JP2007252148A - キャップ、ケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法 - Google Patents

キャップ、ケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熟練した技術を要することなく、短時間で作業(ケーブル端末処理)を行うことができるキャップ、このキャップを用いたケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、ケーブルの端末部に装着されるキャップ10であって、ケーブルの端末部との間に形成される空間に充填材が注入される孔である充填材注入孔11aが少なくとも形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーブルの端末部に装着されるキャップ、このキャップを用いたケーブル端末構造、及び、ケーブル端末処理方法に関する。
従来、ケーブルの端末部を保護する場合(特に、屋外で保護する場合)には、防湿・防水の目的や電気の絶縁などの目的でケーブルの端末部にキャップを装着すること(いわゆる、ケーブル端末処理)が行われている。
具体的には、鉛被が施されたケーブルの端末部に金属製のキャップを装着(嵌合)し、このケーブルの外周面とキャップの外周面との境界部分に、加熱装置を用いて鉛を溶かすことにより、ケーブルの端末部とキャップとを固定する技術がある(例えば、非特許文献1又は非特許文献2参照)。この技術によれば、ケーブルの端末部とキャップとが固定されて、ケーブルの端末部をキャップで密封することが可能となり、防湿・防水や電気の絶縁などを確保することができる。
佐野清五郎著,「ケーブル工事の実際」,改訂増補版,オーム社,p.12 飯塚喜八郎監修,「電力ケーブル技術ハンドブック」,新版,株式会社電気書院,p.399,p.409
しかしながら、上述した従来の技術では、ケーブルの外周面とキャップの外周面との境界部分に鉛を溶かすため、熟練した技術が必要であった。特に、複数のケーブルが隣接している場合には、隣接しているケーブルに悪影響が及ばないようにする工夫が必要となるため、作業(ケーブル端末処理)が困難であるとともに、作業時間を要してしまう。
そこで、本発明は、熟練した技術を要することなく、短時間で作業を行うことができるキャップ、このキャップを用いたケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、ケーブルの端末部に装着されるキャップであって、端末部との間に形成される空間に充填材が注入される孔である充填材注入孔が形成されていることを要旨とする。
ここで、ケーブルとは、例えば地中送電線回路や地中配電線回路に使用されるケーブルがある。この種のケーブルとしては、導体を含油紙(油浸紙)で絶縁して鉛被が施されたSLケーブル・PTAケーブルや、導体を含油紙で絶縁して鉛被が施され、鉛被を保護部材で外装したベルト紙ケーブル、ポリエチレンを絶縁体として施されたCVケーブルなどがある。この他のケーブルとしては、ガラスやプラスチックなどの細い繊維の光を通す光ケーブルなどがある。
また、ケーブルは、1本の導体で形成される単芯や、2本の導体で形成される二芯、3本の導体で形成される三芯、4本の導体で形成される四芯、5本の導体で形成される五芯などの導体の本数は限定されるものではない。
なお、本発明に係るキャップは、端末部に装着された際に、空間を確保するとともに、空間に向けて突出するスペーサ部を有していてもよい。
また、本発明に係るキャップは、空間に充填材が充填されたことが目視可能な孔である目視孔がさらに形成されていてもよい。
本発明の第2の特徴に係る発明は、ケーブル端末構造であって、ケーブルの端末部と、端末部に装着され、端末部との間に空間を形成するとともに、空間に連通する充填材注入孔が形成されているキャップと、充填材注入孔を介して空間に注入される充填材と、を備えることを要旨とする。
なお、本発明に係るケーブル端末構造は、キャップが固定部材によってケーブルに固定されていてもよい。この固定部材は、テープ、常温で収縮するチューブ、又は、熱が加えられることで収縮するチューブであってもよい。
また、本発明に係るケーブル構造は、端末部とキャップとの間には、端末部の外周面とキャップの内周面との隙間を埋める隙間部材が設けられていてもよい。この隙間部材は、帯状のスポンジ材、テープ、又は、帯状のゴムであってもよい。
また、本発明に係るケーブル構造は、充填材が2液性シリコーン樹脂、セメント、2液性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂のいずれかから選ばれていてもよい。
本発明の第3の特徴に係る発明は、ケーブル端末処理方法であって、ケーブルの端末部との間に形成される空間に充填材注入孔が連通するキャップを、空間を確保しながら端末部に装着するキャップ装着工程と、キャップを固定部材によって端末部に固定するキャップ固定工程と、充填材注入孔から充填材を注入して、空間に前記充填材を充填する充填材注入工程と、を含むことを要旨とする。
