾斜したテーパ面であり、該テーパ面の軸方向に対してなす傾斜角度αが、
3°≦α≦7° … (3)
を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、上記(1)、(2)の関係式を満たすようにリップパッキンのR1〜R4の寸法が設定されることにより、リップ先端側における面圧勾配が高い状態で維持され、リップ先端において接触面圧のピークを発生させることができる。これにより、接触面圧の面圧勾配が高圧側において高い状態となって、高圧側へ通過する油膜の厚さが薄くなり、作動油の漏れが低減される。したがって、安定したシール性が確保される。
また、本発明によれば、上記(2)、(3)の関係式を満たすようにリップパッキンのR3、R4、αの寸法が設定されることにより、加圧時の基部の変形が抑制されるとともに、基部の低圧側端部における他方の周側の縁が環状隙間から逃がされた構成となる。これにより、環状隙間へのはみ出しによる破損等が抑制され、耐圧性が向上される。
本発明によれば、硬度を低下させても良好なシール性を発揮させることができる。
本発明の実施例に係る密封装置の模式的半断面図である。 本発明の実施例に係る密封装置の模式的半断面図である。 本発明の実施例に係る密封装置の接触面圧分布を示すグラフである。 評価試験の結果を示す図表である。 耐圧性確認試験の試験装置の模式図である。 製品低温偏心追随性確認試験の試験装置の模式図である。 密封装置の接触面圧分布を示すグラフである。 従来技術に係る密封装置の模式的半断面図である。 従来技術に係る密封装置の使用時の様子を示す模式的半断面図である。 従来技術に係る密封装置の接触面圧分布を示すグラフである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。図1は、本実施例に係る密封装置の模式的半断面図である。図2は、本実施例に係る密封装置の模式的半断面図であり、(a)はリップのしめ代の寸法設定、(b)はU溝におけるつぶしの寸法設定、(c)は基部のテーパ面の傾斜角度設定、をそれぞれ説明している。図3は、本実施例に係る密封装置の接触面圧分布を示すグラフであり、(a)は低圧時、(b)は高圧時をそれぞれ示す。なお、図2(a)、(b)においては、寸法設定をわかり易く示すため、密封装置が変形を生じていない状態で示している。
<密封装置の概要及び構成>
本実施例に係る密封装置は、油圧シリンダにおけるロッド用の密封装置であり、ロッドの往復動において油圧シリンダ内の作動油が外部に漏れるのを防止するために設けられるリップパッキンである。
図1に示すように、本実施例に係るリップパッキン1は、環状のシール部材であり、環状の基部10と、第1リップとしての外周リップ11と、第2リップとしての内周リップ12と、受圧溝としてのU溝13と、を備える。リップパッキン1の材料としては、硬度Hsが90の比較的低硬度のウレタンゴムが用いられる。
図2に示すように、リップパッキン1は、軸孔を有するハウジング(シリンダ)2と該軸孔に挿入される軸(ロッド)3との間の環状隙間を密封する。リップパッキン1は、基部10の軸方向一方側(高圧(H)側)の領域に、外周リップ11、内周リップ12、U溝13が設けられた構成となっている。リップパッキン1は、ハウジング2の軸孔の内周面に設けられた環状溝20に装着される。
基部10は、高圧(H)側において外周リップ11及び内周リップ12を支えるような構成となっている。また、基部10の内周面(他方の周側の周面)14は、低圧(L)側に向かって基部10の径方向断面幅を徐々に減少させるように傾斜したテーパ面となっている。これにより、基部10の低圧側端面における内周縁が環状隙間から逃げるような構
成となっている。
外周リップ11は、基部10の外周側から軸方向かつ外径方向に突出したような構成となっており、リップ先端が外径方向に突出している。外周リップ11は、リップ先端11aの径が環状溝20の溝底面21の径よりも大きく設定されており、リップパッキン1の外周側の領域において最も高い面圧で環状溝20の溝底面21に接触する。
内周リップ12は、基部10の内周側から軸方向かつ内径方向に突出したような構成となっており、リップ先端が内径方向に突出している。内周リップ12は、リップ先端12aの径が軸3の外周面30の径よりも小さく設定されており、リップパッキン1の内周側の領域において最も高い面圧で軸3の外周面30に摺動自在に接触する。
