JP2003034660A - メタノールの製造方法 - Google Patents
メタノールの製造方法Info
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Abstract
を回収する際の冷却熱量の低減を可能にしたメタノール
の製造方法を提供する。 【解決手段】 改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて
水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成
する工程と、この合成ガスから粗メタノールを生成し、
冷却後にガス成分と液状粗メタノールとに気液分離して
液状粗メタノールを得る工程と、液状粗メタノールを蒸
留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃
水と精製メタノールとに分離する工程とを含むメタノー
ルの製造方法であって、前記改質器から排出される燃焼
排ガス中の二酸化炭素を回収し、二酸化炭素を改質器の
上流側及び下流側のいずれか一方又は両者に供給する
際、前記メタノール合成工程からのパージガスの一部を
改質器の燃焼輻射部で燃料の一部として利用し、残部を
他の熱源の燃料として利用する。
Description
方法に関する。
ル(CH3OH)を製造する方法は、例えば特開平1−
180841号に示されているように、下記(1)〜
(3)の工程より行われることが知られている。
炭化水素を気化したものと、水蒸気とを改質器でニッケ
ル触媒下、800〜1000℃にて反応させ、水素(H
2)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)を主
成分とする合成ガスを製造する合成ガス製造工程、
(2)銅系メタノール合成触媒上で、上記合成ガスを圧
力50〜150気圧、温度200〜300℃で反応さ
せ、反応ガスから生成粗メタノールを液状で回収する合
成工程、及び(3)液状の粗メタノールを1塔又は2塔
以上の蒸留塔で蒸留して、メタノールよりも沸点の低い
有機化合物(以下、低沸点有機化合物という)、有機酸
及びメタノールよりも沸点の高い有機化合物(以下、高
沸点有機化合物という)を含む廃水と、精製メタノール
とに分離する蒸留工程である。
から排出される燃焼排ガスから、二酸化炭素回収装置を
用いて二酸化炭素を回収し,この二酸化炭素を前記改質
器の上流側、下流側の少なくとも一方に供給する事によ
りメタノール製造に適したH 2/(CO+CO2)のモル
比の合成ガスを得る事ができる。
ルを合成する際に、前記粗メタノールを前記気液分離器
で液状粗メタノールと未反応ガスに分離するが、この未
反応ガスは、合成装置上流に所定量リサイクルし、余剰
分の未反応ガスはパージガスとして、全量を改質器の燃
焼輻射部に返送して燃料の一部として利用している。
造方法では水素リッチなパージガスの全量を改質器の燃
料として利用するため、この改質器の燃焼輻射部で発生
する燃焼排ガス中の水蒸気量が増大する。このような水
蒸気量の多い燃焼排ガスを二酸化炭素回収装置の冷却塔
に導入して冷却すると、多量の冷却熱量を必要とするた
め、メタノール製造における冷却水必要量の増大を招
く。
く、二酸化炭素を回収する際の冷却熱量の低減を可能に
したメタノールの製造方法を提供しようとするものであ
る。
の製造方法は、改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて
水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成
する合成ガス製造工程と、前記合成ガスをメタノール合
成触媒上で反応させて粗メタノールを生成し、その粗メ
タノールを冷却後にガス成分と液状粗メタノールとに気
液分離して液状粗メタノールを得るメタノール合成工程
と、前記液状粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物
