JP2004317755A - 光学素子及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の樹脂層を有する光学素子で、特性の劣化を起こしにくいもの、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】紫外線に対して透明な基板1と型2を対向させてその間に隙間を作る。(a)。そして、隙間に紫外線型硬化樹脂3を充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線型硬化樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線型硬化樹脂3により回折格子が形成される(c)。次に、紫外線型硬化樹脂3の表面に紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。その後、紫外線型硬化樹脂3に対向させて第2の型5を配置し、紫外線型硬化樹脂3との間に隙間を作る。そして、隙間に第2の紫外線型硬化樹脂6を射出成形等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線型硬化樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、2層の紫外線型硬化樹脂3、6からなる回折格子が形成される(g)。
【選択図】 図1
【解決手段】紫外線に対して透明な基板1と型2を対向させてその間に隙間を作る。(a)。そして、隙間に紫外線型硬化樹脂3を充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線型硬化樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線型硬化樹脂3により回折格子が形成される(c)。次に、紫外線型硬化樹脂3の表面に紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。その後、紫外線型硬化樹脂3に対向させて第2の型5を配置し、紫外線型硬化樹脂3との間に隙間を作る。そして、隙間に第2の紫外線型硬化樹脂6を射出成形等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線型硬化樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、2層の紫外線型硬化樹脂3、6からなる回折格子が形成される(g)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の積層された樹脂層を有する光学素子、及びその光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学素子の1種である回折格子は、ガラスや石英等の基板表面に凹凸を形成して製造される。そして、その回折格子部を保護したり、回折格子に入射する光を制御するために、回折格子の表面に樹脂からなる層が積層されることがある。又、光学素子には、複数の樹脂を成形して積層し、所定の光学特性を得るものがある。
【0003】
このような光学素子に使用される樹脂には、紫外線硬化型樹脂が使用されることが多い。すなわち、紫外線硬化型樹脂を注型成形等により充填し、その後、紫外線を照射することによって硬化させ、安定な樹脂層を形成する。
【0004】
ガラスや石英等で回折格子を製造する場合、その格子はエッチングプロセス等で形成されるので、工程が複雑になり高価なものとなる。そのため、このような回折格子を、樹脂により形成することが試みられている。樹脂による成形方法としては、例えばガラス等の透明な基板と、回折格子のパターンが形成された型との間に、ディスペンサー等により紫外線硬化型樹脂を充填し、その後、透明な基板側から紫外線を照射することによって硬化させて、回折格子を形成する。
【0005】
そして、その上に異なる屈折率を有する樹脂層を形成する場合には、前記回折格子パターンが形成された樹脂層と、型との間に、第2の樹脂を注型成形等により充填し、再び、透明な基板側から紫外線を照射することによって硬化させて、第2の樹脂層を形成する。その1例を図3に示す。
【0006】
まず紫外線に対して透明な基板11を用意し、それと型12を対向させてその間に隙間を作る。型12としては、通常金型が用いられる。この型12には、回折格子を構成する凹凸が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂13をディスペンサー等により充填し、基板11の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂13を硬化させる(b)。その後、型12を取り除くと、紫外線硬化型樹脂13により回折格子が形成される。
【0007】
その後、紫外線硬化型樹脂13に対向させて第2の型15を配置し、紫外線硬化型樹脂13との間に隙間を作る。第2の型15としては、通常金型が用いられる。紫外線硬化型樹脂13には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(d)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂16をディスペンサー等により充填し、基板11の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂16を硬化させる(e)。その後、第2の型15を取り除くと、2層の紫外線硬化型樹脂13、16からなる回折格子が形成される(f)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に有機物からなる紫外線硬化型樹脂は、過度に紫外線を照射すると変質して、例えば黄色着色が起こり、光学特性が劣化する。図3に示す工程では、(b)の工程と(e)の工程において2回紫外線照射が行われ、紫外線硬化型樹脂13は2回に亘って紫外線照射を受けることになる。このうち、(b)の工程は、紫外線硬化型樹脂13それ自身を硬化させるためのものであるので必要不可欠であるが、(e)の工程における紫外線照射は、紫外線硬化型樹脂13にとっては余分なものである。