U溝13は、基部10の周に沿って環状に設けられており、外周リップ11と内周リップ12との間で高圧(H)側に開口している。U溝13は、高圧(H)側から作用する圧力(油圧)Pを受けとめることで、環状溝20の溝底面21及び軸3の外周面30に対する外周リップ11及び内周リップ12の密着性を高めるように構成されている。
<密封装置の寸法設定>
本実施例に係るリップパッキン1における各種寸法設定について説明する。
<<リップのしめ代>>
図2(a)に示すように、本実施例に係るリップパッキン1は、
外周リップ11の先端における径をR1[mm]、
内周リップ12の先端における径をR2[mm]、
環状溝20の溝底面21の径をr1[mm]、
軸3の外周面30の径をr2[mm]、
としたときに、
|R1−R2|/2=(|r1−r2|/2)×1.3(±0.03) … (1)
を満たすように構成されている。
すなわち、リップパッキン1のリップ断面幅(|R1−R2|/2)が、リップパッキン1の装着スペースの幅(|r1−r2|/2)に対して、127〜133%となるように、R1及びR2が設定される。
<<U溝におけるつぶし>>
図2(b)に示すように、本実施例に係るリップパッキン1は、
U溝13の溝底13aにおける外径をR3[mm]、
U溝13の溝底13aにおける内径をR4[mm]、
としたときに、
4≦((R3−R4)/|r1−r2|−1)×100≦8 … (2)
を満たすように構成されている。
すなわち、U溝底部におけるリップパッキン1の断面幅((R3−R4)/2)の、リップパッキン1の装着スペースの幅(|r1−r2|/2)に対するつぶしが、4〜8%となるように、R3及びR4が設定される。
<<基部テーパ面の傾斜角度>>
図2(c)に示すように、本実施例に係るリップパッキン1は、
テーパ面である基部10の内周面14が軸方向に対してなす傾斜角度αが、
3°≦α≦7° … (3)
を満たすように構成されている。
<接触面圧分布>
図3を参照して、本実施例に係るリップパッキン1の接触面圧分布について説明する。なお、比較として、従来技術に係るリップパッキンの接触面圧分布を破線で示している。
ここで、接触面圧分布を調べた本実施例に係るリップパッキン1の具体的な寸法設定は次の通りである。
リップパッキン1の軸方向幅:10mm
基部10の外径:φ88.7mm
基部10の最も小さい内径(内周リップ12の付け根部分における内径):φ76.5mm、
外周リップ11のリップ先端11aの径:φ91.2mm
内周リップ12のリップ先端12aの径:φ74.3mm
U溝13の深さ:3.2mm
外周リップ11の軸方向端面から基部10の外周面との境目までの軸方向の幅:3.9mm
内周リップ12の軸方向端面から基部10の内周面14との境目までの軸方向の幅:3.7mm
また、リップパッキン1の装着スペースの各寸法は次のとおりである。
軸3の外周面30の径:φ75mm
環状溝20の溝底31の径:φ88mm
環状溝20の軸方向幅:11mm
図3に示すように、本実施例に係るリップパッキン1では、リップパッキン1に対して高圧(H)側から作用する圧力が比較的低圧(10MPa)のとき(図3(a))においても、圧力を高めて高圧(H)側から作用する圧力が比較的高圧(21MPa)となったとき(図3(b))においても、リップ先端側における面圧勾配が高い状態で維持されていることがわかる。また、その結果、図中の矢印Xで示すように、本実施例に係るリップパッキン1では、リップ先端12aにおいて接触面圧のピークが発生していることがわかる。
この効果は、主として、上記(1)、(2)の関係式を満たすようにリップパッキン1のR1〜R4の寸法が設定されることによりもたらされたものであると考えられる。この効果により、接触面圧の面圧勾配が高圧(H)側において高い状態となり、高圧(H)側(すなわち、大気側)へ通過する油膜の厚さが薄くなり、外部への作動油の漏れが低減される。したがって、安定したシール性を確保することが可能となる。
一方、従来例では、リップ先端側における面圧勾配が緩くなり、また、本実施例のような接触面圧のピークが形成されていないことがわかる。
また、図3中の矢印Yで示すように、従来例と比較して基部10の低圧(L)側部位の接触面圧が減少していることがわかる。この効果は、主として、上記(2)、(3)の関係式を満たすようにリップパッキン1のR3、R4、αの寸法が設定されることによりもたらされたものであると考えられる。これにより、加圧時の基部10の変形が抑制されるとともに、基部10の低圧(L)側端部の内周縁が環状隙間から逃がされた構成となることにより、環状隙間へのはみ出しによる破損等が抑制される。したがって、リップパッキン1の耐圧性が向上される。
