JP4401139B2 - パターン形成方法および光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン形成方法およびそれを用いて形成される光学素子に関し、特に、光硬化性樹脂を用いたパターン形成方法および光学素子に関する。
従来から、例えば電子装置の製造工程において、配線などの微細なパターンを形成する技術として、フォトリソグラフィ技術が広く用いられている。しかしながら、露光装置などが高価であるなどの理由から、フォトリソグラフィ技術に代わる他のパターン形成方法の研究・開発が進んでいる。
近年、たとえば非特許文献1に開示されているように、インプリント法と呼ばれる微細パターンの転写技術が提案されている。以下、インプリント法によるパターンの形成方法を説明する。図1(a)に示すように、まず、シリコン基板を電子ビームリソグラフィ法などでエッチングすることにより表面に凹凸の形状を有するモールド11を作製する。次に、図1(b)に示すように、基板12上にPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの樹脂膜13を塗布する。図1(c)に示すように、基板12を樹脂膜13の軟化点温度以上に加熱してから、モールド11を樹脂膜13に圧着させ、モールド11のパターンを樹脂膜13に転写した後、基板温度を軟化点以下に下げ樹脂を固化させる。図1(d)に示すように、モールド11を樹脂膜13から剥離し、転写パターンを有する樹脂膜13’のうち、残膜14をリアクティブイオンエッチング(RIE)などの異方性プラズマエッチング法により除去する。これにより、図1(e)に示すように、樹脂パターン15が得られる。
このインプリント法によれば、簡単に微細なパターンを有する樹脂膜13を形成することができるとされている。しかし、転写の前後において基板12を加熱および冷却する必要があるため、処理時間が長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1は、以下に説明するようなインプリント法によるパターンの形成方法を提案している。具体的には、図2(a)に示すように、石英などの透光性を有する材料からなる基板を電子ビームリソグラフィ法などでエッチングすることにより表面に凹凸の形状を有するモールド21を作製する。次に、図2(b)に示すように、基板22上に液体状の光硬化性樹脂23を塗布し、図2(c)に示すように、モールド21を光硬化性樹脂23に圧着させる。この状態で、モールド21の裏面から光を照射し、光硬化性樹脂23を硬化させる。図2(d)に示すように、モールド21のパターンが転写され硬化された光硬化性樹脂23’から残膜24をRIE法などにより除去する。これにより、図2(e)に示すように、樹脂パターン25が得られる。
この方法によれば、光硬化反応を利用してパターンを固定するので、処理時間を大幅に短縮することができる。
特開2000−194142号公報 S.Y.Chouら Appl.Phys.Lett.,vol67,p3314(1995)
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方法では、形成されるパターンの寸法が光硬化性樹脂の硬化収縮の影響を受けるので、所望の寸法精度が得られないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、光硬化性樹脂を用いて従来よりも寸法精度の高いパターンを形成する方法を提供することにある。
本発明のパターン形成方法は、(a)所定のパターンで配置された凹部が形成された第1主面を有するモールドを用意する工程と、(b)透光性を有する基板を用意する工程と、(c)前記基板の第1表面と前記モールドの前記第1主面の少なくとも一方に光硬化性樹脂の薄膜を形成する工程と、(d)前記薄膜を介して前記モールドの前記第1主面と前記基板の前記第1表面とを押し当てる工程と、(e)前記基板側から前記薄膜に光を照射し、前記光硬化性樹脂を硬化する工程と、(f)前記モールドと前記基板とを分離する工程とを包含し、前記モールドの前記凹部は、前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が高い側面と、前記側面よりも前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が低い底面とを有することを特徴とする。
ある実施形態において、前記モールドの前記側面および前記底面は、前記工程(e)において前記光を反射する。
ある実施形態において、前記凹部の上面は前記凹部の側面よりも前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が低い。
