JP4264428B2 - メカニカルシールの二次シール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衝合する二つのメカニカルシール構成部材間からの被密封流体の漏洩を、両メカニカルシール構成部材の衝合面間に装填したOリングにより阻止するように構成されたメカニカルシールの二次シール装置であって、特に、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を必要とする回転機器(例えば、医薬品,食品の製造に使用されるポンプ,攪拌機,混合機等)に装備されるメカニカルシールの二次シール装置に関するものである。
メカニカルシールは、二つの密封環の相対回転部分において被密封流体をシールするものであるが、かかるメカニカルシール機能を発揮させるためには、衝合する2つのメカニカルシール構成部材(例えば、シールケース又はこれに設けたリテーナとこれに嵌合保持させた静止密封環、又は回転軸又はこれに設けたリテーナ,スリーブとこれに嵌合保持させた回転密封環)間からの被密封流体の漏洩をも阻止しておく必要がある。したがって、メカニカルシールにあっては、一般に、このような2つのメカニカルシール構成部材の衝合面間からの流体漏洩を阻止(二次シール)するための手段として、Oリングを使用した二次シール装置が採用されている。
かかる二次シール装置は、一般に、図15に示す如く、二つのメカニカルシール構成部材101,102の衝合面101c,102c間にOリング110を装填することによって、被密封流体A1が被密封流体領域Aから衝合面101c,102c間に侵入して漏洩するのを阻止するように構成されている。
而して、従来の二次シール装置としては、図15に示す如く、一方の衝合面102cに断面矩形状の凹溝109を形成して、衝合面101c,102c間に形成された断面矩形状のOリング装填空間111に、自然状態の断面形状が円形をなす非圧縮性弾性材製のOリング110を圧縮状態で装填してなるものが周知であり、当該メカニカルシールが装備される回転機器の回転軸の軸線と同心をなす円柱面をなす衝合面108a,109a間にOリング110を装填するもの(例えば、特許文献1の図1に示されたOリング66による二次シール構造を参照)と、当該軸線に直交する環状平面をなす衝合面108a,109a間にOリング110を装填するもの(例えば、特許文献2の図1に示されたOリング9による二次シール構造を参照)とがある。
特開2004−003529公報(図1) 特開平05−71674号公報(図1)
しかし、このような従来の二次シール装置は、Oリング110と凹溝109の底面(シール面)109a及びこれに対向する衝合面部分(第1シール面)108aとの圧接作用によりシール機能(二次シール機能)を発揮するものであるが、Oリング110が自然状態における断面形状を円形とするものであり、これが装填されるOリング装填空間111が断面矩形状のものであることから、シール面108,109a間におけるOリング110の圧縮代(弾性変形量)を如何に大きく設定したとしても、Oリング装填空間111にはOリング110が密に装填されることがなく、空隙111aが生じることになる。その結果、被密封流体A1がこの空隙111aに侵入して滞留し、澱みとなり、雑菌が発生,繁殖する等の問題がある。
このため、従来の二次シール装置は、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を必要とする回転機器(例えば、医薬品,食品の製造に使用されるポンプ,攪拌機,混合機等)のメカニカルシールには好適に使用できない。
また、このような回転機器にあっては、薬液やスチーム等の洗浄流体を注入することにより、被密封流体領域Aに位置するメカニカルシール構成部分を洗浄することが行われてはいるが、被密封流体領域AからOリング装填空間111への連通路111bが、図15に示す如く、衝合面101c,102c間の狭小路であることから、連通路111bから空隙111aに侵入した被密封流体A1はこれを排除することが極めて困難であり、洗浄流体の注入による洗浄効果は到底期待することができない。また、仮に、洗浄流体により空隙111aの滞留流体を排除することができたとしても、洗浄流体が当該空隙111aに滞留する(洗浄流体がスチームである場合には、凝縮水が滞留する)ことになり、問題である。このような空隙111aの滞留流体を確実に排除するためには、二次シール装置の分解を含む極めて大掛かりな洗浄作業が必要となり、容易で効果的な洗浄は到底期待できない。