及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに
分離する蒸留工程とを含むメタノールの製造方法であっ
て、前記改質器から排出される燃焼排ガス中の二酸化炭
素を二酸化炭素回収装置で回収し、回収した二酸化炭素
を改質器の上流側及び下流側のいずれか一方又は両者に
供給する際、前記メタノール合成工程からのパージガス
の一部は改質器の燃焼輻射部で燃料の一部として利用さ
れ、そのパージガスの残部は他の熱源の燃料として利用
されることを特徴とするものである。
て、前記メタノール合成工程からのパージガスの一部
を、前記改質器の燃焼輻射部で燃料の一部として利用
し、そのパージガスの残部を他の熱源の燃料及び/又は
原料ガスの脱硫用として利用することを許容する。
て、前記メタノール合成工程からのパージガスを、前記
改質器における燃焼輻射部の燃料以外の他の熱源の燃料
及び/又は原料ガスの脱硫用として利用することを許容
する。
て、前記他の熱源の少なくとも一つがボイラであること
を許容する。
の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
態に係るメタノールの製造に用いられるメタノール製造
プラントを示す概略図、図2は図1の二酸化炭素吸収液
を用いた二酸化炭素回収装置を示す概略図である。
と、この反応管11の周囲に配置され、燃料を燃焼させ
て前記反応管を加熱するための燃焼輻射部12と、この
燃焼輻射部12に対流部(廃熱回収部)13を介して連
通された煙突14とを備えている。前記反応管11内に
は、例えばニッケル系触媒が充填されている。燃料導入
用流路201は、前記改質器10の燃焼輻射部12に接
続されている。
10の対流部13を経由して前記反応管11の上端に接
続されている。この流路202には、流路2017から水
素を豊富に含んだパージガスの一部を分岐し、原料天然
ガス中の硫黄成分を硫化水素の形として脱硫装置で吸着
除去するために、流路202の原料天然ガスと混合の
後、脱硫装置(図示せず)を介装してもよい。水蒸気
(スチーム)導入用流路203は、前記対流部13の上
流側に位置する前記原料ガス導入用流路202に接続さ
れている。
入用流路204を通して前記改質器10の対流部13に
接続されている。二酸化炭素回収装置30は、図2に示
すように互いに隣接して配列された冷却塔31、二酸化
炭素吸収塔32および吸収液再生塔33を備えている。
前記冷却塔31には、気液接触部材34が内蔵されてい
る。前記二酸化炭素吸収塔32には、2つの上部側、下
部側の気液接触部材35a,35bが内蔵されている。
これら気液接触部材35a,35b間には、再生された
吸収液のオーバーフロー部36が配置されている。前記
吸収液再生塔33には、2つの上部側、下部側の気液接
触部材37a,37bが内蔵されている。
燃焼排ガス導入用流路204を通して接続されている。
冷却水は、流路205を通して前記冷却塔31の上部に
噴射され、前記燃焼排ガス導入用流路204を通して導
入された燃焼排ガスを前記気液接触部材34で冷却して
いる。前記冷却塔31の頂部は、流路206を通して前
記二酸化炭素吸収塔32の下部付近と接続され、かつこ
の流路206にはブロワー38が介装されている。前記
吸収塔32の底部は、流路207を通して前記吸収液再
生塔33の2つの上部側、下部側の気液接触部材37
a,37b間に位置する上部に接続されている。ホンプ
39および熱交換器40は、前記流路20 7に前記吸収
塔32側から順次介装されている。前記吸収液再生塔3
3の底部は、前記熱交換器40を経由する流路208を
通して前記吸収塔32のオーバーフロー部36が位置す
る上部に接続されている。ポンプ41は、前記吸収液再
生塔33の底部と前記熱交換器40の間に位置する前記
流路208に介装されている。流路209は、一端が前記
吸収塔32の前記オーバーフロー部36の個所に接続さ
れ、他端がポンプ42を経由して前記吸収塔32の上部
側の気液接触部材35a上の個所に接続されている。排
出流路2010は、前記吸収塔32の頂部に接続されてい
る。流路2011は、一端が前記吸収液再生塔33の下部