一方、従来例では、基部の低圧側部位の接触面圧が高いため、加圧時に基部が変形を生じやすく、基部の低圧側端部の内周縁が環状隙間にはみ出しやすい。したがって、環状隙間へのはみ出しによる破損等が懸念される。
<評価試験>
上記(1)、(2)、(3)の関係式を満たす実施例に係るリップパッキンの性能評価について、上記(1)、(2)、(3)の関係式のいずれかを満たさないリップパッキンを比較例として評価試験を行なった。その結果を図4に示す。図4は、評価試験の結果を示す図表である。評価は5つの項目(偏心追随性、摩耗、U溝底部の破損、はみ出し、接触面圧)について行なった。
評価項目のうち摩耗、はみ出し、U溝破損については、耐圧性確認試験の実施結果により判定した。当該試験は図5に示す試験装置を用いて行なった。図5は、耐圧性確認試験に用いた試験装置の構成を示す模式図である。
この試験では、試験対象の2つのリップパッキンを、シリンダ200の内周面に設けられた2つの環状溝201にそれぞれ装着し、装着された2つの試験対象品間の密封空間に加圧ポート202から所定の圧力を導入し、ロッド203をシリンダ200に対して往復動させた。加圧ポート202から導入する圧力は、21MPaとし、圧力のON/OFFを2秒/2.5秒で切り替えた。また、温度は100℃、ロッド203のストロークは±40mm、周波数は1Hzとし、10万回加圧を行なった。204は、はみ出し隙間を調整するためのスペーサである。
また、評価項目のうち偏心追随性については、製品低温偏心追随性確認試験の実施結果により判定した。当該試験は図6に示す試験装置を用いて行なった。図6は、製品低温偏心追随性確認試験に用いた試験装置の構成を示す模式図である。
この試験では、試験対象の2つのリップパッキンを、シリンダ300の内周面に設けられた2つの環状溝301にそれぞれ装着し、装着された2つの試験対象品間の密封空間に加圧ポート302から所定の圧力を導入し、ロッド303をシリンダ300に対して偏心運動させた(図中の矢印の方向)。加圧ポート302から導入する圧力を1MPa、周波数を1Hz、温度を−10℃、−15℃、−20℃、振幅(mm)を±0.1、±0.2、±0.3、±0.4、±0.5の条件で試験を行ない、低温用作動油(Mobil Oil MIL−H−5606)の漏れ等を観察した。
ここで、各実施例及び各比較例の構成は以下の通りである。
実施例1:(1)〜(3)の関係式について、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
実施例2:(1)〜(3)の関係式について、それぞれ下限値となるように設計されたリップパッキンである。
実施例3:(1)〜(3)の関係式について、それぞれ上限値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例1:(1)について下限値を越えており、(2)、(3)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例2:(1)について上限値を越えており、(2)、(3)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例3:(2)について下限値を越えており、(1)、(3)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例4:(2)について上限値を越えており、(1)、(3)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例5:(3)について下限値を越えており、(1)、(2)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
比較例6:(3)について上限値を越えており、(1)、(2)については、それぞれ中心値となるように設計されたリップパッキンである。
図4の試験結果に示されるように、(1)〜(3)の関係式のいずれかを満たさない比較例1〜6の場合、5つの評価項目のいずれかにおいて何らかの不具合が発生することがわかった。一方、実施例1〜3の場合、5つの評価項目全てにおいて、製品としての合格基準を満たす評価を得られた。ここで、各評価項目における評価基準は、製品としての使用に耐えることができない何らかの不具合が生じた場合には×とし、不具合が生じなかった場合には○とし、不具合が生じずかつ特に優れた性能を示す結果が得られた場合には◎とした。