なお、Oリング110として、Oリング装填空間111に対応する断面矩形状のものを使用して、上記した空隙111aが生じないように工夫することも提案されている。しかし、断面円形のOリングは、一般に、種々の材質,形状(断面径等)のものが市販されているが、断面が矩形状をなす特殊なOリングは市販されていても、その材質,形状が極く限られており、二次シール条件に最適するものを入手することが極めて困難である上、極めて高価なものであることから、製作,設計上及びコスト上からも実用性に乏しい。また、断面矩形状のOリングを使用して空隙111aを消失させたとしても、連通路111bに被密封流体A1が侵入,滞留することになり、雑菌の発生,繁殖等の問題は回避できないし、このような狭小な連通路111bの洗浄を良好に行うのは容易ではない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を必要とする回転機器においても好適に使用することができるメカニカルシールの二次シール装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、衝合する二つのメカニカルシール構成部材間(例えば、シールケース若しくはこれに設けたリテーナとこれに嵌合保持された静止密封環との間又は回転軸若しくはこれに設けたリテーナ,スリーブとこれに嵌合保持された回転密封環との間)からの被密封流体の漏洩を、両メカニカルシール構成部材の衝合面間に装填したOリングにより阻止するように構成されたメカニカルシールの二次シール装置において、上記の目的を達成すべく、自然状態(弾性変形しない状態)の断面形状が円形をなす非圧縮性弾性材製のOリングを使用して次のように構成しておくことを提案するものである。
すなわち、第1に、一方の衝合面に断面が円弧状をなす凹溝を形成して、この凹溝の内周面とこれに対向する他方の衝合面部分との間に形成される環状空間であって、当該衝合面に直交する方向の長さが自然状態におけるOリングの断面径より小さく且つ当該衝合面に平行する方向の長さが当該断面径と同等以上である断面形状をなすOリング装填空間に、Oリングを密に装填させてあることを特徴とするメカニカルシールの二次シール装置(以下「第1二次シール装置」という)を提案する。
また、第2に、両衝合面に断面が円弧状をなす凹溝を対向状に形成して、両凹溝の内周面間に形成される環状空間であって、当該衝合面に直交する方向の長さが自然状態におけるOリングの断面径より小さく且つ当該衝合面に平行する方向の長さが当該断面径と同等以上である断面形状をなすOリング装填空間に、Oリングを密に装填させてあることを特徴とするメカニカルシールの二次シール装置(以下「第2二次シール装置」という)を提案する。かかる第2二次シール装置は、衝合する2つのメカニカルシール構成部材が相対運動を行わない場合に適用される。
第1二次シール装置にあっては、凹溝を衝合面における被密封流体領域側の端部に形成して、衝合面間に、被密封流体領域に開口されるOリング装填空間が形成されるようにしておくことが好ましく、Oリングを、Oリング装填空間に、その開口部から被密封流体領域へと突出する状態又は突出しない状態で密に装填させておくことが好ましい。また、第2二次シール装置にあっては、各凹溝を衝合面における被密封流体領域側の端部に形成して、衝合面間に、被密封流体領域に開口されるOリング装填空間が形成されるようにしておくことが好ましく、Oリングを、Oリング装填空間に、その開口部から被密封流体領域へと突出する状態又は突出しない状態で密に装填させておくことが好ましい。
第1及び第2二次シール装置は、衝合する2つのメカニカルシール構成部材の衝合面が回転軸の軸線に直交する環状平面であるメカニカルシール及び当該衝合面が回転軸の軸線と同心をなす円柱面であるメカニカルシールの何れにも適用することができ、当該二つのメカニカルシール構成部材が相対運動(相対的な回転運動や直線運動)をしないメカニカルシール等、あらゆる形式,構造のメカニカルシールに適用することができる。
