JP2007255517A - 差動遊星歯車減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単純構造でありながら大減速比を得る小型減速機構として、3K型不思議遊星歯車機構における動力損失の低減を図った差動遊星歯車減速装置を得る。
【解決手段】 太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一又は略同一外径寸法のローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士がすべりをほとんど生じない純転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、不思議歯車機構に代表される差動遊星歯車機構、及びそれを用いた差動遊星歯車減速装置に関するものである。例えば小型で大トルクが必要とされる機械の動力源や回転運動の高減速比での伝達を必要とする多くの機械装置の駆動部分に応用できる。
従来から小型軽量で大トルクが得られる動力源ユニットとして、一般的に遊星歯車減速機付き小型モータユニットが知られている。また、これと類似して、機械装置の駆動部分の大トルク動力源として、前記遊星歯車機構をさらに応用した、いわゆる不思議歯車を用いた差動遊星歯車機構の研究開発が、動力伝達効率の高効率化を実現するため、日々行われている。
代表的な差動遊星歯車機構としては、太陽歯車を入力とし、遊星歯車を歯数の異なる2つの固定内歯車と差動出力内歯車とに噛み合わせ、その差動出力内歯車の回転を減速出力軸とする3K型不思議遊星歯車機構が知られている。
しかし現実的には、前記3K型不思議遊星歯車機構は、差動遊星歯車機構として従来の一般的遊星歯車機構より大減速比と大トルクが得られる一方で、歯車機構の動力伝達効率の低さが問題視されている。また不思議遊星歯車機構の改良すべき構造的な別の問題として、複数の遊星歯車を保持しつつ、公転する歯車を遊星キャリヤのラジアル方向及びスラスト方向に安定して回転支持する構造が得られにくいという問題がある。その技術的な内容が、特開2003−194158号公報に示されている。
さらに他の歯車機構の関連技術として、はすば歯車と同軸のスラストカラーで、駆動運転時の歯車に発生する軸方向力を受け、スラストカラー付きのはすば歯車のみで軸方向力ゼロを実現し、結果として動力伝達効率の向上を図るという技術は、すでに実用化されている。
また、同じく遊星歯車をはすば歯車で構成し、各歯車に同軸のテーパローラを設け、駆動運転時の歯車に発生する軸方向力により、噛み合いピッチ円直径付近で前記テーパローラをすべり転がり接触させ、そのトラクションを遊星歯車の動力伝達の補助とする構造は、すでに提案されている。しかしこれは、未だ実用化に至ってはいない。
以上のように、3K型の不思議遊星歯車機構は、太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車に対し、双方の歯数がわずかに異なる一対の固定内歯車と差動出力内歯車とが、同時に噛み合う構造である。この組み合わせにより、不思議歯車機構の基本原理に従い、太陽歯車で駆動する各遊星歯車が1回転するとき、固定内歯車に対し差動出力内歯車は、その歯数差分の角度しか回転せず、よって歯数がわずかに異なる一対の内歯車同士の組み合わせによる単純構造で、従来の一般的な遊星歯車減速装置では得られない大減速比と大トルクが得られる。
しかし、この3K型不思議遊星歯車機構の動力伝達効率は、上記に述べたように非常に悪いことがよく知られている。これは遊星歯車を支える遊星キャリヤを有する通常の組み合わせ構造のものはもとより、遊星キャリヤを無くした小型のものでは、さらに動力伝達効率が悪化するという事実があり、小型歯車減速装置としての使用に際しては動力損失が大きく、現実性に欠けていた。
特開2003−194158号公報
図11は、従来構造の一般的な遊星キャリヤ無しの3K型不思議遊星歯車機構を用いた減速装置の内部構造の一例を模式的に示した断面図であり、また図12は、その装置内部における各歯車の配置と動きを説明する概略説明図、また図13は、遊星歯車の歯に働く力の関係を説明する概略説明図である。
図11と図12に示すように、駆動用モータ7の回転軸8に取り付けられた太陽歯車103は、その回りに、例えば120度等分配置された3個(他の例としては2〜9個程度が一般的な個数であり、配置角度も等分とは限らない)の遊星歯車102と噛み合い、また各遊星歯車102は同時に、固定内歯車104と差動出力内歯車105の双方に内接して噛み合う形で組み込まれている。この時、固定内歯車104は駆動用モータ7の外枠ケース、又は機械装置側の筐体の固定部9に固定され、自らかは回転しない構造となる。
一方、差動出力内歯車105側には、差動出力内歯車105と共に回転する出力軸106が一体に設けられ、軸中心位置に取り付けられた前記出力軸106により、外部動作機構に対し、大減速比による大トルクの回転駆動力を伝える差動遊星歯車減速装置100となる。