【0009】
このように、複数層の紫外線硬化型樹脂を有する光学素子を形成しようとする場合、その一部の紫外線硬化型樹脂が不必要な過度の紫外線照射を受けざるを得ず、そのために発生する黄色着色等のために、実際には、所望の光学素子が形成できない場合があった。
【0010】
また、複数の樹脂を積層したり、複数の樹脂を、ガラスや石英等の樹脂以外の物質を挟んで設けて構成される光学素子は、その形状を型により形成できる。従って、研磨により形状を形成する光学素子に対して製造コストを低減し、かつ、非球面等の複雑な形状を有するものが製造しやすい。しかし、上記のような理由により、実際には、所望の特性のものが得られないという問題があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数の樹脂層を有する光学素子で、特性の劣化を起こしにくいもの、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、複数の積層された樹脂層を有する光学素子であって、前記複数の積層された樹脂層のうち、少なくとも2つの前記樹脂層の間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子(請求項1)である。
【0013】
後に説明するように、このような光学素子は、その製造工程において、硬化済の紫外線硬化型樹脂が不必要な紫外線照射を受けることが少なくなるので、変質したり黄色着色を起こしたりすることが少なくなる。なお、紫外線吸収層の変質層とは、紫外線照射により紫外線吸収層自身が変質することがあるので、このような変質した物質を意味し、これは本明細書全体において同じである。
【0014】
前記課題を解決するための第2の手段は、透明体の基板の両側に、少なくとも各1層の樹脂層を有する光学素子であって、前記透明基板と、少なくとも片側の樹脂層との間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子(請求項2)である。
【0015】
後に説明するように、このような光学素子も、その製造工程において、硬化済の紫外線硬化型樹脂が不必要な紫外線を受けることが少なくなるので、変質したり黄色着色を起こしたりすることが少なくなる。
【0016】
前記課題を解決するための第3の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により1層目の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記1層目の樹脂層に前記紫外線を照射して硬化させ、硬化した前記1層目の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により2層目の樹脂層を積層した後、前記基板と反対側から、前記2層目の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項3)である。
【0017】
本手段においては、2層目の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1層目の樹脂中に照射されにくい。よって、第1層目の樹脂が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。実質的に透明であるとは、当該光学素子としての機能を発揮できる程度に透明であることを言い、このことは、本明細書中において同様である。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、紫外線硬化型樹脂で形成された第1の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層と反対側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項4)である。
【0019】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂中に照射されにくい。よって、第1の樹脂が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項5)である。
【0021】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項6)である。
【0023】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、透明体の基板の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項7)である。
【0025】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
まず紫外線に対して透明な基板1を用意し、それと型2を対向させてその間に隙間を作る。型2としては、通常金型が用いられる。この型2には、回折格子を構成する凹凸が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂3をディスペンサー等により充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線硬化型樹脂3により回折格子が形成される(c)。
【0027】
次に、紫外線硬化型樹脂3の表面に、この回折格子が使用される波長域(「可視光、赤外光の少なくとも一方の波長域」に対して実質的に透明な紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。
【0028】
その後、紫外線硬化型樹脂3に対向させて第2の型5を配置し、紫外線硬化型樹脂3との間に隙間を作る。第2の型5としては、ガラスや石英等紫外線を透過する材料で形成したものを用いる。第2の型5には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(e)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂6をディスペンサー等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、2層の紫外線硬化型樹脂3、6からなる回折格子が形成される(g)。
