JP2004278576A - 高圧ガス密封構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧ガス密封用の主シールとしてゴム製Oリング1を用いる。このOリング1に対してその高圧側Hに樹脂製シールリップ3付き副シール2を、その開口凹溝4がOリング1を向くように、配設する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ガスを密封するための密封構造に係り、特に透過性の高い水素ガスやヘリウムガス等を密封する密封構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体として圧力変動が著しい高圧ガスを密封するために適切な、かつ、構造が簡易な密封用シールはほとんど知られていない。圧力変動のない(一定圧力の)高圧ガス用として、ゴム製Oリングが優れた密封性(シール性)を発揮するが、低圧と高圧の間で頻繁に圧力変動を生ずる使用条件下(環境下)では、このOリングは使用に耐えられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
圧力変動が著しい使用条件下で使用に耐えられない理由はゴム製Oリングにブリスタが発生するためである。
【0004】
即ち、ゴム製Oリング内部に被密封流体としての(透過性の高い)水素ガスやヘリウムガス等のガスが浸透し、高圧ではOリング内部に高圧ガスとして(圧縮状態で)Oリング内部に保持されている。高圧環境を開放する(急に低圧とする)と、Oリング内部に保持されていた高圧ガスは急激に膨張しつつ放出されようとするので、微小気泡がOリングの内部に現われる現象───ブリスタ───を発生し、シール性(密封性)を喪失することとなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述のような低圧と高圧との間で圧力変動の著しく生ずる環境下でも、十分に適用できて、かつ、構造が簡素かつコンパクトな密封構造を提供する点にある。
特に、ブリスタの発生を簡易な構造によって防止して、耐久性に優れた(寿命の長い)密封構造を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高圧ガス密封用の主シールとしてのOリングに対してその高圧側に樹脂製のシールリップ付き副シールを、配設し、かつ、該副シールの開口凹溝が上記Oリングを向くように配設した。また、高圧ガスが高圧水素ガスである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
【0008】
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示し、第1部材11と第2部材12の間の間隙13を密封する密封構造の要部断面図である。
【0009】
第1部材11・第2部材12の内の一方は、例えば、バルブボディや継手本体やケーシング等であり、他方は、例えば、スプール(弁棒)や継手挿入筒体や配管端部等であり、第1部材11の孔部内に第2部材12が挿入された固定部密封構造、又は、第2部材12の孔部内に第1部材11が挿入された固定部密封構造である。あるいは、第1部材11の孔部内に第2部材12が挿入され、又は、第2部材12の孔部内に第1部材11が挿入され、相対的に軸心方向───図の上下方向───に往復動し、若しくは、軸心廻りに相対的に回転する、摺動部密封構造を示している。
【0010】
以上いずれにせよ、間隙13は全体的に円筒状となる。これに対し、第1部材11と第2部材12の内の一方を、ケーシング平坦部や継手フランジ平坦部等とし、他方を、蓋部材平坦部や継手フランジ平坦部等として、相対的に移動しない固定部密封構造とする場合もありえる。この場合は間隙13は、平面状を呈することとなる。
【0011】
図1は配置の概略説明を兼ねた要部断面図であり、図2は高圧力Pが作用した状態(高圧作用状態)を示し、図3は図2の後に急激に上記高圧力Pが低下(減圧)した状態───減圧状態───を示す。
【0012】
1は、高圧ガス密封用の主シールとしてのゴム製Oリングを示す。図に於て、上方側が高圧側Hであり、Oリング1に対して、この高圧側Hに、樹脂製のシールリップ3,3付き副シール2を、配設(付設)する。
【0013】
しかも、一対のシールリップ3,3によって形成された開口凹溝4が、低圧側LのOリングを向くように副シール2が配設されている。
図例では、第2部材12に、2個の凹溝6,7を形成し、各々に、Oリング1と副シール2を装着している。
【0014】
副シール2は図1〜図3ではU字状断面形状を有し、PTFE等のフッ素系樹脂やナイロン等を使用する。図1の状態から図2に示すように、高圧側Hから高圧ガスの高圧力Pが作用したとすれば、開口凹溝4が低圧側Lを向いている副シール2のシールリップ3は狭まる方向に変形し、瞬間的に(極端に図示すれば)図2中のギャップGを生じて、Oリング(主シール)1へ高圧力Pを通過させて、Oリング(主シール)1によって、密封する。図2ではOリング1が凹溝6内で低圧側へ押圧されて(弾性的に圧縮されて)密封作用をなしている状態を示す。