ある実施形態において、工程(e)は、前記モールドの前記凹部と前記基板の前記第1表面とによって、前記光硬化性樹脂を実質的に密閉した状態で実行される。
ある実施形態において、前記工程(e)は、前記凹部内の前記光硬化性樹脂を加圧した状態で実行される。
ある実施形態において、前記モールドは前記光を反射する反射性材料から形成されている。
ある実施形態において、前記反射性材料はシリコンを含む。
ある実施形態において、前記凹部の前記底面および/または前記上面はフッ素原子を含む。
本発明の光学素子は、上記のいずれかに記載の方法で形成されたパターンを有することを特徴とする。
ある実施形態において、前記透光性基板上に形成された前記パターンと、前記パターン上に形成された反射層とを有し、グレーティングとして機能する。
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態のパターン形成方法を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図3(a)〜(e)を参照しながら、本発明による実施形態のパターン形成方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、所定のパターンで配置された凹部31rが形成された第1主面を有するモールド31を用意する。
次に、図3(b)に示すように、透光性を有する基板32を用意し、基板32の第1表面に光硬化性樹脂の薄膜33を形成する。なお、ここでいう光硬化性樹脂は、紫外線などの光照射によって重合または架橋するモノマーやオリゴマーを含む樹脂を広く含み、添加剤や充填材を更に含んでも良い。光硬化性樹脂の薄膜33の形成方法は、公知の方法を広く利用することができる。特に、スピンコート法やスリットコート法は、例えば約10μm以下の薄膜33の厚さを精度良く制御できるので好ましい。光硬化性樹脂の薄膜33の膜厚は、モールド31の凹部31rの深さと同程度または若干(例えば10%程度)薄く設定される。これにより残膜の膜厚を低く抑えることができる。
その後、図3(c)に示すように、薄膜33にモールド31の第1主面を押し当てる。この工程で、薄膜33を形成していた光硬化性樹脂がモール31の凹部31r内に侵入し、凹部31r内を充たす。
続いて、図3(d)に示すように、基板32側から薄膜33に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化する。
次に、図3(e)に示すように、モールド31と基板32とを分離する。その結果、硬化された光硬化性樹脂から形成された凸部(パターン)33’が得られる。ここで、残膜34が形成される場合、例えばRIE法などによって残膜34を除去することによって、樹脂パターン35が得られる。
本発明による実施形態のパターン形成方法では、光硬化性樹脂に対する濡れ性が高い側面31sと、側面31sよりも光硬化性樹脂に対する濡れ性が低い底面31bとを有する凹部を備えるモールド31を用いる。モールド31の凹部31rの側面31sは光硬化性樹脂に対する濡れ性が高いので、光硬化性樹脂が硬化に伴い収縮する力に反して、光硬化性樹脂を固定するように作用する。その結果、硬化した樹脂で形成されるパターン35の横方向の寸法精度が高い。
また、底面31bと光硬化性樹脂との濡れ性は相対的に低いので、離型工程において、樹脂の凸部33’から容易に剥離し、凸部33’に割れや欠けが発生することが抑制される。濡れ性は水に対する接触角で評価することができ、濡れ性の違いは、一方の接触角が約80°以上で他方の接触角が45°以下であることが好ましい。典型的な光硬化性樹脂は極性を有するので、水に対する接触角が大きい方が濡れ性が高い。なお、凹部31rの内面の表面粗さは、パターン精度の1%以下に制御することが好ましい。表面粗さが1%を超えるとパターン精度が低下するとともに、脱型し難くなり、硬化した樹脂からなるパターンが欠けるなどの不具合を生じることがある。
モールド31の側面31sおよび底面31bは、光硬化性樹脂を硬化するために照射する光(例えば紫外線)を反射することが好ましい。凹部の内面(側面31sおよび底面31b)が光反射性を有すると、凹部31rの内面に接している光硬化性樹脂に照射される光の強度が高くなり、凹部31rの内面に接触している領域の光硬化性樹脂の硬化反応が相対的に速く進行する。従って、光硬化性樹脂で形成されるパターンの外側表面の形状が先に形成され、光硬化性樹脂の収縮が抑制されるので、モールド31の凹部31rの形状・寸法を忠実に反映したパターンを形成することができる。
さらに、凹部31rの上面31tは側面31sよりも光硬化性樹脂に対する濡れ性が低いことが好ましい。光硬化性樹脂の硬化収縮が小さいと、光硬化性樹脂のモールド31からの離型性が悪く、脱型工程で、光硬化性樹脂のパターンが基板32から剥離あるいは欠けを生じるなどの不具合が発生しやすい。凹部31rの底面31bとともに上面31tの光硬化性樹脂に対する濡れ性(接着性)を側面31sよりも低くしておくことにより、離型性をさらに改善し、上記不具合の発生を抑制できる。