【0029】
なお、この実施の形態においては、紫外線硬化型樹脂3を紫外線照射により硬化させるとき、基板1の裏面から紫外線を照射しているが、型2を紫外線を透過させる材料で形成し、型2の裏面側から紫外線を照射するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0030】
図2は、本発明の第2の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。この例は、板状平面形状を有するガラスや石英等の基板の両面に曲面の表面を有する樹脂材料を設けることにより、非球面レンズ等の複雑な表面形状を有する光学素子を、簡単に製造する方法の例を示すものである。
【0031】
まず紫外線に対して透明な基板1を用意し、それと型2を対向させてその間に隙間を作る。型2としては、通常金型が用いられる。この型2には、所定の形状が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂3をディスペンサー等により充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線硬化型樹脂3により所定の形状の表面を有する樹脂層が形成される(c)。
【0032】
次に、基板1の裏面に、この光学素子が使用される波長域(「可視光、赤外光の少なくとも一方の波長域」)に対して実質的に透明な紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。
【0033】
その後、基板1に対向させて第2の型5を配置し、基板1との間に隙間を作る。第2の型5としては、ガラスや石英等紫外線を透過する材料で形成したものを用いる。第2の型5には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(e)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂6をディスペンサー等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、基板1の両面に所定の曲面形状の表面を有する紫外線硬化型樹脂3、紫外線硬化型樹脂6からなる光学素子が形成される(g)。
【0034】
なお、この実施の形態においては、(b)の工程において基板1の裏面側から紫外線を照射しているが、型2を、ガラスや石英等の紫外線を透過する材料で作り、型2の裏面側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂3を硬化させるようにしてもよい。この場合は、(a)の工程に先立って、基板1の型2と対向する表面に紫外線吸収層4を成膜するようにしてもよい。その場合は、(d)の工程は必ずしも必要としない。
【0035】
【実施例】
(実施例)
直径30mm、厚さ3mmの平板基板(BK7)の成形面と金型を対向させ、その間にアクリル系紫外線硬化型樹脂(商品名RC−8720(大日本インキ化学工業製))の未硬化物を充填した。BK7の平面基板を通して、紫外線をを6000mJ/cm2照射し、第1の樹脂を硬化させた後雛型した。樹脂厚は200μm、第1の樹脂の屈折率は1.52であった。
【0036】
次に、第1の樹脂層の上に酸化セリウム系の紫外線吸収剤(商品名CP−1(多木化学製)を約1μm塗布し、紫外線吸収層を成膜した。
【0037】
さらに、第1の樹脂層に石英からなる型を対向させ、その間に第1の樹脂とは異なる第2のフッ素系紫外線硬化型樹脂の未硬化物を充填した。そして、石英からなる型を通して、紫外線を6000mJ/cm2照射し、樹脂を硬化させた後雛型した。樹脂厚は200μm、第2の樹脂の樹脂の屈折率は1.49であった。
【0038】
前記第2のフッ素系紫外線硬化型樹脂は、2,2,2,−トリフルオロエチルメタクレートと、2−Propenoicacid[5,5’−[9H−fruolene−9−ylidene]bis[(1,1’−biphenyl)−2−poly(oxy−2,1−ethanediyl)ester]と、メトキシジメチレングリコールメタクレートの混合物に光開始剤であるイルガキュア184(商品名:チバスペシャリティケミカルズ製)を添加したものである。
【0039】
こうして樹脂を2層積層した樹脂接合型光学素子が製作された。この光学素子においては、黄色味が見られなかった。さらに、波長380nmの光の透過率は90%であった。
【0040】
(比較例)
上記実施例のうち、紫外線吸収層を成膜しなかったこと、第2の樹脂層の成形型に石英からなる型ではなく金型を使用し、基板側から紫外線を照射して硬化させたこと以外は、実施例と同様な方法で、樹脂接合型光学素子を製作した。この光学素子においては、第1の樹脂に黄色味が見られた。さらに、波長380nmの光の透過率は70%であり、実施例に比較して大幅に低下していた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の樹脂層を有する光学素子で、特性の劣化を起こしにくいもの、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
【図3】従来の方法による光学素子の製造方法とその問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…基板
2…型
3…紫外線硬化型樹脂
4…紫外線吸収層
5…型
6…紫外線硬化型樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の積層された樹脂層を有する光学素子、及びその光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学素子の1種である回折格子は、ガラスや石英等の基板表面に凹凸を形成して製造される。そして、その回折格子部を保護したり、回折格子に入射する光を制御するために、回折格子の表面に樹脂からなる層が積層されることがある。又、光学素子には、複数の樹脂を成形して積層し、所定の光学特性を得るものがある。
