JP2007253573A - 表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料とその成形方法。 - Google Patents

表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料とその成形方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】平滑な表面あるいは複雑な形状・模様の意匠性表面を有する繊維強化プラスチック成形品を得るための、ハイブリッド複合材料を提供すること。
【解決手段】
コア層とその片面又は両面に積層配置された表層とからなるハイブリッド複合材料であって、コア層がマトリックス樹脂と繊維強化材とから形成されており、表層が熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成されている表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料。チョップドストランド・プリプレグは、繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、繊維軸方向の長さが15〜45mm、厚さが0.13mm以下のもので、繊維配向がランダムになるように積層されたものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形品として利用される、表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料とその成形方法に関する。
繊維強化プラスチック成形品は、通常、繊維強化材とマトリックス樹脂とからなる複合材料を用いて、オートクレーブ成形法、樹脂トランスファー成形法(RTM法)、レジンフィルムインフュージョン成形法(RFI法)等の方法で成形される。オートクレーブ成形法では、いわゆるプリプレグが主として用いられ、RTM法又はRFI法では、繊維強化材を型に敷設した後、型のキャビティーにマトリックス樹脂を注入する方法、あるいは樹脂フィルムを型に敷設し、その上に繊維強化材を配置し、加熱によって樹脂を溶融含浸させる方法等で、繊維強化プラスチック成形品が製造される。
オートクレーブ成形法、RTM法、RFI法等で使用する繊維強化材は、通常織物等のシート状に加工した繊維強化材を用いる。シート状の繊維強化材としては様々な形態のものがあるが、織物、多軸織物が汎用されている。織物、多軸織物等のシート状繊維強化材を、繊維強化プラスチック成形品の表面に配置する場合、織目の凹凸、多軸織物のステッチ部の凹凸が成形品の表面に現れるため、成形品の平滑性が損なわれる欠点がある。
多軸織物を使用した場合、表面平滑性を向上させる方法として、多軸織物のステッチ糸に低融点ポリマーを使用し、繊維強化プラスチック成形品を成形する際、低融点ポリマーの融点以上で加熱成形し、ステッチ糸を溶融する方法が紹介されている(特許文献1)。しかし、低融点ポリマーをステッチ糸に使用した多軸織物を用いた場合でも、ステッチ糸が溶融される前の形状が保持され、ステッチ糸の周辺には、僅かな凹みが観察され、表面を完全に平滑にするのは困難である。また、表面平滑性を向上させる方法として、成形品の表面に、不織布等のサーフェースマットの使用やゲルコート剤を使用する方法が実施されている。しかし、サーフェースマットを使用しても、サーフェースマットの材質、厚み及びサーフェースマット材の下の層に使用する繊維強化材の種類によっては、製品表面が平滑にならないことがある。
特開2002−227066号公報
あるいはまた、表面に複雑な形状・模様を有する繊維強化プラスチック成形品を成形するためには、織物、多軸織物等のシート状繊維強化材を用いたものでは、複雑な形状・模様が十分に形成されない。かかる場合に、表層部分にチョップドストランド・プリプリグを配置する方法も知られているが、従来の方法では機械的物性が低下するといった問題があった。
本発明の目的は、平滑な表面あるいは複雑な形状・模様の意匠性表面を有する繊維強化プラスチック成形品を得るための、ハイブリッド複合材料を提供することにある。
本発明の請求項1に記載された発明は、コア層とその片面又は両面に積層配置された表層とからなるハイブリッド複合材料において、コア層がマトリックス樹脂と繊維強化材とから形成されており、表層が熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成されていることを特徴とする表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料である。
請求項2に記載された発明は、チョップドストランド・プリプレグが、該プリプレグの繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜45mm、そして該プリプレグの厚さが0.13mm以下のものである請求項1記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料である。
請求項3に記載された発明は、表層が、チョップドストランド・プリプレグを繊維配向がランダムになるように積層して形成されたものである請求項1又は2記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料である。
請求項4に記載された発明は、コア層が、熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたものである請求項1〜3のいずれか1項記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料である。