光硬化性樹脂に光照射する工程は、モールド31の凹部31rと基板32の表面とによって光硬化性樹脂を実質的に密閉した状態で実行されることが好ましい。このように光硬化性樹脂を実質的に密閉することによって、雰囲気ガスが酸素を含む環境でも、光硬化反応(ラジカル重合反応)を十分に進行させることができる。したがって、処理時間を短くできる効果が得られる。なお、光硬化性樹脂の硬化は、この光照射工程で完了する必要は必ずしも無く、別途必要に応じて、熱硬化を行っても良いし、更に、光照射を行ってもよい。モールド31の凹部31rに光硬化性樹脂を充填した状態における光照射は、パターンの外形(特に、凹部31rの側面31sによって規定される横方向における寸法)を固定できればよく、その後に行う熱硬化または更なる光硬化は、脱型工程の後に行っても良い。このようにすると、光照射工程での光照射時間を短くでき、別工程で行う熱硬化または光硬化も短時間で行うことができるので各工程時間を短縮できる。このため、より生産性を向上させることができる。
モールド31を基板32に対して押し当てた状態での光硬化工程は、モールド31の凹部31r内の光硬化性樹脂を加圧した状態で実行されることが好ましい。光硬化性樹脂を加圧した状態で硬化反応を進行させることによって、硬化収縮をさらに抑制することができる。その結果、パターンの寸法精度がさらに向上する。また、硬化した光硬化性樹脂からなるパターン33’(35)内の密度分布が均一になるという効果も得られる。なお、加圧した状態で行う場合は、光硬化性樹脂の薄膜33の膜厚は、モールド31の凹部31rの深さと同程度または若干(例えば10%程度)厚く設定するとよい。
このように、本発明による実施形態のパターン形成方法を用いると、従来よりも寸法精度が高い、特に横方向の寸法精度が高いパターンを形成することができる。本発明による実施形態のパターン形成方法は、従来のフォトレジスト材料を用いたフォトリソグラフィ技術が用いられていた種々の用途の適用することができる。例えば半導体装置や電子装置等の配線などの微細なパターンを形成する用途や、微細なパターンあるいは寸法精度の高い光学素子の製造に好適に用いることができる。
以下、具体的な実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
まず、ここで用いたモールド31のSEM写真を図4に示す。
モールド31は8インチのシリコンウエハにドライエッチング法を用いて、ライン/スペースが5μm/5μmのパターンを形成した。深さは中央の平坦部が3.5μmとした。
基板32として、パイレックス(登録商標)ガラスからなるガラス基板32を用いた。このガラス基板32は厚さ0.7mmであり、365nmの紫外線を約90%透過する。基板32の硬化に用いる光に対する透過率は高いことが好ましく、感光波長(典型的には光重合開始剤の分解波長)に対して80%以上の透過率を有していることが好ましい。ここでは、365nmに輝線を有する紫外線ランプを光源に用いて、365nmに感光性を有する紫外線硬化樹脂を用いた。
ガラス基板32上にスピンコート法で紫外線硬化樹脂を塗布し、厚さ約5μmの薄膜33を形成した。紫外線硬化樹脂として、ウレタンアクリレート(例えば、三菱レイヨン製:ダイヤビームUR−4501)を用いた。このウレタンアクリレートは10質量%から15質量%程度のオリゴマー(残部はモノマー)を含み、25℃における粘度は72cpsである。365nmの紫外線に対する標準的な感度(硬化に要する照射量)は約1J/cm2であった。また、このウレタンアクリレートはガラス基板32に対して適度な濡れ性を有し、均一な薄膜を形成することができた。なお、ガラス基板32の表面に対する濡れ性が低い樹脂を用いると、均一な薄膜とならず、局所的に凝集することがあるが、例えばガラス表面を改質して適度な濡れ性を付与することによって、均一な薄膜を形成することができる。
次に、図3(c)に示したように、モールド31の凹部31rが形成された主面を光硬化性樹脂の薄膜(液膜)33に押し当てる。ここでは、モールド31の裏面から均一に17kg/cm2の圧力で約4分間加圧した。
この加圧状態を保ったままで、図3(d)に示したように、ガラス基板32側から超高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。365nmの紫外線の照度は約100mW/cm2で、照射時間は、約7秒間とした。
この後、図3(e)に示したようにモールド31とガラス基板32とを分離し、図3(f)に示したようなパターン33’を得た。
