JP2007253133A - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機フッ素化合物を効果的に微生物分解できる排水処理方法および排水処理装置を提供する。
【解決手段】貯留する被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置5を備えるバブル発生槽1と、活性炭が充填され、バブル発生槽1に貯留した被処理水が通水される活性炭吸着塔2と、活性炭吸着塔2から流出する被処理水を一旦貯留してから流出させる中継槽3と、洗浄水を貯留してマイクロナノバブルを導入する水槽部16、および、水槽部16の上方に設けられ、排ガスが挿通され、排ガスに洗浄水を散水する散水部17からなる排ガス処理塔4とを有する排水処理装置において、活性炭吸着塔2から流出する被処理水の一部をバブル発生槽1に環流させ、バブル発生槽1および中継槽3において被処理水から放出される排ガスを、排ガス処理塔4の散水部17に導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排水処理方法および排水処理装置に関し、特に、有機フッ素化合物含有排水の処理装置に関する。
水処理の対象となる被処理水が含有する化合物の一例である有機フッ素化合物は、化学的に安定な物質である。特に、この有機フッ系化合物は、耐熱性および耐薬品性の観点から優れた性質を有することから、界面活性剤等の用途に用いられている。
しかしながら、この有機フッ素化合物は、化学的に安定な物質であるが故に微生物分解がしにくい。例えば、この有機フッ素化合物としてのパーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)は、生態系での分解が進まないことから生態系への影響が懸念されている。
すなわち、上記パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)は、化学的に安定なため、完全に熱分解させるためには、約1000℃以上の高温が必要と言われている。また、PFOSやPFOAは、従来の微生物や光触媒等による処理では分解が極めて困難であった。
ところで、従来技術として、ナノバブルの利用方法および装置が、特許文献1(特開2004−121962号公報)に記載されている。
この従来技術では、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。この従来技術では、より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
また、今一つの従来技術としては、ナノ気泡の生成方法が、特許文献2(特開2003−334548号公報)に記載されている。
この従来技術は、液体中において、(1)液体の一部を分解ガス化する工程、(2)液体中で超音波を印加する工程または、(3)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されていることを開示している。
また、別の従来技術として、オゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置が、特許文献3(特開2004−321959号公報)に記載されている。
この従来技術では、マイクロバブル発生装置にオゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、この従来技術では、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気することを開示している。
しかし、上述の従来技術では、有機フッ素化合物を効果的に微生物分解することはできない。
特開2004−121962号公報 特開2003−334548号公報 特開2004−321959号公報
本発明は、有機フッ素化合物を効果的に微生物分解できる排水処理方法および排水処理装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明による排水処理方法は、バブル発生槽に貯留した被処理水にマイクロナノバブルを導入して前記被処理水中の微生物を活性化し、前記被処理水を活性炭が充填された活性炭吸着塔に通水することで、前記被処理水中の有機物を前記活性炭に吸着させるとともに、前記活性炭に前記微生物を繁殖させて前記活性炭に吸着された前記有機物を分解させる方法とする。
この方法によれば、被処理水中の難分解性の有機物を活性炭に吸着して除去し、吸着した有機フッ素化合物をマイクロナノバブルによって活性化した微生物が活性炭上で分解する。これによって、難分解性の有機物も微生物により時間をかけて分解することができる。また、活性炭に吸着した有機物を分解することで活性炭を自己再生することができ、活性炭の再生作業が不要である。
また、本発明の排水処理方法において、前記被処理水は、生物処理水に、有機フッ素化合物含有排水を混合したものであってもよい。
この方法によれば、生物処理水に含まれる微生物をマイクロナノバブルで活性化して、有機フッ素化合物を効率よく分解できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記活性炭吸着塔から流出する被処理水の一部を前記バブル発生槽に環流させてもよい。