請求項5に記載された発明は、熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたコア層の、片面又は両面に、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成された表層を積層配置し、次いで、該積層体を加熱して表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料を成形するに際し、前記チョップドストランド・プリプレグを繊維配向がランダムになるように積層配置することを特徴とする表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料の成形方法である。
そして、請求項6に記載された発明は、チョップドストランド・プリプレグから形成された表層として、その表層を予め加圧及び/又は部分接着によってシート状に一体化したものを用いることを特徴とする請求項5記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料の成形方法である。
本発明のハイブリッド複合材料は、チョップドストランド・プリプレグから形成された表層と、マトリックス樹脂と繊維強化材とから形成されたコア層のハイブリッド構成になっているため、複合材料表面に凹凸が無く、表面平滑な成形面が得られる。そしてまた、本発明によると、複雑な形状・模様に対応した意匠性(平滑性、光沢性、凹凸等)表面を有し、且つ、機械的物性にも優れた繊維強化複合材料(成形品を含む)が得られる。
本発明のハイブリッド複合材料は、マトリックス樹脂と繊維強化材とから形成されたコア層の、片面又は両面に、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成された表層が積層配置されているものである。そして、本発明においてハイブリッド複合材料というときには、最終的に成形加工された繊維強化プラスチック成形品を含むことはもちろん、成形品に成形する前の中間複合材料(コア層及び/又は表層が部分的に一体化されている状態の中間材)をも含むものである。また、複合材料は、最終的に、種々の用途の繊維強化プラスチック成形品とされる場合に、複合材料を構成する表層の外表面に、意匠性樹脂層が、塗装その他の方法で形成される場合があるが、かかる態様のものも、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明のコア層に用いられる、繊維強化材としては、特に制限はなく、通常の複合材料に使用される無機繊維、有機繊維、金属繊維またはそれらの混合からなる繊維を使用することができる。無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維などが挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン、ポリエステル等の有機繊維が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が使用可能であり、また金属を被覆した炭素繊維等もある。繊維としては、機械的物性の点で、フィラメント、ストランド、紡績糸、トウ等の連続繊維状のもの(連続繊維強化材)が好ましい。本発明において特に好ましいのは、炭素繊維である。炭素繊維の場合、800〜1600tex、12K〜24Kフィラメントのストランドが好ましい。
繊維強化材の形態としても、特に制限は無いが、本発明の目的から、織物、多軸織物、ノンクリンプ織物(特開昭55−30974号参照)等に加工したシート状物が適当である。例えば、織物としては、平織、綾織、朱子織、バイアス織が挙げられる。多軸織物のとは、一方向に引き揃えた繊維強化材の束をシート状にして角度を変えて積層し、ナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等のステッチ糸で、この積層体を厚さ方向に貫通して、積層体の表面と裏面の間を表面方向に沿って往復しステッチした織物をいう。繊維強化材の目付けについては特に制限はないが、例えば、多軸織物の場合には、目付けは100〜2000g/m程度が適当である。
本発明のコア層を形成するマトリックス樹脂としては、通常、成形品の製造に用いられる樹脂が使用できるが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂なる群から選ばれた1種若しくは2種以上の樹脂等が挙げられる。また、用途によっては、一部熱硬化性樹脂と混合して用いることもできる。中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたポリアミド樹脂やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂が、特に好ましい。これらの熱可塑性樹脂には、通常用いられる着色剤や各種添加剤等が含まれていてもよい。コア層のマトリックス樹脂の含有率は、通常、10〜70重量%にあるのが適当である。
コア層は、繊維強化材にマトリックス樹脂を含浸させることによって形成されるが、例えば、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、フィルム、不織布、マット、織編物状の樹脂を加熱溶融して繊維強化材に含浸させる方法(溶融含浸法)、粉末状の樹脂を流動床法や懸濁法によって繊維強化材に塗布・融着させる方法(パウダー法)、樹脂を溶液化し、繊維強化材に含浸後溶媒を除去する方法(溶液含浸法)等いずれの方法を用いても良い。本発明において、熱可塑性樹脂のメルトブロー不織布(特開2005−220447号参照)を用いると、この不織布は細い繊維で構成されているために、繊維強化材への含浸性が良く、好ましいコア層が得られる。樹脂の目付けは特に限定されないが、5〜100g/m程度が適当である。また、メルトブロー不織布の場合は、繊維径が2〜20μm、目付けが5〜100g/m程度のものが好ましい。
本発明の表層は、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成されているが、熱可塑性樹脂やプリプレグの繊維強化材の種類は、前記したコア層におけるものと同様である。