第1及び第2二次シール装置にあっては、OリングがOリング装填空間に密に装填されているから、当該空間内に被密封流体が侵入,滞留する空隙が生じず、雑菌の発生,繁殖等を生じることがない。しかも、Oリング装填空間を被密封流体領域に開口して、この開口部をOリングにより閉塞するように構成しておくことによって、冒頭で述べた狭小の連通路109bが存在せず、被密封流体の侵入,滞留を効果的に防止できると共に、洗浄流体の注入による洗浄も容易且つ効果的に行うことができる。したがって、第1及び第2二次シール装置は、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を必要とする回転機器のメカニカルシールにも好適に使用することができる。
また、第1及び第2二次シール装置は、このような優れた二次シール機能を発揮するのものでありながら、Oリングとして自然状態における断面形状が円形である極く一般的なOリングを使用するものであるから、二次シール条件に最適する材質,形状のOリングを容易且つ安価に入手することができ、設計,製作上及びコスト上の何れにおいても極めて実用性に富むものである。
図1〜図4及び図9は第1二次シール装置の一例を示しており、図1には第1二次シール装置を備えたメカニカルシールの一例が示されている。
図1に示すメカニカルシールは液状食品(飲料水等)を扱う回転機器(ポンプ等)に装備されたものであり、シールケース1と、このシールケース1の内周部に嵌合固定された静止密封環2と、衝合する二つのメカニカルシール構成部材であるシールケース1と静止密封環2との間からの流体漏洩を阻止(二次シール)するための第1二次シール装置3と、静止密封環2に対向する状態で、シールケース1を洞貫する回転軸(ポンプ軸等)4にOリング5を介して軸線方向に移動可能に嵌合保持された回転密封環6と、回転密封環6と回転軸4に形成した環状段部4aとの間に、回転密封環6を静止密封環2に押圧附勢すべく介装されたスプリング7とを具備して、両密封環2,6の相対回転摺接作用により機内領域たる被密封流体領域Aと機外領域たる非密封流体領域(例えば大気領域)Bとを遮蔽シールするように構成された端面接触形のメカニカルシールである。
シールケース1は、その内周部に小径内周面1aと大径内周面1bと両内周面1a,1b間を連結する衝合面1cとを有する筒状構造体で、回転機器のハウジングの一部で構成されるか又はこのハウジングに取り付けられている。静止密封環2は、その背面部の外周面2b及び端面たる衝合面2cをシールケース1の大径内周面1b及び衝合面1cに衝合させた状態で、シールケース1に嵌合固定されている。而して、シールケース1aの小径内周面1aと静止密封環2の背面部の内周面2aとは、回転軸4の軸線X−Xと同心をなす同一径の円柱面であり、被密封流体(被密封流体領域Aの流体(この例では、飲料水等の液状食品))A1に直接接触する流体接触面(以下、シールケース1aの小径内周面1aを「第1流体接触面」といい、静止密封環2の背面部の内周面2aを「第2流体接触面」という)である。また、シールケース1の衝合面(以下「第1衝合面」という)1cと静止密封環2の衝合面(以下「第2衝合面」という)2cとは、軸線X−Xに直交する円環状平面である。また、シールケース1の大径内周面1bとこれに衝合する静止密封環2の背面部の外周面2bとは、軸線X−Xと同心をなす円柱面である。
而して、第1二次シール装置3は、図1及び図2若しくは図3に示す如く、第2衝合面2cに断面が円弧状をなす凹溝9を形成して、この凹溝9の内周面(以下「第2シール面」という)9aとこれに対向する第1衝合面部分(以下「第1シール面」という)8aとで囲繞形成される環状空間たるOリング装填空間11にOリング10を密に装填してなる。
Oリング10としては、図9に示す如く、自然状態の断面形状が円形をなす一般的な形状のものが使用される。Oリング10の構成材としては、二次シール条件(被密封流体A1の性状等)に応じて適宜の非圧縮性弾性材(天然ゴム,フッ素ゴム等のゴム材)が使用される。Oリング10の断面径Dは、二次シール条件(被密封流体A1の圧力や衝合面1c,2cの形状等)に応じて設定される。なお、かかる形状のOリングは種々の材質,形状(断面径等)のものが市販されているから、そのうちから二次シール条件に応じた材質,形状のものを容易に選定,使用することができる。