この方法によれば、バブル発生槽と活性炭吸着塔との間で被処理水を循環させることによって、活性炭吸着塔において有機物を分解して活性が低下した微生物をバブル発生槽に返送し、マイクロナノバブルによって再度活性化させてから活性炭吸着塔に供給する。これによって、活性炭吸着塔における微生物の活性を維持し、活性炭に吸着した難分解性の有機物の分解を促進できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記被処理水から放出されるガスを回収し、前記ガスにマイクロナノバブルを導入した洗浄水を散水してから前記ガスを排出してもよい。
この方法によれば、有機フッ素化合物を微生物で分解することによって発生する排ガス中に含まれるフッ素ガスを、洗浄水に溶け込ませることで回収し、大気に漏れ出させない。また、洗浄水にマイクロナノバブルを導入することで、洗浄水中の微生物を活性化し、洗浄水に溶け込ませて回収した排ガス中に含まれる有機物を分解することができる。
また、本発明の排水処理方法において、前記洗浄水に前記マイクロナノバブルを導入するための水槽に、微生物が滞留可能な充填物を保持してもよい。
この方法によれば、洗浄水中の微生物を充填物に繁殖させ、微生物を高濃度化できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記充填物は、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンあるとよい。
この方法によれば、洗浄水中の微生物を効率よく高濃度化できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記充填物は、活性炭を含んでもよく、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋または網袋に収容した活性炭を網状管の周囲に複数配置したものであるとよい。
この方法によれば、洗浄水に回収した有機物を活性炭に吸着し、活性炭上で活性化した微生物によって効率よく分解できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記バブル発生槽に貯留した前記処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持してもよい。
この方法によれば、バブル発生槽において、活性炭に有機物を吸着し、活性化した微生物によって活性炭上で有機物を分解できるので、活性炭吸着塔における有機物分解の負荷を低減できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記活性炭吸着塔から流出する被処理水を、一旦、中継槽に貯留してから排出し、前記中継槽に貯留した被処理水にマイクロナノバブルを導入してもよい。
この方法によれば、仮に、有機物が活性炭吸着塔で分解されないまま流出したとしても、中継槽において、マイクロなのバブルにより被処理水中の微生物を活性化して、流出した有機物を分解することができるので、より高度の処理ができる。
また、本発明の排水処理方法において、前記中継槽に貯留した被処理水中に、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンを保持してもよい。
この方法によれば、微生物を高濃度化することができ、有機物を効率的に分解できる。
また、本発明の排水処理方法において、前記中継槽に貯留した被処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持してもよい。
この方法によれば、中継槽において、活性炭に有機物を吸着し、活性化した微生物によって活性炭上で有機物を分解できるので、有機物の除去がより高度に行える。
また、本発明の排水処理方法において、前記中継槽から排出される被処理水を、キレート樹脂塔でさらに処理してもよく、カルシウム剤を添加して凝集沈殿処理してもよい。
この方法によれば、有機フッ素化合物を分解して生じたフッ素を除去することができる。
また、本発明のよる排水処理装置は、貯留する被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置を備えるバブル発生槽と、活性炭が充填され、前記バブル発生槽に貯留した被処理水が通水される活性炭吸着塔と、前記活性炭吸着塔から流出する被処理水を、一旦、貯留してから流出させる中継槽と、洗浄水を貯留して、前記洗浄水にマイクロナノバブルを導入する水槽部、および、前記水槽部の上方に設けられ、排ガスが挿通され、前記排ガスに前記洗浄水を散水する散水部からなる排ガス処理塔とを有し、前記活性炭吸着塔から流出する被処理水の一部を前記バブル発生槽に環流させ、前記バブル発生槽および前記中継槽において前記被処理水から放出される排ガスを、前記排ガス処理塔の前記散水部に導入するものとする。