チョップトストランド・プリプレグとは、熱可塑性樹脂をマトリックスとした一方向配列ストランド(繊維束)を、例えば、5mmから50mm程度の繊維長に切断した小片のプリプレグである。本発明においてはどのようなチョップトストランド・プリプレグでも使用できるが、特に好ましいチョップドストランド・プリプレグは、プリプレグの繊維体積含有率(Vf)が20〜50%で、プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜45mmで、そしてプリプレグの厚さが0.13mm以下のものである。そして、また、本発明においては、表層を形成するに際して、チョップドストランド・プリプレグを繊維配向が、ランダムになるように積層して形成するのが好ましい。かかるチョップドストランド・プリプレグを表層に用いることによって、リブなどの凹凸にチョップドストランド・プリプレグが流動し、平滑且つ精密に賦型が行われる。
本発明において用いられるチョップトストランド・プリプレグは、繊維強化材のストランド(繊維束)を、厚さが0.1mm以下になるように引き揃え、次いで引き揃えた繊維束に熱可塑性樹脂を繊維体積含有率(Vf)が20〜50%の範囲になるように付与し、形成された繊維強化熱可塑性樹脂シートを長手方向に対し、所望の幅、好ましくは10〜30mmで、繊維軸方向の長さが5〜50mm、好ましくは15〜45mmの範囲になるように裁断することによって得られる。繊維強化材のストランドは、無撚のものでも、あるいは有撚のものでもかまわないが、引き揃えに際しては、ストランドをできるだけ開繊させるのが好ましい。熱可塑性樹脂の付与方法は、特に限定されるものではない。例えば、直接溶融した熱可塑性樹脂を繊維強化材のストランドに含浸する方法、フィルム状の熱可塑性樹脂を溶融して繊維強化材のストランドに含浸させる方法、粉体状の熱可塑性樹脂を溶融して繊維強化材のストランドに含浸させる方法などがある。樹脂を含浸した繊維強化材のストランドの裁断の方法は特に限定されないが、ペレタイザ−、ギロチン方式、コダック方式等のカッタ−が利用できる。
チョップドストランド・プリプレグは、繊維配向がランダムになるように均一にコア層に堆積・積層されるのが好ましい。チョップドストランド・プリプレグを、ランダムに均一に堆積・積層させる方法としては、例えば、連続的に生産する場合は、裁断して得られたプリプレグを直接高い位置から自然落下させ、スチールベルト等のベルトコンベア−上のコア層に堆積させる方法や、落下経路にエア−を吹き込むか、若しくは、邪魔板を取り付ける方法などが考えられる。バッチ式の製造の場合は、裁断したプリプレグを容器に蓄積しておき、この容器の下面に搬送装置を取り付け、シート製造のための金型等へ分散させる方法などが考えられる。
本発明のハイブリッド複合材料は、熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたコア層の、片面又は両面に、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成された表層を積層配置し、次いで、この積層体を加熱して成形・製造することができる。その際、チョップドストランド・プリプレグを前記のような方法・手段で、繊維配向がランダムになるように積層配置するのが好ましい。
本発明のハイブリッド複合材料を成形・製造するに際し、チョップドストランド・プリプレグは、コア層の上にチョップ状のまま積層配置しても良いが、あるいは、チョップドストランド・プリプレグからなる層を予め加圧及び/又は部分接着によってシート状に一体化しておき、かかる表層をコア層に積層・配置してハイブリッド複合材料を成形・製造することもできる。シート状にする方法・手段としては、例えば、スチールベルト上に堆積したプリプレグ層を、スチールベルトごと熱ロール間に通すことによって加熱・加圧して、あるいは間欠プレスすることによって、熱可塑性樹脂を一部溶融させ繊維強化材と部分的に一体化させる方法がある。部分的に一体化する方法としては、その他にも、例えば、ベルトプレスにより加熱冷却を連続して行う方法、遠赤外線ヒータによって予熱した後、コールドプレスする方法、あるいは加熱冷却プレスを用いるバッチ方式などが考えられる。特に好ましいのは、チョップドストランド・プリプレグを、繊維配向がランダムになるようにスチールベルト上に積層し、次いでこの該積層物を、ダブルベルトプレス、間欠ホットプレス又は熱ロールを用いて150〜400℃で0.1〜10MPaで加熱・加圧処理する方法である。
本発明のハイブリッド複合材料の表層の外表面(コア層に接している面ではない方の面)には、塗装等によって意匠性樹脂層を形成することもできる。かかる樹脂層を形成するためには、例えば、アクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系、シリコーン系、エポキシ系の樹脂を用いることができ、樹脂層には、染料や顔料などの着色剤を添加することもできる。かかる樹脂層は、ハイブリッド複合材料の表面に、意匠性樹脂層を塗布する方法、例えば、スプレー、バーコーター、ダイコーター、スピンナー方法によって形成することができる。
本発明において、熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたコア層の、片面又は両面に、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成された表層を積層配置し、次いで、この積層体を加熱して表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料を成形する方法・手段としては、従来公知の方法、例えば、金型プレス法、オートクレーブ法、加熱・冷間プレス法、樹脂トランスファー成形法(RTM法)、レジンフィルムインフュージョン成形法(RFI成形法)を採用することができる。この際、複合材料中の繊維体積含有率(Vf)あるいは樹脂含量を調整するために、必要に応じて、熱可塑性樹脂を追加積層することもできる。最終の成形品中の熱可塑性樹脂の含有率は、通常、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%が適当である。
