JP2002156043A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2002156043A
JP2002156043A JP2000353204A JP2000353204A JP2002156043A JP 2002156043 A JP2002156043 A JP 2002156043A JP 2000353204 A JP2000353204 A JP 2000353204A JP 2000353204 A JP2000353204 A JP 2000353204A JP 2002156043 A JP2002156043 A JP 2002156043A
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resin member
sealing
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Hidekazu Kanegae
英和 金ヶ江
Tatsuo Okamura
達生 岡村
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過性の高いガスを長期にわたって良好に密
封可能とする密封装置を提供する。 【解決手段】 溝底面C及び密接面Aに密接するゴム状
弾性部材2と、ゴム状弾性部材2の大気側領域O側に設
けられ、ゴム状弾性部材2に押圧される傾斜面3cを有
する樹脂部材3と、樹脂部材3の大気側領域O側に設け
られ、樹脂部材3に押圧されて側壁面B及び密接面Aに
密接するゴム状弾性部材4と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスを密封可能と
する密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の密封装置としては、例え
ばカーエアコンシステムに適用されているが、ここで、
カーエアコンシステムにおいてコンプレッサー等に使用
される冷却媒体として、従来よりフロン系の冷却媒体が
使用されている。
【0003】しかしながら、オゾン層破壊の原因となる
CFC(クロロフルオロカーボン)は既に使用禁止とな
り、現在代替されているHCFC(ハイドロクロロフル
オロカーボン、R22等)も、全面使用禁止となること
が予定されている。
【0004】そして、これらフロン系の冷却媒体はHF
C(ハイドロフルオロカーボン、R134等)に移行さ
れてきている。
【0005】しかし、HFCはオゾン層の破壊には影響
しないが、地球温暖化の要因となることが指摘されてお
り、現在ではオゾン層の破壊や地球温暖化の影響が小さ
い脱フロン化冷却媒体として、CO2 が有力な候補とな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CO2
を冷却媒体として利用する装置には、従来と同様の密封
装置が使用不可能であるという問題がある。
【0007】これは、例えばCO2 を機器内部で圧縮す
る際に、原理的には従来の冷却媒体の代わりにCO2
使用することになるので、メカニカルな機構としては同
様のものが使用可能であっても、従来のいわゆるシール
やパッキン等の密封装置が、CO2 を安定して密封する
ことができず、機器の機能を効果的に発揮させることが
できない問題である。
【0008】確実なシールを求める場合、隙間をゼロと
するために、接触式のシール部品が用いられ、従来品の
代表としてはOリング等がある。これらは、ゴム単素材
品なので、ある種のガスに対し既存のゴム材料が、耐透
過性・耐膨潤性・耐ブリスタ性の全てを同時に満足する
ものは無く、従って、シール部品単品では、満足できる
シールが成立しない。
【0009】また、樹脂等のゴム(十分な弾性を有する
材料)でない部材には、耐透過性・耐膨潤性・耐ブリス
タ性の全てを同時に満足するものは有るが、十分なシー
ルを確保する程の接触が得られない(僅かながら、隙間
が生じてしまう)。このような場合に生じる隙間漏れ量
は、概ねOリングのガス透過量より大きいものである。
【0010】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、透過
性の高いガスを長期にわたって良好に密封可能とする密
封装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、環状隙間を形成する2対向面のい
ずれか一方の面に形成された環状溝に配置されて、該環