この構成によれば、被処理水中の有機フッ素化合物を活性炭に吸着して除去し、吸着した有機フッ素化合物をマイクロナノバブルによって活性化した微生物が活性炭上で分解する。さらに、被処理水から放出される排ガスを、排ガス処理塔で洗浄するので、有機物および有機フッ素化合物を分解して生じたフッ素ガスを回収すると共に、回収した有機物を分解して処理することができる。
また、本発明の排水処理装置において、前記水槽部は、前記洗浄水中に微生物が滞留可能な充填物を保持してもよい。
この構成によれば、充填物に微生物を繁殖させ、洗浄水中の微生物を高濃度化して有機物を効率よく分解できる。
また、本発明の排水処理装置において、前記充填物は、ひも状またはリング状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなってもよい。
この構成によれば、微生物を効果的に高濃度化できる。
また、本発明の排水処理装置において、前記充填物は、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋からなってもよい。
この構成によれば、活性炭に有機物を吸着させ、活性炭上で有機物を分解することができる。
また、本発明の排水処理装置において、前記バブル発生槽は、貯留した前記処理水中に、ひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンを保持してもよい。
この構成によれば、ポリ塩化ビニリデンに微生物を繁殖させ、微生物を高濃度化して、活性炭吸着塔における分解能力を高めることができる。
また、本発明の排水処理装置において、前記バブル発生槽は、貯留した前記処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持してもよい。
この構成によれば、バブル発生槽において、活性炭に有機物を吸着し、活性化した微生物によって活性炭上で有機物を分解できるので、活性炭吸着塔における有機物分解の負荷を低減できる。
また、本発明の排水処理装置において、前記中継槽は、貯留する被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置を備えてもよい。
この構成によれば、活性炭吸着塔で有機物を分解できずに流出したとしても、中継槽において、マイクロナノバブルによって活性化した微生物によって分解することができる。
また、本発明の排水処理装置において、前記中継槽は、貯留した被処理水中に、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンを保持してもよい。
この構成によれば、ポリ塩化ビニリデンに微生物を繁殖させ、微生物を高濃度化して、有機物の分解を促進できる。
また、本発明の排水処理装置において、前記中継槽は、貯留した被処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持してもよい。
この構成によれば、活性炭に有機物を吸着し、活性化した微生物によって活性炭上で有機物を分解できるので、次工程に有機物の残存する被処理水を流出させない。
本発明によれば、有機フッ素化合物を活性炭で吸着し、活性炭に吸着した有機フッ素化合物をマイクロナノバブルで活性化した微生物で分解するので、被処理水中の有機フッ素化合物を完全に分解することができる。さらに、排ガスに洗浄水を散水してから排出するので、有機フッ素化合物を分解したときに発生するフッ素ガスを洗浄水に溶け込ませて回収できる。
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1実施形態の排水処理装置を示す。この排水処理装置は、バブル発生槽1、活性炭吸着塔2,中継槽3および排ガス処理塔4からなる。
バブル発生槽1には、有機フッ素化合物含有排水に加え、微生物を含んだ生物処理水が導入され、それらを混合したものを本排水処理装置の被処理水とする。生物処理水は、有機フッ素化合物含有排水と同じ施設等から排出されたものである必要はない。
バブル発生槽1は、被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置5を備える密閉された水槽である。マイクロナノバブル発生装置5は、循環ポンプ6でバブル発生槽1内の被処理水を吸い出してマイクロバブル発生器7に注入し、被処理水の流速によって調節弁8を介して自給した空気を剪断してマイクロナノバブル(微細な気泡)を生成し、被処理水と共に吐出するものである。マイクロナノバブル発生装置5は、バブル発生槽1内の被処理水にマイクロナノバブルを導入するだけでなく、被処理水を撹拌する水流を形成して、有機フッ素化合物含有排水と生物処理水とを混合する機能も果たす。
ポンプ9は、バブル発生槽1のマイクロナノバブルを含んだ被処理水を、バルブ10を介して活性炭吸着塔2の頂部に導入する。活性炭吸着塔2は、内部に活性炭が充填されている。活性炭は、例えばヤシガラ活性炭が適用されるが、石炭系など他の種類の活性炭を使用してもよく、被処理水の水質や処理量によって最適なものを選択するとよい。
活性炭吸着塔2の底部から流出する被処理水は、バルブ11を介してバブル発生槽1に環流されるものと、バルブ12を介して中継槽3に導入されて一旦貯留した後に次工程に排出されるものとに分流される。