付近に接続され、他端が例えばスチームと熱交換される
熱交換器43を経由して前記気液接触部材37b直下に
位置する前記再生塔33に接続されている。流路2012
は、一端が前記再生塔33の頂部に接続され、他端が冷
却用熱交換器44を経由して後述する圧縮機に接続され
ている。この冷却用熱交換器44より下流側の前記流路
2012には、前記上部側の気液接触部材37a直上の前
記再生塔33に接続される流路2013が分岐されてい
る。
2012を経由して圧縮機51に接続されている。この圧
縮機51は、流路2014を経由して前記改質器10の上
流側である前記原料ガス導入用流路202に接続されて
いる。
52、熱回収器53および圧縮機54が介装された流路
2015を通してメタノール合成用反応装置60に接続さ
れている。この反応装置60は、予熱器61と、この予
熱器61からの合成ガスが循環流路62を通して供給さ
れるメタノール合成用反応器63を備えている。この反
応器63内には、メタノール合成触媒が充填されてい
る。
器63は、前記予熱器61を経由し気液分離器71に流
路2016を通して接続されている。この流路2016に
は、冷却用熱交換器72が介装されている。前記気液分
離器71は、ガス循環流路73を通して前記予熱器61
入口の前記流路2015に接続されている。ガス圧縮機7
4は、前記ガス循環流路73に介装されている。パージ
ガス流路2017は、前記気液分離器71と前記ガス圧縮
機74の間のガス循環流路73から分岐され、前記改質
器10の燃焼輻射部12に接続されている。また、前記
パージガス流路2017は途中で分岐され、この分岐パー
ジガス流路2018はボイラ80に接続されている。
て蒸留装置90に接続されている。
製造プラントを参照してメタノールの製造方法を説明す
る。
01を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され、
かつ気液分離器71で生成された後述する水素を主に含
む未反応ガスの一部(パージガス)はパージガス流路2
017を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され、
ここで空気とともに燃焼されて反応管11内を十分に高
い温度(例えば850〜900℃)に加熱する。前記反
応管11を加熱するのは、前記改質器10での改質反応
が吸熱反応であるためである。前記燃焼輻射部12で発
生した二酸化炭素を含む燃焼排ガスは、対流部13を経
由して煙突14に至る。前記燃焼排ガスは、前記対流部
13を通過する間に原料ガス導入用流路202内を流通
する水蒸気等が添加された天然ガスおよび図示しないボ
イラ水とそれぞれ熱交換されて冷却される。
用流路204を通して図2に示す二酸化炭素回収装置3
0の冷却塔31に供給され、この気液接触部材34で流
路205を通して供給された冷却水により冷却される。
冷却された燃焼排ガスは、前記冷却塔31の頂部からポ
ンプ38の駆動により流路206を通して前記二酸化炭
素吸収塔32の下部付近に供給され、その内部の下部側
気液接触部材35bを上昇する間、吸収液再生塔33か
ら熱交換器40を経由する流路208を通して前記吸収
塔32のオーバーフロー部36に供給された再生吸収
液、例えば再生アミン液と接触してその燃焼排ガス中の
二酸化炭素がアミン液に吸収される。燃焼排ガスは、さ
らに前記オーバーフロー部36を経由して上部側気液接
触部材35aを上昇する間、ポンプ42の駆動により流
路209を通して前記吸収塔32の頂部付近に供給され
た再生アミン液と接触してその燃焼排ガス中の未吸収二
酸化炭素がアミン液に吸収される。二酸化炭素が除去さ
れた燃焼排ガスは、排出流路2010を通して外部に排出
される。この二酸化炭素吸収アミン液は、前記吸収塔3
2の底部に貯留され、ここからポンプ39の駆動により
流路207を通して前記吸収液再生塔33の2つの気液
接触部材37a,37b間に位置する上部に供給され
る。このとき、前記二酸化炭素を吸収したアミン液は流
路207に介装された熱交換器40を流通する間、前記
再生塔33の底部に接続した流路208を流通する比較