なお、本発明に係るケーブル端末処理方法は、キャップ装着工程の前に、端末部の外周面とキャップの内周面との隙間を埋める隙間部材を端末部に取り付ける隙間部材取付工程をさらに含むものであってもよい。
また、本発明に係るケーブル端末処理方法は、キャップには、空間に前記充填材が充填されたことが目視可能な孔である目視孔がさらに形成されており、充填材注入工程では、目視孔に充填材が到達した時点で、充填材の注入を停止することを要旨とする。
本発明によれば、熟練した技術を要することなく、短時間で作業(ケーブル端末処理)を行うことができるキャップ、このキャップを用いたケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法を提供することができる。
以下、本実施の形態に係るキャップ、ケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(キャップの構成)
まず、本実施の形態に係るキャップの構成について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は、本実施の形態に係るキャップを示す斜視図であり、図2(a)は、本実施の形態に係るキャップの軸方向断面図(図1のA−A断面図)であり、図2(b)は、本実施の形態に係るキャップの幅方向断面図(図2(a)のB−B断面図)である。
図1及び図2に示すように、キャップ10は、ケーブルの端末部1(以下、端末部1)に装着されるものである。このキャップ10は、円筒状の筒部11と、該筒部11における一端を塞ぐ円盤状の底部12とによって大略構成されている。
この筒部11には、キャップ10と端末部1との間に形成される空間Sに充填材F(図4(a)参照)が注入される孔である充填材注入孔11aが形成されている。また、筒部11には、空間Sに充填材F(図4(a)参照)が充填されたことが目視可能な孔である目視孔11bが形成されている。
この充填材注入孔11aと目視孔11bとは、キャップ10の円周方向に沿って配置されている。なお、図面では、キャップ10の円周方向時計回りで充填材注入孔11a、目視孔11bの順に配置されているが、必ずしもキャップ10の円周方向時計回りで充填材注入孔11a、目視孔11bの順に配置されている必要はなく、キャップ10の円周方向時計回りで目視孔11b、充填材注入孔11aの順に配置されていても勿論よい。
また、キャップ10は、端末部1に装着された際に、空間Sを確保するとともに、空間Sに向けて突出するスペーサ部12aを有している。このスペーサ部12aは、筒部11の開口部側から突出することなく、円錐形状で底部12に一体形成されている。
ここで、空間Sに充填材F(図4(a)参照)が注入されて端末部1全体を被うことによって、防湿・防水性能や絶縁性能を向上させるために、キャップ10の内径(β)は、端末部1の外径(α)に対して0〜40mmであることが好ましい。また、スペーサ部12aの長さ(W)(すなわち、空間Sの幅)は、キャップ10の全体の長さ(W)に対して5〜20%であることが好ましい。
(ケーブル端末構造)
次に、本実施の形態に係るケーブル端末構造について、図3及び図4を用いて説明する。なお、図3は、本実施の形態に係るケーブル端末構造を示す斜視図であり、図4(a)は、本実施の形態に係るケーブル端末構造の軸方向断面図(図3のC−C断面図)であり、図4(b)は、本実施の形態に係るケーブル端末構造の幅方向断面図(図4(a)のD−D断面図)である。
図3及び図4に示すように、ケーブル端末構造は、ケーブルの端末部1(以下、端末部1)と、端末部1に装着され、端末部1との間に空間S(図2(a)参照)を形成するとともに、空間Sに連通する充填材注入孔11aが形成されているキャップ10と、充填材注入孔11aを介して空間Sに充填される充填材Fとによって大略構成されている。
キャップ10は、上述したように、充填材注入孔11aに加えて目視孔11bが設けられているとともに、空間S(図2(a)参照)を確保するスペーサ部12aが設けられている。このキャップ10は、固定部材20によって端末部1に固定されている。
固定部材20は、テープ(PVCテープや防水テープを含む)、常温で収縮するチューブ、又は、熱が加えられることで収縮するチューブであることが好ましい。
また、端末部1とキャップ10との間には、端末部1の外周面とキャップ10の内周面との隙間を埋める隙間部材30が設けられている。この隙間部材30は、帯状のスポンジ材、テープ(PVCテープや防水テープを含む)、又は、帯状のゴムであることが好ましい。特に、隙間部材30は、キャップ10が様々な外径の端末部1に対応できるように、帯状のスポンジ材であることがより好ましい。
さらに、充填材Fは、所定時間が経過した後に固まるものであればよく、例えば2液性シリコーン樹脂、セメント、2液性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂のいずれかから選ばれることが好ましい。
