JPH09208974A - 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法 - Google Patents

二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法

Info

Publication number
JPH09208974A
JPH09208974A JP8033167A JP3316796A JPH09208974A JP H09208974 A JPH09208974 A JP H09208974A JP 8033167 A JP8033167 A JP 8033167A JP 3316796 A JP3316796 A JP 3316796A JP H09208974 A JPH09208974 A JP H09208974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
catalyst
liquid fuel
fuel oil
hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8033167A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Fujimoto
薫 藤元
Masami Yamamura
正美 山村
Hideo Okado
秀夫 岡戸
Naohide Tsuzuki
直英 続木
Kazuhisa Chagi
一寿 茶木
Toshiya Wakatsuki
俊也 若月
Takatatsu Shimokawa
貴達 下川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Petroleum Exploration Co Ltd
SEKIYU SHIGEN KAIHATSU KK
Original Assignee
Japan Petroleum Exploration Co Ltd
SEKIYU SHIGEN KAIHATSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Petroleum Exploration Co Ltd, SEKIYU SHIGEN KAIHATSU KK filed Critical Japan Petroleum Exploration Co Ltd
Priority to JP8033167A priority Critical patent/JPH09208974A/ja
Publication of JPH09208974A publication Critical patent/JPH09208974A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 CO2 を含む天然ガスから未反応ガスを再循
環することなく、液体燃料油を経済的・効率的に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 (A)CO2 を少なくとも20vol%
以上含む天然ガス1に水蒸気2および空気3を混合し、
反応器101において燃焼熱を利用しつつ触媒の存在下に
反応させて水素とCOの合成ガスを製造し、(B)工程
Aで生じた合成ガス5から水蒸気および窒素を分離する
ことなく、反応器102において、触媒の存在下に、フィ
ッシャー・トロプシュ反応によって、炭化水素ガス,液
体燃料油及びワックス分に転換し、(C)工程Bの流出
物7を蒸留塔103において、炭化水素ガス10,11、ナフサ
分,灯・軽油分8に分離し、(D)工程Cで分離された
ワックス分を熱分解装置104で分解して、H及び又は炭
化水素ガス及び又は液体燃料油12に転換して工程Cに戻
し、(E)工程Cで分離された炭化水素ガス11に空気を
混合し、燃焼装置105において触媒の存在下に燃焼さ
せ、発生する熱を熱交換器によって回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素含有天
然ガスを液体燃料油に転換する方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、二酸化炭素を少なくとも20vol%
以上含む天然ガスを原料として、触媒の存在下に反応さ
せて、水素と一酸化炭素の合成ガスを製造し、ついで液
体燃料油を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、日本の石油探鉱活動の主要な地域
の1つである東南アジアにおいて、二酸化炭素を高濃度
で含有する天然ガス田が多く発見されている。しかし、
このようなガス田のガスをLNGとして利用するには二
酸化炭素の除去に多大な費用がかかるため、このような
ガス田はほとんど開発されていないのが現状である。し
たがって、その有効な利用法の確立が期待されている。