【0003】
このような光学素子に使用される樹脂には、紫外線硬化型樹脂が使用されることが多い。すなわち、紫外線硬化型樹脂を注型成形等により充填し、その後、紫外線を照射することによって硬化させ、安定な樹脂層を形成する。
【0004】
ガラスや石英等で回折格子を製造する場合、その格子はエッチングプロセス等で形成されるので、工程が複雑になり高価なものとなる。そのため、このような回折格子を、樹脂により形成することが試みられている。樹脂による成形方法としては、例えばガラス等の透明な基板と、回折格子のパターンが形成された型との間に、ディスペンサー等により紫外線硬化型樹脂を充填し、その後、透明な基板側から紫外線を照射することによって硬化させて、回折格子を形成する。
【0005】
そして、その上に異なる屈折率を有する樹脂層を形成する場合には、前記回折格子パターンが形成された樹脂層と、型との間に、第2の樹脂を注型成形等により充填し、再び、透明な基板側から紫外線を照射することによって硬化させて、第2の樹脂層を形成する。その1例を図3に示す。
【0006】
まず紫外線に対して透明な基板11を用意し、それと型12を対向させてその間に隙間を作る。型12としては、通常金型が用いられる。この型12には、回折格子を構成する凹凸が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂13をディスペンサー等により充填し、基板11の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂13を硬化させる(b)。その後、型12を取り除くと、紫外線硬化型樹脂13により回折格子が形成される。
【0007】
その後、紫外線硬化型樹脂13に対向させて第2の型15を配置し、紫外線硬化型樹脂13との間に隙間を作る。第2の型15としては、通常金型が用いられる。紫外線硬化型樹脂13には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(d)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂16をディスペンサー等により充填し、基板11の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂16を硬化させる(e)。その後、第2の型15を取り除くと、2層の紫外線硬化型樹脂13、16からなる回折格子が形成される(f)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に有機物からなる紫外線硬化型樹脂は、過度に紫外線を照射すると変質して、例えば黄色着色が起こり、光学特性が劣化する。図3に示す工程では、(b)の工程と(e)の工程において2回紫外線照射が行われ、紫外線硬化型樹脂13は2回に亘って紫外線照射を受けることになる。このうち、(b)の工程は、紫外線硬化型樹脂13それ自身を硬化させるためのものであるので必要不可欠であるが、(e)の工程における紫外線照射は、紫外線硬化型樹脂13にとっては余分なものである。
【0009】
このように、複数層の紫外線硬化型樹脂を有する光学素子を形成しようとする場合、その一部の紫外線硬化型樹脂が不必要な過度の紫外線照射を受けざるを得ず、そのために発生する黄色着色等のために、実際には、所望の光学素子が形成できない場合があった。
【0010】
また、複数の樹脂を積層したり、複数の樹脂を、ガラスや石英等の樹脂以外の物質を挟んで設けて構成される光学素子は、その形状を型により形成できる。従って、研磨により形状を形成する光学素子に対して製造コストを低減し、かつ、非球面等の複雑な形状を有するものが製造しやすい。しかし、上記のような理由により、実際には、所望の特性のものが得られないという問題があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数の樹脂層を有する光学素子で、特性の劣化を起こしにくいもの、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、複数の積層された樹脂層を有する光学素子であって、前記複数の積層された樹脂層のうち、少なくとも2つの前記樹脂層の間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子(請求項1)である。
【0013】
後に説明するように、このような光学素子は、その製造工程において、硬化済の紫外線硬化型樹脂が不必要な紫外線照射を受けることが少なくなるので、変質したり黄色着色を起こしたりすることが少なくなる。なお、紫外線吸収層の変質層とは、紫外線照射により紫外線吸収層自身が変質することがあるので、このような変質した物質を意味し、これは本明細書全体において同じである。
【0014】
前記課題を解決するための第2の手段は、透明体の基板の両側に、少なくとも各1層の樹脂層を有する光学素子であって、前記透明基板と、少なくとも片側の樹脂層との間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子(請求項2)である。
【0015】
後に説明するように、このような光学素子も、その製造工程において、硬化済の紫外線硬化型樹脂が不必要な紫外線を受けることが少なくなるので、変質したり黄色着色を起こしたりすることが少なくなる。
【0016】
前記課題を解決するための第3の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により1層目の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記1層目の樹脂層に前記紫外線を照射して硬化させ、硬化した前記1層目の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により2層目の樹脂層を積層した後、前記基板と反対側から、前記2層目の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項3)である。
【0017】
