JP2007253802A - 車両の空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
車室13の前部13Aから後部13Cに亘って設けられその内部で空気が流通する空調管路15内に空気を供給する送風機21と、車室13の前部13Aにおける空調管路15上に設けられた前部送風口17と、車室13の後部13Cにおける空調管路15上に設けられた後部送風口19と、前部送風口17と後部送風口19との間における空調管路15上に設けられた中部送風口18と、後部送風口18の上流側における空調管路15内に設けられ管路内空気の流量を可変に制限する空気流量制限手段26とを備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
例えば、以下の特許文献1には、前席1列、後席2列という比較的大型の乗用車に、2つのヒータユニット(フロントヒータおよびリアヒータ)を設け、これらの双方から送出される暖気により、車内の空調を行なう技術が開示されている。
他方、ヒータユニットを1つにするという手法も考えられるが、このような手法では、例えば、車内の特定の部分における気温が高くなりすぎたり低くなりすぎたりする現象が生じ、きめ細やかな空調制御をすることはできない。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、低コストで且つ車重の増大を防ぎ、レイアウトの自由度を確保しながら、車内全体の空調をバランスよく行なうことを可能とするとともに、車内の部分的な空調制御も可能とすることで、種々の態様で車内の空調をきめ細やかに制御することができる、車両の空調装置を提供することを目的とする。
また、請求項3記載の本発明の車両の空調装置は、請求項1または2記載の内容において、該車内の前部に設けられ、該前部送風口,該中部送風口および該後部送風口のうち該空気流量制限手段よりも下流側に位置するものから送出される空気に対する空調指示が入力される第1操作部と、該車内の中部および後部に近接して設けられ、該空調指示が入力される第2操作部と、該第1操作部または該第2操作部からの該空調指示に応じて該空気流量制限手段による該管路内空気の流量の制限度合いを変更する空気流量制御手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の車両の空調装置は、請求項4記載の内容において、第2ヒータ制御手段は、該第1操作部または該第2操作部からの該空調指示に応じて該第2ヒータを作動させることを特徴としている。
また、第1ヒータにより前部送風口および中部送風口から車内に導入される空気を加熱することが可能となるとともに、第1ヒータから離れた位置にある後部送風口から車内に導入される空気を第2ヒータにより再加熱することもできる。(請求項2)
また、車内の中部あるいは後部にいる乗員だけではなく、車内の前部にいる乗員であっても車内の空調を行なうことができ、各乗員のニーズにあった車内空調を実現することができる。(請求項3)
また、空気流量制限手段が管路内空気の流通を許可している場合に第2ヒータを作動させるので、第2ヒータによって暖められた空気を適切に車内へ導入することができる。(請求項4)
また、第1操作部または第2操作部に入力された空調指示に応じて第2ヒータを作動させるので、不要な電力消費を避けることができる。(請求項5)
また、この車両10には、エンジンルーム11の後方に車室13が設けられている。
また、車室13の中部13Bには、図示しない乗員席が2つ設けられている。この車室中部13Bに備えられている乗員席を2列目シートという。
また、車室13の後部13Cにも、図示しない乗員席が2つ設けられている。この車室後部13Cに設けられている乗員席を3列目シートという。
また、このヒータコア14とエアダクト15との間には、エアミックスダンパ(図示略)が設けられ、ヒータコア14を通過してエアダクト15に導入される空気の量を変更することができるようになっている。
なお、車室13の前部13Aに設けられたアウトレットを1列目アウトレット(前部送風口)17,車室13の中部13Bに設けられたアウトレットを2列目アウトレット(中部送風口)18,そして、車室13の後部13Cに設けられたアウトレットを3列目アウトレット(後部送風口)19という。また、1列目アウトレット17から車室13に導入される空気(図1中矢印F17参照)の量を「1列目送風量」といい、また、2列目アウトレット18から車室13に導入される空気(図1中矢印F18参照)の量を「2列目送風量」といい、また、3列目アウトレット19から車室13に導入される空気(図1中矢印F19参照)の量を「3列目送風量」という。
また、主管路22のうち、1列目副管路23と2列目副管路24との間の部分をA管路22Aといい、また、2列目副管路24と3列目副管路25との間の部分をB管路22Bという。
これらのうち、シャットダンパ26は、B管路22B内を開閉することで、このB管路22B内を流れる空気の流量を可変に制限するものである。なお、この図2においては、シャットダンパ26の開度が全開である場合を示し、また、図3においては、シャットダンパ26の開度が全閉である場合を示している。
なお、このステッパモータ(開閉検出手段)には、ポジションフィードバック機能が備えられており、シャットダンパ26が開状態であるのか或いは閉状態であるのかを検出するようになっている。
また、車室13の1列目シートよりも前方には、インストルメントパネル(図示略)が設けられ、そして、このインストルメントパネルには図4に示すフロント操作パネル30が設けられている。