的温度の高い再生アミン液と熱交換されて加熱されると
ともに、流路208を流通する比較的温度の高い再生ア
ミン液が冷却される。加熱された二酸化炭素吸収アミン
液は、加熱された前記再生塔33の下部側気液接触部材
37bを流下する間に二酸化炭素と再生アミン液に分離
される。このとき、前記再生塔33の加熱は流路2011
を通して循環され、例えばスチームと熱交換される熱交
換器43により加熱される再生アミン液によりなされ
る。前記再生アミン液は、前記再生塔33底部に貯留さ
れ、ポンプ41の駆動により前記流路208を通して前
記吸収塔32に供給される。前記二酸化炭素は、上部側
気液接触部材37aを上昇し、再生塔33頂部から流路
2012を通して排出される間、冷却用熱交換器44で冷
却され、二酸化炭素と共に持ち運ばれるアミン水蒸気が
凝縮され、その凝縮アミン液は分岐された流路2013を
通して前記再生塔33に戻される。回収された二酸化炭
素は、前記流路2012を通して圧縮機51に供給され
る。
然ガスは、原料ガス導入用流路20 2に供給される。こ
の時、前記圧縮機51で昇圧された二酸化炭素が、流路
201 4を経由して例えば改質器10の上流側の前記天然
ガスに所定量添加される。また、水蒸気(スチーム)は
水蒸気導入用流路203を通して二酸化炭素が添加され
た前記天然ガスに所定量添加される。
蒸気を添加する際、モル比で前記天然ガス中のメタン
(CH4):水蒸気(H2O)=1:1.5〜1:5、メ
タン(CH4):二酸化炭素(CO2)=1:0.1〜
1:3に設定することが好ましい。
天然ガスは、前記原料ガス導入用流路202内を流通
し、前記改質器10の対流部13を通過する間に予熱さ
れた後、十分な温度まで加熱された前記反応管11に供
給される。
メタン(CH4)を主成分とする天然ガス、水蒸気およ
び二酸化炭素は、その反応管11内の触媒の存在下でメ
タンが主に水蒸気改質され、下記数1に示す式(1)、
(2)に従って水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含
む合成ガスが生成される。
て、メタン1モルと水蒸気2モルの反応で水素4モル、
二酸化炭素1モルが生成される。ただし、実際の反応系
では反応管11出口の温度、圧力から決まる化学反応平
衡組成に近い組成が得られる。
て熱交換器52に供給され、ここで例えばボイラ水を加
熱し、高圧の水蒸気を発生させるとともに、それ自体が
冷却された後、熱回収器53に供給されて常温まで冷却
される。この時、前記合成ガス中に含まれる水蒸気は凝
縮水となり、流路2020を通して例えばプロセス用水と
して利用される。
を通して圧縮機54に供給され、ここでメタノール合成
反応に適した圧力(例えば50〜150気圧)まで圧縮
される。昇圧された合成ガスは、流路2015を通してメ
タノール合成用反応装置60の予熱器61に供給され、
ここでメタノール合成反応に適した温度(例えば200
〜300℃)まで予熱され、さらに循環流路62を通し
てメタノール合成触媒が充填された反応器63に供給さ
れる。なお、後述する気液分離器71で分離された未反
応ガスはガス循環流路73を通して前記予熱器61手前
の流路2015部分に供給され、前記合成ガスと混合され
る。前記反応器63では、下記数2に示す式(3),
(4)に示す反応により合成されたメタノールを含む生
成物が得られる。
びエタノール等の不純物を生成する。これらの不純物お
よび水は、前記生成物に含まれるメタノールと共に液状
の粗メタノールとして含有される。
路2016を通して前記冷却用熱交換器72に順次供給さ
れ、ほぼ常温まで冷却される。この時、前記生成物中の
メタノールと水はそのほとんどが凝縮し、液状となって
気液分離器71に流入される。この気液分離器71で
は、液状の粗メタノールと水素を主とする未反応ガス
(水素リッチ未反応ガス)とに分離される。
路73を通してガス圧縮機74に送られ、ここで昇圧さ
れた後、ガス循環流路73を通して前記予熱器61入口
の前記流路2015に循環され、合成ガスとともに前記反
応器63に供給される。水素リッチ未反応ガスの一部