バブル発生槽1および中継槽3は、ともに密閉した水槽であるが、それぞれ、被処理水から排出される排ガスを吸い出す排気ダクト13,14が設けられており、発生した排ガスは、排気ファン15によって排ガス処理塔4に導入される。
排ガス処理塔4は、洗浄水を貯留する水槽部16と、水槽部16の上方に一体に設けられ、下側から排気ファン15によって排ガスが導入され、導入された排ガスに水槽部16の洗浄水を散布する散水部17とからなる。
水槽部16は、貯留する洗浄水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置18を備えている。マイクロナノバブル発生装置18は、循環ポンプ19、マイクロナノバブル発生器20および調節弁21からなる。
散水部17は、底板となる多孔板22の上に、プラスチック充填材23が配置され、プラスチック充填材22の隙間を上昇する排ガスに対して散水ポンプ24で水槽部16から汲み上げた洗浄水を上方から散水する散水ノズル25を備えている。
続いて、以上の構成からなる排水処理装置の作用について説明する。
バブル発生槽1において、マイクロナノバブルを導入することで、生物処理水に含まれている微生物が活性化し、被処理水中の有機物を分解する。有機フッ素化合物等の難分解性の有機物は、容易に分解できないため、ポンプ9によって活性炭吸着塔2に送られ、充填されている活性炭に吸着される。
有機フッ素化合物を吸着した活性炭には、マイクロナノバブルによって活性化した微生物を含む被処理水が次から次へと供給されるため、活性炭上に微生物が繁殖し、吸着した有機フッ素化合物を徐々に分解する。吸着した有機フッ素化合物が分解されることによって、活性炭は、再び有機フッ素化合物を吸着できる状態になる。
従来、有機物を吸着した活性炭は、人為的な再生作業が必要であったが、本発明では、活性化した微生物により、活性炭吸着塔2内で活性炭に吸着された有機フッ素化合物を分解することで、活性炭を自己再生でき、再生作業が不要である。
活性炭において微生物の活性を維持するためには、バルブ11を介してバブル発生槽1に返送する被処理水の流量を多くして、微生物の循環量を多くすることが効果的である。つまり、活性炭吸着塔2において活性の低下した微生物をバブル発生槽1に返送し、マイクロナノバブルにより再び活性化した微生物を活性炭吸着塔2に供給するとよい。
また、有機フッ素化合物が分解されることによってフッ素ガスが発生するが、フッ素ガスは活性炭吸着塔2の底部から被処理水と共にバブル発生槽1および中継槽3に流出し、排気ファン15によって排気ダクト13,14を介して排ガス処理塔4に導入される。
排ガス処理塔4では、散水部17において、挿通される排ガスに洗浄水を散布し、排ガス中のフッ素ガスや有機物を洗浄水に溶け込ませて回収し、清浄なガスだけを排出する。このように、バブル発生槽1および中継槽3において、有機フッ素化合物を分解した際に発生したフッ素ガスを含む排ガスを排ガス処理塔4で回収するので、次工程で被処理水が大気開放されて外気にフッ素ガスを放出することがない。
さらに、排ガス処理塔4の水槽部16にマイクロナノバブルを導入することで、洗浄水中に回収した有機物を分解して、排ガス中の有機物やフッ素を溶け込ませ易くすることができる。
さらに、図2に、本発明の第2実施形態の排水処理装置を示す。以降の説明において、上記第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の処理装置では、バブル発生槽1の被処理水内にひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなる発生槽内充填物26を保持している。これにより、発生槽内充填物26上に微生物を高濃度に繁殖させることで、バブル発生槽1内の微生物濃度、ひいては活性炭吸着塔2に導入される微生物の濃度を高め、活性炭に吸着された有機フッ素化合物の分解を促進する。
また、本実施形態では、中継槽3から排出する被処理水は、キレート樹脂塔に送られ、フッ素を除去する処理が行われる。
図3に、本発明の第3実施形態を示す。本実施形態では、バブル発生槽1に多孔板によって収容スペース27が形成されており、収容スペース27内に、それぞれ活性炭28を収容し、直立した網状管29の周囲に配置した複数の網袋30が保持されている。
多孔板27および網袋30は、被処理水が自由に出入りすることができ、さらに、網状管29が活性炭28の過度の密集を防止して、活性炭28の間に被処理水の流路を形成している。マイクロナノバブル発生装置5が発生させる水流により、活性炭28には有機物およびマイクロナノバブルによって活性化した微生物が供給される。よって、網状管29は、活性炭28の中をより多くの被処理水が通過するように、大きさや向きを選択するとよい。
活性炭28は、被処理水中の有機物を吸着するが、活性化した微生物は活性炭28に吸着された有機物を分解することができる。つまり、バブル発生槽1において、被処理水中の有機物の一部を効果的に分解することによって、活性炭吸着塔2の負荷を低減することができる。また、マイクロナノバブルで活性化した微生物は、有機フッ素化合物のような難分解性の有機物をも分解して、活性炭28を自己再生するので、活性炭28の寿命が長い。