例えば、メタンと二酸化炭素から水素と一酸化炭素の合
成ガスを製造する、いわゆる「CO2 リホーミング」と
呼ばれる反応が知られている。この反応は、700℃以
上の反応温度で触媒の存在下に、メタンと二酸化炭素を
反応させて、概略下記の式(1)のようにH2/COモ
ル比=1の合成ガスを生成する反応である。
【0003】一方、メタンと水蒸気から水素と一酸化炭
素の合成ガスを製造する、いわゆる「スチームリホーミ
ング」と呼ばれる反応も知られている。この反応は、7
00℃以上の反応温度で触媒の存在下に、メタンと水蒸
気を反応させて、概略下記の式(2)のようにH2/C
Oモル比=3の合成ガスを生成する反応である。
【0004】また、メタンと酸素から水素と一酸化炭素
の合成ガスを製造する「メタンの部分酸化」と呼ばれる
反応も知られている。この反応は、概略下記の式(3)
のようにH2/COモル比=2の合成ガスを生成する反
応である。
【0005】これらの反応で得られた合成ガスはメタノ
ールや液体燃料油の合成原料として用いられる。例え
ば、フィッシャー・トロプシュ反応の主な反応は、概略
下記の式(4)のように進行する反応であり、この反応
によって液体燃料油を製造することができる。 式(4)より明らかなように、このフィッシャー・トロ
プシュ反応に用いる合成ガスのH2/COモル比はでき
るだけ2に近いことが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CO2 リホーミング反
応およびスチームリホーミング反応は吸熱の大きな反応
であり、また高温を必要とするため、メタノールやガソ
リン合成プラントでは製造コストの大半をリホーミング
反応でのエネルギー消費が占めることは当業界において
周知である。さらに、両反応で得られる合成ガスのH2
/COモル比は前者が1、後者では3であり、合成ガス
を原料とする液体燃料油の製造に適したH2/COモル
比=2とは異なるため、両反応を適宜組み合わせるか、
あるいは水素が不足の場合には水性逆シフト反応を行な
わせる必要がある。
【0007】これに対して、シェル社がマレーシアに建
設したSMDS(Shell Middle Distillate Synthesi
s)プロセスでは、合成ガスを得るために純酸素を用い
る「メタンの部分酸化法」を採用している(J. J. del'
Amico, S. T. Sie, METHANE CONVERSION studies in su
rface science and catalysis vol.36, p473, Elsevie
r, Amsterdam (1988))。メタンの部分酸化反応は発熱
反応であるため、上記のリホーミング反応よりもエネル
ギー効率は高いこと、また得られる合成ガスのH2/C
Oモル比は2であり、後段のフィッシャー・トロプシュ
反応に適した組成となることなどの利点がある。しかし
ながら、純酸素製造プラントが必要であるため、建設費
が高くなるという欠点がある。
【0008】したがって、二酸化炭素含有天然ガスから
合成ガスを経由して液体燃料油を合成する場合のプロセ
スを経済的に成立させるためには、H2/COモル比を
できるだけ2に近づけて液体燃料油の製造効率を高める
とともに、プロセス全体のエネルギー効率を向上させる
ことが必要となる。本発明は、上記の課題を解決するた
めになされたものであり、したがってその目的は二酸化
炭素含有天然ガスから液体燃料油を経済的・効率的に製
造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の方法は,二酸化炭素を少なくとも20v
ol%以上含む天然ガスを、触媒の存在下に反応させて
液体燃料油を製造するに際して、前記天然ガスに予め空
気および水蒸気を混合し、空気中の酸素によって天然ガ
ス中のメタンおよび炭素数2以上の炭化水素成分の少な
くとも一部を燃焼させ、このときに得られる熱を用い
て、天然ガス中の炭化水素成分を水蒸気および二酸化炭
素と触媒の存在下に反応させて水素と一酸化炭素の合成
ガスを製造する工程(A)と、この工程(A)で生成し
た合成ガスを留出物から分離することなく、合成ガス中
の一酸化炭素と水素を触媒の存在下にフィッシャー・ト
ロプシュ反応によって、炭化水素ガス,液体燃料油およ
びワックス分に転換する工程(B)と、工程(B)の流
出物を蒸留することによって、炭化水素ガス,ナフサ
分,灯・軽油分,ワックス分および水分に分離する工程
(C)と、工程(C)で分離されたワックス分を熱分解
し、少なくとも一部を水素および/または炭化水素ガス
および/または液体燃料油に転換し、これらの成分を工
程(C)に戻す工程(D)と、工程(C)で分離した炭
化水素ガスに空気を混合し、触媒の存在下で燃焼させ、
発生する熱および/または動力を熱交換器および/また
は高圧タービンによって回収する工程(E)とからなる
ことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法の第一工程である工程
(A)は、二酸化炭素を少なくとも20vol%以上含
む天然ガスに、予め空気および水蒸気を混合し、空気中
の酸素によって原料天然ガス中の炭化水素成分の少なく
とも一部を燃焼させ、このときに得られる熱を用いて、
メタンおよび炭素数2以上の炭化水素成分を水蒸気およ
び二酸化炭素と触媒の存在下に反応させて水素と一酸化
炭素の合成ガスを製造させることからなる。
【0011】本工程に供給する原料天然ガスとしては、
通常、二酸化炭素を少なくとも20vol%以上含む天
然ガスを使用するのが好ましい。二酸化炭素の含有量が
20vol%に満たないと、合成ガスの製造効率が低下
し、経済性の面から好ましくない。また、二酸化炭素が
多すぎる場合には、予め脱炭酸処理を行ない、CO2
炭化水素(炭素基準)モル比を0.4〜2.0,さらに
好ましくは0.4〜1.1に調整してもよい。さらに、原
料天然ガス中に硫化水素のような硫黄化合物が含有して
いる場合には、触媒毒となる場合があるので脱硫処理を
実施してもよい。
【0012】工程(A)に空気を供給する目的は、その
構成成分である酸素によって炭化水素成分の少なくとも
一部を燃焼させて、それに続くリホーミング反応の原料
ガスとなる二酸化炭素と水蒸気の一部を製造するととも
に、リホーミング反応に必要な反応熱の一部または全量
を提供することにある。したがって、空気量としては、
リホーミング反応に必要な熱量に見合う量を適宜供給す
ることが好ましい。工程(A)に水蒸気を供給する目的
は、工程(A)での燃焼反応によって生じる水蒸気とと
もに、原料天然ガスを構成する炭化水素成分を触媒の存
在下でリホーミングすることにあり、その量は得られる
合成ガスの最終H2/COモル比が2となるように調整
される。すなわち、原料天然ガスに水蒸気を供給する利
点は、その供給量の割合によって、得られる合成ガスの
2/CO比を調整することができる点にある。
【0013】工程(A)で用いられる反応器形式として
は、固定床反応器が最適であるが、移動床反応器、ある
いはその他の形式の反応器において実施されてもよい。
ただし、反応器の構造としては、反応器の上流では工程
(A)に供給される空気中の酸素と原料天然ガス中の炭
化水素成分の少なくとも一部との燃焼反応が起こり、反
応器の下流では二酸化炭素および水蒸気によるメタンお
よび炭素数2以上の炭化水素成分のリホーミング反応が
起こるような構造であることが必要である。言換えれ
ば、燃焼反応で発生する熱をリホーミング反応に供給す
ることが可能な耐熱性の内熱式反応器であることが望ま
しい。この内熱式反応器の利用によって、リホーミング
反応に必要なエネルギーの一部を、原料ガスの一部を燃
焼させるときに発生する熱によって供給することが可能
となり、外部からの反応器への熱供給が少なくて済む利
点が生じる。なお、リホーミング反応に用いられる二酸
化炭素は、天然ガス中に含有されているものと燃焼反応
によって生成したものであり、水蒸気は予め原料として
添加したものと燃焼反応によって生成したものである。
【0014】工程(A)で用いられるリホーミング触媒
としては、主としてVIII 族遷移金属を種々の担体に担
持した酸化物触媒が好ましいが、特にNi/Al23
媒やケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)1
992巻1993頁または特願平6−301645に開
示されているNi/MgOまたはNi/MgO−CaO
触媒が好適である。また、触媒については、必要に応じ
て反応を行なう前に水素等で還元処理を行なうことが望
ましい。反応器上流での燃焼反応に関しては、無触媒で
あってもよいが、当業界で周知の燃焼反応用触媒、例え
ば、パラジウム,白金などの貴金属触媒あるいはコバル
ト,ニッケル酸化物触媒を用いてもよい。
【0015】工程(A)におけるリホーミング反応温度
は500〜1,000℃が好ましく、700〜950℃
がさらに好ましい。原料天然ガス基準での空間速度(G
HSV)は、500〜200,000h-1の範囲が好ま
しく、1,000〜50,000h-1の範囲がさらに好ま
しい。反応圧力は、約1気圧〜100気圧が好ましく、
約1気圧〜50気圧がさらに好ましい。
【0016】本発明方法の第二工程である工程(B)
は、工程(A)で製造した合成ガスを、未反応原料ガ
ス、空気中の窒素などの合成ガス以外の留出物と分離す
ることなく、触媒の存在下にフィッシャー・トロプシュ
反応によって、炭化水素ガス,液体燃料油およびワック
ス分に転換させることからなる。本工程では,工程
(A)の流出組成物から特に窒素,水蒸気を分離するこ
となく直接供給することができる利点がある。また、熱
交換器を利用して工程(A)の流出組成物から熱回収す
ることが好ましい。工程(B)において、フィッシャー
・トロプシュ反応による液体燃料油(ナフサ分,灯・軽