以下、実施例により、本発明を詳述する。繊維体積含有率(Vf)の測定は、JIS K 7075の方法に準じて行った。曲げ強度と曲げ弾性率の測定は、JIS K 7017に従って行った。表面平滑性、および形状付与性は、得られた複合材料の表面を目視評価することによって行った。樹脂含浸性は断面を目視することによって評価した。目視評価の基準は、非常に良い(◎)、良い(○)、やや劣る(△)、劣る(×)の4段階で評価した。
[実施例1〜2]
炭素繊維HTA−12K(800tex、12,000本のストランド、東邦テナックス社製)を使用し、長繊維を一方向に配向した目付40g/m2 の炭素繊維ストランドのシート状物に、PA6フィルム(ナイロン6、ユニチカ社製、目付28.75g/m)を重ね、230〜260℃に加熱して、PA6フィルムをシート状物に溶融含浸させた。得られた樹脂含浸シート状物は、厚さは0.07〜0.08mmであった。繊維体積分率は30%であった。
上記で得られた樹脂含浸シート状物を、幅20mm(1ストランド分)にスリットした後、ギロチン方式の裁断機を用いて、長さ25mmに裁断しながら、得られたチョップドストランド・プリプレグを、スチールベルトのベルトコンベア−上に落下・堆積させた。プリプレグは繊維配向がランダムになるようにスチールベルト上に積層した。そして、引き続き、積層物を、熱ロールを用いて230〜260℃で0.5〜1.5MPaで加熱・加圧処理し、本発明で用いられる表層を製造した。
炭素繊維HTA−12K(東邦テナックス社製)を使用した多軸織物(+45/−45/−45/+45の角度で4枚積層したもの、ストランド間の隙間が0.1mm、織物の目付800g/m)を、幅500mm、長さ500mmにカットした。700×700mmの離型処理した金型に、上記で得られた表層(幅500mm、長さ500mmにカットしたもの)を敷設し、その上に前記多軸織物を2枚配置し、その上に更に表層を積層配置した。2枚の多軸織物の間、及び多軸織物と表層の間には熱可塑性樹脂であるナイロン6のメルトブローマット又はフィルムを挟んだ。次いで、金型を形締めし、1MPaの圧力下で250℃に0.5時間プレス成形した。得られた成形品の特性を表1に示した。なお、ナイロン6のフィルムとしては、目付28.75g/mのものを用いた(ナイロン6、ユニチカ社製)。また、ナイロン6のメルトブローマットとしては、目付100g/mのものを用いた(クラレ社製)。
[比較例1〜2]
表層を用いないで、実施例1と同様にして複合材料を成形し、得られた成形品の特性を表1に示した。
[比較例3〜4]
表層に熱可塑性樹脂を用いて、実施例1と同様にして複合材料を成形し、得られた成形品の特性を表1に示した。
Figure 2007253573
[実施例3]
実施例1の多軸織物の代わりに、炭素繊維HTA−3K(東邦テナックス社製)を使用した平織物W-3101(目付200g/m)を8枚使用した以外は、実施例1と同様な方法で、本発明のハイブリッド複合材料を得た。複合材料の断面厚みを測定したところ、表層が0.2mm、コア層が1.6mm、裏側表層が0.2mmであった。得られた複合材料の表面を目視評価したところ、凹凸が無くきれいな表面であった。
[実施例4]
実施例3で作製した複合材料の表面を、#600番のサンドペーパーで研磨後、スプレーガンでウレタン塗装(関西ペイント製
レタンPG2Kホワイト)を行った。塗装の厚みは0.1mmであった。得られた複合材料の表面を目視評価したところ、凹凸が無くきれいな表面であった。

Claims (6)

  1. コア層とその片面又は両面に積層配置された表層とからなるハイブリッド複合材料において、コア層がマトリックス樹脂と繊維強化材とから形成されており、表層が熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成されていることを特徴とする表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料。
  2. チョップドストランド・プリプレグが、該プリプレグの繊維体積含有率(Vf)が20〜50%、該プリプレグの繊維軸方向の長さが15〜45mm、そして該プリプレグの厚さが0.13mm以下のものである請求項1記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料。
  3. 表層が、チョップドストランド・プリプレグを繊維配向がランダムになるように積層して形成されたものである請求項1又は2記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料。
  4. コア層が、熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたものである請求項1〜3のいずれか1項記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料。
  5. 熱可塑性樹脂と連続繊維強化材とから形成されたコア層の、片面又は両面に、熱可塑性樹脂のチョップドストランド・プリプレグから形成された表層を積層配置し、次いで、該積層体を加熱して表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料を成形するに際し、前記チョップドストランド・プリプレグを繊維配向がランダムになるように積層配置することを特徴とする表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料の成形方法。
  6. チョップドストランド・プリプレグから形成された表層として、その表層を予め加圧及び/又は部分接着によってシート状に一体化したものを用いることを特徴とする請求項5記載の表面平滑性に優れたハイブリッド複合材料の成形方法。

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