本実施形態においては、中継槽3から排出する被処理水は、カルシウム添加凝集沈殿設備に送られ、フッ素を除去する処理が行われる。
図4に、本発明の第4実施形態を示す。本実施形態は、中継槽3にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置31を設けたものである。マイクロナノバブル発生装置31は、循環ポンプ32、マイクロナノバブル発生器33および調節弁34からなる。本実施形態では、仮に、有機フッ素化合物が分解されずに活性炭吸着塔2を通過しても、中継槽3において、マイクロナノバブルによって活性化した微生物によって分解することができ、有機フッ素化合物のより高度な処理が可能である。
図5に、本発明の第5実施形態を示す。本実施形態は、上記第4実施形態のマイクロナノバブル発生装置31を設けた中継槽3に、さらに、被処理水中に保持されるひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなる中継槽内充填物34を設けたものである。これによって、中継槽内充填物34に高濃度の微生物を繁殖させることができ、中継槽3における有機フッ素化合物の処理能力が向上する。
図6に、本発明の第6実施形態を示す。本実施形態は、上記第4実施形態のマイクロナノバブル発生装置31を設けた中継槽3に、さらに、多孔板によって収容スペース35を形成し、収容スペース35内に、それぞれ活性炭36を収容し、直立した網状管37の周囲に配置した複数の網袋38が保持されている。
活性炭36は、次工程に排出する被処理水から有機物を吸着して除去する。マイクロナノバブルで活性化した微生物は、活性炭36に吸着された有機物を分解して活性炭36を自己再生する。こうして、有機フッ素化合物のより高度な処理が可能である。
図7に、本発明の第7実施形態を示す。本実施形態は、第1実施形態の排ガス処理塔4の水槽部16に、さらに、洗浄水中に保持されるひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなる水槽内充填物39を設けたものである。これによって、水槽内充填物43に高濃度の微生物を繁殖させることができ、水槽部16における有機物の分解能力が向上する。
図8に、本発明の第8実施形態を示す。第1実施形態の排ガス処理塔4の水槽部16に、さらに、多孔板によって収容スペース40を形成し、収容スペース40内に、それぞれ活性炭41を収容し、直立した網状管42の周囲に配置した複数の網袋43を保持したものである。これによって、排ガスから洗浄水に回収した有機物を活性炭41に吸着させて洗浄水の有機物濃度を低く保つことができ、排ガスを適切に浄化できる状態を維持する。また、マイクロナノバブルによって活性化した微生物は、活性炭41に吸着された有機物を分解するので、活性炭41を自己再生して長寿命化する。
本発明の第1実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第2実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第3実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第4実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第5実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第6実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第7実施形態の排水処理装置の概略図。 本発明の第8実施形態の排水処理装置の概略図。
符号の説明
1 バブル発生槽
2 活性炭吸着塔
3 中継槽
4 排ガス処理塔
5 マイクロナノバブル発生装置
16 水槽部
17 散水部
18 マイクロナノバブル発生装置
26 発生槽内充填物(ポリ塩化ビニリデン)
28 活性炭
29 網状管
30 網袋
30 マイクロナノバブル発生装置
34 中継槽内充填物(ポリ塩化ビニリデン)
36 活性炭
37 網状管
38 網袋
39 水槽内充填物(ポリ塩化ビニリデン)
41 活性炭
42 網状管
43 網袋

Claims (24)

  1. バブル発生槽に貯留した被処理水にマイクロナノバブルを導入して前記被処理水中の微生物を活性化し、
    前記被処理水を活性炭が充填された活性炭吸着塔に通水することで、前記被処理水中の有機物を前記活性炭に吸着させるとともに、前記活性炭に前記微生物を繁殖させて前記活性炭に吸着された前記有機物を分解させることを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記被処理水は、生物処理水に、有機フッ素化合物含有排水を混合したものであることを特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記活性炭吸着塔から流出する被処理水の一部を前記バブル発生槽に環流させることを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理方法。