は、パージガスとしてパージガス流路2017を経て、前
記改質器10における燃焼輻射部12の燃料の一部とし
て利用される。また、水素リッチ未反応ガスの一部はパ
ージガス流路2017から分岐した分岐パージガス流路2
018を経てボイラ80の燃料として利用される。
流路2019を経て蒸留装置90に供給され、高純度の精
製メタノールと副生成物である低沸点有機化合物および
高沸点有機化合物を含む廃水に分離される。精製メタノ
ールは、流路2021から製品として系外に抜き出され
る。廃水は、流路2022から系外へ排出される。
改質器10上流側の天然ガスに所定量添加したが、改質
器10下流側の天然ガスに所定量添加しても、改質器1
0の上流側および下流側の天然ガスに所定量添加しても
よい。
を気液分離して得られた主に水素を含む未反応ガスのう
ち、一部(パージガス)を前記改質器10における燃焼
輻射部12の燃料の一部として利用し、かつ残りのパー
ジガスをボイラ80の燃料として利用することによっ
て、前記パージガスの全量を前記燃焼輻射部に供給して
燃料の一部として利用する場合に比べて前記燃焼輻射部
12で発生する燃焼排ガス中の水蒸気量を低減すること
ができる。その結果、この燃焼排ガスを二酸化炭素回収
装置30の冷却塔31に供給し、ここでその後段の二酸
化炭素吸収塔32で用いる吸収液(例えばアミン液)で
の吸収に適した温度までに冷却する際の冷却熱量を低減
することができる。
して、改質器の燃焼輻射部より排出された燃焼排ガス
(またはボイラで発生した燃焼排ガス)から回収された
二酸化炭素を利用することによって、メタノールの製造
により排出される二酸化炭素量を低減できる。その結
果、二酸化炭素排出税の導入や二酸化炭素の排出規制が
開始された場合、メタノール製造プラントの経済性を向
上できる。
態に係るメタノールの製造に用いられるメタノール製造
プラントを示す概略図である。なお、前述した図1と同
様な部材は同符号を付して説明を省略する。
ス流路2017が気液分離器71とガス圧縮機74の間の
ガス循環流路73から分岐され、ボイラ80に接続され
ている。また、前記パージガス流路2017は途中で分岐
され、この分岐パージガス流路2023は他のプラントに
接続されている。
ノールの製造は、実質的に前述した合成ガス生成工程、
粗メタノール合成工程、液状粗メタノールの回収工程お
よび蒸留工程を経て製造される。
ガスは燃料導入用流路201を通して改質器10の燃焼
輻射部12に供給され、かつ他プラントからの燃料が流
路2024から燃料導入用流路201を通して改質器10
の燃焼輻射部12に供給され、ここで空気とともに燃焼
され、反応管11を加熱する。また、水素リッチ未反応
ガスの一部は、パージガスとしてパージガス流路2017
を経て、前記改質器10における燃焼輻射部12の燃料
の一部として利用される。また、気液分離器71で分離
された水素リッチ未反応ガスの一部はパージガス流路2
017を通してボイラ80に供給されて燃料として利用さ
れ、この残りのパージガスはパージガス流路2017から
分岐した分岐パージガス流路2023を経て他のプラント
に供給される。
を気液分離して得られた主に水素を含む未反応ガスのう
ち、一部(パージガス)をボイラ80の燃料の一部とし
て利用し、かつ残りのパージガスを他のプラントに利用
することによって、前記パージガスの全量を前記燃焼輻
射部に供給して燃料の一部として利用する場合に比べて
前記燃焼輻射部12で発生する燃焼排ガス中の水蒸気量
を著しく低減することができる。その結果、この燃焼排
ガスを前述した図2に示すように二酸化炭素回収装置3
0の冷却塔31に供給し、ここでその後段の二酸化炭素
吸収塔32で用いる吸収液(例えばアミン液)での吸収
に適した温度までに冷却する際の冷却熱量を前述した第
1実施形態に比べてより一層低減することができる。
いてパージガスは利用形態が異なるものの、いずれも燃
料として利用しているため、総合的な熱収支は従来のよ
うなパージガスを改質器の燃焼輻射部に全量利用する場
合と変わることがない。
第1実施形態のメタノールの製造を図1に示すメタノー