また図13は、前記遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置100における遊星歯車に働く力の関係を模式的に示すものである。差動遊星歯車機構を構成する太陽歯車、遊星歯車、固定内歯車、差動出力内歯車の位置関係は、図13に示すとおり、中心部の円弧を太陽歯車の基礎円S103とし、その外周に位置する円を遊星歯車の基礎円P102とし、またその外周に位置する大きな円弧を、固定内歯車と差動出力内歯車の基礎円Q104とR105としている。
図13における各ベクトル矢印G、H、J、Kは、歯面の摩擦が無いとした場合の遊星歯車102の歯に働く力(歯面力)の方向と大きさを示しており、以下の力として意味付けられる。
G:固定内歯車から受ける力
H:差動出力内歯車に働く力
J:太陽歯車から受ける駆動力
K:内歯車からの反力で遊星歯車が太陽歯車に押しつけられて裏歯面が受ける力(裏歯面に働く押しつけ力)
これらの歯面力は、歯車歯形の圧力角の関係で方向が決まる力の釣り合いと、モーメントの釣り合いにより決まるものである。
太陽歯車から受ける駆動力Jと裏歯面に働く押しつけ力Kの差の遊星歯車個数倍が、太陽歯車の駆動に要する力に対応し、この差(J−K)と差動出力内歯車に働く力Hに各々の基礎円半径を乗じたものの比が、伝達トルクの増幅率に対応する。これに各々の回転速度を乗じることにより理論効率が求まる。歯面の摩擦係数ゼロの場合には、これは100%であるが、歯面にわずかでも摩擦があると効率は激減し、例えば歯車歯面の摩擦係数0.01の場合の理論効率は、およそ45%となる。
図13に示されるように、前記遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置100では、遊星歯車102はG、Hの半径方向分力D1で太陽歯車103側に押しつけられる。遊星歯車の歯の表裏歯面に働く力J、Kは、太陽歯車から受ける駆動力のみならず、このD1による押しつけの結果として発生したものである。すなわち、常に太陽歯車103と遊星歯車102とはノーバックラッシ状態にならざるを得ない。これは遊星歯車102を保持する遊星キャリヤが無いため、太陽歯車103に対する遊星歯車102の中心距離が、半径方向に自由に移動するためであり、その結果、高速回転する太陽歯車103に極めて大きな歯面力が常に働き、動力伝達効率は、歯車製造精度、弾性変形、摩擦係数の影響を大きく受けることとなる。このように中心距離が一定とならない遊星歯車102の自由な動きが、遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置100の動力伝達効率が悪いことの主な原因と考えられる。
また一方、遊星キャリヤ付き差動遊星歯車減速装置の場合には、遊星歯車が受ける大きな半径方向力D1が遊星歯車を支える軸受(遊星キャリヤピン)に働いて軸受荷重が増し、この軸受部分の摩擦により動力伝達効率が悪くなる。
本発明は、上記差動歯車機構の動力伝達効率の改善課題を解決するためになされたものであり、単純構造でありながら大減速比を実現するための小型減速機構として、3K型不思議遊星歯車機構における動力損失の主たる原因を取り除く新構造を提案し、差動遊星歯車減速装置の産業上の利用の可能性を広げることを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、
回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一又は略同一外径寸法のローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士がすべりをほとんど生じない純転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させる差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項2に記載の発明では、
回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法の組み合わせのローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士がすべり転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させる差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項3に記載の発明では、
回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