状隙間のガス漏れを封止する密封装置において、前記環
状溝の溝底部及び他方の面に密接する第1のゴム状弾性
部材と、前記第1のゴム状弾性部材の反密封側に設けら
れ、該第1のゴム状弾性部材に押圧される傾斜面を有す
る樹脂部材と、前記樹脂部材の反密封側に設けられ、該
樹脂部材に押圧されて前記環状溝の反密封側の側壁面及
び前記他方の面に密接する第2のゴム状弾性部材と、を
備えることを特徴とする。
【0012】このように構成することにより、前記第1
のゴム状弾性部材により環状隙間を定常的に密封するこ
とができ、該第1のゴム状弾性部材を透過してしまうガ
スに対しては前記樹脂部材により密封することができ、
さらに、前記第2のゴム状弾性部材により該樹脂部材の
隙間漏れを封止することが可能となる。加圧時には、該
第2のゴム状弾性部材は、該第1のゴム状弾性部材によ
り該樹脂部材を介して前記側壁面及び前記他方の面に密
接するので、密封性能を向上させることができる。
【0013】また、前記第2のゴム状弾性部材は、前記
他方の面に密接する円筒状部と、前記円筒状部の反密封
側の端部から前記溝底部に向かって延出するとともに、
前記樹脂部材に押圧されて前記側壁面に密接する径方向
部と、を備えることも好適である。
【0014】このように構成することにより、第2のゴ
ム状弾性部材は、ガスが透過する透過経路に対して、断
面積を小さく、透過経路の距離を大きくする形状をとる
ことができるので、ガスの透過量を抑えることができ
る。
【0015】また、前記樹脂部材は、前記側壁面及び前
記他方の面に密接する密接部をそれぞれ備えることも好
適である。
【0016】このように構成することにより、前記樹脂
部材からの隙間漏れを極力抑えることが可能となる。
【0017】また、前記第1のゴム状弾性部材は、前記
溝底部に設けられる傾斜面に配置されることも好適であ
る。
【0018】このように構成することにより、前記樹脂
部材の厚さを保持し、かつ、該樹脂部材及び前記第2の
ゴム状弾性部材を前記側壁面及び前記他方の面の方向に
押圧することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される
装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきもので
あり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣
旨のものではない。
【0020】図1,2を用いて本発明の実施の形態に係
る密封装置1について説明する。ここで、2対向面によ
り形成される環状隙間は、相対移動を行う、例えば回転
軸や往復動軸とハウジングとにより形成されるものでも
よく、また、相対移動を行わない、例えばハウジング間
に形成されるものでもよい。本実施の形態では、密封装
置1がハウジング間に設けられた場合について説明す
る。
【0021】図1は本発明を適用した密封装置を説明す
る図であり、図1(a)は密封容器の上ハウジングUH
と下ハウジングLHとの環状隙間に備えられる密封装置
1の概略断面図であり、図1(b)は膜材料を透過し易
いガス(例えば、CO2 )を封じ込めてシール機能を発
揮させている状態である。
【0022】すなわち、本実施の形態に係る密封装置1
は、一方の面としての下ハウジングLHに形成された環
状溝としての溝LH1に嵌め合わされ、他方の面として
の上ハウジングUHの密接面Aと下ハウジングLHの溝
LH1の溝底面Cに密接することにより、反密封側であ
る大気側領域Oに対して密封側領域Mに封入されたCO
2 をシールしている。
【0023】密封装置1は、CO2 に対して、耐ガス透
過性が良く、膨潤が少なく、ブリスタしない第1及び第
2のゴム状弾性部材としてのゴム状弾性部材2,4及び
樹脂部材3から構成されている。しかしながら、ゴム状
弾性部材2においては、これらの要素全てを満たすこと
は難しく、膨潤が少なく、ブリスタしないことを優先し
ている。
【0024】ここで、ゴム状弾性部材2には、VMQ,
ゴム状弾性部材4には、IIR,HNBR,または、F
KM,樹脂部材3には、ナイロン系材料を選定すると好
適である。
【0025】また、密封装置1は、密封側領域M側から
順にゴム状弾性部材2,樹脂部材3,ゴム状弾性部材4
を備えている。
【0026】ゴム状弾性部材2は、Oリングであると好
ましく、密接面A及び溝底面Cに密接している。ゴム状
弾性部材2には、組み込み初期状態において、適度なつ
ぶしが与えられている。
【0027】樹脂部材3は、ゴム状弾性部材2の大気側