本手段においては、2層目の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1層目の樹脂中に照射されにくい。よって、第1層目の樹脂が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。実質的に透明であるとは、当該光学素子としての機能を発揮できる程度に透明であることを言い、このことは、本明細書中において同様である。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、紫外線硬化型樹脂で形成された第1の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層と反対側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項4)である。
【0019】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂中に照射されにくい。よって、第1の樹脂が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項5)である。
【0021】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項6)である。
【0023】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、透明体の基板の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法(請求項7)である。
【0025】
本手段においても、第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる場合に、紫外線吸収層が形成されているために、紫外線が硬化済の第1の樹脂層中に照射されにくい。よって、第1の樹脂層が過度の紫外線照射を受ける可能性が少なくなる。この紫外線吸収層は、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明であるので、これらの光線を使用するときに問題になることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
まず紫外線に対して透明な基板1を用意し、それと型2を対向させてその間に隙間を作る。型2としては、通常金型が用いられる。この型2には、回折格子を構成する凹凸が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂3をディスペンサー等により充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線硬化型樹脂3により回折格子が形成される(c)。
【0027】
次に、紫外線硬化型樹脂3の表面に、この回折格子が使用される波長域(「可視光、赤外光の少なくとも一方の波長域」に対して実質的に透明な紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。
【0028】
その後、紫外線硬化型樹脂3に対向させて第2の型5を配置し、紫外線硬化型樹脂3との間に隙間を作る。第2の型5としては、ガラスや石英等紫外線を透過する材料で形成したものを用いる。第2の型5には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(e)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂6をディスペンサー等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、2層の紫外線硬化型樹脂3、6からなる回折格子が形成される(g)。
【0029】
なお、この実施の形態においては、紫外線硬化型樹脂3を紫外線照射により硬化させるとき、基板1の裏面から紫外線を照射しているが、型2を紫外線を透過させる材料で形成し、型2の裏面側から紫外線を照射するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0030】
図2は、本発明の第2の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。この例は、板状平面形状を有するガラスや石英等の基板の両面に曲面の表面を有する樹脂材料を設けることにより、非球面レンズ等の複雑な表面形状を有する光学素子を、簡単に製造する方法の例を示すものである。
【0031】
まず紫外線に対して透明な基板1を用意し、それと型2を対向させてその間に隙間を作る。型2としては、通常金型が用いられる。この型2には、所定の形状が形成されている(a)。そして、隙間に紫外線硬化型樹脂3をディスペンサー等により充填し、基板1の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる(b)。その後、型2を取り除くと、紫外線硬化型樹脂3により所定の形状の表面を有する樹脂層が形成される(c)。
【0032】
次に、基板1の裏面に、この光学素子が使用される波長域(「可視光、赤外光の少なくとも一方の波長域」)に対して実質的に透明な紫外線吸収層4を塗布等により成膜する(d)。
【0033】
その後、基板1に対向させて第2の型5を配置し、基板1との間に隙間を作る。第2の型5としては、ガラスや石英等紫外線を透過する材料で形成したものを用いる。第2の型5には、光学素子に必要とされる表面形状が形成されている(e)。そして、隙間に第2の紫外線硬化型樹脂6をディスペンサー等により充填し、第2の型5の裏面から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂6を硬化させる(f)。その後、第2の型5を取り除くと、基板1の両面に所定の曲面形状の表面を有する紫外線硬化型樹脂3、紫外線硬化型樹脂6からなる光学素子が形成される(g)。
【0034】
なお、この実施の形態においては、(b)の工程において基板1の裏面側から紫外線を照射しているが、型2を、ガラスや石英等の紫外線を透過する材料で作り、型2の裏面側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂3を硬化させるようにしてもよい。この場合は、(a)の工程に先立って、基板1の型2と対向する表面に紫外線吸収層4を成膜するようにしてもよい。その場合は、(d)の工程は必ずしも必要としない。
