JP2007254306A - メタノール合成装置及び方法 - Google Patents

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弘幸 大空
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Abstract

【課題】メタン含有量が少ない例えば石炭ガス等を用いてエネルギー効率が高いメタノール合成装置及び方法を提供する。
【解決手段】原料ガス供給ラインL1を介して供給された炭化水素の含有量が少ない原料ガス101を昇圧する昇圧装置15と、昇圧された原料ガス101から粗メタノール18を合成するメタノール合成装置17と、前記メタノール合成装置17から分離されるメタン含有量の多い未反応ガス102を水蒸気供給ラインL2で供給された水蒸気12を用いて改質する改質装置13と、前記改質装置13で改質された改質ガス14を原料ガス101に供給する改質ガス供給ラインL3と、前記メタノール合成装置17で得られた粗メタノール18を精製して製品メタノール19とする精製装置20とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素の含有量が少ない原料ガスをメタノールの効率的に合成することができるメタノール合成装置及び方法に関する。
近年天然ガス以外の原料として石炭ガス又は石炭コークスガス等を用い、従来の天然ガスのメタノール合成装置を用いてメタノール合成をすることが種々提案されている(特許文献1)。
従来のメタノール合成装置の一例を図8に示す。図8に示すように、従来のメタノール製造装置10は、炭化水素の含有量が多い原料ガス(例えば天然ガス)11を水蒸気12により改質する改質装置13と、前記改質装置13で得られた改質ガス14を昇圧する昇圧装置15と、昇圧された昇圧ガス16からメタノールを合成するメタノール合成装置17と、前記メタノール合成装置17で得られた粗メタノール18を精製して製品メタノール19とする精製装置20とから構成されている。
なお、メタノール合成装置17から排出される未反応ガス(未反応水素等を含むガス)21は、その一部を改質装置13での燃焼器用の燃焼として使用され、その余剰の余剰パージガス22は廃却されている。
ここで、前記メタノール製造装置10における改質装置13での改質反応は以下に示すとおりである。
CH4→CO+3H2・・・(1)
CO+H2O⇔CO2+H2・・・(2)
またメタノール合成装置17での合成反応は以下に示すとおりである。
CO+2H2⇔CH3OH・・・(3)
CO2+3H2⇔CH3OH+H2O・・・(4)
なお、従来で用いる天然ガス11の組成の一例としては、例えばメタン(CH4)が90%、水素(H2)が0%、N2が2%及びC26が8%である。
特開2001−97905号公報
しかしながら、前記メタノール製造装置10を用いて、水素含量が多い石炭ガス又は石炭コークスガスを用いる場合があるが、改質対象のメタンの濃度に対して水素の濃度が高く(例えば50〜70%)、従来の改質方法ではエネルギーの無駄となり、さらには改質装置の大型化にもなる、という問題がある。
また、未反応ガス21に含まれる余剰パージガス22は燃焼器で使用する以外は廃却するので、エネルギー効率が低い、という問題がある。
よって、メタン含有量が少なく水素濃度が高い例えば石炭ガス等を用いてエネルギー効率が高いメタノール合成装置及び方法の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、メタン含有量が少ない例えば石炭ガス等を用いてエネルギー効率が高いメタノール合成装置及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧する昇圧装置と、昇圧された原料ガスからメタノールを合成するメタノール合成装置と、前記メタノール合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを改質する改質装置と、前記改質装置で改質された改質ガスを原料ガスに供給する改質ガス供給ラインと、前記メタノール合成装置で得られた粗メタノールを精製して製品メタノールとする精製装置とを具備することを特徴とするメタノール合成装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記未反応メタンリッチガスの一部を改質装置の燃焼器の燃料とし、その燃料排ガス中の回収CO2を前記改質装置に供給する未反応メタンリッチガスに供給する供給ラインを具備することを特徴とするメタノール合成装置にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記改質装置で用いる改質触媒が、ジルコニア及びアルミナを含有する耐熱性酸化物を担体とし、触媒活性成分として酸化ニッケルと、助触媒成分として酸化ランタン、酸化カリウムのうち少なくとも一種類以上の酸化物とを担持してなる水蒸気改質用触媒であることを特徴とするメタノール合成装置にある。