(1)の関係式について、リップパッキンのしめ代が127%より小さい場合(比較例1)、偏心追随性によるシール性が低下する(偏心した際にシールが抜ける)結果となった。一方、リップパッキンのしめ代が133%より大きい場合(比較例2)、つぶしが大きくなり、リップが常に強い力で押し付けられるため、油膜切れが生じやすく、摩耗が大きくなった。
(2)の関係式について、U溝底部のつぶしが、4%より小さい場合(比較例3)、U溝底部に亀裂が発生した。一方、つぶしが8%より大きい場合(比較例4)、つぶしが大きくなることでリップが常に強い力で押し付けられるため、油膜切れが生じ、摩耗が大きくなった。
(3)の関係式について、リップパッキン腰部のテーパ面の傾斜角度が、3°より小さい場合(比較例5)、はみ出しによる破損が生じた。一方、テーパ面の傾斜角度が、7°より大きい場合(比較例6)、面圧勾配が緩くなりシール性が低下した。
ここで、(3)の関係式について、テーパ面の傾斜角度の変化による面圧勾配の変化について、図7に示す。図7は、加圧時におけるリップパッキンの接触面圧分布を示すグラフであり、(a)はテーパ面の傾斜角度が2°の場合、(b)はテーパ面の傾斜角度が3°の場合、(c)はテーパ面の傾斜角度が5°の場合、(d)はテーパ面の傾斜角度が7°の場合、(e)はテーパ面の傾斜角度が8°の場合をそれぞれ示す。
図7に示すように、テーパ面の傾斜角度が小さくなるほどリップ先端の面圧が大きくなっていく。リップ先端の面圧が大きくなり過ぎると、リップ先端の摩耗によるシール耐久性の低下が懸念される。一方、テーパ面の傾斜角度が大きくなるほど、リップ先端の面圧が徐々に小さくなっていき、面圧勾配が緩やかになっていく。面圧勾配が緩やかになり過ぎてリップ先端の面圧が消失してしまうと(図7(e))、シール性の低下が懸念される。
以上、説明したように、本実施例によれば、硬度を低下させても良好なシール性を発揮させることが可能となる。
なお、上記説明では、リップパッキンがロッド用の密封装置の場合、すなわち、シリンダに設けられた環状溝に装着される構成について説明した。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限られるものではない。例えば、リップパッキンがピストン用の密封装置の場合、すなわち、ロッドの往復動において油圧を保持すべく、ピストン外周に設けられた環状溝に装着されてシリンダ・ピストン間の環状隙間を密封する場合でも好適に適用できる。
1 … リップパッキン(密封装置)
10 … 基部
11 … 外周リップ(第1リップ)
12 … 内周リップ(第2リップ)
13 … U溝(受圧溝)
2 … ハウジング
20 … 環状溝
21 … 溝底面
3 … 軸
30 … 外周面

Claims (1)

  1. 相対的に往復移動する軸と該軸が挿入される軸孔を有するハウジングのうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されて、これら2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、
    前記環状溝に収容される環状の基部と、
    前記基部の高圧側かつ一方の周側に設けられ前記環状溝の溝底面に接触する第1リップと、
    前記基部の高圧側かつ他方の周側に設けられ他方の部材の周面に摺動自在に接触する第2リップと、
    前記第1リップと前記第2リップとの間で高圧側に開口し、高圧側から作用する圧力を受けて前記第1リップ及び前記第2リップの密着性を高める受圧溝と、
    を備え、
    硬度Hsが90のゴム状弾性体で構成された密封装置おいて、
    前記第1リップの先端における径をR1、
    前記第2リップの先端における径をR2、
    前記環状溝の溝底面の径をr1、
    前記他方の部材の周面の径をr2、
    としたときに、
    |R1−R2|/2=(|r1−r2|/2)×1.3(±0.03)
    を満たし、
    前記受圧溝の溝底における外径をR3、
    前記受圧溝の溝底における内径をR4、
    としたときに、
    4≦((R3−R4)/|r1−r2|−1)×100≦8
    を満たし、
    前記基部の前記他方の周側の周面が、低圧側に向かって前記基部の径方向断面幅を徐々に減少させるように傾斜したテーパ面であり、該テーパ面の軸方向に対してなす傾斜角度αが、
    3°≦α≦7°
    を満たすことを特徴とする密封装置。
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