凹溝9は、図2若しくは図3及び図4に示す如く、第2衝合面2cにおける被密封流体領域A側の端部(内周側端部)に形成されており、その内周面たる第2シール面9aの形状(円弧面形状)は、両シール面8a,9a間に形成されるOリング装填空間11が、衝合面1c,2cに直交する方向の長さ(軸線X−Xに平行する方向の最大長さであり、以下「圧縮方向幅」という)W1が自然状態におけるOリング10の断面径Dより小さく(W1D)且つ衝合面1c,2cに平行する方向の長さ(軸線X−Xに直交する方向の最大長さであり、以下「伸張方向幅」という)W2がOリング径Dと同等以上(W2≦D)となる断面形状をなすと共に被密封流体領域Aに開口11aされるように(第2流体接触面2aに開口11aされるように)設定されている。このOリング装填空間11の開口部11aの幅(軸線X−Xに平行する方向における開口部11aの長さであり、以下「開口幅」という)W3は、圧縮方向幅W1より小さく(W3<W1)設定される。また、凹溝9の内周面形状つまり第2シール面9aの形状は、Oリング10をシール面8a,9a間に挟圧させることにより、Oリング10がシール面8a,9aに全面的に密接しつつ開口部11aを閉塞するように容易且つ円滑に弾性変形するような滑らかな円弧面形状とされている。
すなわち、Oリング装填空間11に装填されたOリング10は、Oリング装填空間11の圧縮方向幅W1がOリング径Dより小さいことから、軸線X−X方向に圧縮されることになる。そして、Oリング10は非圧縮性弾性材で構成されていることから、軸線X−X方向に圧縮されると、これに直交する方向においてはOリング径Dより伸張することになる。その伸張量ΔはW1/Dの値が小さくなるに従って大きくなる。したがって、Oリング装填空間11の伸張方向幅W2をW2≦D+Δの範囲で適宜に設定することにより、加えて当該空間11の開口幅(軸線X−Xに平行する方向における開口部11aの長さ)W3をW3<W1の範囲で適宜に設定することにより、Oリング10が、図2に示す如く、その内周部10aがOリング装填空間11の開口部11aから被密封流体領域Aへと突出する状態で、又は図3に示す如く、その内周部10aがOリング装填空間11の開口部11aから被密封流体領域Aへと突出しない状態(Oリング全体がOリング装填空間11内に収まり、Oリング内周部10aが流体接触面1a,2bと面一又は略面一となる状態)で、Oリング装填空間11に密に装填される。何れの場合にも、Oリング10の外周面は、Oリング装填空間11における開口部11aと反対側の端部に位置する部分を除いて、両シール面8a,9aに全面的に圧接される。なお、各シール面8a,9aと流体接触面1a,2aとの連結面8b,9bは、それが鋭利な角を形成しないように、円弧面に形成(アール加工)してあり、開口部11aを閉塞するOリング部分10aが連結面8b,9bによって損傷するようなことがないように工夫されている。
以上のように構成された第1二次シール装置3によれば、Oリング10がOリング装填空間11に密に装填されているから、被密封流体A1がOリング装填空間11に侵入せず、Oリング装填空間11に液溜りが生じない。しかも、Oリング10が、その内周部10aがOリング装填空間11から突出する状態(図2に示す状態)又は流体接触面1a,2aと面一となる状態でOリング装填空間11に装填されていて、流体接触面1a,2aにおける開口部11aがOリング10で閉塞されているから、衝合面108c,109c間には、被密封流体A1や洗浄流体が侵入する流体侵入空間、つまり冒頭で述べた連通路109bのような空間ないし空隙が全く生じない。したがって、衝合面108c,109c間に被密封流体A1や洗浄流体が侵入,滞留することがなく、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を講じることが可能となり、洗浄流体の注入による洗浄も容易且つ効果的に行うことができる。また、凹溝9の内周面を全面的にシール面9aとして使用するから、冒頭で述べた従来の二次シール装置における如く凹溝109の内周面の一部(底面)をシール面109aとして使用する場合に比して、Oリング10の外周面とシール面8a,9aとの接触面積が大幅に増加し、より効果的な二次シール機能が発揮される。また、Oリングとして自然状態における断面形状が円形である極く一般的なOリング10を使用するものであるから、二次シール条件に最適する材質,形状のOリングを容易且つ安価に入手することができ、設計,製作上及びコスト上の何れにおいても極めて実用性に富む。
図5〜図9は第2二次シール装置の一例を示しており、図5には第1二次シール装置を備えたメカニカルシールが示されている。