このうち、温度調整スイッチ31は、ダイアル式のスイッチであって、時計回り方向に回動されることにより、ヒータコア14下流のエアミックスダンパ(図示略)の開度を増大させ、ヒータコア14を通過する風量を増やすことにより、エアダクト15内を流通する空気(管路内空気)の温度を上昇させることができるようになっている。
他方、このフロント風量スイッチ32が反時計回り方向に回動されることにより、ブロアファン21のファンモータへ供給される電流が段階的に減少し、ブロアファン21の回転速度を段階的に減少させ、また、最終的にオフ位置まで回動されることにより、ファンモータへ供給される電流がゼロとなり、ブロアファン21の回転を停止させるようになっている。
つまり、このリア送風スイッチ33は、乗員が3列目アウトレット19から車室13内へ暖かい空気F19を導入したいと希望する場合に、乗員によりプッシュ操作され、他方、乗員が3列目アウトレット19から車室13内へ導入されている暖かい空気F19の導入を停止したいと希望する場合に、乗員によりプッシュ操作されるものである。
そして、このリア操作パネル50には、リア送風停止スイッチ(停止スイッチ)52,リア送風弱スイッチ(弱スイッチ)53,リア送風中スイッチ(中スイッチ)54およびリア送風強スイッチ(強スイッチ)55が設けられている。なお、リア操作パネル50におけるこれらの弱スイッチ53,中スイッチ54および強スイッチ55のそれぞれを、リア風量調節スイッチ(第2操作部)という。
なお、このシャットダンパ制御部41は、フロント制御パネル30の風量調節スイッチ32がオフ位置になければブロアファン21が作動していると判定するようになっている。
条件(A):シャットダンパ26を駆動するステッパモータから受信した信号に基づき、シャットダンパ26が開状態であると判定されること。
条件(C):フロント制御パネル30のリア送風スイッチ33がオン状態となったこと。
また、このPTCヒータ制御部42は、PTCヒータ27を作動させているか否かを示す情報(PTCヒータ作動情報)を、空調ECU40のメモリ内に記録するようになっている。これにより、条件(C)が満たされているか否かが判定することができるようになっている。
また、このファン制御部43は、上記の条件(A)および以下の(E)が満たされた場合に、ブロアファン21のブロアモータに供給される電流を1段階増大させ、ブロアファン21の回転速度を1段階増大させるものである。
なお、ファン制御部43は、上記の条件(A)および(E)が満たされたとしても、ブロアモータに供給されている電流が既に最大である場合には、その最大電流を維持するようになっている。
まず、図6を用いてリア操作パネル50が操作された場合について説明する。
図6のステップS11に示すように、シャットダンパ制御部41は、リア操作パネル50の弱スイッチ53,中スイッチ54,強スイッチ55のうちいずれか1つがプッシュ操作されると(ステップS11のYesルート)、ブロアファン21が作動しているか否かを判定する(ステップS12)。
そして、シャットダンパ制御部41は、ブロアファン21が作動していると判定すると(ステップS12のYesルート)、シャットダンパ26のステッパモータに対してパルス信号を送信し、シャットダンパ26を開く(ステップS13)。
その後、PTCヒータ制御部42は、リア操作パネル50の強スイッチ55がオン状態となったことが検出されたか否かを判定する(ステップS15)。つまり、このステップS15における判定とは、上記の条件(B)が成立したか否かの判定である。
また、このとき、ファン制御部43は、ブロアファン21のブロアモータに供給される電流を1段階増大させ、ブロアファン21の回転速度を1段階増大させる。
他方、ステップS15において、強スイッチ55が操作されたのではなく(ステップS15のNoルート)、中スイッチ54が操作された場合(ステップS18のYesルート)においても、PTCヒータ制御部42は、PTCヒータ27を作動させる(ステップS19)。
他方、弱スイッチ53が操作された場合(ステップS18のNoルート)、PTCヒータ制御部42は、PTCヒータ27を作動させず、また、ファン制御部43もブロアファン21の回転速度を変更しない。
また、シャットダンパ制御部41からシャットダンパ26のステッパモータに対して、シャットダンパ26を開状態にするパルス信号が送信されたにもかかわらず、何らかの理由により、実際にはシャットダンパ26が開状態になっていない場合(ステップS14のNoルート)、PTCヒータ制御部42は、PTCヒータ27を作動させず、また、ファン制御部43もブロアファン21の制御を特に変更せず、そのままリターンする。
次に、図7を用いてフロント操作パネル30が操作された場合について説明する。
そして、シャットダンパ制御部41は、ブロアファン21が作動していると判定すると(ステップS22のYesルート)、シャットダンパ26のステッパモータに対してパルス信号を送信し、シャットダンパ26を開く(ステップS23)。
その後、PTCヒータ制御部42は、空調ECU40のメモリから、PTCヒータ作動情報を読込み、前回シャットダンパ26が開状態になった際にPTCヒータ27が作動していたと判定した場合には(ステップS25のYesルート)、PTCヒータ27を作動させ(ステップS26)、B管路22B内を流れる空気を熱する。つまり、このステップS25における判定とは、上記の条件(D)が成立したか否かの判定である。
このように、本発明の一実施形態に係る車両の空調装置によれば、1列目アウトレット17,2列目アウトレット18および3列目アウトレット19に対して共通のブロアファン21から空気を送出する構成とすることで、複数のブロアファンを設けることを廃し、車両10の重量増大を抑制するとともにコストダウンを図ることができ、且つ、車室13全体の空調をバランスよく行なうことができる。