領域O側に設けられ、傾斜面3cを備えている。傾斜面
3cは、ゴム状弾性部材2に押圧されると、密接面A、
及び溝LH1の大気側領域O側の側壁面Bの方向に分力
を発生する。
【0028】ゴム状弾性部材4は樹脂部材3の大気側領
域O側に設けられ、密接面Aに密接する円筒状部4a
と、円筒状部4aの大気側領域O側の端部から溝底面C
に向かって延出する径方向部4bと、から構成される。
ゴム状弾性部材4は、樹脂部材3により密接面A及び側
壁面Bの方向に押圧されると、円筒状部4aは密接面A
に押し付けられ、径方向部4bは側壁面Bに押し付けら
れる。樹脂部材3とゴム状弾性部材4との組み合わせに
おいて、つぶしを与えても与えなくても良く、本実施の
形態では溝LH1の深さHと同等としている。
【0029】そして、加圧時には図1(b)に示す状態
となる。すなわち、密封側領域Mからの圧Pにより、大
気側領域O側に押し付けられたゴム状弾性部材2は、樹
脂部材3の傾斜面3cに沿って、図中の矢印方向に潜り
込んで行く。ゴム状弾性部材2が傾斜面3cに沿って潜
り込むことにより、樹脂部材3は、密接面A及び側壁面
Bの方向に押し上げられる。樹脂部材3が押し上げられ
ることにより、ゴム状弾性部材4は、密接面A及び側壁
面Bに押し付けられる。
【0030】このように構成された密封装置1は、図2
(a)に示すような状態で使用されるものである。
【0031】本実施の形態では、ゴム状弾性部材2が配
置される溝LH1の溝底面Cに傾斜面LH2を設けてい
る。図において、θ1は径方向に対する傾斜面3cの角
度であり、θ2は軸方向に対する傾斜面LH2の角度を
表わしている。
【0032】ゴム状弾性部材2が、密封側領域Mからの
圧Pにより傾斜面LH2及び傾斜面3cに沿って潜り込
むことにより、樹脂部材3及びゴム状弾性部材4を所定
の位置(大気側領域O側の環状隙間方向)に移動させ
て、樹脂部材3とゴム状弾性部材4とを密接させ、ゴム
状弾性部材4を密接面A及び側壁面Bに密接させてい
る。
【0033】樹脂部材3及びゴム状弾性部材4を環状隙
間方向に移動させるには、θ1とθ2との和が45°と
なるように、傾斜面LH2及び傾斜面3cを設定するこ
とが好ましく、本実施の形態では、θ1=30°,θ2
=15°としている。
【0034】これにより、ゴム状弾性部材4が略均等に
密接面A及び側壁面Bに密接することができ、良好な密
封性能を得ることができる。また、溝LH1に傾斜面L
H2を設けることにより、傾斜面3cの角度を小さくす
ることができ、樹脂部材3の厚さを確保することができ
るので、ガス耐透過性の向上を図ることが可能となる。
特に、溝LH1の軸方向の寸法が小さい場合に効果的で
ある。
【0035】樹脂部材3は、ゴム状弾性部材2に押圧さ
れることにより、密接部3a及び3bで密接面A及び側
壁面Bを押し付けるとともに、ゴム状弾性部材4に密接
してゴム状弾性部材4を密接面A及び側壁面Bの方向に
押し付けている。
【0036】ゴム状弾性部材4は、樹脂部材3に押圧さ
れることにより、密接面A及び側壁面Bに押し付けられ
る。
【0037】初期状態においては、ゴム状弾性部材2
は、つぶしが与えられているので、定常的に隙間ゼロと
して密接面A及び溝底面Cに密接して環状隙間を密封す
る。
【0038】ガス透過は、膜となる密封装置の両側に圧
力差がある場合に生じるものであり、圧力差がほとんど
ゼロの場合には、ガス透過は無視できるので隙間漏れを
封じればよく、これはゴム状弾性部材2により達成され
る。
【0039】しかしながら、圧力差がある場合には、ガ
スがゴム状弾性部材2を透過してしまう場合があり、こ
のような場合に本実施の形態は、密封側領域Mからの加
圧状態により、ゴム状弾性部材2,樹脂部材3,ゴム状
弾性部材4の組み合わせでセルフシールを発現させるも
のである。
【0040】すなわち、ゴム状弾性部材2を透過したガ
スは、樹脂部材3により透過を遮断することができる。
そして、樹脂部材3には僅かながら弾性があるため、密
接部3a及び3bで密接面A及び側壁面Bを押し付ける
ことにより、隙間漏れを極力抑えることが可能となる。
それでも樹脂部材3は隙間漏れを起こす可能性があり、
その場合に、ゴム状弾性部材4が密接面A及び側壁面B
に弾性接触していることにより、環状隙間を確実に密封
している。
【0041】それに加えて、本実施の形態では、ゴム状
弾性部材4をガス透過量を抑える形状としている。
【0042】ここで、ガスの透過量は、 [透過量 Q]=[透過係数 Kp]×[ガスとの接触
面積 S]×[圧力差P]×[時間 t]÷[膜厚