このメカニカルシールは、シールケース1と、このシールケース1の内周部に嵌合固定された静止密封環2と、衝合する二つのメカニカルシール構成部材であるシールケース1と静止密封環2との間からの流体漏洩を阻止(二次シール)するための第2二次シール装置13と、静止密封環2に対向する状態で、シールケース1を洞貫する回転軸(ポンプ軸等)4にOリング5を介して軸線方向に移動可能に嵌合保持された回転密封環6と、回転密封環6と回転軸4に形成した環状段部4aとの間に、回転密封環6を静止密封環2に押圧附勢すべく介装されたスプリング7とを具備して、両密封環2,6の相対回転摺接作用により機内領域たる被密封流体領域Aと機外領域たる非密封流体領域(例えば大気領域)Bとを遮蔽シールするように構成された端面接触形のメカニカルシールであって、以下に説明する第2二次シール装置13の構成を除いて、図1に示すメカニカルシールと構成,機能,用途が同一のものである。なお、図1に示すメカニカルシールと同一構成部材については、図1〜図4に示したものと同一の符号を図5〜図8に付することにより、それらの詳細な説明は省略することとする。
第2二次シール装置13は、図5及び図6若しくは図7に示す如く、両衝合面101c,102cに断面が円弧状をなす凹溝8,9を対向状に形成して、一方の凹溝8の内周面(以下「第1シール面」という)8aと他方の凹溝9の内周面(以下「第2シール面」という)9aとで囲繞形成される環状空間たるOリング装填空間11に、自然状態の断面形状が円形をなす非圧縮性弾性材製のOリング10(図9)を密に装填してなる。
各凹溝8,9は、図5若しくは図6及び図7に示す如く、各衝合面1c,2cにおける被密封流体領域A側の端部(内周側端部)に形成されており、その内周面たるシール面8a,9aの形状(円弧面形状)は、シール面8a,9a間に形成されるOリング装填空間11が、衝合面1c,2cに直交する方向の長さ(軸線X−Xに平行する方向の最大長さであり、以下「圧縮方向幅」という)W1が自然状態におけるOリング10の断面径Dより小さく(W1D)且つ衝合面1c,2cに平行する方向の長さ(軸線X−Xに直交する方向の最大長さであり、以下「伸張方向幅」という)W2がOリング径Dと同等以上(W2D)となる断面形状をなすと共に被密封流体領域Aに開口11aされるように(流体接触面1a,2aに開口11aされるように)設定されている。このOリング装填空間11の開口部11aの幅(軸線X−Xに平行する方向における開口部11aの長さであり、以下「開口幅」という)W3は、圧縮方向幅W1より小さく(W3<W1)設定される。また、両凹溝8,9の内周面形状つまりシール面8a,9aの形状は、Oリング10をシール面8a,9a間に挟圧させることにより、Oリング10がシール面8a,9aに全面的に密接しつつ開口部11aを閉塞するように容易且つ円滑に弾性変形するような滑らかな円弧面形状とされている。なお、この例では、両凹溝8,9つまりシール面8a,9aは衝合面1c,2cに対して対称形状をなしている。
すなわち、Oリング装填空間11に装填されたOリング10は、Oリング装填空間11の圧縮方向幅W1がOリング径Dより小さいことから、軸線X−X方向に圧縮されることになる。そして、Oリング10は非圧縮性弾性材で構成されていることから、軸線X−X方向に圧縮されると、これに直交する方向においてはOリング径Dより伸張することになる。その伸張量ΔはW1/Dの値が小さくなるに従って大きくなる。したがって、Oリング装填空間11の伸張方向幅W2をW2≦D+Δの範囲で適宜に設定することにより、加えて当該空間11の開口幅(軸線X−Xに平行する方向における開口部11aの長さ)W3をW3<W1の範囲で適宜に設定することにより、Oリング10が、図6に示す如く、その内周部10aがOリング装填空間11の開口部11aから被密封流体領域Aへと突出する状態で、又は図7に示す如く、その内周部10aがOリング装填空間11の開口部11aから被密封流体領域Aへと突出しない状態(Oリング全体がOリング装填空間11内に収まり、Oリング内周部10aが流体接触面1a,2bと面一又は略面一となる状態)で、Oリング装填空間11に密に装填される。何れの場合にも、Oリング10の外周面は、Oリング装填空間11における開口部11aと反対側の端部に位置する部分を除いて、両シール面8a,9aに全面的に圧接される。なお、各シール面8a,9aと流体接触面1a,2aとの連結面8b,9bは、それが鋭利な角を形成しないように、円弧面に形成(アール加工)してあり、開口部11aを閉塞するOリング部分10aが連結面8b,9bによって損傷するようなことがないように工夫されている。