また、車室13の最前部に設けられたヒータコア14により、主に、1列目アウトレット17から車室13に導入される空気F17および2列目アウトレット18から車室13に導入される空気F18を加熱することが可能となるとともに、ヒータコア14から離れた位置にある3列目アウトレット19から車室13に導入される空気F19をPTCヒータ27により再加熱することも可能となる。これにより、車室13を効率よく暖めることができる。
また、3列目アウトレット19から車室13に導入される空気F19を、車室13の前部にいる乗員、即ち、運転席に着座しているドライバや、助手席に着座している乗員が、フロント操作パネル30により調整することができるとともに、車室13の中部あるいは後部にいる乗員、即ち、2列目シートや3列目シートに着座している乗員も、リア操作パネル50により調整することができるので、各乗員のニーズにあった車室13の空調を実現することができる。
そして、このエアダクト65は、車両60の長手方向に延在する2本の主管路72から主に構成され、インレット66からエアダクト65内に導入された空気は、これらの2本の主管路72を通じて1〜3列目アウトレット17,18,19に送出されるようになっている。
そして、B管路内72Bには、それぞれ、シャットダンパ26と、PTCヒータ27とが設けられている。
なお、このステッパモータ(開閉検出手段)には、ポジションフィードバック機能が備えられており、シャットダンパ26が開状態であるのか或いは閉状態であるのかを検出することができるようになっている。なお、この空調ECU40は、図1に示す空調ECU40と同じものであるので、ここでは、空調ECU40による制御内容や作用などについての説明は省略する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上述の実施形態および変形例においては、シャットダンパ26が、単に全開/全閉となる構成について説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、シャットダンパ26の開度を自在に変更できるようにしてもよい。また、このシャットダンパ26に換えて、空気流量を調整できる空気流量調整弁を用いるようにしてもよい。
また、上述の実施形態および変形例においては、車室13にヒータコア14を設け、また、B管路22A,72B内にPTCヒータ27を設けた場合について説明したが、このような構成に限定するものではない。例えば車室13やB管路22A,72B内にエアコン装置のエバポレータを設け、車室13を冷却する構成としてもよい。
13 車内
13A 車内前部
13C 車内後部
14 ヒータコア(第1ヒータ)
15,65 エアダクト(空調管路)
17 1列目アウトレット(前部送風口)
18 2列目アウトレット(中部送風口)
19 3列目アウトレット(後部送風口)
21 ブロアファン(送風機)
26 シャットダンパ(空気流量制限手段)
27 PTCヒータ(第2ヒータ)
33 リア送風スイッチ(第1操作部)
41 シャットダンパ制御部(空気流量制限手段)
42 PTCヒータ制御部(第2ヒータ制御手段)
53 リア送風弱スイッチ(リア風量調節スイッチ)
54 リア送風中スイッチ(リア風量調節スイッチ)
55 リア送風強スイッチ(リア風量調節スイッチ)
Claims (5)
- 車内の前部から後部に亘って設けられその内部で空気が流通する空調管路と、
該空調管路内に空気を供給する送風機と、
該車内の前部における該空調管路上に設けられ該空調管路内を流れる空気である管路内空気を該車内へ送出する前部送風口と、
該車内の後部における該空調管路上に設けられ該管路内空気を該車内へ送出する後部送風口と、
該前部送風口と該後部送風口との間における該空調管路上に設けられ該管路内空気を該車内へ送出する中部送風口と、
該後部送風口の上流側における該空調管路内に設けられ該管路内空気の流量を可変に制限する空気流量制限手段とを備える
ことを特徴とする、車両の空調装置。 - 該送風機に近接して設けられた第1ヒータと、
該後部送風口よりも上流側の該空調管路内に設けられた第2ヒータとを備える
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の空調装置。 - 該車内の前部に設けられ、該前部送風口,該中部送風口および該後部送風口のうち該空気流量制限手段よりも下流側に位置するものから送出される空気に対する空調指示が入力される第1操作部と、
該車内の中部および後部に近接して設けられ、該空調指示が入力される第2操作部と、
該第1操作部または該第2操作部からの該空調指示に応じて該空気流量制限手段による該管路内空気の流量の制限度合いを変更する空気流量制御手段とを備える
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両の空調装置。 - 該空気流量制限手段が該管路内空気の流通を許可している場合に該第2ヒータを作動させる第2ヒータ制御手段とを備える
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の車両の空調装置。 - 第2ヒータ制御手段は、該第1操作部または該第2操作部からの該空調指示に応じて該第2ヒータを作動させる
ことを特徴とする、請求項4記載の車両の空調装置。
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2006
- 2006-03-23 JP JP2006081120A patent/JP2007253802A/ja active Pending
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