JP6364911B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
相対的に移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記軸に対して摺動自在に設けられる樹脂製のシールリングと、
該樹脂製のシールリングの外周面に装着され、かつ前記ハウジングに形成された軸孔の内周面に密着するゴム状弾性体製のOリングと、
を備え、
前記樹脂製のシールリングは、径方向の内側に設けられる低剛性かつ円筒状の第1シールリングと、径方向の外側に設けられ第1シールリングよりも剛性の高い第2シールリングとから構成されると共に、
第1シールリングは、その外周面側が第2シールリングの内周面に設けられた環状溝内に嵌合されると共に、前記環状溝の溝深さは、第1シールリングの径方向厚みよりも小さ
く、第1シールリングと第2シールリングのうち、第1シールリングの内周面が前記軸に対して摺動することを特徴とする。
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図1は環状の密封装置において、中心軸線を含む面で切断した断面図の一部を示している。また、本実施例に係る密封装置は回転対称形状である。図2は本発明の実施例に係る密封装置の使用状態を示す模式的断面図である。なお、図2中の密封装置は中心軸線を含む面で切断した断面図の一部を示している。図3は本発明の実施例に係る密封装置における接触面圧の分布を示す図である。なお、図3においては、本実施例に係る密封装置が使用される状態を模式的断面図にて示しており、各接触部分の接触面圧の分布を示している。
特に、図1及び図2を参照して、本実施例に係る密封装置100の構成と基本的な機能について説明する。本実施例に係る密封装置100は、往復移動する軸200とハウジング300との間の環状隙間を封止するために用いられる。例えば、燃料電池車に搭載される減圧弁等において、往復移動する軸200とハウジング300との間の環状隙間を封止するために用いられる。このような用途に用いられる場合、密封装置100は、高圧ガスの漏れを防ぐ役割を担う。
樹脂製のシールリング110について、より詳細に説明する。本実施例に係る樹脂製のシールリング110は、径方向の内側に設けられる低剛性の第1シールリング111と、径方向の外側に設けられる高剛性の第2シールリング112とから構成される。第2シールリング112の剛性は、第1シールリング111の剛性よりも高い。より具体的には、第2シールリング112の圧縮弾性率は、第1シールリング111の圧縮弾性率の2倍以上に設定するとよい。更に具体的には、第1シールリング111の圧縮弾性率が300MPa以上600MPa以下となるように設定し、第2シールリング112の圧縮弾性率が600MPa以上となるように設定した上で、第2シールリング112の圧縮弾性率が、第1シールリング111の圧縮弾性率の2倍以上となるように設定するとよい。なお、密封対象が高圧ガスの場合には、軸200に摺動する第1シールリング111の剛性が高す
ぎると、ガス漏れを十分に防止することができない。そのため、第1シールリング111の剛性はある程度低くする必要がある。そして、第1シールリング111は、断面が矩形の円筒状の部材により構成される。また、第2シールリング112は、断面が矩形の円筒状の部材に対して、その内周面に環状溝112aが設けられた構成である。第1シールリング111は、その外周面側が、第2シールリング112に設けられた環状溝112aに嵌合される。
以上のように構成された本実施例に係る密封装置100によれば、軸200に対して摺動する樹脂製の第1シールリング111と、ゴム状弾性体製のOリング120との間に、第1シールリング111よりも剛性の高い第2シールリング112が介在する。これにより、シールリング110がOリング120から受ける力は、第1シールリング111に直接伝わらず、剛性の高い第2シールリング112によって力が分散された状態で第1シールリング111に伝わる。また、第1シールリング111は、その外周面側が第2シールリング112の内周面に設けられた環状溝112a内に嵌合される構成が採用されている。これにより、第1シールリング111は第2シールリング112の環状溝112a内で締め付けられた状態となるため、第1シールリング111と軸200との密着部分における接触面圧の均一化が図られる。従って、シールリング110を構成する第1シールリング111の摺動摩耗が局所的に促進されてしまうことを抑制することができる。
面圧の分布を示している。このグラフから分かるように、接触面圧は、第1シールリング111における軸線方向の中心(幅方向の中心)をピークとして、軸線方向の両側に遠ざかるにつれて徐々に低くなり、軸線方向の両端付近で僅かに上昇した後に再び低くなる。このように、第1シールリング111は第2シールリング112の環状溝112a内で締め付けられた状態となるため、第1シールリング111と軸200との密着部分における接触面圧の均一化が図られることが分かる。また、図中のグラフから、本実施例においては、面圧の最小値が5.3MPa程度で、最大値が6.5MPa程度となり、高低差D1は1.2MPa程度となる。このように、本実施例に係る密封装置100においては、接触面圧の高低差を小さくすることが可能となる。
上記実施例においては、ハウジング300に対して、軸200が往復移動する用途に密封装置100が適用される場合を示した。しかしながら、本発明の密封装置は、軸とハウジングが相対的に移動する各種用途に用いることができる。例えば、固定された軸に対してハウジングが往復移動する用途に用いることができる。また、軸とハウジングが相対的に回転する用途にも用いることができる。
110 (樹脂製の)シールリング
111 第1シールリング
112 第2シールリング
112a 環状溝
120 Oリング
200 軸
300 ハウジング
310 環状溝
311 溝底
Claims (1)
- 相対的に移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置において、
前記軸に対して摺動自在に設けられる樹脂製のシールリングと、
該樹脂製のシールリングの外周面に装着され、かつ前記ハウジングに形成された軸孔の内周面に密着するゴム状弾性体製のOリングと、
を備え、
前記樹脂製のシールリングは、径方向の内側に設けられる低剛性かつ円筒状の第1シールリングと、径方向の外側に設けられ第1シールリングよりも剛性の高い第2シールリングとから構成されると共に、
第1シールリングは、その外周面側が第2シールリングの内周面に設けられた環状溝内に嵌合されると共に、前記環状溝の溝深さは、第1シールリングの径方向厚みよりも小さく、第1シールリングと第2シールリングのうち、第1シールリングの内周面が前記軸に対して摺動することを特徴とする密封装置。
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JP2014084901A JP6364911B2 (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 密封装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014084901A JP6364911B2 (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 密封装置 |
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JP2015203488A JP2015203488A (ja) | 2015-11-16 |
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ID=54597048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014084901A Active JP6364911B2 (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 密封装置 |
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---|---|---|---|---|
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2014
- 2014-04-16 JP JP2014084901A patent/JP6364911B2/ja active Active
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