第4の発明は、第3の発明において、酸化ニッケルの担持量が、触媒全重量に対し、5重量%以上20重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置にある。
第5の発明は、第3又は4の発明において、酸化ランタン、酸化カリウムの合計の担持量が触媒全重量に対し、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置にある。
第6の発明は、第3乃至5のいずれか一つの発明において、ジルコニアの含有量が担体全重量に対し、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置にある。
第7の発明は、炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧する昇圧装置と、昇圧された原料ガスからメタノールを合成するメタノール合成装置と、前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを部分酸化する部分酸化炉と、前記部分酸化炉で酸化された酸化ガスを原料ガスに供給する改質ガス供給ラインと、前記メタノール合成装置で得られた粗メタノールを精製して製品メタノールとする精製装置とを具備することを特徴とするメタノール合成装置にある。
第8の発明は、炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧した後に、メタノール合成装置によりメタノールを合成すると共に、前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを改質した後、改質された改質ガスを前記原料ガスに供給して再度メタノール合成することを特徴とするメタノール合成方法にある。
第9の発明は、第8の発明において、前記未反応メタンリッチガスの一部を改質装置の加熱用燃焼器の燃料とし、その燃料排ガスの回収CO2を未反応メタンリッチガスに供給して改質することを特徴とするメタノール合成方法にある。
第10の発明は、炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧した後に、メタノール合成装置によりメタノールを合成すると共に、前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを部分酸化した後、前記部分酸化された酸化ガスを含量ガスに供給して再度メタノール合成することを特徴とするメタノール合成方法にある。
本発明によれば、水素濃度が高い例えば石炭ガス又は石炭コークス等を用いてメタノール合成する際に、システムのエネルギー効率が良好なものとなる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係るメタノール製造装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例に係るメタノール製造装置を示す概念図である。
図1に示すように、本実施例に係るメタノール製造装置100Aは、原料ガス供給ラインL1を介して供給された炭化水素の含有量が少ない原料ガス101を昇圧する昇圧装置15と、昇圧された原料ガス101から粗メタノール18を合成するメタノール合成装置17と、前記メタノール合成装置17から図示しない気液分離装置等で分離されるメタン含有量の多い未反応ガス(以下「未反応メタンリッチガス」という)102を水蒸気供給ラインL2で供給された水蒸気12を用いて改質する改質装置13と、前記改質装置13で改質された改質ガス14を原料ガス101に供給する改質ガス供給ラインL3と、前記メタノール合成装置17で得られた粗メタノール18を精製して製品メタノール19とする精製装置20とを具備するものである。
ここで、図1中、L4は改質装置13からの排水ライン、L5は昇圧装置15からの昇圧ガスを供給する昇圧ガスライン、L6は未反応メタンリッチガス102をメタノール合成装置17から改質装置13に供給する未反応ガスライン及びL7はメタノール合成装置からの粗メタノールを精製装置20に供給するメタノール供給ラインを各々図示する。
本発明において、炭化水素の含有量が少ない原料ガス101とは、石炭ガス、コークス炉ガス、バイオ起源ガス、廃棄物起源ガス、水電解水素との混合燃料等のメタン含有量が少ないガスをいう。例えば石炭ガスは、その組成としてメタン含有量が25%、水素含有量が50〜70%、残りがCO及びCO2である。