得られたパターン33’の顕微鏡写真(1000倍)を図5(a)に示し、断面SEM写真を図5(b)に示す。図5(a)および(b)からわかるように、得られたパターン33’は、図4に示したモールド31のパターンが忠実に転写された形状を有している。特に、図5(b)のSEM写真からわかるように、パターン33’はモールド31の内面の形状を極めて正確に反映している。なお、図5(a)において白く見える部分が凸部33’でグレーに見える部分が残膜34である。図5(b)のSEM写真から、凸部33’の幅は5μm、高さ(残膜部34からの高さ)は3.5μmであり、モールド31の凹部31rの深さと一致していた。また、残膜34の厚さは0.2μmであった。
上述したように、本発明の実施例のパターン形成方法によると、10μm以下の微細なパターンを高い寸法精度(例えば0.1μm以下)で形成することができる。これに対し、例えば図2を参照しながら説明した従来のパターン形成方法では、光硬化性樹脂の硬化収縮の影響を受けるので、モールド21のパターンを正確に転写したパターンを得ることができない。図2(c)に示したように、モールド21の凹部の底面が光硬化性樹脂と接しない状態で硬化すると、形状が固定されていない表面から硬化反応が進行するとともに硬化収縮が起こる。したがって、硬化した樹脂からなるパターンの全体の形状が一定せず、寸法精度が低下することになる。
本実施例で用いたシリコンモールド31は、シリコンウエハの表面に薄い酸化膜(厚さ例えば100nm)を形成した後、ドライエッチング法を用いて凹部31rを所定のパターン(ここでは溝状)に形成した。したがって、凹部31rの側面31には酸化膜が残存している。ここでは酸化膜が薄いので図5(b)では観察されていないが、酸化膜が厚い場合にはサイドウォールとして観察され得る。シリコン(Si)の水に対する接触は90°程度もしくはこれ以上であるのに対し、酸化シリコン(SiO2)の水に対する接触角は数度程度と非常に小さい。すなわち、得られた凹部31rの側面31sは、底面31bおよび上面31tよりも光硬化性樹脂に対する濡れ性が高く、光硬化性樹脂が硬化に伴い収縮する力に反して、光硬化性樹脂を固定するように作用し、その結果、硬化した樹脂で形成されるパターン33’(35)の横方向の寸法精度が高くなったと考えられる。また底面31bおよび上面31tの光硬化性樹脂に対する濡れ性が比較的低いため、脱型工程において、パターン33’に欠けが発生することも無かったと考えられる。
なお、凹部31rの側面31sと底面31bおよび/または上面31tの濡れ性を制御する方法は上記に例に限られず、例えば、シリコン基板に凹部を形成した後、フォーカスイオンビーム法を用いて底面31bおよび上面31tにF原子を導入することによって、これらの面の濡れ性を選択的に低下させることができる。フォーカスイオンビーム法に代えて、指向性プラズマ改質法を用いることもできる。あるいは、スパッタ法を用いて表面を粗することによって濡れ性を向上した後、底面31bおよび上面31tを上記の方法を疎水化してもよい。
モールド31の上面31tの濡れ性を低下させる代わりに、あるいは、それとともにモールド31の上面31tが対向する基板32上の領域の光硬化性樹脂に対する濡れ性を低下させてもよい。
基板32上の特定に領域の濡れ性を選択的に低下させる方法として、例えば、マイクロコンタクトプリント(μCP)法を好適に用いることができる。マイクロコンタクトプリント(μCP)法は、例えば、E.Delamarche,et.al.J.Phys.Chem.B.,102,18,p.3324(1998)に記載されている。
マイクロコンタクトプリント法は、自己組織化単分子膜(SAM)をポリジメチルシロキサン(PDMS)で形成されたシリコーンゴムスタンプで転写する方法である。
例えば、オクタデシルトリクロロロシラン(OTS):C18H37SiCl3)のSAMを濡れ性を低下させたい領域に転写する。1滴のOTSを10mlのヘキサンに溶解した溶液を調製し、この溶液にシリコーンゴムスタンプの凸部を浸漬した後、N2ガスをブローすることによって乾燥させる。このようにして、シリコーンゴムスタンプにOTSのSAMが形成される。シリコーンゴムスタンプを基板32の表面に押付ける。圧力は100g/cm2程度が好ましく、接触時間は10分程度が適している。OTSは空気中の水分と反応性が高いので雰囲気制御が必要であり、上述の操作はN2ガス雰囲気で行うことが好ましい。このようにして、基板32の所定の領域にOTSのSAMが付与され、その領域に疎水性(水に対する接触角が90°以上)が付与される。
シリコンを用いてモールド31を形成すると、モールドの微細加工を容易に行うことができるという利点も得られる。シリコンの微細加工技術はこれまで種々開発されているので、これの技術を用いて高い寸法精度のモールドを工業的に製造することができる。