油分)およびワックス分の合成を行なうに際し、反応温
度は200℃以上が好ましく、250℃以上がさらに好
ましい。圧力は10気圧以上が好ましく、20気圧以上
がさらに好ましい。工程(B)で用いられる反応器形式
としては、スラリー床反応器が最適であるが、多管式固
定床反応器,移動床反応器,あるいはその他の形式の反
応器において実施されてもよい。
【0017】工程(B)で用いられる触媒としては、通
常のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒を挙げること
ができるが、鉄系触媒を用いると活性が低く、空気およ
び多量の水蒸気共存下ではフィッシャー・トロプシュ反
応があまり進行せず、また炭酸ガスが多量に副生するた
め、コバルト系触媒が特に好ましい。例えばこのような
コバルト系触媒として、Co/SiO2,Co−Ru/
SiO2を挙げることができる。コバルト系触媒の使用
によって連鎖成長確率が高くなり、液状炭化水素の収率
が向上する。工程(B)で生成した液体燃料油(ナフサ
分,灯・軽油分)およびワックス分は未反応原料ととも
に、続く工程(C)に供給される。
【0018】本発明方法の第三工程である工程(C)
は、工程(B)の流出物を蒸留することによって、炭化
水素ガス,ナフサ分,灯・軽油分,ワックス分および水
分に分離することからなる。工程(C)の蒸留工程以前
で多段の熱交換器によって工程(B)の流出物を好まし
くは40℃まで冷却し、気液分離器によって液状炭化水
素、水および炭化水素ガスに分離することが好ましい。
この場合、液状炭化水素は蒸留工程に供給され、水は廃
棄され、炭化水素ガスは工程(E)に供給される。
【0019】工程(C)の蒸留工程では、ナフサ分,灯
・軽油分,ワックス分が各々分離される。圧力は1気圧
以上が好ましく、2気圧以上がさらに好ましい。 工程
(C)に用いられる蒸留塔,熱交換器,気液分離器は当
業界で周知のいずれの装置を用いてもよい。工程(C)
の蒸留工程で分離される炭化水素ガスの少なくとも一部
は、本プロセスの燃料ガスとして利用でき、一部は工程
(E)に各々供給される。また、工程(C)で分離され
たワックス分は工程(D)に供給される。
【0020】本発明方法の第四工程である工程(D)
は、工程(C)で分離したワックス分を熱分解し、少な
くとも一部を水素および/または炭化水素ガスおよび/
または液体燃料油に転換し、工程(C)に戻すことから
なる。工程(D)の熱分解は、温度が350℃以上、よ
り好ましくは450℃以上で、圧力については3気圧以
上、より好ましくは5気圧以上で行なわれる。工程
(D)の熱分解後の流出物から熱交換器によって熱回収
を行なうことが好ましい。この場合、流出物は200℃へ
温度降下されて、工程(C)に供給される。工程(D)
に用いられる熱分解装置は当業界で周知のいずれの装置
を用いてもよい。
【0021】本発明方法の第五工程である工程(E)
は、工程(C)で分離された炭化水素ガスに空気を混合
し、燃焼触媒の存在下に燃焼させて、発生する熱の少な
くとも一部を熱交換器によって回収することからなる。
工程(E)において、工程(C)で分離された炭化水素
ガスを、好ましくは10気圧以上の高圧を保持した状態
で空気と混合し、燃焼触媒の存在下に燃焼させて、発生
する熱の少なくとも一部を熱交換器によって回収すると
ともに、高圧タービンによって発電することで動力を回
収することもできる。工程(E)に用いられる触媒とし
ては、完全燃焼触媒を用いることができるが、特に白
金,パラジウムを活性アルミナ,コージェライト(シリ
カ,アルミナ,マグネシアの複合酸化物)等に担持した
触媒やニッケル,コバルト酸化物触媒が好適である。工
程(E)に導入される空気量は、工程(C)で分離され
る炭化水素ガス量に依存する。燃焼工程入口における空
気/炭化水素ガス(炭素基準)のモル比は5以上の範囲
が好ましく、5〜15の範囲がさらに好ましい。工程
(E)に用いられる燃焼装置,熱交換器,高圧タービン
などは当業界で周知のいずれの装置を用いてもよい。工
程(E)によって熱あるいは動力を回収するため、本プ
ロセス全体に対する外部からのエネルギー供給を削減す
ることができる。
【0022】図1に本発明による二酸化炭素含有天然ガ
スから液体燃料油を製造するために用いることができる
実施態様を例示するが、以下の実施例は本発明をさらに
具体的に説明するためであって、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0023】図1において、1〜15は管路を示し、1
は原料天然ガス導入管路、2は水導入管路、3は空気導
入管路、4はリホーマー101への供給ガス管路、5は
リホーマー101からの生成ガス管路、6は重合反応器
(フィッシャー・トロプシュ)反応器102への供給ガ
ス管路、7は該反応器102からの生成ガス管路、8は
蒸留塔103で分離した液体燃料排出管路、9は蒸留塔