このような炭化水素の含有量が少ない原料ガス101は、必要に応じて図示しない脱硫装置でガス中の微量の硫黄化合物を除去した後、昇圧装置15で所定圧力(例えば50〜150気圧)まで昇圧され、さらに例えば200〜300℃に予熱され、メタノール合成触媒が充填されたメタノール合成装置17に供給される。
このメタノール合成装置17では、下記式(3)、(4)に示す反応がなされてメタノールが合成される。
CO+2H2⇔CH3OH・・・(3)
CO2+3H2⇔CH3OH+H2O・・・(4)
また、副反応によってジメチルエーテル及びエタノール等の不純物を生成するが、これらの不純物及び水は、前記メタノールと共に液状の粗メタノール18中に含まれる。
ここで、前記メタノール合成触媒としては、例えば銅系触媒が用いられる。特に、高濃度の二酸化炭素雰囲気中で高い耐久性を有するCu,Zn,Al,GaおよびM(アルカリ土類金属元素および希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素)を含む酸化物からなり、前記Cu,Zn,Al,GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒が好ましい。
メタノール合成装置17メタノールを合成した後の未反応メタンリッチガス102は、例えばボイラ等で作られた過熱水蒸気12が供給された後、改質装置13に導入される。
前記改質装置13に導入された未反応メタンリッチガス102は、その改質装置に充填された例えばニッケル系触媒等の改質触媒により、800〜1000℃の温度条件にて前記未反応メタンリッチガス102と共に導入した水蒸気12で改質されて、水素(H2 )、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2 )を主成分とする改質ガス14を生成する。
なお、前記水蒸気改質反応は吸熱反応である。このため、改質装置を前記触媒が充填された反応管とこの反応管の外周を包囲する燃焼器とで構成し、前記燃焼器に燃料ガスと空気を供給して燃焼させ、前記反応管内を例えば700〜900℃まで加熱し、反応熱を供給することにより効率的な水蒸気改質反応を行なうようにしている。
前記改質装置13で改質された改質ガス14は、改質ガス供給ラインL3を介して、原料ガス101を昇圧装置15に供給する原料ガス供給ラインL1へ供給され、ここで原料ガス101と合流して昇圧された後、メタノール合成装置17でメタノール合成される。
前記メタノール合成装置17で合成された液状の粗メタノール18は、メタノール供給ラインL7を介して精製装置20である、例えば蒸留塔へ送られ、蒸留されて製品メタノール19と副生成物である低沸点有機化合物および高沸点有機化合物を含む廃水に分離される。廃水中の副生成物は、系外へ排出される。
本実施例によれば、炭化水素の含有量が少ない原料ガス101をメタノール合成する際に、先ずメタノール合成装置17でメタノール合成を行った後に、その未反応メタンリッチガス102を改質装置13で改質し、再度原料ガス101と共に、メタノール合成装置に供給するようにしているので、石炭ガス中の炭素源であるメタンを有効に利用することができる。
本発明では、前記改質装置13で用いる改質触媒としては、ニッケル系触媒等の改質触媒に限定されるものではなく、以下の低S/C用の触媒を用いることもできる。
前記低S/C用の改質触媒としては、ジルコニア及びアルミナを含有する耐熱性酸化物を担体とし、触媒活性成分として酸化ニッケルと、助触媒成分として酸化ランタン、酸化カリウムのうち少なくとも一種類以上の酸化物とを担持してなる水蒸気改質用触媒である。
ここで、酸化ニッケルの担持量は、触媒全重量に対し、5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10重量%以上15重量%以下である。酸化ニッケルの担持量が5重量%未満であると、触媒活性が低くなり、反応効率を上げるためには触媒量を多くすることが必要となり不都合である。酸化ニッケルの担持量が20重量%を越えると、酸化ニッケルが触媒表面を覆うことにより、助触媒成分の作用が阻害され、炭素の析出が著しくなり不都合である。
また、酸化ランタン、酸化カリウムの合計の担持量が触媒全重量に対し、1重量%以上10重量%以下が好ましい。より好ましくは、2重量%以上5重量%以下である。酸化ランタン、酸化カリウムの合計の担持量が1重量%未満であると水を活性化吸着するのに必要な助触媒の量が不足し、10重量%を越えると担体の主成分であるアルミナの量が相対的に少なくなり、担体の表面積が減少するため不都合である。