以上のように構成された第2二次シール装置13によれば、Oリング10がOリング装填空間11に密に装填されているから、被密封流体A1がOリング装填空間11に侵入せず、Oリング装填空間11に液溜りが生じない。しかも、Oリング10が、その内周部10aがOリング装填空間11から突出する状態(図2に示す状態)又は流体接触面1a,2aと面一となる状態でOリング装填空間11に装填されていて、流体接触面1a,2aにおける開口部11aがOリング10で閉塞されているから、衝合面108c,109c間には、被密封流体A1や洗浄流体が侵入する流体侵入空間、つまり冒頭で述べた連通路109bのような空間ないし空隙が全く生じない。したがって、衝合面108c,109c間に被密封流体A1や洗浄流体が侵入,滞留することがなく、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を容易に行うことができ、洗浄流体の注入による洗浄も容易且つ効果的に行うことができる。また、冒頭で述べた従来の二次シール装置に比してOリング10の外周面とシール面8a,9aとの接触面積が大幅に増加しているため、より効果的な二次シール機能が発揮される。また、Oリングとして自然状態における断面形状が円形である極く一般的なOリング10を使用するものであるから、二次シール条件に最適する材質,形状のOリングを容易且つ安価に入手することができ、設計,製作上及びコスト上の何れにおいても極めて実用性に富む。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
例えば、第1又は第2二次シール装置3,13は、図10又は図11に示す如く、第1流体接触面1aが第1衝合面1cにその延長線上に連なっている場合にも適用することができる。
また、第1又は第2二次シール装置3,13は、図12又は図13に示す如く、Oリング10により二次シールすべき衝合面1c,2cが軸線X−Xと同心をなす円柱面である場合にも適用することができる。
また、第2二次シール装置13は、専ら、相対運動しない2つのメカニカルシール構成部材の衝合面間(例えば、シールケース(又はこれに設けたリテーナ)とこれに固定させた静止密封環との衝合面間や回転軸(又はこれに設けたリテーナ若しくはスリーブ)とこれに固定させた回転密封環との衝合面間)を二次シールする場合に適用されるものであるが、第1二次シール装置3は、第1シール面8a上を凹溝9に嵌合保持されたOリング10が滑動可能であるから、相対運動可能な2つのメカニカルシール構成部材の衝合面間(例えば、シールケース(又はこれに設けたリテーナ)とこれに軸線方向に摺動可能に保持させた静止密封環との衝合面間や回転軸(又はこれに設けたリテーナ若しくはスリーブ)とこれに軸線方向に摺動可能に保持させた回転密封環との衝合面間)にも適用することが可能である。例えば、シールケース1に軸線方向に摺動自在に嵌挿させた静止密封環2を回転軸に固定した回転密封環6へと押圧附勢させて、両密封環2,6の相対回転摺接作用により被密封流体A1をシールするように構成された端面接触型のメカニカルシールにおいて、図14に示す如く、シールケース1の内周面たる第1衝合面1cと静止密封環2の外周面たる第2衝合面2cとの間を、第1二次シール装置3により、二次シールさせるようにすることも可能である。
また、第1及び第2二次シール装置3,4は、厳格な衛生管理や高度のコンタミネーション防止対策を必要とする回転機器に装備される各種のメカニカルシールに適用することができ、上記した如く飲料水等の液体をシールする端面接触型のメカニカルシール(遊動環型のものを含む)の他、衝合面間の空隙に滞留し易い固形分(粉体等)を含有するガスをシールする非接触型のメカニカルシール(動圧型,静圧型,遊動環型のものを含む)の二次シール手段としても使用することができる。
第1二次シール装置を装備したメカニカルシールの一例を示す縦断側面図である。 図1に示す第1二次シール装置の縦断側面図であって、Oリングの内周部がOリング装填空間の開口部から突出した形態を示す縦断側面図である。 図1に示す第1二次シール装置の縦断側面図であって、Oリングの内周部がOリング装填空間の開口部から突出しない形態を示す縦断側面図である。 図1に示す第1二次シール装置からOリングを取り除いた形態を示す縦断側面図である。 第2二次シール装置を装備したメカニカルシールの一例を示す縦断側面図である。 図5に示す第2二次シール装置の縦断側面図であって、Oリングの内周部がOリング装填空間の開口部から突出した形態を示す縦断側面図である。 