JP2007253510A - 光学物品の製造方法 - Google Patents

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Kiyoko Matsuno
聖子 松野
Yuichiro Shimizu
雄一郎 清水
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Abstract

【課題】本発明は、スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法において、スタンパの凹凸型面から容易に剥離でき、光学物品の微細な凹凸パターン形状の歪みを抑制すると共に、紫外線による劣化を防止する光学物品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法であって、前記スタンパが放射線透過性を有しており、放射線の照射はスタンパ側から行うことを特徴とする光学物品の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法において、光学物品の微細な凹凸パターン形状の歪みを抑制すると共に、紫外線による劣化を防止する光学物品の製造方法に関する。
従来の微細パターンを有する光学物品の製造方法は、光学物品がレンズシートである場合を例に挙げると、表面にレンズパターンを有する金属版を用い、版のパターン上に電離放射線硬化型樹脂を注入または塗工し、その上から基材をラミネートした状態でUV照射を基材側から行うため、基材には紫外線透過性が必要であり、紫外線吸収性を有するものは使用できない。
また、電離放射線硬化型樹脂は硬化時にある一定の収縮率をもっており、従来の製造方法を用いると、電離放射性硬化型樹脂は基材側から次第に硬化し、微細パターン面側が最後に硬化するため、パターン形状に歪みが生じてしまう。精密な形状を要求される光学物品において改善すべき問題であった。さらに、基材側からの硬化は、金属版からの剥離強度が高くなり、剥離ムラ等の成形不良の原因となっている。
従来の光学物品の製造方法で用いる版は金属版であるが故、基材側からの照射に限られ、電離放射線硬化型樹脂を用いて成形を行うには、基材は電離放射線透過性を有するものに限定され、光学物品がレンズシートである場合には製品となった際に、紫外線(UV)耐性があまりないため、外光の紫外線によりレンズシートを構成する樹脂が劣化して脆弱化や黄変などの問題が生じてしまう。また、基材側からの樹脂の硬化は、パターン形状面部分が比較的遅れて硬化するため、金属版から剥離し難く、歪み等を生じて成形不良が起こり易く、収率の低下につながる問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法において、スタンパの凹凸型面から容易に剥離でき、光学物品の微細な凹凸パターン形状の歪みを抑制すると共に、紫外線による劣化を防止する光学物品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための解決手段として、請求項1記載の発明は、スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法であって、
前記スタンパが放射線透過性を有しており、放射線の照射はスタンパ側から行うことを特徴とする光学物品の製造方法である。
また、請求項2記載の発明は、前記基材には、紫外線吸収剤が含有することを特徴とする請求項1記載の光学物品の製造方法である。
本発明により、スタンパの微細な凹凸を有する型面から成形品の剥離が容易になり、光学物品の微細な凹凸パターン形状の歪みを抑制することで、パターン形状の高い再現性を実現することができる光学物品および紫外線による脆弱化や変色(黄変)等の劣化を防止する光学物品を高効率で製造できる光学物品の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の光学物品の製造方法の一実施形態について説明する。図1は、本発明の光学物品の製造方法の一例を説明する説明図である。図2は、本発明の光学物品の製造方法において成形品(光学物品)のスタンパからの剥離性を説明する説明図である。
本発明は、図1で示すように、スタンパ(透明成型版)Cの微細な凹凸を有する型面と反対側から紫外線(UV)を通常は平行光で照射D,Eを行い、基材A上に、放射線硬化型樹脂Bをスタンパの凹凸型面側から硬化させていくことにより、成形品(光学物品)のスタンパCからの剥離性を改善し、光学物品の微細な凹凸パターン形状の歪みを抑制することでパターン形状の高い再現性を実現することができる。特に、レンズなどの光学物品の成形に用いる製造方法として好適であり、スタンパCの材質は、放射線透過性が高いことが要求される。さらに、使用する放射線硬化型樹脂Bと同等程度の屈折率を有するものを選択すると、スタンパCと放射線硬化型樹脂Bとの界面でUV光反射などのロスや屈折、集光による露光ムラをなくすことが可能であり、例えば、石英ガラスなどが好適に使用される。
上記のスタンパの凹凸型面と反対側から照射されるUV光は、光軸が平行なままでスタンパを透過し、凹凸型面に到達する。図2で示すように、スタンパの凹凸型面と基材の間には放射線硬化型樹脂が充填あるいは塗布されて満たされており、その樹脂の硬化は凹凸型面外郭側より開始され、次第に基材側へと硬化が進行する。
放射線硬化型樹脂の硬化には僅かな収縮が伴うため、図2において小矢印で示すように、樹脂は凹凸型面外郭側より収縮し、凹凸パターン内部側へ僅かに引っ張られるため、成形品(光学物品)がスタンパの凹凸型面の表面から剥がれ易い状態になり、剥離が容易になる。
また、本発明においてはスタンパ側からUV光を照射し、スタンパの凹凸型面外郭側から硬化させることで、従来の基材側からUV光を照射し硬化させた場合よりも、基材に転写された凹凸パターン形状は樹脂の硬化収縮による歪みが現れ難く、微細な凹凸パターンであっても高い形状再現性を得ることができる。
スタンパの微細な凹凸型面を転写する方法として、プレス法、キャスティング法等における、平面スタンパまたはロールスタンパの微細な凹凸型面に放射線硬化型樹脂を塗布または充填し、その上に基材を配置し、硬化処理後、スタンパから離型するという方法で光学物品を得ることができる。
本発明で使用されるスタンパは公知の技術を用いて作製され、その作製方法は特に限定されるものではない。
本発明の光学物品の製造方法の一例を説明する説明図である。 本発明の光学物品の製造方法において成形品(光学物品)のスタンパからの剥離性を説明する説明図である。
符号の説明
A:基材
B:放射線硬化型樹脂
C:スタンパ(透明成型版)
D:UV光
E:UV光源
F:樹脂の硬化収縮を表す矢印

Claims (2)

  1. スタンパの微細な凹凸を有する型面に放射線硬化型樹脂を塗布もしくは充填し、基材を積層した後、放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂の硬化物と前記基材とを重合接着させる工程を含む光学物品の製造方法であって、
    前記スタンパが放射線透過性を有しており、放射線の照射はスタンパ側から行うことを特徴とする光学物品の製造方法。
  2. 前記基材には、紫外線吸収剤が含有することを特徴とする請求項1記載の光学物品の製造方法。
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