本発明の水蒸気改質用触媒は、ジルコニアの含有量が担体全重量に対し、1重量%以上10重量%以下が好ましい。より好ましくは、5重量%以上10重量%以下である。ジルコニアの含有量が1重量%未満であると熱により担体の表面積が減少し、10重量%と越えると担体の主成分であるγ−アルミナの量が相対的に少なくなり、担体の表面積が減少するため不都合である。
この低S/C用の改質触媒を用いることにより、低S/C条件(1.5以上)においても、炭素析出することなく、改質することができ、エネルギー効率の向上に寄与することとなる。
本発明による実施例に係るメタノール製造装置について、図面を参照して説明する。
図2は、実施例に係るメタノール製造装置を示す概念図である。なお、図1に係る実施例1のメタノール製造装置100Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本実施例に係るメタノール製造装置100Bは、メタノール合成装置17からの未反応メタンリッチガス102を供給する第1の未反応ガスラインL6を分岐して、一部が第2の未反応ガス供給ラインLAを介して改質装置13の改質器燃焼器110に供給している。そして、別途導入される燃料ガス109と共に燃焼器110で燃焼するようにしている。
そして、メタノール合成における未反応メタンリッチガス102を用いて燃焼器110で燃焼させ、その燃焼排ガス111から回収CO2112として回収するようにしている。
回収された回収CO2112は、ラインLEを介して未反応メタンリッチガス102を改質器に供給する第3の未反応ガス供給ラインLDに送られ、未反応メタンリッチガスと混合されて改質原料となる。
前記燃焼排ガス111からの二酸化炭素回収方法は、通常のアミン吸収液を用いた化学吸収法が利用されるが、効率よく二酸化炭素を回収できる方法(例えばPSA(圧力スイング濃縮法)等)であれば特に限定されるものではない。
本実施例によれば、未反応メタンリッチガス102の一部を改質装置の燃焼器110の燃料として有効利用すると共に、その燃焼排ガス111中のCO2を回収した後に、再度未反応メタンリッチガス102に供給するようにしているので、CO2の排出の削減と共に、未反応メタンリッチガスの有効利用を図ることができる。
本発明による実施例に係るメタノール製造装置について、図面を参照して説明する。
図3は、実施例に係るメタノール製造装置を示す概念図である。なお、図1に係る実施例1のメタノール製造装置100Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本実施例に係るメタノール製造装置100Cは、実施例1のメタノール合成装置で用いた改質装置13の代わりに、未反応メタンリッチガス102を部分酸化する部分酸化炉120を用いるものである。
実施例1に係る水蒸気改質の改質装置13は、外部から水蒸気を供給する必要があるが、部分酸化炉120は外部からの熱が不要となり、エネルギー効率の良好なメタノール合成を行うことができる。
特に1日にメタノールを5000t以上製造する大規模設備においては、エネルギー効率の点から好適である。
以下本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、これらにより本発明を制限することを意図するものではない。
[試験例]
本試験例では、前述した実施例2にかかるメタノール製造装置100Bを用いた。
図4は試験例1〜3に係るメタノール製造装置100B−1の概略図を示し、図5は試験例4に係るメタノール製造装置100B−2の概略図を示す。なお、図4及び図5の装置は、実施例2のメタノール製造装置100Bと同様の構成である。ここで、図4及び図5中、符号L8は製品メタノールのライン、L9は廃水ラインを図示する。LAはL6からの未反応メタンリッチガス102の燃焼器110への供給ラインであり、LBは燃焼器110に供給する燃料ガスのライン、LCは燃焼器110に供給する空気のライン、LDは改質装置への未反応メタンリッチガスの改質装置13への供給ラインである。
試験例1は、石炭系のメタンリーン成分のガスを原料ガスとして用いた。
試験例2は、試験例1と同一の装置を用いて、改質装置の改質触媒を低S/C用の触媒とした。
試験例3は、石炭系のメタンリーン成分で且つ水素リッチ成分のガスを原料ガスとして用いた。
なお、試験例4の装置においては、試験例3と同一の原料ガスを用い、更に、燃焼ガスからCO2を回収し、回収CO2を未反応メタンリッチガス102に供給するCO2供給ラインLEを設けてしている。
比較例1として、従来方式の図6に示すようなメタノール製造装置10−1を用い、原料ガスとして、天然ガス11を用いた。