【0035】
【実施例】
(実施例)
直径30mm、厚さ3mmの平板基板(BK7)の成形面と金型を対向させ、その間にアクリル系紫外線硬化型樹脂(商品名RC−8720(大日本インキ化学工業製))の未硬化物を充填した。BK7の平面基板を通して、紫外線をを6000mJ/cm2照射し、第1の樹脂を硬化させた後雛型した。樹脂厚は200μm、第1の樹脂の屈折率は1.52であった。
【0036】
次に、第1の樹脂層の上に酸化セリウム系の紫外線吸収剤(商品名CP−1(多木化学製)を約1μm塗布し、紫外線吸収層を成膜した。
【0037】
さらに、第1の樹脂層に石英からなる型を対向させ、その間に第1の樹脂とは異なる第2のフッ素系紫外線硬化型樹脂の未硬化物を充填した。そして、石英からなる型を通して、紫外線を6000mJ/cm2照射し、樹脂を硬化させた後雛型した。樹脂厚は200μm、第2の樹脂の樹脂の屈折率は1.49であった。
【0038】
前記第2のフッ素系紫外線硬化型樹脂は、2,2,2,−トリフルオロエチルメタクレートと、2−Propenoicacid[5,5’−[9H−fruolene−9−ylidene]bis[(1,1’−biphenyl)−2−poly(oxy−2,1−ethanediyl)ester]と、メトキシジメチレングリコールメタクレートの混合物に光開始剤であるイルガキュア184(商品名:チバスペシャリティケミカルズ製)を添加したものである。
【0039】
こうして樹脂を2層積層した樹脂接合型光学素子が製作された。この光学素子においては、黄色味が見られなかった。さらに、波長380nmの光の透過率は90%であった。
【0040】
(比較例)
上記実施例のうち、紫外線吸収層を成膜しなかったこと、第2の樹脂層の成形型に石英からなる型ではなく金型を使用し、基板側から紫外線を照射して硬化させたこと以外は、実施例と同様な方法で、樹脂接合型光学素子を製作した。この光学素子においては、第1の樹脂に黄色味が見られた。さらに、波長380nmの光の透過率は70%であり、実施例に比較して大幅に低下していた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の樹脂層を有する光学素子で、特性の劣化を起こしにくいもの、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の例である、光学素子の製造方法を示す概要図である。
【図3】従来の方法による光学素子の製造方法とその問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…基板
2…型
3…紫外線硬化型樹脂
4…紫外線吸収層
5…型
6…紫外線硬化型樹脂
Claims (7)
- 複数の積層された樹脂層を有する光学素子であって、前記複数の積層された樹脂層のうち、少なくとも2つの前記樹脂層の間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子。
- 透明体の基板の両側に、少なくとも各1層の樹脂層を有する光学素子であって、前記透明基板と、少なくとも片側の樹脂層との間に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層又はその変質層を有することを特徴とする光学素子。
- 透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により1層目の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記1層目の樹脂層に前記紫外線を照射して硬化させ、硬化した前記1層目の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により2層目の樹脂層を積層した後、前記基板と反対側から、前記2層目の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 紫外線硬化型樹脂で形成された第1の樹脂層の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層と反対側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記基板を通して、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 透明体の基板の上に、紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層側から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 透明体の基板の上に、可視光、赤外光の少なくとも一方に対して実質的に透明な紫外線吸収層を形成し、その上に紫外線硬化型樹脂により第1の樹脂層を積層した後、前記第1の樹脂層側から、前記第1の樹脂層に紫外線を照射して硬化させ、その後、前記基板の、前記第1の樹脂層が形成された面と反対側の面に、紫外線硬化型樹脂により第2の樹脂層を積層した後、前記第2の樹脂層から、前記第2の樹脂層に紫外線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
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JP2003110952A JP2004317755A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 光学素子及び光学素子の製造方法 |
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2003
- 2003-04-16 JP JP2003110952A patent/JP2004317755A/ja active Pending
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