【0015】
その後、図3のように、高圧側Hの圧力が急激に低下した場合、副シール2の開口凹溝4はOリング1側を向いていて、Oリング1側から高圧側Hへ逃げようとする高圧ガスを、そのシールリップ3,3が直ちに封止(密封)して、図3中に矢印Pにて示す如く、Oリング1の接触部8と、副シール2のシールリップ3の接触部3aまでの範囲Zを、高圧のままに保持する。つまり、急激に高圧側Hが減圧したとしても、この範囲Zでは、しばらくは高圧のままに保たれ、この範囲Zの圧力は(ゆっくりと)徐々に減圧されてゆく。これによって、Oリング1の内部に高圧下で浸透していた高圧ガスが急に膨張・放出してブリスタを生ずることを、有効に防止できる。このように、副シール2の自封性を利用するものであり、この副シール2は、高圧力Pから急激に減圧した際に、Oリング1に高圧状態で作用していた圧力を徐々に(ゆっくりと)減圧してゆくための減圧速度緩和シールとしての機能を有するといえる。そして、上記高圧ガスとしては、高圧水素ガスに適用すると、本発明に係る密封構造の密封効果は著しい。即ち、水素ガスは、最近高圧での用途が増加し、かつ、分子粒径が小さいので透過しやすい性質を備えているが、本発明に係る密封構造はそのような高圧の水素ガスに対して著しいシール性能を発揮できる。
【0016】
次に、図4は本発明の第2の実施の形態を示す。図4に於て、主シールとしてのOリング1に、高圧時のはみ出し防止用バックアップリング14を付加しても良いことを示す。さらに、前述の副シール2よりも高圧側Hに、別の樹脂製シール15を付設するも好ましい。この樹脂製シール15は、そのシールリップ16,16が高圧側Hを向くように配設し、高圧力Pが作用したとき、自封シールとして密封作用をなし、そしてOリング1へ直接に圧力の急激な増加変動が加わらない緩衝の役目をなしている。それ以外、図1と同一符号は同様の構成であり詳細を省略する。
【0017】
次に、図5は上記副シール2の変形例を示す横断面図であって、図5(A)のように環状のコイルバネ17を付設しても良い。特に、第1部材11に接触するシールリップ3側にこのコイルバネ17を付加するのが良い。また、図5(B)のように副シール2としてシールリップ3の先端部から底面18までの長さ寸法が大きい細長形状のU字状としたり、図5(C)のように角張ったC字状───コの字状───や、図5(D)の丸味のあるC字状とするも、自由である。さらに、図5(E)のようなV字状としたり、図5(F)のように、開口凹溝4内に、横断面U字状の金属(板)バネを装着するも、好ましい。
【0018】
本発明に係る高圧ガス密封構造は、上述のような構成であり、固定(静止)用に限らず、軸心方向摺動や回転用にも適用可能であり、また、円筒面の密封に限らず、平面密封にも適用可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
【0020】
即ち、開口凹溝4が主シールとしてのOリング1を向くようにしたので、一旦Oリング1へ作用した高圧力Pは、高圧側Hの圧力が急激に減少しても、所定時間、密封状に保持され、徐々に圧力が減少し、Oリング1にブリスタが発生することを、防止できる。従って、主シールとしてのOリング1の寿命が長く、シール性(密封性)が長い期間にわたって維持できる。
【0021】
しかも、副シール2とその凹溝7(シール溝)の追加によって、本密封構造は、簡易に作製でき、コンパクトであって、コスト的にも有利である。
【0022】
そして、(請求項2によれば、)透過しやすい性質の(分子粒径が小さな)水素ガスが有効に密封される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部断面図である。
【図2】高圧力が作用した圧力状態を示す要部断面説明図である。
【図3】高圧力がその後急激になくなった状態を示す要部断面説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す要部断面図である。
【図5】副シールについて種々の他の実施の形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 Oリング
2 副シール
3 シールリップ
4 開口凹溝
H 高圧側
P 高圧力
Claims (2)
- 高圧ガス密封用の主シールとしてのOリング(1)に対してその高圧側(H)に樹脂製のシールリップ(3)付き副シール(2)を、配設し、かつ、該副シール(2)の開口凹溝(4)が上記Oリング(1)を向くように配設したことを特徴とする高圧ガス密封構造。
- 高圧ガスが高圧水素ガスである請求項1記載の高圧ガス密封構造。
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