103で分離したワックス分排出管路、10は蒸留塔1
03で分離したLPガス排出管路、11は蒸留塔103
で分離した混合ガス管路、12は熱分解装置104での
生成ガス管路、13は空気導入管路、14は燃焼装置1
05への供給ガス管路、15は燃焼装置生成ガス管路で
ある。なお、1001〜1006はそれぞれ熱交換器を
示す。
【0024】[実施例1] 希薄系のフィッシャー・ト
ロプシュ合成 工程(B)の希薄系のフィッシャー・トロプシュ合成を
以下の条件下で行なった。原料ガス6は窒素,一酸化炭
素,二酸化炭素および水素の混合ガス(N2:CO:C
2 :H2=80:10:10:20)を用い、重合反応
器102に充填するフィッシャー・トロプシュ触媒として
30mol%Co/SiO2触媒または30mol%C
o−2mol%Ru/SiO2触媒を各2g用い、触媒
重量/全ガス供給量の比(W/F)を10g・h/mo
lとして、重合反応器102の温度が210℃、圧力が1
5atmの条件で反応させた。各触媒での実験条件、一
酸化炭素(CO)の転化率(%), 二酸化炭素(CO
2 )の転化率(%),メタン(CH4)の選択率
(%),連鎖成長確率(α),および生成した炭化水素
量(C−mol/kg・h)を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から、窒素によって希釈された原料合
成ガスを用いた場合でも、コバルト系触媒を用いること
でフィッシャー・トロプシュ反応が進行すること、連鎖
成長確率および炭化水素生成量は原料ガスへのスチーム
添加の有無によらずほぼ一定であることがわかる。
【0027】[実施例2] 二酸化炭素含有天然ガスか
らの液体燃料油の製造 二酸化炭素含有天然ガス1モルに対して水蒸気1.3モ
ル,空気1.9モルを添加して、請求項1の工程(A)
および工程(B)に従って液体燃料油製造実験を行なっ
た。なお、工程(A)のリホーマー101に充填する触媒
として3mol%Ni/Al23触媒を、工程(B)の
重合反応器102に充填する触媒として30mol%Co
−2mol%Ru/SiO2触媒を用い、各々活性化処
理を行なってから使用した。以下に各工程の実験条件を
示す。 1)工程(A)の反応条件 反応圧力:21.9 atm 反応温度:触媒層850℃ 原料天然ガスのGHSV:7,500h-1 2)工程(B)の反応条件 反応圧力:20.5atm 反応温度:触媒層240℃
【0028】また、表2に原料天然ガス(管路1)、こ
れに水蒸気および空気を混合したリホーマー供給組成物
(管路4)、反応器101の流出物であるリホーマー生成
組成物(管路5)、フィッシャー・トロプシュ反応を行
なう重合反応器102への供給組成物(管路6)、重合反
応器生成組成物(管路7)の各組成(重量%)、各管路
の温度(℃)、および圧力(atm)を示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から、原料天然ガスに水蒸気および空
気を混合したガスをリホーミング反応することで、工程
(A)のリホーマー生成組成物中に水素および一酸化炭
素の合成ガスが生成し、その比率はH2:CO=1.9:
12.2(重量比)=1:2.2(モル比)であり、続く
工程(B)のフィッシャー・トロプシュ合成のための組
成として適している。さらに、工程(B)では工程
(A)の反応後にも残留する水蒸気および空気の存在下
で、フィッシャー・トロプシュ反応が進行し、ナフサ,
灯・軽油およびワックスが生成している。したがって、
工程(A)の後、水蒸気および空気中の窒素を分離する
必要がないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、工程(A)において空
気を用いてメタンの燃焼反応を行ない、その時に得られ
る熱を用いてリホーミング反応によってメタンおよび炭
素数2以上の炭化水素を合成ガスに変換し、工程(B)
において工程(A)の流出物から合成ガスを分離せずに
フィッシャー・トロプシュ反応によって、炭化水素ガ
ス,液体燃料油およびワックス分に転換し、工程(D)
において工程(C)で分離されたワックス分を熱分解し
て分解物を工程(C)に戻し、工程(E)において工程
(C)で分離された炭化水素ガスに空気を混合し、触媒
の存在下に燃焼させ、発生する熱を熱交換器によって回
収するため、未反応原料ガスを再循環させる必要がない
ので、反応プロセス全体の規模を縮小することができ、
経済的かつ効率的に液体燃料油を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造方法の一実施態様を示す工程
図である。
【符号の説明】