太陽歯車又は遊星歯車のどちらか一方の歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法のローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力の関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラと他方の歯車軸外周とのすべり転がり接触によって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させる差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3に記載の発明において、
ローラが内外輪転動型のボールベアリングである差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4に記載の発明において、
遊星歯車機構における遊星歯車が、遊星キャリヤを有さない構造である差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
ローラが前記遊星歯車機構の各歯車の軸方向両側の歯車軸同軸上に配置されている差動遊星歯車減速装置としている。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6に記載の発明において、
回転軸を駆動する回転入力の動力源に、モータを組み合わせた差動遊星歯車減速装置としている。
請求項1に記載した本発明の差動遊星歯車減速装置においては、
太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一又は略同一外径寸法のローラを設置したので、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることができる。
これにより、太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一又は略同一外径寸法のローラ同士がすべりをほとんど生じない純転がり状態で接触するため、回転作動に伴うローラ間の摩擦等の動力損失が極めて少なくなる。
さらに、この構造を採用することにより、内歯車から受ける遊星歯車の歯面力の半径方向成分が、前記ローラの接触による法線力によってほとんど受け持たれ、また、遊星歯車と太陽歯車の歯のバックラッシが保持されるため、裏歯面に働く押しつけ力はゼロとなり、力とモーメントの釣り合い条件により、太陽歯車から受ける駆動力は大幅に小さくなって、効率に及ぼす歯面の摩擦力の影響も大幅に小さくなる(図6参照)。
その結果、動力伝達の理論効率を向上させることができる。例えば、歯面の摩擦係数0.01の場合の理論効率は、およそ85%となる。これらの効率向上は当然ながら遊星歯車を支える遊星キャリヤの無い構造のもので特に顕著に現れる。また、遊星キャリヤが有るタイプの装置では、軸受荷重を大幅に減少させることにより、動力伝達効率を向上させることができる。
また請求項2に記載した、本発明の差動遊星歯車減速装置においては、
太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法の組み合わせのローラを設置したので、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士が転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることができる。
つまり、太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法の組み合わせのローラを、各歯車軸に設置することにより、太陽歯車と遊星歯車との中心距離は一定以上、近寄らないように保持させることができる。これにより太陽歯車と各遊星歯車の歯は、ノーバックラッシ状態にはならず、太陽歯車の歯には、遊星歯車側からの大きな半径方向の押圧力の影響を受けず、回転駆動力のみが働く状態を差動遊星歯車機構で実現できる。
また、請求項3に記載した本発明の差動遊星歯車減速装置においては、
太陽歯車又は遊星歯車のどちらか一方の歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法のローラを設置したので、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力の関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラと他方の歯車軸外周との転がり接触によって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることができる。