(ケーブル端末処理方法)
次に、本実施の形態に係るケーブル端末処理方法について、図5を用いて説明する。なお、図5は、本実施の形態に係るケーブル端末処理方法を説明するための図である。
ケーブル端末処理方法は、(I)隙間部材取付工程、(II)キャップ装着工程、(III)キャップ固定工程、(IV)充填材注入工程を含むものである。
(I)隙間部材取付工程
図5(a)に示すように、予め切断されたケーブルの端末部1(以下、端末部1)において、端末部1の外周面とキャップ10の内周面との隙間を埋める隙間部材30を端末部1に取り付ける。なお、隙間部材30は、端末部1の端末面1aから20〜40mmの位置(ω)に取り付けることが好ましい。
(II)キャップ装着工程
図5(b)に示すように、端末部1との間に形成される空間S(図2(a)参照)に充填材注入孔11aが連通するキャップ10を、空間Sを確保しながら端末部1に装着する。すなわち、キャップ10をスペーサ部12aが端末部1の端末面1aに当接するように端末部1に装着する。
なお、キャップ10は、上述したように、充填材注入孔11aに加えて目視孔11bが設けられているとともに、空間S(図2(a)参照)を確保するスペーサ部12aが設けられている。また、充填材注入孔11a及び目視孔11bの位置を充填材Fを注入する方向(図5(d)参照)にあわせておく。
(III)キャップ固定工程
図5(c)に示すように、キャップ10を固定部材20によって端末部1に固定する。具体的には、端末部1の外周面とキャップ10の外周面とに固定部材20を取り付けて(巻き付けて)、端末部1とキャップ10との境界部分を密封しながら、キャップ10を端末部1に固定する。
(IV)充填材注入工程
図5(d)に示すように、キャップ10の充填材注入孔11aから、予め用意された充填材Fを注入して、空間S(図2(a)参照)に該充填材Fを充填する。また、キャップ10の目視孔11bに充填材Fが到達した時点(すなわち、充填材Fが充填されたことが目視孔11bによって確認した時点)で、充填材Fの注入を停止する。
(V)孔塞ぎ工程
充填材注入工程が終了した後に、テープ(PVCテープや防水テープを含む)や、シール、チューブ(ゴムチューブを含む)、樹脂製の栓などによって、充填材注入孔11a及び目視孔11bを塞ぐ。
なお、ケーブル端末処理方法は、少なくとも(II)キャップ装着工程、(III)キャップ固定工程、(IV)充填材注入工程を含むものであればよい。
[変更例]
上述したように、本実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになろう。
(キャップの構成)
次に、変更例に係るキャップの構成について、図面を用いて説明する。
(I)上述した実施の形態に係るキャップ10は、一部材で形成されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、キャップ10は、図6(a)に示すように、筒部11A,11Bと、底部12A,12Bと(すなわち、二つの部材)によって構成されていてもよく、図6(b)に示すように、筒部11A,11B,11Cと、底部12A,12B,12Cと(すなわち、三つの部材)によって構成されていてもよく、図6(c)に示すように、筒部11A,11B,11C,11Dと、底部12A,12B,12C,12Dと(すなわち、四つの部材)によって構成されていてもよい。この場合、二つの部材や三つの部材、四つの部材などによって形成されるキャップ10は、充填材F(図4(a)及び図5(d)参照)の漏れを防止するために、接着剤などによって固定される。
(II)上述した実施の形態に係るキャップ10に形成されている充填材注入孔11aと目視孔11bとは、キャップ10の円周方向に沿って配置されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、図7(a)に示すように、充填材注入孔11aと目視孔11bとは、キャップ10の軸方向に沿って配置されていてもよい。また、図7(b)に示すように、充填材注入孔11aが筒部11に形成され、目視孔11bが底部12に形成されていてもよい。
(III)上述した実施の形態に係るキャップ10には、充填材注入孔11a及び目視孔11bの2つの孔が形成されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、充填材注入孔11aは、充填材F(図4(a)及び図5(d)参照)が注入可能であり、かつ、充填材Fが充填されたことが目視可能であれば、図7(c)に示すように、キャップ10の円周方向に長い1つの孔であってもよく、図7(d)に示すように、キャップ10の軸方向に長い1つの孔であってもよく、図7(e)に示すように、キャップ10を上面から見た際に大きな真円状の1つの孔であってもよい。
(IV)上述した実施の形態に係るキャップ10のスペーサ部12aは、円錐形状で形成されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、スペーサ部12aは、図8(a)に示すように、円柱形状で形成されていてもよく、図8(b)に示すように、四角柱形状で形成されていてもよい。