1〜15 管路 1 原料天然ガス導入管路 2 水導入管路 3 空気導入管路 4 101反応器供給ガス管路 5 101反応器生成ガス管路 6 102反応器供給ガス管路 7 102反応器生成ガス管路 8 103蒸留塔分離液体燃料排出管路 9 103蒸留塔分離ワックス分管路 10 103蒸留塔分離LPガス排出管路 11 103蒸留塔分離混合ガス管路 12 104熱分解装置生成ガス管路 13 空気導入管路 14 105燃焼装置供給ガス管路 15 105燃焼装置生成ガス管路 101〜105 反応器 101 リホーマー 102 重合(フィッシャー・トロプシュ)反応器 103 蒸留塔 104 熱分解装置 105 燃焼装置 1001〜1006 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 311X (72)発明者 続木 直英 千葉県野田市山崎2701−1−108 (72)発明者 茶木 一寿 千葉県市原市栢橋215−8 (72)発明者 若月 俊也 東京都世田谷区経堂4−10−18−132 (72)発明者 下川 貴達 千葉県千葉市稲毛区穴川1−6−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化炭素を少なくとも20vol%以
    上含む天然ガスを、触媒の存在下に反応させて液体燃料
    油を製造するに際して、(A)前記天然ガスに、予め空
    気および水蒸気を混合し、空気によって天然ガスを構成
    するメタンおよび炭素数2以上の炭化水素成分の少なく
    とも一部を燃焼させ、この時に得られる熱を用いて、メ
    タンおよび炭素数2以上の炭化水素成分を、水蒸気およ
    び二酸化炭素と触媒の存在下に反応させて、水素と一酸
    化炭素の合成ガスを製造する工程と、(B)工程(A)
    で生成した一酸化炭素と水素の合成ガスを、工程(A)
    の留出物ガスから分離することなく、触媒の存在下に反
    応させて、炭化水素ガス,液体燃料油およびワックス分
    に転換する工程と、(C)工程(B)の流出物を蒸留す
    ることによって、炭化水素ガス,ナフサ分,灯・軽油
    分,ワックス分および水分に分離する工程と、(D)工
    程(C)で分離されたワックス分を熱分解し、少なくと
    も一部を水素および/または炭化水素ガスおよび/また
    は液体燃料油に転換し、工程(C)に戻す工程と、
    (E)工程(C)で分離された炭化水素ガスに空気を混
    合し、触媒の存在下に燃焼させ、発生する熱を熱交換器
    によって回収する工程 以上工程(A)〜(E)とよりなることを特徴とする二
    酸化炭素含有天然ガスからの液体燃料油の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(A)において、使用する反応器が
    内熱式反応器である請求項1に記載の液体燃料油の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 工程(B)でのフィッシャー・トロプシ
    ュ合成を実施するための触媒がコバルト系触媒であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の液体燃料油の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(E)において、工程(C)で分離
    された炭化水素ガスを高圧のまま空気と混合し、触媒の
    存在下に燃焼させ、発生する熱を熱交換器によって回収
    するとともに、高圧タービンによって発電することによ
    って動力を回収する請求項1、2または3に記載の液体
    燃料油の製造方法。
JP8033167A 1996-01-29 1996-01-29 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法 Withdrawn JPH09208974A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8033167A JPH09208974A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8033167A JPH09208974A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09208974A true JPH09208974A (ja) 1997-08-12

Family

ID=12378991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8033167A Withdrawn JPH09208974A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09208974A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504411A (ja) * 2000-02-29 2004-02-12 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド オレフィン組込みによるフィッシャー・トロプシュ合成時の増加した液体感受性