つまり、太陽歯車又は遊星歯車のどちらか一方の歯車軸の例として、例えば遊星歯車の同軸上に、太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法のローラを設置した場合、ローラは太陽歯車を貫通する回転軸の外周と接することとなり、前記請求項1及び請求項2と同様に、太陽歯車と遊星歯車との中心距離は一定以上、中心に位置する太陽歯車側に近寄らないように保持させることができる。これにより太陽歯車と遊星歯車の中心距離位置は一定となり、各歯車における歯は、ノーバックラッシ状態にはならず、太陽歯車の歯には、遊星歯車側からの大きな半径方向の押圧力の影響を受けず、回転駆動力のみが働く状態を差動遊星歯車機構で実現できる。
また、請求項4に記載した本発明の差動遊星歯車減速装置においては、
ローラが内外輪転動型のボールベアリングである差動遊星歯車減速装置とし、単なる一定の外径寸法を有する一体型の従動ローラとしての機能に加え、各歯車軸とローラ外輪との内外輪の回転差を、転動するボールで受ける内外輪転動型のボールベアリングとしての機能を付加している。特に前記請求項2及び請求項3に記載した差動遊星歯車減速装置のローラ部分においてすべりが生じる場合は、動力損失低減の効果として前記ボールベアリングは採用に適している。
つまり、前記請求項1の構造においては、ローラ同士は純転がりで接触するため、回転作動に伴う各ローラ間のすべりは無く、すべり摩擦等の動力損失は極めて少ないが、他の請求項2及び請求項3では、基本的にローラの外径が、太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一外径寸法のローラではないので、少なからずローラ間にすべりを生じてしまい、摩擦等の動力損失が発生し、動力伝達効率を大きく低下させてしまう。
これに対し、内外輪転動型のボールベアリングを用いれば、太陽歯車と遊星歯車の歯車軸をベアリング内輪側で支持しながら、前記ローラと同様の働きをベアリング外輪の転がり面で受け、さらに加えて回転差に伴うすべりを内外輪で吸収することができる。よって回転する太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように一定に保持させることと、ローラ間のすべりによる動力損失を少なく抑え、動力伝達効率を高めることが同時に可能となる。
また、請求項5に記載した本発明の差動遊星歯車減速装置においては、
遊星歯車機構における遊星歯車が、遊星キャリヤを有さない構造であるにもかかわらず、回転する太陽歯車と遊星歯車との中心距離が必要以上に近寄らないように一定に保持することができるので、各歯車の歯面の接触及びローラ間の接触による動力損失を少なく抑え、遊星歯車機構の動力伝達効率を高めることが可能となる。
また、請求項6に記載した本発明の差動遊星歯車減速装置においては、前記の各請求項の効果に加えて、
ローラが遊星歯車減速機構の各歯車の軸方向両側の歯車軸同軸上に配置されているので、太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の平行度を保持することができる。また、例えば各歯車軸の同軸上のローラ外径寸法又はローラの外周形状を変更することにより、太陽歯車と遊星歯車の軸平行度が若干狂った時にも、歯車機構の動力伝達状態をより向上させることができる。
また、本発明の差動遊星歯車減速装置においては、請求項7に記載したように、
回転軸を駆動する回転入力の動力源にモータを組み合わせることにより、遊星歯車減速装置として、高減速比、高効率、小型、軽量、コンパクトなユニットサイズの駆動用モータ付き差動遊星歯車減速装置が得られる。
<実施形態1>
以下、本発明の請求項1に係る噛み合いピッチ円直径と同一外径寸法の円筒ローラを有する遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置(以下、噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置という)の最良の実施形態を図1〜図6に示し、構造を詳細に説明する。尚、本実施形態に係る差動遊星歯車減速装置は、一例として、遊星歯車を120度等配分で3個配置した構造を例に取り、同時に駆動用モータ側のハウジング外径寸法を基本直径寸法とし、同径サイズの円筒型遊星減速装置として、その内部歯車部品を構成したものについて示している。
図1と図2は、噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1と、その内部における遊星歯車機構部分を示す拡大斜視図である。図2に示すように、遊星歯車機構部分は、駆動用モータの回転軸8を中心とする同軸上に、太陽歯車3とその太陽歯車3の噛み合いピッチ円直径と同じ外径のローラ30A、31Aが配置されている。
さらに前記太陽歯車3を中心として、その外周には3個の遊星歯車2が120度等分配置に組み込まれ、同時に各遊星歯車2の軸芯となる自由軸12に対し、その自由軸12の両端に遊星歯車2の噛み合いピッチ円直径と同じ外径寸法のローラ20Bと21Bが配置されている。このように前記太陽歯車3側のローラ30A、31Aと併せて、ローラ30A-20B、31A-21Bのローラ同士の組み合わせ配置で、ローラ30A、31Aを中心に、各ローラ20B、21Bが純転がりで接触する構造となっている。
噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1は、図1に示す斜視図のように、ケース一体の円筒形状の固定内歯車4と差動出力内歯車5、及び前記差動出力内歯車5と一体の出力軸6、及び出力軸6を支持する軸受10、及び駆動用モータ側との取り付け部分となる固定部9により構成されている。図3は、前記図1における差動遊星歯車減速装置1の内部構造の断面図を示している。また図3においては、駆動用モータ7の回転軸8は太陽歯車3とローラ30A、31Aを貫通し、また自由軸12も遊星歯車2とローラ20B、21Bのそれぞれを貫通している。しかし構造上、遊星歯車2側に関しては、自由軸12が遊星歯車2を必ずしも貫通する必要はなく、後に述べる実施形態2の図7で示すように、遊星歯車2端部に一体の軸あるいは凸形状のピンが飛び出ている自由軸12Bの形状でもよい。
本発明の請求項1に記載した噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1の基本構造は、概略として図4に示すように、太陽歯車3と同軸上に配置した噛み合いピッチ円直径と同一外径寸法の円筒ローラA(図1〜3に示すローラ30A,31A)と、遊星キャリヤ無し状態の遊星歯車2と同軸上に配置した同じく各噛み合いピッチ円直径と同一外径寸法の円筒ローラB(図1〜3に示すローラ20B,21B)とが組み合わされて、中心のローラAに対し各ローラBがすべりなく、純転がりで接触しながら従動ローラとして作動する。
この噛み合いピッチ円直径と同一外径寸法の円筒ローラを用いることにより、遊星歯車機構の動作時に太陽歯車3と遊星歯車2の中心距離を一定に維持することが可能となる。この場合、ローラAとローラBの外径寸法は、太陽歯車3と遊星歯車2のそれぞれの噛み合いピッチ円直径と全くの同一外径寸法であることが望ましい。つまり基本的に各ローラの外径寸法は、お互いの太陽歯車3及び遊星歯車2の歯車歯形の噛み合いピッチ円直径と全くの同一であれば、ローラ同士のすべりが無く、かつ、純転がりで接触しながら太陽歯車3と遊星歯車2との中心距離を一定に維持することができる。
このような噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1では、図5に示すように、ローラ30A-20B間、また同時に31A-21B間での押し合う力と歯車歯形の圧力角の関係で決まる方向の力の釣り合い、及びモーメントの釣り合いにより、遊星歯車2は一定の軌道を保ちながら、太陽歯車3から受ける駆動力に対し、大きな力を固定内歯車4及び差動出力内歯車5の歯に伝えることができる。
これは太陽歯車3と同軸のローラA(30A,31A)によって、遊星歯車2と同軸のローラB(20B,21B)が半径方向に押圧する力を支持し、図13で示した構造において発生する半径方向力D1の力が、太陽歯車3側に直接加わらないように、前記ローラAを用いて半径方向の力で支えるようにした結果である。
この噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1は、駆動中、ローラAとローラBは各歯車と共に回転し、ローラ同士はすべりを生じない純転がり接触をするため、このローラの接触箇所に於ける動力損失は極めて少ない。本実施形態の場合、各ローラは、従動する外周部分を鏡面仕上げした円筒形状の金属ローラを用いて構成し、内径側を歯車軸に固定するだけの単純な構造と部品コストの低減が図れる。
また図6は、前記噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置1における歯車間に働く力の関係を、模式的に示すものである。差動遊星歯車機構を構成する太陽歯車、遊星歯車、固定内歯車、差動出力内歯車の位置関係は、図に示すとおり、中心部の円弧を太陽歯車の基礎円S3とし、その外周に位置する円を遊星歯車の基礎円P2とし、またその外周に位置する大きな円弧を固定内歯車と差動出力内歯車の基礎円Q4、R5としている。同時に、太陽歯車の噛み合いピッチ円直径と同一外径のローラAの外径をAとし、同じく遊星歯車の噛み合いピッチ円と同一外径のローラBの外径をBとしている。
図6に示すように、高速回転する太陽歯車3の歯の裏歯面は接触せず、また表歯面に働く駆動歯面力Cは小さく、従ってこの箇所の歯面摩擦力も小さい。さらに太陽歯車と同軸のローラAの外径を、太陽歯車の噛み合いピッチ円直径より極わずか大きくし、遊星歯車と同軸のローラBと接触させることにより、ローラ部のすべり転がり接触によるトラクション力は、太陽歯車が遊星歯車を駆動する動力の一部となり、また、摩擦による動力損失は小さいため、全体の入出力間での動力損失は少なく、動力伝達効率はさらに高くなる。尚、この歯車歯面の摩擦係数0.01の場合の理論効率は、およそ85%である。図6中における各符号の示す意味は以下の通りである。