  4. 前記被処理水から放出されるガスを回収し、前記ガスにマイクロナノバブルを導入した洗浄水を散水してから前記ガスを排出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の排水処理方法。
  5. 前記洗浄水に前記マイクロナノバブルを導入するための水槽に、微生物が滞留可能な充填物を保持することを特徴とする請求項4に記載の排水処理方法。
  6. 前記充填物は、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンからなることを特徴とする請求項5に記載の排水処理方法。
  7. 前記充填物は、活性炭を含むことを特徴とする請求項5に記載の排水処理方法。
  8. 前記充填物は、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋であることを特徴とする請求項5に記載の排水処理方法。
  9. 前記バブル発生槽に貯留した前記処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の排水処理方法。
  10. 前記活性炭吸着塔から流出する被処理水を、一旦、中継槽に貯留してから排出し、
    前記中継槽に貯留した被処理水にマイクロナノバブルを導入することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の排水処理方法。
  11. 前記中継槽に貯留した被処理水中に、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンを保持することを特徴とする請求項10に記載の排水処理方法。
  12. 前記中継槽に貯留した被処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持することを特徴とする請求項10に記載の排水処理方法。
  13. 前記中継槽から排出される被処理水を、キレート樹脂塔でさらに処理することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の排水処理方法。
  14. 前記中継槽から排出される被処理水に、カルシウム剤を添加して凝集沈殿処理することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の排水処理方法。
  15. 貯留する被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置を備えるバブル発生槽と、
    活性炭が充填され、前記バブル発生槽に貯留した被処理水が通水される活性炭吸着塔と、
    前記活性炭吸着塔から流出する被処理水を、一旦、貯留してから流出させる中継槽と、
    洗浄水を貯留して、前記洗浄水にマイクロナノバブルを導入する水槽部、および、前記水槽部の上方に設けられ、排ガスが挿通され、前記排ガスに前記洗浄水を散水する散水部からなる排ガス処理塔とを有し、
    前記活性炭吸着塔から流出する被処理水の一部を前記バブル発生槽に環流させ、
    前記バブル発生槽および前記中継槽において前記被処理水から放出される排ガスを、前記排ガス処理塔の前記散水部に導入することを特徴とする排水処理装置。
  16. 前記水槽部は、前記洗浄水中に微生物が滞留可能な充填物を保持することを特徴とする請求項15に記載の排水処理装置。
  17. 前記充填物は、ひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなることを特徴とする請求項16に記載の排水処理装置。
  18. 前記充填物は、リング状に形成されたポリ塩化ビニリデンからなることを特徴とする請求項16に記載の排水処理装置。
  19. 前記充填物は、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋からなることを特徴とする請求項16に記載の排水処理装置。
  20. 前記バブル発生槽は、貯留した前記処理水中に、ひも状に形成されたポリ塩化ビニリデンを保持することを特徴とする請求項15から19のいずれかに記載の排水処理装置。
  21. 前記バブル発生槽は、貯留した前記処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持することを特徴とする請求項15から19のいずれかに記載の排水処理装置。
  22. 前記中継槽は、貯留する被処理水にマイクロナノバブルを導入するマイクロナノバブル発生装置を備えることを特徴とする請求項15から21のいずれかに記載の排水処理装置。
  23. 前記中継槽は、貯留した被処理水中に、ひも状に形成したポリ塩化ビニリデンを保持することを特徴とする請求項22に記載の排水処理装置。
  24. 前記中継槽は、貯留した被処理水中に、それぞれ活性炭を収容して網状管の周囲に配置された複数の網袋を保持することを特徴とする請求項22に記載の排水処理装置。
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