ル製造プラントを参照してより具体的に説明する。
分離された水素リッチパージガスの一部を改質器10の
燃焼輻射部12に供給して前記燃焼輻射部12で空気と
ともに燃焼させ、残りのパージガスをボイラ80に供給
して燃料として利用した。また、天然ガス、水蒸気(ス
チーム)および二酸化炭素(前記改質器10の燃焼排ガ
スから二酸化炭素回収装置30で回収)を原料ガス導入
用流路202を通して改質器10の反応管11に供給
し、ここで水蒸気改質し、得られた合成ガスをメタノー
ル合成用反応装置60で粗メタノールを生成し、気液分
離器71で液状粗メタノールと水素リッチ未反応ガスに
分離し、この水素リッチ未反応ガスの一部をパージガス
として前記燃焼輻射部12およびボイラ80に返送し、
前記液状粗メタノールを蒸留装置90に供給することに
よってメタノールを製造した。このようなメタノールの
製造における各種ガスの組成および流量を下記表1に示
す。
201を通して改質器10の燃焼輻射部12に供給され
る天然ガス、項目(B)は全パージガス、項目(C)は
改質器10の燃焼輻射部に供給されるパージガスの一
部、項目(D)はボイラ80に供給されるパージガスの
残部、項目(E)は対流部13から二酸化炭素回収装置
30の冷却塔31に供給される燃焼排ガス、項目(F)
は改質器10の煙突14から排出される余剰排ガスを表
す。なお、これらの項目(A)〜(F)は図1に付記す
る。
第2実施形態のメタノールの製造を図3に示すメタノー
ル製造プラントを参照してより具体的に説明する。
分離された水素リッチパージガスの一部をボイラ80に
供給して燃料として利用し、残りのパージガスを他のプ
ラントの燃料として利用した。また、天然ガス、水蒸気
(スチーム)および二酸化炭素(前記改質器10の燃焼
排ガスから二酸化炭素回収装置30で回収)を原料ガス
導入用流路202を通して改質器10の反応管11に供
給し、ここで水蒸気改質し、得られた合成ガスをメタノ
ール合成用反応装置60で粗メタノールを生成し、気液
分離器71で液状粗メタノールと水素リッチ未反応ガス
に分離し、この水素リッチ未反応ガスの一部をパージガ
スとして前記燃焼輻射部12およびボイラ80に返送
し、前記液状粗メタノールを蒸留装置90に供給するこ
とによってメタノールを製造した。このようなメタノー
ルの製造における各種ガスの組成および流量を下記表2
に示す。
201に導入される天然ガス、項目(B)は燃料導入用
流路201に導入される他のプラントからの燃料、項目
(C)は改質器10の燃焼輻射部に供給される前記天然
ガスおよび燃料の合量、項目(D)はボイラ80および
他のプラントに供給されるパージガス、項目(E)は対
流部13から二酸化炭素回収装置30の冷却塔31に供
給される燃焼排ガス、項目(F)は改質器10の煙突1
4から排出される余剰排ガスを表す。なお、これらの項
目(A)〜(F)は図3に付記する。
ルの製造に用いられるメタノール製造プラントを示す概
略図である。なお、前述した図1と同様な部材は同符号
を付して説明を省略する。このメタノール製造プラント
を用い、燃料(天然ガス)および気液分離器71で分離
された水素リッチ未反応ガスの一部をパージガスとして
その全量を改質器10の燃焼輻射部12に供給して前記
燃焼輻射部12で空気とともに燃焼させた。また、天然
ガス、水蒸気(スチーム)および二酸化炭素(前記改質
器10の燃焼排ガスから二酸化炭素回収装置30で回
収)を原料ガス導入用流路20 2を通して改質器10の
反応管11に供給し、ここで水蒸気改質し、得られた合
成ガスをメタノール合成用反応装置60で粗メタノール
を生成し、気液分離器71で液状粗メタノールと水素リ
ッチ未反応ガスに分離し、この水素リッチ未反応ガスの
一部をパージガスとして前記燃焼輻射部12に全量返送
し、前記液状粗メタノールを蒸留装置90に供給するこ
とによってメタノールを製造した。このようなメタノー
ルの製造における各種ガスの組成および流量を下記表3
に示す。
201に供給される天然ガス、項目(B)はこの燃料導
入用流路201を通して改質器10の燃焼輻射部12に
供給される天然ガス、項目(C)は改質器10の燃焼輻