A:太陽歯車の噛み合いピッチ円直径と同一外径のローラA
B:遊星歯車の噛み合いピッチ円直径と同一外径のローラB
C:太陽歯車から受ける駆動力
D2:ローラAからローラBが受ける力
E:固定内歯車から受ける力
F:差動出力内歯車に伝えられる力
これにより太陽歯車3と遊星歯車2の歯車同士は、ノーバックラッシ状態にはならず、太陽歯車3の歯は、遊星歯車2側からの半径方向の押圧力の影響を受けず、回転駆動力のみが働く状態を遊星歯車減速機構が実現できる。
<実施形態2>
次に、本発明の請求項1に係る噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置の具体的な応用例に当たる実施形態の一例を図7に示し、構造を詳細に説明する。この駆動装置は、前記噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置を備えた一つのバリエーションとして、微小直動機構付きアクチュエータユニットを構成している。
直動機構を組み合わせたこの構造は、図7に示すように、差動出力内歯車5と共に回転する円筒外周にストレートスプライン凸ネジTが切られた出力軸56と、それに嵌合する円筒内周にストレートスプライン凹ネジTが切られた直動スリーブ58とが嵌め合わされている。また、前記直動スリーブ58の円筒部外周には、ガイド57との間にボールスクリュー54が配置され、ガイド57を固定部として、出力軸56の回転により、ボールスクリュー54に従って、直動スリーブ58が回転しながら軸方向に移動する。
これに伴い、直動スリーブ58の先端部に設けられたプランジャー59が、前記直動スリーブ58の動きと共に矢印Mの方向に作動する。この時、プランジャー59は、直動スリーブ58の端部に配置された軸受55と、ガイド57の外周部分に設けられた軸方向のレール凹溝に一致する凸部Vとにより、回転移動が抑えられ、軸方向のみに移動が導かれる。これにより出力軸56の正逆回転方向によって、矢印Mの軸方向に直線移動する。
この構造により、直動機構付き差動遊星歯車減速装置50は、以下のように動作する。
1)駆動用モータ7の回転軸8の動作により同軸上の太陽歯車3が回転し、同時に太陽歯車3の回転が遊星歯車2に伝わり、遊星歯車2が自転しながら太陽歯車3の回りを公転する。
2)遊星歯車2の回転に伴い、噛み合う二つの内歯車(固定内歯車と差動出力内歯車)が作動し、不思議歯車の原理に従い、差動出力内歯車5側のみが回転を始める。
3)差動出力内歯車5の回転により、一体のストレートスプラインネジ形状の出力軸56が回転し、続いて直動スリーブ58が回転しながら前記ガイド57に設けられたボールスクリュー54に従って、正逆回転方向の繰り返しにより、矢印Mの軸方向に移動する。
4)直動スリーブ58の移動に伴い、先端側のプランジャー59は、前記直動スリーブ58の先端に配置した軸受55と、ガイド57に設けられたレール凹溝に一致する凸部Vにより、回転方向の移動が抑えられ、矢印M方向の軸方向のみに直線移動する。
このように、太陽歯車3の入力回転が、差動出力内歯車5で大減速され、またこれが出力軸56の回転と連動した直動スリーブ58とガイド57とのボールスクリュー54のネジピッチの働きで、プランジャー59のスラスト負荷を受け止めつつ、極めて微小な変位量の直線運動に変換される。すなわち微小な直動変位に従って、変位制御の正確さと大推力負荷が、微小駆動力(入力)で可能となり、小径サイズの駆動用アクチュエータユニットとして精密機器等への応用が可能となる。
また、例えば前記プランジャー59が出力軸56と同時に回転してもよい場合には、前記図7の構造の軸受55とプランジャー59は構造上不要となり、図8に具体的に示すように、直動スリーブ58と出力軸56は共に回転しながら直動スリーブ58のみの直動動作が可能となる。よって駆動用アクチュエータユニットとしての構造が簡略化できる。
尚、本実施形態2では、差動出力内歯車5と一体の出力軸56の回転と連動する直動スリーブ58と、それに対向するガイド57の円筒内径側には、ボールスクリュー54を設けてあるが、例えば直動スリーブ58側を高分子弾性体の円筒形状で部品を製作した場合、ガイド57の円筒内径側にネジ山を設け、前記ネジ山に接触する直動スリーブ58外径側にはネジ山を設けなくても、直動スリーブ58側の弾性変形により、簡易的ではあるが、直動スリーブ58側の回転動作により、直動スリーブ58自身の直動動作が可能となることが考えられる。
また、本実施形態に係る駆動用アクチュエータユニットの噛み合いピッチ円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置は、一例として、遊星歯車を120度等配分で3個配置した構造を例に取り、同時に駆動用モータ側のハウジング外径寸法を基本直径寸法とし、同径サイズの円筒型遊星減速装置として、その内部歯車部品を構成したものについて示しているが、部品寸法と構成等の仕様は、設計上変更可能な範囲で改良することが考えられる。