(V)上述した実施の形態に係るキャップ10のスペーサ部12aは、底部12に一体形成されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、スペーサ部12aは、図8(c)に示すように、底部12に後付けする円柱形状であってもよく、図8(d)に示すように、底部12に後付けする四角柱形状であってもよく、図8(e)に示すように、底部12に取り付けられるネジなどであってもよい。
(VI)上述した実施の形態に係るキャップ10のスペーサ部12aは、底部12に形成されているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、図8(f)に示すように、スペーサ部12aは、筒部11の上下で空間に向けて突出するものであってもよい。なお、スペーサ部12aは、筒部11の左右で空間に向けて突出するものであっても勿論よい。
(ケーブル端末構造)
次に、変更例に係るケーブル端末構造について、図面を用いて説明する。上述した実施の形態に係るケーブル端末構造では、端末部1とキャップ10との間に隙間部材30が設けられているものとして説明したが、以下のように変更することができる。
例えば、図9に示すように、ケーブル端末構造では、端末部1の外周面とキャップ10の内周面との間に隙間部材30が設けられていなくてもよい。すなわち、端末部1の外周面とキャップ10の内周面とが一致するものであってもよい。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
例えば、キャップ10は、空間S(図2(a)参照)を確保するスペーサ部12aを有しているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、スペーサ部12aを有していなくても勿論よい。この場合、作業(ケーブル端末処理)を行う作業者は、充填材F(図4(a)及び図5(d)参照)が充填される空間を確保しながらキャップ10を端末部1に装着すればよい。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係るキャップ10、このキャップ10を用いたケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法によれば、熟練した技術を要することなく、短時間で作業(ケーブル端末処理)を行うことができる。
具体的には、充填材注入孔11a、目視孔11b及びスペーサ部12aがキャップ10に形成されていることによって、作業者は、充填材注入孔11aを介して充填材Fを注入するのみで、端末部1とキャップ10との間の空間Sを密封することができる。
このため、キャップ10が装着された端末部1は、防湿・防水や電気の絶縁などに優れるものとなる。また、従来の技術のように、端末部とキャップとの境界部分に鉛を溶かすことがないため、熟練した技術を要することがない。さらに、複数のケーブルが隣接している場合であっても、隣接しているケーブルに悪影響が及ばないようにする工夫が必要なく、作業(ケーブル端末処理)が容易となり、作業時間を大幅に短縮することができる。
特に、本実施形態に係るキャップ10、このキャップ10を用いたケーブル端末構造及びケーブル端末処理方法は、SLケーブル・PTAケーブルやベルト紙ケーブルなどの含油紙(油浸紙)が用いられているケーブルの端末部に用いられる場合には、充填材Fにより端末部1とキャップ10との間の空間Sを密封することができるため、油漏れをなくすことも可能となる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の比較例1,2及び実施例1に係るケーブル端末構造を用いて行った試験結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各ケーブル端末構造で用いられるケーブルは、導体を含油紙(油浸紙)で絶縁して鉛被が施されたSLケーブルであり、外径が78mmである。また、各ケーブル端末構造で用いられるキャップは、外径が114mmであり、内径が100mmである。
比較例1に係るケーブル端末構造では、ケーブルの端末部に隙間部材としてテープを取り付け、このテープの上から金属製のキャップを装着し、このケーブルの端末部とキャップと鉛によって固定した。
比較例2に係るケーブル端末構造では、ケーブルの端末部に隙間部材としてテープを取り付け、このテープの上からポリ塩化ビニル製のキャップを装着し、このケーブルの端末部とキャップとを防水テープによって固定した。
実施例1に係るケーブル端末構造では、ケーブルの端末部1に隙間部材30として帯状のスポンジ材を取り付け、このスポンジ材の上から注入孔及び目視孔が形成された樹脂製のキャップ10を装着し、このケーブルの端末部1とキャップ10とを防水テープによって固定した。そして、キャップ10の充填材注入孔11aから、予め用意された充填材(2液性シリコーン樹脂)を注入して、ケーブルの端末部1とキャップ10との間に形成された空間を充填した。