WO2005037962A1 (ja) * 2003-10-16 2005-04-28 Japan Gas Synthesize, Ltd. プロパンまたはブタンを主成分とする液化石油ガスの製造方法
WO2014169219A1 (en) * 2013-04-12 2014-10-16 Gtlpetrol Llc Producing hydrocarbons from catalytic fischer-tropsch reactor

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504411A (ja) * 2000-02-29 2004-02-12 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド オレフィン組込みによるフィッシャー・トロプシュ合成時の増加した液体感受性
WO2005037962A1 (ja) * 2003-10-16 2005-04-28 Japan Gas Synthesize, Ltd. プロパンまたはブタンを主成分とする液化石油ガスの製造方法
WO2014169219A1 (en) * 2013-04-12 2014-10-16 Gtlpetrol Llc Producing hydrocarbons from catalytic fischer-tropsch reactor
US9708543B2 (en) 2013-04-12 2017-07-18 Gtlpetrol Llc Producing hydrocarbons from catalytic fischer-tropsch reactor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230234842A1 (en) Chemical synthesis plant
AU2003243284B2 (en) Hydrogen to steam reforming of natural gas to synthesis gas
JP4745219B2 (ja) 水素製造用の自己熱改質装置−改質交換器の配置
JP5677659B2 (ja) 一体化ガス精製装置
DK2723676T3 (en) PROCEDURE FOR MANUFACTURING AMMONIAK AND UREA
CN105820036B (zh) 使用部分氧化生产甲醇的方法和系统
US9932229B2 (en) Method and system for production of hydrogen rich gas mixtures
RU2404117C2 (ru) Способ приготовления смеси монооксида углерода и водорода
EP4121390A1 (en) Production of hydrocarbons
GB2536996A (en) Process
CN111511882B (zh) 高热值合成天然气的制备方法及其制备装置
US6993911B2 (en) System for power generation in a process producing hydrocarbons
US6593377B1 (en) Method and apparatus for producing high molecular weight liquid hydrocarbons from methane and/or natural gas
US6852762B2 (en) Integrated process for hydrocarbon synthesis
AU2002317859A1 (en) Integrated process for hydrocarbon synthesis
JPH09208974A (ja) 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする液体燃料油の製造方法
RU2004138790A (ru) Способ получения углеводородов из газообразного углеводородного сырья
JPS59167527A (ja) メタノ−ルの製法
JP3947266B2 (ja) 水素製造方法およびそれに用いる装置
JP2007254306A (ja) メタノール合成装置及び方法
JPH08259203A (ja) 二酸化炭素含有天然ガスを原料とする合成ガスの製造方法
CN108622855A (zh) 一种天然气催化氧化制备合成气的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030401