また、比較例2として、従来方式の図7に示すような従来のメタノール製造装置10−2を用い、原料ガス101として水素リッチガスである石炭ガスを用いた。
これらの試験の結果を下記「表1」〜「表6」に示す。
Figure 2007254306
図4及び表1に示すように、試験例1では、メタン(CH4)が500k−mol/h、一酸化炭素(CO)が800k−mol/h、二酸化炭素(CO2)が700k−mol/h及び水素(H2)が3000k−mol/hのメタンリーン石炭系ガスを用いて、メタノールを合成した。得られたメタノールの生産量は1613kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2000kmol/hであるので、プロセス効率は80.7%であった。
Figure 2007254306
図4及び表2に示すように、試験例2では、試験例1と同様の組成のメタンリーン石炭系ガスを用いて、改質触媒として低S/C触媒を用いて改質して、水蒸気の供給量を低下させてメタノールを合成した。得られたメタノールの生産量は1615kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2000kmol/hであるので、プロセス効率は80.8%であった。
Figure 2007254306
図4及び表3に示すように、試験例3では、メタン(CH4)が1000k−mol/h、一酸化炭素(CO)が500k−mol/h、二酸化炭素(CO2)が500k−mol/h及び水素(H2)が3000k−mol/hのメタンリーン且つ水素リッチ成分の石炭系ガスを用いて、メタノールを合成した。得られたメタノールの生産量は1695kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2000kmol/hであるので、プロセス効率は84.8%であった。
Figure 2007254306
図5及び表4に示すように、試験例4では、試験例3と同様の組成のメタンリーン且つ水素リッチ成分の石炭系ガスを用いて、メタノールを合成すると共に、改質装置の燃焼器からの排ガス中のCO2を回収して改質装置に供給した。得られたメタノールの生産量は1869kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2000kmol/hであるので、プロセス効率は93.5%であった。
Figure 2007254306
図6及び表5に示すように、比較例1では、メタン(CH4)が2000k−mol/h、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)が0k−mol/h及び水素(H2)が0k−mol/hのメタンリッチ成分の天然ガスを用いて、従来法により改質した後にメタノールを合成した。得られたメタノールの生産量は1621kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2319kmol/hであるので、プロセス効率は69.9%であった。
Figure 2007254306
図7及び表6に示すように、比較例2では、メメタン(CH4)が500k−mol/h、一酸化炭素(CO)が800k−mol/h、二酸化炭素(CO2)が700k−mol/h及び水素(H2)が3000k−mol/hのメタンリーン石炭系ガスを用いて、従来法により改質した後にメタノールを合成した。得られたメタノールの生産量は1364kmol/hであった。供給原料中の炭素(C)量は2000kmol/hであるので、プロセス効率は68.2%であった。
以上の試験結果より、例えばメタン(CH4)が500k−mol/h、一酸化炭素(CO)が800k−mol/h、二酸化炭素(CO2)が700k−mol/h及び水素(H2)が3000k−mol/hのメタンリーン石炭系ガスを用いてメタノール合成を行う場合には、従来のような改質装置で改質した後にメタノール合成を行なうよりも、本発明のように、先ず原料中に多量に含まれる一酸化炭素(CO)が800k−mol/h、二酸化炭素(CO2)を用いて、メタノール合成し、未反応メタンリッチガスを改質装置で改質し、それを原料ガスに供給して再度合成を行なうことを繰り返すことで、未反応ガスが濃縮され、メタノール製造効率が向上することが判明した。
いずれの試験例1〜4も比較例1及び2よりもメタノール製造量及びプロセス効率の向上を確認することができた。
以上のように、本発明に係るメタノール製造装置は、メタノール合成を行なった後に改質反応を行なうようにするので、メタン含有量が少なく水素濃度が高い例えば石炭ガス等のメタノール製造効率が向上するので、エネルギー効率の高いメタノール合成設備に適用することができる。