さらに、シリコンモールド31は、その内面で紫外線を反射するので、モールド31の凹部31rの内面に接している光硬化性樹脂に照射される光の強度が高くなり、凹部31rの内面に接触している領域の光硬化性樹脂の硬化反応が相対的に速く進行する。従って、光硬化性樹脂で形成されるパターンの外側表面の形状が先に形成され、光硬化性樹脂の収縮が抑制されるので、モールド31の凹部31rの形状・寸法を忠実に反映したパターンを形成することができる。もちろん、モールド31の材料はシリコンに限られない。さらに、反射率を向上するために、モールドの内面にまたは外面に、例えばAgなどの高反射率を有する材料からなる反射膜を形成してもよい。また、金属材料でモールドを形成してもよい。この場合、パターンの寸法精度を高めるには、温度変化による寸法変化が少ない材料を用いる方がよいため、熱膨張率が低い金属材料を用いた方がよい。また金属材料でモールドを作ることで、シリコンでは加圧工程で生じる可能性がある割れ欠けを防ぐことができる。
上記の実施例では、モールド31を基板32に対して17kg/cm2で圧着しながら光硬化性樹脂に光照射を行った。ここで用いたアクリレート系樹脂をはじめ、光硬化性樹脂の多くはラジカル反応を利用しているので、雰囲気に酸素が存在すると、重合反応が阻害される。しなしながら、上記の実施例のようにモールド31と基板32との間で光硬化性樹脂が実質的に密閉された状態で光照射を行うと、例えば雰囲気を窒素ガスに置換するなどの操作をしなくても、酸素による阻害を受けない。これに加えて、硬化反応が進行する過程において17kg/cm2という圧力がかかっているので、硬化収縮が起こりに難く、硬化した樹脂からなるパターン33’の密度の均一性も向上する。さらに、加圧によって、残膜34の厚さを低減できる。これらの加圧による効果を得るためには、圧力は7kg/cm2以上であることが好ましく、15kg/cm2以上であることがさらに好ましい。圧力が7kg/cm2未満であると、パターン33’の形状や残膜34の厚さにばらつきが生じるので好ましくない。また、加圧する時間は、2分以上であることが好ましく、例示したように4分以上であることがさらに好ましい。加圧時間が2分未満の場合は、上記の加圧による効果を安定して得ることができず、結果がばらつく。
寸法精度の高いパターンを形成するためには、光硬化性樹脂の選定も必要の要因となる。例えば、上記の実施例で用いたウレタンアクリレート系樹脂は、適度な粘度を有しているので、上記の加圧による効果が得られたが、粘度が10cpsを下回るアクリレート樹脂では加圧の効果は認められなかった。また、粘度が200cpsを超えると残膜の膜が増加し均一に薄膜を形成することが難しいので好ましくない。
本発明の実施形態のパターン形成方法によって形成されるパターンは、例えば、半導体装置の微細なパターンを形成するためのエッチングレジスト層として好適に用いられる。さらに、例えば、図3(e)または(f)で得られた樹脂パターン33’または35を覆うように、例えば、Agからなる反射層を形成することによって、反射型グレーティングを得ることができる。この場合は、パターン形成時に残る残膜を除去する必要がない。さらに、例えば、バイナリレンズのような他の光学素子の形成にも好適に用いられる。
図6(a)〜(e)を参照しながら、本発明による実施例のパターン形成方法を用いてバイナリレンズを作製する方法を説明する。
バイナリレンズは鋸歯状の断面を持つフレネルレンズを階段状に位相を近似した構造を有し、通常の方法ではフォトレジストのパターン形成とエッチング工程とを繰り返すことによって作製されるが、本発明のパターン形成方法を用いると、より高い寸法精度でバイナリレンズを容易に短いプロセスで作製することができ、生産性を高めることができる。
まず、図6(a)に示すように、バイナリレンズの鋸歯状の断面に対応する凹部61rが形成された第1主面を有するモールド61を用意する。
次に、図6(b)に示すように、透光性を有する基板62を用意し、基板62の第1表面に光硬化性樹脂の薄膜63を例えばスピンコート法で形成する。
その後、図6(c)に示すように、薄膜63にモールド61の第1主面を押し当てる。この工程で、薄膜63を形成していた光硬化性樹脂がモール61の凹部61r内に侵入し、凹部61r内を充たす。光硬化性樹脂の薄膜63の膜厚を、モールド61の凹部61rの深さと同程度または若干(例えば10%程度)厚くしておくと、凹部61r内の光硬化性樹脂が加圧された状態となり、硬化収縮を抑制することができ、その結果、パターンの寸法精度が向上するとともに、硬化した光硬化性樹脂からなるパターン63’内の密度分布が均一になるという効果も得られる。
続いて、図6(d)に示すように、基板62側から薄膜63に光を照射し、光硬化性樹脂を硬化する。