<実施形態3>
次に、本発明の請求項3に係る円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置の実施形態を、図9と図10に示し、構造を詳細に説明する。尚、本実施形態に係る円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置は、前記実施形態1と同様、駆動用モータ側のハウジング外径寸法を基本直径寸法とし、同径サイズの円筒型遊星減速装置として、その内部歯車部品を構成したものについて示している。以下、構造を比較するため、前記実施形態1の図3及び図4を引用して、構造を説明する。
図9は、前記実施形態1の図3と対比するための円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置11の内部構造の断面図を示している。前記実施形態1の図3においては、駆動用モータ7の回転軸8に太陽歯車3とローラ30A、31Aを配置し、また遊星歯車2の自由軸12にローラ20B、21Bのそれぞれを配置していたが、本実施形態3の図9では、駆動用モータ7の回転軸8には太陽歯車3のみを配置し、太陽歯車3側のローラを無くし、替わりに遊星歯車2側のローラ20C、21Cの外径寸法を大径にして、回転軸8外周と直接接触するようにローラを配置している。
つまり 図10に示すように、本実施形態3に係る円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置11は、前記実施形態1で示した噛み合いピッチ円直径と同一外径のローラAとローラBを組み合わせる構造に対し、一方の太陽歯車3と同軸上に配置していたローラA側を取り去り、遊星歯車2と同軸上に配置した前記図3のローラBに相当する側のローラC(20C,21C)だけでローラ部分を構成している。
このように、本実施形態の円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置11の基本構造は、概略として図10に示すように、太陽歯車3を貫通する回転軸8と、遊星キャリヤ無し状態の遊星歯車2と同軸上に配置したローラCとが、すべり転がり接触しながら動作する。この時、ローラCの外径寸法は、前記太陽歯車と遊星歯車の中心距離を一定に維持できる外径寸法にしている。
図9及び図10で示すように、回転軸8とローラ20C、21Cからなるこの構造は、ローラ同士の押し合う力と歯車歯形の圧力角の関係で決まる方向の力の釣り合い、及びモーメントの釣り合いにより、遊星歯車2は一定の軌道を保ちながら、太陽歯車3から受ける駆動力に対し、大きな力を固定内歯車4及び差動出力内歯車5の歯に伝えることができる。
これは前記実施形態1で述べたことと同じく、太陽歯車3の軸となる回転軸8によって、遊星歯車2と同軸のローラCが半径方向に押圧する力を支持し、図13で示した従来構造において発生していた径方向力D1の力が、太陽歯車3側に直接加わらないように、前記回転軸8で支えるようにした結果である。
また、この円筒ローラ付き遊星キャリヤ無し差動遊星歯車減速装置11は、駆動中、駆動用モータ7の回転軸8とローラC外周との間には大きなすべりが発生して動力損失が極めて大きくなるので、本実施形態3の場合、円筒状のローラCには、内外輪転動型のボールベアリングを採用し、図9に示すように、ローラ20C、21Cとして、遊星歯車側の自由軸12両端にそれぞれ配置した。これによりローラCの内外輪の回転差による動力損失の大幅な低減を図っている。
よって太陽歯車3と遊星歯車2は、ノーバックラッシ状態にはならず、太陽歯車3の歯には、遊星歯車2側からの押圧力の影響を受けず、回転駆動力のみが働く状態を差動遊星歯車機構で実現できる。
尚、本実施形態3の形態と同様に、本発明の請求項2のローラの組み合わせ構造においても、噛み合いピッチ円外径寸法が異なるローラの組み合わせに対し、すべりが生じるローラ同士の動力損失の低減を図る意味で、請求項4に記載の内外輪転動型のボールベアリングの採用を必要に応じて考慮する必要がある。
主に、微小変位駆動機構を必要とする精密測定機器や電子顕微鏡走査駆動部、及び一般携帯電話や医療機器内視鏡カメラ等のフォーカスレンズ駆動用、ズームレンズ駆動用アクチュエータに利用できる可能性がある。