図5に示す第2二次シール装置の縦断側面図であって、Oリングの内周部がOリング装填空間の開口部から突出しない形態を示す縦断側面図である。 図5示す第2二次シール装置からOリングを取り除いた形態を示す縦断側面図である。 第1及び第2二次シール装置において使用するOリングの縦断側面図である。 第1二次シール装置の変形例を示す縦断側面図である。 第2二次シール装置の変形例を示す縦断側面図である。 第1二次シール装置の他の変形例を示す縦断側面図である。 第2二次シール装置の他の変形例を示す縦断側面図である。 第1二次シール装置の更に他の変形例を示す縦断側面図である。 従来の二次シール装置を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 シールケース(メカニカルシール構成部材)
1c 衝合面
2 静止密封環(メカニカルシール構成部材)
2c 衝合面
3 第1二次シール装置
8 凹溝
8a シール面(凹溝の内周面又はこれに対向する他方の衝合面部分)
9 凹溝
9a シール面(凹溝の内周面)
10 Oリング
10a Oリングの内周部
11 Oリング装填空間
11a Oリング装填空間の開口部
13 第2二次シール装置
A 被密封流体領域
A1 被密封流体

Claims (7)

  1. 衝合する二つのメカニカルシール構成部材間からの被密封流体の漏洩を、両メカニカルシール構成部材の衝合面間に装填したOリングにより阻止するように構成されたメカニカルシールの二次シール装置において、
    一方の衝合面に断面が円弧状をなす凹溝を形成して、この凹溝の内周面とこれに対向する他方の衝合面部分との間に形成される環状空間であって、当該衝合面に直交する方向の長さが自然状態におけるOリングの断面径より小さく且つ当該衝合面に平行する方向の長さが当該断面径と同等以上である断面形状をなすOリング装填空間に、自然状態の断面形状が円形をなす非圧縮性弾性材製のOリングを密に装填させてあり、
    凹溝を衝合面における被密封流体領域側の端部に形成して、衝合面間に、被密封流体領域に開口されるOリング装填空間が形成されるようにしたことを特徴とするメカニカルシールの二次シール装置。
  2. 衝合する二つのメカニカルシール構成部材間からの流体漏洩を、両メカニカルシール構成部材の衝合面間に装填したOリングにより阻止するように構成されたメカニカルシールの二次シール装置において、
    両衝合面に断面が円弧状をなす凹溝を対向状に形成して、両凹溝の内周面間に形成される環状空間であって、当該衝合面に直交する方向の長さが自然状態におけるOリングの断面径より小さく且つ当該衝合面に平行する方向の長さが当該断面径と同等以上である断面形状をなすOリング装填空間に、自然状態の断面形状が円形をなす非圧縮性弾性材製のOリングを密に装填させてあり、
    各凹溝を衝合面における被密封流体領域側の端部に形成して、衝合面間に、被密封流体領域に開口されるOリング装填空間が形成されるようにしたことを特徴とするメカニカルシールの二次シール装置。
  3. Oリングが、Oリング装填空間に、その開口部から被密封流体領域に突出しない状態で密に装填されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載するメカニカルシールの二次シール装置。
  4. Oリングが、Oリング装填空間に、その開口部から被密封流体領域へと突出する状態で密に装填されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載するメカニカルシールの二次シール装置。
  5. 衝合面が回転軸の軸線に直交する環状平面であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載するメカニカルシールの二次シール装置。
  6. 衝合面が回転軸の軸線と同心をなす円柱面であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載するメカニカルシールの二次シール装置。
  7. 衝合する二つのメカニカルシール構成部材が相対運動をしないものであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載するメカニカルシールの二次シール装置。
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