次に、図6(e)に示すように、モールド61と基板62とを分離する。その結果、硬化された光硬化性樹脂から形成された凸部(パターン)63’から構成されるバイナリレンズが得られる。この場合、凸部63’間に残膜が残っても除去する必要はない。
このように、本発明のパターン形成方法は、透明な光硬化性樹脂を用いて微細なパターンを高い寸法精度で作製することができるので、種々の光学素子の製造に好適に用いられる。なお、光硬化性樹脂の膜厚は、モールドの凹部深さより薄くすると、残膜量が低くできるので、パターン用途に適しており、逆にモールドの凹部深さより厚くすると、膜の密度分布が均一にできるため光学素子の用途に適している。従って、用途に応じて光硬化性樹脂の膜厚を設定するとよい。
上記実施例においては、光硬化性樹脂を基板側に塗布した後、パターン形成を行ったが、それに限定されることなく、モールド側に光硬化性樹脂を塗布した後、パターン形成を行ってもよい。
本発明によると光硬化性樹脂を用いて従来よりも寸法精度の高いパターンを形成することができる。本発明によるパターン形成方法は、従来フォトリソグラフィ技術が用いられた用途に広く適用することができる。
(a)から(e)は、従来のインプリント法によるパターン形成方法の工程を示す模式的な断面図である。 (a)から(e)は、従来の他のインプリント法によるパターン形成方法の工程を示す模式的な断面図である。 (a)から(f)は、本発明によるパターン形成方法の工程を示す模式的な断面図である。 本発明の実施例のパターン形成方法で用いたモールドのSEM写真である。 (a)は本発明の実施例のパターン形成方法によって形成されたパターンの光学顕微鏡写真であり、(b)はSEM写真である。 本発明の実施例のパターン形成方法用いてバイナリレンズを作製する工程を示す模式的な断面図である。
符号の説明
31 モールド
31r 凹部
31b 底面
31s 側面
31t 上面
32 透光性基板
33 光硬化性樹脂薄膜
33’、35 硬化した樹脂からなる凸部(パターン)
34 残膜

Claims (9)

  1. (a)所定のパターンで配置された凹部が形成された第1主面を有するモールドを用意する工程と、
    (b)透光性を有する基板を用意する工程と、
    (c)前記基板の第1表面と前記モールドの前記第1主面の少なくとも一方に光硬化性樹脂の薄膜を形成する工程と、
    (d)前記薄膜を介して前記モールドの前記第1主面と前記基板の前記第1表面とを押し当てる工程と、
    (e)前記基板側から前記薄膜に光を照射し、前記光硬化性樹脂を硬化する工程と、
    (f)前記モールドと前記基板とを分離する工程と、
    を包含し、
    前記モールドの前記凹部は、前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が高い側面と、前記側面よりも前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が低い底面とを有する、パターン形成方法。
  2. 前記モールドの前記側面および前記底面は、前記工程(e)において前記光を反射する、請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記凹部の上面は前記凹部の側面よりも前記光硬化性樹脂に対する濡れ性が低い、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記工程(e)は、前記モールドの前記凹部と前記基板の前記第1表面とによって、前記光硬化性樹脂を実質的に密閉した状態で実行される、請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記工程(e)は、前記凹部内の前記光硬化性樹脂を加圧した状態で実行される、請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 前記モールドは前記光を反射する反射性材料から形成されている、請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 前記反射性材料はシリコンを含む、請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 前記凹部の前記底面および/または前記上面はフッ素原子を含む、請求項7に記載のパターン形成方法。
  9. 前記側面と前記底面との濡れ性の違いは、水に対する接触角が、一方が約80°以上で他方が45°以下である、請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成方法。
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