実施例1に係るメタノール製造装置の概略図である。 実施例2に係るメタノール製造装置の概略図である。 実施例3に係るメタノール製造装置の概略図である。 試験例1〜3に係るメタノール製造装置の概略図である。 試験例4に係るメタノール製造装置の概略図である。 比較例1に係るメタノール製造装置の概略図である。 比較例2に係るメタノール製造装置の概略図である。 従来技術に係るメタノール製造装置の概略図である。
符号の説明
12 水蒸気
13 改質装置
14 改質ガス
15 昇圧装置
16 昇圧ガス
17 メタノール合成装置
18 粗メタノール
19 製品メタノール
20 精製装置
101 原料ガス
102 未反応メタンリッチガス

Claims (10)

  1. 炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧する昇圧装置と、
    昇圧された原料ガスからメタノールを合成するメタノール合成装置と、
    前記メタノール合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを改質する改質装置と、
    前記改質装置で改質された改質ガスを原料ガスに供給する改質ガス供給ラインと、
    前記メタノール合成装置で得られた粗メタノールを精製して製品メタノールとする精製装置とを具備することを特徴とするメタノール合成装置。
  2. 請求項1において、
    前記未反応メタンリッチガスの一部を改質装置の燃焼器の燃料とし、その燃料排ガス中の回収CO2を前記改質装置に供給する未反応メタンリッチガスに供給する供給ラインを具備することを特徴とするメタノール合成装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記改質装置で用いる改質触媒が、
    ジルコニア及びアルミナを含有する耐熱性酸化物を担体とし、触媒活性成分として酸化ニッケルと、助触媒成分として酸化ランタン、酸化カリウムのうち少なくとも一種類以上の酸化物とを担持してなる水蒸気改質用触媒であることを特徴とするメタノール合成装置。
  4. 請求項3において、
    酸化ニッケルの担持量が、触媒全重量に対し、5重量%以上20重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置。
  5. 請求項3又は4において、
    酸化ランタン、酸化カリウムの合計の担持量が触媒全重量に対し、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一つにおいて、
    ジルコニアの含有量が担体全重量に対し、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするメタノール合成装置。
  7. 炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧する昇圧装置と、
    昇圧された原料ガスからメタノールを合成するメタノール合成装置と、
    前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを部分酸化する部分酸化炉と、
    前記部分酸化炉で酸化された酸化ガスを原料ガスに供給する改質ガス供給ラインと、
    前記メタノール合成装置で得られた粗メタノールを精製して製品メタノールとする精製装置とを具備することを特徴とするメタノール合成装置。
  8. 炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧した後に、メタノール合成装置によりメタノールを合成すると共に、
    前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを改質した後、改質された改質ガスを前記原料ガスに供給して再度メタノール合成することを特徴とするメタノール合成方法。
  9. 請求項8において、
    前記未反応メタンリッチガスの一部を改質装置の加熱用燃焼器の燃料とし、その燃料排ガスの回収CO2を未反応メタンリッチガスに供給して改質することを特徴とするメタノール合成方法。
  10. 炭化水素の含有量が少ない原料ガスを昇圧した後に、メタノール合成装置によりメタノールを合成すると共に、
    前記合成装置から分離されるメタン含有量の多い未反応メタンリッチガスを部分酸化した後、前記部分酸化された酸化ガスを含量ガスに供給して再度メタノール合成することを特徴とするメタノール合成方法。
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