本発明に係る差動遊星歯車減速装置の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明に係る差動遊星歯車機構の特徴部分を示す太陽歯車と遊星歯車の組み込み斜視図である。 本発明に係る差動遊星歯車減速装置の内部構造を示す断面図である。 本発明に係る差動遊星歯車減速装置のローラの配置構造を説明する概略説明図である。 本発明に係る差動遊星歯車機構のローラの配置と働きを説明する概略説明図である。 本発明に係る差動遊星歯車機構の遊星歯車の歯に働く力の関係を説明する概略説明図である。 本発明に係る差動遊星歯車減速装置の応用例の内部構造を示す断面図である。 本発明に係る差動遊星歯車減速装置の別の応用例の内部構造を示す断面図である。 本発明に係る別の一例の差動遊星歯車減速装置の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明に係る別の一例の差動遊星歯車機構のローラの配置位置と働きを説明する概略説明図である。 従来構造の差動遊星歯車減速装置の内部構造を示す断面図である。 従来構造の差動遊星歯車減速機構の歯車の配置と動きを説明する概略説明図である。 従来構造の差動遊星歯車機構の遊星歯車の歯に働く力の関係を説明する概略説明図である。
符号の説明
1, 11, 50, 100 差動遊星歯車減速装置
2, 102 遊星歯車
3, 103 太陽歯車
4, 104 固定内歯車
5, 105 差動出力内歯車
6, 56, 106 出力軸
7 駆動用モータ
8 回転軸
9 固定部
10, 55 軸受
12, 12B 自由軸
20B, 21B ローラB
20C, 21C ローラC
30A, 31A ローラA
54 ボールスクリュー
57 ガイド
58 直動スリーブ
S3, S103 太陽歯車の基礎円
P2, P102 遊星歯車の基礎円
Q4, Q104 固定内歯車の基礎円
R5, R105 差動出力内歯車の基礎円
T ストレートスプラインネジ
V 凸部

Claims (7)

  1. 回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
    太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車の各歯車の噛み合いピッチ円直径と同一又は略同一外径寸法のローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士がすべりをほとんど生じない純転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることを特徴とした差動遊星歯車減速装置。
  2. 回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
    太陽歯車と遊星歯車の各歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法の組み合わせのローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力との関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラ同士がすべり転がり接触することによって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることを特徴とした差動遊星歯車減速装置。
  3. 回転軸に取り付けた太陽歯車を入力とし、前記太陽歯車と噛み合いながら周囲を公転する遊星歯車を、その外輪に位置する歯数の異なる内歯を有する2つの固定内歯車と差動内歯車とに噛み合わせ、前記内歯車の差動内歯車側の回転を減速出力軸とする遊星歯車減速機構において、
    太陽歯車又は遊星歯車のどちらか一方の歯車軸の同軸上に、前記太陽歯車と遊星歯車とが正規の中心距離位置となる外径寸法のローラを設置し、回転駆動時に遊星歯車が前記2つの固定内歯車と差動内歯車との力および太陽歯車から受ける駆動歯面力の関係で、中心に位置する太陽歯車の方向に強く押しつけられる際、前記ローラと他方の歯車軸外周とのすべり転がり接触によって、太陽歯車と遊星歯車との中心距離が近寄らないように、遊星歯車を正規の軸位置に保持させることを特徴とした差動遊星歯車減速装置。
  4. 前記ローラが内外輪転動型のボールベアリングであることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の差動遊星歯車減速装置。
  5. 前記遊星歯車機構における遊星歯車が、遊星キャリヤを有さない構造であることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の差動遊星歯車減速装置。
  6. 前記ローラが前記遊星歯車機構の各歯車の軸方向両側の歯車軸同軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の差動遊星歯車減速装置。
  7. 回転軸を駆動する回転入力の動力源に、モータを組み合わせたことを特徴とする請求項1〜請求項6に記載の差動遊星歯車減速装置。
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