射部に供給される全量のパージガス、項目(D)は燃料
導入用流路201から分岐された流路2018を通してボ
イラ80に供給される天然ガス、項目(E)は対流部1
3から二酸化炭素回収装置30の冷却塔に供給される燃
焼排ガス、項目(F)は改質器10の煙突14から排出
される余剰排ガスを表す。なお、これらの項目(A)〜
(F)は図4に付記する。
メタノールの製造における回収された二酸化炭素(CO
2)1トンあたりの冷却熱量比を下記表4に示す。
1のメタノールの製造方法において、改質器10の対流
部13から二酸化炭素回収装置30に導入される燃焼排
ガス中の水蒸気量は、101900m3N/hであるの
に対し、比較例1のメタノールの製造方法において、改
質器10の対流部13から二酸化炭素回収装置30に導
入される燃焼排ガス中の水蒸気量は109300m3N
/hと多いことがわかる。このため、表4に示すように
実施例1のメタノールの製造方法では比較例1のメタノ
ールの製造方法に比べて前記燃焼排ガスを二酸化炭素回
収装置30の冷却塔で冷却するための冷却熱量を低減で
きることがわかる。
おいて、改質器10の対流部13から二酸化炭素回収装
置30に導入される燃焼排ガス中の水蒸気量は、448
00m3N/hと実施例1のそれ(101900m3N/
h)に比べてさらに削減することができることがわか
る。このため、表4に示すように実施例2のメタノール
の製造方法では実施例1のメタノールの製造方法に比べ
て前記燃焼排ガスを二酸化炭素回収装置30の冷却塔で
冷却するための冷却熱量をさらに低減できることがわか
る。
熱熱量の増大を招くことなく、二酸化炭素を回収する際
の冷却熱量の低減を可能にしてランニングコストを減少
させることができるメタノールの製造方法を提供するこ
とができる。
プラントの一例を示す概略図。
プラントの一例を示す概略図。
例を示す概略図。
Claims (4)
- 【請求項1】 改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて
水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成
する合成ガス製造工程と、 前記合成ガスをメタノール合成触媒上で反応させて粗メ
タノールを生成し、その粗メタノールを冷却後にガス成
分と液状粗メタノールとに気液分離して液状粗メタノー
ルを得るメタノール合成工程と、 前記液状粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び
高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離
する蒸留工程とを含むメタノールの製造方法であって、 前記改質器から排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を
二酸化炭素回収装置で回収し、回収した二酸化炭素を改
質器の上流側及び下流側のいずれか一方又は両者に供給
する際、前記メタノール合成工程からのパージガスの一
部は改質器の燃焼輻射部で燃料の一部として利用され、
そのパージガスの残部は他の熱源の燃料として利用され
ることを特徴とするメタノールの製造方法。 - 【請求項2】 前記メタノール合成工程からのパージガ
スの一部は、前記改質器の燃焼輻射部で燃料の一部とし
て利用され、そのパージガスの残部は他の熱源の燃料及
び/又は原料ガスの脱硫用として利用されることを特徴
とする請求項1記載のメタノールの製造方法。 - 【請求項3】 前記メタノール合成工程からのパージガ
スは、前記改質器における燃焼輻射部の燃料以外の他の
熱源の燃料及び/又は原料ガスの脱硫用として利用され
ることを特徴とする請求項1記載のメタノールの製造方
法。 - 【請求項4】 前記他の熱源の少なくとも一つがボイラ
であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載
のメタノールの製造方法。
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