この比較例1,2及び実施例1に係るケーブル端末構造の耐久性試験、気密性試験及び低温気密性試験について、表1を用いて説明する。
Figure 2007252148
<耐久性試験>
各ケーブル端末構造を組み立てて24時間経過した後に、この各ケーブル端末に内圧20kPa、土圧荷重298Nを負荷した際にキャップが割れるか否かを測定した。なお、「○」「△」「×」の順で耐久性に優れている。
この結果、表1に示すように、実施例1に係るケーブル端末構造は、比較例1,2に係るケーブル端末構造と比べて、耐久性に優れていることが分かった。
<気密性試験>
各ケーブル端末構造を組み立てて24時間経過した後に、この各ケーブル端末構造に内圧20kPa、土圧荷重298Nを負荷した際の油漏れが発生するか否かを測定した。なお、「○」「△」「×」の順で気密性に優れている。
この結果、表1に示すように、実施例1に係るケーブル端末構造は、比較例2に係るケーブル端末構造と比べて、気密性に優れていることが分かった。
<低温気密性試験>
気温0℃で各ケーブル端末構造の組み立てて24時間経過した後に、この各ケーブル端末構造に内圧20kPaを負荷した際の油漏れが発生するか否かを測定した。なお、「○」「△」「×」の順で低温気密性に優れている。
この結果、表1に示すように、実施例1に係るケーブル端末構造は、比較例2に係るケーブル端末構造と比べて、低温気密性に優れていることが分かった。
本実施の形態に係るキャップを示す斜視図である。 本実施の形態に係るキャップを示す断面図である。 本実施の形態に係るケーブル端末構造を示す斜視図である。 本実施の形態に係るケーブル端末構造を示す断面図である。 本実施形態に係るケーブル端末処理方法を説明するための図である。 変更例(I)に係るキャップを示す斜視図である。 変更例(II)(III)に係るキャップを示す斜視図である。 変更例(IV)(V)(VI)に係るキャップを示す断面図である。 変更例に係るケーブル端末構造を示す断面図である。
符号の説明
1…ケーブルの端末部、1a…端末面、10…キャップ、11,11A,11B,11C,11D…筒部、11a…充填材注入孔、11b…目視孔、12,12A,12B,12C,12D…底部、12a…スペーサ部、20…固定部材、30…隙間部材、F…充填材、S…空間

Claims (9)

  1. ケーブルの端末部に装着されキャップであって、
    前記端末部との間に形成される空間に充填材が注入される孔である充填材注入孔が形成されていることを特徴とするキャップ。
  2. 前記端末部に装着された際に、前記空間を確保するとともに、前記空間に向けて突出するスペーサ部を有することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記空間に前記充填材が充填されたことが目視可能な孔である目視孔がさらに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャップ。
  4. ケーブルの端末部と、
    前記端末部に装着され、前記端末部との間に空間を形成するとともに、前記空間に連通する充填材注入孔が形成されているキャップと、
    前記充填材注入孔を介して前記空間に注入される充填材と、
    を備えることを特徴とするケーブル端末構造。
  5. 前記キャップは、固定部材によって前記ケーブルに固定されていることを特徴とする請求項4に記載のケーブル端末構造。
  6. 前記端末部と前記キャップとの間には、前記端末部の外周面と前記キャップの内周面との隙間を埋める隙間部材が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のケーブル端末構造。
  7. ケーブルの端末部との間に形成される空間に充填材注入孔が連通するキャップを、前記空間を確保しながら前記端末部に装着するキャップ装着工程と、
    前記キャップを固定部材によって前記端末部に固定するキャップ固定工程と、
    前記充填材注入孔から充填材を注入して、前記空間に前記充填材を充填する充填材注入工程と、
    を含むことを特徴とするケーブル端末処理方法。
  8. 前記キャップ装着工程の前に、前記端末部の外周面と前記キャップの内周面との隙間を埋める隙間部材を前記端末部に取り付ける隙間部材取付工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のケーブル端末処理方法。
  9. 前記キャップには、前記空間に前記充填材が充填されたことが目視可能な孔である目視孔がさらに形成されており、
    前記充填材注入工程では、
    前記目視孔に前記充填材が到達した時点で、前記充填材の注入を停止することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のケーブル端末処理方法。


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