h] で表わされるものであり、従って、「Sを小さく、か
つ、hを大きく」することにより、透過量Qを抑えるこ
とができる。
【0043】これは、図2(b)に示すように、ゴム状
弾性部材4の形状を、ガスの透過経路に対して、断面積
(S)を小さく、透過距離(h)が大きくなるような形
状とすることによりガス透過量を抑えることができると
いうものである。
【0044】なお、ゴム状弾性部材2,樹脂部材3,ゴ
ム状弾性部材4は一体化して設けてもよく、また、組み
合わせて用いても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前記第1のゴム状弾性部材により環状隙間を定常的に密
封することができ、該第1のゴム状弾性部材を透過して
しまうガスに対しては前記樹脂部材により密封すること
ができ、さらに、前記第2のゴム状弾性部材により該樹
脂部材の隙間漏れを封止することが可能となる。加圧時
には、該第2のゴム状弾性部材は、該第1のゴム状弾性
部材により該樹脂部材を介して前記側壁面及び前記他方
の面に密接するので、密封性能を向上させることができ
る。
【0046】また、前記第2のゴム状弾性部材は、ガス
が透過する透過経路に対して、断面積を小さく、透過経
路の距離を大きくする形状をとることができるので、ガ
スの透過量を抑えることができる。
【0047】また、前記樹脂部材は、前記側壁面及び前
記他方の面に密接する密接部をそれぞれ備えるので、該
樹脂部材からの隙間漏れを極力抑えることが可能とな
る。
【0048】また、前記第1のゴム状弾性部材は、前記
溝底部に設けられた傾斜面に配置されることにより、前
記樹脂部材の厚さを保持し、かつ、該樹脂部材及び前記
第2のゴム状弾性部材を前記側壁面及び前記他方の面の
方向に押圧することができる。
【0049】従って、透過性の高いガスを長期にわたっ
て良好に密封可能とする密封装置を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施の形態に係る密封装置を説明
する図、同図(b)はシール機能を発揮させている状態
を説明する図である。
【図2】図2(a)は実施の形態に係る密封装置の概略
断面図、同図(b)はガスがゴム状弾性部材を透過する
状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 密封装置 2,4 ゴム状弾性部材 3 樹脂部材 3a,3b 密接部 3c,LH2 傾斜面 4a 円筒状部 4b 径方向部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J040 AA01 AA17 BA01 CA01 EA15 EA17 FA05 HA11 3J043 AA11 AA15 BA04 BA08 BA09 CA04 CA05 CA06 CB13 DA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状隙間を形成する2対向面のいずれか一
    方の面に形成された環状溝に配置されて、該環状隙間の
    ガス漏れを封止する密封装置において、 前記環状溝の溝底部及び他方の面に密接する第1のゴム
    状弾性部材と、 前記第1のゴム状弾性部材の反密封側に設けられ、該第
    1のゴム状弾性部材に押圧される傾斜面を有する樹脂部
    材と、 前記樹脂部材の反密封側に設けられ、該樹脂部材に押圧
    されて前記環状溝の反密封側の側壁面及び前記他方の面
    に密接する第2のゴム状弾性部材と、 を備えることを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】前記第2のゴム状弾性部材は、 前記他方の面に密接する円筒状部と、 前記円筒状部の反密封側の端部から前記溝底部に向かっ
    て延出するとともに、前記樹脂部材に押圧されて前記側
    壁面に密接する径方向部と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 【請求項3】前記樹脂部材は、前記側壁面及び前記他方
    の面に密接する密接部をそれぞれ備えることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 【請求項4】前記第1のゴム状弾性部材は、 前記溝底部に設けられる傾斜面に配置されることを特徴
    とする請求項1,2または3に記載の密封装置。
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